JP4509679B2 - クラッチおよびクラッチユニット - Google Patents

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本発明は、入力側からの回転トルクのみを出力側へ伝達するクラッチ機能を有するクラッチ、およびそのクラッチ機能と出力側からの逆入力トルクを遮断して入力側へ伝達しない逆入力遮断機能とを併せ持つクラッチユニットに関する。
一般に、ローラやボール等の係合子を用いるクラッチユニットにおいては、入力側部材と出力側部材との間にクラッチ部が配設されるが、このクラッチ部は、前述の入力側部材と出力側部材間に形成される楔すきまにローラやボール等の係合子を係合・離脱させることによって、入力トルクの伝達・遮断を制御する構成になっている。
すなわち、係合子が楔すきまに係合することにより、入力側部材と出力側部材とがその係合子を介して入力トルクが伝達される一方、係合子が楔すきまから離脱することにより、入力側部材と出力側部材とが相対空転可能となり、その入力側部材と出力側部材間で入力トルクが遮断される構成になっている。
このように係合子の係合・離脱により入力側部材と出力側部材の間でトルクの伝達・遮断を行うクラッチ部を図8の模式図で示す。
このクラッチ部は、同図に示すようにトルクが入力される入力側部材としての外輪1と、トルクが出力される出力側部材としての内輪2と、外輪1からの入力トルクを内輪2に伝達する係合子としてのローラ3と、そのローラ3を円周方向に保持する保持器4と、回転が拘束された静止側部材5と、保持器4と静止側部材5の間に設けられ、外輪1からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で保持器4を中立状態に復帰させる第一の弾性部材としての第一のセンタリングばね6と、外輪1と静止側部材5の間に設けられ、外輪1からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で外輪1を中立状態に復帰させる第二の弾性部材としての第二のセンタリングばね7とを具備した構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
このクラッチ部において、外輪1の内周面には、内輪2の外周面2aとの間に正逆両回転方向に対称に楔すきま8を形成したカム面1aが円周方向等間隔に形成されている。また、第一および第二のセンタリングばね6,7は、いずれも帯板材を丸めて形成した有端リング状の板ばねが使用されている。なお、このクラッチ部を自動車用シートリフタ部に組み込んだ場合、前述の外輪1に操作レバー(図示せず)が連結される。
図8に示すように外輪1に入力トルクが作用していない状態では、ローラ3は、外輪1のカム面1aの円周方向中央に位置して外輪1と内輪2との間で係合していない状態に保持されている。
この外輪1に入力トルクが作用すると、図9に示すように内輪2に対して外輪1が回転することにより(図中矢印A参照)、ローラ3は、楔すきま8の一端側(図中右側)に押し込まれて外輪1のカム面1aと内輪2の外周面2aとの間に噛み込んで係合した状態となる。これにより、外輪1からの入力トルクが内輪2へ伝達される。
一方、外輪1からの入力トルクを開放すると、図10に示すように第一のセンタリングばね6の弾性復元力により保持器4が中立状態に復帰する。その時の第一のセンタリングばね6による復帰トルク(図中矢印B参照)は、保持器4およびローラ3を介して外輪1に伝達され、その外輪1が中立状態に復帰することになる。また、第二のセンタリングばね7は、第一のセンタリングばね6を補助することにより、その弾性復元力でもって外輪1を中立状態に確実に復帰させるようにしている。
特開2003−166555号公報
ところで、前述したクラッチ部では、第一のセンタリングばね6の弾性復元力により保持器4に復帰トルクを作用させ、その保持器4およびローラ3を介して外輪1を中立状態に復帰させ、さらに、第二のセンタリングばね7の弾性復元力により外輪1に復帰トルクを作用させ、外輪1を中立状態に復帰させるのを補助するようにしている。
ここで、第一のセンタリングばね6の復帰トルクと第二のセンタリングばね7の復帰トルクの関係について、第二のセンタリングばね7の復帰トルクを第一のセンタリングばね6の復帰トルクよりも大きく設定した場合、外輪1からの入力トルクを開放すると、図11に示すように第二のセンタリングばね7の復帰トルクが第一のセンタリングばね6の復帰トルクよりも大きいことから、第一のセンタリングばね6の弾性復元力(図中矢印B参照)による保持器4およびローラ3の復帰動作よりも、第二のセンタリングばね7の弾性復元力(図中矢印C参照)による外輪1の復帰動作が早く、その結果、図11に示すようにローラ3は、楔すきま8の他端側(図中左側)に押し込まれて外輪1のカム面1aと内輪2の外周面2aとの間に噛み込んでロックした状態となり、外輪1が中立位置まで戻らない可能性があった。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、二つのセンタリングばねによる復帰トルクの大小関係を適正に規定することにより、入力側部材である外輪を中立位置に確実に復帰させ得るクラッチおよびクラッチユニットを提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、トルクが入力される入力側部材と、トルクが出力される出力側部材と、入力側部材からの入力トルクを出力側部材に伝達する係合子と、その係合子を保持する保持器と、回転が拘束された静止側部材と、前記保持器と静止側部材の間に設けられ、入力側部材からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で保持器を中立状態に復帰させる第一の弾性部材と、前記入力側部材と静止側部材の間に設けられ、入力側部材からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で入力側部材を中立状態に復帰させる第二の弾性部材とを具備したクラッチにおいて、前記第一の弾性部材により保持器に作用する復帰トルクT1と、第二の弾性部材により入力側部材に作用する復帰トルクT2との関係を、前記保持器および入力側部材の慣性モーメントM1,M2を加味してT1/M1≧T2/M2で規定すると共に、前記保持器の慣性モーメントを前記入力側部材の慣性モーメントよりも小さく設定したことを特徴とする。
ここで、第一の弾性部材による復帰トルクを第二の弾性部材による復帰トルクよりも小さく設定していたことによる従来の問題点を解消するため、第一の弾性部材による復帰トルクを第二の弾性部材による復帰トルクよりも大きく設定することが考えられる。このように第一の弾性部材による復帰トルクを第二の弾性部材による復帰トルクよりも大きくするためには、第一の弾性部材が例えば板ばねの場合、その板厚や板幅を大きくすればよいが、それにより応力の問題より板ばねが折れてしまう可能性がでてくる。
そこで、本発明では、第一の弾性部材により保持器に作用する復帰トルクT1と、第二の弾性部材により入力側部材に作用する復帰トルクT2との関係を規定する上で、保持器および入力側部材の慣性モーメントM1,M2を加味してT1/M1≧T2/M2で規定すると共に、保持器の慣性モーメントを入力側部材の慣性モーメントよりも小さく設定するようにした。これにより、第二の弾性部材により入力側部材が中立状態に復帰しようとする動作よりも、第一の弾性部材により保持器が中立状態に復帰しようとする動作早くなるので、入力側部材を中立状態に確実に復帰させることが可能となる。
本発明は、トルクが入力される入力側部材と、トルクが出力される出力側部材と、回転が拘束された静止側部材と、その静止側部材と出力側部材間のすきまに配設され、両部材間での係合・離脱により入力側部材からの入力トルクの伝達と出力側部材からの逆入力トルクの遮断を制御する一対の係合子と、一対の係合子間に介挿され、それら係合子同士に離反力を付勢する弾性部材とを備えた逆入力遮断機能のクラッチ部を有するクラッチユニットにも適用可能である。
また、本発明は、自動車用シートリフタ部に組み込まれた構造を採用することが望ましい。このように自動車用シートリフタ部に組み込まれた場合、操作性の向上が図れる。
本発明によれば、第一の弾性部材により保持器に作用する復帰トルクT1と、第二の弾性部材により入力側部材に作用する復帰トルクT2との関係を規定する上で、保持器および入力側部材の慣性モーメントM1,M2を加味してT1/M1≧T2/M2で規定すると共に、保持器の慣性モーメントを入力側部材の慣性モーメントよりも小さく設定したことにより、第二の弾性部材により入力側部材が中立状態に復帰しようとする動作よりも、第一の弾性部材により保持器が中立状態に復帰しようとする動作早くなるので、入力側部材を中立状態に確実に復帰させることが可能となる。その結果、例えば自動車用シートリフタ部に適用した場合、操作レバーの初期位置復帰が確実となって操作性の向上が図れる。
本発明の実施形態は、入力側に設けられた第一クラッチ部11(図2参照)と、出力側に設けられた逆入力遮断機能の第二クラッチ部12(図3参照)とを具備したクラッチユニット(図1参照)を例示する。
第一クラッチ部11は、図1および図2に示すようにトルクが入力される入力側部材としての外輪13と、トルクが出力される出力側部材としての内輪14と、外輪13からの入力トルクを内輪14に伝達する係合子としての複数のローラ15と、そのローラ15を円周方向に保持する保持器16と、保持器16と静止側部材(後述の第二クラッチ部12の外輪21)の間に設けられ、外輪13からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で保持器16を中立状態に復帰させる第一の弾性部材としての第一のセンタリングばね17と、外輪13と静止側部材(第二クラッチ部12の外輪21)の間に設けられ、外輪13からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で外輪13を中立状態に復帰させる第二の弾性部材としての第二のセンタリングばね18とを具備する。
なお、外輪13の内周には、複数のカム面13aが円周方向等間隔に形成されている。この外輪13は、同軸的に配置された側板10を介して操作レバー(図示せず)に連結されることにより、例えば自動車の座席シートを調整するシートリフタ部の入力側部材の一部を構成する。内輪14は、その外径に外輪13のカム面13aとの間に楔すきま20を形成する外周面14aを備えている。保持器16は、各ローラ15を転動自在に収容して円周方向等間隔に保持する複数のポケット19を有する。
第一および第二のセンタリングばね17,18は、いずれも帯板材を丸めて形成した有端リング状の板ばねであり、図4に示すように第一のセンタリングばね17は、径方向内側に屈曲させた一対の係止部17aを有し、第二のセンタリングばね18は、径方向外側に屈曲させた一対の係止部18aを有する。この第一のセンタリングばね17は、第二のセンタリングばね18の内径側に配置されている。
内径側に位置する第一のセンタリングばね17は、保持器16と第二クラッチ部12の静止側部材である外輪21の間に配設され、一方の係止部17aが保持器16に係止されると共に、他方の係止部17aが外輪21に設けられた爪部21aに係止されている。
この第一のセンタリングばね17では、外輪13からの入力トルクの作用時、一方の係止部17aが保持器16の一部に、他方の係止部17aが外輪21の爪部21aにそれぞれ係合するので、外輪13の回転に伴って第一のセンタリングばね17が押し拡げられて弾性力が蓄積され、外輪13からの入力トルクの開放時、その弾性復元力により保持器16を中立状態に復帰させる。
外径側に位置する第二のセンタリングばね18は、外輪13と第二クラッチ部12の静止側部材である外輪21の間に配設され、両方の係止部18aが外輪13に設けられた爪部13bに係止されると共に、外輪21に設けられた爪部21bに係止されている。この係止部18aは、第一のセンタリングばね17の係止部17aに対して円周方向の位相をずらせて配置されている。
この第二のセンタリングばね18では、外輪13から入力トルクが作用する回転時、外輪13が回転した場合、一方の係止部18aが外輪13の爪部13bに、他方の係止部18aが外輪21の爪部21bにそれぞれ係合するので、外輪13の回転に伴って第二のセンタリングばね18が押し拡げられて弾性力が蓄積され、外輪13からの入力トルクを開放すると、その弾性復元力により外輪13を中立状態に復帰させる。
この実施形態では、第一のセンタリングばね17による復帰トルクと第二のセンタリングばね18による復帰トルクとの大小関係について、保持器16(ローラ15も含む)の慣性モーメントと外輪13(側板10を含む)の慣性モーメントを考慮した上で規定した。
つまり、第一のセンタリングばね17により保持器16に作用する復帰トルクT1と、第二のセンタリングばね18により外輪13に作用する復帰トルクT2との関係を規定する上で、保持器16および外輪13の慣性モーメントM1,M2を加味してT1/M1≧T2/M2で規定すると共に、保持器16の慣性モーメントM 1 を外輪13の慣性モーメントM 2 よりも小さく設定するようにした。
これにより、保持器16の慣性モーメントM1を外輪13の慣性モーメントM2よりも小さく設定すれば、第二のセンタリングばね18により外輪13が中立状態に復帰しようとする動作よりも、第一のセンタリングばね17により保持器16が中立状態に復帰しようとする動作早くなるので、外輪13を中立状態に確実に復帰させることが可能となる。
保持器16は、その慣性モーメントが外輪13の慣性モーメントよりも小さくなるような素材で構成する。つまり、例えば鉄製の外輪13に対して、保持器16を樹脂やアルミニウム製とする。このようにすれば、保持器13の慣性モーメントM1を外輪13の慣性モーメントM2よりも小さく設定することが容易となる。
この実施形態のクラッチユニットにおける第一クラッチ部11の動作を図5〜図7を参照しながら説明する。なお、図5〜図7において、第一および第二のセンタリングばね17,18並びに第二クラッチ部12の静止側部材である外輪21は模式化され、概念的に示されている。
図5に示すように外輪13に入力トルクが作用していない状態では、ローラ15は、外輪13のカム面13aの円周方向中央に位置して外輪13と内輪14との間で係合していない状態に保持されている。
この外輪13に入力トルクが作用すると、図6に示すように内輪14に対して外輪13が回転することにより(図中矢印A参照)、ローラ15は、楔すきま20の一端側(図中右側)に押し込まれて外輪13のカム面13aと内輪14の外周面14aとの間に噛み込んで係合した状態となる。保持器16は、第二のセンタリングばね18により静止側部材である外輪21と共に静止しようとするので外輪13の相対移動が可能となる。
これにより、外輪13と内輪14がロックされるので、外輪13からの入力トルクがローラ15を介して内輪14に伝達され、外輪13、ローラ15、保持器16および内輪14が一体となって回動する。この外輪13および保持器16の回動に伴って第一のセンタリングばね17および第二のセンタリングばね18が撓み、その撓み量に応じた弾性力がそれぞれに蓄積される。
一方、外輪13からの入力トルクを開放すると、図7に示すように第一のセンタリングばね17に蓄積された弾性復元力により保持器16が中立状態に復帰する。その時の第一のセンタリングばね17による復帰トルク(図中矢印B参照)は、保持器16およびローラ15を介して外輪13に伝達され、その外輪13が中立状態に復帰することになる。同時に、第二のセンタリングばね18は、第一のセンタリングばね17を補助することにより、蓄積された弾性復元力でもって外輪13を中立状態に確実に復帰させるようにしている。
この時、前述したように第一のセンタリングばね17により保持器16に作用する復帰トルクT1と、第二のセンタリングばね18により外輪13に作用する復帰トルクT2との関係を、保持器16および外輪13の慣性モーメントM1,M2を加味してT1/M1≧T2/M2で規定すると共に、保持器16の慣性モーメントM 1 を外輪13の慣性モーメントM 2 よりも小さく設定したことにより、第二のセンタリングばね18により外輪13が中立状態に復帰しようとする動作よりも、第一のセンタリングばね17により保持器16が中立状態に復帰しようとする動作早くなるので、図11に示すようにローラ3が、楔すきま8の他端側(図中左側)に押し込まれて外輪1のカム面1aと内輪2の外周面2aとの間に噛み込んでロックした状態になることはなく、図5に示すように外輪13を中立状態に確実に復帰させることが可能となる。
一方、ロック型と称されるタイプで逆入力遮断機能を有する第二クラッチ部12は、図1および図3に示すように第一クラッチ部11の内輪14が入力側部材として機能する保持器(以下、第二クラッチ部12では、保持器14とする)と、出力側部材としての出力軸22と、静止側部材としての外輪21と、外輪21と出力軸22間のすきまに配設され、両者間での係合・離脱により保持器14からの入力トルクの伝達と出力軸22からの逆入力トルクの遮断を制御する一対の係合子としてのローラ24と、一対のローラ24間に介挿され、それらローラ24同士に離反力を付勢する弾性部材としての断面N字形の板ばね25とで主要部が構成されている。
図3に示すように前述の出力軸22の外径面には、外輪21の内周面21aとの間に正逆両回転方向に対称な楔すきま26を形成した多角形のカム面22aが円周方向等間隔に形成されている。この出力軸22と外輪21の間に配置された保持器14には、その軸方向に開放した凹状のポケット23が円周方向等間隔に形成され、その開放側に端部部材である固定側板30が配置されている。これら各ポケット23に一対のローラ24が収容配置されると共にそのローラ24同士に離反力を付勢する板ばね25がローラ24間に介挿されている。
一方、出力軸22には、複数のピン孔22bが円周所定間隔に形成され、これらピン孔22bに保持器14のピン14bが挿入されて回り止め構造でもって連結されている。さらに、外輪21には、第一クラッチ部11の第一および第二のセンタリングばね17,18と係合する係止部(図示せず)がそれぞれ形成されている。
前述の第一クラッチ部11では、外輪13に入力トルクが作用すると、ローラ15が楔すきま20に係合し、そのローラ15を介して内輪14にトルクが伝達されて内輪14が回動する。この時、外輪13および保持器16の回動に伴って第一および第二のセンタリングばね17,18に弾性力が蓄積される。その入力トルクがなくなると、第一および第二のセンタリングばね17,18の弾性力により外輪13および保持器16が中立状態に復帰する一方で、内輪14は、与えられた回動位置をそのまま維持する。従って、この外輪13の回動繰り返しにより、内輪14に回動量が重畳的に蓄積される。
一方、第二クラッチ部12では、入力トルクが保持器14に作用していない状態で、出力軸22から逆入力トルクが入力されると、その出力軸22と外輪21の間に介在したローラ24が、そのローラ24同士に離反力を付勢する板ばね25により出力軸22と外輪21間の楔すきま26と係合してロックされる。従って、出力軸22からの逆入力トルクは、第二クラッチ部12によってロックされて第一クラッチ部11への逆入力トルクの還流が遮断される。
一方、外輪13からの入力トルクが第一クラッチ部11を介して保持器14に入力され、保持器14がローラ24と係合して板ばね25の弾性力に抗して押圧することにより、そのローラ24が楔すきま26から離脱して出力軸22のロック状態が解除され、出力軸22は保持器14と共に回転を始める。このように保持器14が回転し始めた後、保持器14のピン14bが出力軸22のピン孔22bと係合することにより、保持器14からの入力トルクがピン14bおよびピン孔22bを介して出力軸22に伝達され、出力軸22が回動する。なお、保持器14からの入力トルクがなくなると、板ばね25の弾性復元力によって中立状態に復帰する。
本発明は、例えば、自動車用シートリフタ部などに組み込まれて利用する以外に、電動スライドドア、電動バックドア、パワーウィンドウ、電動ステアリング等の駆動機構に組み込まれて利用することが可能である。
本発明の実施形態で、クラッチユニットの全体構成を示す断面図である。 図1のI−I線に沿う断面図で、第一クラッチ部を示す。 図1のII−II線に沿う断面図で、第二クラッチ部を示す。 図1のIII−III線に沿う断面図で、第一および第二のセンタリングばねを示す。 図2の第一クラッチ部の動作を説明するためのもので、ローラが中立位置にある状態を示す要部拡大断面図である。 図2の第一クラッチ部の動作を説明するためのもので、ローラが楔すきまに噛み込んだ状態を示す要部拡大断面図である。 図2の第一クラッチ部の動作を説明するためのもので、ローラが中立位置に戻る状態を示す要部拡大断面図である。 従来のクラッチ部の動作を説明するためのもので、ローラが中立位置にある状態を示す要部拡大断面図である。 従来のクラッチ部の動作を説明するためのもので、ローラが楔すきまに噛み込んだ状態を示す要部拡大断面図である。 従来のクラッチ部の動作を説明するためのもので、ローラが中立位置に戻る状態を示す要部拡大断面図である。 従来のクラッチ部の動作を説明するためのもので、ローラがロックされた不具合状態を示す要部拡大断面図である。
符号の説明
13 入力側部材(外輪)
14 出力側部材(内輪)
15 係合子(ローラ)
16 保持器
17 第一の弾性部材(センタリングばね)
18 第二の弾性部材(センタリングばね)
21 静止側部材(外輪)

Claims (3)

  1. トルクが入力される入力側部材と、トルクが出力される出力側部材と、入力側部材からの入力トルクを出力側部材に伝達する係合子と、その係合子を保持する保持器と、回転が拘束された静止側部材と、前記保持器と静止側部材の間に設けられ、入力側部材からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で保持器を中立状態に復帰させる第一の弾性部材と、前記入力側部材と静止側部材の間に設けられ、入力側部材からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で入力側部材を中立状態に復帰させる第二の弾性部材とを具備したクラッチにおいて、前記第一の弾性部材により保持器に作用する復帰トルクT1と、第二の弾性部材により入力側部材に作用する復帰トルクT2との関係を、前記保持器および入力側部材の慣性モーメントM1,M2を加味してT1/M1≧T2/M2で規定すると共に、前記保持器の慣性モーメントを前記入力側部材の慣性モーメントよりも小さく設定したことを特徴とするクラッチ。
  2. 自動車用シートリフタ部に組み込まれている請求項に記載のクラッチ。
  3. トルクが入力される入力側部材と、トルクが出力される出力側部材と、回転が拘束された静止側部材と、その静止側部材と出力側部材間のすきまに配設され、両部材間での係合・離脱により入力側部材からの入力トルクの伝達と出力側部材からの逆入力トルクの遮断を制御する一対の係合子と、一対の係合子間に介挿され、それら係合子同士に離反力を付勢する弾性部材とを備えた逆入力遮断機能のクラッチ部を、請求項1又は2に記載のクラッチに付加したクラッチユニット。
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