JP4525871B2 - ウエハ熱処理装置及びそれを用いたウエハの熱処理方法 - Google Patents

ウエハ熱処理装置及びそれを用いたウエハの熱処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエハ熱処理装置及びそれを用いたウエハ熱処理方法に関し、より詳細にはエピタキシャルウエハ等の薄膜積層ウエハの熱処理に使用され、温度制御性、経時安定性、使用耐久性に優れ、またウエハを汚染せず、しかも構造が簡単で安価に製作できるウエハ熱処理装置、及びそれを用いたウエハ熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体製造等に使用されるウエハは、その表面が自然酸化されて生成した酸化膜等の夾雑物を除去し、清浄な珪素面からなるウエハ上に気相成長膜等の薄膜を形成させる必要があるため、通常ウエハをその薄膜形成工程前に熱処理が行われる。
従来、このウエハ熱処理用装置としては、例えば図4に示したような、加熱源として赤外線ランプを用いた輻射加熱式装置が一般に使用されている。
この熱処理装置20は、ウエハ21に対して熱処理を施すウエハ処理室22と、前記ウエハ処理室22内に配置され、モ−タMによって前記ウエハ21を回転可能に支持するウエハホルダー23と、前記ウエハ処理室22の外部に複数配置され、前記ウエハ処理室22に対して輻射加熱する赤外線ランプ24と、前記赤外線ランプ24からの熱をウエハ方向に向け集中的に照射するため、赤外線ランプ24の背後に形成された反射板25と、前記赤外線ランプ24を冷却し、ランプ24の過熱を防止するランプ冷却機構(例えば、送風機26)とから構成されている。
【0003】
なお、図4には図示しないが、ウエハ処理室22には、ガス供給装置から珪素に不活性なガス(水素、アルゴン等)を導入する導入口と、ガス排出装置に通ずるガス排出口が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この従来のウエハ熱処理装置は、高熱による赤外線ランプ端子部分の酸化を防止するため、また赤外線ランプ自体の冷却のため、送風機や冷却器等のランプ冷却機構が必要不可欠であり、そのため所要電力が増大するという技術的課題があった。またランプからの赤外線をウエハに集中的に照射するため、反射板の設置が必要不可欠であり、装置構成が非常に複雑になるという技術的課題があった。
また、前記反射板は、その反射面が経時的に徐々に酸化され、特に長期間使用した場合には、赤外線反射率が減衰し、エネルギー効率の低下による、電力消費量の増大を招いていた。また温度調節が赤外線ランプの出力コントロールによる場合には、調整温度の再現性が低く、熱処理温度を所定の温度範囲内に制御することは困難であった。
更に、この種の装置では、多数の赤外線ランプが配設され、それら個々のランプの劣化の進行は必ずしも一様でないため、出力コントロールによる正確な温度制御を一層困難にするという課題があった。
【0005】
また、この装置は通常、マルチゾーン温度コントロール制御機構を備え、熱処理温度制御には、例えば、検出温度をフィードバックして加熱源である赤外線ランプの出力を調節する等の方式が採られている。この温度検出に際し、図5に示すように、赤外線検知方式の温度センサ−27を用いて非接触的に温度測定を行うことが考えられる。
しかし、赤外線ランプを用いた輻射加熱式装置では、ランプ自体の発光赤外線の影響を大きく受けるため、赤外線検知方式による正確な非接触的温度測定は非常に困難である。現実問題として、温度制御は、経験的に求められた出力コントロールプログラムによる制御方式等が使用されており、その制御性は必ずしも充分なものではなかった。
【0006】
一方、図6に示すように、熱電対28を温度センサーとして用いる、接触的温度測定を行うことも考えられる。
しかし、熱電対28をウエハ21に直接接触させることができないため、実際には、図6に示すように、ウエハホルダ−23の下面、外周下面、外周側面に前記熱電対28を配置し、その箇所の温度を測定し、間接的にウエハの温度を制御せざるおえない。しかも、もともと熱電対自体、応答性がやや低い上に、ウエハホルダ−の温度検出による間接的検知方法では、ウエハの実際の温度変化に対する追従性が充分でなく、その温度制御性は必ずしも満足できるものではない。更に、熱電対は、ウエハと同一環境内に設置されるのでウエハを汚染する可能性もある。
【0007】
本発明者等は、上記した従来のウエハ熱処理装置の問題点を改善すべく種々検討した結果、加熱源として、赤外線ランプに替えてSiCコートカーボンやガラス状カ−ボンからなる抵抗発熱体を用い、これをウエハ処理室に対し特定の配列状態に配設した特定構成とすることにより、上記した従来のウエハ熱処理装置の問題点の全てを解決できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
従って、本発明の目的は、温度制御性、経時安定性、使用耐久性に優れ、ウエハを汚染せず、かつ構造がシンプルで安価に製作できるウエハ熱処理装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記装置を用いたウエハの熱処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、熱処理すべきウエハを収容載置し、珪素に対し不活性な内部雰囲気を有するウエハ処理室と、前記ウエハ処理室内のウエハを加熱するための熱処理用加熱装置と、前記加熱装置の温度を制御する温度制御機構とを少なくとも備えたウエハ熱処理装置において、前記ウエハ処理室の少なくとも上面壁板及び下面壁板は、赤外線透過材質で形成され、前記熱処理用加熱装置は、熱源として抵抗発熱体が用いられると共に、前記抵抗発熱体が、ウエハ処理室の上壁面と底壁面を外側から挟むように、ウエハ処理室と分離、配置された、上部ヒータ室及び下部ヒータ室の2個のヒータ室内に夫々配設され、夫々の前記ヒータ室内に配設された前記抵抗発熱体は、ウエハ面にほぼ平行に、ウエハの面域内に配置された第一の抵抗発熱体と、ウエハ面にほぼ平行に、ウエハ面外域に配置された第二の抵抗発熱体とを備え、前記第一の抵抗発熱体の抵抗値は、ウエハ中心部に対応する位置から外周部に対応する位置にいくにつれて、徐々に高くなるように設定されると共に、前記第二の抵抗発熱体の抵抗値は、第一の抵抗発熱体の抵抗値よりも大きく設定されることにより、載置ウエハの面内域においては放射熱密度が均一となるように発熱体の抵抗値分布が設定されていると共に、面外域においてはウエハの外周部からの熱放散が相殺されるよう面内域より熱密度が高く設定され、かつ、前記ヒータ室を形成する壁板のうち、上部ヒータ室の下面壁板及び下部ヒータ室の上面壁板は赤外線透過材質で形成され、更に前記ヒータ室には、前記温度センサーの赤外線が通過する孔が形成され、前記孔を形成する側壁によってヒータ室は閉じられると共に、前記孔を形成する側壁の外面には、カーボン筒が設けられ、更に、前記ヒータ室内に抵抗発熱体を形成する材質に対して、不活性なガスを導入、あるいは流通させる機構が設けられ、前記温度制御機構は、前記ウエハ処理室の上壁面側に設けられたヒータ室の上面壁板の外側に一の赤外線温度センサーを配置すると共に、前記ウエハ処理室の底壁面側に設けられたヒータ室の底面壁板の外側に、他の赤外線温度センサーを配置し、前記赤外線温度センサーによって、前記カーボン筒を通過する赤外線を測定することによってウエハの表裏面の温度を検出し、前記ウエハの表裏面の温度検出値に応じて、前記抵抗発熱体を制御することを特徴とするウエハ熱処理装置が提供される。
【0009】
ここで、前記熱処理用加熱装置に用いられる抵抗発熱体が炭化珪素コートカーボンあるいはガラス状カーボンからなる発熱体であることが望ましい。
また、前記ヒータ室には、前記温度センサーの赤外線が通過する孔が形成され、前記孔を形成する側壁によってヒータ室は閉じられていることが望ましく、前記孔を形成する側壁の外面には、カーボン筒が設けられていることが望ましい。
更に、 前記ヒータ室内に抵抗発熱体を形成する材質に対して、不活性なガスを導入、あるいは流通させる機構が設けられていることが望ましい。
また、前記温度制御機構は、ウエハ温度をウエハ処理室外に設置した赤外線温度センサーにより直接測定し、前記測温値をフィードバックして、抵抗発熱体の発熱量を制御するシステムを備えることが望ましい。
【0010】
また本発明によれば、上記熱処理装置を用いた熱処理方法において、前記ウエハ熱処理装置を使用し、珪素に対し不活性な雰囲気下に、温度600乃至1200℃、圧力0.2乃至760Torrでウエハを熱処理することを特徴とするウエハの熱処理方法が提供される。
ここで、前記ウエハ熱処理装置のウエハ処理室内に珪素に対し不活性なガスを、流量0.2乃至200l/minの範囲で流通させることが望ましい。
【0011】
本発明のウエハ熱処理装置は、ウエハ熱処理用加熱源として、従来の装置に使用されている赤外線ランプに替え、SiCコートカーボンやガラス状カ−ボンから作製された抵抗発熱体を用い、これを処理室の上下隔壁面の外側からウエハ処理室を挟むように配設し、更に、載置ウエハの面内域では放射熱密度が均一となるように抵抗発熱体の抵抗値分布を設定し、面外域においてはウエハの外周部からの熱放散が相殺されるよう面内域より熱密度を高く設定した点に顕著な特徴を有するものである。
このように本発明の熱処理装置は赤外ランプが用いられていないため、既に前記したように、ウエハの温度測定方式として、ウエハの放射赤外線量検知による非接触的温度測定方式を採用しても、ランプの発光赤外線の影響を受けることがなく、正確かつ再現性良く温度検知測定ができ、しかもこの方式では熱電対方式に比較して応答速度が迅速であるので、結果として熱処理温度制御性に極めて優れている。更に、載置ウエハの面内域では放射熱密度が均一となるように抵抗発熱体の抵抗値分布を設定し、面外域においてはウエハの外周部からの熱放散が相殺されるよう面内域より熱密度を高く設定しているため、ウエハをより均一な温度で熱処理することができる。
【0012】
また、反射板の設置を必要としないため、従来装置においてしばしば生ずる反射面経時劣化によるトラブルがなく、またランプ切れ等によるトラブルが回避できる等、使用安定性、耐久性にも優れている。
更に、従来装置のように、赤外線ランプ端子の酸化防止のための、ランプ自体の冷却のための空冷装置を必要としない等、従来装置に比較して構造が簡単であるため、安価に製作できるだけでなく、冷却装置等に要する電力が不要となるため、装置全体としてのエネルギー効率に優れ、稼働コストも安価に抑えることができる。
【0013】
前記載置ウエハの面内域における発熱体の抵抗値は、ウエハの中心部に対応する位置から外周部に対応する位置にいくにつれて、徐々に高くなるように設定されているため、ウエハをより均一な温度で熱処理することができる。
また、ウエハを収容載置したウエハ処理室と、抵抗発熱体とが分離され、更にSiCコートカーボンやガラス状カ−ボンから作製された抵抗発熱体を用いているため、ウエハ汚染の心配がない。また抵抗発熱体が配置されているヒ−タ室内に不活性なガスが導入されているため、発熱体の寿命を長くすることができる。更に、温度センサ−をウエハ処理室外に設置したため、ウエハの汚染を防止することができる。
【0014】
本発明の熱処理装置を用い、所定の熱処理条件(熱処理温度:600乃至1200℃、圧力0.2乃至760Torr、流通不活性ガス(水素)0.2乃至200l/min等)で処理したウエハを用いて気相成長反応に依り気相成長膜を形成させた積層ウエハは、気相成長後ヘイズ濃度が低く、LPD(ウエハ表面レーザー散乱体)個数も少なく気相成長膜積層ウエハとして極めて高品質のものが得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に基づき本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明の熱処理装置の一例を示す概念図であって、熱処理装置1は、ウエハ処理室2と、ヒータ室3a、3bと、前記ヒータ室3a、3b内に設けられた抵抗発熱体10と、温度センサー4等を含む温度制御機構(温度センサー以外図示せず)、ガス供給装置5、ガス排出装置6を含むガス供給、排気機構を備えている。
前記ウエハ処理室2には、従来の装置と同様、ウエハ7を載置し、回転可能に支持するウエハホルダー8と、ウエハホルダー8に対して、ウエハ7を搬入、搬出するための昇降機9が設けられている。
なお、前記ウエハホルダー8は、ウエハ処理室2の略中央に配置され、また、図示しないがウエハ処理室2には、前記ガス供給装置5から珪素に不活性なガス(水素、アルゴン等)を導入する導入口と、ガス排出装置(6)に通ずるガス排出口が設けられている。
【0016】
また、ヒータ室3a、3b内には、抵抗発熱体10として2種類の抵抗発熱体10a、10bが配置されている。前記抵抗発熱体10aは、ウエハ7面にほぼ平行に、ウエハホルダー8に載置されたウエハの外周縁(面域内)まで配置され、また前記抵抗発熱体10bは、ウエハ7面にほぼ平行に、かつウエハ面外域に配置されている。この抵抗発熱体10bは、面内域に配置される抵抗発熱体10aよりも高い熱密度放射が可能なように設定されている。また、前記抵抗発熱体10は夫々加熱電源(11a、11b、12a、12b)に接続され、その出力は、温度制御装置によりコントロールされる。
【0017】
前記抵抗発熱体10aは、その断面が矩形形状をなし、その平面はうず巻き形状をなしている。そしてまた抵抗発熱体10aは、載置ウエハの面内域においては放射熱密度が均一となるように発熱体の抵抗値分布が設定されている。
即ち、面内域における発熱体10aの抵抗値は、ウエハの中心部に対応する位置から外周部に対応する位置にいくにつれて、徐々に高くなるように設定されている。
また、前記抵抗発熱体10bは、その断面が矩形形状をなし、その平面はリング状形状をなしている。この抵抗発熱体10bは、前記したように面内域に配置される抵抗発熱体10aよりも高い熱密度放射が可能なように設定されている。この抵抗発熱体10aよりも高い熱密度放射を得るための構成としては、例えば、抵抗発熱体10bの抵抗値を面内域における発熱体10aの抵抗値よりも大きく設定することが考えられる。
【0018】
また、ヒータ室3a、3bの照射壁板(上部ヒータ室3aにおいては下面壁板31a、下部ヒータ室3bにおいては上面壁板31b)及びウエハ処理室2の上、下面壁板2a、2bは、赤外透過性材質、通常、石英ガラスで形成される。
更に、温度センサー4は、ヒータ室3a、3bの外部側に配置され、例えば、図3に示すような構造態様に配設される。図3に示すように、ヒータ室3aには赤外線が通過する孔32aが形成され、ヒータ室3aは側壁33aによって閉じられている。この側壁33aの外面には、カ−ボン筒(黒体筒)13が設けられ、抵抗発熱体10からの放射熱の影響を極力抑制している。このような構成によって、ウエハ処理室2の外部からウエハ7自体の温度を非接触的に測定することができる。
【0019】
本発明の熱処理装置において、温度制御機構は、必ずしもこれに限定されるものではないが、例えば、図2にブロック図として示したようなシステムが好適に採用される。
この図に示された温度制御機構においては、ウエハ7の温度を温度センサ−4によって測定された温度検出値と、温度指令値がPID調節器14に入力される。このPID調節器14は、P動作(比例動作)、I動作(積分動作)、D動作(微分動作)の加算等を行った制御信号を出力するものであって、温度検出値に応じてサイリスタ(SCR)15に対して、制御出力を送出し、サイリスタ(SCR)15は前記出力に応じた電力出力をトランス16に送出し、ヒ−タ10の発熱体出力制御を行うように構成されている。
このように、この温度制御機構はフィ−ドバック回路から構成されているため、ウエハ処理室の温度を一定に保つことができる。
【0020】
各ヒ−ター室の発熱体出力制御は、処理室内のウエハ表裏の温度差を極小化するため通常上下室独立に制御する方式が採用される。また、制御のための指標となる検出温度をウエハ自身の検出温度に替えてヒータ温度を用いて制御する方式を採用しても良いが、温度制御の正確を期するにはウエハ自身の温度を検出するのが良い。
【0021】
本発明の装置のウエハ加熱源として用いる抵抗発熱体としては、SiCコートカーボン、ガラス状カーボン、パイロリティックカーボン、焼結SiC、炭素繊維等より作製された発熱体乃至発熱素子が例示でき、これらの内でも、SiCコートカーボン、ガラス状カーボンから作製された発熱体が好適である。
発熱体の形状、サイズは特に限定されるものではなく、ウエハーを均一に、かつ所定温度に加熱できる形状、サイズであればよいが、通常その断面が板状形状のものが用いられ、例えば、長方形、円形、楕円形板等の他円環状、楕円環状等の板状発熱体を用いることもできる。
【0022】
本発明の装置おいては、ウエハの面内域を加熱する抵抗発熱体10aと、その外面域を加熱する発熱体とは、別仕様、即ち、面外域加熱用の抵抗発熱体10bは、面内域のそれに比べて高出力で、熱密度の高い熱線放射が可能な仕様の発熱体を使用することがより好ましい。
【0023】
このウエハ面外域の熱密度は、ウエハの外周端部からの熱放散が相殺されるよう面内域より高く調節設定され、その程度は、装置サイズ、形状、操作温度、圧力、流通ガスの流量、その他諸条件により異なり、それらを勘案して調節されるが、通常、面内域の平均熱密度より10乃至50%程度高く設定される。
上記のように構成された本発明のウエハ熱処理装置は、赤外線ランプを用いた従来の装置に比較して高速に昇温できる利点をも有する。
【0024】
本発明の熱処理装置1を用いて、ウエハ7の熱処理を実施するには、熱処理すべきウエハ7を昇降機9を用いてウエハホルダー8上の所定位置に載置し、好ましくは、水素、アルゴン、ネオン等珪素に対し不活性なガスを流通させながら温度600乃至1200℃、圧力0.2乃至760Torr、不活性ガス流通下に処理する場合には、ガス流量0.2乃至200l/min、の条件下に、ウエハ表面に自然酸化により生成した酸化膜等の夾雑物がほぼ完全に除去できるまで、通常約0.25乃至60分熱処理する。
【0025】
この熱処理温度が600℃未満であると、酸化膜除去に時間がかかり過ぎ、一方、1200℃を越えると使用部材である石英ガラス等の軟化点に近づくため部材の変形等を招来し好ましくない。
また圧力が0.2Torr以下では、処理室等に耐圧性を持たせるために石英ガラス等の肉厚を厚くしなければ成らず、熱線透過率の観点から好ましくなく、排気真空ポンプの容量、排気速度等が大きくなる。
一方、760Torrを越えた場合も耐圧性の関係から石英ガラス肉厚を厚くすることが必要となり、また、ウエハ表面の自然酸化膜を除去するのに時間がかかる。
不活性ガス流量が0.2l/min未満の場合には、酸化膜除去により時間がかかり、200l/minを越えると真空ポンプ排気量が増加する。
【0026】
本発明のウエハ熱処理装置は、例えば、枚葉式気相成長装置と組合せて連続処理することもできる。
このような連続処理においては、ウエハを大気中に曝すことをほぼ完全に回避することができるため、ウエハ表面の自然酸化膜が完全に除去された状態のウエハ表面に気相成長膜を形成でき良質の積層薄膜を形成する上で好都合である。
この時、熱処理装置のウエハ処理室が水素雰囲気ある場合は、ウエハ表面に水素がターミネートした状態のまま気相成長を開始することができ、これにより気相成長後のウエハ表面のヘイズ濃度を低下させることができると共に、LPD(ウエハ表面レーザー散乱体)としてカウントされる結晶欠陥の個数を低減させることができる。
【0027】
【実施例】
「実施例1」
ウエハ加熱用の抵抗発熱体として、SiCコ−トカ−ボンヒ−タを、温度検出器として図3に示す赤外線温度計を、それぞれ配備した図1に示す本発明のウエハ熱処理装置を用い、ウエハを載置した状態で、温度1000℃、圧力40Torr,アルゴンガス雰囲気下での装置の温度制御性(温度応答性、温度再現性)、所要電力量及びウエハ面温度分布を調べた。
その結果を表1に示す。
「実施例2」
発熱体として、ガラス状カ−ボン(GC)ヒ−タ−用いた以外は、実施例1と同様の装置を用い、実施例1と同様の条件で、装置の温度制御性、所要電力量、ウエハ面温度分布を評価した。
その結果を表1に示す。
【0028】
「比較例1」
ウエハ加熱に、赤外線ランプを、温度検出器として図5に示す赤外線温度計を、それぞれ備えた図4に示す従来のウエハ熱処理装置を用い、ウエハを載置した状態で、温度1000℃、圧力760Torr,アルゴンガス雰囲気下での装置の温度制御性(温度応答性、温度再現性)及びウエハ面温度分布を調べた。
その結果を表1に示す。
「比較例2」
温度検出器として図6に示す熱電対温度計を用いた以外は、比較例1と同様の公知装置を用い、実施例1と同様の条件で、装置の温度制御性、所要電力量、ウエハ面温度分布を評価した。
その結果を表1に示す。
【0029】
「実施例3乃至実施例6」
実施例1のウエハ熱処理装置に枚葉式気相成長装置を組み合わせ連結した複合装置を作製し、この装置を用いて、温度600乃至1200℃、圧力0.2乃至760Torr,水素ガス流通量0.2乃至200l/minの範囲内で各々下記表2に示した条件で各ウエハ(実施例1乃至6)を熱処理し、処理後のウエハを大気中に曝すことなく、枚葉式気相成長装置内に移送しそれぞれの熱処理ウエハの表面上に気相成長膜を形成させた。
次いで、各々の気相成長膜形成後の積層ウエハについて、ヘイズ濃度、ウエハ表面レ−ザ−散乱体個数(LPD:0.135μm以上)を測定評価した。
その結果を表2に示す。
なお、参考例として、熱処理を行わない場合のヘイズ濃度、ウエハ表面レ−ザ−散乱体個数(LPD:0.135μm以上)の測定結果を合わせて表2に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0004525871
【0031】
【表2】
Figure 0004525871
【0032】
【発明の効果】
本発明のウエハ熱処理装置は、温度制御性、経時安定性、使用耐久性に優れ、ウエハの汚染がほとんどない等多くの利点を有する。
しかも、従来装置のような赤外ランプ冷却装置や複雑な構造の反射板等の設置を要せず構造が簡単で安価に製作でき、かつ所要電力も少なくてすむ等数多くの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のウエハ熱処理装置の実施形態を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明のウエハ熱処理装置に用いられる温度制御機構の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明のウエハ熱処理装置における温度センサ−の取付け状態の一例を示す概略断面図である。
【図4】図4は、従来の赤外線ランプ使用したウエハ熱処理装置を示す概略図である。
【図5】図5は、従来の赤外線ランプ使用したウエハ熱処理装置における温度センサ−(赤外線温度センサ−)の取付け状態の一例を示す図である。
【図6】図6は、従来の赤外線ランプ使用したウエハ熱処理装置における温度センサ−(熱電対)の取付け状態を示す図である。
【符号の説明】
1 熱処理装置
2 ウエハ処理室
3a,3b ヒ−タ−室(上、下)
4 温度センサ−
5 ガス供給装置
6 ガス排出装置
7 ウエハ
8 ウエハホルダ−
9 昇降機
10 抵抗発熱体
11a、11b加熱電源
12c、12d加熱電源
13 カ−ボン筒(黒体筒)
14 PID調節器
15 サイリスタ
16 トランス
20 熱処理装置
21 ウエハ
22 ウエハ処理室
23 ウエハホルダ−
24 赤外線ランプ
25 反射板
26 ランプ冷却機構

Claims (5)

  1. 熱処理すべきウエハを収容載置し、珪素に対し不活性な内部雰囲気を有するウエハ処理室と、前記ウエハ処理室内のウエハを加熱するための熱処理用加熱装置と、前記加熱装置の温度を制御する温度制御機構とを少なくとも備えたウエハ熱処理装置において、
    前記ウエハ処理室の少なくとも上面壁板及び下面壁板は、赤外線透過材質で形成され、
    前記熱処理用加熱装置は、熱源として抵抗発熱体が用いられると共に、
    前記抵抗発熱体が、ウエハ処理室の上壁面と底壁面を外側から挟むように、ウエハ処理室と分離、配置された、上部ヒータ室及び下部ヒータ室の2個のヒータ室内に夫々配設され、
    夫々の前記ヒータ室内に配設された前記抵抗発熱体は、ウエハ面にほぼ平行に、ウエハの面域内に配置された第一の抵抗発熱体と、ウエハ面にほぼ平行に、ウエハ面外域に配置された第二の抵抗発熱体とを備え、
    前記第一の抵抗発熱体の抵抗値は、ウエハ中心部に対応する位置から外周部に対応する位置にいくにつれて、徐々に高くなるように設定されると共に、前記第二の抵抗発熱体の抵抗値は、第一の抵抗発熱体の抵抗値よりも大きく設定されることにより、載置ウエハの面内域においては放射熱密度が均一となるように発熱体の抵抗値分布が設定されていると共に、面外域においてはウエハの外周部からの熱放散が相殺されるよう面内域より熱密度が高く設定され、
    かつ、前記ヒータ室を形成する壁板のうち、上部ヒータ室の下面壁板及び下部ヒータ室の上面壁板は赤外線透過材質で形成され、更に前記ヒータ室には、前記温度センサーの赤外線が通過する孔が形成され、前記孔を形成する側壁によってヒータ室は閉じられると共に、前記孔を形成する側壁の外面には、カーボン筒が設けられ、
    更に、前記ヒータ室内に抵抗発熱体を形成する材質に対して、不活性なガスを導入、あるいは流通させる機構が設けられ、
    前記温度制御機構は、前記ウエハ処理室の上壁面側に設けられたヒータ室の上面壁板の外側に一の赤外線温度センサーを配置すると共に、前記ウエハ処理室の底壁面側に設けられたヒータ室の底面壁板の外側に、他の赤外線温度センサーを配置し、
    前記赤外線温度センサーによって、前記カーボン筒を通過する赤外線を測定することによってウエハの表裏面の温度を検出し、前記ウエハの表裏面の温度検出値に応じて、前記抵抗発熱体を制御することを特徴とするウエハ熱処理装置。
  2. 前記熱処理用加熱装置に用いられる抵抗発熱体が炭化珪素コートカーボンあるいはガラス状カーボンからなる発熱体であることを特徴とする請求項1に記載されたウエハ熱処理装置。
  3. 前記温度制御機構は、ウエハ温度をウエハ処理室外に設置した赤外線温度センサーにより直接測定し、前記温度検出値をフィードバックして、抵抗発熱体の発熱量を制御するシステムを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたウエハ熱処理装置。
  4. 前記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたウエハ熱処理装置を用いた熱処理方法において、
    前記ウエハ熱処理装置を使用し、珪素に対し不活性な雰囲気下に、温度600乃至1200℃、圧力0.2乃至760Torrでウエハを熱処理することを特徴とするウエハの熱処理方法。
  5. 前記ウエハ熱処理装置のウエハ処理室内に珪素に対し不活性なガスを、流量0.2乃至200l/minの範囲で流通させることを特徴とする請求項4に記載されたウエハの熱処理方法。
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