JP4516259B2 - ランフラットタイヤ用の剛性可変のくさび形インサート - Google Patents

ランフラットタイヤ用の剛性可変のくさび形インサート Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、空気入りラジアルプライタイヤに関し、特にラジアルプライランフラットタイヤに関する。
【0002】
(発明の背景)
空気圧の無い、または空気圧不足の乗物用タイヤを、膨らんでいないタイヤがそれ以上損傷するのを極力抑えるように、また、タイヤを交換できる場所まで運転する際に乗物の操縦性を損なうことなく、安全に連続的に運転可能にする、さまざまな方法が考案されてきた。タイヤ圧の損失は、釘などの異物によるパンクを含むさまざまな原因によって生じ得る。「膨らんでいない(フラットな)」とき、または膨らみ不足のときに運転を持続できるように設計された空気入りタイヤは、「フラットな」状態で作動させることができるので、ランフラットタイヤとも呼ばれている。また、それらは、走行距離延長技術(Extended Mobility Technology)タイヤ、すなわちEMTタイヤとも呼ばれている。従来の空気入りタイヤは、膨らんでないときに乗物の重量を支えると、それ自体が潰れてしまう。タイヤのサイドウォールの、トレッドが地面に接するタイヤの外周部が外側に撓み、タイヤが「フラット」になる。
【0003】
「ランフラット」という用語は、一般に、タイヤが膨らんでいない状態で作動させられるときに、タイヤ構造だけで、特にサイドウォール構造で乗物の重さを支えるのに十分な強度および剛性を備えるように設計されたタイヤを表すために使用されている。このようなランフラットタイヤ、すなわちEMTタイヤのサイドウォールおよび内面は、その剛性により、潰れたり撓んだりすることはないが、このようなタイヤの一般的な設計では、タイヤが潰れるのを防ぐための別の支持構造または支持装置を別に含んだり使用したりはしない。このような別の支持構造の例としては、タイヤ内部に含まれており、通常の膨らんだ状態の運転中は荷重を受けない装置がある。
【0004】
一般に、ランフラットタイヤすなわちEMTタイヤには、タイヤを修理または交換できるような妥当な時間まで、タイヤ自体および乗物の操縦性への悪影響を最小限に抑え、膨らんでいないタイヤによってタイヤの重さを支えられるように、厚くおよび/または高剛性のサイドウォールが組み込まれている。サイドウォールを厚くして高剛性にするために用いられる一般的な方法として、タイヤの、垂直方向の荷重のもとで変形に対する抵抗が常に最も低い領域である、カーカスのサイドウォール部の内周面に、周方向に配置されたくさび形インサートを組み込むことがある。このようなランフラットタイヤの設計では、各サイドウォールの、ビードとトレッドショルダの間の領域を厚くする。各サイドウォール内のくさび形インサートは、サイドウォールの形状にぴったり合うように、断面がほぼ三日月形である。このようなくさびで補強されたサイドウォールは、膨らんでいない状態で作動させられたときに、サイドウォールの、トレッドが道路に接触する部分に最も近い領域に、正味圧縮荷重を受ける。特に、サイドウォールに加わる曲げ応力は、ランフラット運転中、補強されたサイドウォールの軸線方向の最も外側の部分が引張応力を受け、一方、軸線方向の内側の部分が圧縮応力を受けるような曲げ応力である。
【0005】
オー(Oare)等によるグッドイヤー社の米国特許第5,368,082号(’082)は、ランフラット時の剛性を向上させるために多数のくさび形インサートを各サイドウォール内に用いている、扁平率の低いランフラット空気入りラジアルプライタイヤを開示している。膨らんでいないこのタイヤで800ポンド(lb.)の荷重を支持するには、タイヤ1本当たり約6ポンドの重量追加が必要であった。この先行発明は、それ以前のランフラットタイヤ設計の試みよりも優れてはいるものの、依然として重量に関する不利益を負うものであったが、この不利益は、スペアタイヤやタイヤジャッキを無くすことによって一部相殺することができた。しかしながら、この重量に関する不利益は、扁平率の高いタイヤの構造ではなおさら問題になる。特許’082号は、タイヤが、2つのプライと、インナーライナと、各サイドウォール内の2つの補強用くさび形インサートとから構成されている、ランフラットタイヤのサイドウォール構造を教示している。各サイドウォール内の2つのインサートは、一方のインサートが2つのプライの間に位置し、他方のインサートがインナーライナと第1のプライ、すなわち最も内側のプライの間に位置するように配置されている。
【0006】
ウォルタ・エル・ウィラード・ジュニア(Walter L. Willard, Jr.)による2件の米国特許第5,427,166号および第5,511,599号は、タイヤのランフラット性能を特許’082号よりもさらに高めるために、追加の第3のプライとサイドウォール内の第3のインサートとを組み込んだミシュランタイヤを示している。これらのウィラード特許は、タイヤの膨らんでいない状態で生じる荷重の係わりのいくつかについて論じ、特許’082号で教示されている考え方を、多数の追加のプライならびに各サイドウォール内の追加のくさび形インサートにも適用できることを示している。
【0007】
しかしながら、サイドウォール部材の剛性を高めるために使用されるこのような大量のゴムは、ランフラット運転中のタイヤの破損につながる、撓みによる発熱の要因となる。これは、膨らみが小さいかゼロのときにタイヤが高速で作動させられる場合に顕著である。したがって、ランフラットタイヤの設計の目標の1つは、各サイドウォールの剛性を高めるために使用されるくさび形インサートの数と、ランフラットタイヤに使用されるくさび形インサート材の総量を最小限にすることである。
【0008】
インサートの圧縮および変形に対する抵抗が大きいと、膨らんでおらず荷重を受けるタイヤの潰れに対する必要な抵抗が得られるが、多数のプライと各サイドウォール内の1つ以上の補強用くさび形インサートを使用することは、前記したタイヤ重量の増加と、撓みによって生じる熱の上昇を含む欠点を有する。このような設計は、製造管理および品質管理に悪影響を及ぼすという点でタイヤの複雑さを増す。
【0009】
米国特許第4,287,924号は、柔軟性の異なる2つの部分を有するサイドウォール支持部材を備えた安全なタイヤを開示している。このタイヤは、エラストマにより形成され、ビード(20)の近傍からベルト(23)の縁部の下方に延びている、両凸状部の支持部材(20)を有している。支持部材(20)は、柔軟性の異なる2つの部分から構成され、そのうち、カーカスの内面近くに配置されているもの(20 1 )は、柔軟性の高いエラストマからなり、タイヤ内部に配置されているもの(20 2 )は、柔軟性の低いエラストマからなる。特に、支持するように形成された部分(20)はそれぞれ、柔軟性の異なる、組み立てられた2つの部分から構成されている。組み立てられた2つの部分は、半径方向に同じ高さを有する。この組立体20を側面から見たときの慣性撓みモーメントの中立線は、内側の部分20 1 の中に、または、2つの部分の接合面の近傍にある。
明らかに、ランフラットタイヤの設計の目標は、ランフラット時の優れた車両操縦性ならびにランフラット運転中の十分な耐用期間をもたらす、低価格で軽量のタイヤを提供することである。
【0010】
(発明の概要)
本発明は、トレッドと、ラジアルプライ構造を含むカーカスと、1つ以上の補強用くさび形インサートによってそれぞれが補強されている2つのサイドウォールとを有する、空気入りラジアルプライランフラットタイヤに関する。各補強用くさび形インサートは、サイドウォールの圧縮の増大に伴って増大する構造的な慣性モーメントを生じる2つ以上の異なる材料から構成されている。
【0011】
各サイドウォール内の1つ以上の補強用くさび形インサートのうちの1つ以上は、可撓性を有し低ヒステリシスの第1の材料からなり、第1の材料より高剛性の第2の材料からなり周方向に配置されている1つ以上の層によって分離されている、半径方向に積層され周方向に配置されている複数の領域を有していてもよい。
【0012】
可撓性を有し低ヒステリシスの材料からなる領域は、ショア硬度のAスケールで45から70の間の硬度を有し、高剛性の材料からなる層は、可撓性を有し低ヒステリシスの材料よりわずかに大きい硬度と非常に大きい硬度の間の硬度を有している。
【0013】
一実施態様では、半径方向に積層され周方向に配置されている可撓性を有し低ヒステリシスの複合材からなる領域と、高剛性の第2の材料からなる層は、いずれも断面が三角形状である。半径方向に交互に並んで周方向に配置されている三角形状の、可撓性を有し低ヒステリシスの材料からなる領域と、その間に介在して周方向に配置されている、三角形状の、高剛性の材料からなる層は、三角形状の、可撓性を有し低ヒステリシスの材料からなる各領域の1つの頂点が、タイヤの赤道面に向かって軸線方向内側に向き、また、周方向に配置され、三角形状で、交互に並んでいる高剛性の材料からなる各層の1つの頂点が、タイヤの赤道面から半径方向外側に向き得るように、配置されていてもよい。
【0014】
各サイドウォールが2つのインサートを有するタイヤにおいて、軸線方向内側の2つのインサートが複合材(すなわち、可撓性を有する領域と高剛性の領域が積層されたもの)であって、外側のインサートが複合材でなくてもよい。あるいは、外側のインサートが複合材であって内側のインサートが複合材でなくてもよく、また、内側のインサートと外側のインサートがいずれも複合材であってもよい。
【0015】
本発明のその他の有利さおよび利点が、当業者には、以下の詳細な説明を読んで理解することにより明らかになるであろう。
【0016】
本発明の構造、作用、および利点は、添付の図面とともに行われる以下の説明を考慮して、より明らかになるであろう。
【0017】
[定義]
「エイペックス」は、半径方向にみてビードコアの上方でプライとプライ折返し部の間に配置されているエラストマのフィラーを意味する。
【0018】
「扁平率」は、タイヤの断面幅に対する断面高さの比を意味し、タイヤの断面の輪郭のことも指す。例えば、ロープロファイルタイヤ(扁平タイヤ)は扁平率が低い。
【0019】
「軸線方向」および「軸線方向に」は、タイヤの回転軸に平行な線または方向を意味する。
【0020】
「ビード」または「ビードコア」は、一般的に、リムに対するタイヤの保持に関連する、半径方向内側のビードの環状の引張部材を有するタイヤの一部分を意味し、ビードは、プライコードに被覆されて形作られており、フリッパ、チッパ、エイペックスすなわちフィラー、トウガード、およびチェーファなどの他の補強部材を備えていても、備えていなくてもよい。
【0021】
「ベルト構造」または「補強ベルト」または「ベルトパッケージ」は、トレッドの下に存在し、ビードに固定されておらず、タイヤの赤道面に対して18°〜30°の範囲内の左と右のコード角を有する、織物または不織布の平行なコードの少なくとも2つの環状の層すなわちプライを意味する。
【0022】
「カーカス」は、ベルト構造、トレッド、およびプライ上方のアンダートレッドとは別の、ビードを含むタイヤ構造を意味する。
【0023】
「周方向」とは、軸線方向に垂直な環状トレッドの表面の外周に沿って延びている円形のラインまたは方向のことを意味することが最も多く、断面で見たときに半径がトレッドの軸線方向の湾曲を形成する数組の互いに隣接する円曲線の方向のことを指すこともできる。
【0024】
「コード」は、プライとベルトを補強する、単繊維を含む、補強用の撚り合わせた繊維の1つを意味する。
【0025】
「赤道面」は、タイヤの回転軸に垂直でありトレッドの中心を通る平面、すなわち、トレッドの周方向の中心線を含む平面を意味する。
【0026】
「EMTタイヤ」は、走行距離延長技術タイヤ(extended mobility technology tire)を意味し、「ランフラットタイヤ」と同義である。
【0027】
「インナーライナ」は、チューブレスタイヤの内面を形成し、タイヤ内に膨張流体を収容する、エラストマまたはその他の材料の単層または複数層を意味する。
【0028】
「インサート」は、ランフラットタイヤのサイドウォールを補強するために一般的に用いられる、三日月形またはくさび形の補強材である「くさび形インサート」と同義であり、トレッドの下に存在するエラストマの非三日月形のインサートのことも指す。
【0029】
「横方向」は、軸線方向と平行な方向を意味する。
【0030】
「慣性モーメント」または「構造上の慣性モーメント」は、梁部分または特にタイヤのサイドウォールなどのその他の構造の構造的な剛性のことを言う。タイヤのサイドウォールなど、大きな慣性モーメントを有する構造は、小さい慣性モーメントを有する類似の構造よりも高剛性である。
【0031】
「通常荷重」は、しかるべき規格団体がタイヤの使用状態について定めた個別の設計上の膨張圧と荷重を意味する。
【0032】
「プライ」は、半径方向に配置された平行なゴム被覆コードの、コードで補強された層を意味する。
【0033】
「ラジアル(半径方向の)」および「半径方向に」は、半径方向にタイヤの回転軸線に向かうまたは離れる方向を意味する。
【0034】
「ラジアルプライ構造」は、少なくとも1つのプライが、タイヤの赤道面に対して65°から90°の間の角度に向けられた補強用コードを有する、1つ以上のカーカスプライを意味する。
【0035】
「ラジアルプライタイヤ」は、少なくとも1つのプライが、ビード間に延びておりタイヤの赤道面に対して65°から90°の間のコード角度で配置されたコードを有する、ベルトが巻かれた、または周方向に拘束された空気入りタイヤを意味する。
【0036】
「ランフラット」または「ランフラットタイヤ」は、膨らんでいないとき、または膨らみが不十分なときに、限られた働きをするように設計された空気入りタイヤである。
【0037】
「断面高さ」は、赤道面における公称リム直径からタイヤ外径までの半径方向の距離を意味する。
【0038】
「断面幅」は、タイヤを24時間かけて通常の圧力で膨らませた時点およびその後の、荷重のかかっていない状態での、ラベル、装飾、または保護バンドによるサイドウォールの***を除く、両サイドウォールの外側の間の、タイヤ軸線と平行な直線の最大距離を意味する。
【0039】
「ショルダ」は、トレッド縁部の直下のサイドウォールの上部を意味する。
【0040】
「サイドウォール」は、タイヤの、トレッドとビードの間の部分を意味する。
【0041】
「くさび形インサート」は「インサート」と同義であり、ランフラットタイヤに使用されるサイドウォールの補強材である。
【0042】
[好適な実施形態の詳細な説明]
(従来の形態)
図1を参照すると、従来技術の一般的な空気入りラジアルランフラットタイヤの断面が示されている。タイヤ10は、トレッド12と、ベルト24,26を含むベルト構造14と、一対のサイドウォール16,18と、一対のビード領域20a,20bと、カーカス構造22とを有する。カーカス22は、第1のプライ30および第2のプライ32と、気体を通さないインナーライナ34を有する。ビード領域20a,20bは、一対のビード36a,36bと、一対のビードフィラーエイペックス21a,21bを有する。サイドウォール16,18はそれぞれ、軸線方向の最も内側の、第1の対のサイドウォールくさび形インサート40a,40bと、軸線方向の最も外側の第2の対のインサート42a,42bを含んでいる。最も内側のくさび形インサート40a,40bは、インナーライナ34と第1のプライ30の間に配置されており、一方、第2のくさび形インサート42a,42bは、第1のプライ30と第2のプライ32の間に配置されている。織物である上張り28が、トレッド12の下、すなわちトレッド12の半径方向内側で、ベルト構造14の上、すなわちベルト構造14の半径方向外側に配置されている。くさび形インサート40a,40b,42a,42bは、ランフラット運転中に両サイドウォールに強いられる変形に抵抗するため、大きな構造的な慣性モーメント、すなわち大きな捩り剛性をサイドウォールに付与する。したがって、カーカス構造22の、補強されたサイドウォール部16,18は、限られたランフラット性能をタイヤ10に与える。
【0043】
図1から判るように、タイヤ10のサイドウォール領域における構造的な補強により、サイドウォール部16,18の全体の厚さが実質的に増大する。この従来技術の一般的なランフラットタイヤの構造は、ランフラットタイヤの構造を特徴づける、だいたい均一に厚くされたサイドウォールを示している。インサートで補強されたサイドウォールは、タイヤ10が膨らんでいない状態のときに、サイドウォールの最小限の変形でタイヤの荷重を支えるように設計されている。このようなランフラットタイヤの設計により、完全に膨らんだ状態のもとでは、優れた乗物の操縦性および性能がもたらされ、タイヤが膨らんでいないときには、許容できるランフラット時の乗物の操縦性と限られたランフラット運転寿命がもたらされる。
【0044】
しかしながら、このような高剛性のサイドウォールを備えたランフラットタイヤの構造では、サイドウォールの曲げ剛性が大きいために、通常の膨らんだ状態の運転中の乗り心地が悪くなる。当然のことながら、くさび形インサートの存在によるサイドウォールの構造的な慣性モーメント、すなわち捩り剛性の増大により、より大きな曲げ剛性が生じる。より理想的には、ランフラットタイヤの両サイドウォールは、捩り剛性を付加するのが重要なランフラット運転中よりも、通常の膨らんだ状態の運転中に、より柔軟であるべきである。
【0045】
(本発明の基本原理)
本発明は、通常の膨らんだ状態の運転中は柔軟で、ランフラット運転中はより高剛性になるように設計されたくさび形インサートを提供する。この目的を達成するために、関連する2つの方法が用いられる。両方法とも、くさび形インサート内で、高剛性のエラストマ材料の層と可撓性を有するエラストマ材料の層が交互に並ぶことが必須である。
【0046】
一方の方法では、くさび形インサート材が半径方向に圧縮されると軸線方向に膨張する傾向が、比較的高剛性のエラストマ(すなわち弾性ポリマー材)などの比較的高剛性の材料、または非常に高剛性の合成樹脂の、周方向に配置された層を、くさび形インサートの大部分を形成する可撓性エラストマなどの可撓性材料内に組み込むことによって抑えられる。このように軸線方向の膨張を抑えることによって、くさび形インサートがランフラット運転中にサイドウォールのたわみに関連する半径方向の圧縮荷重を受けるときの、くさび形インサートの剛性が大きくなる。このように、サイドウォールを補強するくさび形インサートは、通常の膨らんだ状態の運転中よりも、ランフラット運転中の方が高剛性になる。第2の方法では、断面が三角形である、比較的高剛性のエラストマなどの比較的高剛性の材料のセグメントが、くさび形インサート内に周方向に配置され、やはり断面が三角形でくさび形インサート内に周方向に配置されている、可撓性のある材料のセグメントと交互に並んでいる。この後者の方法では、比較的高剛性のセグメントが、くさび形インサートがランフラット運転に関連する半径方向の圧縮荷重を受けたときに軸線方向に膨張するのを抑える。さらに、以下に詳述する形状設計により、比較的高剛性の部分(すなわち比較的高剛性のセグメント)が、ランフラット運転中の慣性モーメントの増大に寄与し得る。いずれの方法でも、くさび形インサートで補強されたサイドウォールの慣性曲げモーメントが、ランフラット運転に関連する周期的な軸線方向の荷重のもとで、サイドウォールの変形として事実上増大するように作用する。
【0047】
以下に本発明の原理をさらに詳しく説明する。
【0048】
(ランフラットタイヤのサイドウォールにおける圧縮応力)
図2Aに、図1のタイヤ10のサイドウォール18の断面図を示す。以下の説明では、サイドウォール18と同じ作用がサイドウォール16にあるものとする。ランフラット運転中、サイドウォールの、トレッドが地面と接する部分に最も近接する部分が、図2Aに示されている視点では縦方向である、半径方向の正味圧縮荷重を受ける。このような各サイドウォール16,18(図1)の圧縮荷重と、それぞれの補強用くさび形インサート40a,40b,42a,42bによって、サイドウォールが軸線方向外側に曲げられ、それによって、図2Aに示されているように、くさび形インサート40bの全部でなくとも大部分を含む、サイドウォールの軸線方向の最も内側の部分が、半径方向の圧縮応力を受け、一方、くさび形インサート42bの全部でなくとも大部分を含む、サイドウォールの軸線方向の最も外側の部分が、相応の半径方向の引張応力を受ける。言い換えると、サイドウォールの正味荷重は圧縮荷重であるが、各サイドウォール内に作用する曲げ力は、曲げ中立軸の片側に引張応力を導き、同じ曲げ中立軸の反対側に圧縮応力を導く。曲げ中立軸は、本発明を説明するために、図2Aに示されているサイドウォールの断面図の中央付近にあるものと仮定できる、サイドウォール構造内のどこかの位置にある。すなわち、実際には、曲げ中立軸の正確な位置は、タイヤのサイドウォールの各構成要素の相対的な強度と曲げ剛性の複雑な関数であるが、サイドウォール18内の曲げ中立軸は、第1のプライ30と一致すると考えることもできる。したがって、圧縮力の位置の説明を簡単にするために、図2Aに示されている内側のくさび形インサート40bは、曲げ中立軸と名目上一致する第1のプライ30からの半径方向内向きの距離が長くなるのに伴って強度が増大する、半径方向の圧縮応力を受けると考えることができる。
【0049】
図2Aにおいて、小さな円柱体Vの印が、図1に示されている従来技術のタイヤ10の内側のくさび形インサート40b内の圧縮力の作用を調べるためにつけられている。円柱体Vは、図2Bと2Cにさらに詳しく示されている。図2Aの円柱体Vは、サイドウォール18がたわむ間に半径方向に圧縮されて荷重を受ける位置にある。たわみを引き起こすこのような圧縮は、通常の膨らんだ状態の運転中にも生じるが、特に、たわみの大きさが最大であるランフラット運転中に発生する。通常の膨らんだ状態の運転中、図2Aに示されている円柱体Vは、タイヤの回転に伴って周期的な圧縮応力を受ける。すなわち、通常の膨らんだ状態の運転中、円柱体Vの中に含まれている材料は、トレッドの、円柱体Vに最も近接する部分が地面に接するときに、最大の圧縮応力を受ける。しかしながら、ランフラット運転中の最大の圧縮応力は、通常の膨らんだ状態の運転中よりもはるかに大きい。ランフラット運転中、サイドウォールの、トレッドの地面に接している部分に最も近接している部分で、サイドウォールは最大の曲げ変形および応力を受ける。
【0050】
(圧縮によって起こる横方向の変形)
図2Bに、図2Aに示されているおおよその位置から考えられるエラストマ材料の円柱体Vを示す。図2Bの円柱体Vは、長さがL1で直径がD1である。図2Cに、軸線方向に加わる圧縮力FCの円柱体Vの直径に対する作用を示す(この文章中の「軸線」という用語は、タイヤの回転軸ではなく、円柱体Vの軸線のことを言う。したがって、円柱体Vに作用する圧縮力FCの方向は、タイヤの回転軸に対する半径方向である)。圧縮力がかかっていない図2Bの場合の円柱体Vの直径D1は、圧縮力FCがかかっているときの同じ円柱体Vの最大直径D2よりも小さい(圧縮力FCは、上面および下面50,52の全域に均等に作用し、上面および下面50,52はそれぞれ、圧縮中に材料が横方向に膨張するのに伴って、面積が増大して上面および下面51,53になる)。図2Cに、軸線方向の圧縮荷重FCの影響を受けている円柱体Vを示す。したがって、円柱体Vの形状は、図2Cに示されるように、図2Bに示される形状とは異なっている。特に、円柱体Vの材料は異なる長さと直径を有し、図2Cに示されている長さL2が図2Bの長さL1より短く、図2Cに示されている長さ直径D2が、図2Bに示されている、圧縮荷重を受けていないときの円柱体Vの直径D1より大きい。
【0051】
このように軸線方向の圧縮応力を受ける円柱体の一般的な特性が、図2Bと2Cに示されている。直径は長さが短くなるのに伴って大きくなる。しかしながら、直径の増大すなわち膨張が抑えられると、円柱体Vに作用する圧縮力の変形作用が変化する。特に、軸線方向の圧縮荷重がかかっている間、直径の膨張が抑えられると、長さを、図2BのL1から図2Cに示されている短い長さL2まで同じように減少させるためには、力FCを増大させなくてはならない。言い換えると、このような円柱体Vの直径方向の膨張を抑える物が置かれると、円柱体V内の材料は、所与の圧縮荷重FCを受けて変形に対する抵抗が増す。実際の効果として、円柱体Vは圧縮荷重に対してより強くなる。
【0052】
これが本発明の基礎となる原理の一部であり、本発明の目的は、ランフラット運転中にくさび形インサートが最も顕著に受ける圧縮力の方向に対し直角な方向において、可撓性を有する材料の膨張を抑えることによって、くさび形インサートがランフラット運転に関係する半径方向の荷重を受けるときの、くさび形インサートの剛性を増大させることである。言い換えると、くさび形インサートがランフラット運転に関係する圧縮力を受けるときの、くさび形インサートの膨張を抑えることによって、くさび形インサートの慣性モーメント(ランフラット運転に関係する曲げ変形に対する抵抗)が、変形の増大に伴って増大する。あるいは、本発明の作用を別の見方をすると、くさび形インサートを、断面を見たときに一端に荷重を受ける湾曲した梁と考えると、その構造的な慣性モーメント、すなわち曲げ変形に対する抵抗が増大し、それによってサイドウォールは、通常の膨らんだ状態の運転中よりランフラット運転中の方が高剛性になるというものである。このくさび形インサート構造の構造的な慣性モーメントの増大について、以下に詳述する。しかしながら、一般に、このような圧縮によって引き起こされる、加えられた圧縮力の方向に対して横方向の膨張を抑える方法は、新規な方法の使用を伴う。特に、本発明の抑制方法は、横方向の膨張に対する抑制が、圧縮力が最小であるときはごく小さな効果しかないが、圧縮力が増大するのに伴って抑制効果が増大していくものである。すなわち、くさび形インサートは、加えられる圧縮力の大きさに正比例して剛性が増大する。
【0053】
(圧縮荷重を受けるエラストマの膨張を抑える物)
図3Aを参照すると、図2A〜図2Cの円柱体Vに対応する、可撓性のある材料54の円柱体が、周方向に配置された伸びない金属の3本の拘束用ワイヤ56で巻かれた状態が示されている。図3Bに、軸線方向の圧縮力FCを受けている円柱体54が示されている。円柱体54の直径は、拘束用ワイヤ56の作用から最も遠く離れている領域Uで、最も大きく増大する可能性がある。
しかしながら、実際のタイヤでは、図3Aおよび3Bに示されているこのような伸びない筒状の拘束物は、サイドウォールのくさび形インサート補強材など圧縮荷重を受ける部材の膨張を抑制するのに適した方策ではない。そこで図4Aに、圧縮力を受けるであろうくさび形インサート材の円柱部58の膨張を抑える別の方策を概略断面図で示している。円柱部58は、交互に並んでいる、高剛性材料60の層と低剛性材料62の層を有する。図4Bに示されているように、円柱体58が一連の力FCのもとで軸線方向の圧縮荷重を受ける間、高剛性の(硬い)部分60が、低剛性の部分62の直径の膨張を抑える。実際の効果は、図3Aおよび3Bに示されている伸びない金属の拘束物56を用いた場合と同等である。図4Bに、軸線方向の圧縮力FCがかけられている場合に生じる変形を示す。
【0054】
図4Aおよび4Bに示されている種類の、積層された複合材は、大きな圧縮荷重のときよりも小さな圧縮荷重のときの方が、可撓性および柔軟性が大きく、剛性が小さいという利点を有する。言い換えると、図4Aと4Bに示される積層材では、低い捩り剛性とヒステリシスを有する材料(すなわち材料62)を、高い捩り剛性とヒステリシスを有する材料(材料60)に、低圧縮荷重の状態のときに低い捩り剛性の特性を有し圧縮荷重が増大するにつれて捩り剛性が増大する複合材を形成するように、組み合わせることが可能である。また、可撓性のある材料62が低ヒステリシスであることは、円柱部58の周期的な圧縮荷重の間、たわみによる発熱を最小限に抑えられるという利点がある。実際、このような材料の配置により、低剛性材料だけのものよりも高い弾性率を有し、圧縮力の増大に伴って弾性率が大きくなる複合材が得られる。言い換えると、このような複合材は、圧縮荷重の増大に伴って、高剛性になり、圧縮変形に対する抵抗が大きくなる。また、さらに言い換えると、横方向に拘束される材料の曲げ剛性は、高剛性材料からなる層が存在することによって増大するだけでなく、荷重が増大し歪みが増大するのにも伴って増加する。したがって、このような複合構造の総合的な特性の1つは、体積弾性係数が歪みに伴って増大するように変化し得ることである。
【0055】
このような可変の体積弾性係数は、ランフラットタイヤのサイドウォールを補強するためのくさび形インサートの構造に適用されると、ランフラット運転に関係する、端部に荷重をかける半径方向の圧縮力が増大するのに伴って増大する可変の慣性モーメントを、サイドウォールのくさび形インサート構造にもたらすという効果がある。明らかな利点は、交互に並んでいる、周方向に配置された高剛性の層と、間に挟まれる可撓性のある層とを有する、くさび形インサートで補強されたサイドウォールで、ランフラット運転中よりも通常の膨らんだ状態の運転中の方が比較的低い剛性を生じることである。後者の状態では、ランフラット運転中のように、サイドウォールの地面に接する部分に最も近接する領域でサイドウォールの曲げ変形が大きいとき、補強されたサイドウォールの、曲げ変形に対する抵抗が、通常の膨らんだ状態の運転中よりも大きくなることである。このように、本発明は、通常の膨らんだ状態の運転中には柔軟な乗り心地を提供し、また、ランフラット運転中には、良好なサイドウォールの構造的な剛性を提供する。
【0056】
図5は、図4Aと4Bに示されている、積層材の原理を取り入れた単一のサイドウォールのくさび64の概略図である。高剛性材料の層68は、周方向に配置されたくさび形インサート64の中に周方向に配置され、可撓性を有し低ヒステリシスの材料66を間に挟んでいる。図5を参照すると、通常の膨らんだ状態の運転中は、可撓性を有し低ヒステリシスの材料66が、タイヤのサイドウォールに優れた柔軟性を与える。ランフラット運転中、変形が最も大きくなると、くさび形インサートの膨張を抑える、高剛性の層68が、積層された複合材であるくさび形インサート64の剛性の増大に寄与し、さらに圧縮変形に対する抵抗を増大させる。このように、くさび形インサート、したがってサイドウォールの構造的な慣性モーメントが、曲げ変形に伴って増大する。また、低ヒステリシスの材料66がより多く存在することにより、ランフラット運転中にたわみによって引き起こされる熱が低減する。このように、ランフラット運転中は低ヒステリシスが高い剛性と組合わされ、それでもなお、通常の膨らんだ状態の運転中に可撓性を有するサイドウォールを提供できる。
【0057】
図5に示されているサイドウォール補強用くさび形インサートの構造は、繊維で補強されたエラストマ、金属製補強材を備えている、または備えていない熱可塑性樹脂、金属、および合金を含むグループの中の比較的高剛性の材料からなる、半径方向に配置された複数の層68によって分離された、エラストマ(弾性ポリマー)などの可撓性を有し低ヒステリシスの材料62からなる領域66を有するものと表される。ヤング率は、引張時または圧縮時の応力‐ひずみ曲線の原点における接線の傾きと定義される。高剛性の層68のヤング率は、可撓性材料66の2〜50,000倍である。可撓性材料66は、一般にショア硬度のAスケールで45から70の間の硬度を有し、一般にインサート64の総体積の5%〜99%を構成する。高剛性材料の層68は、可撓性材料66よりわずかに大きい硬度から非常に大きい硬度までの間のいずれかの硬度を有する。層68は平行な上面と下面を有し、くさび形インサート内に周方向に配置されている。インサート64内の層68の数と、高剛性の層68と可撓性材料66の層のそれぞれの相対的な厚さは、タイヤ構造を最終的に意図される用途に合わせるようにタイヤ設計者が選択できる。
【0058】
図6Aに、通常の膨らんだ状態の運転中には快適な乗り心地を与え、ランフラット運転中には十分なサイドウォールの剛性をもたらすという同じ目的に対する別の解決策の概略断面図を示す。図6Aにおいて、比較的高剛性のエラストマから作られ、くさび形インサートの中に配置される三角形の断面を有する単一の「抑制物」72が組み込まれた、複合材のくさび形インサート70が示されている。このくさび形インサート70は、主に、くさび形インサートに一般に使用される種類の、可撓性を有し低ヒステリシスの材料から作られる。抑制物72は、「エイペックス」72aがタイヤの赤道面から軸線方向の外向きに存在するくさび形インサート70の表面70a上に配置され、底辺72bが表面70aから赤道面に向かって軸線方向の内向きに存在する表面70bの一部を形成するように配置されている。図6Bに、くさび形インサートが圧縮力FCを受けるときの、抑制物72の高剛性材料の、くさび形インサート70に対する作用を示す。このような半径方向の圧縮荷重は、圧縮距離CDが、抑制物72の高剛性材料が存在しない場合よりも大きいままであるように、くさび形インサート部材70の変形を引き起こす。同時に、(くさび形インサート70の上部73Uの)厚さE1と(くさび形インサートの下部73Lの)厚さE2は、高剛性部材72が存在しない状態で受けるべき膨張の大きさより大きくならないように抑え、それによって、73Uおよび73Lの可撓性材料の近傍の横方向の膨張が抑えられる。この厚さE1およびE2で特徴づけられる横方向の膨張の抑制は、もちろん、高剛性部材72に最も近接するこれらの部分73Uおよび73Lにおいて最大になる。
【0059】
図7に、図6Aおよび6Bに示された原理において、可撓性材料76の領域と、高剛性材料78の領域が交互に並んでいる状態になっているくさび形インサート74を概略断面図で示す。したがって、図7には、図6Aおよび6Bで示されている一般的な原理の特定の応用例が示されている。
【0060】
図7の実施形態を参照すると、くさび形インサート74は、半径方向に交互に並んでいる、可撓性部分76の領域と高剛性部分78の領域とを有している。それぞれの部分76,78は、断面がほぼ三角形で、周方向に配置されたくさび形インサート74内に周方向に配置されている。これらの部分76,78は、タイヤの半径方向に交互に並んでいるという意味で、半径方向に交互に並んでいる。ほぼ三角形の可撓性部分76の1つの頂点77が、タイヤの赤道面を向いている(すなわち、ほぼ軸線方向の内向きに方向付けられている)。また、周方向に配置され、ほぼ三角形状の高剛性部分78の1つの頂点79が、(タイヤの赤道面から)外側に向いている。ほぼ三角形状の、可撓性を有し低ヒステリシスの部分76は、ショア硬度のAスケールで約45から約70の間の硬度を有する。ほぼ三角形状の高剛性部分78は、(エラストマなどの)可撓性部分76よりわずかに大きい硬度から、(金属などの)非常に大きい硬度の間のいずれかの硬度を有している。高剛性領域78および可撓性領域76の数と、ほぼ三角形状の断面の領域の特定の形状は、タイヤの特性を、乗用車または軽量トラックなどのような、その特定の用途に合わせるように変更することが可能である。
【0061】
図7に示されているくさび形インサート74の三角形状の領域76,78の構成により、ランフラットタイヤの構造に有利な、2通りの作動形態がもたらされる。一方の作動形態は、図5に示されている積層された複合構造に関連して表され、図6Bの説明で寸法E1、E2に関して述べられたように、くさび形インサート74の横方向の膨張に対する抑制である。他方の作用については、図8Aおよび8Bを参照して説明する。
【0062】
図8Aに、図7に示されているくさび形インサート74のセグメント80を拡大して示す。拡大されたセグメント80は、ほぼ三角形状の、可撓性を有し低ヒステリシスの領域76が間隔をおいて配置されている、ほぼ三角形状の、高剛性の抑制物78を含んでいる。セグメント80は、半径方向に圧縮荷重を受け、曲率半径R1を有する。高剛性の抑制物78は、84の個所で互いに接している。
【0063】
ランフラット運転中にセグメント80の形状が変化する。図8Bに、図8Aに示されているセグメント80の一部分81を示す。この部分81は、タイヤが膨らんでいないときに、タイヤのトレッドの地面と接する部分に最も近接するサイドウォール部に発生する力のベクトルFCによって、半径方向の圧縮荷重を受ける。したがって、圧縮荷重の曲げ作用によって、図8Bに示されている曲率半径R2は、図8Aに示されている曲率半径R1よりも小さい。図8Bでは、高剛性の抑制物78は、圧縮力FCの曲げ作用によって領域82に沿って変形しているように示されている。したがって、圧縮力FCによって引き起こされる曲げの作用は、高剛性の抑制物の部分78を、その初期の接点84に近接する位置で、ぴったりと接触させるようにする作用である。82で示される領域は、接点84に最も近く、より剛性の小さい部分76の頂部83が圧縮されるように圧縮変形される。
【0064】
このように、図7に示されるくさび形インサートの実施形態74の、圧縮によって生じる曲がりの実質的な影響は、圧縮に関係する曲げモーメントが増加し、領域82が、可撓性材料76の頂部83に加わる圧縮力に対応するように広がる(長くなる)作用である。言い換えると、圧縮力が増大するのに伴って、抑制物78の、位置84に最も近い領域82が、可撓性領域76の圧縮された頂部83に隣接する領域82の面積を増大させるように、互いに接近する。
【0065】
(好適な実施形態)
図9を参照すると、トレッド87と、ラジアルプライ構造86を含むカーカス96と、インナーライナ100と、2つの伸びない環状ビード102a,102bと、2つのサイドウォール88a,88bとを有する、ランフラットラジアルプライ空気入りタイヤ86における本発明の一実施形態の断面図が示されている。ベルト構造103が、トレッド87とカーカス96の間に配置されている。このラジアルプライランフラット空気入りタイヤ86の各サイドウォール88a,88bは、高剛性の(硬い)多数または少なくとも1つ以上の層91a,91bによってそれぞれ分離された、半径方向に交互に並ぶ、可撓性を有し低ヒステリシスの材料の領域90a,90bをそれぞれ有する、単一のサイドウォール補強用くさび形インサート89a,89bを含んでいる。半径方向に積層され、周方向に配置された複数の領域(90a,90b)は、この領域90a,90bの材料よりも剛性の大きい材料からなる、周方向に配置された複数の層(91a,91b)によって分離されている。
【0066】
タイヤ86は、通常の膨らんだ状態の運転中の柔軟なサイドウォールと優れた乗心地をもたらし、一方、ランフラット運転中の高剛性のサイドウォール補強材をもたらしもする。くさび形インサート89a,89bは、図5に示されている実施形態を組み込んでいるように示されているが、図7に示されているくさび形インサートの実施形態に置き換えられる。
【0067】
(好適な他の実施形態)
図10を参照すると、トレッド106と、ラジアルプライ構造108を含むカーカス116と、インナーライナ112と、2つの伸びない環状ビード114a,114bと、2つのサイドウォール116a,116bとを有する、ランフラットラジアルプライタイヤ104における、本発明の別の実施形態の断面図で示されている。ベルト構造110が、トレッド106とカーカス108の間に配置されている。このラジアルプライランフラットタイヤ104の各サイドウォール116a,116bは、内側の第1のサイドウォール補強用くさび形インサート118a,118b(図6Bの74と同様)と、外向きに配置された第2のサイドウォールくさび形インサート120a,120bとを収容している。第1のサイドウォール補強用くさび形インサート118a,118bはそれぞれ、ほぼ三角形状の、高剛性材料の多数の領域124a,124b(78と同様)によってそれぞれ分離された、半径方向に交互に並ぶ、ほぼ三角形状の、可撓性を有し低ヒステリシスの材料の領域122a,122b(76と同様)を有する。ほぼ三角形状の、可撓性を有し低ヒステリシスの材料の領域122a,122bと、高剛性材料の領域124a,124bは、可撓性を有し低ヒステリシスの三角形状の各領域122a,122bの1つの頂点が、タイヤの赤道面EPに向かってほぼ軸線方向内側に向き、また、ほぼ三角形状の、間隔をおいて配置された高剛性材料の各領域124a,124bの1つの頂点が、タイヤの赤道面からほぼ軸線方向外側に向いている。タイヤ104は、通常の膨らんだ状態の運転中は柔軟なサイドウォールと優れた乗心地をもたらし、一方、ランフラット運転中は高剛性のサイドウォールによる補強を実現する。くさび形インサート118a,118bは図7に示されている実施形態として示されているが、図5に示されているタイプのくさび形インサートに置き換えることも本発明の範囲内である。
【0068】
本実施形態では、内側のインサート118a,118bが複合材(すなわち積層された可撓性領域122a,122bと、高剛性領域124a,124bからなる)であり、外側のインサート120a,120bは複合材ではないが、外側のインサートは複合材で内側のインサートは複合材でない場合や、また内側のインサートおよび外側のインサートがいずれも複合材である場合も、本発明の範囲内である。
【0069】
以上、本発明を、いくつかの実施形態を組み合わせて説明したが、前述の教示内容を考慮して、数多くの変更、修正、および変形が当業者にとって自明であることは明白である。したがって、本発明は、添付された特許請求の範囲の主旨および範囲に入る、このようなすべての変更、修正、および変形を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各サイドウォール内に多数のくさび形インサートを組み込み、プライ構造内に多数のプライを組み込んだ、従来技術のランフラットタイヤ設計の断面図である。
【図2A】 図1に示された従来技術のタイヤのくさび形インサート内のサイドウォールのセグメントを示す図である。
【図2B】 図2Aに示されたタイヤからのセグメントの拡大図である。
【図2C】 圧縮状態にある図2Bのセグメントを示す図である。
【図3A】 伸びないワイヤで巻かれたエラストマ材料からなる中実の円柱の平面図である。
【図3B】 軸線方向に圧縮させられた状態の図3Aの中実の円柱を示す図である。
【図4A】 エラストマ材料からなる円柱に「横方向の膨張を抑える物」を被荷重部材の部品として組み込んだ、図3Aに示されている概念の変形例の断面図である。
【図4B】 軸線方向に圧縮させられた状態の図4Aの円柱を示す図である。
【図5】 層状のくさび形インサートの断面図である。
【図6A】 図5のものに代わるくさび形インサートの設計原理を示す断面図である。
【図6B】 荷重を受けて半径方向に圧縮させられた状態の図6Aのサイドウォールくさび形インサートを示す図である。
【図7】 図6Aと6Bに示されているくさび形インサートの設計原理を示す断面図である。
【図8A】 図7に示されたくさび形インサート部の拡大詳細断面図である。
【図8B】 圧縮状態の図8Aのくさび形インサート部の拡大図である。
【図9】 本発明の一実施形態の断面図である。
【図10】 本発明の第2の実施形態の断面図である。

Claims (6)

  1. トレッド(87,106)と、ラジアルプライ構造(98,110)を含むカーカス(96,108)と、少なくとも1つの補強用くさび形インサート(89a,89b,118a,118b,120a,120b)によってそれぞれが補強されている2つのサイドウォール(88a,88b,116a,116b)とを有する、空気入りラジアルプライランフラットタイヤ(86、104)において
    前記各サイドウォール(88a,88b,116a,116b)内の少なくとも1つの前記補強用くさび形インサート(89a,89b,118a,118b,120a,120b)は、半径方向に積層され周方向に配置されている複数の領域(90a,90b,122a,122b)を有しており、
    該複数の領域(90a,90b,122a,122b)は、可撓性を有し低ヒステリシスの第1の材料からなり、
    該複数の領域(90a,90b,122a,122b)は、前記第1の材料より高剛性の第2の材料からなり周方向に配置されている1つ以上の層(91a,91b,124a,124b)によって、互いに分離されている
    ことを特徴とする、空気入りラジアルプライランフラットタイヤ。
  2. 前記各サイドウォール(88a,88b,116a,116b)内の少なくとも1つの前記補強用くさび形インサート(89a,89b,118a,118b)から軸線方向外側に配置されている、第2の補強用くさび形インサート(120a,120b)を含む、請求項1に記載のタイヤ(86,104)。
  3. 半径方向に積層され周方向に配置されている、前記可撓性を有し低ヒステリシスの第1の材料からなる複数の領域(122a,122b)と、前記高剛性の第2の材料からなる層(124a,124b)は、いずれも断面が三角形状である、請求項1に記載のタイヤ(104)。
  4. 角形状の断面を有し、半径方向に積層され周方向に配置されている、前記可撓性を有し低ヒステリシスの第1の材料からなる複数の領域(122a,122b)と、その間に介在して周方向に配置されている、三角形状の断面を有し、前記高剛性の第2の材料からなる層(124a,124b)は、前記可撓性を有し低ヒステリシスの第1の材料からなる前記各領域の1つの頂点がタイヤの赤道面(EP)に向かって軸線方向内側に向き、前記高剛性の第2の材料からなる前記各層の1つの頂点が前記タイヤの赤道面(EP)から軸線方向外側に向くように配置されている、請求項に記載のタイヤ(104)。
  5. 前記可撓性を有し低ヒステリシスの第1の材料からなる複数の領域(122a,122b)は、ショア硬度のAスケールで45から70の間の硬度を有する材料の中から選択されている、請求項に記載のタイヤ(104)。
  6. 記各サイドウォール(116a,116b)内の少なくとも1つの前記くさび形インサート(118a,118b)から軸線方向外側に配置されている第2の補強用くさび形インサート(120a,120b)をさらに含む、請求項に記載のタイヤ(104)。
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