JP4527873B2 - 可変容量型ベーンポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のパワーステアリング装置に用いられる可変容量型ベーンポンプの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の可変容量型ベーンポンプとして次のようなものがあった。
【0003】
各ベーンを取り囲むカムリングを支持ピンを介して揺動可能に支持し、ロータ軸に対してカムリングの偏心量を変化させることにより、ポンプ吐出流量を調節するもの(特開平8−200239号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような可変容量型ベーンポンプにあっては、カムリングとその収容室壁の間に油圧室を画成するため、収容室壁に開口するシール溝と、シール溝に介装されカムリングに摺接するシール材とを備えている。
【0005】
しかし、この可変容量型ベーンポンプにあっては、シール溝とこのシール溝に対向するカムリングの外周面との隙間が、シール性確保のために小さく設定されたいるため、シール材を介装することが難しいという問題点があった。
【0006】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、可変容量型ベーンポンプにおいて、組立時にシール材を容易に介装できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、回転するロータから摺動可能に突出する複数のベーンと、各ベーンの外周端部を摺接させてポンプ室を画成するカムリングと、カムリングを囲む収容室壁と、収容室壁に開口するシール溝と、シール溝に介装され、カムリングに摺接するシール材と、収容室壁からシール溝に向けて突出するとともに頂部に前記カムリングを転動可能に支持する転動支持面を有する凸部と、カムリングの外周面に窪むように形成される凹部と、を備える可変容量型ベーンポンプのシール材取付方法において、凸部と凹部とを係合させることによってカムリングをシール溝から離間させ、カムリング離間時にシール溝にシール材を取り付ける、ことを特徴とする。
【0010】
【発明の作用および効果】
本発明によれば、ベーンポンプの組立時、作業者がシール材をシール溝に差し込んで介装するのにあたって、カムリングをその外周面が凸部に当接する所期の位置から外れるように移動することにより、カムリングがシール溝から離間し、カムリングの外周面と収容室壁の間に適当な間隙が確保され、作業者がシール溝にシール材を介装することが容易にできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両に搭載されるパワーステアリング装置の油圧源として設けられるベーンポンプに適用した実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1に示すように、ベーンポンプ1は、ハウジング2と、ハウジング2に回転可能に収容されるロータ3と、ロータ3から摺動可能に突出する複数のベーン4と、各ベーン4を取り囲むカムリング10とを主体として構成される。
【0014】
ロータ3はそのシャフト9にエンジンからの回転が図示しない駆動軸とプーリおよびベルト等を介して伝達され、図にて矢印で示すように左回り方向に回転する。各ベーン4は回転するロータ3に対しそのラジアル方向に出入りしながらそれぞれの外周端部をカムリング10の内周面に摺接させてポンプ室を拡縮する。ロータ3の回転に伴って各ベーン4間で拡がるポンプ室には吸込ポート5から作動油が吸込まれ、各ベーン4間で収縮するポンプ室から作動油が吐出ポート6に吐出される。吸込ポート5は図示しない吸込通路を介してタンクに連通し、吐出ポート6はポンプ吐出通路40を介して図示しないパワーステアリング装置の油圧シリンダ(P/S)に連通される。ポンプ吐出通路40の途中には可変オリフィス41が介装され、可変オリフィス41の開口面積は後述するカムリング10の動きに追従するプランジャ43を介して増減される。
【0015】
カムリング10の内周面11の断面は略円形に形成され、ロータ3の軸芯に対するカムリング10の中心の偏心量が大きくなるほどポンプ押しのけ容積が増大し、ポンプ吐出流量が増える。
【0016】
図2に示すように、ハウジング2内には円盤状のサイドプレート50、環状のアダプタリング20が積層して収容され、アダプタリング20の内側にカムリング10が収容され、カムリング10の内側にロータ3が収容される。ハウジング2の開口端は、カバー60により封鎖される。
【0017】
アダプタリング20はその内周にカムリング10を取り囲む収容室壁21を有する。収容室壁21にはカムリング10の外周面12に転接する転動支持面23が所定の曲率で湾曲して形成される。一方、カムリング10の外周面12の断面は円形に形成されている。カムリング10が転動支持面23上を転動して図1において右方向に移動することにより、ポンプ吐出流量が増える。
【0018】
ポンプ吐出流量を変化させる可変容量機構として、アダプタリング20の内側には第一流体圧室7と第二流体圧室8がカムリング10を挟むようにして画成される。切換弁45は可変オリフィス41の前後差圧に応動して第一流体圧室7と第二流体圧室8に導かれる圧力を切換える。ポンプ回転数が低いと、第一流体圧室7にタンク圧が導かれるとともに、第二流体圧室8にポンプ吐出圧が導かれ、カムリング10は最大に偏心した位置に保持される。ポンプ回転数が上昇するのに伴って吐出ボート6の圧力が上昇して行くと、切換弁45のポジションが切換わり、第一流体圧室7にポンプ吐出圧が導かれるとともに、切換弁45に設けたノッチを介して第二流体圧室8がタンクポート46と連通し、第二流体圧室8が減圧される。これにより、ポンプ吐出量はポンプ回転数に比例して上昇した後に低下し、車両の低速走行時からパワーステアリング装置に必要な油圧アシスト力を確保するとともに、高速走行時に油圧アシスト力を抑えて無駄なエネルギ消費を少なくする。
【0019】
アダプタリング20の内周上部にはカムリング10の外周面11の上部に摺接するシール材70が介装され、第一流体圧室7と第二流体圧室8の密封が行われる。
【0020】
図3にも示すように、収容室壁21に開口するシール溝22が形成され、このシール溝22にシール材70が介装される。シール材70は帯状をした摺接部材71と弾性部材72を備える。摺接部材71はテフロン樹脂からなり、シール溝22から突出してカムリング10の外周面11に摺接する。弾性部材72はゴム材からなり、圧縮された状態で摺接部材71の背面とシール溝22の底部の間に介装され、その弾性復元力によって摺接部材71をカムリング10の外周面11に押し付けるようになっている。本実施の形態では摺接部材71と弾性部材72は互いに分離しているが、これに限らず両者を予め結合して一体化してもよい。
【0021】
ところで、ベーンポンプ1の組立時、作業者がシール材70をシール溝22に差し込んで介装するのにあたって、収容室壁21とカムリング10の間に適当な間隙が必要である。
【0022】
これに対処して本発明は、シール溝22にシール材70を介装する際に、カムリング10をアダプタリング20内で移動してカムリング10の外周面12をシール溝22から離間させるカムリング移動可能手段を備える。
【0023】
本実施の形態では、カムリング移動可能手段として、アダプタリング20に収容室壁21からシール溝22に向けて突出する凸部24が形成され、凸部24の頂部に転動支持面23が形成される。
【0024】
そして、カムリング10の外周面12に凸部24に係合するように窪む凹部14が形成される。カムリング10は一対の凹部14を有し、図1において左右対称に形成される。
【0025】
カムリング10とアダプタリング20の間にはピン17が介装される。カムリング10とアダプタリング20にはピン17に係合するように窪む凹部15、25がそれぞれ形成される。ピン17はカムリング10の転動を許容しながらアダプタリング20に対するカムリング10の位置決めをするもので、カムリング10の揺動可能に支持するものではない。
【0026】
ピン17はその両端部がサイドプレート50の穴51とカバー60の穴61にそれぞれに嵌挿され、カバー60に対するサイドプレート50の位置決めをしている。
【0027】
以上のように構成される本発明の実施の形態につき、次に作用を説明する。
【0028】
ポンプ室の圧力によりカムリング10を下方に押すラジアル荷重が働くが、このラジアル荷重はカムリング10の外周面11に対して接触する収容室壁21の転動支持面23に支持されるため、カムリング10に応力集中が生じることを抑え、カムリング10の強度向上がはかれる。この結果、カムリング10の材質を従来の軸受鋼から焼結鋼に変更することが可能となり、製品のコストダウンがはかれる。
【0029】
ベーンポンプ1の組立時、作業者がシール材70をシール溝22に差し込んで介装するのにあたって、カムリング10の各凹部14のいずれか一方を凸部24に係合させる。これにより、カムリング10がシール溝22から離間し、カムリング10の外周面12と収容室壁21の間に適当な間隙が確保され、作業者がシール溝22にシール材70を介装することが容易にできる。
【0030】
シール溝22にシール材70に組み付けた後に、カムリング10を各凹部14間の外周面12が転動支持面23に当接させる位置に移動する。これにより、カムリング10の外周面12がシール溝22に近づいてシール材70に当接するので、シール材70がシール溝22から外れない。
【0031】
ピン17を凹部15と凹部25の間に介装し、アダプタリング20に対するカムリング10の位置決めが行われる。これにより、ベーンポンプ1の作動中にカムリング10の各凹部14が凸部24に係合してカムリング10の位置がずれることを回避できる。
【0032】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すベーンポンプの断面図。
【図2】同じくベーンポンプの断面図。
【図3】同じくシール溝等の断面図。
【符号の説明】
1 ベーンポンプ
2 ハウジング
3 ロータ
4 ベーン
10 カムリング
12 カムリング外周面
14 凹部
20 アダプタリング
21 収容室壁
22 シール溝
23 転動支持面
24 凸部
70 シール材
Claims (1)
- 回転するロータから摺動可能に突出する複数のベーンと、
前記各ベーンの外周端部を摺接させてポンプ室を画成するカムリングと、
前記カムリングを囲む収容室壁と、
前記収容室壁に開口するシール溝と、
前記シール溝に介装され、前記カムリングに摺接するシール材と、
前記収容室壁から前記シール溝に向けて突出するとともに頂部に前記カムリングを転動可能に支持する転動支持面を有する凸部と、
前記カムリングの外周面に窪むように形成される凹部と、を備える可変容量型ベーンポンプのシール材取付方法において、
前記凸部と前記凹部とを係合させることによって前記カムリングを前記シール溝から離間させ、
カムリング離間時に前記シール溝に前記シール材を取り付ける、ことを特徴とするシール材取付方法。
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