JPH07201753A - 薄膜製造方法およびその装置 - Google Patents

薄膜製造方法およびその装置

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JPH07201753A
JPH07201753A JP5350522A JP35052293A JPH07201753A JP H07201753 A JPH07201753 A JP H07201753A JP 5350522 A JP5350522 A JP 5350522A JP 35052293 A JP35052293 A JP 35052293A JP H07201753 A JPH07201753 A JP H07201753A
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JP
Japan
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substrate
radiant energy
heating
thin film
light source
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JP5350522A
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English (en)
Inventor
Oji Tachimori
應治 日月
Norihito Horinouchi
礼仁 堀之内
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板上に薄膜を堆積するために、基板以外の
部分を加熱することなく、基板のみを加熱して薄膜の堆
積を行う薄膜製造装置を提供すること。 【構成】 複数のエネルギー放射光源3および反射器1
6により一枚の基板7上に複数のスポット状のエネルギ
ーを照射し、このスポット状のエネルギーを独立に制御
しながら基板全体を加熱することを特徴とする薄膜製造
方法およびその装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板上に薄膜を形成さ
せる薄膜製造方法およびその装置に関し、特に半導体集
積回路製造に用いられる薄膜製造方法およびその装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路の製造工程においては種々の薄
膜を製造する工程が含まれるが、これらの薄膜製造技術
における量産性、歩留まり、信頼性等の向上は重要な課
題である。本発明は、主として基板上に物質の層を付着
または堆積させる方法および装置に関するもので、詳細
には単結晶基板上に物質を化学気層成長(CVD)させ
る技術に関するものであるが、本発明において提示され
る考え方は、他の加熱を必要とする装置一般に適用可能
である。
【0003】CVD法は原材料としてガスを使用し、
熱、光、プラズマなどのエネルギーによる化学反応を利
用して、基板上に薄膜を堆積させる技術である。堆積薄
膜としては、シリコンの単結晶・多結晶膜、酸化膜、窒
化膜、金属膜などがある。
【0004】CVD装置は、基本的には、反応室である
チャンバー、ガスの供給・排気装置および化学反応させ
るためのエネルギーの供給手段を備えたシステムである
が、ここでは、現状のCVD装置について、本発明と関
連する熱エネルギー供給手段について説明する。
【0005】熱エネルギー供給手段としては、主に赤外
線ランプ加熱法、高周波加熱法、抵抗加熱法などがあ
る。
【0006】赤外線ランプ加熱法では、通常多数の赤外
線ランプからの赤外線を透明な石英チャンバー越しに基
板およびサセプターに照射して加熱し、各々のランプの
光の強度あるいは角度を調節することにより、基板およ
びサセプター状の加熱分布の制御を行う。この方法は、
加熱量の高速制御が可能である反面、基板面内に温度分
布の差が発生しやすく、その結果、熱応力によって基板
の結晶に結晶欠陥が発生するという問題がある。
【0007】従来の赤外線ランプ加熱式の枚葉式CVD
装置などでは、線状フィラメント型ランプを反射鏡等で
平行光線にしてチャンバー内に導入して全体を加熱し、
さらに加熱エネルギーの節約のために、反射鏡を設置し
たり、装置内壁に金などをコーティングすることにより
チャンバー内で光線が多重反射するようにして、外部に
輻射熱を逃さないような処置をしてある場合が多い。こ
のような装置では各ランプからのエネルギー束は複雑に
反射を繰り返しており、解析的な制御が困難な場合が多
く、従って基板面内加熱分布制御の精度も十分でないの
が現状である。このような赤外線ランプ加熱式の装置に
おける基板加熱特性に関する計算機シミュレーションの
計算例は日本機械学会論文集(B編)第56巻、第52
5号(1990−5)、第229頁に掲載されている。
このような状態では新しい条件での薄膜堆積時の事前条
件出しあるいはメンテナンス・故障後の再立ち上げなど
において調整に多大な時間を要する場合が生じ得る。
【0008】また、赤外線ランプ加熱式の装置は、基本
的には透明石英製のチャンバー越しにランプ光を照射し
ているが、通常この透明石英チャンバーでの熱吸収が極
めて少ない波長の光源が選ばれているので、いわゆるコ
ールドウォールになっており、透明石英チャンバー内壁
面への不要堆積物は基本的には殆どないように処置され
ている。
【0009】しかし上述したように基板上の熱分布の均
一性をはかるため、ランプ光は平行光線になるようにチ
ャンバー内に導入されて、反射鏡などで複雑な反射をし
ているので、チャンバー内の基板以外の部分にも放射熱
エネルギーが照射されている。透明石英チャンバー以外
の部分では放射熱エネルギーは透過せず一部は吸収され
て、その部分の温度が高くなり原料ガスの反応が生じ
て、基板以外の部分にも不要堆積が生じてしまう。この
不要堆積物は、基板のロード、アンロード時などにはが
れたり、舞い上がったりしてパーティクル発生の原因と
なって、基板に付着し膜質劣化を引き起こす。
【0010】このような問題を解決するために光源ラン
プの光を集光させて点状(スポット)にして基板に照射
し、基板を加熱する従来技術として、特開昭60−11
6778号公報「化学蒸着方法及び装置」がある。この
方法および装置においては、基板裏面を第1加熱手段に
よって加熱し、さらに第2の加熱手段によって基板表面
を加熱し、基板の表裏の独立な加熱調整が可能なように
している。
【0011】このようにすることにより基板表裏間の温
度差を減少させ、基板応力の緩和、結晶欠陥の防止など
を図ったり、また基板表面とサセプターなどの基板支持
具との間の物質の流れを制御して基板汚染を防止した
り、基板裏面のシールを行えるようにしている。第2の
加熱手段としては点光源ランプ光を反射鏡で集光し、そ
の光束の断面を利用している。
【0012】ここで提示されている考え方では、加熱分
布の均一性を得るのに一個のランプ光の集光された光速
の断面内のエネルギー分布がほぼ一定であることを利用
している。例えば前記公報のFIG.1においてはパン
ケーキ型炉で水平面内におかれた複数の基板全体を一つ
のランプで照射して加熱している。また、FIG.2で
はバレル型炉であるが、サセプター上の基板一枚ごとに
一個のランプで照射し加熱している。
【0013】しかし一つの加熱光源から集光された光束
の断面内の輻射エネルギー分布は制御できないので、こ
の方法では1枚の基板面内の加熱分布制御は行えない。
一般に基板は加熱源である光源ばかりでなく、反応室内
外の比較的低温の壁や物体を眺望する位置に載置されて
おり、それらの壁や物体に向けて輻射放熱している。そ
の輻射放熱量は、基板面上の各点と壁や物体との温度差
に依存するのでランプ光による加熱量が基板全面に対し
て一様であっても放熱量は均一とはならない。つまり、
基板面上の温度を均一にするには放熱量の分布を考慮し
て加熱量を制御することが必要であるが、前記公報の方
法ではこのような意味で基板面内の不均一な熱分布を生
じる可能性があり、さらにこの熱分布を精度良く制御す
ることはできない。
【0014】もう一つの点光源型ランプを用いた例とし
て、特公昭54−24990号公報「放射加熱反応方法
ならびにその装置」がある。この公報では、光を透過す
る石英などの材料で作られたチャンバーで全体が囲まれ
た反応室中に、熱エネルギーを吸収するサセプターなど
の基板支持具上に基板が載置されており、複数の点光源
型ランプで基板の裏側方向または表側から加熱するもの
である。
【0015】この公報では反射鏡などによりチャンバー
内からの輻射熱を適宜チャンバー内に返す方法も示され
ている。この公報記載の装置では、基板と熱エネルギー
吸収体で作られたサセプターなどの基板支持具以外の部
分は輻射エネルギー透過物質で構成されているので、基
板と支持具以外の熱上昇はなく、不要反応堆積物の生成
をかなり抑えることができる。
【0016】この公報において基板の熱分布を均一にす
る方法として言及されていることは、熱を吸収すること
により基板温度を一定にするサセプターの使用を示唆し
ている事項だけである。この方法においても先の特開昭
60−116778号公報と同様に基板面内の加熱分布
の積極的制御は行えないため、面内温度分布に起因する
膜質劣化の可能性がある。
【0017】以上のように従来の装置においては基板面
内の加熱分布の制御が十分に行えず、加熱分布の不均一
性に基づく膜質劣化の問題が大きかった。さらに、従来
装置では、エネルギーの再利用をはかるため、基板を含
めたチャンバー内部から外部に放射される輻射エネルギ
ーを再度チャンバー内に反射するための措置をとってい
る場合が多い。例えば先の特開昭60−116778公
報ではFIG.1の付号14の部材、FIG.2の付号
34の部材、また特開昭54−24990号公報ではF
IG.1、2の付号11の部材などである。
【0018】このような場合、各加熱光源からの輻射エ
ネルギーはチャンバー内外に複雑に反射し合っているた
め個々の加熱光源強度を変化させると全体の加熱分布が
変化してしまい、炉内の特定部位だけを独立に高精度制
御することは一層困難となる。
【0019】これらの問題を解決するためには基板面内
の加熱分布を全体に影響を与えないで独立に制御できる
方式でないと不可能と考えられる。
【0020】高周波加熱法は、基板が乗っている導電性
物質からなるサセプターに外部から高周波電流により渦
電流を発生させ、この電流によりサセプターを加熱し、
このサセプターの熱により基板を加熱するものである。
【0021】この方法では、サセプターを媒介とした下
面からのみの加熱のため上下面での温度差など、均一性
に問題を生じ易い。前記特開昭60−116778の特
許はこの点を改善しようとしたものと考えられる。また
一般に基板は周辺部からの熱放散が大きいので加熱時に
は周辺部とその内側部分の間で加熱エネルギーの調整を
行わないと基板上で熱分布が生じ、結晶欠陥によるスリ
ップや不均一性の原因となるが、高周波加熱法では原理
的に基板面内加熱分布の高精度の調整が困難である。ま
たその他にも、導電性のサセプターが必要な点、反応チ
ャンバーの側に大サイズの高周波(RF)発生機が必要
でここに広いスペースを要する点、RFコイルからの放
射線は近傍の電機装置に障害を与え得る点、全体的に高
価などの欠点がある。
【0022】抵抗加熱法は、抵抗線ヒーターによりチャ
ンバー全体を外部から加熱するいわゆるホットウォール
型のバッチ式CVD装置の加熱に用いられる場合が多
い。ランプ加熱法あるいは高周波加熱法では基板のみを
加熱(コールドウォール)しようとするのに対し、チャ
ンバー全体を加熱するところが異なる。
【0023】従ってこの方法では、チャンバー全体が加
熱されるため必然的にチャンバー内壁面に不要堆積物を
生じ、これが、上述したようにパーティクル発生の原因
となり膜質の劣化を引き起こす。また、基板以外の部分
を加熱するため余分な加熱エネルギーを消費するという
問題を生じる。
【0024】この方法では、通常、均熱長をとるための
チャンバー長さ方向の温度制御は、抵抗線をいくつかの
ゾーンに分けて各々のゾーンで加熱制御を行う方法をと
るが、チャンバー全体を加熱するため熱容量が大きく、
温度安定に時間がかかるため、短時間で高精度の熱均一
性を得るのは困難である。そして、この傾向は高スルー
プットを狙いチャンバー内への挿入基板枚数が多くなれ
ばなるほど、また、大口径になるほどチャンバー容量が
大きくなるため顕著になる。さらに、この場合、加熱む
らを防ぐため基板を回転させる方法を取る場合では非常
に大がかりな駆動装置が必要となってくる。
【0025】このように多数の基板を挿入する抵抗加熱
法では、チャンバー長さ方向および断面内の、いわば3
次元の熱均一性を達成しなければならず制御性が非常に
悪くなる。さらにこれらの制御性は装置が大がかりにな
るほど困難になる。
【0026】以上のように、従来の各加熱方式において
は、基板以外の不要部分も加熱しているため、本来不要
なエネルギーコストを生じていたり、基板以外の部分で
反応を起こし反応ガスの原料が堆積してパーティクルを
発生し、膜質の劣化を引き起こしていた。また、基板面
内の均一な熱分布を得るための高精度の制御が困難であ
り、このため基板が熱分布の不均一による熱応力によっ
て結晶欠陥などの基板の劣化や製造した膜質の劣化を起
こしていた。さらに、装置としてのコストの上昇を招く
といった問題点があった。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
問題点を解決するために、薄膜製造装置内の基板以外の
部分を加熱することなく基板のみを加熱して薄膜の堆積
を行うことが可能な薄膜製造方法およびその装置を提供
することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記諸目的を解決するた
めの本発明は、反応チャンバー(1)内に基板(7)を
載置し、輻射エネルギー放射光源(3)と前記輻射エネ
ルギー放射光源(3)の輻射エネルギーを前記基板面で
スポット状に集光されるように反射する反射器(16)
とによって前記基板の一つに対して少なくとも二つ以上
のスポット状に照射して、前記基板(7)を所定の温度
に加熱せしめ、前記反応チャンバー(1)内に供給され
る反応ガス中の物質を基板上で反応させて薄膜を製造す
ることを特徴とする薄膜製造方法である。
【0029】また本発明は、前記基板(7)を回転させ
ることにより前記基板(7)の円周方向に対して均一に
加熱することを特徴とする薄膜製造方法である。
【0030】さらに本発明は、前記輻射エネルギー放射
光源(3)と前記反射器(16)とによる輻射エネルギ
ー照射スポットが、前記基板(7)上を基板周縁部から
中心までを直線状または曲線状に並んだスポット列とし
て照射することを特徴とする薄膜製造方法である。
【0031】また、上記諸目的を解決するための本発明
は、反応チャンバー(1)と、反応チャンバー(1)内
に基板(7)を載置する基板支持具(2)と、前記基板
(7)を加熱する加熱手段(4)と、反応チャンバー
(1)中へ反応ガスを供給する反応ガス供給手段(5)
と、処理後のガスを排出するガス排気手段(6)よりな
る薄膜製造装置において、前記加熱手段(4)が、前記
基板(7)一つに対して少なくとも二つ以上のスポット
光が照射できるように少なくとも二つ以上の輻射エネル
ギー出力を独立に制御することができる輻射エネルギー
放射光源(3)と、該輻射エネルギー放射光源(3)の
輻射エネルギーを前記基板面でスポット状に集光される
ように反射する反射器(16)とからなり、前記反応チ
ャンバー(1)の少なくとも一部が、前記加熱手段
(4)からの輻射エネルギーを透過する材料によって形
成された輻射エネルギー透過壁(15)からなり、前記
反応チャンバー(1)内で処理する前記基板(7)の温
度を測定するための基板温度測定手段(9)と、該基板
温度測定手段(9)と連動して前記輻射エネルギー放射
光源(3)の各々の輻射エネルギー量を独立に制御する
ための信号を出力する輻射エネルギー調整手段(10)
と、前記輻射エネルギー制御手段(10)の信号を受け
て前記輻射エネルギー放射光源(3)に電力を供給する
光源用電源(8)とを有することを特徴とする薄膜製造
装置である。
【0032】本発明は、前記基板(7)を回転させるこ
とにより前記基板7の円周方向に対して均一に加熱され
るようにする基板(7)を回転させる基板回転手段(1
1)を有することを特徴とする薄膜製造装置である。
【0033】また本発明は、前記輻射エネルギー放射光
源(3)と前記反射器(16)とが、前記基板(7)上
に照射される輻射エネルギースポットの前記基板(7)
上での位置が基板周縁部から中心までを直線状または曲
線状に照射されるように配置されることを特徴とする薄
膜製造装置である。
【0034】さらに本発明は、前記加熱手段(4)とし
て、さらに補助加熱手段(17)を有することを特徴と
する薄膜製造装置である。
【0035】また本発明は、前記基板支持具(2)が開
放された基板裏面に密着または完全に覆い尽くす構造
で、かつ内側が基板からの輻射エネルギーを反射する材
料からなることを特徴とする薄膜製造装置である。
【0036】さらに本発明は、前記輻射エネルギー放射
光源(3)と前記反射器(16)よりなる前記加熱手段
(4)が、前記基板(7)を裏面から加熱するように配
置され、前記基板支持具(12)として前記基板(7)
裏面の一部または全部が開放されているか、あるいは前
記加熱手段(4)からの輻射エネルギーを透過する材料
により形成されていることを特徴とする薄膜製造装置で
ある。
【0037】さらにまた本発明は、前記基板支持具(1
2)が少なくとも波長0.4〜3μmの光に対して透明
である材料により作られていることを特徴とする薄膜製
造装置である。
【0038】
【作用】上述のように構成された本発明は、独立して制
御可能な加熱源による放射熱エネルギーを集光し、基板
上へ少なくとも二つ以上の複数のスポット状に照射し
て、この複数のスポットで基板全体を加熱することによ
り、チャンバー内の基板以外の部分の加熱を大部分抑
え、かつ基板面上の加熱分布制御を高精度に行えるよう
にしたものである。
【0039】加熱エネルギーを基板上のみに集約するこ
とにより無駄なエネルギー量の消費、および基板部分以
外の不要反応による堆積物生成を防ぎ、また基板上加熱
分布の独立な直接制御により高精度な制御を可能として
いる。
【0040】図1は本発明を実施した典型例であり、以
下図1を使って説明する。
【0041】本装置の主要部は、反応チャンバー1、加
熱手段4、基板支持具2、ガス供給手段5、排気手段6
などである。実際の膜堆積は、チャンバー内を常圧また
は減圧状態で、チャンバー内の圧力を維持するための適
当なガス(通常はN2 や不活性ガスなど)を流しながら
基板温度を薄膜の成長温度まで上昇させ、その後まく堆
積に必要な原料をキャリアガスなどで希釈した反応ガス
を流して膜堆積を行う。本発明における加熱手段はこの
プロセス中の基板温度の上昇のために用いられる。
【0042】図1の中の加熱手段4は少なくとも二つ以
上の輻射エネルギー放射光源3と反射器16から成る。
輻射エネルギー放射光源3から放射された輻射エネルギ
ーは反射器16によって基板7表面でスポット(以下加
熱スポットと称する)状に集約される。基板上全面を加
熱するために、一つの基板に対して少なくとも二つ以上
複数の加熱スポットで基板7が加熱される。好ましくは
基板面が実質的に全面覆われるようにする。
【0043】加熱スポットの形状、サイズあるいはスポ
ットの基板7上の配置状況は、要求される加熱分布制御
精度、輻射エネルギー放射光源の出力特性または基板支
持具の状況などにより適宜決定され得る。基本的にはス
ポットが基板全面を覆うことが望ましいが、要求される
均一性の精度によっては必ずしも完全にすきまなく覆う
必要はない。また、基板を回転させることにより実質的
に加熱スポットが基板全体を覆うようにしてもよい。
【0044】一般に加熱スポットの面積が小さい場合に
は、基板全面を加熱スポットで覆うためには多くの光源
が必要であるが、これにより高い精度で加熱分布制御が
可能となる。またこの時、個々の輻射エネルギー放射光
源の出力は、輻射エネルギー放射光源数が多くなるにつ
れて小出力のものでよく、輻射エネルギー放射光源と基
板との距離はなるべく短い方がエネルギー損失は少な
い。
【0045】これら複数の加熱スポットは光源用電源8
により各々調整可能であるので、各輻射エネルギー放射
光源からのエネルギー束による基板上の各加熱スポット
の加熱エネルギー量を完全に独立に制御することができ
る。このため基板面上の高精度な加熱分布制御が可能で
ある。
【0046】基板上の温度分布は基板温度測定手段であ
る温度センサー9により測温され、この情報を基に輻射
エネルギー制御手段10により基板面上の温度分布が均
一になるように各々の放射輻射エネルギー放射光源3の
輻射エネルギー量を計算し制御信号を出す。そして、こ
の制御信号によって制御されている光源用電源8により
実際の電力を輻射エネルギー放射光源3に供給する。
【0047】基板からの放射熱によるもの以外のチャン
バー内不要加熱は上記本発明の方法およびその装置を用
いれば相当量抑えることは可能である。また、基板から
の放射による輻射熱によるチャンバー自体の加熱を防ぐ
ためには、基板放射熱が到達するチャンバー部位が輻射
エネルギー透過壁であれば十分に抑えることができる。
これにより、本発明の装置はいわゆるコールドウォール
型と呼ばれるものになる。
【0048】図1では、各加熱スポットによって加熱さ
れた基板面内における加熱分布の高制御性を確保するた
めに、チャンバー内部からの輻射エネルギーを再度基板
へ反射する措置はとっていなが、その様な措置をとった
装置と比較して、基板以外の部分が直接輻射エネルギー
放射光源3からの加熱エネルギーによって加熱されるこ
とがないので、エネルギー効率が極端に低下することは
ない。しかし、もし、さらに大きな熱量が必要であれ
ば、全体のエネルギー量を補う目的で、本発明の前記加
熱手段(第1の加熱手段)に加えて、さらに補助的な第
2の加熱手段を併用することももちろん可能である。
【0049】本発明による第1の加熱手段による加熱分
布制御は実施例で述べるような手段を使えば、第2の補
助加熱手段とは独立に制御できる。したがって、例えば
第1の加熱手段は、本発明の特徴である高い制御精度を
利用し、主に均一性の制御用として用い、第2の補助加
熱手段では主のパワーを負担させるように設定すること
ができる。この時、第2の加熱手段の加熱分布均一性に
対する条件は、第1の加熱手段で補償できる範囲内なら
ばそれほど厳密でなくて良く、従来の加熱手段の精度で
十分である。但し第2の加熱手段がホットウォール型の
加熱方式では、不要な気中反応やチャンバー内部の部材
が加熱され、本発明におけるメリットが十分発揮されな
い可能性があるので、基板以外の部分が加熱され、反応
ガスの反応温度より高くなるような第2加熱手段の使用
は望ましくない。
【0050】図11は上述した図1に示した装置とは別
の形態による装置例の図面で、この装置は、基板7を載
置する基板支持具12を基板裏面部分が開放状態となる
ような構造または輻射エネルギーが透過するような材料
によって形成されている。
【0051】本発明のような複数輻射エネルギー放射光
源による加熱方式では基板上を直接加熱し、しかも基板
面内の温度分布を制御できるので、熱を吸収・保温する
ことにより基板の温度均一性を得るようなサセプターな
どは必要ではないため、図5のような基板裏面からの直
接ランプ加熱が可能となる。
【0052】サセプターを使用すると熱の拡散速度が輻
射による熱方散より遅いため、温度分布を均一化する能
力は低下する。このため均一性の面ではサセプターを使
用しないほうが良い。また、高出力ハロゲンランプなど
では、下向き加熱にすると寿命が短くなる場合があり
(熱の上昇によるランプ本体の加熱量が多くなるた
め)、その時は裏面加熱による上向き加熱にした方がメ
リットがある。さらに基板上方からノズル等でガスを噴
射する方式やこの基板上方の原料ガス供給用のノズル周
辺に、原料ガスの流れを制御するための各種機構を取り
付けたものなど、基板上方に何らかの機構を設ける場合
にも、基板上方の空間を効率よく利用できるため装置設
計が容易となる。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。なお、図中、同一機能を有する部材には同一の付
号を付した。
【0054】実施例1 図1は本発明の薄膜製造装置を枚葉式のCVD装置に適
用したものである。反応チャンバー1は、その一部が後
述する輻射エネルギー透過壁15によって形成され、堆
積する薄膜の原料やその他の反応ガス20を導入する反
応ガス導入部5、チャンバー1内の空気や不要なガス2
1などを排気するガス排気部6、基板支持具であるサセ
プター2などを装備するものである。輻射エネルギー透
過壁15以外の材質としてはステンレスを使用し、サイ
ズは50×50×20cmの直方体もしくは、直径50
cmで高さが20cmの円柱形状にすることにより12
インチウェハまでの対応が可能である。輻射エネルギー
透過壁15はステンレスによって形成された部分の上方
に装着されている。
【0055】反応チャンバー1上部に設けられている輻
射エネルギー透過壁15は、輻射エネルギー放射光源3
からのエネルギー束を透過する。この輻射エネルギー透
過壁15には高純度溶融石英材を加工した透明石英が好
ましい。輻射エネルギー透過壁15とする部位は光源か
らの放射エネルギーが100%透過できる範囲であるこ
とが望ましく、図1のようにチャンバー上部全体を輻射
エネルギー透過壁15とする。
【0056】輻射エネルギー光源3は、反応チャンバー
1の輻射エネルギー透過壁15の上部に設置されてい
る。輻射エネルギー光源3のエネルギースペクトル特性
としては、輻射エネルギー透過壁15による吸収をでき
るだけ減らし、かつ基板7による吸収を確保できる特性
であることが望ましい。輻射エネルギー透過壁15の材
質として透明石英を使い、基板がシリコン基板の場合、
透明石英は約4.5μm以下の波長で透過率がほぼ10
0%となり、またシリコン基板は波長1μm付近に吸収
端があるので、光源としては大体1μm前後の波長にピ
ークがあるような光源であれば効率がよい。具体的に
は、例えばハロゲンランプやキセノンアークランプが挙
げられる。これらのランプでは放射光源の色温度300
0Kで波長ピークがほぼ1μm程度になるので上記条件
を満足する。
【0057】加熱時の基板へのトータル入力エネルギー
は、例えば基板7として8インチシリコン基板を用い、
この上に薄膜を堆積する場合には、後述するように堆積
させる薄膜の種類によって、必要となる基板温度が異な
るが8インチシリコン基板に加えるエネルギーとしては
約10kW程度必要である。ハロゲンランプではトータ
ルのエネルギー効率が大体30〜40%程度であるの
で、10kW入力するためには加熱源消費電力としては
25〜35kW程度となる。これを複数のランプで供給
すると、1kWランプでは25〜35個、2kWランプ
ではその半分位使用することになる。色温度3000
K、220V仕様で1〜2kWクラスの点光源ハロゲン
ランプは、一般に販売されており入手可能である。本実
施例においてはウシオ電機株式会社製を用いた。
【0058】なお、堆積する薄膜と、その時に必要な基
板温度の関係および原料ガスの種類を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】輻射エネルギー放射光源3としては、上述
のランプなどの他にレーザ光源を使用してもよい。レー
ザ光源としては、基板7を薄膜堆積に必要な温度まで加
熱するために、照射出力の高いものが好ましく、例えば
YAGレーザが好適であり、その発振波長は1.06μ
mで、シリコンの吸収端と一致しており、効率良くシリ
コン基板を加熱することが可能で、また、出力も現在で
は約1kW(CW,連続発振)以上のものが実用化され
ている。
【0061】ただし、単体で出力1kW以上のYAGレ
ーザは、装置が大型で、コスト的にも相当高価であるた
め、本発明においては、例えば300kW程度の出力の
ものを5〜6台用い、1〜2cm程度のスポット径とな
るようにして半径上に並べ、基板を回転させて加熱し
て、トータル出力を1〜2kWとなるようにする。この
場合、加熱できる基板としては、6インチ以下のもの
で、加熱温度が800℃以下の加熱用となる。
【0062】ランプの替わりにレーザを用いた場合に
は、ビームスポットのぼけがなく、狙った部分をシャー
プに加熱することができ、基板外の不要部分の加熱をよ
り精度よく防止することが可能となる。これは、高出力
(kWオーダー)のハロゲンランプの場合には、ランプ
内のフィラメントの長さが長くなり、どうしても焦点が
シャープにでないために、ビームスポットのぼけが生
じ、これに比較してレーザではシャープなスポットが得
られる。なお、高出力が得られるレーザとしてはCO2
レーザがあるが、その波長は10.6μmでシリコン基
板には適さないため効率の良い加熱が行えず好ましくな
い。
【0063】反射器16は、輻射エネルギー放射光源3
の輻射エネルギーを反射して、基板7面にスポット状に
集光する。輻射エネルギー光源として、ハロゲンラン
プ、またはキセノンアークランプなどを使用した時は、
ランプ光は反射器16によって反射され基板7面上にス
ポット状に集光されるが、このときの反射面の幾何学形
状としては楕円型反射面を用いる。また、反射面はアル
ミニウム基板材料上に金などをコーティングしたものを
使用し、水冷を施すことが望ましい。金のコーティング
により100%近い高効率の反射率を得ることができ
る。スポットサイズは前述したように基板面内の精度の
良い加熱制御を行うために、直径1〜3cmのサイズの
円形にして基板上に照射する。本実施例1での基板上で
の加熱スポットの配置状況を図2に示した。スポットの
直径は2.5cmである。
【0064】基板温度センサー9は、純粋に基板からの
輻射エネルギーのみを感受し、ランプからの輻射エネル
ギーには感受しないものでなければならない。したがっ
て、基板面が望める位置であって、輻射エネルギー放射
光源3から必要な距離はなされ、かつ輻射エネルギー放
射光源3の波長と十分異なる波長に感じるセンサーを使
用することが必要である。光源3としては上述したよう
に波長1μm付近を使用すると、赤外のもっと長波長側
の数μm程度に感度があるセンサーが良い。
【0065】このような温度センサーとしては、例えば
放射温度計などが使用できるが、具体的には、例えばチ
ノー社製放射温度計 MODEL IR−SP9S2な
どがある。この製品ではサーモパイルを用いており、カ
タログスペックとして波長5〜8μmに対して300〜
1300℃の測定が可能となっている。また、基板7面
内全体の温度分布をモニターするためにはセンサー9を
走査することなどにより可能であるが、後述する基板回
転を併用するときは、回転数50回/秒以上においては
円周方向の温度分布は±3%以下になり測定による円周
方向の分布はほぼ無視できるので半径方向の走査のみで
良い。
【0066】輻射エネルギー制御装置10および光源用
電源8は、上記基板温度センサー9で測定された温度値
をもとに基板上の温度が均一になるように輻射エネルギ
ーの制御を行う。この制御方法としては、基板温度セン
サー9による実測温度値と、あらかじめ設定された目標
温度値との偏差を輻射エネルギー制御装置10により演
算処理し、その制御信号により光源用電源8からのラン
プへの供給電流を変えて調整する。1kWランプを使用
した場合平均的な電流値は4.5Aとなる。これを±3
%の面内均一性とするための電流値の調整変化巾は10
0mA程度である。電流制御精度は5mA程度以下で調
整を行なう。これにより、1000℃に対して±10℃
以上の温度制御が可能となる。
【0067】次に、以上説明した本実施例1の装置を用
いた薄膜製造について説明する。
【0068】堆積させる薄膜は、シリコンエピタキシャ
ル成長膜で、図3はこのエピタキシャル成長にかかるの
原料ガス流量、温度および時間の一例を示すレシピ図で
ある。このシリコンエピタキシャル成長は、まず、サセ
プター2にシリコン基板7を載置し、チャンバ1内に基
板7をロードして、H2 パージを行って、基板の加熱昇
温(ヒートアップ)、H2 ガスを流しながら加熱(H2
ベーク)し、降温して(クール)してエピタキシャル成
長温度を維持し、エピタキシャル成長させる(エピデ
ポ)、原料ガスを追い出すためのパージ(ポストパー
ジ)を行い、降温(クールダウン)し、基板を取り出
す。これにより、シリコンエピタキシャル膜の堆積が完
了する。
【0069】ここで、従来装置を用いた場合のレシピ図
を図4に示す。従来装置を用いた場合には、エピタキシ
ャル成長が終了し基板のアンロード後、さらに、チャン
バ内部に堆積したシリコンを除去するための工程が必要
で、チャンバ1内の昇温(ヒートアップ)、サセプタエ
ッチング、チャンバエッチングおよび降温(クールダウ
ン)を行って、エピタキシャル成長の一工程が完了する
ことになる、すなわち本発明の装置の適用することによ
り、薄膜堆積の際に基板のみを加熱することが可能とな
るので、この基板アンロード後の工程が不要となる。
【0070】実施例2 実施例2は、基板面上に照射する加熱スポットを直線状
または曲線状に配置し、基板を回転することにより実質
的に基板面全体に加熱スポットが照射されるようにした
ものである。このスポット配置の例を図5(a)、
(b)、(c)に示した。
【0071】図5(a)は実施例1と同じスポット配置
のままで円周方向の温度分布の差を低減するために、基
板7を回転させたものである。
【0072】図5(b)はスポットの配置を半径上のみ
に直線的に配置したものである。回転速度が十分速けれ
ば、図5(a)のように基板上全体にスポットを配置す
る必要はなく、図5(b)のように半径上を1次元(直
線)的に配置するだけでも良い。この方法では、均一性
の制御はこの半径上の加熱エネルギー制御だけとなるの
で制御に関する負担が軽減される。この場合もスポット
間隔は完全に隙間なく覆う必要はない。
【0073】図6に示すグラフは、回転を併用した場合
の基板面内の温度分布均一性を差分法による数値計算で
シミュレートした結果で、回転速度が50回転/秒の場
合であるが、この条件ではスポット間隔が10mm以内
であれば±3%以下の温度分布均一性が得られ、スポッ
ト間隔が0の場合では±1%以下の制御が可能であっ
た。
【0074】温度分布のモニターについては、円周方向
の温度分布が無視できるときは、基板の径方向の分布だ
けを調べれば良いので走査は1次元のみでもよい。
【0075】図5(c)は図5(b)で半径上を1次元
的に配置していた各加熱スポットの円周方向の位置をず
らしたものである。回転速度が十分速い場合、均一性は
加熱スポットの円周方向の位置に依存しないので、1次
元上に光源を配置するのがスペース上困難な場合などで
は、このような方法をとることも可能である。均一性は
図5(b)の場合と同程度にできる。なお、基板回転装
置は図7に示すように、基板7が載置されるサセプター
2を回転手段11によって回転する。回転手段として
は、例えば磁気結合型回転導入機によりチャンバー内に
装着するとよい。
【0076】実施例3 図8は、前記実施例1または実施例2の装置に補助加熱
手段を併用した場合の実施例である。
【0077】この装置では、基板7上方に補助加熱手段
であるハロゲンランプ光源17を設けて、基板7を補助
加熱するものである。補助加熱手段を併用した場合でも
複数の加熱手段4による基板7上の加熱分布制御は補助
加熱を用いない場合と同程度の精度で独立に行うことが
できる。基板部分以外の加熱を避けるために、ハロゲン
ランプ光源17を楕円型反射面を持つ反射器により基板
面上に集光している。
【0078】加熱手段4(複数の基板上の加熱スポッ
ト)による加熱量と補助加熱手段17による加熱量との
比は4:6(補助加熱が6)に設定するのが好ましい。
したがって前述したようにトータルで10kWを基板7
に投入するときには、4kW:6kWとなり効率30%
のランプでは14kW:20kWの消費電力となる。具
体的には、例えば加熱手段4に1kWランプを14個配
置し、さらにその周囲に1kWランプを補助加熱手段1
7として10個配置する。
【0079】実施例4 図9も補助加熱手段を用いた場合である。ここでは補助
加熱手段17は、基板下面側に配置したRF(高周波)
コイルまたは抵抗発熱体である。加熱手段4からの加熱
スポットによる加熱量と補助加熱量との比は3:7とす
る。
【0080】実施例5 図10は補助加熱する他の方法の一つで、基板裏面に補
助加熱手段として線状のハロゲンランプ17を用いたも
のである。これは補助加熱では基板上の温度分布制御を
行なう必要はないので、一般的に高出力の得られる線状
ランプを用いたものである。ランプ光源はフィラメント
周りの反射鏡面および、フィラメント長を最適化するこ
とにより基板部分のみを照射するようにする。具体的に
は8インチウエハの場合、反射鏡面は放物面とし、フィ
ラメントは2kWのもので長さを18〜22cmにす
る。これを18〜35cmの間に、12本設置する。表
面加熱量と裏面加熱量の比は3:7に設定する。したが
って上述したように8インチウエハで10kWを基板に
投入するときは、3kW:7kWとなり効率30%のラ
ンプでは10kW:24kWの消費電力となる。裏面加
熱用のランプは上述したように2kWのものを12本配
置する。
【0081】実施例6 図11は、基板の裏面から複数光源により加熱する方法
による装置構成図面である。この装置では基板7をその
周辺のみで支持し、裏面が開放された形のサセプター1
2を用いることができ、これにより基板裏面からの加熱
を行う方法が可能となる。なお、加熱手段4以外の構成
は実施例1と同様であり、また、実施例2または実施例
3、4、5などのように、基板回転や補助加熱手段をさ
らに設けてもよい。
【0082】基板裏面加熱手段13は上方に向けて加熱
する点以外は基板を表から加熱する場合の加熱手段と同
じで良い。基板の支持具は基板裏面が加熱可能なように
少なくとも加熱領域が開放されていることが必要であ
り、基板の支持は基板周囲から5mm以内の位置で支持
する。図11でサセプター12の基板周辺部の支持部は
輻射エネルギーに対して透明であるように、材質として
は透明壁と同じ高純度透明石英を使用する。
【0083】実施例7 図12は、基板7裏面からの熱放射を回収する輻射エネ
ルギー反射装置14をサセプター2内に装着した例で、
これにより輻射エネルギーの節約を計ることができる。
この反射装置の反射面は基板裏面から5mm〜10mm
の位置に配置させ、図9のように基板下面を完全に覆う
形にして基板裏面からの放射をすべて受けられるように
してある。反射面内は金をコーティングしてあり、これ
により基板裏面からの輻射による熱放散をほぼ100%
近く防ぐことができ、エネルギー消費量を40%程度軽
減することができる。なお、その構成は実施例1と同様
である。
【0084】以上説明した実施例においては、装置例と
して、枚葉式CVD装置に本発明を適応したものである
が、本発明の薄膜製造装置に用いた加熱方法は、被加熱
物を加熱する際に、被加熱物以外の部分を加熱すること
なく、被加熱物内の温度分布を均一に制御しながら加熱
することができるので、CVD装置に限ることなく、被
加熱物の加熱を行う装置に適応することが可能である。
【0085】なお、上記実施例2〜7による本発明を適
応した装置を用いた場合の薄膜製造方法は、実施例1で
説明したものと同様であり、薄膜堆積後のサセプタおよ
びチャンバ内のエッチングが不要である。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
少なくとも2つ以上のスポットによって、チャンバー内
の基板のみの加熱がほぼ完全に達成され、基板以外の部
分での温度上昇がなくなるので、基板以外の部分での不
要堆積がなく、消費エネルギー量が減少し、また基板面
上の高精度制御も同時に可能であり、このため熱応力の
発生などによる膜質の劣化が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適応した実施例1の装置構成を説明
するための図面である。
【図2】 基板面の加熱スポットの配置を説明するため
の図面である。
【図3】 本発明の装置によるエピタキシャル成長膜製
造のレシピ図である。
【図4】 従来の装置によるエピタキシャル成長膜製造
のレシピ図である。
【図5】 本発明を適応した実施例2の基板面の加熱ス
ポットの配置を説明するための図面である。
【図6】 本発明を適応した実施例2による加熱スポッ
ト間距離と基板面内温度分布を表すグラフである。
【図7】 本発明を適応した実施例2の基板回転機構を
説明するための図面である。
【図8】 本発明を適応した実施例3の装置構成を説明
するための図面である。
【図9】 本発明を適応した実施例4の装置構成を説明
するための図面である。
【図10】 本発明を適応した実施例5の装置構成を説
明するための図面である。
【図11】 本発明を適応した実施例6の装置構成を説
明するための図面である。
【図12】 本発明を適応した実施例7の装置構成を説
明するための図面である。
【符号の説明】
1…反応チャンバー、 2、12…サセプ
ター(基板支持具)、3…輻射エネルギー光源、
4…加熱手段、5…反応ガス導入部、
6…ガス排気部、7…基板、
8…光源用電源、9…基板温度センサ
ー、 10…輻射エネルギー制御手段、
11…基板回転手段、 13…基板裏
面加熱手段、14…基板裏面輻射エネルギー反射装置、
15…輻射エネルギー透過壁、 16…反射
器、17…補助加熱手段(ハロゲンランプ)、18…加
熱スポット、20…供給ガス、
21…排気ガス。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 29/06 504 D 8216−4G 29/38 B 8216−4G

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応チャンバー(1)内に基板(7)を
    載置し、輻射エネルギー放射光源(3)と前記輻射エネ
    ルギー放射光源(3)の輻射エネルギーを前記基板面で
    スポット状に集光されるように反射する反射器(16)
    とによって前記基板の一つに対して少なくとも二つ以上
    のスポット状に照射して、前記基板(7)を所定の温度
    に加熱せしめ、前記反応チャンバー(1)内に供給され
    る反応ガス中の物質を基板上で反応させて薄膜を製造す
    ることを特徴とする薄膜製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基板(7)を回転させることにより
    前記基板(7)の円周方向に対して均一に加熱すること
    を特徴とする請求項1に記載の薄膜製造方法。
  3. 【請求項3】 前記輻射エネルギー放射光源(3)と前
    記反射器(16)とによる輻射エネルギー照射スポット
    が、前記基板(7)上を基板周縁部から中心までを直線
    状または曲線状に並んだスポット列として照射すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜製造
    方法。
  4. 【請求項4】 反応チャンバー(1)と、反応チャンバ
    ー(1)内に基板(7)を載置する基板支持具(2)
    と、前記基板(7)を加熱する加熱手段(4)と、反応
    チャンバー(1)中へ反応ガスを供給する反応ガス供給
    手段(5)と、処理後のガスを排出するガス排気手段
    (6)よりなる薄膜製造装置において、 前記加熱手段(4)が、前記基板(7)一つに対して少
    なくとも二つ以上のスポット光が照射できるように少な
    くとも二つ以上の輻射エネルギー出力を独立に制御する
    ことができる輻射エネルギー放射光源(3)と、該輻射
    エネルギー放射光源(3)の輻射エネルギーを前記基板
    面でスポット状に集光されるように反射する反射器(1
    6)とからなり、 前記反応チャンバー(1)の少なくとも一部が、前記加
    熱手段(4)からの輻射エネルギーを透過する材料によ
    って形成された輻射エネルギー透過壁(15)からな
    り、 前記反応チャンバー(1)内で処理する前記基板(7)
    の温度を測定するための基板温度測定手段(9)と、該
    基板温度測定手段(9)と連動して前記輻射エネルギー
    放射光源(3)の各々の輻射エネルギー量を独立に制御
    するための信号を出力する輻射エネルギー調整手段(1
    0)と、前記輻射エネルギー制御手段(10)の信号を
    受けて前記輻射エネルギー放射光源(3)に電力を供給
    する光源用電源(8)とを有することを特徴とする薄膜
    製造装置。
  5. 【請求項5】 前記基板(7)を回転させることにより
    前記基板7の円周方向に対して均一に加熱されるように
    する基板(7)を回転させる基板回転手段(11)を有
    することを特徴とする請求項4に記載の薄膜製造装置。
  6. 【請求項6】 前記輻射エネルギー放射光源(3)と前
    記反射器(16)とが、前記基板(7)上に照射される
    輻射エネルギースポットの前記基板(7)上での位置が
    基板周縁部から中心までを直線状または曲線状に照射さ
    れるように配置されることを特徴とする請求項4または
    請求項5に記載の薄膜製造装置。
  7. 【請求項7】 前記加熱手段(4)として、さらに補助
    加熱手段(17)を有することを特徴とする請求項4〜
    6のいずれか1項に記載の薄膜製造装置。
  8. 【請求項8】 前記基板支持具(2)が開放された基板
    裏面に密着または完全に覆い尽くす構造で、かつ内側が
    基板からの輻射エネルギーを反射する材料からなること
    を特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の薄膜
    製造装置。
  9. 【請求項9】 前記輻射エネルギー放射光源(3)と前
    記反射器(16)よりなる前記加熱手段(4)が、前記
    基板(7)を裏面から加熱するように配置され、前記基
    板支持具(12)として前記基板(7)裏面の一部また
    は全部が開放されているか、あるいは前記加熱手段
    (4)からの輻射エネルギーを透過する材料により形成
    されていることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1
    項に記載の薄膜製造装置。
  10. 【請求項10】 前記基板支持具(12)が少なくとも
    波長0.4〜3μmの光に対して透明である材料により
    作られていることを特徴とする請求項9に記載の薄膜製
    造装置。
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