JPH06112589A - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

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JPH06112589A
JPH06112589A JP25503092A JP25503092A JPH06112589A JP H06112589 A JPH06112589 A JP H06112589A JP 25503092 A JP25503092 A JP 25503092A JP 25503092 A JP25503092 A JP 25503092A JP H06112589 A JPH06112589 A JP H06112589A
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JP25503092A
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Eiji Yamamoto
英二 山本
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、特定のふたつ以上の波長の光を任意
の強度で出力できることを主要な目的とする。 【構成】化合物半導体により導伝型の層列としてp型/
n型/p型またはn型/p型/n型の層構造を形成し、
この層構造内のふたつのpn接合近傍にそれぞれ近接す
る層よりバンドギャップエネルギの小さい組成のふたつ
の活性層を備え、前記ふたつの活性層に伝導帯と価電子
帯の間の遷移波長を互いに異なる大きさに形成し、前記
ふたつの活性層を独立に発光させる電流注入手段が設け
られていることを特徴とする半導体発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体発光素子に関し、
特に多波長のレーザ光またはLED光の発生に利用し、
更に詳しくは光通信システムにおける波長の多重化光源
の提供や、化学・医療分野における多波長レーザを利用
した光吸収・反射スペクトル測定に利用されるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】波長の切り換えが可能で、しかも、波長
の切り換え幅が20nmを越える半導体レーザの構成と
して、ADQW(Asymmetric dual quantum well)
レーザが知られている。図6はこのレーザの活性層のバ
ンド構造図を、図7,図8はこのレーザの波長の切り替
え特性を示している。基底準位間の遷移波長が異なるふ
たつの量子井戸をpn接合の近傍に形成し、接合に注入
する電流の大きさにより発振波長の切り換えを行うもの
である。注入電流が小さいときは、伝導帯の電子も価電
子帯の正孔も量子井戸の最も低エネルギの準位から状態
を占有するので、小さな遷移エネルギをもつ量子井戸の
光利得が相対的に大きく、これに対応して、長波長で発
振する。しかし、キャリアがふたつの量子井戸に注入さ
れる状態は、キャリアがふたつの井戸の間のバリアを越
えて輸送される速度にも依存する。この輸送速度はバリ
アの高さと幅(厚さ)により決まる制限値をもつので、
注入電流を大きくすると有効質量の大きい正孔がバリア
層を越えて輸送される割合が低下する。従って、図6の
場合は、遷移エネルギの小さい量子井戸(QW−1)に
正孔が注入されにくくなり、相対的に、遷移エネルギの
大きい量子井戸(QW−2)によるレーザ発振が支配的
になる。このようなメカニズムにより注入電流の大小に
よりレーザ発振に寄与する量子井戸が移り変わることに
より、レーザの発振波長を切り換えることができる。
【0003】これに対して、本発明者は、ふたつの活性
層を積層し、さらに、これらをふたつのpn接合により
電気的に分離し、各々の活性層に注入する電流の相対的
な大きさを変えることにより、導波路全体の屈折率を変
化させ、発振波長を掃引することのできるComplementa
ry Twin −Active −Guide(CTAG)レーザを提
案している。図9にこのレーザの構造を示す。
【0004】図中の1はp型電極、2はn型電極、3は
SiO2 等による絶縁膜である。4,5は、各々、電極
のコンタクト抵抗を小さくするためのp型コンタクト
層、n型コンタクト層である。6,7,8は、各々、第
1活性層、n型分離層、第2活性層であり、9,10は、
各々、p型クラッド層、n型埋め込み層である。11はレ
ーザ発振波長を決める回折格子を形成したガイド層であ
る。
【0005】前記第1活性層6に注入する電流I1 は、
上部のp型電極1、p型コンタクト層4、p型クラッド
層9、ガイド層11、第1活性層6、n型分離層7、n型
埋め込み層10、n型コンタクト層5、n型電極2の経路
により注入される。前記第2活性層8に注入する電流I
2 は、下部のp型電極1、p型クラッド層9、第2活性
層8、n型分離層7、n型埋め込み層10、n型コンタク
ト層5、n型電極2の経路により注入される。
【0006】CTAGレーザでは、ふたつの活性層に注
入する電流I1 ,I2 の相対的な大きさを変化させるこ
とにより、各々の活性層のキャリア密度が変化し、これ
が、活性層の屈折率を変化させる効果(プラズマ効果や
バンドフィリング効果)を介して、ガイド層上に作り付
けた回折格子の光学的なピッチを変化させて、発振波長
を変化させることができる。
【0007】上述のADQWレーザは、例えば、文献
(1)シミズ他、アプライド・フィジクス・レターズ、
第59巻、第504 頁、1991年(A.Shimizu et al .,
Appl.Phys .Lett .,vol .59,p.504 ,199
1)に詳しく説明されている。また、上記のCTAGレ
ーザについては、文献(2)ヤマモト他、ジャパニーズ
・ジャ−ナル・オブ・アプライド・フィジクス、第30
巻、第L1884頁、1991年(E.Yamamoto et al.,
Jpn.J.Appl .Phys .,vol .30,p.L1884,
1991)に詳しく説明されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ADQWレーザに関しては、以下の問題があった。 (a)ふたつの活性層を電気的に独立に制御できない。 (b)波長の切り換えは特定の注入電流においてのみ可
能である。 (c)上記(a),(b)により長波長側の光出力が制
限される。 (d)ふたつの波長を同時に、かつ、安定に発振させる
ことができない。 このように、上述のADQWレーザでは、ふたつ以上の
特定の光波長をもつレーザ光を任意の光強度で出力させ
ることができない。一方、上述のCTAGレーザでは、
数nm以下の波長可変を前提としており、多波長レーザ
としては、波長の切り換え幅が小さい。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、光波長として数十nmあるいは数百nmの広い帯域
をカバーして、特定のふたつ以上の波長の光を任意の強
度で出力できる半導体発光素子を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、化合物半導体
により導伝型の層列としてp型/n型/p型またはn型
/p型/n型の層構造を形成し、この層構造内のふたつ
のpn接合近傍にそれぞれ近接する層よりバンドギャッ
プエネルギの小さい組成のふたつの活性層を備え、前記
ふたつの活性層に伝導帯と価電子帯の間の遷移波長を互
いに異なる大きさに形成し、前記ふたつの活性層を独立
に発光させる電流注入手段が設けられていることを特徴
とする半導体発光素子である。本発明において、下記の
具体的な手段が挙げられる。
【0011】(1) ふたつの活性層により形成する導波路
の間隔を近づけてふたつの導波路が光学的に互いに強結
合し、光学的にはひとつの導波路を形成し、放射光が前
記のひとつの導波路より出射すること。
【0012】(2) ふたつの活性層により形成する導波路
の間隔を広げてふたつの導波路が実質的に光学的結合を
しない状態とし、放射光が前記のふたつの導波路よりそ
れぞれ別々に出射すること。
【0013】(3) ふたつの活性層がバンドギャップエネ
ルギの小さい層とこれの両側または片側にこれよりバン
ドギャップエネルギの大きい層を形成した分離閉じ込め
ヘテロ構造(SCH)よりなること。 (4) 半導体レーザの共振器端面に反射率を制御する光学
膜を形成し、放出される光のコヒーレンス長を制御する
こと。 ここで、上記(3) の具体的な手段は、以下の通りであ
る。 (5) ふたつの活性層をバルク結晶により形成すること。 (6) ふたつの活性層の片方または両方が単一量子井戸ま
たは多重量子井戸により形成されること。
【0014】(7) ふたつの活性層のうち片方または両方
の活性層の構造に関して、ふたつ以上の互いに遷移波長
の異なる層をこれらよりバンドギャップエネルギの大き
な層で挟む層構造を形成し、注入する電流の大きさによ
りひとつの活性層より放射する光波長の切り換えが可能
なこと。
【0015】また、上記(5) の具体的な手段としては、
量子井戸活性層に注入する電流の大きさを変化させるこ
とにより、光利得が最大となる波長を量子井戸における
基底準位間の遷移によるものからより高い準位の遷移に
よるものに変え、これによりひとつの活性層から放射す
る光波長の切り換えが可能なことが挙げられる。
【0016】
【作用】本発明によれば、ふたつの波長を切り換えが可
能で、しかも、各波長の光を任意の光パワーで出力する
ことができる。
【0017】また、「課題を解決するための手段」の欄
の上記(7) 又は(6) により、ひとつの活性層より光利得
を得て出射される光波長を切り換えることができるの
で、本発明の機能と併せて、3種以上の波長の切り換え
が可能となる。しかしながら、ひとつの活性層より光利
得を得て出力される光の波長を切り換える場合は、図7
の場合と同様に光パワーを自由に設定することは難し
い。
【0018】上記(1) により、ふたつの活性層が近接し
て光学的に強結合した構造を有する場合は、各々の活性
層より光利得を得た光が実質的にひとつの導波路より出
射されることになり、ビームの精密な絞り込みを必要と
する用途に適している。しかしながら、ひとつの活性層
が光利得を有する波長の半値幅は150nm程度である
ので、これ以上の波長幅で光を切り換えると短波長側の
光は基底準位間の遷移波長の長い(バンドギャップエネ
ルギが小さい)方の活性層により光吸収され、レーザ発
振や大きなパワーの発光が難しい。
【0019】これに対して、上記(2) によると、ふたつ
の活性層が光学的に結合しないように、間隔を広げて形
成される場合は、一方の活性層より出射した光が他方の
活性層により吸収されないので、各々の活性層から出射
される光の波長差を大きくすることができる。しかし、
光は各々の活性層が形成する導波路より出射されるの
で、ビームの精密な絞り込みを必要とする用途には適さ
ない。
【0020】上記(4) によると、上述の作用効果を有す
る素子に対して、共振器端面の反射率を下げることによ
り半導体発光素子内部の光の共振状態を制御できるの
で、出力光のスペクトル線幅を広げることができ、光の
コヒーレンス長を短くすることが可能となる。これによ
り、光計測分野で多波長の光を使用する場合に戻り光な
どによる光の干渉の効果を軽減することが可能となる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1は、本発明に係る半導体発光素子の基本的
な構成例を示す。
【0022】図中の21は、p型の半導体基板である。こ
の基板21上には、p型のバッファ層22、n型のブロック
層23が順次形成されている。前記ブロック層23及びバッ
ファ層22の所定の位置には、p型の拡散層24が前記バッ
ファ層22の底部にまで達しないように形成されている。
【0023】前記ブロック層23上には、p型の第1クラ
ッド層25、第1活性層26、n型の分離層27、第2活性層
28、p型の第2クラッド層29が順次形成されている。こ
れらの各層はメサ状に除去され、この除去された部分及
びこの上部にn型の埋込み層30が形成されている。
【0024】前記第2クラッド層29の上方には、p型の
拡散層31が両脇から前記埋込み層30で挟さまれるように
形成されている。前記基板21の下面には、p型電極32が
形成されている。前記埋込み層30及び拡散層31上には、
これら埋込み層30及び拡散層31に対応する部分に開口部
を有した絶縁膜33が形成されている。これらの開口部に
は、それぞれp型電極34、n型電極35が形成されてい
る。
【0025】こうした構成の半導体発光素素子におい
て、前記第1活性層26及び第2活性層28はふたつの互い
に遷移波長の異なる活性層であり、これらが第1クラッ
ド層25、分離層28及び第2クラッド層29により電気的に
分離されている。上部のp型電極34より注入された電流
は、p型の拡散層31、p型の第2クラッド層29、第2活
性層28、n型の分離層27及びn型の埋め込み層30を通っ
て、接地電極に引き出される。同様に、下部のp型電極
32に注入された電流は、p型の半導体基板21、p型のバ
ッファ層22、p型の拡散層24、p型の第1クラッド層2
5、第1活性層26、n型の分離層27及びn型の埋込み層3
0を通って、接地電極に引き出される。また、n型のブ
ロック層23は、下側の第1活性層26に電流注入する際の
無効成分を阻止するためのものである。次に、上記半導
体発光素子の作製方法の一例を導波路ストライプに垂直
な断面に切断した状態の図2(A)〜(E)を参照して
説明する。
【0026】まず、p型半導体基板21上にp型のバッフ
ァ層22、n型のブロック層23を順次成長し、第1活性層
26に電流注入する経路部分にのみSiO2 等の拡散マス
ク36を用いてp型不純物例えば亜鉛(Zn)を拡散し、
p型の拡散層24を形成する(図2(A)参照)。
【0027】次に、前記拡散マスク36を除去した後、p
型の第1クラッド層25、第1活性層26、n型の分離層2
7、第2活性層28、p型の第2クラッド層29の順に同様
に結晶成長を行なう(図2(B)参照)。
【0028】次に、SiO2 等のマスク37を用いて、第
2クラッド層29、第2活性層28、分離層27、第1活性層
26に達する深さまでメサ状にエッチングし、導波路スト
ライプを形成する。つづいて、このマスク37を用いて、
エッチングした部分をn型の半導体層38で選択的に埋め
込む(図2(c)参照)。
【0029】次に、前記マスク37を除去した後、さらに
n型の半導体層39を成長する。ここで、前記n型の半導
体層38,39を総称して埋込み層30と呼ぶ。つづいて、前
記ストライプを除く埋込み層30上にSiO2 などのマス
ク40を形成した後、これを用いて前記第2活性層28に電
流を注入する経路に相当する部分にp型不純物を拡散
し、p型の拡散層31を形成する(図2(D)参照)。
【0030】次に、前記マスク40を除去した後、SiO
2 等の絶縁膜33をスパッタ法等により堆積し、上部の電
極コンタクトに相当する部分の窓明けを行い、上部のp
型電極34、n型電極35を各々、リフトオフ法などにより
形成する。つづいて、基板の厚さを素子の劈開が容易と
なる厚さまで基板の裏面をエッチングし、下部のp型電
極32を形成する(図2(E)参照)。ひきつづき、アロ
イングのための熱処理を施してから、素子を劈開等によ
り切り出し、半導体発光素子を製造する。
【0031】なお、半導体レーザとして使用するとき
は、このままでよいが、光のコヒーレンス長の短い発光
ダイオードとして利用する時は、さらに、導波路ストラ
イプの端面に端面の反射率を下げるための誘電体膜を形
成する。また、上記の半導体結晶の成長方法としては、
有機金属気相成長(MOVPE)法や液相成長(LP
E)法等を用いることができる。
【0032】ここで、図9に示すCTAGレーザの概観
図は、回折格子形成層を除けば、本発明による素子構造
と同様である。しかしながら、CTAGレーザでは図10
のバンド構造図に示すように、ふたつの活性層の遷移波
長がともに等しく設計されている点が本発明と大きく異
なる。CTAGレーザにおいては、ふたつの活性層への
注入電流の相対的な大きさにより、活性層内のキャリア
密度が変化し、同時に作りつけた回折格子の光学的なピ
ッチを変化することを利用して発振波長を変化させる。
従って、原理的には、CTAGレーザが導波路の屈折率
を変化させてレーザ発振波長を連続的に制御するのに対
して、本発明では各々の活性層のもつ遷移波長に応じた
特定の波長の光を発光または発振させる点が異なる。次
に、図3(A)〜(D)の活性層の組み合せ例に対して
その動作を説明する。
【0033】図3(A)はふたつの活性層にSCH構造
を採用し、さらに光利得を有する層をバルク結晶により
形成した場合を示す。任意の光出力をもつ2種の波長の
切り換えが可能である。第2活性層28に注入する電流の
大きさI1 により波長λ1 の光の出力が制御され、ま
た、第1活性層26に注入する電流の大きさI2 により波
長λ2 の光の出力が制御される。
【0034】図3(B)は第1活性層26,第2活性層28
の内部にふたつ以上のバンドギャップエネルギの異なる
光利得を有する層を形成した場合を示す。第2活性層28
に注入する電流の大きさI1 により波長λ1 ,λ2 を選
択し、また、第1活性層26に注入する電流の大きさI2
により波長λ3 ,λ4 を選択することが可能である。こ
の場合は、λ1 〜λ4 の波長は任意に設定できる。
【0035】図3(C)は第1活性層26,第2活性層28
の厚さを異なる量子井戸で形成し、第2活性層28に注入
する電流の大きさI1 により波長λ1 ,λ2 を選択し、
また、第1活性層26に注入する電流の大きさI2 により
波長λ2 ,λ4 を選択することが可能である。但し、λ
1 とλ2 を波長は自由に設定できるが、「λ1 とλ2
や「λ3 とλ4 」の間隔は量子井戸の構造によりλ1
λ2 に対して従属的に決まる。
【0036】図3(D)は第1活性層26,第2活性層28
内にふたつ以上の厚さの異なる量子井戸を形成した場合
を示し第2活性層28に注入する電流の大きさI1 により
波長λ1 ,λ2 を選択し、また、第1活性層26に注入す
る電流の大きさI2 により波長λ3 ,λ4 を選択するこ
とが可能である。この場合は、λ1 〜λ4 の波長は任意
に設定できる。
【0037】図4はふたつの活性層の間隔を変えたとき
の違いを示す。図4(A)は活性層による光導波路が光
学的に強結合している場合で、レーザ光は実質的にひと
つの導波路から出射するものと見なせる。なお、GaA
s系(あるいはInP系)レーザにおいては、共振器の
長さが300μmの場合、2つの活性層の厚さ方向の中
心間の距離はおよを0.5μm以下となる。図4(B)
は活性層による導波路が互いに光学的に結合しない様に
離れて形成された場合で、レーザ光はふたつの導波路よ
り別々に出射される。なお、図4(B)の場合は、図4
(A)の場合と同じケースで3μm以上が望ましい。
【0038】図5は上記に示したレーザをGaAs/A
lGaAs系の化合物半導体を用いて、メサ型に形成し
た構成例である。図1の構成では、導波路ストライプ部
分以外を半導体結晶で選択的に埋め込む技術が必要であ
るので、例えば、lnP系の素子ではlnGaAsPに
より構成された活性層導波路をlnPで埋め込む場合に
は作製が容易であるが、GaAs系の素子ではGaAs
により構成された活性層をAlGaAs層で埋め込む場
合には、選択的な成長が難しい。図4は、この埋め込み
層を形成しないで、n型の分離層27に直接電極のコンタ
クトをとる場合を示している。この構造は選択埋め込み
成長の難しい材料系でも作製が容易であるが、図1の構
造に較べると下部の第1活性層をストライプ状に加工で
きないので第1活性層への電流注入効率が劣ると考えら
れる。図5の実施例における各部の構成を以下に示す。
【0039】p型GaAs基板41上にp型GaAsバッ
ファ層42、n型GaAsブロック層43が積層され、電流
注入部分にのみp型不純物の拡散層44が形成されてい
る。また、前記ブロック層43上には、p型GaAsバッ
ファ層45、p型AlGaAsクラッド層46、第1活性層
26、n型の分離層27、第2活性層28、p型AlGaAs
クラッド層47、p型GaAsコンタクト層48が形成さ
れ、上部表面から分離層27の中間の深さまで、メサ状に
エッチングされ、分離層27からの電流引出しを可能にし
ている。更に、、電流注入部分を狭窄するために前記コ
ンタクト層48、上部の前記クラッド層47をメサ状にエッ
チングする。
【0040】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の半導体発光素
子によれば、光利得を有する遷移波長の異なる活性層を
それぞれ独立に電流により駆動できるので、第1活性層
と第2活性層で利得を得た特定波長の光の強度をそれぞ
れ独立に制御できる。また、第1活性層と第2活性層で
利得を得た光を同時に出力することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体発光素子の基本的な構成例
を示す概略斜視図。
【図2】本発明による半導体発光素子の作製方法を工程
順に示す断面図。
【図3】本発明による半導体発光素子の活性層の構成の
具体例の説明図。
【図4】本発明による光半導体発光素子における光導波
路の構成の具体例を導波路ストライプに平行な断面で示
す説明図。
【図5】本発明による半導体発光素子をGaAs/Al
GaAs系の化合物半導体で作製した実施例を導波路ス
トライプに垂直な断面で示す説明図。
【図6】従来の多波長レーザの例として、ADQWレー
ザの活性層のバンド構造の構成例を示す説明図。
【図7】従来のADQWレーザの光出力と電流との関係
を示す特性図。
【図8】従来のADQWレーザの光出力と波長との関係
を示す特性図。
【図9】従来のTGレーザの例として、CTAGレーザ
の構成例を示す概略斜視図。
【図10】従来のTGレーザの例として、CTAGレー
ザにおける活性層の構成を示す説明図。
【符号の説明】
21…半導体基板、 22,42,45…バッファ層、
23,43…ブロック層、24,31,44…拡散層、 25,29,
46,47…クラッド層、 26,28…活性層、30…埋込み
層、 32,34…p型電極、 33…絶縁
膜、35…n型電極、 36,37,40…マスク、
38,39…半導体層、41…GaAs基板、 48…コ
ンタクト層。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】図4はふたつの活性層の間隔を変えたとき
の違いを示す。図4(A)は活性層による光導波路が光
学的に強結合している場合で、レーザ光は実質的にひと
つの導波路から出射するものと見なせる。なお、GaA
s系(あるいはInP系)レーザにおいては、共振器の
長さが300μmの場合、2つの活性層の厚さ方向の中
心間の距離はおよそ0.5μm以下となる。図4(B)
は活性層による導波路が互いに光学的に結合しない様に
離れて形成された場合で、レーザ光はふたつの導波路よ
り別々に出射される。なお、図4(B)の場合は、図4
(A)の場合と同じケースで3μm以上が望ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】p型GaAs基板41上にp型GaAsバッ
ファ層42、n型GaAsブロック層43が積層され、電流
注入部分にのみp型不純物の拡散層44が形成されてい
る。また、前記ブロック層43上には、p型AlGaAs
バッファ層45、p型AlGaAsクラッド層46、第1活
性層26、n型の分離層27、第2活性層28、p型AlGa
Asクラッド層47、p型GaAsコンタクト層48が形成
され、上部表面から分離層27の中間の深さまで、メサ状
にエッチングされ、分離層27からの電流引出しを可能に
している。更に、、電流注入部分を狭窄するために前記
コンタクト層48、上部の前記クラッド層47をメサ状にエ
ッチングする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】本発明に係る半導体発光素子の基本的な構成例
を示す説明図で、図1(A)は概略斜視図、図1(B)
は典型的な導波路断面のバンド構成図。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体により導伝型の層列として
    p型/n型/p型またはn型/p型/n型の層構造を形
    成し、 この層構造内のふたつのpn接合近傍にそれぞれ近接す
    る層よりバンドギャップエネルギの小さい組成のふたつ
    の活性層を備え、 前記ふたつの活性層に伝導帯と価電子帯の間の遷移波長
    を互いに異なる大きさに形成し、 前記ふたつの活性層を独立に発光させる電流注入手段が
    設けられていることを特徴とする半導体発光素子。
JP25503092A 1992-09-24 1992-09-24 半導体発光素子 Withdrawn JPH06112589A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005168520A (ja) * 2003-12-05 2005-06-30 Morita Mfg Co Ltd 診断用撮影器

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