JP4534472B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
この種の転写装置としては、コロトロンのような転写ユニットからなる非接触型デバイスもあるが、オゾンの発生等を抑制するという観点からすれば、像担持体との間の転写域で転写材を挟持する転写ロールのような転写ユニットからなる接触型デバイスが多く利用されている。
このような接触型デバイスを利用する態様にあっては、像担持体と転写ロールとの転写域にて像担持体に転写材を確実に密接配置し、転写ロールによる転写性能を良好に保つことが要請される。
この種のジャム処理を可能にするために、従来にあっては、装置本体のうち、転写材搬送経路に面した箇所に扉カバーを開閉自在に設け、この扉カバー側に転写ユニット及び転写材案内装置の一方のガイドシュートを取付け、扉カバー開放時に転写材搬送経路を開放させることにより、ジャム処理スペースを確保するようにしたものが既に提供されている(例えば特許文献2参照)。
この点について、例えば特許文献2には、扉カバー開閉時に扉カバーの上下方向位置を調整可能にする提案がなされているが、上下方向以外の位置調整ができないため、転写ユニット、ガイドシュートの位置決め精度には限度がある。
また、転写ユニットやガイドシュートのメンテナンス時には、夫々の部品を交換したり、部品を一旦取り外して清掃したりする作業が行われるが、夫々の部品を個々的に位置決めするのは非常に困難であるという技術的課題もある。
このような画像形成装置としては、前記扉カバー8閉時に前記像担持体1に対して前記接触転写部材2が位置決め可能な位置決め機構9を設けた態様が好ましい。
また、前記保持ユニット11は前記転写ユニット5と前記扉カバー8との間に設けられていると共に、前記保持ユニット11は当該保持ユニット11と前記扉カバー8との間に設けられたスプリングにより弾性支持されている態様が好ましい。
更に、前記扉カバー8は下側端部を支点として装置本体6に対して揺動自在である態様が好ましい。
更にまた、前記扉カバー8には、前記保持ユニット11の位置を規制する位置規制部が設けられている態様が好ましい。
ここで、像担持体1は主としてドラム状であるものを対象とするが、張架ロールに張架されているベルト状であってもよい。また、感光体のような像形成担持体に限らず、中間転写体をも含む。更に、接触転写部材2は像担持体1との間の転写域nにて転写材3を挟持すればよく、通常像担持体1に接触配置されるが、像担持体1に対して近接配置されていても差し支えない。
更に、画像材料の平均粒径についても8μm以下の小径である点、また、画像材料としては非磁性トナーである点が高トライボにつながり易いことから、本願は特に有効である。
そして、転写材案内部材4による転写材3の案内態様としては、転写域n寄りの転写材案内部材4aに沿って転写材3を案内搬送させるものが好ましく、本態様によれば、転写材3の突入姿勢を安定させることができる。
更に、転写材案内部材4の構成例としては、樹脂、金属等の材料で適宜形状に構成して差し支えない。
更にまた、この転写ユニット5の代表的態様としては、接触転写部材2が収容されるユニットホルダ12を有し、このユニットホルダ12に転写材案内部材4の少なくとも一部を設けるようにしたものが挙げられる。この態様において、ユニットホルダ12と転写材案内部材4の少なくとも一部とは一体的でなくてもよいが、接触転写部材2と転写材案内部材4との相対位置関係を精度良く保つには一体的に構成することが好ましい。
更に、転写ユニット5の扉カバー8への取付構造としては、取外し自在に保持されていることと、扉カバー8閉時に位置決め機構9により位置決めされることを両立できることが必要である。
ここで、転写ユニット5の扉カバー8への取付構造の代表的態様としては、転写ユニット5が相対移動可能な保持ユニット11を介して扉カバー8に保持されるものであればよい。この態様において、保持ユニット11は扉カバー8に転写ユニット5を拘束しない状態で保持する取付部材として働く。
このとき、保持ユニット11の扉カバー8への支持構造の代表的態様としては、保持ユニット11は扉カバー8に対して弾性支持されていることが好ましく、このような弾性支持構造により、保持ユニット11の相対移動が可能である。
更に、像担持体1側に転写材3を密接させながら転写域nに転写材3を導く態様にあっては、転写材3の浮き上がりを押さえ込むことが必要である。このような要請下において、転写ユニット5側に設けられる転写材案内部材4の好ましい態様としては、転写ユニット5に転写域n寄りの転写材案内部材4aを具備させ、この転写材案内部材4aの像担持体1側端部には、像担持体1側に転写材3を密接させるべく押さえ込む突起部13を具備させるものが挙げられる。本態様によれば、像担持体1への転写材3の密着性を維持することができる。
この場合、本発明に関連する発明としては、図1に示すように、画像を担持する像担持体1と、この像担持体1との間の転写域nで転写材3を挟持し且つ像担持体1上の画像を静電転写する接触転写部材2と、像担持体1と接触転写部材2との転写域nに転写材3を案内する転写材案内部材4とを備えた画像形成装置に用いられる転写ユニット5であって、接触転写部材2が収容されるユニットホルダ12を有し、このユニットホルダ12と転写材案内部材4の少なくとも一部とを一体的に構成したものが挙げられる。
このような転写ユニット5としては、装置本体6に転写材搬送経路7に面して開閉自在な扉カバー8を具備させ、この扉カバー8に取外し自在に組み込まれ且つ扉カバー8閉時に位置決めされるものが好ましい。
◎実施の形態1
図2は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置は、装置本体20内に例えば電子写真方式の作像エンジン21を搭載し、装置本体20内の作像エンジン21の下方に転写材(転写紙,OHPシート)の供給トレイ22を装備すると共に、装置本体20の上部を排出トレイ27として構成し、装置本体20内の一側方側(図2では左側に相当)に供給トレイ22から送出された転写材を作像エンジン21、排出トレイ27へと導く搬送路23を略鉛直方向に設けたものである。
ここで、現像装置34で使用されるトナーとしては、高湿環境(例えば温度28℃/湿度85%)下で帯電量が10〜40μC/gである高トライボの非磁性トナーが用いられ、その平均粒径が8μm以下であるものが使用される。
また、供給トレイ22としては、例えば複数段(本例では三段)のカセットトレイ41〜43と、例えば二つの大容量トレイ44,45とが配設されている。尚、各供給トレイ22には転写材を供給するためのフィーダ46が設けられており、各供給トレイ22と略鉛直方向に延びる搬送路23とは夫々連通路47を介して連通接続されている。
そして、搬送路23の定着装置25の直後は二股に分岐されており、一方の分岐路51が排出トレイ27側に延び、他方の分岐路52が装置本体20の一側壁側に向かって延び、両分岐路51,52間には経路切替用の切替ゲート53が配設されている。そしてまた、両分岐路51,52間を直線的につなぐ直進路54が設けられ、各分岐路51,52の出口部分には排出ロール55,56が配設されている。尚、符号57は搬送路23及び連通路47に必要に応じて配設される搬送ロールである。
また、装置本体20の略鉛直方向に延びる搬送路23に面した側壁には扉カバー80(図3参照)が開閉自在に設けられており、この扉カバー80の外側には両面記録ユニット60が配設されている。この両面記録ユニット60内には前記分岐路52に連通し且つ搬送路23のレジストロール24の上流側に連通する戻り搬送路61が設けられており、この戻り搬送路61の途中には排出路62が分岐形成され、戻り搬送路61には適宜数の搬送ロール63が配設されると共に、前記排出路62の出口部分には排出ロール64が配設されている。そして、両面記録ユニット60の排出路62の出口に対応した箇所に第二の排出トレイ65が設けられている。
尚、図2中、符号70は手差しで転写材を搬送する手差しトレイ、71は手差しトレイ70に設けられた手差しフィーダである。
また、転写装置35は感光体ドラム31との間に転写域が確保される転写ユニット100を有し、この転写ユニット100は保持ユニット120を介して扉カバー80に保持されている。
更に、搬送路23のうち、転写ユニット100の転写域の上流側には転写材案内装置140が配設されている。
そして、ユニットホルダ102は、例えばABS又はポリカーボネート等の樹脂材料にて一体成形されており、その底部外側に外方に突出する位置決め突起106を備えている。
また、転写ロール101は位置決め機構110を介して相対移動可能に弾性支持されている。本例の位置決め機構110としては、ユニットホルダ102の長手方向両端付近に一対の位置決め孔(図示せず)を開設する一方、一対の軸受部材103,104には夫々前記位置決め孔に嵌合可能なガイド突起111を設け、前記位置決め孔に前記ガイド突起111を係合させ且つ前記ガイド突起111には弾性スプリング112を巻装させることにより、前記軸受部材103,104を相対移動自在に弾性支持するものが用いられる。
そして、前記保持ユニット120には転写ユニット100を搭載可能な転写ユニット受部122が設けられており、この転写ユニット受部122には位置決め孔(図示せず)が開設され、転写ユニット100は、転写ユニット受部122の位置決め孔にユニットホルダ102の位置決め突起106を係合させた状態で保持ユニット120に取外し自在に取り付けられている。
そして、ユニットホルダ102とガイドシュート141との連結部には感光体ドラム31側に突出する突起部144が一体的に形成されている。
すなわち、図8に示すように、感光体ドラム31への転写材の突入部位における接平面Mと転写材の突入姿勢h(本例では転写域n寄りのガイドシュート141の搬送面143方向に相当)とのなす角度(転写材の突入角度)をθとした場合に、45°≦θ≦60°を満たすようになっている。この数値範囲については、転写材の突入角度θが45°未満であると、感光体ドラム31と転写材との間の密着性が難しくなり、一方、θが60°を超えると、転写域nへの転写材の搬送性が損なわれることに基づく。
ここで、感光体ドラム31に対する転写材の突入ポイントとしては、感光体ドラム31と転写ロール101の中心を結ぶ直線位置に対し感光体ドラム31の上流側に偏倚していればよいが、転写域nでの転写材の密着性を確保するには、偏倚角が10°以上であることが好ましく、また、転写材の搬送性を考慮すると、前記偏倚角は90°未満であることが好ましい。
この可撓性押さえ部材145は、ガイドシュート141,142の転写材搬送面143が現像装置34(図3参照)からのトナークラウドによって汚れる事態を防止すると共に、転写材の後端跳ねを押さえ込むことで転写材の後端跳ねに伴う転写材の振動等を防止し、転写域nでの転写不良(像乱れなど)を未然に抑制するものである。
例えば図8及び図9(a)に示すように、転写ユニット100の転写域nに転写材(例えば転写紙)が通過する時(通紙時)には、通常転写バイアスVtが印加され、転写域nに転写材が通過しない時(非通紙時)には例えばクリーニングバイアスV0(転写バイアスVtより低電圧若しくは逆極性バイアス)が印加され、転写ロール101へのトナー付着が低減されるようになっている。尚、非通紙時にクリーニングバイアスV0を印加させない方式もある。
また、図8及び図9(b)に示すように、通紙時のうち、転写材の後端部Prを除く部位には、通常転写バイアスVtが印加され、転写材の後端部Prに対応した部位には転写バイアスVtと逆極性の剥離バイアスVt’が印加されるものであってもよい。この剥離バイアスVt’は感光体ドラム31と反発する極性を転写材の後端部Prに与えるため、転写材の後端部Prが感光体ドラム31から剥離し易くなり、その分、転写材剥離時における転写材の後端跳ねは有効に抑制され、転写材の後端跳ねに伴う像乱れは有効に防止される。また、剥離バイアスVt’に代えて転写バイアスVtを印加しないようにし、転写材の後端部Prにおける転写バイアスVtによる静電付着力を弱めるようにしてもよい。尚、図9(b)に仮想線で示すように、転写材の先端部Pfに対応して剥離バイアスVt’を印加するか又は転写バイアスVtを印加しないようにしておけば、更に、転写材の剥離性能が良好になる。
更に、図8及び図9(c)に示すように、通紙時のうち、転写材の後端部Prを除く部位には、通常転写バイアスVtが印加され、転写材の後端部Prに対応した部位には転写バイアスVtと同極性で低電流若しくは低電圧となる低転写バイアスVt1が印加されるものであってもよい。ここで、低電流とは例えば定電流制御している場合に通常の転写電流よりも低い電流であることを意味し、また、低電圧とは例えば定電圧制御している場合に通常の転写バイアスよりも低い電圧を意味する。本態様によれば、転写材の後端部Prにおいて感光体ドラム31への静電付着力が弱まるため、転写材が剥離し易くなる。尚、図9(c)に仮想線で示すように、転写材の先端部Pfに対応して低転写バイアスVt1を印加するようにしておけば、更に、転写材の先端部Pfにおいて画像転写性がある程度維持され、かつ、転写材の剥離性能が良好になる。
次に、本実施の形態で用いられる半導電性部材は、下記の(A)〜(C)成分を必須成分とし、かつ、(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対して、(C)成分が10〜80質量部の範囲で含有されるゴム組成物によって形成されていることを特徴とする。
(A)エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体
(B)アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
(C)電子伝導系の導電剤
本実施の形態のように、イオン伝導性が高いエピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(A成分)と、イオン伝導性の低いNBR(B成分)とを組み合わせて用いたゴム組成物で半導電性弾性体層を形成することにより、半導電性弾性体層の導電性は、イオン伝導に支配されており、電気抵抗の電圧依存性が低くなる。そして、このゴム組成物に、電子伝導性の導電剤(C成分)を所定量配合することにより、低温低湿下における電気抵抗が低くなって高温高湿下における電気抵抗に近くなる。その結果、高温高湿下でも低温低湿下でも電気抵抗値が大きく変動しないようになり、温度や湿度等の環境の影響を受けにくくなる、つまり、環境依存性が低下する。また、低分子のイオン導電剤を添加していないので、ブルーミングも生じる問題がなく、結果的に、半導電性部材表面や感光体表面の汚染を防止することができる。
すなわち、上記配合比(配合割合)において、上記エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(A成分)が20未満〔NBR(B成分)が80を超える〕の場合では、得られた半導電性部材の初期の電気抵抗が高くなる傾向がみられ、また上記エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(A成分)が80を超える〔NBR(B成分)が20未満〕場合では、イオン伝導性が強くなり、電気抵抗の環境依存性が高くなり易い。そのため、電子伝導系導電剤の添加量を多くする必要があり、ロール硬度が高くなるなどの問題が生じる場合がある。
上記半導電性弾性体層の形成材料としては、先に述べたように、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(A成分)、NBR(B成分)、電子伝導性の導電剤(C成分)を必須成分とし、かつ、ゴム成分である上記(A)成分と(B)成分の合計量100質量部(以下、適宜、「部」と略す。)に対して、上記(C)成分が10〜80部の範囲に設定されたゴム組成物が用いられる。より好ましくは、上記(C)成分が30〜70部の範囲である。(C)成分がこの範囲内であると、得られた半導電性部材の環境変化及び電圧の変化等に起因する電気抵抗の変動幅を効果的に小さくすることができる。
すなわち、電子伝導性の導電剤(C成分)の配合量が10部未満では、上記変動幅に影響を与えるような電子伝導の効果がみられない傾向があり、80部を超えると、上記半導電性ローラの硬度が硬くなり、転写部でのニップ圧が大きくなる問題が生じる場合がある。
電子伝導性の導電剤(C成分)として好適なカーボンブラックは、これを添加したゴム組成物中において連鎖状に結合する性質があり、かかる連鎖結合の長さに応じてゴム組成物の抵抗値が異なったものになる。この連鎖結合が長ければ、半導電性弾性体層の導電性は向上しその抵抗値は低下する。一方、連鎖結合が短ければ、半導電性弾性体層の導電性は低下しその抵抗値は高くなる。すなわち、長い連鎖結合を形成するカーボンブラックを添加した場合には、所望の抵抗値を発現するためのカーボンブラックの添加量は、短い連鎖結合を形成するカーボンブラックに比べて少なくすることができるが、抵抗値が大きく変化することになるので、前述した半導電性弾性体層内の抵抗値のばらつきを低減することができない。
上述した連鎖結合の長さは、カーボンブラックの個々の粒子の粒径や表面活性度に依存しているが、これを示す指標の1つとして、ASTM D2414−6TTに定義されたDBP(ジブチルフタレート)吸油性がある。このDBP吸油性は、カーボンブラック100gに吸収されるDBP量(ml)が多いか少ないかで表される。このDBP吸油性の高いすなわち吸油量の多いカーボンブラックほど、長い連鎖結合を形成するものとされている。
かかるDBP吸油性の高いカーボンブラックのみをゴム組成物に添加して、弾性層の抵抗値を調整しようとすると、添加量の僅かな増減でも抵抗値が大きく変化することになる。そのため、カーボンブラックの添加量及び分散状態を厳密に規定しなくては、所定の抵抗値を弾性層に付与することができない。一方、DBP吸油性の低いカーボンブラックのみを添加して、弾性層の抵抗値を調整しようすれば、DBP吸油性の高いカーボンブラックのみを添加した場合よりも、カーボンブラックがゴム組成物中に略均一に分散するので、添加量の増減に伴う抵抗値の変化の割合は小さくなる。しかし、所定の抵抗値を弾性層に付与するためには、DBP吸油性の高いカーボンブラックのみを添加する場合よりも、多量のカーボンブラックを添加する必要がある。その結果、ゴム組成物中のカーボンブラックの配合割合が高まることから、ゴム組成物をバンバリーミキサー、ニーダー等で混練する際に高粘度となるため加工が困難になる。また、得られた弾性層が高硬度になる問題が発生する場合がある。
したがって、DBP吸油性の高いカーボンブラックと吸油性の低いカーボンブラックのDBP吸油性の異なる2種類以上のカーボンブラックを併用することが好ましい。
具体的には、吸油性の高いカーボンブラックとしては、例えば、吸油量447ml/100gのHS−500(旭カーボン(株)製)、吸油量360ml/100gのケッチェンブラック(ライオンアグゾ(株)製)、吸油量288ml/100gの粒状アセチレンブラック(電気化学(株)製)、吸油量265ml/100gのバルカンXC−72(キャボット社製)等のカーボンブラックなどが挙げられる。また、吸油性の低いカーボンブラックとしては、例えば、吸油量28ml/100gのアサヒサーマルFT(旭カーボン(株)製)、吸油量35ml/100gのアサヒサーマルMT(旭カーボン(株)製)等のサーマルブラックなどが挙げられる。
上記架橋剤としては、特に限定するものではなく、従来公知のもの、例えばチオウレア、トリアジン、イオウ等が挙げられる。上記充填剤としては、シリカ、タルク、クレー、酸化チタン等の絶縁性の充填剤が挙げられ、これらは単独で若しくは併せて用いられる。また、上記発泡剤としては、例えば、無機系発泡剤、有機系発泡剤のいずれを用いてもよく、これらを単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
本実施の形態では、半導電性部材における半導電性弾性体層は、上記各成分をタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ローラ、押出機等の如き混合機により製造することができる。また、本実施の形態における半導電性弾性体層を製造するに際し各成分の混合方法、混合の順序は特に限定されることはない。一般的な方法としては、全成分をあらかじめタンブラー、Vブレンダー等で混合し、押出機によって均一に溶融混合する方法であるが、成分の形状に応じてこれらの成分中の2種類以上の溶融混合物に残りの成分を溶融混合する方法を用いることもできる。
本実施の形態の半導電性部材における導電性支持体は、例えば、SUS、SUM等の金属からなる。ロール状の構造を有する半導電性部材であれば、導電性支持体は半導電性部材の軸方向を貫くように配設され、半導電性部材の回転軸として機能することも可能である。また、導電性支持体には、外部電源が接続され、所望のバイアスが印加されるため、外部電源と共に半導電性部材への電圧印加手段としても機能する。
半導電性弾性体層は、導電性支持体上に形成され、上述のように、上記(A)〜(C)成分を含む特定ゴム組成物からなり、半導電性部材の用途により合わせ、硬度、表面特性(表面粗さ、摩擦係数)や電気特性(電気抵抗)等が調整される。かかる半導電性弾性体層の電気特性や表面特性等の諸条件を適宜調整することで、転写ロールは勿論、これ以外の各種部材(帯電部材、除電部材等)にも好適に用いることができる。
また、表面特性として具体的には、ロール硬度は、JISK−7312に記載されているアスカC硬度で、10°〜70°の範囲に調整されることが好ましく、例えば転写ロールとして用いる場合には、より好ましくは10°〜50°の範囲である。尚、帯電部材として用いる場合には、より好ましいくは20°〜70°の範囲である。
電気特性として具体的には、半導電性弾性体層の体積抵抗値は、103〜1010Ωの範囲に調整されていることが好ましく、より好ましくは、転写ロールとして用いる場合106〜1010Ωの範囲である。尚、帯電部材として用いる場合にはより好ましくは105〜108Ωの範囲である。
R=V/I
また、半導電性弾性体層の厚みとしては、一般的に、およそ2〜12mmに設定されるものであり、好適な範囲は3〜5mmである。
更に、半導電性弾性体層は、用途に応じて、表面特性や電気特性等が調整されていれば、その構成は限定されず、単層からなってもよいし、複数層からなってもよい。
図2及び図3に示すように、画像を作成する場合には、図示外のスタートスイッチを操作し、一連の作像サイクルを開始させるようにすればよい。
この作像サイクルは、作像エンジン21にて感光体ドラム31上に所定のトナー像(画像)を形成する一方、供給トレイ22から転写材を送出させ、搬送路23を経てレジストロール24、転写材案内装置140を経由して転写装置35に導き、転写材に感光体ドラム31上のトナー像を転写させ、しかる後、定着装置25を経て転写材を例えば排出トレイ27へと排出させるものである。
このとき、転写材の突入角度θが所定範囲(45°≦θ≦60°)に設定されているため、転写材は、搬送性を損なうことなく、感光体ドラム31面に確実に密接した状態に保たれる。
従って、転写域nにおける転写材の感光体ドラム31に対する密着性は極めて良好に保たれることになり、転写域nにて転写材が一部浮き上がり、その際に生ずる間隙にて放電が生ずる事態は有効に回避される。このため、転写域nでの放電に伴う転写不良(白抜け、飛び散り)は有効に防止される。
また、本実施の形態では、転写材案内装置140は可撓性押さえ部材145を備えているため、転写材の搬送過程において、転写材の先端がトナークラウドによって汚れることは有効に防止され、また、転写材の後端跳ねも可撓性押さえ部材145にて押さえ込まれる分、転写材の後端跳ねに伴う像乱れは有効に防止される。
すなわち、転写装置35を組み込む場合には、図3〜図6に示すように、扉カバー80を開放した後、扉カバー80の内側に転写ユニット100を保持ユニット120を介して保持し、しかる後、扉カバー80を閉じるようにすればよい。
このとき、扉カバー80を閉じると、転写ユニット100の転写ロール101は感光体ドラム31に例えば当接することになるが、転写ロール101は位置決め機構110にて相対移動可能であるため、感光体ドラム31位置を基準に位置決めされる。
このとき、保持ユニット120が扉カバー80に対して弾性支持され、また、位置決め機構110が転写ロール101を弾性支持しているため、転写ロール101は感光体ドラム31に対して適度な圧力にて接触配置されることになり、過剰な加圧力をもって接触配置される懸念はない。
このため、転写材の突入角度θや感光体ドラム31とガイドシュート141の先端(突起部144先端)との間のギャップkを極めて正確に設定することができる。
特に、本実施の形態では、転写材案内装置140のガイドシュート141の先端(突起部144先端)には転写域nに導かれる転写材が摺接することが多いため、例えばユニットホルダ102を樹脂製で製造したような態様にあっては、前記突起部144が次第に摩耗するという懸念がある。しかしながら、この突起部144の摩耗度合に関して転写ユニット100の寿命と合わせ込むようにすれば、転写ユニット100の交換タイミングに合わせて、転写材案内装置140の転写材の案内性能を良好に保つことは可能である。
本実施例は、実施の形態に係る画像形成装置モデル(図8参照)を用い、感光体ドラム(像担持体)接平面と転写材(転写紙)突入姿勢とのなす角度(転写紙突入角度)θと、感光体ドラム(像担持体)と左側ガイドシュート先端とのギャップkとをパラメータとして夫々変化させ、画質欠陥(白抜け・飛び散り)の有無、及び、用紙搬送性能(ジャム(Jam)の有無)について評価した。
本実施例においては、
感光体ドラムの径寸法:30mm
転写ロールの径寸法:20mm
転写紙の突入ポイント:
感光体ドラムと転写ロールとの中心線位置を基準として上流側に20°偏倚した位置
である。
同図において、評価基準は以下の通りである。
白抜け・飛び散り:
○:全く問題のない画質が得られる
△:画像カバレッジ50%前後のストレスのときのみ発生する
×:ハーフトーン画像のほとんどで発生する
用紙搬送性能(Jam):
○:問題なく走行できる
△:腰の強い一部の転写紙(例:厚紙/フィルム紙)が走行できない
×:ほとんどの転写紙が走行できない
同図によれば、45°≦θ≦60°で、かつ、1.0mm≦k≦2.5mmであることが画質欠陥を防止でき、しかも、用紙搬送性能を良好に保つ上で必要であることが理解される。
また、感光体ドラムの径寸法や転写紙の突入ポイントの位置を変化させた各モデルに対し、実施例1と同様な性能評価を行ったところ、転写紙突入角度θ及びギャップkに関して上述したのと同様な結果が確認された。
本実施例は、実施例1と同様な画像形成装置モデル(図8)を用い、転写域寄りのガイドシュート(左側ガイドシュート)先端から可撓性押さえ部材までの距離dをパラメータとして変化させ、白抜け、転写紙後端跳ね、転写紙先端汚れについて評価したものである。
本実施例においては、
感光体ドラムの径寸法:30mm
転写ロールの径寸法:20mm
転写紙の突入ポイント:
感光体ドラムと転写ロールとの中心線位置を基準として上流側に20°偏倚した位置、
転写紙突入角度θ:40°
ギャップk:1.5mm
である。
同図において、評価基準は以下の通りである。
白抜け:
○:全く問題のない画質が得られる
△:画像カバレッジ50%前後のストレスのときのみ発生する
×:ハーフトーン画像のほとんどで発生する
転写紙後端跳ね:
○:跳ねによるインパクト音が聞こえない
×:跳ねによるインパクト音が聞こえる
転写紙先端汚れ:
○:汚れない、汚れても気づかないレベル
×:汚れが気になるレベル
同図によれば、3.5mm≦d≦5.5mmであることが白抜け、転写紙後端跳ね、転写紙先端汚れを防止する上で必要であることが理解される。
また、感光体ドラムの径寸法や転写紙の突入ポイントの位置を変化させた各モデルに対し、実施例2と同様な性能評価を行ったところ、前記距離dに関して上述したのと同様な結果が確認された。
Claims (5)
- 画像を担持する像担持体と、前記像担持体との間の転写域で転写材を挟持し且つ前記像担持体上の画像を静電転写する接触転写部材と、前記像担持体と前記接触転写部材との転写域に前記転写材の突入姿勢を規制して前記転写材を案内する転写材案内部材とを備えた画像形成装置であって、
前記接触転写部材と前記接触転写部材が収容されるユニットホルダと前記ユニットホルダに設けられる前記転写材案内部材とを有する転写ユニットと、
装置本体の転写ユニットに対応した部位に設けられた転写材搬送経路に面して開閉自在な扉カバーと、
この扉カバーに前記像担持体へ近づく方向へ付勢されるように弾性支持され且つ前記扉カバーに対して像担持体との対面方向に沿って相対移動可能に設けられ、前記転写ユニットを取外し自在に保持する保持ユニットとを備え、
前記転写ユニットの接触転写部材は前記ユニットホルダに対して像担持体との対面方向に沿って相対移動可能に設けられ且つ前記像担持体へ近づく方向へ付勢されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記扉カバー閉時に前記像担持体に対して前記接触転写部材が位置決め可能な位置決め機構を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記保持ユニットは前記転写ユニットと前記扉カバーとの間に設けられていると共に、
前記保持ユニットは当該保持ユニットと前記扉カバーとの間に設けられたスプリングにより弾性支持されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記扉カバーは下側端部を支点として装置本体に対して揺動自在であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記扉カバーには、前記保持ユニットの位置を規制する位置規制部が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
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