JP4886864B2 - 非ハロゲン系導電性ローラ - Google Patents
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Description
例えばレーザープリンタにおいては、今後のさらなる普及を目指してより一層の小型化と、各部の耐久性の向上によるメンテナンスフリー化とを図るために研究開発が続けられている。そしてこの流れに沿って、画像形成装置に組み込んで使用される導電性ローラについても、さらなる小径化と高い耐久性とが求められるようになってきている。
そのため現像ローラには、
* 現状よりも小径化すること、
* 小径化しても従来と同等程度のニップ厚を維持した状態で感光体ドラムの表面に圧接させるべく低硬度化して柔軟性を高めること、
* 低硬度化しても圧縮永久歪みが小さい状態を維持することで、圧接により変形したのち前記圧接を解除しても元の形状になかなか復元されないいわゆる「セット」(ヘタリとも言う)を生じにくくして、前記セットにより形成画像に画像ムラが生じるのを防止できること、つまり低セット性を有すること、
等が求められている。
前記セットは、例えば保管していたカートリッジをレーザープリンタに装着して画像形成を開始した際や、現像ローラを感光体ドラムの表面に圧接させた状態でレーザープリンタを停止させた状態から画像形成を開始もしくは再開した際等に、前記現像ローラの外周面のうち前記保管や停止の間中、感光体ドラムの表面に圧接され続けていた箇所に直線状に発生する。
しかし電子導電性の充填剤を用いた導電性ローラは、
* 前記充填剤の添加量の僅かな変化によって電気抵抗値が急激に変動する領域があり、電気抵抗値の制御が難しい、
* ゴム組成物中に充填剤を均一に分散させるのが難しく、導電性ローラの周方向や幅方向で電気抵抗値がばらつきやすい、
* 特に充填剤として導電性カーボンを用いた場合に、電気抵抗値が印加電圧に依存して変動しやすい、
* 前記導電性カーボン等の添加量が増加するほど、ゴム組成物の調製や成形の加工がしにくくなる、
といった問題があった。
ところが発明者の検討によると、前記エピクロルヒドリンゴムとアクリロニトリルゴムとを、例えば前記特許文献1の実施例5のように質量比80/20で併用した場合には、先に説明した低硬度でかつ低セット性に優れた導電性ローラは得られない。
近時、形成画像の更なる高画質化等を目指して、あるいは環境への配慮等のために、感光体ドラムの汚染試験の条件が以前より厳しくなる傾向にあり、かかる厳しい汚染試験をクリアするべく、その形成材料がいずれも塩素等のハロゲンを含まない非ハロゲン系導電性ローラに対するニーズが高まってきている。
一方、特許文献2ではエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム(以下「EO−PO−AGE共重合ゴム」と略記することがある)とアクリロニトリルブタジエンゴム(以下、前記のように「NBR」と略記することがある)とを質量比5/95〜70/30の範囲で併用したゴム組成物によって導電性ローラを形成している。
また前記EO−PO−AGE共重合ゴム、およびNBRは、いずれも塩素等のハロゲンを含んでいないため、前記ゴム分を加硫させる加硫剤等としても塩素等のハロゲンを含まないものを組み合わせて用いることにより、近年の厳しい汚染試験をも十分にクリアしうる導電性ローラを構成することが可能である。
本発明の目的は、形成材料がいずれも塩素等のハロゲンを含まない非ハロゲン系導電性ローラであって、しかも小径化した際に所定のニップ厚を維持するべく低硬度化して柔軟性を付与した状態での圧縮永久歪みが小さく低セット性にも優れた、新規な非ハロゲン系導電性ローラを提供することにある。
その結果、特許文献2では加硫剤として硫黄のみを用い、前記硫黄を任意の加硫促進剤等と組み合わせてゴム分を加硫させているが、かかる構成では低硬度化した際に圧縮永久歪みまで大きくなってセットとそれに伴う画像ムラとを生じやすいことが明らかとなった。
30/70≦WE/WN≦70/30 (1)
〔式中WEはEO−PO−AGE共重合ゴムの質量、WNはNBRの質量を示す〕
を満足する範囲で含むゴム分と、
前記ゴム分100質量部あたり、0.5質量部以上、1.0質量部以下の硫黄系加硫剤、および1.5質量部以上、2.5質量部以下のパーオキサイド系加硫剤と
を含むゴム組成物からなることを特徴とする非ハロゲン系導電性ローラである。
本発明の非ハロゲン系導電性ローラは、先に説明したようにEO−PO−AGE共重合ゴムとNBRとを質量比WE/WNが式(1):
30/70≦WE/WN≦70/30 (1)
〔式中WEはEO−PO−AGE共重合ゴムの質量、WNはNBRの質量を示す〕
を満足する範囲で含むゴム分と、
前記ゴム分100質量部あたり、0.5質量部以上、1.0質量部以下の硫黄系加硫剤、および1.5質量部以上、2.5質量部以下のパーオキサイド系加硫剤と
を含むゴム組成物からなることを特徴とするものである。
特に前記EO、PO、およびAGEの共重合比率がEO:50モル%以上、95モル%以下、PO:1モル%以上、49モル%以下、AGE:1モル%以上、10モル%以下で、かつ数平均分子量Mnが10000以上であるEO−PO−AGE共重合ゴムが好ましい。
またNBRとしては、アクリロニトリル含量が24%以下である低ニトリルNBR、25%以上、30%以下である中ニトリルNBR、31%以上、35%以下である中高ニトリルNBR、36%以上、42%以下である高ニトリルNBR、および43%以上である極高ニトリルNBRのいずれを用いてもよい。特に比重の小さい低ニトリルNBRを用いると、非ハロゲン系導電性ローラの軽量化を図ることができる。
すなわち、前記範囲よりEO−PO−AGE共重合ゴムが少ない場合には、非ハロゲン系導電性ローラに良好な導電性を付与することができない。例えば、温度23±1℃、相対湿度55±1%の条件下、後述する測定方法によって測定される、印加電圧100Vにおける電気抵抗値が107Ωを超えてしまって、特にレーザープリンタの現像ローラ等として良好に使用できない場合を生じる。
なお前記両ゴムの良好な特性の両立により、良好なイオン導電性を有するとともに柔軟で、小径化した際に所定のニップ厚を維持できる非ハロゲン系導電性ローラを提供することを考慮すると、前記両ゴムの質量比WE/WNは、前記範囲内でも40/60以上であるのが好ましく、60/40以下であるのが好ましい。
前記硫黄系加硫剤の含有割合がゴム分の総量100質量部あたり0.5質量部以上、1.0質量部以下に限定されるのは、下記の理由による。
また前記範囲を超える場合にはゴム分の架橋度が高くなりすぎて、非ハロゲン系導電性ローラの硬度を低下させて柔軟性を高める効果が十分に得られないため、特に小径化した際に所定のニップ厚を維持できない問題を生じる。
パーオキサイド系加硫剤としては、分子中にパーオキサイド基を含み、かつハロゲンを含まない上、前記2種のゴムの加硫剤として機能しうる種々の化合物が使用可能である。前記パーオキサイド系加硫剤としては、例えばケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類等の1種または2種以上が挙げられる。
すなわち含有割合が前記範囲未満では、前記硫黄系加硫剤とパーオキサイド系加硫剤の2種の加硫剤を併用することによる、先に説明した、低硬度化して柔軟性を付与した状態での圧縮永久歪みを小さくする効果が得られず、圧縮永久歪みが大きくなって、非ハロゲン系導電性ローラの耐セット性が低下するという問題を生じる。
なおパーオキサイド系加硫剤の含有割合は、これらの問題が生じるのをより一層有効に防止して良好な特性を有する非ハロゲン系導電性ローラを提供することを考慮すると、前記範囲内でも特に1.8質量部以上であるのが好ましく、2.2質量部以下であるのが好ましい。
加硫促進剤は、主として硫黄系加硫剤の加硫を促進するためのもので、前記促進効果を有する種々の化合物のうち、分子中にハロゲンを含まないものがいずれも使用可能であり、中でも特にチアゾール系加硫促進剤、およびチウラム系加硫促進剤を併用するのが好ましい。
前記チアゾール系加硫促進剤とチウラム系加硫促進剤とを併用する場合、前記両加硫促進剤による、硫黄系加硫剤の加硫を促進する効果をより一層有効に機能させることを考慮すると、チアゾール系加硫促進剤の、ゴム分100質量部あたりの含有割合は0.5質量部以上、特に0.6質量部以上であるのが好ましく、1.0質量部以下、特に0.8質量部以下であるのが好ましい。特に硫黄系加硫剤と同量のチアゾール系加硫促進剤を含有させるのがさらに好ましい。
本発明の非ハロゲン系導電性ローラのもとになるゴム組成物には、前記各成分に加えて、さらに必要に応じて、例えば加硫促進助剤、可塑剤、加工助剤、充填剤、誘電正接調整剤、老化防止剤、酸化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、難燃剤、中和剤、気泡防止剤等の添加剤のうち、分子中にハロゲンを含まないものを適宜の割合で含有させてもよい。
図1は、本発明の非ハロゲン系導電性ローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
図1を参照して、この例の非ハロゲン系導電性ローラ1は、前記ゴム組成物からなる円筒状のローラ本体2と、前記ローラ本体2の中心の通孔3に挿通されたシャフト4とを含んでいる。
例えばゴム組成物を、押出成形機を用いて混練しながら加熱して溶融させた状態で、前記ローラ本体2の断面形状、すなわち円環状に対応するダイを通して長尺の円筒状に押出成形し、冷却して固化させたのち所定の長さにカットし、通孔3に加硫用の仮のシャフトを挿通して加硫缶内で加熱して加硫させる。
また、前記ハロゲン系導電性ローラ1を現像ローラとして使用する場合は、ローラ本体2の軸方向の両端に、トナー漏れを防止するためのシール部を設けてもよい。前記シール部は、例えばフッ素樹脂等の不織布やシートにより、外径がローラ本体2の外径より大きい円板状等に形成される。
酸化膜としては多数のC=O基またはC−O基等を有する酸化膜が好ましい。酸化膜は、ローラ本体2の表面に紫外線照射あるいは/およびオゾン照射等の処理を施すことにより前記ローラ本体2の表層部分を酸化して形成される。中でも紫外線照射により酸化膜を形成するのが、処理時間が早くコストも低いことから好ましい。
またローラ本体2が硬くなりすぎるのを防止して、例えば感光体ドラムの表面に圧接させた状態でレーザープリンタを停止させた状態から画像形成を開始もしくは再開した際に、ローラ本体2にセットが生じて、形成画像に画像ムラが発生するのを防止することもできる。
またローラ本体2の圧縮永久歪みは8%以下であることが好ましい。圧縮永久歪みを前記範囲内とすることにより、前記柔軟なローラ本体2を感光体ドラムの表面に圧接させた状態でレーザープリンタを停止させた状態から画像形成を開始もしくは再開した際にセットが生じて、形成画像に画像ムラが発生するのを防止することができる。
一方、電気抵抗値を107Ω以下とすることにより、例えば現像ローラとして使用した際にトナー供給等の効率を維持し、かつトナーが感光体ドラムの表面に移行する際に現像ローラの電圧降下が起って、それ以後現像ローラから感光体ドラムへ確実にトナーを搬送できず画像不良が生じるのを防ぐことができる。
なお前記電気抵抗値は、表面に酸化膜を形成する場合は、前記酸化膜を形成する前のローラ本体2自体の電気抵抗値である。
図2は、導電性ローラの電気抵抗値を測定する方法を説明する図である。
すなわち一定の回転速度で回転させることができるアルミニウムドラム6を用意し、前記アルミニウムドラム6の外周面7に、その上方から、電気抵抗値を測定する導電性ローラ1のローラ本体2の外周面5を当接させる。
次いでシャフト4の両端部にそれぞれ500gの荷重Fをかけてローラ本体2をアルミニウムドラム6に圧接させた状態で、導電性ローラ1とアルミニウムドラム6とをそれぞれ反対方向に回転(アルミニウムドラム6の回転数:30rpm)させながら、前記両者間に、直流電源8から直流100Vの印加電圧Eを印加した際に、抵抗9にかかる検出電圧Vを計測する。
R=r×E/(V−r) (1′)
によって求められる。ただし式(1′)中の分母中の−rの項は微小とみなすことができるため、本発明では式(1):
R=r×E/V (1)
によって求めた値でもって導電性ローラ1の電気抵抗値とすることとする。測定の条件は、先に説明したように温度23±1℃、相対湿度55±1%である。
誘電正接を1.8以下とすることにより、非ハロゲン系導電性ローラ1のコンデンサ的特性を高めて、摩擦帯電で生じたトナー上の電荷をロールから逃すことなく維持できる。すなわちトナーに帯電性を付加でき、付加した帯電性を維持することができる。
なお、これらの効果をより一層向上することを考慮すると、誘電正接は、前記範囲内でも0.3以上、特に0.5以上であるのが好ましく、1.0以下、特に0.8以下であるのが好ましい。
本発明の非ハロゲン系導電性ローラ1は、前記現像ローラの他、例えば帯電ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ等としてレーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、これらの複合機等の電子写真装置等に用いることができる。
〈実施例1〉
ゴム分としてのEO−PO−AGE共重合ゴム〔日本ゼオン(株)製のゼオスパン(登録商標)8030〕50質量部、およびNBR〔日本ゼオン(株)製のニポール(登録商標)DN401LL〕50質量部(質量比WE/WN=50/50)と、前記ゴム分の総量100質量部あたり0.75質量部の硫黄、1.50質量部のパーオキサイド系加硫剤〔ジ−α−クミルパーオキサイド、日油(株)製のパークミル(登録商標)D〕、0.75質量部のチアゾール系加硫促進剤〔ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)DM〕、および0.25質量部のチウラム系加硫促進剤〔テトラメチルチウラムモノスルフィド、大内新興化学工業(株)製のノクセラーTS〕とを配合し、バンバリミキサで混練してゴム組成物を調製した。
ゴム分の総量100質量部あたりのパーオキサイド系加硫剤の量を2.50質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
〈実施例3〉
ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄の量を0.50質量部、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部とし、かつチアゾール系加硫促進剤の量を0.50質量部、チウラム系加硫促進剤の量を0.17質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄の量を1.00質量部、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部とし、かつチアゾール系加硫促進剤の量を1.00質量部、チウラム系加硫促進剤の量を0.33質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
EO−PO−AGE共重合ゴムの量を30質量部、NBRの量を70質量部(質量比WE/WN=30/70)とし、かつパーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
〈実施例6〉
EO−PO−AGE共重合ゴムの量を70質量部、NBRの量を30質量部(質量比WE/WN=70/30)とし、かつパーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
EO−PO−AGE共重合ゴムに代えて、分子中に塩素を含むエチレンオキサイド−エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル(EO−EP−AGE)共重合ゴム〔ダイソー(株)製のエピクロマー(登録商標)CG102〕50質量部を配合するとともに、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
EO−PO−AGE共重合ゴムに代えて前記EO−EP−AGE共重合ゴム50質量部を配合し、かつNBRに代えて分子中に塩素を含むクロロプレンゴム〔CR、昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT〕50質量部を配合するとともに、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
NBRに代えて前記クロロプレンゴム50質量部を配合するとともに、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
〈比較例4、5〉
ゴム分の総量100質量部あたりのパーオキサイド系加硫剤の量を1.40質量部(比較例4)、2.60質量部(比較例5)としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄の量を0.40質量部、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部とし、かつチアゾール系加硫促進剤の量を0.40質量部、チウラム系加硫促進剤の量を0.13質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄の量を1.10質量部、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部とし、かつチアゾール系加硫促進剤の量を1.10質量部、チウラム系加硫促進剤の量を0.36質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
パーオキサイド系加硫剤を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
〈比較例9〉
硫黄、チアゾール系加硫促進剤、およびチウラム系加硫促進剤を配合せず、かつパーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
EO−PO−AGE共重合ゴムの量を25質量部、NBRの量を75質量部とし、かつパーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
〈比較例11〉
EO−PO−AGE共重合ゴムの量を75質量部、NBRの量を25質量部とし、かつパーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
実施例、比較例で作製した導電性ローラの電気抵抗値Rを、先に説明した測定方法で測定した。
電気抵抗値は、前記のように107Ω以下であるとき良好、107Ωを超えるとき不良と評価した。なお表では電気抵抗値をlogRで示している。
実施例、比較例で作製した導電性ローラのローラ本体のデュロメータ タイプA硬さを、JIS K6253:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方」において規定された規格に準拠したゴム硬度計〔高分子計器(株)製のアスカーゴム硬度計A型〕を用いて測定した。
〈圧縮永久歪み測定〉
実施例、比較例で調製したゴム組成物を、導電性ローラを作製した時と同じ160℃×1時間加硫させて、JIS K6262:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−常温,高温及び低温における圧縮永久歪みの求め方」に規定された小型試験片を形成した。
圧縮永久歪みは、前記のように8%以下であるとき良好、8%を超えるとき不良と評価した。
〈感光体汚染性試験〉
プラス帯電性の非磁性1成分トナーを用いる市販のレーザープリンタ用のカートリッジの現像ローラを、実施例、比較例で作製した導電性ローラと交換し、前記カートリッジを温度50±1℃、相対湿度90±1%の高温高湿環境下で2週間静置したのち、温度23±1℃、相対湿度55±1%の常温常湿環境下で一日静置した。そして前記レーザープリンタに装着して連続して画像形成し、形成画像を観察して、下記の基準で感光体の汚染の有無を評価した。
○:1枚目の形成画像に、前記感光体の汚染による画質の低下は観察されなかった。
以上の結果を表1〜3に示す。
2 ローラ本体
3 通孔
4 シャフト
Claims (1)
- エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴムと、アクリロニトリルブタジエンゴムとを質量比WE/WNが式(1):
30/70≦WE/WN≦70/30 (1)
〔式中WEはエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴムの質量、WNはアクリロニトリルブタジエンゴムの質量を示す〕
を満足する範囲で含むゴム分と、
前記ゴム分100質量部あたり、0.5質量部以上、1.0質量部以下の硫黄系加硫剤、および1.5質量部以上、2.5質量部以下のパーオキサイド系加硫剤と
を含むゴム組成物からなることを特徴とする非ハロゲン系導電性ローラ。
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