JP2017126017A - 樹脂ベルトおよびその製造方法並びに画像形成装置 - Google Patents

樹脂ベルトおよびその製造方法並びに画像形成装置 Download PDF

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Yumiko Hayashi
裕美子 林
鴨井 澄男
Sumio Kamoi
澄男 鴨井
佐藤 智子
Tomoko Sato
智子 佐藤
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Abstract

【課題】機械特性、電気特性、難燃性、表面光沢性(表面平滑性)、耐久性、画像形成性、フィルミング性、抵抗制御性、成形安定性及び取り扱い性等の諸特性に優れた樹脂ベルトを提供する。
【解決手段】ポリイミドとカーボンブラックとを含み、前記樹脂ベルトは250℃以上350℃以下の温度範囲に15mJ/mg以上25mJ/mg以下の融解熱が検知され、前記ポリイミド100質量部に対する前記カーボンブラックの配合量が5〜20質量部であり、平均厚みが40〜120μmであり、マルテンス硬度が120N/mm以上280N/mm以下であり、かつ引張弾性率が1500MPa以上2500MPa以下である樹脂ベルト。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂ベルトおよびその製造方法並びに画像形成装置に関する。
電子写真装置等に用いられる中間転写ベルトは電気抵抗の均一性、表面平滑性、機械特性(高屈曲、高弾性、高伸度)、高寸法精度(膜厚、周長)が要求される。また、最近は部品レベルでの難燃性も求められ、UL94規格のVTM−1以上、また、特に中高速機以上の機種においてはVTM−0以上が要求されることがある。また、ベルトとして使用した際の機能性も要求されており、転写性や異常画像、通紙によるベルトの表面状態の安定性などが要求される。
以上のような要求特性を満足する材料としては、熱硬化性のポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂に導電性を付与した材料に、フッ素やシロキサンを導入したワニスをコーテイングした2層ベルトが使用されている。
ポリイミド樹脂から耐熱性無端ベルトを製作する技術としては、ポリイミドワニスを金属で構成される円筒体の外周面にキャスト成形した後、このキャスト成形したポリイミドワニスを加熱してイミド化することによりポリイミド無端ベルトとする技術が提案されている。しかしながら、この技術には、材料コストが高いという問題とイミド化工程に時間がかかり、製造コストも高くなるという問題がある。また、寸法規格が変更される度に新たな金型が必要になるので、金型が多数個必要となり、そのために、イニシャルコストが高くなるという問題があった。
また2層ベルト化するためには、フッ素やシロキサンを導入したワニスをスプレー法やブレードコーテイング法で被膜化(厚さ0.5〜10μm)する必要があり、加工工数が多く、さらにコストアップ化する欠点がある。
中間転写ベルトは電子写真装置の中でも高価格の部品であり、コストダウンが強く要求されている。低コスト化するために、熱可塑性樹脂を用い、押し出し成形あるいはインフレーション成形工法で成形できれば、非常に安価に製造できる。
難燃性熱可塑性樹脂としては、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等のフッ素系樹脂、ポリアリレート樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PES(ポリエーテルサルフォン)樹脂、PS(ポリサルフォン)樹脂、PEI(ポリエーテルイミド)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、TPI(熱可塑性ポリイミド)、LCP(液晶ポリマー)等が提案されているが、何れの材料を用いても、1層では充分な機械特性(後述)と前記した転写ベルトの機能性(転写率や通紙安定性)の両者を満足することはできない。
難燃性の熱可塑性樹脂を用いた導電性のシームレスベルトとしては、特許文献1(特開2005−112942号公報)でポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と導電性フィラーを配合した半導電性フィルムが提案されているが、PEEK単体のフィルムは、機械特性は満足するものの、樹脂コストが非常に高価であるため、現在要求されている低コスト化を満足できない。
また、難燃性の熱可塑性樹脂を用いた導電性のシームレスベルトとしては、特許文献2(特開2012−133220号公報)でポリエーテルエーテルケトンとアセチレンブラックを配合した半導電性フィルムにおいてアセチレンブラックが熱可塑性樹脂に対して19重量%以上30重量%以下配合され、フィルム断面に観察されるアセチレンブラックの粒子数密度が20個/μm以上であるフィルムが提案されている。たしかに、導電性の低いカーボンを多く配合すると電圧依存性は向上するが、フィルムの機械特性及び光沢は低下してしまう。
また、難燃性の熱可塑性樹脂を用いた導電性のシームレスベルトとしては、特許文献3(特開2006−69046号公報)でポリフェニレンスルフィドと導電性フィラーを配合し、DSCによる融解熱が10mJ/mg以上の半導電性フィルムが提案されているが、ポリフェニレンスルフィドはフィルム成形時に導電性カーボンの凝集やポリマーの未溶融などによる異物が発生しやすく、また、ベルトとして使用した際に、フィルミングが発生するという課題がある。
特許文献4(特開2000−137389号公報)ではポリアリレート樹脂からなるエンドレスベルト状転写部材が提案されているが、非晶性材料では、耐屈曲性に劣るという課題がある。
特許文献5(特開2001‐125396号公報)では非熱可塑性ポリイミド樹脂または熱可塑性ポリイミド樹脂からなる転写ベルトが提案されているが、多層のため高コストになってしまう。
特許文献6(特開2008‐15491号公報)では結晶性熱可塑性樹脂からなる単層の中間転写ベルトが提案されているが、示差走査熱量計(DSC)により結晶化発熱ピークが検出されており、結晶化度が不十分な為、十分な硬度を達成できない。また、ベルトとして使用した際に張架ローラとの接触により、裏面に傷が発生するという課題がある。
本発明は、機械特性、電気特性、難燃性、表面光沢性(表面平滑性)、耐久性、画像形成性、フィルミング性、抵抗制御性、成形安定性及び取り扱い性等の諸特性に優れた樹脂ベルトを提供することを目的とする。
上記課題は下記1)の構成により解決される。
1)少なくとも、ポリイミドとカーボンブラックとを含む樹脂ベルトであって、
前記樹脂ベルトは示差走査熱量計による熱分析により250℃以上350℃以下の温度範囲に15mJ/mg以上25mJ/mg以下の融解熱が検知されるものであり、
前記ポリイミド100質量部に対する前記カーボンブラックの配合量が5〜20質量部であり、
前記樹脂ベルトは平均厚みが40〜120μmであり、
前記樹脂ベルトはマルテンス硬度が120N/mm以上280N/mm以下であり、かつ
前記樹脂ベルトはJIS K7127に規定されている引張特性試験方法において測定した弾性率が1500MPa以上2500MPa以下
であることを特徴とする樹脂ベルトにより解決される。
本発明によれば、機械特性、電気特性、難燃性、表面光沢性(表面平滑性)、耐久性、画像形成性、フィルミング性、抵抗制御性、成形安定性及び取り扱い性等の諸特性に優れた樹脂ベルトが提供される。
本発明で使用されるポリイミドのDSC曲線の一例の図である。 ベルトの裏面キズの発生と、マルテンス硬度および引張弾性率との関係を示す図である。 本発明の樹脂ベルトを押出成形する際に用いるダイス及びマンドレルからなる環状ダイスを示す図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図4の画像形成装置における感光体を配設する作像部の構成の一例を示す概略断面図である。
本発明の樹脂ベルトの実施形態としては、導電性樹脂ベルトが挙げられ、以下この実施形態について説明する。
まず、本発明の導電性樹脂ベルトの第1の実施形態について説明する。
本発明の導電性樹脂ベルトは、ポリイミド、好適には熱可塑性ポリイミド(以下TPIと略記する)とカーボンブラック(以下CBと略記する)とを含み、示差走査熱量計による熱分析により250℃以上350℃以下の温度範囲に15mJ/mg以上25mJ/mg以下の融解熱が検知されるものである。また、TPI100質量部に対してCBの配合量の合計が5〜20質量部であり、平均厚みが40〜120μmに成形され、マルテンス硬度が120N/mm以上280N/mm以下であり、かつJIS K7127に規定されている引張特性試験方法において測定した弾性率が1500MPa以上2500MPa以下であることを特徴とする。
本発明で使用されるTPIは、下記式に示すように、分子中にイミド基を有する化合物であり、同じくイミド基を有するポリエーテルイミド(PEI)とは区別している。R、RやXに入る官能基及び繰り返し数nの選択により、結晶性/非晶性、融点Tm、ガラス転移温度Tg等の特性が大きく異なるものである。
上記式中、R、Rはそれぞれ独立して芳香環あるいは脂環式炭化水素を含む官能基であり、Xは芳香環を含む官能基である。本発明において好ましいTPIは、Rは炭素数6〜22でかつ窒素を含む脂環式化合物である。好ましいRは炭素数5〜12の窒素を含む鎖状脂肪族化合物である。好ましいXは炭素数6〜22の窒素を含む芳香族化合物である。好ましいnが5〜70を示すものである。
一般的にTPIには、結晶性TPIと非晶性TPIが存在するが、本発明では結晶性TPIを使用する。本発明では、公知のTPIの中から、上記融解熱が検知されるTPIを適宜選択して用いることができる。
上記のように、本発明の導電性樹脂ベルトは、示差走査熱量計による熱分析により250℃以上350℃以下の温度範囲に15mJ/mg以上25mJ/mg以下の融解熱が検知される。
また、本発明で使用されるTPIは、示差走査熱量計による熱分析により250℃以上350℃以下の温度範囲に15mJ/mg以上35mJ/mg以下の融解熱が検知されるものが好ましい。
好ましいTPIの融解熱の下限は18mJ/mgであり、さらに好ましくは融解熱20mJ/mgであり、好ましい上記融解熱の上限は30mJ/mgであり、さらに好ましくは融解熱25mJ/mgである。
本発明における融解熱は、公知の方法により測定することができ、例えばX−DSC7000((株)島津製作所製)を使用し、測定条件として昇温速度10℃/min、サンプル量は5mgにより測定することができる。サンプルは導電性樹脂ベルトを測定用アルミパンに入るようにカットし、カットしたサンプルが一枚で5mgに満たない場合は複数枚使用する。
図1は、本発明で使用されるTPIのDSC曲線の一例の図である。図1中のTgはガラス転移温度、Tmは融点、融点のピークの面積が融解熱を表す。
本発明者は鋭意検討した結果、融点のピークの面積である融解熱は材料の結晶性を測る一つの特性値であり、上記融解熱の範囲であれば本発明の効果が良好に奏されることになる。なお、融解熱が大きくなると耐屈曲性が向上する。
なお、本発明の導電性樹脂ベルトは、硬度や耐屈曲性向上のため他の結晶性熱可塑性樹脂をTPI100質量部に対して20質量部以下の割合で添加してもよく、とくにPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂が好適である。
またTPIは成形加工温度が約400℃の高融点材料と300〜360℃の低融点材料が知られている。本発明では何れの材料を使用してもよいが、後者の材料の方が好ましい。その理由としては、TPIが低融点材料である場合、一般的な設備を利用して本発明の導電性樹脂ベルトを製造することが可能であるが、一方TPIが高融点材料であると成形加工に特殊な設備を要し、設備費が膨大となるからである。また、TPIが低融点材料であれば、PPSやPEEKと同程度の成形加工温度であるため、これらの樹脂とのアロイ化が可能となる。
本発明で使用されるTPIは本発明で規定するマルテンス硬度および引張弾性率を満たすことができ、とくに、耐屈曲性、表面平滑(光沢)性に優れている。その結果、ベルト走行時の亀裂、破断、傷の発生、フィルミング(通紙による光沢変化)、白ポチ、ベタチリ、ボソツキ等の画像欠陥の問題を解決し、特性の制御が容易で製造再現性を得やすく、低コスト生産を実現でき、高レベルの電圧依存性要求にも応えることができる。
本発明の導電性樹脂ベルトは、カーボンブラックを含み、その配合量は、前記TPI100質量部に対し、5〜20質量部である。
導電性付与材は、一般的に導電性フィラーが挙げられ、導電性フィラーは、金属系、金属酸化物系、金属被覆系、カーボン系に分かれる。金属系(Ag,Ni,Cu,Zn,Al,ステンレス等)は最も導電性が高く、高抵抗には向いていない。また、高価なAu、Ag以外は酸化しやすく、抵抗値が変化する課題がある。また金属酸化物系(SnO2,In23,ZnO)を用いて導電性を得るためには、樹脂の合計に対し10〜50質量部配合する必要があり、ポリマーの機械特性が低下する場合がある。また、高コスト材料であり、本発明の導電剤としては向いていない。カーボン系は価格も安く、中〜高抵抗範囲も制御可能である。導電性フィラーの他に導電性付与材としてはイオン系材料が知られているが、イオン導電作用を利用する方法では、ベルト表面にブリードアウトするという課題がある。
カーボンブラックは、比較的安価で環境依存性を受けにくいため導電性付与剤として好適である。カーボンブラックはその製造方法により、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等があり、本発明ではいずれの種類も使用することができる。本発明で使用されるカーボンブラックは、950℃で7分間加熱した際の揮発(減量)分が2.0質量%以下であるものが好ましい。このようなカーボンブラックは、高い成形加工温度を採用した場合、発泡しにくい。
本発明においてカーボンブラックのさらに好ましい配合量は、前記TPI100質量部に対し、9〜18質量部である。なお、一般的にカーボンブラックの配合量を増やせば抵抗値が低下するが、目標抵抗値を得るための添加量は、カーボンブラックの種類に依存する(とくにDBP(ジブチルフタレート)吸収量(JIS K6221)に依存する)。
また、本発明の導電性樹脂ベルトの平均厚みは40〜120μmである。平均厚みは厚い方が難燃性に有利ではあるが、耐屈曲性が低下してしまう。反対に、平均厚みが40μmよりも薄いと耐久性は向上するが、端部強度が低下してしまうため、転写ベルトとして使用した際に走行不安定となることや、取り扱い時にキンクが発生しやすいという問題がある。これらの観点から、本発明の導電性樹脂ベルトの平均厚みは60〜80μmであるのが好ましい。平均厚みの測定には接触式のデジマチックマイクロメーターMDC25S(ミツトヨ製)を使用し、ベルトの周方向にランダムで10ヶ所測定し、算術平均して求める。
また、本発明の導電性樹脂ベルトのマルテンス硬度は120N/mm以上280N/mm以下であり、 かつJIS K7127に規定されている引張特性試験方法において測定した弾性率は1500MPa以上2500MPa以下である。
導電性樹脂ベルトのマルテンス硬度が120N/mmよりも低いと、転写ベルトとして使用した際に張架ローラとの接触により、裏面に傷が発生しやすく、また、転写ベルト表面に微細な紙粉が付着することによりフィルミング(通紙による光沢変化)が発生する。導電性樹脂ベルトのマルテンス硬度が280N/mmよりも高いと、ベルトが剛直になり耐屈曲性が低下してしまい、好ましくない。
本発明において、導電性樹脂ベルトのマルテンス硬度は、180N/mm以上220N/mm以下であるのがさらに好ましい。
マルテンス硬度の測定には微小硬度計HM2000LT (Fischer製)を使用し、荷重制御し、荷重の増加5mN/10s(減少も同条件)、クリープ10sの条件で測定する。
また、導電性樹脂ベルトの弾性率は、傷の発生に影響を及ぼす。例えば、同じマルテンス硬度のベルトである場合、引張弾性率の低い方が傷の発生を抑制できる。逆に引張弾性率が低すぎると、ローラに張架した際に経時でベルト周長が変化し、色ズレが低下する。本発明者は鋭意検討した結果、本発明の効果を奏するためには、導電性樹脂ベルトのマルテンス硬度および引張弾性率を特定の範囲に設定する必要があることを見出した。図2は、一例として、ベルトの裏面キズの発生と、マルテンス硬度および引張弾性率との関係を示す図である。導電性樹脂ベルトのマルテンス硬度および引張弾性率を図2の斜線範囲に設定することにより、裏面キズの発生を抑制することができる。また該範囲によりその他の本発明の効果もさらに高まる。すなわち、本発明の導電性樹脂ベルトの弾性率は1500MPa以上2500MPa以下であることが必要であり1800MPa以上2200MPa以下であるのがさらに好ましい。
本実施形態の導電性樹脂ベルトは、機械特性、電気特性、難燃性、表面光沢性(表面平滑性)、耐久性、画像形成性、フィルミング性、抵抗制御性、成形安定性及び取り扱い性等の諸特性に優れるものであるが、特筆すべき効果としては以下の通りである。
(1)1層の導電性樹脂ベルトにも関わらず、マルテンス硬度、引張弾性率、耐屈曲性に優るため、ベルト走行時の亀裂・破断・傷の発生やフィルミングを防止できる。
(2)難燃性(VTM−1)に優れる。
(3)特性の再現性が容易で製造再現性が得られやすい。
(4)材料コストが低く、熱硬化性ポリイミド(PI)やPEEKに比べて低コスト生産が可能である。
(5)高レベルの電圧依存性要求にも応えられる。
次に、本発明の導電性樹脂ベルトの第2の実施形態について以下説明する。本実施形態は、前記第1の実施形態の導電性樹脂ベルトにおいて、JIS P 8115に規定されている耐折強さ試験法において測定した往復折り曲げ回数(MIT値)が2000回以上20000回以下であることを特徴とする。
MIT値が2000回未満であるとベルトの耐久性評価において240kp(記録媒体を240000枚印刷)以下で亀裂や破断が発生するが、MIT値が2000回以上であれば240kpを超えても亀裂や破断が発生しないことがわかった。逆にMIT値が20000回以下であることにより、適度な硬度の範囲内になり、亀裂・破断・傷の発生やフィルミングの防止という点で有利となる。
本発明の導電性樹脂ベルトの第3の実施形態について以下説明する。
本実施形態は、前記第1および/または第2の実施形態において、少なくともDBP吸収量が200cm/100g以上のカーボンブラック1つと100cm/100g以下のカーボンブラック1つとを含む2種以上からなり、前記カーボンブラックの配合量がTPI100質量部に対して18質量部以下であることを特徴とする。ベルトのカーボンブラックの配合量はJIS K6227の方法に基づき、定量することができる。
電気抵抗の電圧依存性は、電圧により導電パスが異なることにより発生するものであり、本発明ではCB分散均一性が影響する。分散均一性を向上するためには、より多くの粒子を分散させて、導電パスの距離差が少なくすることがよいため、一般的にDBP吸収量が比較的小さいファーネスブラックやアセチレンブラックが使用されている。しかし、CBは配合量が少ないほど、機械特性や光沢性では有利である。カーボンブラックの配合量が増えると、機械特性、光沢度、表面平滑性(フィルミングの主要発生要因)が低下する。特に耐屈曲性が大きく低下する。カーボンブラックの中では、ケッチェンブラックのDBP吸収量が大きいため、少ない量で目標抵抗が得られる好適な材料であるが、電気特性の電圧依存性が悪く、再現性に問題があり、使用されることが少ない。本発明の第3の実施形態によれば、DBP吸収量の異なるカーボンを2種以上配合することにより、カーボン配合量を少量に抑えながら要求された電気特性を達成することが可能である。
第3の実施形態の導電性樹脂ベルトは上記第1および/または第2の実施形態の導電性樹脂ベルトが奏する効果に加えて次の効果を奏する。
(1)少量で抵抗が出るケッチェンブラックを使用できる。
(2)上記2種以上のCBを前記TPI100質量部に対して18質量部以下にすることにより、光沢度低下を防止でき、目標光沢を達成できる。
(3)上記2種以上のCBを前記TPI100質量部に対して18質量部以下にすることにより、耐屈曲性などの機械特性の低下を抑制でき、目標特性を達成できる。
DBP吸収量が200cm/100g以上のCBにおいて、さらに好ましいDBP吸収量の範囲は、240cm/100g以上300cm/100g以下である。
DBP吸収量が100cm/100g以下のCBにおいて、さらに好ましいDBP吸収量の範囲は、85cm/100g以上96cm/100g以下である。
また、DBP吸収量が200cm/100g以上のCBとDBP吸収量が100cm/100g以下のCBとの配合比率は、前者:後者(質量比)として、8:1〜1:1である。
次に、本発明の導電性樹脂ベルトの第4の実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第1、第2および/または第3の実施形態において、導電性樹脂ベルトの100Vにおける体積抵抗率(Rv100[Ω・cm])が10〜1012[Ω・cm]であり、該導電性樹脂ベルトの500Vにおける表面抵抗率(Rs500[Ω])が10〜1012[Ω]であることを特徴とする。
上記のような体積抵抗率および表面抵抗率を満たすことにより、画像品質をさらに高めることができる。
次に、本発明の導電性樹脂ベルトの製造方法について以下説明する。
本製造方法は、前記第1、第2、第3および/または第4の実施形態の導電性樹脂ベルトを製造する方法であって、前記TPIの粒子と、CBとを1000〜3000rpmで高速攪拌し、前記攪拌して得た混合物を300〜370℃で溶融混練して溶融混練物を得る工程と、前記溶融混練物をダイスから押し出し、成形して成形物を得る成形工程と、を含むことを特徴とする。前記高速攪拌における回転数が上記範囲外であると、より具体的には1000rpm未満であるとCBの分散不良が、3000rpmを超えるとせん断熱によるTPI粒子の凝集という不具合が発生する恐れがある。また、溶融混練温度が上記範囲外であると、より具体的には使用するTPIの融点以下であると成形機内で混合物の搬送不良が、使用するTPIの分解温度以上であるとTPIの熱分解によりベルト表面にシルバーストリークという外観不良が発生する恐れがある。なお、上記高速攪拌する手段、溶融混練する手段並びに押し出し成形する手段は、公知の手段から適宜選択して用いることができる。このような製造方法を採用することにより、とくに混練加工前に、TPIおよびCBを高速攪拌して分散することにより、CBの分散性が向上し、均一な電気特性を達成できる。
次に、本発明の製造方法の好適な実施形態について説明する。
本実施形態は、前記成形工程において、ダイスの下部にマンドレルと呼ばれる円柱部材を配置し、マンドレルで該溶融混練物のガラス転移温度以下まで冷却することを特徴とする。図3は、本発明の導電性樹脂ベルトを押出成形する際に用いるダイス及びマンドレルからなる環状ダイスを示す図である。ダイス(スパイラルダイス)101の下部にダイスに直結したマンドレル103を配置する。マンドレル103は図示しない油温度調節機に接続され、温度制御が可能となっている。マンドレル温度は例えばTPIのガラス転移温度以下に設定され、マンドレル103を抜ける時までに固化するようにすることで、マンドレル径104と同一の寸法(周長)の固化物が得られる。なお、前記冷却が前記溶融混練物のガラス転移温度を超えると、周長がマンドレル径より小さくなり、所望の周長が得られないことがある。マンドレル103があることで安定した周長(寸法)制御が可能になる他、外気の影響を受け難くなる、振動の影響を受け難くなる、生産開始前の段取りが容易になる等の生産管理面での多大な効果がある。また、例えば中間転写ベルトの特性、特に電気特性の異方性を減らすことを念頭に置くならば、ダイススリップ径102とマンドレル径104の関係は1対1対応が好ましいが、マンドレル径4がダイス径のマイナス10%程度は成形装置の追加工無しで制御可能であり、ケースによっては中間転写ベルトの膜厚偏差を特に低下させる目的でマンドレル径104をダイススリップ径102のマイナス50%程度に設定することもある。
この本発明の好適な実施形態によれば、寸法制御が容易となり、生産再現性が高く膜厚偏差の制御もしやすい製造方法を実現することができる。
次に、本発明の画像形成装置について以下説明する。
本発明の画像形成装置は、一つの形態において、少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する一次転写手段と、中間転写ベルト上のトナー像を被記録媒体上に転写する二次転写手段と、被記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、該中間転写ベルトが、前記第1、第2、第3および/または第4の実施形態の導電性樹脂ベルトであることを特徴とする。
また本発明の画像形成装置は、別の形態において、少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を被記録媒体に転写するために該被記録媒体を搬送する転写ベルトと、像担持体上のトナー像を被記録媒体に転写する転写手段と、被記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、該転写ベルトが、前記第1、第2、第3および/または第4の実施形態の導電性樹脂ベルトであることを特徴とする
図4は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。この図4の画像形成装置は、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成するものである。
まず、複数の像担持体を備え、前記複数の像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させる画像形成装置(いわゆる「タンデム型画像形成装置」と称することもある。)の基本的な構成について説明する。
図4に示す画像形成装置は、像担持体として4つの感光体1Y、1C、1M、1Kを備えている。なお、ここではドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ表面移動部材である中間転写ベルト10に接触しながら、図4中矢印の方向に回転駆動する。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、前記感光層上に保護層を形成したものであり、感光層と保護層との間に中間層を設けてもよい。
図5は、図4における感光体を配設する作像部の構成の一例を示す概略断面図である。なお、作像部2Y、2C、2M、2Kにおける各感光体1Y、1C、1M、1K周りの構成はすべて同じであるため、1つの作像部についてのみ図示し、色分け用の符号Y、C、M、Kについては省略してある。感光体1の周りには、その表面移動方向に沿って、帯電手段としての帯電手段3、現像手段5、感光体1上のトナー像を記録媒体又は中間転写ベルト10に転写する転写手段6、感光体1上の未転写トナーを除去するクリーニング手段7の順に配置されている。帯電手段3と現像手段5との間には、帯電した感光体1の表面の画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段4から発せられる光が感光体1まで通過できるようにスペースが確保されている。
帯電手段3は、感光体1の表面を負極性に帯電する。この帯電手段3は、いわゆる接触・近接帯電方式で帯電処理を行う帯電部材としての帯電ローラを備えている。即ち、この帯電手段3は、帯電ローラを感光体1の表面に接触又は近接させ、前記帯電ローラに負極性バイアスを印加することで、感光体1の表面を帯電する。感光体1の表面電位が−500Vとなるような直流の帯電バイアスを帯電ローラに印加している。
なお、帯電バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳させたものを利用することもできる。また、帯電手段3には、帯電ローラの表面をクリーニングするクリーニングブラシを設けてもよい。なお、帯電手段3として、帯電ローラの周面上の軸方向両端部分に薄いフィルムを巻き付け、これを感光体1の表面に当接するように設置してもよい。この構成においては、帯電ローラの表面と感光体1の表面との間は、フィルムの厚さ分だけ離間した極めて近接した状態となる。したがって、帯電ローラに印加される帯電バイアスによって、帯電ローラの表面と感光体の表面との間に放電が発生し、その放電によって感光体の表面が帯電される。
このようにして帯電した感光体1の表面には、露光手段4によって露光されて各色に対応した静電潜像が形成される。この露光手段4は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体1に対して各色に対応した静電潜像を書き込む。なお、露光手段4は、レーザ方式であるが、LEDアレイと結像手段とからなる他の方式を採用することもできる。
トナーボトル31Y、31C、31M、31Kから現像手段5内に補給されたトナーは、現像剤供給ローラ5bによって搬送され、現像ローラ5a上に担持されることになる。この現像ローラ5aは、感光体1と対向する現像領域に搬送される。ここで、現像ローラ5aは、感光体1と対向する領域(以下、「現像領域」と称することもある。)において感光体1の表面よりも速い線速で同方向に表面移動する。そして、現像ローラ5a上のトナーが、感光体1の表面を摺擦しながら、トナーを感光体1の表面に供給する。このとき、現像ローラ5aには、図示しない電源から−300Vの現像バイアスが印加され、これにより現像領域には現像電界が形成される。そして、感光体1上の静電潜像と現像ローラ5aとの間では、現像ローラ5a上のトナーに静電潜像側に向かう静電力が働くことになる。これにより、現像ローラ5a上のトナーは、感光体1上の静電潜像に付着することになる。この付着によって感光体1上の静電潜像は、それぞれ対応する色のトナー像に現像される。
転写手段6における中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ11、12、13に張架されており、図4中矢印の方向に無端移動する構成となっている。この中間転写ベルト10上には、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像が静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。静電転写方式には、転写チャージャを用いた構成もあるが、ここでは転写チリの発生が少ない転写ローラ14を用いた構成を採用している。具体的には、各感光体1Y、1C、1M、1Kと接触する中間転写ベルト10の部分の裏面に、それぞれ転写手段6としての一次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kを配置している。ここでは、各一次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kにより押圧された中間転写ベルト10の部分と各感光体1Y、1C、1M、1Kとによって、一次転写ニップ部が形成される。そして、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像を中間転写ベルト10上に転写する際には、各一次転写ローラ14に正極性のバイアスが印加される。これにより、各一次転写ニップ部には転写電界が形成され、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像は、中間転写ベルト10上に静電的に付着し、転写される。
感光体1上に形成されたトナー像を中間転写ベルト10に転写させる場合、感光体1と中間転写ベルト10は、圧接していることが好ましい。このときの圧接力は、10N/m〜60N/mの範囲にあることが好ましい。
中間転写ベルト10の周りには、その表面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング手段15が設けられている。このベルトクリーニング手段15は、中間転写ベルト10の表面に付着した不要なトナーをファーブラシ及びクリーニングブレードで回収する構成となっている。なお、回収した不要なトナーは、ベルトクリーニング手段15内から図示しない搬送手段により図示しない廃トナータンクまで搬送される。また、支持ローラ13に張架された中間転写ベルト10の部分には、二次転写ローラ16が接触して配置されている。この中間転写ベルト10と二次転写ローラ16との間には二次転写ニップ部が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録媒体としての転写紙が送り込まれるようになっている。この転写紙は、露光手段4の図中下側にある給紙カセット20内に収容されており、給紙ローラ21、レジストローラ対22等によって、二次転写ニップ部まで搬送される。そして、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像は、二次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。この二次転写時には、二次転写ローラ16に正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト10上のトナー像が転写紙上に転写される。
二次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての加熱定着装置23が配置されている。この加熱定着装置23は、ヒータを内蔵した加熱ローラ23aと、圧力を加えるための加圧ローラ23bとを備えている。二次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることになる。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、定着後の転写紙は、排紙ローラ24によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
現像手段5は、そのケーシングの開口から現像剤担持体としての現像ローラ5aが部分的に露出している。また、ここでは、キャリアを含まない一成分現像剤を使用している。現像手段5は、図4に示したトナーボトル31Y、31C、31M、31Kから、対応する色のトナーの補給を受けてこれを内部に収容している。このトナーボトル31Y、31C、31M、31Kは、それぞれが単体で交換できるように、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。このような構成とすることで、トナーエンド時にはトナーボトル31Y、31C、31M、31Kだけを交換すればよい。したがって、トナーエンド時にまだ寿命に達していない他の構成部材はそのまま利用でき、ユーザーの出費を抑えることができる。
現像剤収納器5d中の現像剤(トナー)は、供給ローラ5bで攪拌されながら、感光体1に供給する前記現像剤を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ5aのニップ部分に運ばれる。このとき供給ローラ5bと現像ローラ5aは、ニップ部で逆方向(カウンタ回転)に回転している。更に、現像ローラ5aに当接するように設けられた現像剤層規制部材としての規制ブレード5cで現像ローラ5a上のトナー量が規制され、現像ローラ5a上にトナー薄層が形成される。また、トナーは、供給ローラ5bと現像ローラ5aのニップ部と規制ブレード5cと現像ローラ5aの間で摺擦され、適正な帯電量に制御される。
前記画像形成装置においては、潜像担持体、帯電手段、現像手段等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機、プリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成することができる。
本発明の導電性樹脂ベルトは、上記で示した画像形成装置の中間転写ベルトの他、例えば複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリー等の電子写真方式または静電印刷方式で画像形成を行う画像形成装置に用いられる搬送ベルト、転写ベルト、定着ベルト、現像ベルトとして好適である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜7、比較例1〜4]
まず、表1に示した樹脂成分を粉砕装置(セイシン企業製)を用いて粉砕した。
次いで、得られた粉砕粒子に、表1に示す各配合成分を添加して高速攪拌装置(三井鉱山製)を用いて2000rpmで3分間混合攪拌し、成形用混合物を得た。
なお、各成分の配合量についての数値は質量部を示す。
得られた成形用混合物を二軸押出し混練機(L/D=60)を用いて300〜370℃で溶融混練してペレット化した。
このペレットを図3に示す環状ダイスを用いて300〜370℃で押出成形を行って、内径310mm、幅235mmの寸法を有するシームレスの導電性樹脂ベルトを得た。
各実施例及び比較例で得られた導電性樹脂ベルトについて下記の各特性について評価を行った。
評価結果を表1に示す。
[熱特性]
(1)融解熱
測定にはX−DSC7000((株)島津製作所製)を使用し、昇温速度10℃/min、質量は5mgで測定した。
[画像評価]
以下の画像評価はMPC6003(リコー製)を使用した。
(1)耐久性評価
240kp以上で導電性樹脂ベルトに亀裂、破断、裏面傷のないものを○とし、120kp以上240kp未満でそれらが発生したものを△、120kp未満でそれらが発生したものを×とした。
(2) 異常画像評価
異常画像(白ポチ・ベタチリ・ボソツキなど)のないものを○とし、僅かに発生するものを△、それ以外を×とした。
(3) クリーニング性評価
クリーニング不良のないものを○とし、それ以外を×とした。
(4) フィルミング性評価
初期If値が10mAかつ10kp通紙後のIf値上昇率が150%以内であるものを○とし、それ以外を×とした。
[機械特性]
(1)マルテンス硬度
超微少硬度計HM2000LT (Fischer製)を用い、荷重制御し、荷重の増加5mN/10s(減少も同条件)、クリープ10sの条件で試験を行った。
(2)引張弾性率
JIS K7127に準拠して試験を行った。
(3)耐屈曲性(MIT試験)
JIS P8115に準拠して試験を行った。
[電気特性]
電気特性はハイレスタUP MCP−HT450(三菱化学アナリテック社製)を使用し、測定した。
(1)表面抵抗率
電圧500Vにおいて表面抵抗率を測定した。10〜1012[Ω/□]の範囲にあることが望ましい。
(2)体積抵抗率
電圧100Vにおいて体積抵抗率を測定した。10〜1012[Ω・cm] の範囲にあることが望ましい。
(3)表面抵抗率・電圧依存性
100Vで計測した表面抵抗値と500Vで計測した表面抵抗値との差を測定した。差が1.0以下であることが望ましい。
(4)体積抵抗率・電圧依存性
100Vで計測した体積抵抗値と250Vで計測した体積抵抗値との差を測定した。差が2.0以下であることが望ましい。
(5)表面抵抗率・環境依存性
10℃10RH%で計測した表面抵抗値と30℃90%で計測した表面抵抗値との差を測定した。差が0.5以下であることが望ましい。
(6)体積抵抗率・環境依存性
10℃10%で計測した体積抵抗値と30℃90RH%で計測した体積抵抗値との差を測定した。差が1.0以下であることが望ましい。
[難燃性]
UL94規格でVTM−1以上であるものを○とし、それ以外を×とした。
[表面平滑性]
10000枚相当の通紙試験後の20度光沢(日本電色工業製PG−1)を測定した。
[抵抗制御性]
成形温度340℃と330℃による体積抵抗の変化率(LogΩ・cm/℃)が0.2以下であるものを○とし、0.2を超え0.3以下であるものを△、それ以外を×とした。
[成形安定性]
ダイス形状がφ310mmである押出し成形機による成形樹脂圧の変動幅が10%以下であるものを○とし、それ以外を×とした。
[取り扱い性]
MPC6003(リコー製)のマシン脱着時にベルトにキンク、打痕等の凹凸不良が発生しないものを○とし、それ以外を×とした。
表1の結果から、各実施例の導電性樹脂ベルトは、各比較例の導電性樹脂ベルトに対し、機械特性、電気特性、難燃性、表面光沢性(表面平滑性)、耐久性、画像形成性、フィルミング性、抵抗制御性、成形安定性及び取り扱い性等の諸特性に優れていることが分かる。
1 感光体
1Y、1C、1M、1K 感光体
2Y、2C、2M、2K 作像部
3 帯電手段
4 露光手段
5 現像手段
5a 現像ローラ
5b 現像剤供給ローラ
5c 規制ブレード
5d 現像剤収納器
6 転写手段
7 クリーニング手段
10 中間転写ベルト
11、12、13 支持ローラ
14 転写ローラ
14Y、14C、14M、14K 一次転写ローラ
15 ベルトクリーニング手段
16 二次転写ローラ
20 給紙カセット
21 給紙ローラ
22 レジストローラ対
23 加熱定着装置
23a 加熱ローラ
23b 加圧ローラ
24 排紙ローラ
31Y、31C、31M、31K トナーボトル
101 スパイラルダイス
102 ダイスリップ径
103 マンドレル
104 マンドレル径
特開2005−112942号公報 特開2012−133220号公報 特開2006−69046号公報 特開2000−137389号公報 特開2001−125396号公報 特開2008−15491号公報

Claims (8)

  1. 少なくとも、ポリイミドとカーボンブラックとを含む樹脂ベルトであって、
    前記樹脂ベルトは示差走査熱量計による熱分析により250℃以上350℃以下の温度範囲に15mJ/mg以上25mJ/mg以下の融解熱が検知されるものであり、
    前記ポリイミド100質量部に対する前記カーボンブラックの配合量が5〜20質量部であり、
    前記樹脂ベルトは平均厚みが40〜120μmであり、
    前記樹脂ベルトはマルテンス硬度が120N/mm以上280N/mm以下であり、かつ
    前記樹脂ベルトはJIS K7127に規定されている引張特性試験方法において測定した弾性率が1500MPa以上2500MPa以下
    であることを特徴とする樹脂ベルト。
  2. 前記樹脂ベルトはJIS P8115に規定されている耐折強さ試験法において測定した往復折り曲げ回数が2000回以上20000回以下であること特徴とする請求項1に記載の樹脂ベルト。
  3. 前記カーボンブラックは、少なくともDBP吸収量が200cm/100g以上のカーボンブラック1つと100cm/100g以下のカーボンブラック1つとを含む2種以上からなり、前記カーボンブラックの配合量が前記ポリイミド100質量部に対して18質量部以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂ベルト。
  4. 前記樹脂ベルトは、100Vにおける体積抵抗率(Rv100[Ω・cm])が10〜1012[Ω・cm]であり、かつ、500Vにおける表面抵抗率(Rs500[Ω])が10〜1012[Ω]であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂ベルト。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂ベルトを製造する方法であって、ポリイミドの粒子と、カーボンブラックとを1000〜3000rpmで高速攪拌し、前記攪拌して得た混合物を300〜370℃で溶融混練して溶融混練物を得る工程と、前記溶融混練物をダイスから押し出し、成形物を得る成形工程と、を含むことを特徴とする樹脂ベルトの製造方法。
  6. 前記成形工程において、ダイスの下部にマンドレルを配置し、前記マンドレルで前記溶融混練物をそのガラス転移温度以下まで冷却することを特徴とする請求項5に記載の樹脂ベルトの製造方法。
  7. 少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する一次転写手段と、中間転写ベルト上のトナー像を被記録媒体上に転写する二次転写手段と、被記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、該中間転写ベルトが、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  8. 少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を被記録媒体に転写するために該被記録媒体を搬送する転写ベルトと、像担持体上のトナー像を被記録媒体に転写する転写手段と、被記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、該転写ベルトが、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂ベルトであることを特徴とする画像形成装置。

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