JP4528023B2 - レーザ集光光学系 - Google Patents
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Description
そのうちの1つとして、例えば、厚みの異なる平行平板ガラスを対物レンズ等の集光光学系の先端に着脱可能に配置するものが知られている。
また、例えば、倍率40×程度、NA0.93の超広視野の範囲にわたって諸収差が良好に補正され、カバーガラス厚の変動による性能劣化も少ない顕微鏡用補正環付き対物レンズが知られている(例えば、特許文献1参照)。
更に、合成焦点距離無限大(No Power Lens)の球面収差補正光学系を光軸方向に移動させて球面収差を補正する光学系も知られている(例えば、特許文献2参照)。
更には、図11に示すように、対物レンズ50と光源51との間に球面収差補正レンズ52を配置し、この球面収差補正レンズ52を光軸に沿って移動させることにより球面収差を補正する顕微鏡装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
更に、連続可変を行うことが難しかった。
また、上記特許文献1に記載の補正環対物レンズでは、高精度であるため価格が高く、低コスト化を図ることができない。また、集光位置に応じて自動で球面収差量を調整することが難しく自動化への対応が困難なものである。
また、上記特許文献2に記載の光学系では、合成焦点距離が、無限大のレンズで補正を行うため球面収差を補正した場合でも集光位置は変化しない。媒質中の異なった部分に集光しようとすると必ずWDが変わり、WD一定の下での収差補正を行うこができなかった。また、ビームエキスパンダ以外に球面収差補正光学系が必要となるので構成が複雑で、部品点数が多くなり、低コスト化を図ることが困難であった。
また、瞳面内での光量分布がある場合には、光量分布も変化する恐れがあった。このような光量分布の変化により、集光性能が変化するという問題があった。更に、画像取得手段からの電気信号に基づいて球面収差補正レンズを移動するため、時間のかかるものであった。
請求項1に係る発明は、レーザ光を出射するレーザ光源と、該レーザ光源と媒質との間に配されて、前記レーザ光を媒質中に集光させると共に集光点からの光を再集光する集光光学系と、該集光光学系により再集光された前記光を検出する光検出器と、前記レーザ光のレーザ発散点の位置及び前記光検出器の位置を、レーザ光を集光したい前記媒質の屈折率及び前記媒質の表面から集光したい位置までの距離に応じて、前記レーザ光の光軸上に沿って移動可能なレーザ発散点移動手段とを備えているレーザ集光光学系を提供する。
また、球面収差の発生量を極力抑えることができるので、収差が少ない光を再集光して正確な観察像を得ることができる。従って、高精度に媒質中の観察を行うことができる。
この発明に係るレーザ集光光学系においては、レーザ発散点移動手段が、予め測定された集光光学系の波面データ、例えば、集光光学系を構成している一部である対物レンズの波面データや、集光光学系全体の波面データを考慮してレーザ発散点の位置を設定するので、レーザ光の集光性能及び観察性能をさらに向上させることができる。
この発明に係るレーザ集光光学系においては、観察光学系により集光光学系の下面から媒質の表面までの距離を所定の距離に維持できるので、例えば、集光光学系と媒質との水平方向の相対的な移動、即ち、走査を行う際に、媒質表面からの深さを所望する深さに正確に制御することができる。
この発明に係るレーザ集光光学系においては、レーザ光を集光したい媒質深さが変化した場合でも、集光光学系と媒質の表面との光軸方向の相対的な距離、即ち、WDが一定になるように設定されているので、装置構成を簡単にすることができると共に観察速度を上げることができる。
前記レーザ発散点移動手段は、前記レーザ光源と前記光検出器とが互いに共役な位置となるように移動させることを特徴とするレーザ集光光学系を提供する。
また、請求項8に係る発明は、請求項7記載のレーザ集光光学系において、前記レーザ発散点移動手段は、前記レーザ光源を光軸方向に沿って移動させる光源移動手段と、前記光源移動手段と同期して前記光検出器を光軸方向に沿って移動させる光検出器移動手段と、を有することを特徴とするレーザ集光光学系を提供する。
また、請求項9に係る発明は、請求項8記載のレーザ集光光学系において、前記光源移動手段と前記光検出器移動手段は、前記レーザ光源と前記光検出器とを光軸方向に沿って一体的に移動させることを特徴とするレーザ集光光学系を提供する。
また、請求項10に係る発明は、請求項7記載のレーザ集光光学系において、前記レーザ発散点移動手段は、前記集光光学系中に設けられる少なくとも2つのミラーと、該ミラーを光軸方向に沿って移動させミラー移動手段と、を備えることを特徴とするレーザ集光光学系を提供する。
また、請求項11に係る発明は、請求項1記載のレーザ集光光学系において、前記レーザ発散点移動手段を制御する制御手段と、前記屈折率及び前記距離を入力する入力手段と、前記入力手段から入力された前記媒質の屈折率及び前記距離から、前記レーザ発散点の移動量を算出する算出手段と、を有することを特徴とするレーザ集光光学系を提供する。
本実施形態のレーザ集光光学系1は、図1に示すように、レーザ光Lを発散光状態(非平行光束状態)で出射するレーザ光源2と、該レーザ光源2と標本(媒質)3との間に配されて、レーザ光Lを標本中に集光させると共に集光点からの光を再集光する集光光学系4と、レーザ光源2と共役な位置に配されて集光光学系4により再集光された光を検出するピンホールディテクタ(光検出器)5と、レーザ光Lのレーザ発散点6の位置、即ち、レーザ光源2の位置を、レーザ光Lを集光したい標本3の屈折率及び標本面(標本の表面)3aから集光したい位置までの距離に応じて、レーザ光Lの光軸上に沿って移動可能な図示しないレーザ発散点移動手段と、ピンホールディテクタ5を、移動したレーザ発散点6に対して共役な位置に移動させるための図示しないピンホールディテクタ移動手段と、レーザ光Lを集光光学系4の光軸に対して直交する方向(水平方向、XY方向)に向けて走査可能な走査手段7とを備えている。
なお、標本3は、XY方向に移動可能な図示しないステージ上に載置されている。
また、制御部は、レーザ発散点移動手段の制御に加え、レーザ発散点6の移動終了後にレーザ光Lを出射させるようにレーザ光源2の制御も同時に行うようになっている。
上記ピンホールディテクタ5は、ハーフミラー10の後側に配されており、制御部により制御されるピンホールディテクタ移動手段により、レーザ光源2の移動に同調して光軸方向に移動するようになっている。
まず、標本面3aから深さ50μmの位置の観察を行う場合には、図2に示すように、制御部の入力部に標本3の屈折率、標本面3aから集光したい位置までの距離、即ち、50μm及び集光光学系4のNAの入力を行う(S1)。計算部は、この入力データに基づいてレーザ発散点6の移動量、即ち、レーザ光源2の移動量の計算及び集光光学系4と標本面3aとの距離、即ち、WD値の計算を行う(S2)。計算終了後、制御部は、計算結果に基づいてレーザ発散点移動手段をレーザ光Lの光軸方向に移動させるよう制御して、レーザ光源2の位置を所定の位置に移動させると共に、集光光学系4と標本面3aとの距離(WD)を変化させる(S3)。
この際、上述したように、50μmの深さに応じてレーザ光源2の位置、即ち、レーザ発散点6の位置を調整するので、深さ50μmの位置における球面収差の発生量を極力抑えることができ、この位置に効率良くレーザ光Lを集光させることができる。
また、両ガルバノミラー12、14により、レーザ光Lを標本面3aの水平方向(XY方向)に向けて走査させるので、標本面3a全体に亘って、容易に広範囲の観察を行うことができる。この際、標本3側(ステージ側)を動かすことなく、標本3の全体に亘って走査を行うことができる。
この際、上述したと同様に、75μm又は100μmの深さに応じてレーザ光源2を移動させてレーザ発散点6の位置を調整しているので、各位置毎に球面収差の発生量を極力抑えることができ、図3(b)、(c)に示すように、レーザ光Lを75μm又は100μmの位置に効率良く集光させることができる。従って、誤差の少ない高精度の観察像を得ることができる。
即ち、図4に示すように、入力部への各種データ入力(上述したS1)の際、標本3の屈折率、標本面3aから集光したい位置までの距離、集光光学系4のNA及び集光光学系4の波面データを入力する。
こうすることで、高精度に球面収差補正を行うことができ、レーザ光Lの集光性能をより向上させることができ、より誤差の少ない観察像を得ることができる。
なお、集光光学系4の波面データとしては、例えば、集光光学系4を構成している一部である対物レンズ16の波面データでも構わないし、集光光学系4全体の波面データを利用しても構わない。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、レーザ発散点移動手段により、レーザ光源2を移動させることでレーザ発散点6の位置を調整したが、第2実施形態のレーザ集光光学系20は、レーザ発散点移動手段により、レーザ光源2、ハーフミラー10及びピンホールディテクタ5を一体的に移動させて、レーザ発散点の位置を調整するよう構成する点である。
このように構成することで、レーザ発散点の位置を容易に移動することができることに加え、ピンホールディテクタ5をレーザ光源2の移動に同調させる必要がない。従って、よりシンプルに構成することができ、低コスト化を図ることができる。
このように構成することで、レーザ光源2及びピンホールディテクタ5の位置を変更することなく、容易にレーザ発散点6の位置を移動することができ、さらなる構成のシンプル化を図ることができる。
これにより、上記第1実施形態のようにガルバノミラー及び瞳リレー光学系をそれぞれ2つ備える必要がなくなることからもさらなる構成の容易化が図れ、低コスト化を図ることができる。
第3実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態では、対物レンズ16と標本面3aとの距離に関係なく走査を行ったが、第3実施形態では、対物レンズ16と標本面3aとの距離を一定に維持した状態で走査を行う点である。
即ち、本実施形態のレーザ集光光学系30は、図7に示すように、集光光学系4に連携して設けられ、集光光学系4、即ち、対物レンズ16の下面から標本面3aまでの距離を所定の距離に維持する観察光学系31を備えている。また、この観察光学系31は、オートフォーカス機構を有している。
なお、ダイクロイックミラー38は、半導体レーザ光L’を反射すると共に、それ以外の波長の光、例えば、レーザ光源2で出射されたレーザ光Lを透過するよう設定されている。
第4実施形態と第3実施形態との異なる点は、第3実施形態では、対物レンズ16と標本面3aとの光軸方向の相対的な距離、即ち、WDが一定でなかったのに対し、第4実施形態では、WDが一定とされている点である。
即ち、ステージ及び対物レンズ16の光軸方向における位置を、予め事前に設定した後、両者の位置を常に同じ位置に維持するように設定を行うようになっている。つまり、図9に示すように、入力部への各種データ入力(上述したS1)の際、WD値を除いたデータ、即ち、標本3の屈折率、標本面3aから集光したい位置までの距離及び集光光学系4のNAのデータの入力を行う。
例えば、上記各実施形態において、標本内にレーザ光を集光させたが、標本に限らず媒質中に集光させれば構わない。また、集光したい距離として、標本面から50μm、75μm、100μmの距離としたが、これらの距離に限らず、任意に設定して構わない。また、ステージを移動させて、対物レンズと標本面との光軸方向の相対的な距離を変化させたが、これに限らず、例えば、対物レンズをピエゾ素子等を利用して移動させることで、相対的な距離を変化させても構わない。
また、制御部によりレーザ発散点移動手段を自動的に制御するように構成したが、制御部による計算結果に基づいて、手段によりレーザ発散点移動手段を作動させてレーザ発散点の位置を移動させても構わない。
1、25、30 レーザ集光光学系
2 レーザ光源
3 標本(媒質)
4 集光光学系
5 ピンホールディテクタ(光検出器)
6 レーザ発散点
7 走査手段
28 2次元ガルバノミラー(走査手段)
31 観察光学系
Claims (12)
- レーザ光を出射するレーザ光源と、
該レーザ光源と媒質との間に配されて、前記レーザ光を媒質中に集光させると共に集光点からの光を再集光する集光光学系と、
該集光光学系により再集光された前記光を検出する光検出器と、
前記レーザ光のレーザ発散点の位置及び前記光検出器の位置を、レーザ光を集光したい前記媒質の屈折率及び前記媒質の表面から集光したい位置までの距離に応じて、前記レーザ光の光軸上に沿って移動可能なレーザ発散点移動手段とを備えていることを特徴とするレーザ集光光学系。 - 請求項1に記載のレーザ集光光学系において、
前記レーザ光を前記集光光学系の光軸に対して直交する方向に向けて走査可能な走査手段を備えていることを特徴とするレーザ集光光学系。 - 請求項1乃至2に記載のレーザ集光光学系において、
前記レーザ発散点移動手段が、さらに前記集光光学系のNAに基づいて前記レーザ発散点の位置を設定することを特徴とするレーザ集光光学系。 - 請求項1乃至3に記載のレーザ集光光学系において、
前記レーザ発散点移動手段が、予め測定された前記集光光学系の波面データに基づいてレーザ発散点の位置を設定することを特徴とするレーザ集光光学系。 - 請求項1乃至4に記載のレーザ集光光学系において、
前記集光光学系に連携して設けられ、集光光学系の下面から前記媒質の表面までの距離を所定の距離に維持する観察光学系を備え、
該観察光学系が、オートフォーカス検出手段又はオートフォーカス機構を備えていることを特徴とするレーザ集光光学系。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレーザ集光光学系において、
前記集光光学系と前記媒質の表面との光軸方向の相対的な距離が一定とされていることを特徴とするレーザ集光光学系。 - 請求項1記載のレーザ集光光学系において、
前記レーザ発散点移動手段は、前記レーザ光源と前記光検出器とが互いに共役な位置となるように移動させることを特徴とするレーザ集光光学系、 - 請求項7記載のレーザ集光光学系において、
前記レーザ発散点移動手段は、
前記レーザ光源を光軸方向に沿って移動させる光源移動手段と、
前記光源移動手段と同期して前記光検出器を光軸方向に沿って移動させる光検出器移動手段と、を有することを特徴とするレーザ集光光学系。 - 請求項8記載のレーザ集光光学系において、
前記光源移動手段と前記光検出器移動手段は、前記レーザ光源と前記光検出器とを光軸方向に沿って一体的に移動させることを特徴とするレーザ集光光学系。 - 請求項7記載のレーザ集光光学系において、
前記レーザ発散点移動手段は、
前記集光光学系中に設けられる少なくとも2つのミラーと、
該ミラーを光軸方向に沿って移動させミラー移動手段と、
を備えることを特徴とするレーザ集光光学系。 - 請求項1記載のレーザ集光光学系において、
前記レーザ発散点移動手段を制御する制御手段と、
前記屈折率及び前記距離を入力する入力手段と、
前記入力手段から入力された前記媒質の屈折率及び前記距離から、前記レーザ発散点の移動量を算出する算出手段と、
を有することを特徴とするレーザ集光光学系。 - レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源と媒質との間に配されて、前記レーザ光を媒質中に集光させると共に集光点からの光を再集光する集光光学系と、
前記レーザ光を前記集光光学系の光軸に対して直交する方向に向けて走査可能な走査手段と、
前記集光光学系により再集光された前記光を検出する光検出器と、
前記レーザ光のレーザ発散点の位置及び前記光検出器の位置を、レーザ光を集光したい前記媒質の屈折率及び前記媒質の表面から集光したい位置までの距離に応じて、前記レーザ光の光軸上に沿って移動可能なレーザ発散点移動手段とを備えていることを特徴とするレーザ走査型顕微鏡。
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