JP4526917B2 - ミシンの中押え装置 - Google Patents
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Description
このような中押え装置として、中押えを上下動させる揺動体の揺動支点を変位させて、針板からの中押え高さを調節可能としたものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の中押え装置として、カムやつまみを回動させて中押えを上下動させる揺動体を構成するリンクの傾きを調節し、針板からの中押え高さを調節可能としたものが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献2においては、カムを回動させてリンクの傾きを変化させ、針板からの中押え高さを変更する場合、布地に段差があると揺動体とカムが当接と離間を繰り返すため、互いの当接面が損傷しやすい。また、中押えストロークに応じて中押え高さが異なるため、揺動体を構成するリンクの傾かせて中押えを退避させる場合には、その時の中押えストロークによってリンクの傾きを調整しなければならない。
前記駆動手段を駆動して前記連結部を移動させることにより、前記第3、第4リンク同士がなす角度を変化させて、前記第4リンクを介して前記中押え高さを調整することを特徴とする。
これにより、中押え揺動機構の調節が一切不要となるため、中押え揺動機構の中押えストローク量を変えることなく、針板からの中押え高さを調節することができる。
これにより、中押え揺動機構の調節が一切不要となるため、中押え揺動機構の中押えストローク量を変えることなく、針板からの中押え高さを調節することができる。
これにより、中押え揺動機構の調節が一切不要となるため、中押え揺動機構の中押えストローク量を変えることなく、針板からの中押え高さを調節することができる。
これにより、簡単な機構で案内部材として機能させることができる。
これにより、部品点数を減らすことができ、コストの低減を図ることができる。
これにより、事前に記憶手段に中押えデータを記憶させておくだけで、縫製時に所望する針板からの中押え高さとするのに必要な駆動手段の駆動量を算出して駆動手段の駆動量を設定する必要がなくなるので、縫製作業の効率を向上させることができる。
〔実施形態1〕
<中押え装置の構成>
図1〜図3に示すように、中押え装置1は、先端に縫い針が設けられた針棒を上下方向に駆動させる上軸2に設けられている。上軸2には偏心カム3が固定され、この偏心カム3には接続リンク4が連結されている。接続リンク4には揺動軸抱き5が連結され、揺動軸抱き5には揺動軸6の一端部が連結されている。
揺動軸6の他端部には中押えの上下方向D1の移動量を調節する中押え調節腕7の基端部が固定されている。中押え調節腕7には溝カム7aが形成されている。この溝カム7aは弧状の長孔になっており、この溝カム7aの所望の位置と第1リンク8の一端部とが調節ナット9と段ねじ10により回動自在に固定される。この固定位置は揺動軸6の軸芯線と交差する位置からこの交差位置より中押え調節腕7の一端側の所定位置の範囲までの間に形成され、この範囲内で所望に調節することができる。
位置決めリンク13は、その中央部近傍で段ねじ14によりミシン筐体としてのミシンフレーム15に回動自在に取り付けられ、段ねじ14の位置は、中押え29が下死点にあるときの段ねじ12の位置と一致する。
第4リンク22の他端部には、リンク中継板25が段ねじ26により連結されている。リンク中継板25には中押え棒抱き27が固定されており、中押え棒抱き27には上下方向に延びる中押え棒28が保持されている。中押え棒28の下端部には、縫製時に布地を針板に押さえ付ける中押え29が取り付けられている。中押え棒28の上端部にはコイルばね30が設けられており、ボルト31及びナット32により中押え棒抱き27に取り付けられている。
角駒33は、段ねじ23と、第3リンク20と第4リンク22の連結部P3との隙間をうめるスペーサの役割を果たしており、各リンクのがたつきを防ぎ、各部材を円滑に駆動させる。
中押え昇降カム45は、図4〜図6に示すように、回動中心を通る中心線を境に一方は、回動中心から外周面までの距離がほぼ同一の円弧状に形成され(以下、維持部45aという。)、他方は、回動中心から外周面までの距離が、維持部45aにおける回動中心から外周面までの距離よりも大きく、かつ、滑らかに変化する形状(以下、変化部45bという。)とされている。
図7に示すように、中押え装置1は、制御手段としての制御装置100によって縫製動作が制御される。制御装置100は、各種処理を行うCPU101と、プログラムやデータが記憶された記憶手段としてのメモリ102と、を備えている。
メモリ102には、CPU101が処理を行う作業エリア103と、処理に用いるデータを記録するデータエリア104と、中押え装置1に各動作をさせるためのプログラムが記憶されたプログラムエリア105と、が形成されている。
データエリア104には、布地への縫製パターンに基づいたモータ42の駆動パターンデータ104aが記憶されている。また、データエリア104には、モータ42の駆動量と中押え29の針板からの中押え高さとを対応付けた中押えデータ104bが記憶されている。
プログラムエリア105には、データエリア104に記憶された駆動パターンデータ104aに基づいてモータ42の駆動を制御する制御プログラム105aが記憶されている。また、プログラムエリア105には、データエリア104に記憶された中押えデータ104bに基づいてモータ42の駆動を制御する制御プログラム105bが記憶されている。
次に、上述の構成を有する中押え装置1の動作について説明する。
上軸モータ(図示略)を駆動させて偏心カム3を回動させると、接続リンク4の先端は上軸2の軸線に略直交する方向(第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に対して横切る方向D3)に揺動し、接続リンク4に連結された揺動軸抱き5も同方向に揺動する。揺動軸抱き5が揺動することにより、揺動軸6も揺動するため、第1リンク8の一端部が揺動支点となって第1リンク8の他端部が揺動軸6の軸線に略直交する方向(第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に対して横切る方向D3)に揺動する。第1リンク8の他端部の揺動に伴い、第2リンク11の他端部は第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に揺動し、第2リンク11の他端部に連結された第3リンク20及び第4リンク22は、その直列方向(上下方向)D2に揺動する。第3リンク20及び第4リンク22の揺動に伴い、第4リンク22に連結された中押え棒28は上下方向D1に沿って下方に移動するため、中押え29も上下方向に移動する。
次に、上述の構成を有する中押え装置1による中押え高さ位置P4の調節動作について説明する。
CPU101が制御プログラム105a又は制御プログラム105bを実行することにより、モータ42はデータエリア104に記憶された駆動パターンデータ104a又は中押えデータ104bに基づいて駆動を始める。
モータ42の駆動は、かさ歯車41、ベアリング40を介して可動軸39に伝達され、可動軸39は回動を始める。可動軸39の回動により、偏心カム38も回動し、移動リンク36は、可動軸39の軸線に略直交する方向(第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に対して横切る方向D3)に揺動する。移動リンク36の揺動により、案内部材34は第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に対して横切る方向D3に揺動する。
次に、縫製終了後に中押え29を退避高さ位置P5に移動させるときの動作について説明する。
中押え高さ位置P4の調節は、各リンク比を調節してモータ42を0°〜180°の範囲内で回動させることにより行い、中押え29の退避は、モータ42を180°〜360°の範囲内で回動させることにより行う。
すなわち、中押え高さ位置P4の調節の際には、モータ42を0°〜180°の範囲内で回動させると、中押え昇降カム45の維持部45aがコロ47に当接するようにし、中押え29を退避させる際には、モータ42を180°〜360°の範囲内で回動させると、中押え昇降カム45の変化部45bがコロ47に当接するように各部が連結されている。
実施形態1におけるミシンの中押え装置1によれば、モータ42を駆動させることにより、移動リンク36が案内部材34を第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に対して横切る方向D3へ移動させると、リンク同士を連結する連結部P3の段ねじ23は、案内部材34によって中押え29の上下方向D1に移動可能とされ、第3リンク20と第4リンク22の直列方向D2に対して横切る方向D3への移動が規制されているので、段ねじ23が案内部材34の長孔34aに案内されて変位する。これにより、中押えリンク部材24は、段ねじ23の位置で屈曲され、隣接するリンク同士がなす角度θが変化し、当該角度θに応じて中押えリンク部材24における中押え29との接続部P2と第2リンク11との接続部P1の間の距離Lが変化する。この距離Lの変化に伴い、針板からの中押え高さ位置P4を変えることができる。これにより、第1リンク8と第2リンク11のリンク比の調節が一切不要となるため、中押え揺動機構M1の中押えストロークを変えることなく、針板からの中押え高さ位置P4を調節することができる。
また、モータ42一つで中押えリンク部材24を中押え高さ位置P4と退避高さ位置P5に移動させることができるので、部品点数を減らすことができ、コストの低減を図ることができる。
また、CPU101は、制御プログラム105bを実行することにより、メモリ102に記憶された中押えデータ104bを読み取り、読み取った中押えデータ104bに基づいてモータ42の駆動を制御する。これにより、事前にメモリ102に中押えデータ104bを記憶させておくだけで、縫製時に所望する中押え29の針板からの高さとするのに必要なモータ42の駆動量を算出してモータ42の駆動量を設定する必要がなくなるので、縫製作業の効率を向上させることができる。
<中押え装置の構成>
実施形態2における中押え装置1Gは、実施形態1に比べて中押え29を退避高さ位置P5まで少ない力で退避させることができるように構成したものである。なお、中押さえ装置1Gは、移動リンク36を、コイルばね16による第2リンク11への付勢を解除する解除機構としても機能する移動機構51に変更したものであり、他の部分については実施形態1と同様の構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、移動機構51は、一端部が可動軸39に連結された回動リンク52と、一端部が回動リンク52の他端部に連結され、他端部が案内部材55に連結された調節リンク53と、を備えている。
次に、縫製終了後に中押え29を退避高さ位置P5に移動させるときの動作について説明する。
モータ42が180°〜360°の範囲内で回動すると、中押え昇降カム45の変化部45bがコロ47に当接して中押え上げリンク46の一端部を下方に押し下げる。すると、中押え上げリンク46はピン48を支点に回動し、中押え上げリンク46の他端部は上方に移動し、移動経路上に設置された中押え棒抱き27を上方に押し上げる。ここで、中押え昇降カム45と可動軸39はともにモータ42により回動するため、この動作と並行して可動軸39も回動し、可動軸39に取り付けられた回動リンク52は反時計回りに回動する。回動リンク52の回動により、回動リンク52の他端部は、長孔53aに沿って調節リンク53の一端部側に向けて移動する。このとき、調節リンク53は時計回りに回動し、案内部材55も時計回りに回動する。回動リンク52の他端部が長孔53aの曲折部位53cまで移動すると、回動リンク52は長孔53aに沿って中押え29の上下方向D1に直交する方向D6に移動する。
これにより、コイルばね16による付勢力は解除され、中押え上げリンク46はコイルばね30の付勢力に抗する力だけで中押え29を退避させることができる。
実施形態2におけるミシンの中押え装置1Gによれば、中押え上げリンク46により中押え29を退避高さ位置P5に向けて上昇させると、第2リンク11における中押えリンク部材24との接続部位P1が上方に移動し、コイルばね16は当該接続部位P1を下方に向けて付勢する。一方、中押え29を退避高さ位置P5に向けて上昇させると、リンク同士を連結する連結部P3は、案内部材55によって中押え29の上下方向D1に移動可能とされ、第3リンク20と第4リンク22の直列方向に対して横切る方向D2への移動が規制されているので、連結部P3が案内部材55に案内されて変位することにより、中押えリンク部材24は、連結部P3で屈曲され、隣接するリンク20,22同士がなす角度θが変化し、当該角度θに応じて中押えリンク部材24における中押え29との接続部P2と第2リンク11との接続部P1の間の距離Lが変化する。ここで、移動機構51は、モータ42により駆動される回動リンク52により、案内部材55が所定の移動量に達した際に、コイルばね16による接続部位P1への付勢を解除する。
これにより、中押え29を退避高さ位置P5まで上昇させる際に途中で上昇の障害となるコイルばね16の付勢力を解除することができるので、従来よりも少ない力で中押え29を退避高さ位置P5に移動させることができる。
また、実施形態においては、所望の中押え高さ位置とするために必要なデータを制御装置100に記憶させているが、作業者によりモータ42の駆動量を縫製の都度設定するようにしてもよい。
また、中押え昇降カム45及び中押え上げリンク46を設けなくても、モータ42の出力軸を偏心させて中押え29を退避高さ位置P5に移動させてもよい。
11 第2リンク(中押え揺動部)
15 ミシンフレーム(ミシン筐体)
16 コイルばね(付勢手段)
24 中押えリンク部材
29 中押え
34 案内部材
34t、55t 案内部材の上端部
36 移動リンク(移動手段)
42 モータ(駆動手段)
51 移動機構(解除機構:回動リンク52、調節リンク53)
100 制御装置(制御手段)
102 メモリ(記憶手段)
104a 駆動パターンデータ
104b 中押えデータ
D1 中押えの上下方向
D2 リンクの直列方向
D3 リンクの直列方向に対して横切る方向
M1 中押え揺動機構(第1リンク8、第2リンク11、位置決めリンク13)
M2 中押え退避機構(中押え昇降カム45、中押え上げ部材46、コロ47)
P1,P2 接続部(接続部位)
P3 連結部
P4 中押え高さ位置
P5 退避高さ位置
L 接続部間の距離
θ 隣接するリンクがなす角度
Claims (4)
- 縫製時に布地を針板に押さえ付ける中押え(29)と、
上下動可能で、下端に前記中押えが取付けられた中押え棒(28)と、
一端部が前記中押えの上下方向に沿った揺動を出力すると共に、ミシンフレームに回動可能に支持された中押え揺動部(11)を有する中押え揺動機構(8、11、13)と、
一端部が前記中押え揺動部に連結された第3リンク(20)と、
一端部が前記第3リンクに連結され、他端部が前記中押え棒に連結される第4リンク(22)と、
前記第3リンクと前記第4リンクを連結する連結部(P3)と、
前記連結部を前記第3、第4リンクの直列方向に移動可能とし、かつ、前記第3、第4リンクの直列方向に対して横切る方向への移動を規制する案内部材(34)と、
前記案内部材を前記第3、第4リンクの直列方向に対して横切る方向へ移動させる移動手段(36)と、
前記移動手段を駆動させる駆動手段(42)と、を備え、
前記駆動手段を駆動して前記連結部を移動させることにより、前記第3、第4リンク同士がなす角度を変化させて、前記第4リンクを介して前記中押え高さを調整することを特徴とするミシンの中押え装置。 - 前記案内部材の上端部をミシン筐体に回動自在に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載のミシンの中押え装置。
- 前記第3、第4リンク部材を、前記中押えが前記針板からの中押え高さ位置と縫製終了後の退避高さ位置とに移動可能となるように構成したことを特徴とする請求項2に記載のミシンの中押え装置。
- 前記駆動手段の駆動量と当該駆動量に基づく前記中押えの前記針板からの高さとを対応付けた中押えデータを記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶された前記中押えデータに基づいて前記駆動手段の駆動を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のミシンの中押え装置。
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