JP4516684B2 - 車両用モータの冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を駆動するための電気モータを、冷却液により冷却する車両用モータの冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の冷却装置として、例えば特開平10−259721号公報に記載されたものが知られている。この車両は、エンジンおよび電気モータで選択的に駆動輪を駆動するハイブリッドタイプのものである。電気モータを冷却する冷却装置は、ラジエータと、ラジエータと電気モータの間に接続され、冷却液が循環する冷却液循環通路と、この冷却液循環通路のうちの最も高い部位に配置されたリザーブタンクと、冷却液循環通路に設けられた冷却液ポンプなどを備えている。この冷却装置では、冷却液ポンプが作動することにより、冷却液が冷却液循環通路を循環し、それに伴う冷却液と電気モータの間の熱交換によって、電気モータが冷却される。また、リザーブタンクは、冷却液循環通路内の冷却液の圧力調整などを目的として設けられ、この種のリザーブタンクでは、冷却液中の気泡を分離するヘッダタンクとしての機能も兼ね備えたものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の冷却装置によれば、ラジエータ、電気モータ、冷却液ポンプおよびリザーブタンクなどの多数の部品を接続しなければならないので、そのためのパイプや継手などの接続部品の点数が多くなり、その分、組立工数が多くなることにより、製造コストが高くなるとともに、必要なスペースが大きくなることで、車両への搭載性が低下する。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、部品点数および組立工数を削減することができ、それにより、製造コストを削減でき、車両搭載性を向上させることができるとともに、空気溜まりの発生を防止でき、それにより十分な冷却能力を確保することができる車両用モータの冷却装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両を駆動するための電気モータ2を、冷却液9により冷却する車両用モータの冷却装置1であって、冷却液9が循環する冷却液循環通路8と、電気モータ2の表面側に表面の少なくとも一部を取り囲むように設けられ、冷却液循環通路8の一部を構成するジャケット通路10が形成されたジャケット6と、ジャケット6の上側に一体に設けられ、ジャケット通路10とジャケット通路10以外の部分の冷却液循環通路8とに接続され、冷却液9から気泡を分離するためのヘッダタンク7と、を備え、ジャケット通路10は、ヘッダタンク7よりも低い位置で水平に延びる入口通路部(例えば実施形態におけるホース接続口6c)と、入口通路部から下方に屈曲した屈曲部(ホース接続口6c、入口部10a)と、屈曲部から下方に延びる低部10cとを有し、冷却液9が入口通路部から屈曲部および低部10cを経てヘッダタンク7に流れるように構成されており、屈曲部とヘッダタンク7との間をバイパスするとともに、ジャケット通路10よりも断面積の小さいエア抜き通路11をさらに備えることを特徴とする。
【0006】
この車両用モータの冷却装置によれば、冷却液がジャケット通路を含む冷却液循環通路内を循環することによって、冷却液により電気モータが冷却されるとともに、ヘッダタンクにより冷却液から気泡が分離される。また、ヘッダタンクとジャケットが一体であるので、パイプや継手などを用いることなく、ジャケット通路を、ヘッダタンクに直接、接続することができる。その結果、部品点数が削減され、その分、組立工数が削減されることにより、製造コストを削減することができるとともに、コンパクト化できることで、車両搭載性を向上させることができる。また、ジャケット通路は、冷却液がヘッダタンクよりも低い入口通路部から屈曲部および低部を経てヘッダタンクに流れるように構成され、かつ屈曲部はエア抜き通路を介してヘッダタンクにバイパスされる。このようなジャケット通路では、冷却液中に混入している空気が屈曲部に溜まりやすいので、そのような空気を屈曲部とヘッダタンクとを接続する短いエア抜き通路により、ヘッダタンクに逃がすことができる。それにより、空気溜まりおよびそれに起因する電気モータと冷却液の間の熱交換効率の低下を防止でき、十分な冷却能力を確保することができる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用モータの冷却装置1において、屈曲部は、入口通路部から下方に鋭角に屈曲していることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の車両用モータの冷却装置1において、ジャケット6およびヘッダタンク7は、接合面6e,7cを介して互いに接合されており、エア抜き通路11(溝6k)は、ジャケット6の接合面6eおよびヘッダタンク7の接合面7cの少なくとも一方に形成されていることを特徴とする。
この車両用モータの冷却装置によれば、エア抜き通路がジャケットおよび/またはヘッダタンクの接合面に形成されているので、両者を互いの接合面で接合させるだけで、上記作用を奏するエア抜き通路を得ることができる。また、エア抜き通路を開放した接合面に予め形成すればよいので、貫通孔を孔あけ加工する場合などと比較して、エア抜き通路をより容易に形成することができる。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の車両用モータの冷却装置1において、ジャケット6およびヘッダタンク7の接合面6e,7cは平らに形成され、エア抜き通路11は、平らな接合面6e,7cに沿って延びるように、少なくとも一方の接合面6eに形成された溝6kで構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用モータの冷却装置1において、冷却液循環通路8はインバータ5に接続されており、インバータ5は、入口通路部(ホース接続口6c)よりも低い位置に配置されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用モータの冷却装置について説明する。図1は、本実施形態の冷却装置の概略構成を示している。この冷却装置1は、図示しない車両に適用されたものであり、この車両は、前輪をエンジン(いずれも図示せず)で、後輪(図示せず)を電気モータ(以下「モータ」という)2でそれぞれ駆動するいわゆるハイブリッド4WDタイプのものである。このモータ2は、交流サーボモータであり、図示しない制御装置に電気的に接続されているとともに、この制御装置からの駆動信号が後述するインバータ5を介して入力されることにより、制御される。
【0012】
冷却装置1は、ラジエータ3、冷却液ポンプ4、インバータ5、ジャケット6およびヘッダタンク7などを備えており、これらがホース8aを介して冷却液9の流れる方向に順に直列に接続されることにより、冷却液循環通路8が構成されている。この冷却液循環通路8内を冷却液9(図2参照)が循環することにより、モータ2が冷却される。
【0013】
ラジエータ3は、その内部を流れる冷却液9を、車両の走行中、それに伴う走行風との熱交換により冷却し、停車中、図示しない電動ファンからの送風との熱交換によって冷却する。このラジエータ3は、エンジン冷却用のラジエータ(図示せず)とは別個に設けられ、冷却液9がアッパータンク3aからラジエータコア3bを介してロワータンク3cに流れるダウンフロータイプのものである。
【0014】
このアッパータンク3aおよびロワータンク3cはそれぞれ、ホース8a,8aを介して、ヘッダタンク7および冷却液ポンプ4に接続されている。また、冷却液ポンプ4は、上記制御装置により制御され、ラジエータ3で冷却された冷却液9をインバータ5側に吐出する。これにより、冷却液9は、冷却液循環通路8内を図中の太い矢印で示す方向に循環する。また、インバータ5と冷却液ポンプ4は、互いに同じ高さで配置されている。
【0015】
次に、上記ジャケット6および上記ヘッダタンク7について、図2に示す断面図を参照しながら説明する。なお、同図において、ハッチングで示す部分は、冷却液9が満たされている部分を示し、図中の太い矢印は、冷却液9の流れる方向を示している。この点は、後述する図3〜図7においても同様である。
【0016】
上記モータ2は、断面円形で図面の奥行き方向に延びており、そのケーシング内にロータやステータなどを内蔵している(いずれも図示せず)。ジャケット6は、このモータ2のケーシングの表面を取り囲むように設けられており、同図に示すように、断面円環状のインナケーシング6aと、これよりも若干径が大きく且つほぼ同様の断面形状のアウタケーシング6bとを備えている。両ケーシング6a,6bは、互いに間隔を存して図面の奥行き方向に延びており、図示しない2つの蓋により、両端部がそれぞれ水密に閉塞されている。これにより、これらのケーシング6a,6bと2つの蓋との間に、ジャケット通路10が形成されている。このジャケット通路10は、C字状であり、その上流側端部が冷却液9をジャケット通路10内に導入する入口部10aに、下流側端部がヘッダタンク7に接続された出口部10bになっているとともに、これらの入口部10aと出口部10bの間がこれらよりも高さの低い低部10cになっている。
【0017】
一方、アウタケーシング6bには、ジャケット通路10の入口部10aに連通するホース接続口6cが形成されており、このホース接続口6cは、筒状で、アウタケーシング6bから水平に外方に突出している。このホース接続口6cにはホース8aの下流側端部が接続されている。このホース8aの上流側端部は、ホース接続口6cよりも低い位置でインバータ5に接続されている。さらに、ホース接続口6cからジャケット通路10の入口部10aに至る部分は、下流側に向かって水平から下方に鋭角状に曲がった通路形状になっている。以上のように、ジャケット通路10は前記冷却液循環通路8の一部を構成しており、それにより、ジャケット通路10内を冷却液9が流れる際の熱交換作用によって、モータ2が冷却される。この場合、ジャケット通路10が、上記のようなC字状でモータ2を取り囲む形状を有することにより、その通路長さを大きく確保できるとともに、ジャケット通路10が奥行き方向に延びているので、インナケーシング6aにおける冷却液9との接触面積を大きく確保できる。その結果、冷却液9による熱交換を効率よく行うことができる。
【0018】
また、インナケーシング6aとアウタケーシング6bの間には、エア抜き通路11が形成されている。このエア抜き通路11は、その断面積がジャケット通路10と比べてかなり小さくなっており、上記鋭角状に曲がった通路形状の部分から斜め上がりに延び、出口部10bにバイパスするように接続されている。これにより、冷却液9中の気泡は、ジャケット通路10の鋭角状に曲がった通路形状の部分に溜まることなく、冷却液9の一部とともにエア抜き通路11を通ってヘッダタンク7に流れ込む。その際、エア抜き通路11内を流れる冷却液9の量は、エア抜き通路11の断面積がジャケット通路10よりもかなり小さいことから、ジャケット通路10側よりもかなり少ない。
【0019】
また、アウタケーシング6bの上面は、平らな接合面6eになっており、この接合面6eには、上記出口部10bを取り囲むように円環状の環状溝6fが形成されている。この環状溝6fには、図示しないOリングが嵌め込まれている。
【0020】
一方、ヘッダタンク7は、冷却液9中に含まれる気泡をこれから分離するとともに、冷却液9を冷却液循環通路8内に補給するためのものあり、そのため、冷却液循環通路8中の最も高い位置に配置されている。また、ヘッダタンク7は、平らなベース部7aと、このベース部7aから上側に延び、ベース部7aよりも厚さの薄い周壁部7bなどで構成されている。このベース部7aの下面は、平らな接合面7cになっており、ヘッダタンク7は、この接合面7cがアウタケーシング6bの接合面6eに密着し、かつジャケット6との間にOリングを挟持した水密な状態で、ジャケット6にねじ止めされている。ベース部7aの中央には、上下方向に貫通する流入口7dが形成され、上記ジャケット通路10の出口部10bに接続されている。
【0021】
以上により、ヘッダタンク7は、その内部がジャケット通路10に連通し且つ水密な状態でジャケット6の上側に一体に取り付けられている。また、ヘッダタンク7の上面には、補給口が上方に突出するように形成されている。この補給口には、図示しないリリーフ弁付きのキャップ7eが取り付けられており、冷却液循環通路8内の圧力が所定圧よりも大きくなったときには、このリリーフ弁が開くことにより、冷却液循環通路8内の圧力が外方に逃がされ、所定圧以下に保持される。
【0022】
また、ヘッダタンク7の周壁部7bには、ホース接続口7fが水平にかつホース接続口6cと同じ向きで突出するように設けられている。このホース接続口7fには、ホース8aの一端部が接続されており、このホース8aの他端部は、より低い位置でラジエータ3のアッパータンク3aに接続されている。
【0023】
さらに、冷却液9は、ヘッダタンク7内の液面が補給口よりも低く、かつホース接続口7fよりも高い位置になるように、冷却液循環通路8内に貯えられており、それにより、ヘッダタンク7内には、冷却液層と空気層がそれぞれ形成されている。冷却液9中の気泡は、ヘッダタンク7内において、冷却液層内を上昇し、これから分離して空気層に移る。これにより、冷却液9は、気泡が分離された状態で、ラジエータ3に送り込まれる。
【0024】
以上のように、本実施形態の冷却装置1によれば、冷却液9が冷却液循環通路8内を循環することによりモータ2が冷却されるとともに、ヘッダタンク7により冷却液9から気泡が分離される。また、ヘッダタンク7とジャケット6が一体であるので、パイプや継手などを用いることなく、ジャケット通路10を、ヘッダタンク7に直接、接続することができる。その結果、部品点数が削減され、その分、組立工数が削減されることにより、製造コストを削減することができるとともに、コンパクト化できることで、車両搭載性を向上させることができる。
【0025】
また、ジャケット通路10がモータ2を取り囲むようにC字状に形成されていて、冷却液9がジャケット通路10の入口部10aから低部10cを経て出口部10bに流れるので、その通路長さを大きく確保できる。これに加えて、ジャケット通路10が奥行き方向に延びているので、インナケーシング6aにおける冷却液9との接触面積を大きく確保できる。これにより、熱交換を効率よく行うことができる。
【0026】
さらに、ホース接続口6cからジャケット通路10の入口部10aに至る部分が下方に鋭角状に曲がった通路形状であるため、冷却液9中に混入している空気がこの部分に溜まりやすいのに対して、この部分が比較的短いエア抜き通路11を介してヘッダタンク7にバイパスされているので、そのような空気をヘッダタンク7に逃がすことができ、空気溜まりが発生するのを防止できる。それにより、空気溜まりによってモータ2と冷却の間の熱交換効率が低下するのを防止でき、十分な冷却能力を確保することができる。
【0027】
なお、本実施形態では、ジャケット6のインナケーシング6aとモータ2のケーシングを別体に構成したが、ジャケット6のインナケーシング6aがモータ2のケーシングを兼ねるように構成してもよい。また、エア抜き通路11を設ける部位は、実施形態の、ホース接続口6cからジャケット通路10の入口部10aに至る部分に限らず、ジャケット通路10の低部10cよりも上流側で空気の溜まりやすい部位であればよい。
【0028】
次に、図3〜図7を参照しながら、冷却装置1の変形例について説明する。図3〜図7は、互いに異なる変形例をそれぞれ示している。これらの冷却装置1は、前述した実施形態の冷却装置1と比べて、ジャケット6およびヘッダタンク7の構成だけが異なっており、いずれにおいても実施形態の冷却装置1と同様の効果を得ることができる。以下、実施形態との相違点を中心として各変形例を説明する。
【0029】
まず、図3に示す冷却装置1は、実施形態の冷却装置1と比べて、ジャケット6とヘッダタンク7の接合部分が異なるものである。すなわち、ヘッダタンク7には、そのベース部7aの接合面7cの中央から突出する円筒状の突出部7gが形成されており、この突出部7gの内側が流入口7dになっている。この突出部7gの外周面には、周方向に沿って延びる環状溝7hが形成されており、この環状溝7hには、図示しないOリングが嵌め込まれている。一方、ジャケット6のアウタケーシング6bの上端部には、その上方に開口し、ジャケット通路10の出口部10bに連続するとともに、突出部7gよりも若干大径の流出口10dが形成されている。ヘッダタンク7は、その突出部7gがこの流出口10dに嵌合し、かつ流出口10dの壁面との間にOリングを挟持した水密な状態で、ジャケット6にねじ止めされている。また、ヘッダタンク7の内部とジャケット通路10は、突出部7gの流入口7dを介して互いに連通している。以上により、ヘッダタンク7は、ジャケット6に水密な状態で一体に取り付けられている。
【0030】
図4に示す冷却装置1も、実施形態の冷却装置1と比べて、ジャケット6とヘッダタンク7の接合部分が異なる。すなわち、図3の変形例と比較し、ヘッダタンク7の流入口7dが、周壁部7bの内径と同じ径に拡幅されており、これに対応して、ジャケット通路10の出口部10bも同径に拡幅されている。したがって、この冷却装置1によれば、実施形態の冷却装置1と比べて、ヘッダタンク7の容積を増大させることができ、それにより、冷却液9からの気泡分離能力を高めることができる。同じ理由により、冷却液9は、実施形態の冷却装置1のような小さい流入口7dで絞られる場合と比べて、緩やかにヘッダタンク7内に流入するので、ヘッダタンク7の気泡分離能力をさらに高めることができる。また、ジャケット通路10の出口部10bが拡幅されているのに対して、エア抜き通路11はより短くなっており、それにより、エア抜きをより確実に行うことができる。
【0031】
図5に示す冷却装置1は、上記図4の冷却装置1のヘッダタンク7がジャケット6にねじ止めされているのに対して、ヘッダタンク7が溶接によりジャケット6に一体に固定されている点が異なるものである。すなわち、ヘッダタンク7およびジャケット6は、互いに同材質の金属(例えばアルミニウム合金)で構成されており、ヘッダタンクは、ベース部7aが省略され、下方に開口しているとともに、ジャケット6の接合面6eに溶接で固定されている。したがって、この冷却装置1でも、上記図4の冷却装置1と同様の効果を得ることができる。
【0032】
図6に示す冷却装置1では、ヘッダタンク7の接合面7cおよびジャケット6の接合面6eが斜めに形成されているとともに、実施形態のジャケット6に設けられたホース接続口6cに代えて、ホース接続口7jがヘッダタンク7の下端部に設けられている。このホース接続口7jとラジエータ3のロワータンク3cとにホース8aが接続されている。一方、ジャケット6の接合面6eには、ジャケット通路10の入口部10aおよび出口部10bがそれぞれ丸孔状および角孔状に開口しており、この入口部10aは、接合面6eに直交するように斜めに延び、ホース接続口7jに接続されている。また、出口部10bは、ヘッダタンク7に接続されている。また、接合面6eには、入口部10aと出口部10bの間を接続する溝6kが形成されており、この溝6kと、ヘッダタンク7の接合面7cとによってエア抜き通路11が構成されている。
【0033】
したがって、この冷却装置1によれば、エア抜き通路11を構成する溝6kがジャケット6の接合面6eに形成されているので、ヘッダタンク7およびジャケット6を接合面7c,6eで接合させるだけで、前述した効果を奏するエア抜き通路11を得ることができる。また、溝6kを開放した接合面6eに予め形成すればよいので、貫通孔を孔あけ加工する場合などと比較して、エア抜き通路11をより容易に形成することができる。なお、エア抜き通路11を構成する溝6kは、ヘッダタンク7の接合面7cに形成してもよく、あるいは両方の接合面7c,6eに形成してもよい。
【0034】
図7に示す冷却装置1では、上記図6の冷却装置1と異なり、ヘッダタンク7の接合面7cおよびジャケット6の接合面6eが水平に形成されている。また、入口部10aは、上下方向に延びているとともに、エア抜き通路11は、入口部10aとホース接続口7jとの接続部分付近に、ヘッダタンク7の一部として構成された通路壁7kに形成されている。この通路壁7kは、ジャケット6のケーシング6a,6bと比べて、その厚さが薄いので、例えば孔あけ加工により、エア抜き通路11を容易に形成することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明の車両用モータの冷却装置によれば、ヘッダタンクとジャケットが一体であるので、パイプや継手などを用いることなく、ジャケット通路を、ヘッダタンクに直接、接続することができる。その結果、部品点数が削減され、その分、組立工数が削減されることにより、製造コストを削減することができるとともに、コンパクト化できることで、車両搭載性を向上させることができる。
【0036】
また、ジャケット通路は、冷却液がヘッダタンクよりも低い入口部から低部を経てヘッダタンクに流れるように構成され、かつ低部よりも上流側の部分が、エア抜き通路を介して、ヘッダタンクにバイパスされる。このようなジャケット通路では、冷却液中に混入している空気が入口部を含めた低部よりも上流側の部分に溜まりやすいので、そのような空気を入口部とヘッダタンクを接続する短いエア抜き通路により、ヘッダタンクに逃がすことができる。それにより、空気溜まりおよびそれに起因する電気モータと冷却液の間の熱交換効率の低下を防止でき、十分な冷却能力を確保することができる。
【0037】
さらに、エア抜き通路がジャケットおよび/またはヘッダタンクの接合面に形成されているので、両者を互いの接合面で接合させるだけで、上記効果を奏するエア抜き通路を得ることができる。また、エア抜き通路を開放した接合面に予め形成すればよいので、貫通孔を孔あけ加工する場合などと比較して、エア抜き通路をより容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用モータの冷却装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】冷却装置のジャケットおよびヘッダタンクの構成を示す断面図である。
【図3】冷却装置の変形例の構成を示す断面図である。
【図4】冷却装置の他の変形例の構成を示す断面図である。
【図5】冷却装置のさらに他の変形例の構成を示す断面図である。
【図6】(a)図3〜図5の変形例とは異なる冷却装置の変形例の構成を示す断面図と(b)そのA−A矢視図である。
【図7】図3〜図6の変形例とは異なる冷却装置の変形例の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 冷却装置
2 電気モータ
5 インバータ
6 ジャケット
6c ホース接続口(入口通路部、屈曲部)
6e 接合面
6k 溝(エア抜き通路)
7 ヘッダタンク
7c 接合面
8 冷却液循環通路
9 冷却液
10 ジャケット通路
10a 入口部(屈曲部)
10c 低部
11 エア抜き通路
Claims (5)
- 車両を駆動するための電気モータを、冷却液により冷却する車両用モータの冷却装置であって、
前記冷却液が循環する冷却液循環通路と、
前記電気モータの表面側に当該表面の少なくとも一部を取り囲むように設けられ、前記冷却液循環通路の一部を構成するジャケット通路が形成されたジャケットと、
当該ジャケットの上側に一体に設けられ、前記ジャケット通路と当該ジャケット通路以外の部分の前記冷却液循環通路とに接続され、前記冷却液から気泡を分離するためのヘッダタンクと、
を備え、
前記ジャケット通路は、前記ヘッダタンクよりも低い位置で水平に延びる入口通路部と、当該入口通路部から下方に屈曲した屈曲部と、当該屈曲部から下方に延びる低部とを有し、前記冷却液が前記入口通路部から前記屈曲部および前記低部を経て前記ヘッダタンクに流れるように構成されており、
前記屈曲部と前記ヘッダタンクとの間をバイパスするとともに、前記ジャケット通路よりも断面積の小さいエア抜き通路をさらに備えることを特徴とする車両用モータの冷却装置。 - 前記屈曲部は、前記入口通路部から下方に鋭角に屈曲していることを特徴とする請求項1に記載の車両用モータの冷却装置。
- 前記ジャケットおよび前記ヘッダタンクは、接合面を介して互いに接合されており、前記エア抜き通路は、前記ジャケットの前記接合面および前記ヘッダタンクの前記接合面の少なくとも一方の接合面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用モータの冷却装置。
- 前記ジャケットおよび前記ヘッダタンクの前記接合面は平らに形成され、前記エア抜き通路は、当該平らな接合面に沿って延びるように、前記少なくとも一方の接合面に形成された溝で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用モータの冷却装置。
- 前記冷却液循環通路はインバータに接続されており、
当該インバータは、前記入口通路部よりも低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用モータの冷却装置。
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