JP4524611B2 - 電気光学装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気光学装置用の基板の表面に、縦型の成膜炉において薄膜を成膜する工程を有する電気光学装置の製造方法に関する。
周知のように、電気光学装置、例えば液晶装置は、ガラス基板、石英基板等からなる2枚の基板間に液晶を封入して構成されており、一方の基板に、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと称す)等のスイッチング素子及び画素電極をマトリクス状に配置し、他方の基板に共通電極を配置して、両基板間に封止した液晶層の光学特性を画像信号に応じて変化させることで、画像表示を可能としている。
また、TFT基板及び対向基板は、例えばガラス又は石英基板上に、所定のパターンを有する薄膜、絶縁性薄膜又は導電性薄膜が積層されることによって構成される。層毎に各種膜の成膜工程とフォトリソグラフィ工程を繰り返すことによって形成されるのである。
この各種膜の成膜工程に、縦型の成膜炉である、例えば減圧化学気相成長(LP−CVD)装置が用いられる。詳しくは、先ず、薄膜の成膜を行う複数のTFT基板または対向基板(以下、単に基板と称す)が、例えば6〜7mm間隔となるよう基板の縦積み用の爪部が複数形成されたボート(BOAT)に1枚ずつ平置きで載置され縦積みされる。
次いで、複数の基板が1枚ずつ平置きで載置され縦積みされたボートが、LP−CVD装置内に搬入される。尚、この際、LP−CVD装置内の雰囲気の温度は、成膜が行われる、例えば500℃よりも低い温度、例えば100℃となっている。
次いで、成膜の際に、基板に既に成膜されている薄膜の表面が酸化されるのを防ぐため、LP−CVD装置内が真空引きにより減圧され、その後、LP−CVD装置内の雰囲気が、例えばLP−CVD装置の外周に配設されたヒータによって、成膜が行われる温度、例えば500℃まで昇温された後、LP−CVD装置内に成膜ガスが導入されて、薄膜の成膜が行われる。
成膜後、LP−CVD装置内の雰囲気が、例えば100℃まで降温された後、大気解放され、複数の基板が縦積みされたボートがLP−CVD装置内から搬出され、複数の基板がボートから抜去される。
このような一連の工程を経て、LP−CVD装置内から搬出された基板に薄膜が成膜される。このような手法により、基板に薄膜を成膜する方法は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2001−210693号公報
上述したように、成膜の際、LP−CVD装置内の雰囲気は、基板が搬入されて減圧された後、LP−CVD装置の外周に配設されたヒータによって成膜が行われる温度まで温められる。よって、LP−CVD装置内に搬入された基板は、該基板の外周から徐々に熱されるため、LP−CVD装置内の雰囲気の昇温中は、搬入された基板の外周と基板の中央とにおいて温度偏差が大きくなる。
温度偏差が大きくなると、昇温中、基板は膨張するため、縦積みされた上段の基板とボートの爪部とが摺動し、前回使用した際に該爪部に付着したままとなっている異物、または上端の基板の載置面に形成された保護用のダミー薄膜が、摺動により落下し、縦積みされた下段の基板表面に異物またはダミー薄膜(以下、まとめてパーティクルと称す)が付着しやすくなって、該下段の基板が電気特性不良となってしまうといった問題があった。
本発明は上記問題点に着目してなされたものであり、その目的は、縦型の成膜炉を用いた場合はもちろん、パーティクルの発生は後の成膜工程に悪影響を及ぼすので、それを解決すること、すなわち基板に薄膜を成膜するに際し、基板と、該基板が縦積みされるボートの爪とが摺動することにより、基板表面にパーティクルが付着するのを低減し、該基板が電気特性不良となることを防止した電気光学装置の製造方法を提供するにある。
上記目的を達成するために本発明に係る電気光学装置の製造方法は、成膜炉内において、基板を保持するための基板保持部材に前記基板を載置して、前記基板に対して薄膜を形成する工程を有する電気光学装置の製造方法であって、前記成膜炉内を真空にする工程と、前記成膜炉内の圧力を規定の圧力まで昇圧する工程と、前記昇圧する工程の後に前記成膜炉内を規定の温度まで昇温する工程と、前記成膜炉内において前記基板の表面に薄膜の成膜を行う工程と、を有することを特徴とする。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、成膜炉内を規定の温度まで昇温する工程の前に、成膜炉内の圧力を規定の圧力まで昇圧することにより、成膜炉内に挿入された基板の中心部と周辺部とで発生する温度偏差が小さくなるため、後に、成膜炉内を規定の温度まで昇温した際、基板が膨張することによって、基板と基板保持部材の係止部材とが摺動し、該係止部材に付着している異物、または基板の載置面に形成された保護用のダミー薄膜が、摺動により基板表面に付着する(付着するものを以下、パーティクルと称す)ことを低減でき、該基板が電気特性不良となることを防止することができるという効果を有する。
また、前記基板は、表示領域に複数のスイッチング素子及び画素電極が形成された素子基板と、該素子基板に対向配置する対向基板との間に電気光学物質を挟持してなる電気光学装置における、前記素子基板と前記対向基板との少なくとも一方を構成する基板であることを特徴とする。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、成膜炉内を規定の温度まで昇温する工程の前に、成膜炉内の圧力を規定の圧力まで昇圧することにより、後に成膜炉内を規定の温度まで昇温した際、素子基板と前記対向基板との少なくとも一方の基板を構成する基板が膨張することによって、前記基板と基板保持部材の係止部材とが摺動し、摺動によりパーティクルが、前記基板表面に付着することを低減でき、該基板が電気特性不良となることを防止することができるという効果を有する。
さらに、前記成膜炉内を規定の温度まで昇温する工程は、前記成膜炉の外周に設けられた加熱手段により行われることを特徴とする。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、成膜炉内を前記成膜炉の外周に設けられた加熱手段を用いて規定の温度まで昇温した際、成膜炉内に挿入された基板の周辺部は、基板の中心部よりも温度上昇が早いため、基板の中心部と周辺部とで温度偏差が生じるが、成膜炉内を規定の温度まで昇温する工程の前に、成膜炉内の圧力を規定の圧力まで昇圧することにより、温度偏差が小さくなるため、基板が膨張することによって、基板と基板保持部材の係止部材とが摺動し、摺動によりパーティクルが、基板表面に付着することを低減でき、該基板が電気特性不良となることを防止することができるという効果を有する。
また、前記成膜炉内の圧力を規定の圧力まで昇圧する工程は、前記成膜炉内に不活性ガスを導入することにより行われることを特徴とする。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、前記成膜炉内の圧力を規定の圧力まで昇圧する際、成膜炉内に挿入された前記基板表面の損傷を防止することができるという効果を有する。
さらに、前記不活性ガスは、前記基板の表面に薄膜の成膜を行う工程に用いられるガスであることを特徴とする。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、前記成膜炉内の圧力を規定の圧力まで昇圧する際、前記基板の表面に成膜を行う工程に用いられる不活性ガスが用いられるため、別途、不活性ガスを用意することがないので、低コストにて、前記成膜炉内の圧力を規定の圧力まで昇圧することができるという効果を有する。
また、前記不活性ガスは、窒素ガスであることを特徴とする。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、前記成膜炉内の圧力を規定の圧力まで昇圧する際、窒素ガスが用いられるため、前記基板表面の酸化を防止することができるという効果を有する。
さらに、前記規定の圧力は、300Torr以上であることを特徴とする。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、前記成膜炉内の圧力を300Torr以上の圧力まで昇圧することにより、昇温後、成膜炉内に挿入された基板の中心部と周辺部とで発生する温度偏差が小さくなり、基板が膨張することによって、基板と基板保持部材の係止部材とが摺動し、摺動によりパーティクルが、基板表面に付着することを低減でき、該基板が電気特性不良となることを防止することができるという効果を有する。
以下、図面を参照にして本発明の実施の形態を説明する。尚、本実施の形態においては、電気光学装置は、素子基板(以下、TFT基板と称す)と、TFT基板に対向する基板(以下、対向基板と称す)と、前記TFT基板と前記対向基板との間に挟持される電気光学物質である液晶とを有する液晶装置を例に挙げて説明する。よって、電気光学装置用基板は、液晶装置用基板であり、前記TFT基板と前記対向基板とのいずれかを例に挙げて説明する。
先ず、本実施の形態の製造方法によって製造される液晶装置の全体の構成について説明する。
図1は、液晶装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図、図2は、図1中のII−II線に沿う断面図である。
同図に示すように、液晶装置1は、例えば、石英基板、ガラス基板、シリコン基板を用いたTFT基板10と、これに対向配置される、例えばガラス基板や石英基板を用いた対向基板20との間に液晶50が封入されて構成される。対向配置されたTFT基板10と対向基板20とは、シール材52によって貼り合わされている。
TFT基板10の表面10aに、画素を構成する画素電極(ITO)9a及び図示しないスイッチング素子等がマトリクス状に配置される。また、対向基板20の表面20aの全面に、対向電極(ITO)21が設けられる。
TFT基板10の画素電極9a上に、ラビング処理が施された配向膜16が設けられている。一方、対向基板20上の全面に渡って形成された対向電極21上にも、ラビング処理が施された配向膜22が設けられている。各配向膜16,22は、例えば、ポリイミド膜等の透明な有機膜からなる。
対向基板20に、表示領域40を区画する額縁としての遮光膜53が設けられている。また、遮光膜53の外側の領域に、液晶を封入するシール材52が、TFT基板10と対向基板20間に形成されている。シール材52は対向基板20の輪郭形状に略一致するように配置され、TFT基板10と対向基板20とを相互に固着する。
シール材52は、TFT基板10の1辺の一部において欠落しており、その結果、液晶50を注入するための液晶注入口108が形成されている。貼り合わされたTFT基板10及び対向基板20相互の間隙に、液晶注入口108より液晶50が注入される。液晶50の注入後に、液晶注入口108が封止材109で封止されるようになっている。
シール材52の外側の領域に、TFT基板10の図示しないデータ線に画像信号を所定のタイミングで供給することにより前記データ線を駆動するデータ線駆動回路101及び外部回路との接続のための外部接続端子102がTFT基板10の一辺に沿って設けられている。
この一辺に隣接する二辺に沿って、TFT基板10の図示しない走査線及びゲート電極に走査信号を所定のタイミングで供給することにより前記ゲート電極を駆動する走査線駆動回路104が設けられている。
走査線駆動回路104は、シール材52の内側の遮光膜53に対向する位置においてTFT基板10上に形成される。また、TFT基板10上に、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、外部接続端子102及び上下導通端子107を接続する配線105が、遮光膜53の3辺に対向して設けられている。
上下導通端子107は、シール材52のコーナ部の4箇所のTFT基板10上に形成される。そして、TFT基板10と対向基板20相互間に、下端が上下導通端子107に接触し、上端が対向電極21に接触する上下導通材106が設けられており、上下導通材106によって、TFT基板10と対向基板20との間で電気的な導通がとられている。
続いて、図3を参照して、液晶装置1を製造するに際し用いられる装置、詳しくは、液晶装置に用いる基板の表面に、薄膜を成膜する縦型の成膜炉であるLP−CVD装置の構成について説明する。なお、本発明は縦型の成膜炉において最も効果が大きいため、実施例では縦型の炉について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば横型の炉においても同様の効果を奏するものである。
図3は、LP−CVD装置の構成の概略を示す図、図4は、図3中のボートが待機状態にある場合のLP−CVD装置の構成の概略を示す図、図5は、図4のボートと基板との係止状態を示す拡大図である。
尚、以下、基板は、TFT基板10を構成する基板、具体的には、TFT基板10を切り出す前の大型基板100を例に挙げて説明する。
図3、図4に示すように、LP−CVD装置150は、石英から形成された炉本体151を有している。また、炉本体151の内部151iに、成膜ガス及び後述する不活性ガス等を供給するガス管156が連通されていると共に、内部151iの雰囲気を炉本体151外に排気する排気口157が開口され、この排気口157の下流側に、炉本体151の内部151iを、真空引きするための図示しない減圧ポンプが連通されている。
炉本体151の内部151iの雰囲気は、大型基板100に成膜処理を行う場合は、その外周に配設された加熱手段であるヒータ152で規定の温度、例えば500℃に保持され、内部151iに、炉本体151の外部からガス管156を介して成膜ガスが供給される。尚、成膜処理の際には、炉本体151の内部151iは、上記減圧ポンプにより真空引きされる。
また、炉本体151の下端の開口153は、大型基板100の挿入/排出口となっている。炉本体151の下端開口153を開閉するボートベース154に、複数の大型基板100を、縦積みにて載置する基板保持部材である石英製のボート200が立設されている。
ボート200は、例えば四本の柱で形成されており、図5に示すように、各柱に、大型基板100を載置するための縦積み用の係止部材である爪部200aが所定間隔、例えば6〜7mm間隔で複数形成されている。よって、ボート200は、爪部200aにより、複数枚、例えば120枚の大型基板100を平置きで載置することにより縦積み(以下、チャージと称す)することが可能であり、120枚縦積みされた大型基板100に対し、一括して成膜処理が行われる。
また、図3、図4に示すように、ボート200は、ボートベース154の昇降動作により、炉本体151の内外へ導かれる(ロード/アンロード)。そして、図3に示すように、ボートベース154の上昇端において、炉本体151の下端の開口153が密閉される。
次に、このような構成のLP−CVD装置を用いて、液晶装置の製造方法、詳しくは大型基板100の表面10aに対して薄膜を成膜する工程について、図6に示すフローチャートに従って説明する。
図6は、本発明の一実施の形態を示す基板への薄膜の成膜方法を示すフローチャート、図7は、膨張前後の図3の基板の状態を示す平面図、図8は、図3の炉本体内部を減圧する際の圧力とパーティクル発生との関係を示したグラフ、図9は、パーティクルの発生原理の概略を示す図、図10は、パーティクルが付着した状態のTFT基板を構成する大型基板の正面図、図11は、温度偏差によるパーティクルの発生量を調べた図表である。
尚、薄膜の成膜工程以外の工程は、周知であるためその説明は省略する。
図4に示すように、待機状態にあるボートベース154は、ヒータ152からの輻射熱の影響を受け難い位置まで下降されている。
この状態で、先ず、ステップS1では、大型基板100を搬送し、LP−CVD装置150で所定枚数の大型基板100を一度に成膜処理するため、待機状態にあるボートベース154に立設されているボート200に対し、4本の柱に各々形成された爪部200aに所定枚数の大型基板100を平置きで載置して、大型基板100をチャージする。
ステップS2では、所定枚数の大型基板100をボート200にチャージした後、ボート200を上昇させて、図3に示すように、ボート200を炉本体151に挿入し、密閉する。尚、このボート200の炉本体151の内部151iへの挿入は、内部151iの雰囲気が、成膜の際の温度(500℃)よりも低温、例えば100℃のときに行われる。
ステップS3では、大型基板100に既に成膜されている薄膜の表面の酸化を防止するため、炉本体151の内部151iの真空引きを行う。具体的には、炉本体151の内部151iを、排気口157の下流側に接続された上記減圧ポンプにより、減圧することにより、排気口157から内部151iの雰囲気を排気する。尚、この真空引きは、内部151iの圧力が、0Torrとなるまで行われる。
ステップS4では、炉本体151の内部151iに、大型基板100に既に成膜されている薄膜の表面を酸化させない不活性ガス、具体的には、N2(窒素)ガスを、ガス管156を介して導入し、内部151iの圧力を規定の圧力、具体的には、300Torr以上にする。尚、該不活性ガスは、N2ガスに限定されない。
また、内部151iの圧力を昇圧する不活性ガスは、LP−CVD装置150において成膜の際に用いるガスでも良い。このことによれば、炉本体151の内部151iを昇圧する際、別途、不活性ガスを用意する必要がないので、低コストにて、内部151iの圧力を300Torr以上に昇圧することができる。
ステップS5では、炉本体151の内部151iの雰囲気を、薄膜の成膜に必要な温度、例えば500℃となるよう、炉本体151の外周に設けられたヒータ152により昇温する。
尚、この際、ヒータ152は、炉本体151の外周に設けられているため、炉本体151の内部151iに配設された大型基板100は、該大型基板100の周辺部から中央部へと順に温められる。よって、図7に示すように、大型基板100の表面の周辺部の温度TPと、大型基板100の中央部の温度TCとには、温度偏差ΔTが発生する。
炉本体151の内部151iの雰囲気を昇温すると、図7に示すように、大型基板100は、実線に示す位置から、2点破線に示す位置に膨張する。この際、図8に示すように、内部151iの圧力が、300Torr以下であると、図9に示すように、ボート200にチャージした上側の大型基板100(100u)の膨張により、大型基板100の載置面と爪部200aの載置面とが摺動し、該大型基板100の載置面と爪部200aの載置面との間に、大きな摩擦が発生する。
その後、前回、LP−CVD装置150を使用した際、ボート200の爪部200aに付着した異物(パーティクル)、または大型基板100の載置面に形成された保護用のダミー薄膜(パーティクル)Pの膜が上記摩擦により剥離する。
その結果、図10に示すように、ボート200にチャージした下側の大型基板100(100d)の表面であって爪部200aに対応する位置に、パーティクルPが付着してしまうことが実験により確認されている。
尚、このことは、大型基板100の周辺部の温度TPと中央部の温度TCとの温度偏差ΔTが大きい程、顕著であることも確認されており、炉本体151の内部151iの圧力が低い、即ち高真空である程、上記温度偏差ΔTは大きくなる。
具体的には、図11に示すように、炉本体151の内部151iの圧力が0Torrであって、大型基板100の表面の温度偏差ΔTが大のときは、1.0μm(マイクロメートル)以上のパーティクルPが、下側の大型基板100(100d)の表面10aに、約180個も付着してしまうことが確認されている。
また、炉本体151の内部151iの圧力が7.6Torrであって、大型基板100の表面10aの温度偏差ΔTが中のときであっても、1.0μm(マイクロメートル)以上のパーティクルPが、下側の大型基板100(100d)の表面10aに、約60個程度付着してしまうことも確認されている。
大型基板100の表面にパーティクルPが付着してしまうと、例えば薄膜が、導電性の薄膜である場合、パーティクルPが付着した大型基板100から切り出されるTFT基板10が電気特性不良となってしまう場合がある。
しかしながら、本実施の形態においては、上述したステップS4において、炉本体151の内部151iに、昇温の前にN2を導入し、炉内圧力を300Torr以上に昇圧してから、内部151iの雰囲気の昇温を行うようにした。
このことにより、図7に示すように、大型基板100が、実線に示す位置から、2点破線に示す位置に膨張したとしても、大型基板100の周辺部の温度TPと大型基板100の中央部の温度TCとの温度偏差ΔTは小さくなるため、図8に示すように、ボート200にチャージされた下側の大型基板100(100d)の表面に付着するパーティクルPの量を低減することができる。
具体的には、図11に示すように、炉本体151の内部151iの圧力が300Torrであって、大型基板100の表面10aの温度偏差ΔTが小のときは、1.0μm(マイクロメートル)以上のパーティクルPが、下側の大型基板100(100d)の表面に、約20個程度のみ付着することが確認されている。
また、炉本体151の内部151iの圧力が760Torrであって、大型基板100の表面10aの温度偏差ΔTが極小のときは、1.0μm(マイクロメートル)以上のパーティクルPが、下側の大型基板100(100d)の表面に、約10個しか付着しないことも確認されている。
よって、上述したように、炉本体151の内部151iの圧力が0Torrの場合、パーティクルPが基板表面に約180個付着していたことと比べると、炉本体151の内部151iの圧力を300Torr以上に昇圧すると、大型基板100(100d)の表面に付着するパーティクルPの量を低減することができる。
図7に戻って、炉本体151の内部151iの雰囲気が、ヒータ152により500℃まで昇温された後、ステップS6では、大型基板100に既に成膜されている薄膜の表面の酸化を防止するため、炉本体151の内部151iの真空引きを再度行う。
ステップS7では、炉本体151の内部151iに、ガス管156を介して成膜ガスを導入し、化学反応により大型基板100の表面10aに薄膜を成膜する。続くステップS8では、サイクルパージ処理により炉本体151の内部151iの反応ガスを排気口157から排気することにより、内部151iの圧力を、例えば300Torr以下に降圧する。
ステップS9では、炉本体151の内部151iの雰囲気の温度を、例えば100℃以下に降温し、その後、ステップS10において、炉本体151の内部151iを大気開放する。
ステップS11では、炉本体151の内部151iから、図4に示すように、ボート2を下降させて、該ボート200を内部151iから取り出した後、ステップS12において、ボート2をしばらく放置して、大型基板100を冷却し、最後に、ステップS13において、大型基板100をボート2から取り出して(ディスチャージ)、次工程へ搬送する。このようにして、大型基板100に薄膜は成膜されるのである。
本発明の一実施の形態を示す薄膜の成膜工程においては、成膜を行うLP−CVD装置150の炉本体151の内部151iの雰囲気を、成膜に必要な規定の温度に昇温する前に、内部151i内の圧力を300Torr以上に昇圧するようにした。
このことにより、昇温の際、大型基板100が膨張したとしても、大型基板100の周辺部の温度TPと大型基板100の中央部の温度TCとの温度偏差ΔTは小さくなるため、図8に示すように、ボート200にチャージされた下側の大型基板100(100d)の表面に付着する、大型基板100の載置面と爪部200aの載置面との摩擦により発生するパーティクルPの量を低減することができる。よって、パーティクルPが付着した大型基板100から切り出されるTFT基板10が電気特性不良となってしまうことを防止することができる。
また、炉本体151の内部151iの昇圧を、該内部151iにN2を導入することで行うことにより、高温下におけるO2雰囲気による大型基板100に既に成膜されている薄膜の表面の酸化を防止することができる。
以下、変形例を示す。本実施の形態においては、LP−CVD装置を用いた基板への薄膜の成膜は、TFT基板10を構成する大型基板100に薄膜を成膜する例を挙げて示したが、これに限らず、本実施の形態は、対向基板20を構成する大型基板に薄膜を成膜する場合に用いても、本実施の形態と同様の効果を得ることができることは云うまでもない。
また、本実施の形態においては、基板100は、大型であると示したが、これに限らず、大きさはどのようなものであっても本実施の形態が適用可能であることは勿論である。
本発明の製造方法によって、薄膜が成膜される基板は、液晶装置1に限らず、一般に電気光学装置に適用できる。例を挙げると、エレクトロルミネッセンス装置、特に、有機エレクトロルミネッセンス装置、無機エレクトロルミネッセンス装置等や、プラズマディスプレイ装置、FED(Field Emission Display)装置、SED(Surface-Conduction Electron-Emitter Display)装置、LED(発光ダイオード)表示装置、電気泳動表示装置、薄型のブラウン管または液晶シャッター等を用いた小型テレビを用いた装置などに適用できる。
液晶装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図。 図1中のII−II線に沿う断面図。 LP−CVD装置の構成の概略を示す図。 図3中のボートが待機状態にある場合のLP−CVD装置の構成の概略を示す図。 図4のボートと基板との係止状態を示す拡大図。 本発明の一実施の形態を示す基板への薄膜の成膜方法を示すフローチャート。 膨張前後の図3の基板の状態を示す平面図。 図3の炉本体の内部を減圧する際の圧力とパーティクル発生との関係を示したグラフ。 パーティクルの発生原理の概略を示す図。 パーティクルが付着した状態のTFT基板を構成する大型基板の正面図。 温度偏差によるパーティクルの発生量を調べた図表。
符号の説明
1…液晶装置、9a…画素電極、10…TFT基板、20…対向基板、50…液晶、152…ヒータ、100…大型基板、150…LP−CVD装置、200…ボート、200a…爪部。

Claims (3)

  1. 成膜炉内において、基板を保持する基板保持部材に前記基板を載置して、減圧化学気相成長法を用いて前記基板に対して薄膜を形成する工程を有する電気光学装置の製造方法であって、
    前記基板への成膜工程の前工程として、
    前記成膜炉内を真空にする工程と、
    前記成膜炉内に前記薄膜の形成工程に用いる不活性ガスを導入することで該成膜炉内の圧力を300Torr以上に昇圧する工程と、
    前記昇圧する工程の後に前記成膜炉内を該成膜炉の外周に設けられた加熱手段により規定の温度まで昇温する工程と、
    前記昇温工程の後に前記成膜炉内を再度真空にする工程と、
    を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 前記基板は、表示領域に複数のスイッチング素子及び画素電極が形成された素子基板と、該素子基板に対向配置する対向基板との間に電気光学物質を挟持してなる電気光学装置における、前記素子基板と前記対向基板との少なくとも一方の基板を構成する基板であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
  3. 前記不活性ガスは、窒素ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置の製造方法。
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