JP4515745B2 - 粘着剤組成物および粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、スチレン−ブタジエンゴム等を粘着成分として用いた粘着剤組成物に関し、より詳しくは、溶液状態での保存安定性に優れ、且つ粘着テープとして使用する際は、経日での粘着力の低下が抑制された粘着剤組成物、および前記粘着剤組成物を用いた粘着テープに関する。
一般的に、基材がポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなっているポリ塩化ビニル系粘着テープまたはシート(以下、単に粘着テープとも言う。)では、粘着成分としてスチレン−ブタジエンゴム(以下、「SBR」と称す。)を含有する粘着剤が用いられおり、該SBRは低吸水性や耐老化性に優れているが、粘着性や凝集性がやや低いという一面を有しているため、SBRと天然ゴムとの混合物を粘着成分とする粘着剤が広く用いられている(非特許文献1参照)。しかしながら、市販されているSBRには各種グレードがあり、そのグレードによってはSBRに天然ゴムを混合しただけでは粘着剤の凝集力不足を十分に解消することが困難であった。
そこで、本発明者らは先に、SBRと天然ゴムを混合した粘着成分にイソシアネート系化合物を添加することで凝集力不足を補うという手法を提案している。しかし、この場合には粘着剤溶液中に未反応のまま残存してしまったイソシアネート系化合物が、その系内にて徐々に反応を促進することにより、粘着剤溶液の粘度が上昇してしまうため、溶液状態での保存安定性に欠け、粘着剤溶液のポットライフの長期化が望めないという課題があった。さらに、粘着テープの粘着剤として用いる場合には、粘着剤の凝集力が経日にて増大するために、粘着テープを電線などの被着体に巻きつけて使用する際、巻き戻し力が軽減して作業性の低下を招いたり、経日での粘着力の低下により被着体に粘着テープを巻きつけた後、粘着テープが端部から剥離する現象(端末はがれ)が発生するという課題があった。
日本粘着テープ工業会粘着ハンドブック編集委員会編集「粘着ハンドブック(第2版)」日本粘着テープ工業会、1995年10月12日、p.461−467
従って、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、粘着剤の粘着成分として各種SBRと天然ゴムの混合物を用い、前記粘着成分にイソシアネート系化合物を添加した場合においても、溶液状態での長期保存安定性に優れ、且つ粘着テープの粘着剤として使用する場合は、粘着テープを電線などの被着体に巻きつけて使用する際、粘着剤の凝集力が経日にて増大することに伴い、巻き戻し力が軽減して作業性の低下を招いたり、経日での粘着力の低下により被着体に粘着テープを巻きつけた後の粘着テープの端末はがれを生じさせることのない粘着剤組成物、および前記粘着剤組成物を用いた粘着テープ提供することにある。
そこで本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ね、粘着剤組成物としてSBRと天然ゴムを混合した粘着成分にイソシアネート系化合物と、さらに一価アルコールを組み合わせて用いることで、系中にて未反応のイソシアネート系化合物が互いに自己縮合することで起こる擬似的な架橋反応を抑制することができるとの知見を得た。その結果、前記粘着剤組成物の溶液状態(以下、「粘着剤溶液」、または単に「粘着剤」ともいう。)においては、経日での溶液粘度の変化が抑制されるため、長期間の安定した保存が可能となり、また、粘着テープの粘着剤として使用する場合に粘着テープを電線などの被着体に巻きつけて使用する際には、粘着テープの巻き戻し力の軽減を防止し、経日での粘着力の低下により被着体に粘着テープを巻きつけた後の粘着テープの端末はがれを抑制する効果があることなどを見出し、本発明の粘着剤組成物および粘着テープを完成するに至った。
すなわち、本発明は粘着成分としてSBRおよび天然ゴムを必須成分として含有し、且つ前記粘着成分にイソシアネート系化合物および一価アルコールを含有してなることを特徴とする粘着剤組成物を提供するものである。
本発明における粘着剤組成物は、前記イソシアネート系化合物の割合が、粘着成分100重量部に対して0.1〜40重量部であり、一価アルコールは、イソシアネート系化合物のイソシアネート基含有量(I)(モル)と一価アルコールの水酸基含有量(II)(モル)が下記式(1)の関係を有するように含有されていることを特徴とする。
0.01≦(I)/(II)≦100 (1)
さらに、本発明は、基材の少なくとも片面に前記粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープに関する。
本発明における粘着剤組成物は、SBRおよび天然ゴムを粘着成分の必須成分として含有し、且つ該粘着成分にイソシアネート系化合物および一価アルコールを混合しているため、前記SBRとして、各種グレードのSBRを使用した場合においても、粘着剤の溶液粘度が経日で変化することなく、長期間の安定した保存が可能となり、また、粘着テープの粘着剤として使用する場合には、経日での凝集力の上昇を抑制するため、接着初期における良好な粘着力を維持し、粘着テープの巻き戻し力の低下および端末はがれを引き起こすことがなく、被着体に対する優れた接着特性を発揮することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、SBRおよび天然ゴムを粘着成分の必須成分として含有すると共に、前記粘着成分にイソシアネート系化合物および一価アルコールを含有してなる粘着剤組成物に関するものである。本発明における前記粘着剤組成物は粘着成分であるSBRおよび天然ゴムと共に、イソシアネート系化合物および一価アルコールを含有しているため、前記粘着剤組成物中に残存する未反応のイソシアネート系化合物が互いに自己縮合することで起こる擬似的な架橋反応が抑制されるので、粘着剤の溶液粘度が経日で変化することなく、長期間の安定した保存が可能となり、また粘着テープの粘着剤として使用する場合には、粘着テープの巻き戻し力の軽減、および粘着力の経日での低下を引き起こすことなく、被着体に対する優れた接着性を保持している。
本発明の粘着剤組成物(感圧性接着剤組成物)は、粘着成分に必須成分としてスチレン−ブタジエンゴム(スチレン−ブタジエン共重合体:SBR)、および天然ゴムを含有している。
本発明で使用される前記SBRとしては、公知ないし慣用のSBRを用いることができ、該SBRの種類またはグレードについては特に限定されるものではなく、各種グレードのSBRを用いることができる。具体的には、例えば、SHELL社製の商品名「SBR1013S」、日本ゼオン社製の商品名「SBR1502」、JSR社製の商品名「SBR1027」、「SBR1500」、「SBR1501」、「SBR1502」、「SBR1503」、「SBR1505」、「SBR1507」、「SBR1508」などが挙げられる。また、SBRにおけるモノマー成分としてのスチレンとブタジエンとの割合についても、特に制限されるものではないが、従来ならば、凝集力不足によるテープ側面の糊はみ出しや、打抜き加工時における刃物への粘着剤の付着(糊取られ)などが発生するために使用することができなかったSBRも、本発明においては好適に使用することができる。さらに、SBRは同一のグレードのみを用いても異なるグレードの混合物でも良い。
本発明で使用する天然ゴムとしては、例えば、standard malaysian rubber(SMR)、standard vietnamese rubber(SVR)、リブスモークドシート(RSS)1〜6号、ペールクレープ1〜3号などが挙げられるが、一般的な高分子量固形タイプのものであれば、これらに限定されるものではない。また、該粘着成分におけるSBRと天然ゴムの含有割合についても特に制限されるものではないが、例えば、SBR/天然ゴム=10/90〜90/10(重量比)、好ましくは20/80〜80/20の範囲から選択することができる。該粘着成分に含まれるSBR/天然ゴムの比が10/90(重量比)より少ないと、十分な耐老化性が得られにくくなり、一方、90/10(重量比)より多いと、十分なタック性、粘着力が得られにくくなる。
本発明において粘着成分として、SBRおよび天然ゴムが必須成分として含有されてさえいればよく、前記必須成分に加え他の粘着成分を混合して用いても良い。本発明で使用することのできるSBRおよび天然ゴム以外の他の粘着成分としては、例えば、ポリイソブチレン、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体などの合成ゴム、アクリル系重合体やウレタン系重合体、シリコーン系重合体から選定される。このようなSBRおよび天然ゴム以外の他の粘着成分は単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。SBRおよび天然ゴムに他の粘着成分を混合する場合、SBRの含有割合は、粘着成分全量(SBRおよび天然ゴムと他の粘着成分から構成される)に対して10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%である。SBRの含有割合が10重量%未満の場合、十分な耐老化性が得られにくくなる傾向となり、あるいは90重量%を超える場合、SBRおよび天然ゴム以外の他の粘着成分を混合した効果が得られにくい傾向となる。
また、本発明における粘着剤組成物には、前記粘着成分と共に、イソシアネート系化合物および一価アルコールが含まれていることを必要とする。
該イソシアネート系化合物としては公知ないし慣用のイソシアネート系架橋剤を好適に用いることができる。イソシアネート系化合物には脂肪族ポリイソシアネート系化合物、脂環式ポリイソシアネート系化合物、芳香族ポリイソシアネート系化合物、芳香脂肪族ポリイソシアネート系化合物などが含まれる。イソシアネート系化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
脂肪族ポリイソシアネート系化合物には、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート系化合物などが含まれる。
脂環式ポリイソシアネート系化合物には、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート系化合物などが含まれる。
芳香族ポリイソシアネート系化合物には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4´−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4´−ジイソシアネート、2,2´−ジフェニルプロパン−4,4´−ジイソシアネート、3,3´−ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、4,4´−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5´−ジイソシアネート、3,3´−ジメトキシジフェニル−4,4´−ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート系化合物などが含まれる。
芳香脂肪族ポリイソシアネート系化合物には、例えば、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート系化合物などが含まれる。
また、イソシアネート系化合物としては、前記例示の脂肪族ポリイソシアネート系化合物、脂環式ポリイソシアネート系化合物、芳香族ポリイソシアネート系化合物、芳香脂肪族ポリイソシアネート系化合物による二量体や三量体、反応生成物または重合物(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートの二量体や三量体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートなど)なども用いることができる。
本発明における粘着剤組成物に含まれる前記イソシアネート系化合物の割合としては、特に制限されるものではないが、イソシアネート系化合物の添加による架橋効果が十分に得られ、凝集力不足にならないためには、粘着成分の合計量100重量部に対して0.1〜40重量部、好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部の範囲から選択するのがよい。含有するイソシアネート系化合物の割合が、粘着成分100重量部に対して0.1重量部未満であると、イソシアネート系化合物の添加による架橋効果がほとんど得られないため、凝集力不足となる傾向にあり好ましくなく、40重量部を超えると、粘着力が低下する傾向にあり好ましくない。
本発明で使用される一価アルコールとしては、分子内に一個の水酸基を有するアルコール系化合物であればよく、鎖状または環状、あるいは飽和または不飽和のいずれであってもよい。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、シクロペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−プロペン−1−オール、2−ブテン−1−オール、2−ペンテン−1−オール、2−へキセン−1−オール、ベンジルアルコール、3−フェニル−1−プロパノール、3−フェニル−2−プロパノール、3−フェニル−2−プロペン−1−オールなどが挙げられる。尚、これらのアルコールは、単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
なお、本発明における粘着剤組成物としては、前記一価アルコールとともに、水酸基以外の他の反応性官能基を1個もしくは複数有する一価アルコールを併用することも可能である。前記水酸機以外の他の反応性官能基としては、例えばアミノ基、アミド基、アルコキシ基、エステル基、ケトン基、シアノ基、ジアゾ基、ホルミル基などを挙げることができ、水酸基以外の前記反応性官能基を1個もしくは複数有する一価アルコールとしては、2−アミノ−エタノール、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシプロパンカルボキサミド、1−ヒドロキシプロパノン、3−ヒドロキシ−プロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロパンニトリル、3−オキソプロピオンアルデヒド、エチレングリコールモノメチルエーテル、ヒドロキシジアゾベンゼンなどを挙げることができる。
また、本発明で使用される一価アルコールとしては、各種グレードのSBRを使用した場合においても、粘着剤の溶液粘度が経日で変化することなく、長期間の安定した保存を可能とする点で、特に、低級一価アルコールであることが好ましい。ここで、低級一価アルコールとは、炭素数が1〜5の鎖式アルコールであって、特に好ましくは炭素数が1および2の鎖式アルコールである。本発明で用いる低級一価アルコールとして、具体的にはメタノール、エタノール、ビニルアルコールが挙げられる。
また、本発明における粘着剤組成物に含まれる前記一価アルコールの割合としては、特に制限されるものではないが、粘着剤溶液の長期保存安定性の点から、前記イソシアネート系化合物のイソシアネート基含有量(I)(モル)と前記一価アルコールの水酸基含有量(II)(モル)との関係が0.01≦(I)/(II)≦100を満たすように適宜添加されることが好ましく、好ましくは0.05≦(I)/(II)≦5、さらに好ましくは0.1≦(I)/(II)≦1である。(I)/(II)の値が0.01未満である場合、粘着剤の凝集力が著しく低下する傾向となり好ましくなく、(I)/(II)の値が100を超える場合、一価アルコールの添加による粘着剤溶液の保存安定性が得られない傾向となり好ましくない。
また、本発明における粘着剤組成物には、必要に応じて各種添加剤、例えば、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの各種安定剤、粘着付与樹脂、充填剤、着色剤、帯電防止剤、発泡剤、界面活性剤などの公知の各種添加剤が配合されていてもよい。これらの添加剤の使用量は、粘着剤に適用される通常の量であってよい。
本発明の粘着テープに使用する粘着剤溶液は、前記粘着剤組成物をトルエンや酢酸エチルなどの有機溶剤に溶解させて調製され、その際、前記粘着剤溶液の固形分濃度は例えば20〜50%とするのがよい。
本発明の粘着テープは基材の少なくとも片面に前記粘着剤組成物からなる粘着剤層を有するものである。
本発明において基材は、各種プラスチックフィルム、紙、金属箔、織布(布)、不織布などが使用できる。プラスチックフィルムとしては、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体などの各種ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイトなどの樹脂から形成されるフィルムを使用することができる。
本発明における基材の厚みについては、特に限定されるものではないが、例えば、10〜500μm程度であり、好ましくは50〜200μm、さらに好ましくは70〜150μmである。なお、該基材は単層の形態、もしくは、複層の形態を有していてもよい。また、該基材には必要に応じて、背面処理、帯電防止処理、下塗り処理などの各種処理が施されていてもよい。
本発明の粘着テープにおける粘着剤層の厚みは、例えば、5〜500μm、好ましくは10〜200μm程度である。
本発明における粘着テープは、コーティング法などの慣用の方法を用いて、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を形成することにより製造できる。なお、粘着剤層は剥離フィルム(剥離ライナ)により保護されていてもよい。また、該粘着テープは本発明の効果を損なわない範囲で他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。
さらに、本発明における粘着テープは、例えば、基材と、前記基材の一方の面に形成された粘着剤層と前記基材の他方の面に形成された背面処理層とで構成されていると、粘着剤層の表面が基材背面(例えば、背面処理層の面)と重ね合わせて積層して、粘着剤層を保護することができる。また、この際、ロール状に巻き取ることにより、ロール状に巻き取られた状態または形態を有している粘着テープ(ロール状に巻き取られた粘着テープ)として作製することができ、ロール状に巻き取らない場合は粘着シートとして作製することができる。なお、基材に背面処理層が形成されていない場合、コーティング法などの慣用の方法を用いて、基材の一方の面上に粘着剤層を形成した後、剥離ライナの剥離面を粘着剤層に接触するように積層し、ロール状に巻き取ることにより、ロール状に巻き取られた粘着テープを製造できる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
(基材)
ポリ塩化ビニル(商品名「TH−1300」信越化学社製):100重量部、可塑剤(商品名「DOP」花王社製;ジオクチルフタレート):54重量部、および安定剤(商品名「NL−175」水澤化学社製):2重量部を混合してポリ塩化ビニル系樹脂組成物を調製した。該ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を、カレンダー成形機を用いて150℃で成形し、厚み100μmのポリ塩化ビニル製フィルム(「PVCフィルム」と称す。)を作成し基材とした。
(粘着剤組成物)
SBR(商品名「SBR1013S」SHELL社製):70重量部、天然ゴム(商品名「RSS1級」野村貿易社製):30重量部、石油樹脂(商品名「エスコレッツ1315」TONNEX社製;軟化点100℃):60重量部、老化防止剤(商品名「イルガノックス1010」チバガイギー社製;フェノール系老化防止剤):5重量部、イソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):2重量部、および一価アルコール(メタノール:キシダ化学社製):1重量部を混合して粘着剤組成物を調製した。なお、当該イソシアネート系化合物のイソシアネート基含有量(I)(モル)と当該一価アルコールの水酸基含有量(II)(モル)とにおいて、(I)/(II)の値は、0.5であった。
(粘着テープ)
上記記載の方法により得られた前記粘着剤組成物をトルエンに溶解させ、固形分濃度25%の粘着剤溶液を調製した。そして、該粘着剤溶液を前記基材の背面処理を施していない片面にコンマダイレクトコータにより塗布し、130℃で2分間乾燥させて、乾燥後の厚みが30μmとなるように粘着剤層を形成させた後、巻取り機にてロール状に巻き取り、さらに、これを切断機にて切断して、幅19mm、長さ20mであるロール状の粘着テープを作成した。
[実施例2]
粘着剤組成物に加える一価アルコール(メタノール)の添加量を2重量部としたほかは実施例1に準じて粘着テープを得た。なお、当該イソシアネート系化合物のイソシアネート基含有量(I)(モル)と当該一価アルコールの水酸基含有量(II)(モル)とにおいて、(II)/(I)の値は0.2であった。
[比較例1]
粘着剤組成物にイソシアネート系化合物および一価アルコールを添加しなかったほかは実施例1に準じて粘着テープを得た。
[比較例2]
粘着剤組成物に一価アルコールを添加しなかったほかは実施例1に準じて粘着テープを得た。
[比較例3]
粘着剤組成物に一価アルコールの代わりに二価アルコール(エチレングリコール:東京化成社製)を1重量部添加したほかは実施例1に準じて粘着テープを得た。
実施例1、2および比較例1〜3で得られた粘着テープを用いて、以下の各特性について評価を行った。なお、それぞれの測定方法は以下に示す通りであり、評価結果は表1に示した。
<粘着力の測定>
各粘着テープを19mm幅に切断し、該粘着テープをSUSステンレス板に2kgのゴムローラを1往復させて貼付し、室温(23℃)且つ65%RH雰囲気下の条件で30分間放置後、引張試験機を使用して、引張速度300mm/分(23℃)での180度ピール粘着力を測定し、粘着性を評価した。
<凝集力の測定>
各粘着テープを幅25mmに切断して試験片を作成し、ステンレス板に接着面が25mm×25mmの形状になるように2kgのゴムローラを1往復して貼付した。続いて40℃雰囲気下で30分間放置後、ステンレス板を垂直に固定し、試験片の一端に500gの荷重をかけ、荷重が落下するまでの時間を測定し、以下の期間を基準として凝集力を評価した。
初 期:粘着テープ作成後、室温(25℃)で24時間後の状態
7日後:粘着テープ作成後、室温(25℃)で7日間保存後の状態
<溶液粘度の測定>
各粘着剤溶液(固形分濃度:25%、溶媒:トルエン)を用い、JIS K−6833に準じ、30℃雰囲気下でB型粘度計(TOKIMEC社製)を使用して溶液粘度を測定し、以下の期間を基準として粘着剤の経日での粘度上昇度を評価した。
初 期:粘着剤溶液調製直後の状態
7日後:粘着剤溶液調製後、室温(25℃)で7日間保存後の状態
Figure 0004515745
表1の結果より、SBRおよび天然ゴムを粘着成分の必須成分として含有し、さらにイソシアネート系化合物および一価アルコールを含有する粘着剤組成物により形成されている本発明の粘着テープは、全実施例において、いずれも被着体に対する優れた接着性を有しており、7日間の保存後であっても初期と比較して粘着テープの凝集力がほとんど変動しないという結果が得られた。また、粘着剤の溶液粘度についても、全実施例において、粘着剤の調製直後と経日後ではほとんど粘度の変化が見られず、経日での粘着剤溶液の粘度上昇を防止できることが明らかとなった。これに対して、比較例1では、イソシアネート系化合物と一価アルコールを添加しなかったために、粘着剤としての十分な凝集力が得られず、荷重が落下するまでの時間が実施例よりも短くなってしまった。次に比較例2では、一価アルコールを加えなかったため、また比較例3では、一価アルコールに代えて二価アルコールを用いたため、粘着テープ作製初期に比べると7日間経過後では、荷重が落下するまでの時間が長くなっており、粘着剤の凝集力が経日で変動してしまったことが分かると共に、粘着剤溶液の著しい粘度上昇が見られたことより、比較例で用いた粘着剤組成物は保存安定性に乏しく本発明における粘着テープの粘着剤として適さないという結果となった。
本発明の粘着剤組成物によれば、各種グレードのSBRを使用した場合においても、保存の際には粘着剤の溶液粘度が経日で変化することなく、ポットライフを長く維持することができ、また、粘着テープの粘着剤として使用する場合には、経日での凝集力の上昇を抑制するため、接着初期における良好な粘着力を保持し、巻き戻し力の低下および端末はがれを引き起こすことがなく、被着体に対する優れた接着特性を発揮する粘着テープとして好適に利用することができる。

Claims (2)

  1. 粘着成分としてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)および天然ゴムを必須成分として含有し、且つ前記粘着成分に、イソシアネート系化合物および一価アルコールを含有してなることを特徴とする粘着剤組成物であって、イソシアネート系化合物の割合が、粘着成分100重量部に対して0.1〜40重量部であり、一価アルコールは、イソシアネート系化合物のイソシアネート基含有量(I)(モル)と一価アルコールの水酸基含有量(II)(モル)が下記式(1)の関係を有するように含有されている粘着剤組成物
    0.01≦(I)/(II)≦100 (1)
  2. 基材の少なくとも片面に、請求項に記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有することを特徴とする粘着テープ。
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