JP4533038B2 - 転写搬送ベルト及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真装置に用いられる転写搬送ベルト及び画像形成装置に関する。
近年、転写搬送ベルトの周囲に複数の画像形成部が配列され、各画像形成部の像担持体上に形成された画像を、転写搬送ベルト上に吸着させた紙等の転写材に転写し、転写材上に一つの画像として重ね合わせて形成するタンデム型画像形成装置が提案されている。
このようなタンデム型フルカラー画像形成装置において、高品質画像を形成する上で重要な課題は、
(1)イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の像担持体上に形成されたフルカラー画像の各色成分画像を、転写材上に位置ズレ(以下、単に「色ずれ」という)させることなく形成すること、
(2)イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各画像濃度が使用環境、耐久枚数に拠らず一定で、同一画像を出力した際の色再現性に優れること、
である。
このような課題に対してタンデム型フルカラー画像形成装置は、その色ずれの調整や、色調を調整するため、色ずれや、トナー濃度等を検知する光学センサを有し、得られた情報をもとに画像形成部における画像形成条件へフィードバックを行うことにより色ずれや色調を調整している。
色ずれの調整方法の例としては、各画像形成部で形成された各色毎のサンプルトナー画像を転写搬送ベルトに転写し、あるカラーのトナー像を基準にして(例えば、イエローのサンプルトナー像の位置を基準にして)、他のカラーのサンプルトナー像の位置ずれ量を光学センサー(レジスト検知センサー)で検出し、スキャナー内の折り返しミラーを検出された位置ずれ量に合わせて位置調節し感光ドラムに書き込むレーザーの位置を調整させたり、各色ごとの画像書き出しタイミングを変更させたりして各カラーのトナー像の色ずれ(位置ずれ)を補正するようになっている。
また、トナー濃度の調整方法の例としては、各画像形成部で形成された各色毎のサンプルトナー画像(ハーフトーン画像やベタ画像)を転写搬送ベルトに転写し、転写搬送ベルト上のサンプルトナー像を光学センサー(濃度検知センサー)で読み取り、各色の現像バイアスや露光量を調整して濃度を調整している。濃度検知センサーとしては、大別して乱反射方式と正反射方式があるが、転写搬送ベルトの色(厳密にはセンサーから発せられる光の吸収波長)に拠らず各色のトナー濃度を検知できることから、正反射方式の濃度センサーが一般的に使用される。この正反射方式のセンサーを用いた場合には上記のように転写搬送ベルト表面の色に関する制約はないものの、ベルトの表面性に影響を受け、具体的にはベルト表面の反射率(グロス)が高いものが好ましい。
このように、高品位なフルカラー画像の条件である色ずれと色調の変化を抑制するために、画像形成装置側で上記のような制御を行ってはいるものの、転写搬送シームレスベルト上のサンプルトナー画像を光学センサで検出していることから、サンプルトナー像が転写される転写搬送シームレスベルトの表面状態、具体的には転写搬送ベルト表面の光(赤外光の場合が多い)の反射率(グロス)が、上記の各制御へ与える影響は非常に大きい。すなわち、転写搬送ベルト表面のグロスが高く、耐久による変化が小さい転写搬送ベルトが信頼性の高い色ずれ制御や濃度制御を行う上で必要である。
また、上記のようにして各色毎の画像書き出しタイミングを調整したとしても、転写搬送ベルト上にしっかりと紙等の転写材が吸着されていないと、各画像形成部を通過する際に転写材自体がずれてしまい、結果として得られる画像に色ずれが発生してしまう。すなわち、記録媒体の転写搬送ベルト表面への吸着性も、転写搬送ベルトに求められる非常に重要な特性である。
このような要求特性に対して、例えばベルトの表面エネルギーを小さく(特許文献1参照)したり、フッ素系界面活性剤を添加すること(特許文献2参照)により、ベルト表面の離型性を高くするという提案がなされている。また、ベルト表面の帯電特性と被記録媒体の帯電特性が逆極性になるように調節することにより、安定した記録媒体の吸着効果が得られるという提案がなされている(特許文献3参照)。
しかし、これらのベルト部材を電子写真装置の転写搬送ベルトとして使用した場合、耐久によりシームレスベルト表面に紙粉(主に填料である炭酸カルシウム)が付着し、良好な濃度制御や色ずれ制御ができない場合があった。また、紙等の転写材の転写搬送ベルトへの吸着不足に起因する色ずれが発生する場合もあった。
特に、部材表面をクリーニングする手段として電界によりクリーニングする画像形成装置(特許文献4参照)は、ブレードクリーニング機構を有するものと比較して装置構成の簡略化等のメリットは見られるが、上記のようなベルト表面の紙粉の付着に対して機械的にクリーニングする機構を有していないことから紙粉が付着し易く、転写搬送ベルトにはより紙粉による汚染が少ないものが要求される。
また、近年画像形成装置の設置面積の低減を目的として、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各画像形成部を水平方向ではなく、図3に示されるように各画像形成部を垂直方向(あるいは斜め)に並べた画像形成装置の提案もなされている。このようなタイプの画像形成装置においては、水平方向に複数の画像形成部を有する画像形成装置よりも高い転写材吸着性が要求され、従来の転写搬送ベルトでは転写材の吸着力が不十分な場合もあった。
すなわち従来の転写搬送ベルトでは、転写搬送ベルト表面の紙粉等に対する耐汚染性や、転写材の吸着性といった転写搬送ベルトに必要な特性を充分に満足できるものではなかった。また、画像形成装置においても上記のような高画質化制御(色ずれ制御、濃度制御等)の効果が充分ではなく、結果として得られる画質も満足できるものではなかった。
特許第3019781号公報 特開平8−286521号公報 特開2000−344376号公報 特開平9−304998号公報
そこで本発明者等は前述の問題点を解決した、従来と異なる新規な転写搬送ベルトを提案するものである。
本発明の目的は、安定した記録媒体の吸着と紙粉付着による汚染の軽減を両立した転写搬送ベルトを提供することにある。
本発明の別の目的は、耐久による画像品位の変化が少ない構成が簡略で小型化が可能な画像形成装置を提供することにある。
本発明によれば、静電吸着された記録媒体を複数の画像形成部の画像転写位置に搬送する転写搬送ベルトであって
該転写搬送ベルトが、少なくとも熱可塑性樹脂と導電性フィラーを含有し、
該転写搬送ベルトの比誘電率をεb、該転写搬送ベルト表面の表面エネルギーの水素結合成分をγb[mN/m]としたとき、以下の関係を満足し、
該転写搬送ベルトの最表面が、少なくとも界面活性剤を有する
ことを特徴とする転写搬送ベルトが提供される
15≦εb≦50
0.02≦γb≦30
5≦(εb)1/2+(γb)1/2≦10
本発明によれば、上記転写搬送ベルトを有し、該転写搬送ベルト表面を光学的に検知する手段を有する画像形成装置が提供される。
以上説明したように本発明により、安定した記録媒体の吸着と紙粉付着による汚染の軽減を両立した転写搬送ベルト及び画像形成装置を提供することが可能となった。
本発明者等は、上記問題点を解決すべく検討した結果、耐久により転写搬送ベルト表面に付着する、所謂「紙粉」と呼ばれる物質が紙の微粉ではなく、その大部分は紙の填料である炭酸カルシウム等の無機物であることを突き止めた。そこで、炭酸カルシウムの転写搬送ベルトへの付着を抑制しつつ、紙等の転写材の吸着力を満足できる特性に関して鋭意検討した結果、転写搬送ベルトの比誘電率εbと、該転写搬送ベルト表面の表面エネルギーの水素結合成分γb[mN/m]をある特定の範囲とし、両者の平方根の和をある特定の範囲とした場合に上記問題を解決できることを見出した。
すなわち、以下の関係を満足する−転写搬送ベルトにより、安定した記録媒体の吸着と紙粉付着(主に填料である炭酸カルシウムの付着)による汚染の軽減を両立した転写搬送ベルトを提供することができる;
15≦εb≦50
0.02≦γb≦30
5≦(εb)1/2+(γb)1/2≦10
転写搬送ベルトの比誘電率εbが15未満、あるいは該転写搬送ベルト表面の表面エネルギーの水素結合成分γb[mN/m]が0.02未満、あるいは(εb)1/2+(γb)1/2<5の場合には、紙粉付着(主に填料である炭酸カルシウムの付着)による転写搬送ベルト表面の汚染が顕著となり、転写搬送ベルトを使用するにつれて転写搬送ベルト表面のグロスの低下が顕著となる。グロスの低下が著しい転写搬送ベルトを画像形成装置に使用した場合、画像形成装置使用初期には特に問題なく使用できるものの、耐久が進むにつれて安定した色ずれ制御や濃度制御が行えないことから、色ずれや色調の変化が発生した低品位な画像しか出力できなくなる。
また、転写搬送ベルトの比誘電率εbが50を超えたり、該転写搬送ベルト表面の表面エネルギーの水素結合成分γb[mN/m]が30を超える、あるいは10<(εb)1/2+(γb)1/2の場合には転写搬送ベルト表面への記録媒体の安定した吸着ができなくなり、初期から出力される画像に各色成分画像の位置がずれた所謂色ずれと呼ばれる不具合が発生する。
転写搬送ベルトの比誘電率の好ましい範囲としては20≦εb≦40であり、転写搬送ベルト表面における表面エネルギーの水素結合成分γbの好ましい範囲としては0.1≦γb≦10である。
また、転写搬送ベルトの各部における比誘電率の最大値を最小値で除した値(比誘電率のばらつき)は2以下が好ましく、更に好ましくは1.5以下である。転写搬送ベルトの比誘電率のばらつきが大きいと、通紙耐久により汚染される度合いが部分的に変化し、安定した画像形成に関する制御が困難となり好ましくない。
転写搬送ベルトの比誘電率は、使用する熱可塑性樹脂の種類や溶融粘度(導電性フィラーを熱可塑性樹脂中に混練・分散した際の、熱可塑性樹脂中への導電性フィラーの分散状態等に影響する)、導電性フィラーの種類、添加量及び分散状態、混練方法、混練温度、添加剤等により変化する。また、転写搬送ベルト表面における表面エネルギーの水素結合成分は、使用する熱可塑性樹脂の種類、シームレスベルトの成形方法、添加剤の種類と量、表面処理の有無や表面処理強度、界面活性剤の添加の有無や添加量、シームレスベルトの表面粗さ等により変化するので、これらを最適化することにより転写搬送ベルトの比誘電率と表面エネルギーの水素結合成分をコントロールすることができる。
以下に本発明における転写搬送ベルトの比誘電率の測定方法と表面エネルギーの水素結合成分の測定方法を示す。
<転写搬送ベルトの比誘電率の測定方法>
(1)転写搬送ベルトを図1に示されるように、周方向位置の4箇所(90°刻み)、軸方向位置の3箇所(ベルト軸方向に4等分する位置)の合計12箇所から直径56mmで切り出す。
(2)転写搬送ベルトの裏面側全面にマイルドイオンスパッタE1030(日立製作所社製)を用い、ターゲット−サンプル間距離30mm、放電電流15mA、放電時間120秒でスパッタリングすることにより白金−パラジウム裏面電極を形成する。
(3)転写搬送ベルトの表面側に、マイルドイオンスパッタE1030(日立製作所社製)を用い、ターゲット−サンプル間距離30mm、放電電流15mA、放電時間120秒でスパッタリングすることにより、外径56mm、内径51mmのガード電極、直径50mmの測定電極を白金−パラジウムにより設け、測定サンプルを作製する。
(4)サンプルの厚みd[μm]を1μmオーダーまでダイアルゲージを用いて測定する。
(5)得られた測定サンプルを23℃/55%Rhの環境に8時間以上エージングを行う。
(6)LCRメータ(横河・ヒューレット・パッカード社製、HP4284A+誘電体測定用電極:HP16451B)に前記測定サンプルをセットする。
(7)1Vrms(100Hz)を印加し、「Cp−Rp」モードにてCpの値を測定する。
(8)得られたCpをもとに、測定サンプルの比誘電率εを以下の式により計算する;
ε=Cp[nF]×d[μm]/17.39
ただし、d:サンプルの厚み。
(9)転写搬送ベルトの各部の比誘電率で最大のものを最小のもので除した値を、転写搬送ベルトの比誘電率のばらつきとし、転写搬送ベルト各部の比誘電率の平均値をεbとする。
<転写搬送ベルト表面における表面エネルギーの水素結合成分の測定方法>
表面張力は下記3成分から構成され、水、エチレングリコール及びジヨードメタンの表面張力[mN/m]は下記の通りである;
(表面張力:γtotal)=(分散力:γ)+(双極子力:γ)+(水素結合力:γ
水:(表面張力γ total:72.8)=(γ :29.1)+(γ :1.3)+(γ :42.4)
エチレングリコール:(表面張力γ total:47.7)=(γ :30.1)+(γ :0.0)+(γ :17.6)
ジヨードメタン:(表面張力γ total:50.8)=(γ :46.8)+(γ :4.0)+(γ :0.0)
ここで、γ total、γ 、γ 、γ はそれぞれ、液体の表面張力、分散力、双極子力、水素結合力である。
これらの液体を測定対象物質表面に滴下し、測定される接触角θと測定対象物質表面との関係は以下の式(:拡張Fowksの式)のように表される;
2(γ ×γ 1/2+2(γ ×γ 1/2+2(γ ×γ 1/2=γ total(1+cosθ)
ここで、γ 、γ 、γ はそれぞれ、測定対象物質の分散力、双極子力、水素結合力である。
測定対象物質の分散力、双極子力、水素結合力を求めるには、3種の測定用液体で測定対象物質の接触角を測定し、上記の拡張Fowksの式にそれぞれのγ total、γ 、γ 、γ 及び接触角θを当てはめ、3つの連立方程式を解くことにより得ることができる。
本発明においては、水、エチレングリコール、ジヨードメタンの3種の測定用液体と転写搬送ベルト表面の接触角を測定し、転写搬送ベルト表面の分散力、双極子力、水素結合力を求め、測定された水素結合力を転写搬送ベルト表面における表面エネルギーの水素結合成分γb[mN/m]とする。以下に接触角の測定方法を説明する。
<接触角の測定方法>
(1)転写搬送ベルトを適当な大きさに切り出す。
(2)切り出したサンプルをφ50mmのアルミニウムシリンダに貼り付ける。
(3)サンプルを貼り付けたアルミニウムシリンダをゴニオメーター式接触角測定器(協和界面科学(株)製)にセットし、各測定用液体を滴下してから10秒後の接触角を各3回測定し、その平均値を各測定用液体の接触角とする。
本発明にかかる転写搬送ベルトに用いることのできる熱可塑性樹脂としては、転写搬送ベルトとして本発明の特性を満たしていれば特に制約はないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート及びポリアリレート等の芳香族ポリエステル樹脂、シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート等の脂環族ポリエステル樹脂、ポリサルホンやポリエーテルサルホン及びポリフェニレンサルファイド等の硫黄含有樹脂、ポリフッ化ビニリデンやポリエチレン−四フッ化エチレン共重合体等のフッ素含有樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリ塩化ビニリデン、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等やこれらの各種変性樹脂や共重合体を使用することができるが上記材料に限定されるものではない。また、これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。これらの熱可塑性樹脂の中でも特に、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、脂環族ポリエステル樹脂が本発明に要求される特性をコントロールし易く、機械特性に優れることから好ましい。更にポリアミド樹脂においても吸水率が低いポリアミド6・10樹脂、ポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂が好ましい。一方、オレフィン系樹脂やシリコーン樹脂、フッ素系樹脂をバインダー樹脂として転写搬送ベルトを作製した場合には、転写搬送ベルトの表面エネルギーの水素結合成分を本発明に要求される範囲にコントロールし難い。
また、本発明にかかる転写搬送ベルトに用いることのできる導電性フィラーとしては、公知の導電性フィラーを用いることができるが、少ない添加量で電気特性を広い範囲でコントロールできることから、導電性カーボンブラックが好ましい。導電性カーボンブラックの好ましい添加量としては5〜20質量%である。
本発明にかかる転写搬送ベルトの最表面に、少なくとも界面活性剤を有することが好ましく、該界面活性剤が炭化水素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤の1種あるいは混合物であることが更に好ましい。界面活性剤を転写搬送ベルトの最表面に有していることにより、転写搬送ベルト表面の水素結合成分をコントロールし易くなる。つまり、界面活性剤の転写搬送ベルト表面への添加量は、本発明の特性を満足できる量を添加すればよく、特に制限されるものではない。フッ素系界面活性剤としては、炭化水素系界面活性剤の水素原子の一部あるいは全部をフッ素原子で置換した各種のものを使用することができる。具体的には、下記に示す各種のフッ素系界面活性剤を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
・アニオン性フッ素系界面活性剤
パーフルオロアルキルスルホン酸塩(リチウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)、パーフルオロアルキルカルボン酸塩(カリウム塩等)等
・ノニオン性フッ素系界面活性剤
パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等
・カチオン性フッ素系界面活性剤
パーフルオロアルキル第4級アンモニウムヨウ化物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等
ここで、転写搬送ベルト最表面に界面活性剤を含有させる手段としては、熱可塑性樹脂等中に添加して混練、成形してもよく、転写搬送ベルト表面に界面活性剤を塗布してもよい。転写搬送ベルト表面に塗布する場合は、適当な溶媒で希釈、溶解させて塗布することが均一に塗布できることから好ましい。塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、はけ塗り、界面活性剤を含浸させたウエス等をベルトに接触させて塗布する方法等の公知の方法で塗布することが可能であり特に制限はない。
また、転写搬送ベルトが、導電性フィラーとは別に、非導電性フィラーを5〜20質量%含有していることにより、転写搬送ベルトの比誘電率を安定化させる効果があると同時に、耐久によるキズがつき難くなり、転写搬送ベルト表面の反射率(グロス)の低下を抑制でき、画像形成時に良好な濃度検知性と画像位置検知性を得ることができることから好ましい。
本発明に使用することのできる非導電性フィラーとしては、導電性を有していないフィラーであれば特に制限なく使用することができ、例えば酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化チタン、タルク、マイカ、酸化鉄、酸化マグネシウム及び酸化スズ等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。本発明において非導電性フィラーとは粉体抵抗が10Ω・cm以上のフィラーを指す。粉体抵抗の測定方法は、測定する粉体に100Kg/cmの圧力をかけて円柱状(φ10mm)に成形した測定サンプルの両端の平面部に10Vの電圧を印加し、流れた電流から粉体抵抗を計算する。また、ベルト中に添加されたフィラーの粉体抵抗を測定する方法としては、転写搬送ベルトを空気中で550℃まで加熱して得られた成分を、上記の粉体抵抗測定方法で測定できる。
また、添加剤として本発明の目的を阻害しない範囲でその他の成分を添加することができる。具体的には、有機顔料、無機顔料、pH調整剤、架橋剤、離型剤、カップリング剤、滑剤、酸化防止剤、加水分解防止剤、及び成形助剤等を例示することができる。これらを2種以上組み合わせることも可能である。
また、転写搬送ベルト表面を、表面改質処理することにより、本発明に必要な特性である、転写搬送ベルト表面における表面エネルギーの水素結合成分をコントロールし易くなることから好ましい。表面改質処理の具体例としては、紫外線照射処理、電子線照射処理、プラズマ処理、コロナ処理及びオゾン処理等が挙げられるが、比較的簡単な装置構成で短いタクトで処理できることからコロナ処理が特に好ましい。コロナ処理条件としては、30〜600KW・h/mが好ましい。30KW・h/m未満では処理効果が小さく、600KW・h/mを超えるとベルトの機械強度が低下する場合がある。
また、静電吸着された記録媒体を複数の画像形成部の画像転写位置に搬送する転写搬送ベルトを有し、転写搬送ベルト表面及び転写搬送ベルト上に形成されたサンプルトナー画像を光学的に検知する手段を有する画像形成装置において、転写搬送ベルトとして本発明の転写搬送ベルトを用いることにより、耐久に拠らず安定した画像制御を行うことができる。
すなわち、各画像形成部で形成された各色毎のサンプルトナー画像を転写搬送ベルトに転写し、あるカラーのトナー像を基準にして(例えば、イエローのサンプルトナー像の位置を基準にして)、他のカラーのサンプルトナー像の位置ずれ量を光学センサー(レジスト検知センサー)で検出し、スキャナー内の折り返しミラーを検出された位置ずれ量に合わせて位置調節し感光ドラムに書き込むレーザーの位置を調整させたり、各色ごとの画像書き出しタイミングを変更させたりして各カラーのトナー像の色ずれ(位置ずれ)を補正させるような機構を有する画像形成装置や、各画像形成部で形成された各色毎のサンプルトナー画像(ハーフトーン画像やベタ画像)を転写搬送ベルトに転写し、転写搬送ベルト上のサンプルトナー像を光学センサー(濃度検知センサー)で読み取り、各色の現像バイアスや露光量を調整して濃度を調整する機構を有する画像形成装置等に、本発明の転写搬送ベルトを使用することにより、画像形成に関する最適な制御を耐久に拠らず行うことができ、高品位な画像を継続的に得ることができる。
ここで、転写搬送ベルトに転写媒体を吸着させる部材(吸着ローラ等)を有さないことが装置の小型化の面から好ましいが、吸着部材を有さない画像形成装置において転写搬送ベルトの紙吸着性が不十分な場合には、出力される画像に各色成分画像の位置がずれた所謂色ずれと呼ばれる不具合が発生する。しかし、本発明の紙等の転写材吸着性に優れる転写搬送ベルトを使用することにより色ずれのない画像を得ることができる。
また、転写搬送ベルト表面に形成された各種制御のためのサンプルトナー画像の除去や、給紙不良(ジャム)等により転写材上に転写されるべき画像が転写搬送ベルト上に転写されたトナーを除去するために転写搬送ベルト表面をクリーニングする機構が必要であるが、転写搬送ベルト表面のクリーニング機構として電界により転写搬送ベルト表面をクリーニングする方法が、画像形成装置が装置の小型化、クリーニング機構の簡略化の面から好ましい。電界により転写搬送ベルトをクリーニングする方法の一例としては、転写搬送ベルトを感光ドラムに当接させつつ回転し、転写ローラにトナーと同極性のバイアスを印加することにより感光体に転写搬送ベルト上のトナーを感光ドラムに戻す方法がある。ここでトナーの中には帯電極性が反転しているものも若干あるため、複数配置されている各画像形成部で転写ローラに印加するバイアスの極性を変える(例えば第1、第3の画像形成部ではマイナス、第2、第4の画像形成部ではプラスの極性のバイアスを転写ローラに印加する)ことにより、効率的に転写搬送ベルト上のトナーを感光ドラムに戻すことができる。
しかし、上記のような電界により転写搬送ベルト表面をクリーニングする画像形成装置では、転写搬送ベルト上に付着したトナーは除去できるものの紙粉等は十分に除去できないことから、通紙による汚染性に劣る転写搬送ベルトを使用した場合、ベルト表面に付着した紙粉等の汚染物質を除去しきれず、出力される画像に影響を及ぼす場合があるが、本発明の耐紙粉汚染性に優れた転写搬送ベルトを使用することにより安定した画像形成を行うことができる。
本発明にかかる転写搬送ベルトの製造方法としては特に限定されるものではなく、予め熱可塑性樹脂と導電性フィラーを混練した抵抗制御物質を、押出し成形、インフレーション成形、ブロー成形及びインジェクション成形等の公知の成形方法で成形することにより製造できるが、転写搬送ベルトとして使用できるような50〜200μm程度の薄肉の成形品を比較的容易に得ることができる押出し成形及びインフレーション成形が好ましい。ここで、熱可塑性樹脂と導電性フィラーの混練方法としては公知の混練、分散方法を使用できるが、高い分散能力と生産性を有することから図4に示されるような2軸押出し機を使用した混練・分散が好ましい。特に、熱可塑性樹脂成分をメインホッパー41から投入し、ある程度熱可塑性樹脂成分が軟化した時点で導電性フィラーをサブホッパー42から投入する混練方法が、安定した導電性フィラーの分散が得られることから特に好ましい。このような混練りを行うことにより、転写搬送ベルトの比誘電率が安定して得られる。導電性フィラーの分散が均一でない場合には、転写搬送ベルトの比誘電率が部分的に変化してしまい、通紙耐久により汚染される度合いが部分的に変化する。このような転写搬送ベルトを使用した場合、安定した画像形成に関する制御が困難となり好ましくない。
また、押出し成形、インフレーション成形により得られたチューブ状フィルムを特開2001−38804号公報、特開2002−301764号公報、特開2002−331579号公報に記載されているような方法で二次加工を行ってもよい。このような二次加工を行う際、必要に応じてチューブ状フィルム表面又はチューブ状フィルム表面と接する部材表面に離型性を付与する物質を塗布しても構わないが、離型性を付与する物質と転写搬送ベルトの材質の組み合わせによっては、得られる転写搬送ベルト表面における表面エネルギーの水素結合成分が本発明の範囲外になる場合もあり、そのような場合は本発明の効果が得られない。
本発明の画像形成装置を、図2を用いて動作概略を説明する。図2はタンデム方式の画像形成装置であり、転写媒体担持体としての静電吸着ベルト、即ち、転写搬送ベルト6を有し、転写搬送ベルト6は、駆動ローラ92、吸着対向ローラ91、テンションローラ93に懸架して設置されている。転写搬送ベルト6は、駆動ローラ92により矢印の方向に回転駆動される。
この転写搬送ベルト6の周面に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像形成部が配置され、転写搬送ベルト6により転写材13が各画像形成部に順次搬送される。各画像形成部は、感光ドラム1(1Y、1M、1C、1K)、1次帯電器2(2Y、2M、2C、2K)、不図示の露光手段3(3Y、3M、3C、3K)、現像装置4(4Y、4M、4C、4K)、ドラムクリーナ5(5Y、5M、5C、5K)を有し、これら感光ドラム1、1次帯電器2、現像装置4、ドラムクリーナ5は、プロセスカートリッジとして一体にまとめられ、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されている。
感光ドラム1には、転写搬送ベルト6を介して転写帯電手段である転写ローラ8(8Y、8M、8C、8K)が当接しており、感光ドラム1上のトナー像の転写材13への転写時、転写ローラ8には、これに接続した転写バイアス電源10(10Y、10M、10C、10K)より転写バイアスが印加される。
また、転写搬送ベルト表面近傍に光学センサが設置されており、この光学センサの情報をもとに各色成分画像の濃度制御、画像の書き出し位置制御、画像の位置精度制御等を行う。
転写材13は、給紙カセット14等からピックアップローラ15、給紙ローラによって画像形成部に向けて搬送され、ローラ状の同期回転体であるレジストローラ対に一旦挟持された後、レジストローラ対により、感光ドラム1上での画像形成動作と同期をとって、転写搬送ベルト6の転写材吸着部に供給される。
吸着部には、吸着補助手段としての吸着ローラ18が転写搬送ベルト6を介して吸着対向ローラ91と対向設置されており、吸着ローラ18と対向ローラ91で転写搬送ベルト6及び転写材13を挟持するようになっている。図示していない吸着バイアス電源(高圧電源)から吸着ローラ18に電圧(吸着バイアス)を印加することにより、転写材13の転写搬送ベルト6への吸着を補助する。ここで、図3に示される画像形成装置のように、転写搬送ベルト表面への転写材の吸着を補助する吸着ローラ等の部材を有さないものもある。
このようにして転写搬送ベルト6に吸着された転写材13は、各色成分の画像形成部を順次通過し、各感光ドラム1(1Y、1M、1C、1K)のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が転写ローラ8(8Y、8M、8C、8K)に印加された電圧(転写バイアス)により、次々に重ね合わせて転写される。その後、転写材13は、転写搬送ベルト6から分離して定着装置16に送られ、そこで4色のトナー像の定着を行って、転写材13上にフルカラーの永久画像が得られる。転写後に感光ドラム1(1Y、1M、1C、1K)上に残留した転写残りトナーは、ドラムクリーナ5(5Y、5M、5C、5K)によって除去される。
また、転写搬送ベルト上に形成された濃度制御パターンや画像形成時に転写搬送ベルト上に転写されたトナーの除去方法としては、転写ローラ8(8Y、8M、8C、8K)に印加された電圧(クリーニングバイアス)により、転写搬送ベルト上のトナーは感光ドラム1(1Y、1M、1C、1K)に戻され、更にドラムクリーナ5(5Y、5M、5C、5K)によって除去される。ここで、クリーニングバイアスとしては例えば第1、第3の画像形成部(ここではイエロー、シアン画像形成部)では+極性、第2、第4の画像形成部(ここではマゼンタ、ブラック画像形成部)では−極性となるように各画像形成部で極性を入れ替えることにより、効果的に転写搬送ベルト上のトナーを感光ドラム1(1Y、1M、1C、1K)に戻すことができる。
以上が本発明の転写搬送ベルトを用いた画像形成装置の動作概略であるが、本発明のシームレスベルトは、図2に示される画像形成装置以外にも適用可能である。特に図2の画像形成装置から吸着ローラ18を省いた画像形成装置においても、本発明の転写搬送ベルトを使用した場合には良好な転写媒体の搬送性を発揮できる。また、転写搬送ベルトのクリーニング機構としてブレードクリーング方式やブラシクリーニング方式を採用した画像形成装置にも勿論適用可能であり、これらに限定されるものではない。
以下に、実施例をもって本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
ポリアミド6・10樹脂 35質量%
ポリアミド12樹脂 35質量%
導電性カーボンブラック 12質量%
ヨウ化銅 0.1質量%
酸化亜鉛(粉体抵抗1×1010Ω・cm) 15.9質量%
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム 2質量%
上記配合を、図4に示される2軸押出機を用いて240〜260℃で溶融混練し、不図示のストランドカッターを用いて熱可塑性樹脂組成物ペレットを得た。ここで、熱可塑性樹脂成分とフッ素系界面活性剤であるパーフルオロブタンスルホン酸カリウムは図4に示されるメインホッパー41から投入し、導電性カーボンブラックと酸化亜鉛はサブホッパー42から投入することにより混練した。ここで、サブホッパー42は熱可塑性樹脂成分が軟化状態にある位置に設ける必要がある。得られた樹脂組成物を240〜260℃で押出成形することにより厚さ100μm、直径140mm、幅250mmのシームレスベルトを作製した。得られたベルトについて、以下の比誘電率測定、表面エネルギーの水素結合成分の測定、連続画像出力試験及び表面グロス測定を行い評価した。測定結果及び評価結果を表2に示す。
<比誘電率の測定>
前述の方法で得られたシームレスベルトの比誘電率を測定したところ、各部における比誘電率の最大値が25.0、最小値が24.3、平均値が24.7であった。
<表面エネルギーの水素結合成分の測定>
前述の方法で得られたシームレスベルト表面における、表面エネルギーの水素結合成分の測定を行ったところ、1.2[mN/m]であった。
<連続画像出力試験>
図2に示される画像形成装置にシームレスベルトを装着して、画像出力試験を行った。この画像形成装置は、1000枚通紙する毎に光学センサ17で読み取られた画像濃度情報と画像位置情報をそれぞれ現像手段、露光手段と画像書き出し位置にフィードバックすることにより画像濃度制御と画像位置合わせ(色ずれ)制御を行う機能を有するものである。
ここで、連続通紙試験を行う前に図5に示されるような色ずれ測定画像10枚と、フルカラーの写真画像を出力したところ、色ずれ量は平均40μmと良好であり、転写搬送ベルトは十分な紙吸着力を有していた。また、フルカラー写真画像においても高品位の画像が得られた。
次に、連続10000枚の画像出力試験を行い、耐久前後での転写搬送ベルト表面の反射率(グロス)を測定することにより紙粉による汚染性を確認した。グロスの測定は、堀場製IG−320グロスチェッカーを用いて、比誘電率の測定と同様の位置でベルト軸方向におけるグロスを測定したところ、初期は平均で77.8、通紙試験後は平均で56.8と耐久によるグロスの低下も少なく濃度制御も良好に行うことができ、耐久後に初期と同じ写真画像を出力したところ初期に出力されたものと比較して色調の変化もなく良好なものであった。ここで、画像出力にはゼロックス4024の75g/m紙を使用した。
画像出力試験結果において、画像品位を以下のように評価した。結果を表4に示す。
画像評価
<色ずれ:吸着性>
○:平均値が80μm未満のもの
△:平均値が80μm以上130μm未満のもの
×:平均値が130μm以上のもの
ここで、色ずれは転写搬送ベルトの転写材吸着性に依存し、転写搬送ベルトの転写材吸着性に優れるものほど出力される画像の色ずれは小さくなる。本発明においては色ずれ評価結果が△以上のものを実使用可能レベルとした。
<画像安定性:耐紙粉汚染性>
○:耐久後の転写搬送ベルト表面のグロス保持率が50%以上で、10000枚耐久を通して画像の色調の変化が殆んどないもの。
△:耐久後の転写搬送ベルト表面のグロス保持率が30%以上50%未満で、10000枚耐久後画像の色調変化が軽微なもの、又はグロス保持率は50%以上あるが、耐久中の画像安定性に若干劣るもの。
×:耐久後の転写搬送ベルト表面のグロス保持率が30%未満で、10000枚耐久後画像の色調の変化が顕著に見られるもの。
ここで、画像安定性は転写搬送ベルト表面の耐紙粉汚染性に依存し、耐紙粉汚染性に優れる転写搬送ベルトほど画像安定性に優れる。本発明においては画像安定性評価結果が△以上のものを実使用可能レベルとした。
(実施例2)
実施例1と同様の転写搬送ベルトを、図3に示される吸着ローラを有さない縦搬送方式の画像形成装置に組み込んだ以外は、実施例1と同様の試験を行った。この画像形成装置も図2の画像形成装置と同様に、1000枚通紙する毎に光学センサ17で読み取られた画像濃度情報と画像位置情報をそれぞれ現像手段、露光手段と画像書き出し位置にフィードバックすることにより画像濃度制御と画像位置合わせ(色ずれ)制御を行う機能を有するものである。測定結果及び評価結果を表4に示す。
(実施例3〜6、比較例1)
実施例1と同様にして押し出し成形によりシームレスベルトを作製した。得られたシームレスベルトの表面に、処理強度を変えてコロナ放電処理を行い表面改質処理された転写搬送ベルトを作製した。得られた転写搬送ベルトを実施例2と同様にして各種試験を行った。測定結果及び評価結果を表4に示す。
(実施例7〜10、比較例2)
実施例1と同様にして押し出し成形によりシームレスベルトを作製した。得られたシームレスベルトの表面に、処理強度を変えて紫外線照射処理を行い表面改質処理された転写搬送ベルトを作製した。得られた転写搬送ベルトを実施例2と同様にして各種試験を行った。測定結果及び評価結果を表4に示す。
(実施例11〜14、比較例3)
シームレスベルトの配合を表1のようにした以外は、実施例2と同様にして各種試験を行った。測定結果及び評価結果を表4に示す。
Figure 0004533038
ここで、酸化亜鉛、チタン酸バリウムの粉体抵抗はそれぞれ1×1010、2×1012Ω・cmであった。
(実施例15、16、比較例4)
実施例12と同様にして押し出し成形によりシームレスベルトを作製した。得られたシームレスベルトの表面に、処理強度を変えてコロナ処理を行い表面改質処理された転写搬送ベルトを作製した。得られた転写搬送ベルトを実施例2と同様にして各種試験を行った。測定結果及び評価結果を表4に示す。
(実施例17、18、比較例5)
シームレスベルトの配合を表2のようにした以外は、実施例2と同様にして各種試験を行った。測定結果及び評価結果を表4に示す。
Figure 0004533038
ここで、酸化亜鉛の粉体抵抗は1×1010Ω・cmであった。
(実施例19)
転写搬送ベルトの配合を下記のように変更した以外は、実施例2と同様にして転写搬送ベルトを作製して各種試験を行った。測定結果及び評価結果を表4に示す。
ポリ1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂 77.5質量%
導電性カーボンブラック 12質量%
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5質量%
参考例20)
ポリフェニレンサルファイド樹脂 88質量%
導電性カーボンブラック 12質量%
上記配合を、2軸押出機を用いて300〜320℃で溶融混練した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物を300〜320℃で押出成形することにより厚さ100μm、直径139mm、長さ250mmのチューブ状フィルムを作製し、得られたチューブ状フィルムを図6に示されるような後処理を行うことにより転写搬送ベルトを作製した。
以下に図6の説明をする。
(i) チューブ状フィルム200の内周長を伸張させつつ外径140.0mm、厚さ5.0mm、長さ300mmの円筒状内型201の外周に嵌合させる。
(ii)、(iii) 外周に熱可塑性無端状フィルム200を嵌合した円筒状内型201の外周に、内面にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を塗布・乾燥させた内径140.6mm、厚さ3mm、長さ300mmの円筒状外型202を配設する。
(iV) (iii)の状態で250℃に加熱し、熱膨張率の大きなアルミニウム製円筒状内型201を膨張させ、チューブ状フィルム200の外周面を、円筒状外型202内周面に熱圧転写させ、冷却後に転写搬送ベルトを脱型する。
得られた転写搬送ベルトに関して実施例2と同様にして各種試験を行った。測定結果及び評価結果を表4に示す。
(実施例21)
実施例1において、混練方法を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして転写搬送ベルトを作製した。
全ての配合剤を図4に示される2軸押出機のメインホッパー41から投入し、240〜260℃で溶融混練することにより樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を240〜260℃で押出成形することにより厚さ100μm、直径140mm、幅250mmのシームレスベルトを作製した。
得られた転写搬送ベルトに関して実施例2と同様にして各種試験を行った。測定結果及び評価結果を表4に示す。
(比較例6)
参考例20において、円筒状外型内面に塗布する物質としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液の代わりにフッ素系離型剤を塗布した以外は、参考例20と同様にして転写搬送ベルトを作製し、実施例2と同様にして各種試験を行った。測定結果及び評価結果を表4に示す。
(比較例7、8)
Figure 0004533038
上記配合を、2軸押出機を用いて280〜300℃で溶融混練することにより樹脂組成物を得た。混練時に、全ての配合剤を図4に示される2軸押出機のメインホッパー41から投入することにより混練した。得られた樹脂組成物を280〜300℃で押出成形することにより厚さ100μm、直径140mm、幅250mmのシームレスベルトを作製した。得られた転写搬送ベルトに関して実施例2と同様にして各種試験を行った。測定結果及び評価結果を表4に示す。
(比較例9)
ポリカーボネート樹脂 85質量%
導電性カーボンブラック 15質量%
上記配合を、2軸押出機を用いて280〜290℃で溶融混練することにより樹脂組成物を得た。混練時に、全ての配合剤を図4に示される2軸押出機のメインホッパー41から投入することにより混練した。得られた樹脂組成物を280〜290℃で押出成形することにより厚さ100μm、直径140mm、幅250mmのシームレスベルトを作製した。得られた転写搬送ベルトに関して実施例2と同様にして各種試験を行った。測定結果及び評価結果を表4に示す。
Figure 0004533038
転写搬送ベルトの比誘電率測定位置を示す概略図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明の別の画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明に使用できる混練装置(二軸押出し機)の一例を示す概略図である。 色ずれ測定方法を示す概略図である。 本発明の転写搬送ベルトの後処理方法を示す工程概略図である。
符号の説明
1(1Y,1M,1C,1K) 電子写真感光体
2(2Y,2M,2C,2K) 一次帯電器
3(3Y,3M,3C,3K) 露光手段
4(4Y,4M,4C,4K) 現像器
5(5Y,5M,5C,5K) ドラムクリーナー
6 転写搬送ベルト
8(8Y,8M,8C,8K) 転写ローラ
91 吸着対向ローラ
92 駆動ローラ
93 テンションローラ
10(10Y,10M,10C,10K) 転写バイアス電源
13 転写材
14 給紙カセット
15 給紙ローラ
16 定着ローラ
17 光学センサー
18 吸着ローラ
40 二軸押出し機駆動モータ
41 メインホッパー
42 サブホッパー
43 二軸押出し機シリンダ
44 ダイ
45 樹脂組成物
200 チューブ状フィルム
201 円筒状内型
202 円筒所外型

Claims (12)

  1. 静電吸着された記録媒体を複数の画像形成部の画像転写位置に搬送する転写搬送ベルトであって、
    該転写搬送ベルトが、少なくとも熱可塑性樹脂と導電性フィラーを含有し、
    該転写搬送ベルトの比誘電率をεb、該転写搬送ベルト表面の表面エネルギーの水素結合成分をγb[mN/m]としたとき、以下の関係を満足し、
    該転写搬送ベルトの最表面が、少なくとも界面活性剤を有する
    ことを特徴とする転写搬送ベルト。
    15≦εb≦50
    0.02≦γb≦30
    5≦(εb)1/2+(γb)1/2≦10
  2. 前記転写搬送ベルトの各部における比誘電率の最大値を最小値で除した値が2以下である請求項1に記載の転写搬送ベルト。
  3. 前記界面活性剤がフッ素系界面活性剤、炭化水素系界面活性剤の少なくとも1種である請求項1又は2に記載の転写搬送ベルト。
  4. 前記導電性フィラーが導電性カーボンブラックである請求項1〜のいずれかに記載の転写搬送ベルト。
  5. 前記転写搬送ベルトが前記導電性カーボンブラックを5〜20質量%含有する請求項に記載の転写搬送ベルト。
  6. 前記転写搬送ベルトが更に非導電性フィラーを5〜20質量%含有する請求項1〜のいずれかに記載の転写搬送ベルト。
  7. 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂及び脂環族ポリエステル樹脂のいずれかである請求項1〜のいずれかに記載の転写搬送ベルト。
  8. 前記転写搬送ベルトの表面が表面改質処理されている請求項1〜のいずれかに記載の転写搬送ベルト。
  9. 前記表面改質処理が、紫外線照射処理、電子線照射処理、プラズマ処理、コロナ処理及びオゾン処理のいずれかである請求項に記載の転写搬送ベルト。
  10. 静電吸着された記録媒体を複数の画像形成部の画像転写位置に搬送する転写搬送ベルトと、該転写搬送ベルト上に形成されたサンプルトナー画像を光学的に検知する手段とを有する画像形成装置において、該転写搬送ベルトが請求項1〜のいずれかに記載の転写搬送ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  11. 前記転写搬送ベルトの表面への記録媒体の吸着を補助する部材を有さない請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記転写搬送ベルトの表面を電界によりクリーニングするクリーニング機構を有する請求項10又は11に記載の画像形成装置。
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