JP4229522B2 - 可変容量型ベーンポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、可変容量型ベーンポンプに関し、ロータやカムリングを両側から挟むカバープレートやサイドプレートのロータとの摺接部であって、特にポンプ吸入側の摺接部に生じ易い焼き付きを防止した可変容量型ベーンポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
圧力平衡型ベーンポンプにおいては、ポンプ吸入部とポンプ吐出部との対が2組あり、両組におけるポンプ吸入部同志および両組におけるポンプ吐出部は、互いに向かい合った配置とされている。
【0003】
このため、吐出部が高圧(吐出状態)のとき、サイドプレートとロータとの間およびカバープレートとロータとの間に隙間が生じたとしても、この隙間は、ポンプ駆動軸に関して対称に2個所生じるので、サイドプレートとロータおよびカバープレートとロータとは、それぞれ平衡な状態にあり、油も入り込むので、潤滑されていて、焼き付き等の問題は発生しない。
【0004】
しかしながら、可変容量型ベーンポンプにおいては、従来、ポンプ吸入部とポンプ吐出部との対が1組しかない構造になっており、しかも、カムリングの変位もあり、吐出部が高圧のとき、吐出部側においては、サイドプレートとロータとの間およびカバープレートとロータとの間に隙間が生じ、吸入側においては、サイドプレートはロータに、ロータはカバープレートに、それぞれ押しつけられた状態となる(特開平9−273487号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このため、ポンプ吸入側において、サイドプレートとロータとの間およびカバープレートとロータとの間の潤滑が不十分になり、ここの部分に焼き付きが生ずる虞があった。特にサイドプレートは、ポンプボディのポンプカートリッジ収容室の底部に回り止めして挿入されているのみであるので、前記のような虞が一層あった。
【0006】
本願の発明は、従来の可変容量型ベーンポンプが有する前記のような問題点を解決して、吐出部が高圧(吐出状態)のとき、吸入側において、サイドプレートとロータとの間およびカバープレートとロータとの間に焼き付き等の問題を生ずることのない可変容量型ベーンポンプを提供することを課題とする。
【0007】
本願発明は、前記のような課題を解決したベーンポンプに係り、ポンプハウジング内に回転自在に収容され、周方向に等間隔に放射方向に指向して複数のベーン溝を有するロータと、前記ポンプハウジング内に移動変位可能に配置され、前記ロータの外周部との間にポンプ室を形成するように嵌装されて、前記ポンプ室の容積が最大となるような付勢力が与えられているカムリングと、前記ポンプハウジング内に回転不能に収容され、前記ロータと前記カムリングとの一側に摺接するサイドプレートと、前記ポンプハウジングの開口を塞ぎ、前記ロータと前記カムリングとの他側に摺接するカバープレートとを備えてなる可変容量形ベーンポンプにおいて、前記サイドプレートの前記ロータとの摺接面および前記カバープレートの前記ロータとの摺接面に、複数のディンプルがそれぞれ形成され、前記ディンプルは、前記カバープレートの吸入溝および吐出溝と背圧溝との間の環状摺接面部分、および前記サイドプレートの吸入溝および吐出溝と背圧溝との間の環状摺接面部分に、それぞれ形成されたことを特徴とする可変容量型ベーンポンプである。
【0008】
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されているので、ロータと、カムリングと、サイドプレートと、カバープレートとを前記の態様で備えてなる可変容量形ベーンポンプにおいて、吐出部が高圧(吐出状態)のとき、カバープレートに形成される吐出溝およびサイドプレートに形成される吐出溝から、高圧の油が、カバープレートとロータとの間およびサイドプレートとロータとの間に生ずる隙間を介して、カバープレートのロータとの摺接面およびサイドプレートのロータとの摺接面にそれぞれ形成された複数のディンプルに供給され、そこから滲出して、カバープレートとロータとの摺接部およびサイドプレートとロータとの摺接部をそれぞれ潤滑する。
【0009】
この結果、カバープレートとロータとの摺接部およびサイドプレートとロータとの摺接部に焼き付き等の問題を生ずることがない。特にポンプ吸入側の焼き付き等の問題を生じ易い摺接部においても、ディンプルから潤滑油が途絶えることなく供給されるので、そのような問題の発生を効果的に回避することができる。
【0010】
また、同様の目的のために環状の溝が形成されるのとは異なり、ディンプルの有する形状により、特にサイドプレートの強度に悪影響を及ぼすようなこともない。
【0011】
また、ディンプルは、カバープレートの吸入溝および吐出溝と背圧溝との間の環状摺接面部分、およびサイドプレートの吸入溝および吐出溝と背圧溝との間の環状摺接面部分に、それぞれ形成される。
【0012】
この結果、ディンプルは、カバープレートの吐出溝と背圧溝とからカバープレートとロータとの間隙を介して供給される高圧の作動油、およびサイドプレートの吐出溝と背圧溝とからサイドプレートとロータとの間隙を介して供給される高圧の作動油をよく捕捉することができる。
【0013】
また、請求項2記載のように請求項1記載の発明を構成することにより、ディンプルは、カバープレートのポンプ駆動軸孔と背圧溝との間の環状摺接面部分、およびサイドプレートのポンプ駆動軸孔と背圧溝との間の環状摺接面部分に、それぞれ形成される。
【0014】
この結果、ディンプルは、カバープレートの背圧溝からカバープレートとロータとの間隙を介して供給される高圧の作動油、およびサイドプレートの背圧溝からサイドプレートとロータとの間隙を介して供給される高圧の作動油をよく捕捉することができる。
【0017】
この結果、カバープレートの背圧溝とサイドプレートの背圧溝との両背圧溝が共に連続した環状溝にされる場合と比較して、吸入部側での十分なベーンの飛び出しを補償でき、また、背圧溝およびロータのベーン背圧孔の全域に高圧の吐出油が行き渡るまでのパスが長くされるので、背圧油の流動騒音が低減される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図7に図示される本願の請求項1ないし請求項4に記載された発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における可変容量型ベーンポンプの正面図、図2は、図1のII−II線矢視縦断面図、図3は、図2のIII−III線矢視横断面図、図4は、図1の可変容量型ベーンポンプのカムリングを一方向に付勢する手段の変形例を示す図、図5は、図1の可変容量型ベーンポンプのカバープレートの裏面図、図6は、同サイドプレートの側面図、図7は、図1の可変容量型ベーンポンプの特性線図である。
【0019】
図1ないし図3に図示されるように、本実施形態における可変容量型ベーンポンプ1は、ポンプボディ本体であるポンプハウジング2の正面開口(図2において右向き)をカバープレート3が覆っており、該カバープレート3により覆われたポンプハウジング2の内部のポンプカートリッジ収納空間4には、ポンプカートリッジを構成するサイドプレート5と、アウタケース6と、カムリング7と、ロータ8とが収容されている。
【0020】
サイドプレート5は、収納空間4の底部に挿入され、該サイドプレート5の上からアウタケース6が挿入され、該アウタケース6の内部には、カムリング7が、シールピン9を軸支部として揺動可能に収容されている。シールピン9は、一端がサイドプレート5に形成されたピン受け孔に挿入され、他端がカバープレート3に形成されたピン受け孔に圧入されて固定されている。
【0021】
カムリング7がシールピン9により軸支された位置とポンプ軸心に関し略対称の位置には、アウタケース6の内周面とカムリング7の外周面との摺動部をシールするシール部10が設けられており、これらシールピン9とシール部10とにより、アウタケース6の内周面とカムリング7の外周面との間の空間が第1の流体圧室11と第2の流体圧室12とに仕切られている。第1の流体圧室11は、図3においては、2室に分かれて描かれているが、サイドプレート5の摺接面に形成された溝により、これらの2室は連通されている。
【0022】
カムリング7は、第2の流体圧室12と該第2の流体圧室12に連通する室47とにまたがって収容されたスプリング36により、常時第1の流体圧室11側に向けて揺動するように付勢されている。室47は、ねじ栓(プラグ)49により閉塞されている。
【0023】
図3においては、スプリング36の端部が直接カムリング7に当接してカムリング7を付勢するようにしているが、これに代えて、図4に図示されるように、頭付きロッド48を用いて、該頭付きロッド48を介して間接的にカムリング7を付勢するようにしてもよい。
【0024】
カムリング7の内部には、ロータ8が収容されており、該ロータ8には、図3に図示されるように、円周方向に等間隔に放射方向に指向して複数のベーン溝13が形成されており、該ベーン溝13内に収装されたベーン14が、ロータ8がポンプ駆動軸15により駆動されて回転した時、カムリング7のカム面に従ってベーン溝13内を往復摺動する。各ベーン14は、ロータ8の軸方向に沿って該ロータ8に形成された背圧孔16に供給されるポンプ吐出圧により、常時カムリング7のカム面に向けて付勢されている。
【0025】
このようにして、各ベーン14が常時カムリング7のカム面に向けて付勢されることにより、隣接する2つのベーン14、14と、カムリング7のカム面と、ロータ8の外周面と、サイドプレート5およびカバープレート3とにより囲まれて形成されたポンプ室17がポンプ作用をして、吸入ポート18から吸入した作動油を加圧して、吐出ポート19を経て吐出室20に吐出する。
【0026】
吸入部18は、図5および図6に図示されるように、カバープレート3に形成された吸入溝である吸入貫通溝18a と、サイドプレート5に形成された吸入溝である吸入凹溝18b とからなる。また、吐出部19は、図5および図6に図示されるように、カバープレート3に形成された吐出溝である吐出凹溝19a と、サイドプレート5に形成された吐出溝である吐出貫通溝19b とからなる。吸入貫通溝18a 、吐出貫通溝19b は、カバープレート3、サイドプレート5をそれぞれ貫通している。
【0027】
カバープレート3に形成された吸入貫通溝18a とサイドプレート5に形成された吸入凹溝18b とは互いに連通して、吸入行程にあるポンプ室17に臨んでいる。また、カバープレート3に形成された吐出凹溝19a とサイドプレート5に形成された吐出貫通溝19b とは互いに連通して、吐出行程にあるポンプ室17に臨んでいる。
【0028】
カバープレート側の吸入貫通溝18a と吐出凹溝19a とは、カバープレート3に1組のみ設けられ、また、サイドプレート側の吸入凹溝18b と吐出貫通溝19b とは、サイドプレート5に1組のみ設けられている。
【0029】
作動油は、ポンプ吸入口21からポンプハウジング2に形成された吸入側流体通路26a 、制御バルブ22のスプール収納孔22a 内に収容されたスプール23の2つのランド24、25により挟まれた環状室26b 、ポンプハウジング2に形成された吸入側流体通路26c 、カバープレート3に形成された吸入側流体通路26d を経て、前記した吸入部18に導かれる。
【0030】
他方、ポンプ室17のポンプ作用により加圧された作動油は、前記のとおり、吐出部19を出て吐出室20に入るが、そこから図示されないポンプ吐出口を出て、車両における動力舵取装置等の各種流体圧利用機器に送られる。
【0031】
加圧された作動油の一部は、また、図2、図3、図5および図6に図示されているように、吐出室20からサイドプレート5に形成された複数(本実施形態の場合、3個。図6参照。)の背圧側流体通路27を経て、サイドプレート5に形成された一方の半円弧状溝からなる背圧溝28a に入り、そこから図3において上半の背圧孔16に導かれて、上半の各ベーン14をカムリング7のカム面に向けて付勢し、次いで、カバープレート3に形成された環状溝からなる背圧溝29を経て下半の背圧孔16に導かれて、下半の各ベーン14をカムリング7のカム面に向けて付勢して、サイドプレート5に形成された他方の半円弧状溝からなる背圧溝28b に至る。
【0032】
これらの背圧側流体通路27、一方の半円弧状背圧溝28a 、上半背圧孔16、環状背圧溝29、下半背圧孔16、他方の半円弧状背圧溝28b は、背圧油の行き止まり流路を構成しており、この行き止まり流路内に充満した背圧油は、前記のとおり、各ベーン14をカムリング7のカム面に向けて付勢すると同時に、吐出部19内の作動油の一部とともに、カバープレート3とロータ8との間隙およびサイドプレート5とロータ8との間隙を介して後述するディンプル41〜44に供給され、そこから滲出して、カバープレート3とロータ8との摺接部およびサイドプレート5とロータ8との摺接部をそれぞれ潤滑する。
【0033】
そして、最終的には、駆動軸15の軸受部に滲出して、そこを潤滑し、ポンプハウジング2に形成された潤滑油戻し通路30および吸入側流体通路26d を経て、ポンプ吸入側に還流される。
【0034】
加圧された作動油は、さらに、吐出室20からサイドプレート5に形成された可変オリフィス31(図3参照)を経て減圧されて第2の流体圧室12に導かれる。可変オリフィス31の上流側の加圧された作動油は、図示されないポンプハウジング2に形成された流体通路を通り、その端部開口32を経て制御バルブ22のスプール23の一方のランド24により画成された第1弁室(高圧側)33に入る。
【0035】
そして、この第1弁室33に流入した加圧された作動油は、一方のランド24がポンプハウジング2に形成された流体通路34を開放したとき、ここを流れ、次いで、アウタケース6に形成されたオリフィス35を経て減圧されて第1の流体圧室11に導かれる。
【0036】
カムリング7は、第1の流体圧室11に導かれた作動油の圧力と第2の流体圧室12に導かれた作動油の圧力との差圧により、スプリング36の付勢力に抗して、シールピン9を中心に図3において左方に揺動する。
【0037】
そうすると、カムリング7のサイドプレート5に接する側の側面が、可変オリフィス31を徐々に塞ぐので、第2の流体圧室12内の作動油圧力はさらに減圧されて、カムリング7は、シールピン9を中心にさらに左方に揺動する。そして、第1の流体圧室11内の作動油の圧力が、第2の流体圧室12内の作動油の圧力とスプリング36の付勢力との合力と釣り合う位置において停止する。
【0038】
第1の流体圧室11に導かれる作動油の圧力は、制御バルブ22により、次のようにして制御される。
制御バルブ22のスプール23の他方のランド25により画成された第2弁室(低圧側)37には、スプール23を常時第1弁室33方向に付勢するようにして、スプリング38が縮設されている。
【0039】
また、第2弁室37は、ポンプハウジング2に形成されたオリフィス40、ポンプハウジング2とアウタケース6とにまたがって形成された流体通路39を介して第2の流体圧室12に連通している。オリフィス40は、第2の流体圧室12内に流入した作動油の圧力脈動を平滑化して、これを第2弁室37に導く。
【0040】
他方、第1弁室33には、前記のとおり、可変オリフィス31の上流側の加圧された作動油が流入しているので、スプール23は、この加圧された作動油の圧力と、第2弁室37内のスプリング38の付勢力と減圧された作動油の圧力との合力とが釣り合う位置まで移動して停止する。このようにして、流体通路34の開口量が制御され、該流体通路34およびオリフィス35を経て第1の流体圧室11に導かれる作動油の圧力が制御される。
【0041】
したがって、いま、ポンプが始動されて、ポンプ回転数が次第に増大すると(アイドリングの状態)、ポンプ吐出量が次第に増大し、可変オリフィス31の前後の差圧が上昇する。そして、第1弁室33内の作動油の圧力が増大して、スプール23を図3において左方に移動させ、流体通路34の開口量を大きくさせる。
【0042】
そうすると、流体通路34、オリフィス35を経て第1の流体圧室11に導かれる作動油の圧力が徐々に増大していき、やがて、第2の流体圧室12内の作動油の圧力とスプリング36の付勢力との合力と釣り合うようになる。
【0043】
この間、カムリング7は、図3の位置で静止しており、ロータ8との偏心量は最大であり、ポンプ吐出量は最大にされている。したがって、ポンプ回転数が前記のようにして増大するのにつれて、ポンプ吐出量は急激に増大する(図7のo−a線参照)。
【0044】
ポンプ回転数が増大して、車両のアイドリングの回転数から低速時の回転数に達すると、可変オリフィス31の前後の差圧がさらに上昇し、第1の流体圧室11内の作動油の圧力は、第2の流体圧室12内の作動油の圧力とスプリング36の付勢力との合力を越えるので、カムリング7は、第1の流体圧室11内の作動油の圧力に押されて図3において徐々に左方に揺動し、カムリング7とロータ8との偏心量、ポンプ室17に臨む吸入部18の面積およびポンプ室17に臨む吐出部19の面積は徐々に減少するが、ポンプ吐出量は略一定の高水準に維持される(図7のa−b線参照)。
【0045】
ポンプ回転数がさらに増大して、車両の中・高速時の回転数に達すると、可変オリフィス31の前後の差圧がさらに上昇し、カムリング7は、第1の流体圧室11内の作動油の圧力に押されて、さらに左方に揺動する。これにより、カムリング7とロータ8との偏心量、ポンプ室17に臨む吸入部18の面積およびポンプ室17に臨む吐出部19の面積は小さくなるので、ポンプ吐出量は徐々に低減される(図7のb−c線参照)。
【0046】
この間、カムリング7のこの左方への揺動により、可変オリフィス31は徐々に閉じられていくが、その最小開口面積は維持されて、カムリング7のこの左方への揺動が停止する。
【0047】
したがって、ポンプ回転数がさらに増大しても、カムリング7は左方にそれ以上揺動しないので、カムリング7とロータ8との偏心量は一定の最小量に維持され、ポンプ吐出量は略一定の低水準に維持される(図7のc−d線参照)。
【0048】
このようにして、本実施形態における可変容量型ベーンポンプ1は、ポンプ回転数の増大に応じてカムリング7がロータ8との偏心量を小さくするように移動するので、図7に図示されるようなポンプ吐出量特性(o−a−b−c−d線)を得ることができる。
【0049】
ここで、可変容量型ベーンポンプ1のカバープレート3のロータ8との摺接面には、カバープレート3の吸入貫通溝18a および吐出凹溝19a と背圧溝29との間の環状摺接面部分に複数のディンプル41が形成されている。また、ポンプ駆動軸孔45と背圧溝29との間の環状摺接面部分にも、複数のディンプル43が形成されている。
【0050】
さらに、サイドプレート5のロータ8との摺接面には、サイドプレート5の吸入凹溝18b および吐出貫通溝19b と背圧溝28a 、28b との間の環状摺接面部分に複数のディンプル42が形成されている。また、ポンプ駆動軸孔46と背圧溝28a 、28b との間の環状摺接面部分にも、複数のディンプル44が形成されている。
【0051】
これらのディンプル41〜44は、丸くて浅い小さな皿状の窪みであって、カバープレート3とロータ8との間隙およびサイドプレート5とロータ8との間隙を介して流入してきた作動油を一旦貯留し、次いで、そこから滲出させて、カバープレート3とロータ8との摺接部およびサイドプレート5とロータ8との摺接部をそれぞれ潤滑する。
【0052】
ディンプル43、44は、ディンプル41、42よりも小さくされている。ディンプル41〜44は、同様の目的のために環状の溝が形成されるのとは異なり、カバープレート3やサイドプレート5の強度に何ら悪影響を及ぼすようなことがない。
【0053】
本実施形態は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
ロータ8と、ポンプハウジング2内に移動変位可能に配置され、ロータ8の外周部との間にポンプ室17を形成するように嵌装されて、ポンプ室17の容積が最大となるような付勢力が与えられているカムリング7と、サイドプレート5と、カバープレート3とを備えてなる可変容量型ベーンポンプ1において、カバープレート3のロータ8との摺接面およびサイドプレート5のロータ8との摺接面に、複数のディンプル41〜44がそれぞれ形成されているので、ポンプ吐出部が高圧(吐出状態)のとき、カバープレート3に形成された吐出凹溝19a およびサイドプレート5に形成された吐出貫通溝19b から、高圧の油が、カバープレート3とロータ8との間およびサイドプレート5とロータ8との間に生ずる隙間を介して複数のディンプル41〜44に供給され、そこから滲出して、カバープレート3とロータ8との摺接部およびサイドプレート5とロータ8との摺接部をそれぞれ潤滑している。
【0054】
この結果、カバープレート3とロータ8との間およびサイドプレート5とロータ8との間に焼き付き等の問題を生ずることがない。特にポンプ吸入側の焼き付き等の問題を生じ易い摺接部においても、ディンプル41〜44から潤滑油が途絶えることなく供給されるので、そのような問題の発生を効果的に回避することができる。
【0055】
また、同様の目的のために環状の溝が形成されるのとは異なり、ディンプル41〜44の有する形状により、特にサイドプレート5の強度に悪影響を及ぼすようなこともない。
【0056】
特にディンプル41は、カバープレート3の吸入貫通溝18a および吐出凹溝19a と背圧溝29との間の環状摺接面部分に形成され、ディンプル42は、サイドプレート5の吸入凹溝18b および吐出貫通溝19b と背圧溝28a 、28b との間の環状摺接面部分に形成されている。
【0057】
この結果、ディンプル41は、カバープレート3の吐出凹溝19a と背圧溝29とからカバープレート3とロータ8との間隙を介して供給される高圧の作動油よく捕捉することができる。また、ディンプル42は、サイドプレート5の吐出貫通溝19b と背圧溝28a 、28b とからサイドプレート5とロータ8との間隙を介して供給される高圧の作動油をよく捕捉することができる。
【0058】
さらに、ディンプル43は、カバープレート3のポンプ駆動軸孔45と背圧溝29との間の環状摺接面部分に形成され、ディンプル44は、サイドプレート5のポンプ駆動軸孔46と背圧溝28a 、28b との間の環状摺接面部分に形成されている。
【0059】
この結果、ディンプル43は、カバープレート3の背圧溝29からカバープレート3とロータ8との間隙を介して供給される高圧の作動油をよく捕捉することができる。また、ディンプル44は、サイドプレート5の背圧溝28a 、28b からサイドプレート5とロータ8との間隙を介して供給される高圧の作動油をよく捕捉することができる。
【0060】
さらにまた、カバープレート3に形成される背圧溝29は、連続した環状溝にされ、サイドプレート5に形成される背圧溝28a 、28b は、連続した環状溝が2分割されてなる2個の半円弧状溝により構成されている。
【0061】
この結果、カバープレート3に形成される背圧溝およびサイドプレート5に形成される背圧溝の両背圧溝が共に連続した環状溝にされる場合と比較して、背圧溝29、28a 、28b およびロータ8のベーン背圧孔16の全域に高圧の作動油が行き渡るまでのパスが長くされるので、作動油の流動騒音を低減することができる。
【0062】
加えて、ポンプから吐出された高圧の作動油の一部(背圧油)は、その全量が、先ず、サイドプレート5に形成される一方の半円弧状背圧溝28a に入り、そこから上半のベーン背圧孔16に導かれるので、サイドプレート5に形成される背圧溝が連続した環状溝にされる場合と比較して、吸入側のベーン14の飛び出しを十分に補償することができる。また、吸入側のベーン溝13とベーン14との潤滑を十分に行なって、焼き付きを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1ないし請求項4に記載された発明の一実施形態における可変容量型ベーンポンプの正面図である。
【図2】図1のII−II線矢視縦断面図である。
【図3】図2のIII−III線矢視横断面図である。
【図4】図1の可変容量型ベーンポンプのカムリングを一方向に付勢する手段の変形例を示す図である。
【図5】図1の可変容量型ベーンポンプのカバープレートの裏面図である。
【図6】同サイドプレートの側面図である。
【図7】図1の可変容量型ベーンポンプの特性線図である。
【符号の説明】
1…可変容量型ベーンポンプ、2…ポンプハウジング、3…カバープレート、4…ポンプカートリッジ収納空間、5…サイドプレート、6…アウタケース、7…カムリング、8…ロータ、9…シールピン、10…シール部、11…第1の流体圧室、12…第2の流体圧室、13…ベーン溝、14…ベーン、15…ポンプ駆動軸、16…ベーン背圧孔、17…ポンプ室、18…吸入部、18a …吸入貫通溝、18b …吸入凹溝、19…吐出部、19a …吐出凹溝、19b …吐出貫通溝、20…吐出室、21…ポンプ吸入口、22…制御バルブ、22a …スプール収納孔、23…スプール、24、25…ランド、26a …吸入側流体通路、26b …環状室、26c 、26d …吸入側流体通路、27…背圧側流体通路、28a 、28b …半円弧状背圧溝、29…環状背圧溝、30…潤滑油戻し通路、31…可変オリフィス、32…端部開口、33…第1弁室(高圧側)、34…流体通路、35…オリフィス、36…スプリング、37…第2弁室(低圧側)、38…スプリング、39…流体通路、40…オリフィス、41〜44…ディンプル、45、46…ポンプ駆動軸孔、47…室、48…頭付きロッド、49…ねじ栓。

Claims (2)

  1. ポンプハウジング内に回転自在に収容され、周方向に等間隔に放射方向に指向して複数のベーン溝を有するロータと、
    前記ポンプハウジング内に移動変位可能に配置され、前記ロータの外周部との間にポンプ室を形成するように嵌装されて、前記ポンプ室の容積が最大となるような付勢力が与えられているカムリングと、
    前記ポンプハウジング内に回転不能に収容され、前記ロータと前記カムリングとの一側に摺接するサイドプレートと、
    前記ポンプハウジングの開口を塞ぎ、前記ロータと前記カムリングとの他側に摺接するカバープレートと
    を備えてなる可変容量形ベーンポンプにおいて、
    前記サイドプレートの前記ロータとの摺接面および前記カバープレートの前記ロータとの摺接面に、複数のディンプルがそれぞれ形成され
    前記ディンプルは、前記カバープレートの吸入溝および吐出溝と背圧溝との間の環状摺接面部分、および前記サイドプレートの吸入溝および吐出溝と背圧溝との間の環状摺接面部分に、それぞれ形成されたことを特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
  2. 前記ディンプルは、前記カバープレートのポンプ駆動軸孔と前記背圧溝との間の環状摺接面部分、および前記サイドプレートのポンプ駆動軸孔と前記背圧溝との間の環状摺接面部分に、それぞれ形成されたことを特徴とする請求項1記載の可変容量型ベーンポンプ。
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