本発明は、口腔内における歯牙のう蝕状況、欠損部、亀裂、病変部や、歯石或いは歯垢の付着状況、根管部、歯肉、頬、舌の病変部等の診断、或いは、耳鼻科領域の診断、直腸の腫瘍等の診断を行うのに用いる診断用撮影器に係るものである。詳しくは、歯等の診断対象物の表面状況だけでなく、表面に近い内部の状況もある程度診断できるようにする技術に関するものである。また、医師のみの使用に限られるものではなく、家庭においても、歯の外観の確認やう蝕、歯石や歯垢の付着状況の確認に使用可能な家庭用の診断用撮影器としても好適である。
例えば、口腔内を診断する為の診断用撮影器としては、口の中に入れて操作する必要があることから、撮像手段部分がコンパクトに構成されていることが必要である。即ち、従来から、このような診断用撮影器は、手指で持って支持する本体の先端部に、診断対象に光を照射する光源やCCD撮像手段等を、極めて小型に纏めて配置構成してあり、例えば、特許文献1〜3において示された構造のものが知られている。
特開平11−047092号公報
特公平06−073531号公報
特開平09−189659号公報
前記特許文献1に記載の従来技術による口腔内撮影装置は、全体として細長く、かつ、先端部を細い形状に構成することにより、口腔内に挿入し易いとともに、白色LEDを照明光とすることで口腔内を明るく照明しながら撮影することができるものであり、狭い口腔内において希望とする箇所の撮影を容易に行える利点を有している。
しかしながら、かかる口腔内撮影装置では、歯や口腔内の表面状況が可視光(約380〜760nmの波長)照射下の状態で撮影できるに止まるものであって、表層内部の状況や歯牙のう蝕、歯石の付着状況まで的確に把握できるものではなかった。故に、目に見えない歯牙など生体組織の表層内部のう蝕、欠損、ひび、歯石の付着状況を知るためには、従来はレントゲン撮影を行うほかなく、レントゲン撮影ではX線被爆のおそれがあった。
前記特許文献2に記載の従来技術は、360〜580nmの励起光を歯に照射し、う蝕部分から発せられる620nmの蛍光を検出する装置であるが、下記(a)〜(c)のような問題点があった。即ち、(a)歯に光を照射するための光線ガイドが必要である。(b)特定の部位がう蝕か健全かの判断はできるが、特定波長の励起光を照射させた際の検出情報しか得られないので、う蝕部分の状況把握までには至らず、患者の説明用としては使えない。別言すれば、局部的なう蝕部位の検出であって、歯牙の全体像における相対的なう蝕の状況を判断することができるような画像情報は得ることができなかった。(c)可視光画像と励起光画像等の複数の画像を用いた画像処理は行うことができない。
前記特許文献3に記載の従来技術は、600〜670nmの励起光を用いて、670〜800nmの蛍光を検出して虫歯、歯垢、バクテリアの感染等を検出する診断機器を開示している。このものでは、前記(b)、(c)の問題点に加えて、下記(d)、(e)のような欠点もあった。即ち、(d)可視光、赤外線、紫外線等の各種の照射光を1台の機器で照射することはできず、当然ながら同時に複数の照射光を照射することができないとともに、時分割して異なる照射光の照射も不可である。(e)ヘッド内に照射部、フィルタ、画像入力部等の主要な機構を集約配置してコンパクトにまとめる、という技術思想の示唆もない。また、上記従来の診断器は、総じて、室内照明や、太陽光等の外乱光の影響を受け易く、鮮明な診断画像情報が得難いと言う点も指摘されていた。更に、前記特許文献1乃至3は、同一場所の撮影を同一の位置、角度から撮影する規格撮影が行えなかった。また、これらの先行技術では異なる波長の照射光を用いての規格撮影も行えなかった。
以上のように、いずれの従来技術のものでも改善の余地が多く残されているものであり、X線被爆が無く取扱いが簡単で、かつ、タイムリーに歯等の内部状況を把握して診断できる機器が望まれていた。そこで、本発明の目的は、上記に鑑みなされたものであり、口腔内等の狭い箇所に存在する診断対象の撮影に好適であり、かつ、歯牙表面の歯石や歯垢等付着状況だけでなく、診断対象の表層に近い部分の内部のう蝕の状況も鮮明な画像情報として認知することが可能で、更には外乱光の影響を受け難い診断用撮影器を、X線被爆の無いコンパクトで扱い易いものとして提供する点にある。
請求項1の発明に係る診断用撮影器は、手指によって支持自在な本体と、励起光、赤外光、紫外光及び白色光のうちの一つ以上の光を照射する照射手段と、前記本体の先側部分に装備される撮像手段とを備え、前記撮像手段は、前記照射手段からの光が診断対象に照射されたときに、当該診断対象から発する光を受光して、所定の診断画像情報を出力するものであって、固体撮像素子と、該固体撮像素子に対して診断対象の光学画像を結像させるための光学手段とよりなり、前記先側部分における照射光の出光及び診断対象からの光の入光用の光出入口部には、外部からの光の侵入を阻止するための遮光部材が装着され、前記照射手段及び前記遮光部材が、組み合わさり且つこれらが一体関係で、前記光出入口部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。ここでの固体撮像素子は、CCDやMOS或いはこれらと同等のものを意味する。また、ここでの「外部からの光の侵入を阻止」は、全ての外部光の進入の阻止はもとより、照射手段の照射に基づく診断対象からの診断画像情報に影響を及ぼさない程度に外部光の進入を阻止することも含む概念を意味する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の診断用撮影器において、特定波長域の光のみを通過させる受光用フィルタを、前記撮像手段の受光部に近接させて設けたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の診断用撮影器において、前記先側部分は、該先側部分の一部をなし且つ前記光出入口部を含む着脱自在なアタッチメントを備え、該アタッチメントには前記光学手段又は照射手段が取付けられていることを特徴とする。ここでの光学手段は、請求項4の発明のように、受光用フィルタであることが望ましい。
そして、前記照射手段としては、請求項5の発明のように、LED、レーザ発振器及びハロゲンランプのいずれかからなるものとし、或いは、請求項6の発明のように、前記LED及びレーザ発振器が、発する光の波長を切換えることができるものであるとすること、更には、請求項7の発明のように、発光部と、該発光部に近接配置され、該発光部から発光される光の内の特定波長域の光のみを通過させる照射用フィルタとよりなるものとすることが可能である。ここでの、レーザ発振器としては、半導体レーザ或いは固体レーザが含まれる。また、単波長の光を発するLEDやレーザ発振器、或いは請求項6の発明のようにLED又はレーザ発振器自体が、発する光の波長を切換える機能を備えたものである場合は、特定波長域の光のみを通過させる照射用フィルタを設けることを要しない。
請求項8の発明は、上記光学手段は、照射手段からの光が診断対象に照射されたときに、当該診断対象から発する光の光路を変更する光路変更手段(例えば、ミラー或いはプリズム)を含むものとし、更に、上記先側部分が、請求項9の発明のように、前記光路変更手段を含むヘッド部と前記固体撮像素子を含む基部とに分離可能とされているものとすることもできる。
請求項10の発明では、上記ヘッド部側には前記照射手段が設けられ、前記先側部分における分離可能な機能は、ヘッド部と基部とを相互に着脱自在とする結合手段によりなされ、該結合手段には、前記照射手段に給電する為の電気接合部が介在されていることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の診断用撮影器において、前記先側部分が、前記本体に対して着脱自在に形成されていることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載の診断用撮影器において、前記光学手段が、単独で、または前記照射手段及び前記遮光部材と組み合わさり且つこれらが一体関係で、前記光出入口部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。ここでの一体関係とは、光出入口部に対し、上記照射手段、光学手段、及び遮光部材の2つ以上が適宜組み合わさって一体的に着脱されるが、これらが相互に分離可能である場合も含む概念を意味する。
そして、前記遮光部材としては以下のように構成されたものが望ましく採用される。即ち、請求項13の発明では、前記遮光部材が、ゴム等の軟弾性筒状部材からなることを特徴とする。ここでの筒状の形状は、取付基端部が前記光出入口部と同形状であってそのまま光軸方向に沿って直状に形成されたもの、或いは先行拡径状に形成されたもの、更には、先行縮径状に形成されたものが含まれる。
請求項14の発明では、前記遮光部材が、非透光性部材からなることを特徴とし、請求項15の発明では、その内壁面が、光反射面とされていることを特徴とする。そして、この光反射面は、請求項16の発明のように、鏡面仕上げ処理により形成されたものとすることができる。
請求項17の発明は、請求項1乃至16のいずれかに記載の診断用撮影器において、前記照射手段を、前記撮像手段の受光部を中心としてその周囲に複数配備したことを特徴とする。また、請求項18の発明は、請求項1乃至17のいずれかに記載の診断用撮影器において、前記照射手段は、互いに異なる波長の光を発する複数の発光部を含み、これら複数の発光部のうちからいずれか一つ又は複数の発光部を選択的に照射駆動させるための照射駆動手段を設けたことを特徴とする。この、照射駆動手段は、請求項19の発明のように、前記複数の発光部を選択的に発光させる照射駆動を時分割制御によって行うように構成されているものとすることができる。
請求項20の発明は、請求項1乃至19のいずれかに記載の診断用撮影器において、前記本体、制御ボックス、又はフートペダルに、前記撮像手段によって撮像された診断画像情報を静止画像として記録・保存するための画像記憶手段を設けたことを特徴とする。そして、前記照射駆動手段は、請求項21の発明のように、前記本体、制御ボックス、又はフートペダルに装備された光源選択スイッチを含むものとすることができる。更に、前記画像記憶手段は、請求項22の発明のように、撮影スイッチの操作によって、予め特定された時間シーケンスを実行させて、波長が異なる照射光を選択的に照射させる毎に、前記撮像手段によって撮像された診断画像をメモリに順次記憶保持させる自動撮影制御手段を備えているものとすることができる。
請求項23の発明は、請求項1乃至22のいずれかに記載の診断用撮影器において、前記本体内部に電源及び無線送信機を備え、撮像手段による診断画像情報を外部の受信装置にコードレスで送信し得るようにしたことを特徴とする。
請求項24の発明は、請求項1乃至23のいずれかに記載の診断用撮影器において、前記照射手段が、光重合樹脂の硬化に適した波長の光を発する発光部を含むことを特徴とする。
請求項25の発明は、請求項2乃至24のいずれかに記載の診断用撮影器において、前記照射手段から照射される光の波長が、400±30nmであり、且つ、撮像手段の受光部に近接させて設けられる前記フィルタは、430nm以上の波長の光のみを通過させるものであることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、照射手段の照射に基づき診断対象より発する反射光及び/又は励起光によって発生する蛍光を撮像手段で受光して、所定の診断画像情報を得ることができるから、歯表面の傷、表面及び内部のう蝕、歯石、歯垢、歯肉の状況を即座に簡単、便利に知ることができ、コンパクトな診断撮影器としながら的確な診断を下すことができる。そして、撮像手段として、固体撮像素子(CCDやMOS)と、この固体撮像素子に対して診断対象の光学画像を結像させるための光学手段を採用することにより、良好な撮像画像情報をローコストで、しかも、迅速に取得することができる。また、小型でローコスト、取扱い易い便利なものとして提供することができ、更に、小型、安価、安全に製品化できるので、機能を限定した仕様は家庭用として最適である。
また、前記先側部分における照射光の出光及び診断対象からの光の入光用の光出入口部には、外部からの光の侵入を阻止するための遮光部材が装着されているから、この遮光部材を診断対象部位に近接若しくは当接させて使用することにより、室内照明や太陽光等の所謂外乱光の影響が回避され、撮像手段による診断画像情報が極めて鮮明なものとなる。特に、励起光の照射による診断対象からの微弱な蛍光画像も、識別できるようになるから、例えば、歯牙の初期う蝕の診断にも有効となる。更に、遮光部材を診断対象部位にあてがうように用いれば、その位置決めができ、より精度の高い診断画像情報が得られる。また、照射手段及び遮光部材が、組み合わさり且つこれらが一体関係で、前記光出入口部に着脱自在に取り付けられているから、これらの適宜選択的装着により、診断目的に応じた多様な診断画像情報が得られ、或いは消毒・滅菌等の装置のメンテナンスにも極めて便利である。そして、本請求項の1態様として、LED等の照射手段が光入出口部に対して着脱自在に取り付けられている場合、照射手段をライトガイド等を用いずに直接本体の先側部分においてコンパクトに纏めて配置できるとともに、光の余分な拡散を極力減らすことができ、また、照明ムラを極力減らすことも可能で、効率良く作動できる診断用撮影器を提供することができる。更に、発光特性の異なる照射手段を適宜選択装着することにより、診断対象の状態或いは診断目的に応じた適正な診断画像情報が得られる。更に、遮光部材を光入出口部に対して着脱自在に取り付けられているから、遮光部材の消毒・清掃等のメンテナンスに便利であり、しかも、遮光部材と照射手段とが一体関係で光入出口部に対して着脱自在とされているから、遮光部材の着脱交換作業と同時に照射手段も適正なものに変更することができ、診断画像情報の取得作業の効率化が図られる。
更に、照射手段が、励起光、赤外光、紫外光及び白色光のうちの一つ以上の光を照射することができるものとしているから、特定波長の光と白色光とを同時に照射することも可能である上に、照射手段により白色光のみを照射し、その反射光を受光フィルタを通さず或いは可視光のみを通過させるガラスを受光フィルタとして用いて受光することにより診断対象の可視光画像が得られ、一方、特定波長の光を選択的に照射すれば、診断対象の波長特性に応じた画像(蛍光画像等)が得られる。これによって、可視光画像と蛍光画像等の画像とを比較したり、または可視光画像と蛍光画像等の画像を重ねて表示させて、病変部が可視光画像でどのあたりにあるかを見易くし、また患者にも示し易くして、患者との意思疎通を図りながら的確な診断が行える画像情報を取得することもできる。
尚、撮像手段は、例えば300〜800nmの波長の光を撮影できる広分光特性を持ったものであれば、蛍光領域の撮影も可能であり、紫外光から可視光を含め赤外光まで幅広く撮影できることは言うまでもない。勿論、特殊な蛍光の検出が必要な場合は、撮像手段として上記波長範囲よりも広い専用の広分光特性を持ったものを選択すればよい。
請求項2の発明によれば、診断対象からの一般的な反射光や特定波長域の蛍光を受光用フィルタに通して撮像手段に導くことができるから、励起光を確実にカットして診断用として有用な鮮明な画像が得られる。特に、照射手段からの照射光が励起光の場合、この励起光が撮像手段に直接入光すると、診断対象からの蛍光画像に大きく影響する為、受光用フィルタにより通過する光の波長の適宜設定により、このような励起光を遮断するようにすれば、診断用の有用な画像情報がより的確に得られる。しかも、撮像手段の近く、即ち、撮像手段に向かう必要部分の光路に合わせた大きさの受光用フィルタで済み、受光用フィルタをコンパクトに構成できるとともに、当然ながら機構としても簡単になる利点がある。
請求項3或いは4の発明によれば、先側部分の一部をなし且つ前記光出入口部を含む着脱自在なアタッチメントを複数準備し、各アタッチメントに波長特性や発光特性の異なる各種受光用フィルタや照射手段を取付けておき、これらアタッチメントを適宜選択的に着脱使用することにより、診断対象の状態や診断目的に応じた適正な受光用フィルタ或いは照射手段を充当させることができ、多面的な診断画像情報の取得が簡易になされる。
請求項5の発明によれば、各種発光部の任意選択により、歯等の診断対象の蛍光画像や、紫外光画像、赤外光画像等が得られるので、診断対象の状態に応じた適正な診断画像が得られる。LEDは、小型、軽量、ローパワーであるから、先端部に簡単に取付けられると共に、安価にして必要な波長特性のLEDを選択使用できる。一方、レーザ発振器は、光度が強力であるから、鮮明な蛍光画像が得られる。
請求項6の発明によれば、照射光の波長を切換えることができるLED(発光ダイオード)又はレーザ発振器を用いるので、多数の異なる照射手段を用いなくても良くなり、1種類又は最低限の種類の照射手段の配置で済み、また特定波長の光のみを通す照射用のフィルタを特に必要としないことになり、これにより診断用撮影器の小型軽量化及び操作性が向上する。
請求項7の発明によれば、発光部の近く、即ち、照射光の広がり方がまだ少ない箇所に照射用フィルタを配置してあるので、照射用フィルタをコンパクトに構成できるとともに、この照射用フィルタを通して診断対称に適した波長の照射光を確実に照射させることができる。また、所望する波長の光だけが照射されるので、必要となる情報のみを得ることができ、得られた検出情報から不要な部分をカットする処理回路が不要になる。この為に、紫外光から可視光を含めて赤外光まで幅広い波長を持つハロゲンランプ等の光源を照射手段として使用することができる。
請求項8、9の発明によれば、先側部分が、光路変更手段を含むヘッド部と前記固体撮像素子を含む基部とに分離可能とされているから、ヘッド部の清掃・メンテナンスに便利であり、このヘッド部側に、請求項10の発明のように照射手段を設け、上記結合手段にこの照射手段に給電する為の電気接合部を介在させるようにすれば、異なる種類の照射手段を備えたヘッド部を適宜取替え使用することが簡易になされ、且つ診断対象の状態に応じた様々な診断画像情報を得ることができる。ここでの診断画像情報は、白色光の照射に基づく診断対象部位からの反射光による可視画像、励起光の照射に基づく診断対象部位からの蛍光による蛍光画像或いは赤外光の照射に基づく診断対象部位からの反射による赤外線画像等であって、ヘッド部を適宜取替え使用することによって得られるこれらの診断画像情報は、診断対象を診断する上で極めて有用な情報として活用され得るものである。
更に、固体撮像素子に光学画像を結像させる光学手段として、先側部分のヘッド部に配設される光路変更手段を採用しているから、先側部分のヘッド部には固体撮像素子のような嵩張る部品がなく、その厚みを小さくすることができ、口腔内で用いる歯科用の撮影器の場合にはその適性が飛躍的に向上する。
請求項11の発明によれば、基本的に本体を共通にし、本体の先側部分のみを、診断目的、診断対象に応じて取り替えて使用できるので、汎用性に富み、便利である。
請求項12の発明によれば、前記光学手段が、単独で、または前記照射手段及び前記遮光部材と組み合わさり且つこれらが一体関係で、前記光出入口部に着脱自在に取り付けられているから、これらの適宜選択的装着により、前記と同様に、診断目的に応じた多様な診断画像情報が得られ、或いは消毒・滅菌等の装置のメンテナンスにも極めて便利である。
また、光学手段としての受光用フィルタが、光入出口部に対して着脱自在に取り付けられている場合、波長特性の異なる受光用フィルタを適宜選択装着することにより、診断対象の状態或いは診断目的に応じた適正な診断画像情報が得られる。特に、励起光を診断対象に照射し、診断対象からの蛍光画像を撮像したい場合、蛍光は通すが、励起光を通さないような波長特性の受光用フィルタを用いるようにすれば、励起光の影響を受けずに鮮明な蛍光画像情報が得られる。従って、照射手段及び遮光部材と受光用フィルタとを、一体関係で着脱自在とすれば、事前に発光特性と波長特性とが適正に組み合わされた照射手段と受光用フィルタとの対を準備し、これらを一体的に選択装着することにより、診断画像情報の取得がより的確且つ効率的になされる。
更に、遮光部材及び照射手段と受光フィルタを夫々一体関係で光入出口部に対して着脱自在とすれば、遮光部材の着脱交換作業と同時に照射手段及び受光用フィルタも適正なものに変更することができ、診断画像情報の取得作業の効率化が図られる。加えて、照射手段、受光用フィルタ及び遮光部材を一体関係で光入出口部に対して着脱自在とすれば、より診断画像情報の取得作業の効率化が図られる。
請求項13の発明によれば、遮光部材がゴム等の軟弾性筒状部材からなるから、歯牙等の表面に遮光部材を密着的にあてがうように使用しても、患者に恐怖感を与えずまた歯牙表面やその周辺組織を傷つけることがない上に、上記外乱光の侵入を有効に阻止することができ、鮮明な診断画像情報を得ることができる。更に、請求項14の発明のように、遮光部材を非透光性部材からなるものとすれば、一層外乱光の侵入阻止に有効であると共に診断対象からの反射光や蛍光等が遮光部材の外に漏出することがない。更には、請求項15或いは16の発明のように、遮光部材の内壁面を光反射面とし、この反射面を鏡面仕上げ処理により形成するようにすれば、診断対象からの反射光や蛍光等の上記漏出が有効に阻止される上にこれらの診断光を無駄なく撮像手段に結像させることができる。
請求項17の発明によれば、診断対象と撮像手段の受光部との相対角度や位置が種々に変化しても、照射手段の光を診断対象に的確に当てて、それらの反射光等を影を生じることなく確実に撮像手段に入力せることができる。その結果、撮像手段と照射手段とを本体の先側部分にコンパクトに纏めながら、どんな状況でも確実に撮影できて診断の信頼性を向上させることができる。
請求項18の発明によれば、照射手段が、互いに異なる波長を発生する複数の発光部を含むので、任意の波長の発光部(白色光の発光部を含む)を一つ選択して照射すること(基本的使用方法)の他に、この発光部より一度に異なる波長の照射光を照射(同時照射)したり、時分割で順次異なる波長の光を照射して診断対象の画像情報を取得することができる。また、発光部を交換する手間や煩わしさが無く、所望する発光部を自在に選択設定できて便利である。更に、診断目的に応じた照射手段を設けておけば、同一の撮影位置で蛍光画像や赤外線画像等の複数の画像を得ることが可能になる。従って、互いに異なる発光部や受光用フィルタを使用し同一の撮影位置で撮影した複数の画像を並列表示したり、重複表示することが容易となる。上記発光部の選択はスイッチによりなされ、その後受光用フィルタの交換を行うようになされる。
ここでの異なる波長を発生する発光部とは、一つのLEDで異なる波長の光を出すということだけではなく、例えば、赤外線LEDと紫外線LEDのように異なる機能(波長)のLEDという意味である。つまり、異なる種類の照明機能が搭載されているので、同時に照射したり、時分割して照射することが可能である。これにより、静止画像ではなく動画であるときは、モニター上に、発光部からの照射光により異なる各種の画像を自動的に切り替えて表示することも可能となる。
また、請求項19の発明のように、複数の発光部を選択的に発光させる照射駆動が時分割制御によって行われるように構成すれば、各時間毎の画像同士の差分をとったり、平均をとったり、重畳させることによって誤差等がキャンセルされたり患部の状況把握が行いやすくなり、より確度の高い画像が得られる。更には、極めて短い時間間隔で時分割制御をし、これらの時分割画像を適宜連ねるようにして画像処理してモニター表示するようにすれば、動画のような画像が得られ、患者にとって分かり易い説明用の画像データとすることができる。
請求項20の発明によれば、診断最中に必要となる箇所があれば、画像記憶手段の機能により、簡単に必要となる診断対象部位の静止画像を記録・保存することができる。
請求項26の発明によれば、その撮影器本体を支持している手指操作、制御ボックスでの操作、或いはフートペダルの足踏み操作をして、光源選択スイッチの操作をすることによって、照射手段の切り替え操作も行えるので、操作性に優れたものにできる。
請求項22の発明によれば、撮影スイッチの操作を行うことで、性質の異なる診断画像を自動的に得ることができ、診断価値のある異なる画像情報を手振れの影響がない程度の短時間で得ることができる。また、これらの画像間で演算処理を行えば、病変部の特徴抽出も容易にでき、ブレのない画像を得ることができる。本請求項においては、得られる画像の内容が変更されるごとに、画像記憶手段に静止画像を記録・保存することが可能であり、異なる内容の画像を得るごとに、静止画像を各々上書きすることも可能になる。例えば、赤外線LEDと紫外線LEDとを搭載しておれば、各々励起光に対応した最低2画面以上の静止画像を得る機構を設けて、各々シーケンシャルに切換わるごとに静止画像として上書きすれば良い。
また、白色LEDと紫外線LEDとを搭載しておれば、白色LEDによる通常の反射画像と、紫外線LEDにより励起された蛍光画像も静止画像として得ることができ、その後に画像処理手段で画像処理することも可能である。即ち、患者の説明時には、白色LEDを選択して通常の反射画像(可視光画像)を得、病変部を確認する時は、照射手段を紫外線LEDに切換え、撮像手段の受光部に相応の受光部フィルタを取付けることにより、このような診断画像情報の取得が簡易になされる。
このように、請求項18〜22の発明によれば、例えば、白色LEDを診断対象に照射し、フィルタとして可視領域を通過させるガラスを介してその反射画像を撮像手段で取得して保存し、次の瞬間、励起光を照射して診断対象から発する蛍光画像を専用の受光用フィルタを介して取得して保存し、この組合せを自動的に1秒間に20回も実行すれば、モニターの左半分に通常の画像を、右半分には蛍光画像を表示したり、或いは両画像を重ね合わせたり、更には、蛍光画像の病変部のみを切り取ってその部分を通常画像に重ねる、診断価値の高い画像を得ることができる。
請求項23の発明によれば、リード線を引き摺る必要のないコードレス型の撮影器として構成できるので、取扱い並びに診断作業において大変便利で使い易いものとなる。
請求項24の発明によれば、光重合樹脂の硬化に適した波長の発光部(例えば、青色LED)を照射手段に加えることにより、単なる診断用撮影器であるだけでなく、例えば歯科における補綴樹脂の光重合照射器としても使用できるので、撮影器でありながら歯科治療器の機能を有する便利で優れたものにできる。これによって、照射手段として青色LEDからの照射光により、補綴樹脂の硬化治療を他の器具に持ち替えることなく一つの器具で実施することができる。
請求項25の発明によれば、例えば、照射手段から波長が400±30nmの光(励起光)をう蝕部、歯石、或いは歯垢を有する歯に照射すると、う蝕部、歯石、或いは歯垢からはその特有の蛍光を発する。ここで、撮像手段の受光部に近接して波長が430nm以上の光のみを通す(400±30nmの光を通さない)受光用フィルタが取り付けられているから、撮像手段に直接向かう照射励起光或いは反射して向かう照射励起光が受光用フィルタにより遮断され、撮像手段にはこれら励起光が入光することがない。従って、上記蛍光による鮮明な画像が得られ、う蝕部診断にとって極めて有用な画像情報を提供することができる。尚、400±30nmの照射励起光を使用する場合は、フィルタ特性として基本的に430nm以上のフィルタを使用すれば良い。また、635nm近辺、680nm近辺の波長の光も励起光として有効であることが実験で実証されている。
以下、本発明の最良の形態について図面に基づき説明する。
図1は本発明の診断用撮影器の一例を示す平面図、図2は同本体の長手方向に沿った縦断面図、図3は同本体の先側部分の拡大縦断面図、図4は同本体先側部分の拡大底面図、図5は遮光部材の斜視図及び図6は同先側部分の部分縦断部分切欠正面図を夫々示す。図における診断用撮影器Aは、手指によって支持自在な歯科用ハンドピース形状の本体1と、励起光、赤外光、紫外光及び白色光のうちの一つ以上の光を照射する照射手段2(発光部2a,2b,2c)、及び、CCD(固体撮像素子)3aによる撮像手段3を内蔵して成る先側部分4とから構成されている。そして先側部分4の先端側には、本体1の長手方向に直交する方向に開口する光出入口部41が形成され、この光出入口部41には、外部からの光の侵入を阻止するための遮光部材42が装着されている。
この診断用撮影器Aは、主として口腔内における歯のう蝕、欠損部、亀裂、病変部、歯石、歯垢やバイオフィルムの付着度合い等の診断用として好適なものであり、歯の表面撮影だけでなく、歯の表層内部状況(表面から1mm程度内部の状況)の撮影による歯の表層内部の病変部の認識ができ、更にコードレスの仕様とすればコードレスとして制御ボックスH(図2参照)に信号を伝達して、撮影された画像をプリントアウトして取り出すことができる。また、ズームイン、ズームアウトを行うズーム機構やオートフォーカス機能を設けることも可能である。
本体1は、上ケース5a、下ケース5b、及び先端側ケース5cとの三部品から成る合成樹脂材製のケーシング5から成り、上ケース5aに対して下ケース5bを4本のビス10で固定してある。ケーシング5は、本体1部分が比較的太く、その先端側ほど細くなるように一旦絞ってから、左右及び上方に膨出した形状の先側部分4が形成されている。先端側ケース5c(先側部分4の一部をなすアタッチメント)は、上下のケース5a、5bに対して着脱自在に装着されているとともに、撮像手段3に対する受光用フィルタ12が上記光出入口部41に取付けられ、上記遮光部材42はこの受光用フィルタ12を取囲むように装着されている。尚、5rは各ケース5a〜5cの内側に一体形成された補強リブである。
先端側ケース5cは、図6に示すように、その根元側に形成された舌片20を下ケース5bの内側に嵌め入れるとともに、先端側の縦壁部21に形成された引掛け片22を、上ケース5aの対応する箇所に形成された係合部23に嵌め入れることで装着されている。外す場合は、引掛け片22を係合部23から解放すべく先端側ケース5cの先端側を上ケース5aから離れる方向に移動させ、それから先端側ケース5cを下ケース5bから離れる方向(図6における左方向)に移動させれば良い。
受光用フィルタ12は、本体1に着脱自在な先端側ケース5cに装備されているので、異なる種類の受光用フィルタ12を有した別の先端側ケース5cを用意しておけば、この先端側ケース5cの付け替えにより、簡単に異なる受光用フィルタに交換することができる。また、図6では照射手段2は撮像手段3と共に上ケース5aに取り付けられているが、先端側ケース5cに取り付けて受光用フィルタ12と共に先端側ケース毎取り替えるようにしてもよい。なお、この際には、照射手段に電気を供給する為の電気接点を切り離し自在に構成すれば良い。
本体1には、撮影スイッチ(静止画像を得る為の画像記憶手段に関連する)6、光源選択スイッチ7、画像選択スイッチ15、自動シーケンス撮影スイッチ16が、上ケース5aに取付けられる状態で配備されており、本体1内には、照射手段(発光部)2や撮像手段3等を駆動するための二次電池等の電源8と、撮像手段3で撮像された情報を、制御ボックスHに送信するための無線送信機9、並びにマイコン17とが内装されている。つまり、この診断用撮影器Aは、リード線を引き回すことが無く操作しやすいコードレス型に構成されている。コードレス型でない場合には、撮影スイッチ6を、リード線を介して診断用撮影器Aに接続された制御ボックスHやフートペダル(図示省略)等、本体1以外の箇所に設けても良い。
先側部分4には、図3、図4に示すように、撮像手段3と照射手段(発光部)2と受光用フィルタ12とが配置されている。撮像手段3は、CCD(固体撮像素子)3aと、光学手段としての受光用フィルタ12から成り、照射手段2からの照射光が歯等の診断対象に照射されたときに、診断対象から反射される反射光及び/又は励起光が診断対象に照射されて発生する蛍光を受光して、所定の診断画像を撮影するものであり、上下方向視で先側部分4の中心位置に配置されている。
照射手段2は、図4に示すように、発光部としての白色LED(発光ダイオード)2a、赤外線LED(赤外光を発する発光ダイオード)2b、及び紫外線LED(紫外光を発する発光ダイオード)2cの3種のLED(発光ダイオード)の2個ずつで計6個から成り、CCD3aの光軸を中心としてその周囲に、回転対称となるようにほぼ均等角度毎に配置されている。これにより、照射手段2よりの光を直接、歯に照射することができる構成としてある。各LED2a、2b、2c(発光部)は、CCD3aを中心とした周方向で180度離して対向配置されているが、この配置状態及び照射用光源の組み合わせに限られるものではない。
照射手段2としては、励起光(好ましくは単一波長の励起光)、赤外光、紫外光、白色光のうちの一つ以上を照射するものであれば良いが、LED、レーザ発振器(He−Neレーザ、クリプトンレーザ、色素レーザ等の半導体レーザ或いは固体レーザ)、又はハロゲンランプのいずれかであっても良い。また、照射手段2は、白色LEDや、波長切換え式のLED又はレーザ発振器であっても良く、この波長切換え式のレーザ発振器の例としては、例えば、特開平6−112589号公報、特開2002−125982号公報において開示されたものが知られている。尚、レーザ発振器を用いる場合は、本体内のレーザ発振部から適当なライトガイドで先側部分4の先端照射口まで導光させることが必要である。
LEDやレーザ発振器は、赤外、近赤外、紫外、近紫外のみならず、可視光領域である赤色、橙色、紫色、青色、緑色の領域を持つものが望ましい。特に、励起光として有効な紫外光、近紫外光としては、波長が405nm近辺、或いは400±30nm近辺等の、一般に市販されているLEDを使用すれば安価で入手することができる。このとき、受光用フィルタ12は430nmより長い波長の光のみを通過させる(405nm近辺、或いは400±30nm近辺の励起光をカットする)ような仕様を選べば良い。或いは、励起光のみをカットするノッチフィルタを使用しても良い。また、励起光を発するレーザ光の波長としては、上記のように635nm近辺或いは780nm近辺のものであってもよい。この場合は、受光用フィルタ12として、635nm近辺或いは780nm近辺の波長の光をカットするものが用いられるべきことは言うまでもない。
受光用フィルタ12は、図2〜図4に示すように、先端側ケース5cにおける光入出口部41に嵌め込みによって装着されており、CCD3a及び6個のLED2a〜2cの下方側を覆う大きさで、ほぼ円形の板状のものに構成されている。この受光用フィルタ12は、撮像手段3の受光部に特定波長域の光のみを通過させるものであるが、照射手段2に対応する周辺部は、照射手段2の光をそのまま通過させる構造とするか、この周辺部を照射手段2からの光のうち、特定波長域の光のみを通過させて診断対象に照射させる照射用のフィルタとするか、或いは受光用フィルタと照射用フィルタとの双方の機能を兼ね備えた複合フィルタとすることも可能である。尚、この例では撮像手段3の受光部は、先側部分4における受光用フィルタ12とCCD3aとの上下間の部分を指すが、以下においても診断対象からの光が撮像手段3に向かう部分を指す概念として用いている。ところで、図例の受光用フィルタ12は、上記のように、撮像手段3の受光部には特定波長域の光のみを通過させ、周辺部は照射手段2の光をそのまま通過させる構造とされているが、周辺部としては単にガラスや、その他照射光をそのまま通すような材質(空間も可)のものをここに充当させることができる。また、白色光のみを照射する場合は、受光用フィルタ12として、可視光のみを通す可視光フィルタを使用するのが望ましいが、単にガラスをこれに充当させることも可能である。尚、CCD3aとしては、光学画像をCCD素子部に結像させるレンズ等の光学手段(不図示)が一体で組み込まれて構成された市販のものがそのまま充当されるが、CCD素子部とレンズ等が別体のものも除外するものではない。これは、以下の実施例でも同様である。
遮光部材42は、ゴム等の軟弾性筒状部材からなり、図1〜図6の例では、先行拡径状に形成されている。その小径側の基部42aは、前記光出入口部41の開口外周部に形成された異径段差状の取付部41aに対し、弾性変形を伴い外嵌装着されるよう構成されている。遮光部材42の内壁面は、鏡面仕上げ処理により形成された光反射面42bとされている。
図8は、上記診断用撮影器Aの使用状態を示す図であり、この診断用撮影器Aは、図に示すように、口腔内に先側部分4を挿入して診断対象としての歯14の表面に遮光部材42を近接若しくは当接乃至はあてがうようにして歯14の診断が行えるものであり、前記制御ボックスHに接続されたモニター画面M(いずれも図2参照)に、撮像手段3による撮像画像を写しながら診断を行えるようになっている。そして、関心領域があれば、その箇所を撮影している状態で撮影スイッチ6を操作することにより、その箇所の静止画像を本体1若しくは制御ボックスHのメモリ18に記憶し、必要に応じて制御ボックスHに接続されたプリンタ(図示省略)にてプリントアウトすることができる。本診断用撮影器Aでは、照射手段2からの照射光を歯14に直接照射することができる。
歯石、歯垢或いはう蝕部分(病変部)がある歯牙に、波長が400nmの励起光を照射し、430nm以上の波長の光のみを通す受光用フィルタを撮像手段の受光部に装着して撮影すると、診断画像におけるこれら病変部はオレンジ色乃至橙色に視覚される。図7に、診断用撮影器Aで撮影された歯14のプリントアウト画像を示す。励起光による照射であれば、白色光による照射ほどではないが、歯全体は観察でき、その画像内で病変部(蛍光を発する部位)がオレンジ色乃至橙色に視覚される。図7において仮想線部が病変部である。このような病変部等から発せられる蛍光は、一般に微弱光であるので室内照明光や太陽光の下ではこれらの光に埋没してしまう。従って、遮光部材により外乱光を遮蔽すれば、外乱光の影響を排除し、蛍光画像を撮像手段で鮮明に撮影することができ、その撮像画像により患部の状況を的確に視認することができる。
また、可視光領域の照射光による可視光画像(実線で描かれた部分)に、励起光の照射によって発生する蛍光による蛍光画像のみ(仮想線で描かれた部分)を重畳させて表示することにより、両画像を重ねた状態の複合画像に形成すれば、図7はより診断価値のある画像となり、患者に対する説明用として最適である。そして、前記光入出口部41には、筒状の遮光部材42が装着され、この遮光部材42が歯14の表面にあてがうよう操作されるから、診療室の照明や太陽光などの外乱光の入光が遮光部材42によって遮断され、撮像手段3、即ちCCD3aには、照射手段2の照射による歯14からの反射光或いは蛍光のみが受光されることになる。従って、得られる反射光画像や蛍光画像は、外乱光の影響を受けずに、より鮮明なものとなる。また、遮光部材42の内壁面は、鏡面仕上げによる反射面42bとされているから、外乱光の入光が阻止されることは勿論、歯14からの反射光或いは蛍光の散乱放出が抑止され、CCD3aでの受光が効率的になされる。
これによれば、可視光によって撮影した歯牙表面部分の可視光画像の上に、蛍光によって明らかにされた表層に近い内部部分の、可視光画像では見え難い歯石、歯垢或いはう蝕(虫歯)等が鮮明に視認され、歯石、歯垢或いはう蝕(虫歯)等がどの部位に有るかが一目で判る。図7は、可視光画像と蛍光画像を重畳させているが、これら画像毎に個別に表示させて診断に使用することも可能である。しかし、蛍光画像では、う蝕(虫歯)等はくっきりと視認できるが歯牙の画像自体が鮮明でなく、一方可視光画像では歯牙の輪郭も鮮明であるので、これら両画像を重畳させることにより、両画像の不足部分を補い合うことになり、歯牙の輪郭が鮮明で且つ歯石、歯垢或いはう蝕(虫歯)等がくっきりとした、高品位の診断画像情報が得られる。このような画像を得るシステム及び原理の詳細は後記する。
ここで、診断用撮影器Aを含むシステム全体構成の一例について説明すると、図9に示すように、大別して、本体1と制御ボックスHと表示部Mとに分かれており、本体1と制御ボックスHとの信号のやり取りは、送信機9と受信機46とによる無線(コードレス)式で行われる。尚、各構成部品は、図9において明示されているので、個々の名称説明は割愛する。
本体1には、各種スイッチ6、7、15、16、マイコン17に相当する中央制御部、照射用光源選択手段D(後記する)に相当する光源切換制御部、CCDからの信号をビデオ信号に変換するビデオ回路等が搭載されている。制御ボックスHには、受信機46の他、指令操作部(各種スイッチ6、7、15、16に対応する部分)、制御部、画像処理部、メモリ18に相当する画像記憶部(画像記憶手段)、電源部が搭載されている。そして、液晶画面等の表示部Mと電源供給部(商用電源に接続されるコンセント等)とが制御ボックスHに接続されている。
次に、パソコンpcを用いた診断用撮影器Aを含む有線式のシステム全体構成の一例を、図10に示す。この場合の本体1は、送信機9がケーブル等のリード線に代わる以外は図9に示すものと同じである。制御ボックスHには、指令操作部(図9に示すものと同じもの)と電源部とが搭載されている。パソコンpcには、制御部、画像処理部、メモリ18に相当する画像記憶部、電源部が搭載されている。パソコンpcには、表示部Mと電源供給部とが接続される。
このように構成された撮影用診断器Aにおいては、後述するような種々の撮影形態が可能であるとともに、画像処理部(図9では制御ボックスHに、図10ではパソコンpcに夫々搭載されている)では、様々な画像の差分をとったり、重複画像を作成して、画像記憶部に記憶させることが可能になっている。
光源選択スイッチ7は、3種のLED2a、2b、2c(図4に示すように各2個)の点灯状態を種々に切換えるスイッチである。即ち、光源選択スイッチ7の押し操作により、2個の白色LED2aのみが点灯する第1点灯状態、2個の赤外線LED2bのみが点灯する第2点灯状態、2個の紫外線LED2cのみが点灯する第3点灯状態、及び6個全てのLED2a〜2cが点灯する全点灯状態との四状態が、順次切換るロータリー型スイッチに構成されている。
画像選択スイッチ15は、撮影スイッチ6の操作によって撮影されて、メモリ18に記憶されている診断画像の中から所望の診断画像を選択するものである。即ち、画像選択スイッチ15を押下げ操作する毎に、選択される診断画像が1個ずつ順次切換えられるようになっている。従って、モニター画面Mを見ながら、画像選択スイッチ15を連続的に押下げ操作することにより、複数枚撮った診断画像の中から所望する診断画像を簡単にピックアップすることができる。パソコンなどを使用すれば、同時に複数の画像を表示することも可能である。
自動シーケンス撮影スイッチ16は、自動撮影制御手段C(後記する)を選択して作動させるためのスイッチであり、この自動シーケンス撮影スイッチ16を操作しない状態では、前述の光源選択スイッチ7が機能する状態にされており、自動シーケンス撮影スイッチ16を操作(ON操作)することにより、光源選択スイッチ7の機能がキャンセルされ、かつ、自動撮影制御手段Cが作動する状態にされる。即ち、画像記憶手段B(後記する)は、自動シーケンス撮影スイッチ16の操作によって、予め特定された時間シーケンスを実行させて、波長が異なる照射光を選択的に駆動させる毎に、撮像手段3によって撮像された診断画像をメモリ18に順次記憶保持させる自動撮影制御手段Cを備えている。これらメモリ18を含む画像記憶手段B、自動撮影制御手段C、はマイコン17に装備されている。
即ち、自動シーケンス撮影スイッチ16をON操作すると、図11に示すタイムチャートのように、白色、赤外線、紫外線の各LED2a〜2cが時間t2のインターバルで時間t3の間照射されるサイクルが繰り返されるとともに、各LED2a〜2cの照射開始から時間t1後に、撮像手段3によって撮像される画像をメモリ18に記憶させる動作が開始され、その記憶動作はLEDの照射終了と同時に終了する。これにより、白色LED2aのみの照射による撮像画像、赤外線LED2bのみの照射による撮像画像、紫外線LED2cのみの照射による撮像画像(通常の反射画像、蛍光画像)を、ごく短時間の間に連続して記憶させることができる。
前記自動撮影制御手段Cが、撮影スイッチ6の操作によることなく自動的に制御を開始する構成としても良い。例えば、診断用撮影器Aを口腔内にて所望の箇所に移動させた後に、所定時間(例:1〜2秒)停止させると、その所定時間停止を感知する(位置センサや揺れ検知センサ等を用いる)ことによって自動的に撮影がスタートするという動作シーケンスが考えられるが、その他でも良い。
図7は、上述のように、可視光領域の照射光による撮影画像(実線で描かれた部分)に、励起光の照射によって発生する蛍光による撮影画像(仮想線で描かれた部分)を重畳した状態の複合画像をプリントアウトした例を示すが、このような画像を得る原理を説明する。LED2の照射光(励起光を含む)が診断対象である歯14に照射されると、それによって歯14から発生する蛍光を受光して所定の診断画像を撮影するのであるが、健康な歯の場合とう蝕された歯の場合とでは、蛍光の波長が異なっている。即ち、図12に示すように、波長406nmの照射光の場合、健康な歯の場合には蛍光の波長増加に伴って放射線強度Iは次第に低下する傾向を示しているが、う蝕された歯の場合には、蛍光の波長に対する放射線強度Iは3箇所(636nm、673nm、700nm)にピークが出る蛍光スペクトルを呈する。また、実験によればこれ以外にもオレンジ色乃至橙色の蛍光も発することが確認されている。図7の画像を重畳させないで個別の画像として表示することも可能であることは言うまでもない。
そこで、それらピークの波長による蛍光像部分だけを表示すれば、う蝕されたエナメル質像の部位が特定できる。また、蛍光像をその蛍光強度に応じて表示すれば、歯全体が写っている中で、う蝕部分だけを表示可能になる。励起光と白色光をパルス状(図11参照)に照射すれば、蛍光画像と白色光による可視光画像の両方を得ることができ、蛍光画像でも歯全体が認識できる画像となるが鮮明でないので、蛍光を発している部位の輪郭部分を切り取るようにして抽出して、これと白色光による可視光画像とを中央制御部17により画像合成して重ねて表示すれば、図7に示すように、臨床価値のある撮影画像を得ることができるのである。これらの蛍光画像を得るには、蛍光像のみを通過させる受光用フィルタ12が選択的に用いられる。また、輪郭部分のみならず蛍光画像領域全体を合成に用いても良い。
実際には、照射手段2から波長が406nmの光(励起光)を歯牙(診断対象部)に照射するようにし、撮像手段3の受光部には波長が406nmの光を通さない(波長が430nm以上の光のみを通す)受光用フィルタ12を取り付け、撮像手段3ではう蝕されたエナメル質から発する上記蛍光による画像を撮像するようにすれば、影響の強い照射手段2からの励起光が撮像手段3に入光することがなく、極めて鮮明なう蝕に基づく蛍光画像が得られる。歯石や歯垢が付着している部位も同様にして検出することができる。
尚、一般的に、図12及び図13に示す波長406nmと488nmの照射光によるグラフ(蛍光強度の対比グラフ)を対比すれば判るように、健康な歯(健康なエナメル質)と、う蝕された歯(う蝕されたエナメル質)とでは、照射する励起光の波長が異なれば発生する蛍光の波長毎の強度も変化する。
照射手段2としては、幅広い波長の光を発するハロゲンランプやクリプトンランプ、又は単一波長の励起光を発する赤外線LED2bや紫外線LED2c、紫外線を出力するレーザ発振器(半導体レーザ)等を用いることができる。例えば受光用フィルタの選択によりそれらの赤外線像を撮像手段3で検出すれば、近赤外線は可視光と比較して透過特性が良いため、歯の内部をより詳細に観察することが可能になる。内部にまで至らない場合でも、歯の亀裂(クラック)、歯石の付着状態、修復物と歯質との隙間等を、くっきりと観察することができる。また、紫外光による蛍光画像では、う蝕による蛍光像の診断が行い易い。従って、これらの異なる波長の照射手段と受光用フィルタ(照射手段の種類によっては照射用フィルタも)を診断目的に応じて使い分けしたり、重複画像とする事によって、最適な診断を行うことができる。なお、上記は、赤外線LEDを照射して受光フィルタの選択により赤外線像のみを撮像手段で検出する例を示したものであるが本発明はこれに限られるものではない。
図14は、照射用光源選択手段D(図1の光源選択スイッチ7に相当)の一例を示すものである。即ち、照射用光源選択手段Dは、LEDからなる、赤外線、白色光、紫外線その1、及び紫外線その2の4種類の発光部(互いに波長の異なる光を照射する複数の発光部)2a〜2dで成る照射手段2を構成し、それら複数の発光部2a〜2dのうちからいずれか一つ(又は複数)の発光部2a〜2dを選択的に駆動させるためのものであり、電源8と各発光部2a〜2dの間に接続される四つのアナログスイッチsw1〜sw4と、4個の光源選択スイッチhs1〜hs4と、スイッチ制御部19とを備えて構成されている。
第1光源選択スイッチhs1のON操作で、第1アナログスイッチsw1を操作して赤外線LED2bを起動させることができ、同様に、第2光源選択スイッチhs2のON操作で白色LED2aを、第3光源選択スイッチhs3のON操作で紫外線その1LED2cを、そして、第4光源選択スイッチhs4のON操作で紫外線その2LED2dを起動させることができる。この方式で任意の種類の照射光を選択することが出来る。当然得られる診断画像は、照射光とフィルタに応じて異なる性質の診断画像となる。
図15(a)、(b)、(c)はフィルタ着脱手段の一例を示すものであり、図例のフィルタ着脱手段Eは、ガラスやプラスチックで成る単体としての受光用フィルタ12を、スライドによって取外し及び装着自在にとするためのレール溝31が、先側部分4に形成されている。即ち、先端側ケース5c(先側部分4の一部を構成)における底面側に、一対の***部32を形成し、各***部32に板状の受光用フィルタ12の端部を嵌合させる為の凹状レール溝31を形成してある。受光用フィルタ12の端部に形成されたつまみ33をつまんでレール溝31に押し入れ引抜く事で、受光用フィルタ12が光出入口部41の開口部に着脱自在に装着されている。また、上記***部32の下端には、前記と同様の異径段差状の取付部41aが連成され、この取付部41aに対してゴム等の軟弾性筒状部材からなる遮光部材42が、その基部42aの弾性変形をして外嵌装着されている。更に、上記同様、遮光部材42の内壁面は、鏡面仕上げ処理により形成された光反射面42bとされている。
従って、診断用撮影器Aの長手方向に沿うスライド移動により、受光用フィルタ12を、撮像手段3を構成するCCD3aの直下の所定位置に装着したり、先側部分4から離脱したりすることが自在になされる。これによれば、受光用フィルタ12単品での交換、並びに種類の異なる他の受光用フィルタへの交換が自在であり、簡単構造で廉価に、しかも先側部分4のコンパクト性を維持しながら、受光用フィルタ12の着脱が行える利点がある。ここでのフィルタ着脱手段Eは、照射用のフィルタにも適用可能であることは言うまでもない。
図16(a)、(b)は、先側部分4自体を、本体1に対して着脱自在に構成した診断用撮影器Aを示す。即ち、先側部分4の根元側に中空状の嵌合部35を形成するとともに、その嵌合部35に内嵌自在な突出部36を本体1の先端側に形成している。嵌合部35内には複数の雄電極37が、かつ、突出部36には対応する複数の雌電極38が夫々配備されている。
従って、嵌合部35と突出部36とを嵌合させると、雄雌電極37、38同士も同時に接続されて先側部分4を本体1に装着し、先側部分に給電可能とできるとともに、嵌合部35を突出部36から抜き出せば、雄雌電極37、38同士も同時に接続が解除されて先側部分4を本体1から分離させることができる。尚、図示は省略するが、先側部分4をヘッド部と基部とに更に分離可能とし、ヘッド部にはフィルタやミラー等の光学系及び照射手段を、基部側にCCDを配設し、診断時にはヘッド部を適宜交換使用するようになすことも可能である。
図17は、診断用撮影器Aを、先側部分4が本体1に対して若干角度が付いた歯科用コントラアングルハンドピース状に構成した例を示している。撮像手段3としてのCCD3aは、先側部分4における平面視で円形状のヘッド部39の中心で内部に配置され、光入出口部41には受光用フィルタ12及び上記同様の遮光部材42が装着され、この受光用フィルタ12の背後にはCCD3aの光軸方向から見てCCD3aを取り囲む位置に、照射手段2としての複数のLEDが配設されている。この場合、赤外線LEDや青色LEDといった種々のLED2を配置し、かつ、種々の点灯状態ができるようにしておけば好都合である。
フィルタの種々の例を、図18(a)(b)、図19(a)(b)及び図20(a)(b)を参照して説明する。図18(a)は、照射用光源近傍(直下)となるリング状部分が、透明なガラスや合成樹脂で成る支持材部分11sに、かつ、撮像手段の近傍(直下)となる中央部分が、受光用フィルタ12に形成された円板状のフィルタ11を示す。図18(b)に示すように、受光用フィルタ12のみで成るフィルタ11でも良い。照射用フィルタ13の例としての図19(a)は、撮像手段近傍(直下)となる中央部分が、透明なガラスや合成樹脂で成る支持材部分11sに、かつ、その外周側に配置された照射用光源の近傍となる外側リング状部分が照射用フィルタ13に形成された円板状のフィルタ11を示す。図19(b)に示すように、リング状の照射用フィルタ13のみで成るフィルタ11でも良い。また、図20(a)に示すように、円板状支持部分11sの中央部分の表面にフィルタ部材がコーティングされて成る受光用フィルタ12や、図20(b)に示すように、円板状支持部分11sの外周部分の表面にリング状にフィルタ部材がコーティングされて成る照射用フィルタ13でも良い。また、図20(a)(b)のコーティングによる受光用フィルタ12及び照射用フィルタ13が、1枚の円板状支持部分11s上に複合形成されたものでもよい。
図21は、図6に示す先端側ケースの変形例を備えた診断用撮影器を示すものである。図例の診断用撮影器Aは、先端側ケース5c(先側部分4の一部をなす着脱自在なアタッチメント)に、CCD(撮像手段3を構成)3aへの導光路である光出入口部41を構成する開口部54と、その周囲に形成された環状の段差開口部52とを備え、その段差開口部52に、受光用フィルタ12と、これの周囲に配置された複数のLED(照射手段)2とを備えた支持部材53を着脱自在に設ける構造とされている。尚、図示は省略するが、LED2に対する一対の端子電極は、支持部材53の外周と、段差開口部52の内周とに設けることにより、支持部材53の装着に伴って導通接続され、取り外しに伴って導通が断絶される。その他の構成は図6に示すものと同じであるので、共通部分に同一の符号を付し、その説明を割愛する。
図22は、遮光部材42と照射手段2とが一体関係で、先側部分4に着脱自在とされた診断用撮影器Aの例を示すものであり、図23(a)は遮光部材42を底面側から見た図、図23(b)は同斜視図である。即ち、先側部分4内には撮像手段3を構成するCCD3aが設置され、このCCD3aに対向するよう先端側ケース5cの開口部54(光入出口部41を構成)には受光用フィルタ12が装着されている。また、上記と同様の遮光部材42の小径側の基部42a内には、中央に導光孔42dを備えた円環状支持部材42cを介して4個のLED(照射手段)2が周方向に略等間隔で取付けられている。円環状支持部材42cの背面には、LED2毎に凸電極55が形成され、一方、先側部分4内には、この凸電極55に対向する位置に受電極58が設置されており、前記取付部41aに対し、遮光部材42を基部42aの弾性変形をして外嵌装着した時には、両電極55、58の電気的導通がなされる。61は、LED2或いはCCD3aに給電するためのリード線である。
本実施例の診断用撮影器Aは、上記同様歯牙のような診断対象に遮光部材42をあてがうように使用され、LED2からの照射光による診断対象の反射光或いは蛍光は、導光孔42dから受光用フィルタ12を透過し、CCD3aに受光されて、可視光画像や蛍光画像等の診断画像情報が出力される。この実施例の場合、発光特性の異なる種々のLED2を複数の遮光部材42に取付けるようにすれば、各種遮光部材42の適宜選択的装着により、診断対象の状態や診断目的に応じた診断画像情報を得ることができる。
尚、先端側ケース5cを本体1に対して着脱自在なアタッチメントとして構成する場合は、波長特性の異なる複数の受光用フィルタ12毎に複数の先端側ケース5cを準備し、上記同様診断目的に応じて適宜先端側ケースを選択装着すればよいが、先端側ケース5cが固定の場合は、上記開口部54に対して受光用フィルタ12自体を着脱自在に装着し得る構成とすることも可能である。
図24は、遮光部材42と受光用フィルタ12とが一体関係で、先側部分4に着脱自在とされた診断用撮影器Aの例を示すものである。即ち、先側部分4内には、光入出口部41に対向して、その中心部に撮像手段3を構成するCCD3aが、その周囲を取囲むように複数のLED(照射手段)2が、夫々配設されている。一方、上記と同様の遮光部材42の小径側の基部42a内には、受光用フィルタ12(照射光が透過する部分は、単にガラス或いは空間とする)が取付けられており、遮光部材42は、前記取付部41aに対し、基部42aの弾性変形をして着脱自在に内嵌装着されている。
この実施例の場合は、遮光部材42と受光用フィルタ12とが一体関係で、先側部分4に対して着脱自在とされているから、波長特性の異なる複数種の受光用フィルタ12に応じて複数の遮光部材42を準備しておけば、診断目的に応じて遮光部材42を適宜選択装着することにより、多様な診断画像情報が得られることは上記と同様である。その他の構成は上記と同様であるので、共通部分には同一の符号を付し、ここではその説明を割愛する。
図25は、受光用フィルタ12とLED(照射手段)2とが一体関係で、先側部分4の光入出口部(開口部54)41に、筒状の取付部材42eを介して着脱自在とされ、更に、遮光部材42がこの取付部材42eに対して着脱自在に装着された診断用撮影器Aの例を示すものである。即ち、先側部分4内には、光入出口部41に対向して、その中心部に撮像手段3を構成するCCD3aが配設されている。上記筒状の取付部材42eは、先端側に外向鍔部42fを備え、適宜着脱手段(例えば、螺合手段等)を介して、その内筒部がCCD3aの光軸と同軸状態で光入出口部41に装着されている。
取付部材42eの先端側内周には受光用フィルタ12が嵌装され、また外向鍔部42fの盤面には複数のLED2が周方向に略等間隔で取付けられている。外向鍔部42fの背後盤面には、各LED2毎に凸電極55が形成され、一方、先側部分4内には、これら凸電極55に対向する位置に受電極58が設置されており、前記光入出口部41に対し、取付部材42eに装着した時には、両電極55、58の電気的導通がなされる。また、上記と同様の遮光部材42が、その基部42aの弾性変形をして、上記外向鍔部42fの外周縁に対し、着脱自在に外嵌装着されている。
この実施例では、発光特性の異なるLED2と波長特性の異なる受光用フィルタ12とを組合わせたものを複数準備しておけば、これらの適宜選択的装着により、診断対象の状態や診断目的に応じた多様な診断画像情報を得ることができる。また、遮光部材42が単独で着脱自在であるから、遮光部材42のみを取外して滅菌消毒に供することができ便利である。その他の構成は上記と同様であるので、ここでも共通部分には同一の符号を付し、その説明を割愛する。
図26は、受光用フィルタ12、LED(照射手段)2及び遮光部材42が一体関係で、先側部分4の光入出口部(開口部54)41に着脱自在とされた診断用撮影器Aの例を示すものである。即ち、先側部分4内には撮像手段3を構成するCCD3aが設置され、また、上記と同様の遮光部材42の小径側の基部42a内には、中央に導光孔42dを備えた円環状支持部材42cが該基部42a内面に形成された段部42gを介し支持され、この円環状支持部材42cには複数のLED(照射手段)2が周方向に略等間隔で取付られている。そして、上記導光孔42dにはCCD3aに対向するよう受光用フィルタ12が装着されている。更に、円環状支持部材42cの背面には、LED2毎に凸電極55が形成され、一方、先側部分4内には、この凸電極55に対向する位置に受電極58が設置されており、前記取付部41aに対し、遮光部材42を基部42aの弾性変形をして外嵌装着した時には、両電極55、58の電気的導通がなされる。
この実施例においては、上記段部42gに円環状支持部材42cを支持させた状態で、前記取付部41aに対し、遮光部材42を基部42aの弾性変形をして外嵌装着することにより、上記同様の使用に供せられる。遮光部材42の取付部41aからの取外しは、円環状支持部材42cと共になされるが、円環状支持部材42cは、更に遮光部材42の上記段部42gから離脱可能とされる。従って、波長特性の異なる種々の受光用フィルタ12と発光特性の異なる種々のLED2とを組合わせた円環状支持部材42cを複数種準備しておけば、円環状支持部材42cの選択的装着使用により、診断対象の状態や診断目的に応じた多様な診断画像情報が得られる。また、遮光部材42は個別に滅菌消毒することができ便利である。その他の構成は上記と同様であるので、ここでも共通部分には同一の符号を付し、その説明を割愛する。
図27は、撮像手段が光路変更手段を備えた例を示す部分切欠部分縦断面図であり、図28はその底面図である。図における診断用撮影器Aは、本体1の先側部分4内に、撮像手段3としてのCCD3aがその光軸を本体1の長手方向に沿った状態で配設され、また先側部分4の先端側内面には、上記光軸に対して略45度の角度となるように光路変更手段としてのミラー(或いはプリズム)81が取付けられ、このミラー81とCCD3aとの間の内筒部が、撮像光の導光路80とされている。この導光路80にはリレーレンズ82及び光軸に沿って移動可能なリレーレンズ83が配され、上記ミラー81、リレーレンズ82、83によって、光学画像をCCD3aに結像させる為の光学系が構成されている。このCCD3aと光学系により撮像手段3が構成される。
筒状の先側部分4の途中であって、上記リレーレンズ82の前側(先端側)近傍には、受光用フィルタ12が着脱可能に装着されている。12aは、受光用フィルタ12の脱け出しを抑えるキャップである。従って、波長特性の異なる各種受光用フィルタを用意しておけば、診断目的に応じたフィルタ交換が簡易になされる。上記リレーレンズ83に光軸方向に沿った適宜移動機構を付加すればズーム機構が構成される。リレーレンズ82、83は、図面上凸レンズとして示しているが、凸レンズに限定されるものではなく、光学画像を伝える機能があればどのようなレンズであっても良いことは言うまでもない。
先側部分4には、上記光軸に略直交する方向に開口する入光用の開口部(光入出口部41)84が形成され、この開口部84と上記導光路80とが連通するよう構成されている。開口部84の周辺部には、複数の(図例では4個の)LED(照射手段)2が取付けられており、これら各LED2は先側部分4の筒壁に埋設されたリード線(不図示)に接続され、更に本体1の筒壁内を経て電源部やスイッチ機構(いずれも不図示)に接続されている。複数のLED2は上記同様異なる波長の光を発する複数種のLEDの組合せで構成し、これらの適宜時間シーケンスに基づく起動発光制御により、多様な診断画像情報を得るようになすことが可能である。また、LED2を上記実施例のように、着脱自在とし、これらを選択交換することにより、一層多面的な診断画像情報を得ることができる。
上記光入出口部41には、上記と同様の異径段差状取付部41aが形成されており、この取付部41aに対し、ゴム等の弾性材からなる筒状遮光部材42が、その基部42aの弾性変形をして外嵌装着されている。尚、遮光部材42の構成は、上記と同様であるので、共通部分には同一の符号を付し、その説明を割愛する。
この実施例の診断用撮影器Aは、遮光部材42の先側開口部が歯牙等の診断対象部位にあてがわれ、照射手段2から照射された光は、診断対象部位に照射され、照射手段2の種類に基づく診断対象部位の波長特性に応じて、診断対象部位からは反射光或いは蛍光等が放射される。これらの放射に基づく光学画像光は開口部84から先側部分4内に入光し、ミラー81で90度に反射され、受光用フィルタ12を透過し、導光路80を進行しながらリレーレンズ82、83で集光され、CCD3aに結像される。尚、受光用フィルタ12の取付位置は図例に限らず、導光路80上であれば任意の位置が可能である。
上記の診断用撮影器Aの使用態様において、先ず、通常の可視光画像を撮影する場合には、照射用光源2を白色LEDとし、受光用フィルタ12はなしとする。次に、歯石や歯垢等を撮影する場合には、波長が375±25nmの光を出す照射手段2に設定し、かつ、受光用フィルタ12は、430nm以上の波長の光を通過するものに設定する。このように、照射手段2から励起光を照射し、CCD3aにおいて蛍光画像を得たい場合は、受光用フィルタ12として、照射された励起光をカットするようなフィルタを用いて励起光の影響を回避するようになすこと等は上記と同様である。また、光重合用には、一例として波長が480±20nmの光を出す照射手段2に設定する。この場合、受光しないのでフィルタは不要である。
このように、光学系を介して光学画像をCCD3aに結像させるような構成を採用すれば、CCD3aを先側部分4の先端側に設ける必要がなく、先端側にはミラー81等を配するだけであるから、先側部分4の先端側を嵩低く設計することができ、口腔内に挿入して使用される歯科用の撮影器としての適性が増大し、その実用価値は頗る大である。
図29は、実施例12と同様に撮像手段が光路変更手段を備えると共に、先側部分4が、ヘッド部4aと基部4bとに分離可能とされた例を示すものであり、実施例12と共通する部分には同一の符号を付している。即ち、筒状ヘッド部4aの内面には、上記光軸に対して略45度の角度となるように光路変更手段としてのミラー(或いはプリズム)81が取付けられ、一方先側部分4の筒状基部4b内にはCCD3aが設置されており、ヘッド部4aと基部4bとを後記する結合手段90を介して結合した時には、このミラー81とCCD3aとの間の内筒部が、撮像光の導光路80とされている。
この導光路80に沿ってヘッド部4a内にはリレーレンズ82が、基部4b内には光軸に沿って移動可能なリレーレンズ83が夫々配され、上記ミラー81、リレーレンズ82、83によって、光学画像をCCD3aに結像させる為の光学系が構成されている。このCCD3aと光学系とにより撮像手段3が構成される。ヘッド部4aの上記光軸に略直交する方向に開口する入光用の開口部(光入出口部41)84が形成され、この開口部84と上記導光路80とが連通するよう構成されている。リレーレンズ82の前側(先端側)近傍には、受光用フィルタ12が装着されている。
開口部84の周辺部には、複数のLED(照射手段)2が周方向に沿って隔設されている。この各LED2にはヘッド部4aの壁部内に埋設されたリード線91a…が接続され、更にこのリード線91a…はヘッド部4aの基部4b側端面に突出する雄型電極91…に連接されている。一方、基部4bのヘッド部4a側端面にはこの雄型電極91…に対応して雌型電極92…が凹設されており、これら雌型電極92…は基部4bの壁部内に埋設されたリード線92a…を介して、本体1内の不図示の電源部に接続されている。
上記雄型電極91…と雌型電極92…との嵌合関係によりヘッド部4aと基部4bとの結合手段90が構成されると共に、両電極の電気的接合部が形成される。従って、ヘッド部4aの手操作により、基部4bに対する着脱が簡易になされる。これにより、雄型電極91…及び雌型電極92…が電気的に接合され、前記スイッチの適宜操作により、上記電源部からLED2に電源供給がされ、これらの起動発光がなされる。
また、上記光入出口部41には、上記と同様の異径段差状取付部41aが形成されており、この取付部41aに対し、ゴム等の弾性材からなる筒状遮光部材42が、その基部42aの弾性変形をして外嵌装着されていることは、実施例12の例の場合と同様である。
上記のような構成において、波長特性の異なる種々の受光用フィルタ12と、発光特性の異なる種々のLED2とを組合わせた種々のヘッド部4aを準備しておけば、これらヘッド部4aを結合手段90を介して基部4bに対して適宜選択装着することにより、診断対象の状態或いは診断目的に応じた多面的な診断撮影を実施することができる。
即ち、LED2を白色LEDとし、受光用フィルタ12がない(単なるガラスも含む)ヘッド部4aを用いれば、診断対象からの反射光による可視光画像が得られ、またLED2を励起光用LEDとし、励起光をカットする受光用フィルタ12を装着したヘッド部4aを用いれば、診断対象の鮮明な蛍光画像が得られる。更には、LED2を赤外線用LEDとし、照射赤外線光による診断対象部位からの反射光のみを通す受光用フィルタ12を装着したヘッド部4aを用いれば、鮮明な赤外線反射画像を得ることができる。この場合、反射画像を得るのであるから、本来受光用フィルタは不要とされるが、強い太陽光が撮像手段3に入光すると、太陽光によって赤外線反射画像がマスクされてしまう為、このような受光用フィルタ12が必要とされる場合がある。
また、1つのヘッド部4aに、発光特性の異なる複数のLED2を取り付けてこれらを適宜発光制御可能とし、且つ、波長特性の異なる複数の受光用フィルタ12を付け替え可能として、前記と同様に診断対象部位の状態や、診断目的に応じて多様な診断画像情報を得るようになすこともできる。本実施例の診断用撮影器Aは、実施例12の診断用撮影器Aの効果に加えて、より多様な診断画像情報が得られる点で特筆されるものである。
尚、実施例12及び13の診断用撮影器Aにおける照射手段2や受光用フィルタ12の装着機構に代え、前記各実施例の着脱機構を採用することや、制御システム等を選択的に適用し得ることは言うまでもない。また、実施例12及び13の例では、遮光部材42が単独で着脱可能とされているから、滅菌消毒等が簡易になされ便利である。更に、この例では、リレーレンズ82と83との間でヘッド部4aを基部4bに対して着脱自在とする構成を示したが、これに限られず、
例えばリレーレンズ82と受光用フィルタ12との間、ミラー81と受光用フィルタ12との間、又はリレーレンズ83とCCD3aとの間で分離し着脱自在としても良い。
図30〜図32は、デンタルミラー型の診断用撮影器の例を示し、図例の診断用撮影器Aは、手指によって把持される支持棒部71の先端に取付けられた枠体(先側部分4)72に、LED(照射手段)2、CCD(撮像手段)3a、受光用フィルタ12を配置して、コンパクトなデンタルミラー型に構成されている。枠体72は、円形の底壁72a、筒状の外周壁72b、及び筒状の仕切り壁72cから構成され、外周壁72bと仕切り壁72cとの間に4個のLED2が配置され、仕切り壁72cの内側にCCD3aが配置されている。
4個のLED2は、CCD3aの軸心回りに90度ごとに等間隔に配置されており、外周壁72bと仕切り壁72cとの間に装備される円環状の透明ガラス73によってカバーされている。仕切り壁72cの内側には、カバーを兼ねる状態で、CCD3aに対する円盤状の受光用フィルタ12が装備されている。また、枠体72の開口部は光入出口部41とされ、この光入出口部41には、ゴム等の弾性材からなる筒状遮光部材42が着脱可能に装着されている。このように、非常にコンパクトな診断用撮影器Aであるから、デンタルミラーを使うのと同じ操作で、操作性良く簡単便利にしかも外乱光の影響を受けることなく口腔内等の診断対象部位(撮影対象)を撮影することができる。尚、透明ガラス73の一部を照射用のフィルタとしてもよい。
上記で述べた診断用撮影器Aの外形状としては、撮像手段3や照射手段2の光軸が本体1の長手方向に直交する構成(図1〜図6)又は角度を付けた屈曲型の構成の他、先端部に、本体の長手方向に沿う方向に撮像手段及び照射用光源を配備した直線型の構成(実公平6−30163)でも良い。また、筒状遮光部材42を先行拡径状の例を示したが、先行縮径状のものでも良い。更に、図2に示す制御ボックスHを、携帯電話やこれ程度の表示機能、コントロール機能を有した超コンパクトなものに構成して、本体1に接続してあるような診断用撮影器も可能である。
本発明の診断用撮影器Aでは、白色光源により得られる画像以外に、浸透性の強い赤外光等を使用して得られる、撮影対象から発生する反射光や、励起光を照射して励起される蛍光を受光することで、う蝕、初期う蝕の検出、う蝕の度合いの観察、う蝕の進行確認、歯の変質、歯肉の変化を撮影して診断することができるとともに、破損や亀裂の有無、歯石や歯垢の有無、歯石や歯垢の付着状況、修復物の装着具合等も診断でき、口腔内観察、及び診断用固体撮像素子として用いることができるものを、小型でローコスト、取扱い易い便利なものとして提供することができる。つまり、照射手段によって照射されて診断対象から及んでくる反射光及び/又は励起光によって発生する蛍光を撮像手段で受光して、外乱光の影響を受けることのない所定の診断画像を形成できるから、歯表面の傷、内部のう蝕、亀裂の深度、歯肉の状況を即座に簡単、便利に知ることができ、コンパクトなカメラ型撮影器でありながら的確な診断を下すことができる極めて有用性の高いものである。また、異なる波長を照射光とした規格撮影ができるので、異なる波長の照射光を使用する画像の重畳や掃引という画像処理が可能で、例えば可視光での画像に病変部の蛍光画像を重畳させる事が簡単に行える。これによって、従来は行い難かった室内照明光や太陽光の下での病変部の視認が行える。更には、このような簡単な診断が家庭で行えれば、歯磨きの仕方を自身で工夫したり、自己や家族の健康管理に役立てたりすることができる。
本発明の診断用撮影器の一例を示す平面図である。
同診断用撮影器の長手方向に沿った縦断面図である。
同本体の先側部分の拡大縦断面図である。
同本体先側部分の拡大底面図である。
遮光部材の斜視図である。
同先側部分の部分縦断部分切欠正面図である。
口腔内における歯の撮影画像の一例を示す図である。
診断用撮影器による口腔内の診断状況を示す作用図である。
コードレス式診断用撮影器を用いたシステム全体を示すブロック図である。
有線式診断用撮影器及びパソコンを用いたシステム全体を示すブロック図である。
各発光源の照射タイムチャートを示す図である。
励起光の照射によるう蝕歯と健康歯の放射線強度の対比グラフを示す図である。
励起光照射によるう蝕歯と健康歯との相対蛍光強度グラフを示す図である。
照射用光源の切換え構造の一例を示す制御ブロック図である。
フィルタのスライドによる着脱構造を示し、(a)は先端部の一部切欠きの正面図、(b)は一部切欠きの側面図、(c)はレール溝の拡大図である。
先側部分の着脱自在構造を示し、(a)は撮影器先端側の側面図、(b)は分離された状態の分解斜視図である。
別実施例の診断用撮影器を示す側面図である。
フィルタの種々の形態を示す図であり、(a)、(b)共に、受光用フィルタの代表例を示す斜視図である。
同(a)、(b)共に、光源用フィルタの代表例を示す斜視図である。
同(a)はコーティングによる受光用フィルタ、(b)はコーティングによる光源用フィルタを夫々示す斜視図である。
照射手段とフィルタとが一体で着脱自在な別構造の撮影部の断面図である。
遮光部材と照射手段とが一体関係で、先側部分に着脱自在とされた診断用撮影器の例を示す部分切欠縦断面図である。
(a)は同実施例における遮光部材を底面側から見た図、(b)は同斜視図である。
遮光部材と受光用フィルタとが一体関係で、先側部分に着脱自在とされた診断用撮影器の例を示す部分切欠縦断面図である。
照射手段と受光用フィルタとが一体関係で先側部分に着脱自在とされ、更に遮光部材がこれらに着脱自在とされた診断用撮影器の例を示す部分切欠縦断面図である。
照射手段、受光用フィルタ及び遮光部材が一体関係で先側部分に着脱自在とされた診断用撮影器の例を示す部分切欠縦断面図である。
光路変更手段を採用した診断用撮影器の部分切欠部分縦断面図である。
同底面図である。
光路変更手段を採用した診断用撮影器の別実施例の図27と同様図である。
デンタルミラー型診断用撮影器の一部切欠きの側面図である。
図30の診断用撮影器の要部平面図である。
図30の診断用撮影器の斜視図である。
符号の説明
1 本体
2 照射手段
3 撮像手段
3a CCD(固体撮像素子)
4 先側部分
4a ヘッド部
4b 基部
41 光入出口部
42 遮光部材
6 撮影スイッチ
7 光源選択スイッチ
11 フィルタ
12 受光用フィルタ(撮像手段)
13 光源用フィルタ
14 診断対象
16 自動シーケンス撮影スイッチ
18 メモリ
31 レール溝
81 ミラー(光路変更手段)
90 結合手段
91、92 雌雄の電気接合部
B 画像記憶手段
C 自動撮影制御手段
E フィルタ着脱手段
D 照射用光源選択手段