JP4507844B2 - ガラス合紙 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶パネルディスプレイやプラズマパネルディスプレイといったフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板を複数枚積層して保管、運搬する流通過程において、ガラス板表面の汚染を防止できる合紙に関するものである。
通常、フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板を複数枚積層して保管、トラック運搬する流通過程において、ガラス板同士が衝撃を受け接触し、擦れ傷やガラス表面が汚染されることを防止する目的でガラス板の間に合紙を挟み込む方法が一般的である。
このように使用されることから合紙に必要な特性としては、ガラス板の割れや表面の傷つきを防止できる合紙、またガラス表面を汚染しない合紙としていくつか挙げられている。例えば、特開昭59−221269号公報、特開昭60−181399号公報、特開平2−53987号公報、特開2003−41498号公報(特許文献1〜4)には、砕木パルプや古紙(主として新聞古紙)を主体としたガラス合紙が開示されている。古紙を中心としたガラス合紙は、乾燥性向上のため紙中のインク基剤中に多量の樹脂が含まれている。この樹脂は水溶、揮発または転移してガラス表面へヤケおよび紙肌付着を発生させるものであり、一定の量に減少するまで取り除かなければならない。
一方、特開平9−170198号公報(特許文献5)には、天然パルプ100質量部に対し樹脂バインダーを5〜40質量部含浸させて、乾燥して脱落する粒子の数を抑える効果とその両面に水溶性樹脂を塗布することでガラス表面に紙ヤケが発生させないというそれぞれに効果をもたせたものが提供されている。しかしながら、ガラス板を複数枚積層して保管、運搬する時の環境変化は大きく時には、高温高湿となる場合がある。そのような環境下では水溶性樹脂が溶出しやすくなり樹脂バインダーを皮膜するという効果はなくなるため5〜40質量部と多量に含浸した樹脂バインダーが剥き出しになるとガラス表面に樹脂バインダーが転移し汚染されてしまう。汚染されたガラス表面は、薬液洗浄やブラッシング洗浄、超音波洗浄だけでは簡単に洗い流すことは難しい。また、ガラス板同士が樹脂バインダーで接着されガラス板を剥離するのが非常に困難という問題も発生する。また、再離解性のある無塵紙としては、本出願人により特開2003−49392号公報(特許文献6)が存在する。
特開昭59−221269号公報 特開昭60−181399号公報 特開平2−53987号公報 特開2003−41498号公報 特開平9−170198号公報 特開2003−49392号公報
フラットパネル・ディスプレイ用の基板材料として用いられるガラス板は、一般の建築用窓ガラス板や車両用窓ガラス等に比べて、高い清浄度や傷品位が要求される。本発明は、前述の課題を解決するものであり、フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板を複数枚積層して保管、運搬する流通過程において、ガラス板表面の汚染を防止できる合紙を提供することを目的とする。
本発明者らは、フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板を複数枚積層して保管、運搬する流通過程において、ガラス板表面への汚染を防止できるガラス合紙について鋭意検討した結果、合紙に含浸される樹脂に注目して本願を完成させた。
即ち、本発明は、以下の各発明を包含する。
本発明の第1は、天然パルプからなる基紙に樹脂エマルジョンを含浸したガラス合紙において、樹脂エマルジョンがエチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られる樹脂エマルジョンで、該樹脂エマルジョン中の樹脂は架橋性エチレン性不飽和単量体を0.5〜4.0質量%、かつカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を3.0〜7.0質量%含むものであり、樹脂エマルジョン含浸乾燥後の樹脂量が1質量%以上、8質量%未満であるするガラス合紙である。
本発明の第は、揉み、擦り、破りの各クリーン度試験において、吸引体積0.02立方フィート中において0.3μm以上の塵の数が20〜1000個である本発明の第に記載のガラス合紙である。
本発明の建築用窓ガラス板や車両用窓ガラス板等に比べて、高い清浄度や傷品位が要求されるフラットパネル・ディスプレイ用の基板材料用として用いられるガラス板表面への汚染を防止できるガラス合紙を提供する。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のガラス合紙はフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板に最適である。フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板は、一般の建築用窓ガラス板や車両用窓ガラス等とは違って、高精細ディスプレイ用に使用されることからガラス表面は、紙ヤケ、紙肌、発塵の原因となる微細化したパルプ繊維の脱落やその他パルプ繊維以外の不純物などがないクリーンな表面を保持していることが重要である。
本発明は樹脂エマルジョンを含浸した合紙である。
本発明で使用される樹脂エマルジョンは、エチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られる樹脂エマルジョンであり、該樹脂エマルジョン中の樹脂は架橋性エチレン性不飽和単量体を0.5〜4.0質量%、かつカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を3.0〜7.0質量%含むものであることを特徴とする。
本発明の樹脂エマルジョンとは異なる樹脂エマルジョンを使用すると、ガラス表面を汚染し、ブラッシング洗浄や超音波洗浄でも付着した樹脂エマルジョンを除去することができない。更に、前述の特許文献5にあるように、樹脂エマルジョン含浸後に澱粉やポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を塗布することにより樹脂エマルジョンがガラスに直接接することを避ける方法が提案されているが、本発明者らは、この方法でもガラスの保管環境によっては水溶性樹脂由来の汚染が発生することを見出した。一方、本発明の樹脂エマルジョンを含浸して使用する場合は、汚染が少ないだけでなく、汚染物質をブラッシング洗浄や超音波洗浄といった既存の設備で洗い流し除去することができる。
本発明の樹脂エマルジョンを構成するエチレン性不飽和単量体は、少なくとも1個の重合可能なビニル基を有するものであり、特に限定されるものではない。例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、芳香族ビニル化合物、複素環式ビニル化合物、ビニルエステル類、モノオレフィン類、共役ジオレフィン化合物、シアン化ビニル化合物、カルボキシル基含有ビニル化合物、アミド基もしくは置換アミド基含有α,β−エチレン性不飽和化合物、スルホン酸基含有α,β−エチレン性不飽和化合物等の公知の重合性ビニル化合物が挙げられる。
本発明で使用されるエチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られる樹脂エマルジョン中の樹脂は、架橋性エチレン性不飽和単量体を0.5〜4.0質量%含むことが必要であり、好ましい範囲は0.6〜2.0質量%である。
樹脂を含浸したガラス合紙において、樹脂が湿度や温度などの環境により溶け出してガラスを汚染してはならないが、ブラッシング洗浄と超音波洗浄によりガラスを汚染した樹脂分が除去できれば問題はない。本発明で使用する樹脂エマルジョンは、樹脂の脆さを高めて物理的せん断力による洗浄を容易にしている。よって、架橋性エチレン性不飽和単量体が0.5質量%に満たない場合は樹脂の伸度が高いため満足する洗浄性を得ることができない。また、架橋性エチレン性不飽和単量体の量が4.0質量%を超えると、樹脂の成膜性が大幅に低下するため樹脂自身による発塵が発生し、ガラス表面を汚染してしまう可能性がある。
本発明に記載の樹脂エマルジョンに使用される架橋性エチレン性不飽和単量体としては、ジビニルベンゼンやジアリルフタレート等の2つ以上のビニル基を有するエチレン性不飽和単量体、グリシジル(メタ)アクリレートやグリシジルビニルエステル等のエポキシ基含有α,β−エチレン性不飽和単量体、ビニルトリエトキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性アルコキシシリル基含有α,β−エチレン性不飽和単量体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。中でも、乳化重合中にポリマーを内部架橋させ、高分子量化させる面と乳化重合時の安定性に悪影響を与えにくい、2つ以上のビニル基を有するエチレン性不飽和単量体が好ましい。
本発明で使用されるエチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られる樹脂エマルジョン中の樹脂は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を3.0〜7.0質量%含むことが必要であり、好ましい範囲は3.1〜6.0質量%である。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の含有量がこの範囲であると、樹脂の脆さを高める一方、樹脂に適度な水吸収性を付与するため、ガラス表面の水分を吸着し水分によるガラス表面の汚染を防ぐことができる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体が3.0質量%に満たない場合は樹脂の耐水性が高すぎてガラスに付着、汚染した樹脂を洗浄しても取り除くことが困難になり、7.0質量%を超えると得られた樹脂エマルジョンの粘度が高く含浸時の作業性を困難にするという不具合を生じる。
本発明に記載の樹脂エマルジョンに使用されるカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。これらは単独で使用しても2種類以上併用しても良い。
本発明で使用される樹脂エマルジョン中の樹脂のガラス転移温度は、好ましくは−10〜10℃である。樹脂のガラス転移温度は低い方が発塵を抑える面では好ましいが、−10℃に満たないとガラス合紙表面が粘着性を帯びガラス汚染の原因になると共に、ガラスから剥離できないというトラブルを生じる恐れがある。また、10℃を超えると発塵量が大幅に悪化し、ガラス汚染の原因になることがある。
乳化重合に使用される乳化剤は特に限定されるものではなく、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン性乳化剤、その他カチオン性、両性、反応性乳化剤が挙げられる。これらの乳化剤は単独もしくは混合して使用しても良い。乳化重合に使用される重合開始剤としては、過硫酸塩、アゾ系開始剤、有機過酸化物、過酸化水素等が挙げられ、特に限定されるものではない。また、必要に応じてアスコルビン酸やチオ硫酸ナトリウム等の還元剤を併用しても良い。乳化重合には必要に応じて、中和剤、消泡剤、分散剤、浸透剤、防腐剤等を添加することができる。
本発明のガラス合紙において、樹脂固形分の含浸量は、含浸前の原紙100質量%に対して15質量%未満である。好ましくは1質量%以上、8質量%未満である。15質量%以上の樹脂を多量に基紙へ含浸した場合には、ガラス表面を汚染させやすく、薬液洗浄やブラッシング洗浄、超音波洗浄だけでは簡単に洗い流すことは難しいばかりか温度が高い環境ではガラス同士を樹脂にて接着してしまい容易に剥離できなくなる現象が発生する。また、8質量%以上では発塵抑制効果は更に上がるがコストアップになるため要求品質とコストをふまえる必要がある。
一方、1質量%未満では繊維間を十分に結合させるバインダー効果が小さく発塵量が多くなる恐れがある。
本発明のガラス合紙に使用する原料パルプには、各種のものが使用でき、例えば、クラフトパルプ(KP)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP),等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)等の機械パルプが使用可能である。
その他のパルプとしては、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材繊維パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプ等がある。これらのパルプは単独でも、二種以上混合使用しても良い。但し、樹種によっては樹脂分が多いものもありガラスを汚染させることもあるため、なるべく樹脂分の少ない樹種を選定した方が好ましい。
また、リグニン、色素系物質等の除去操作がされている点では漂白処理の施されているものの方が好ましい。古紙を使用する際には古紙に含まれている不純物を取り除いてから使用することが好ましく、古紙を離解した後、アルカリ薬品を加え繊維からインキ膜を剥がし、界面活性剤に捕集させ繊維から分離除去する。具体的な除去方法としては泡にインキを洗い流す洗浄法があり、一般には両者を併用して脱油脂処理が行われる。
これらの原料パルプは叩解を進めた方が良く遊離状叩解よりも粘状叩解されたものがより好ましい。叩解を進めることでパルプ繊維間結合力が強化され発塵量も少なくなるため含浸する樹脂量も少ない量で発塵を抑えることができる。
具体的には、CSF(カナダスタンダード フリーネス)で500ml以下、好ましくは300ml以下、さらに好ましくは50ml以下である。叩解を行うにあたって叩解装置の種類、パルプ濃度、仕込み速度のような叩解条件は特に限定するものではなく、前述のフリーネスの範囲になるように各条件を設定すれば良い。
抄造内添薬品については、ガラス表面を傷つけない、もしくは汚染しない範囲内で例えば、ロジン、スチレン・マレイン酸、アルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、各種紙力増強剤、濾水歩留り向上剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の湿潤紙力増強剤、柔軟剤、帯電防止剤、消泡剤、スライムコントロール剤、タルク等の填料、染料等を使用することができる。また、ガラス合紙の表面や裏面に必要に応じて上記薬品以外に、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、デンプン等があり、それらの中には、高ケン化度PVA、低ケン化度PVA、変性PVA、変性ポリアクリルアミド、生デンプン、酸化デンプン、変性デンプンなどを塗布や含浸させることも可能である。
塗布や含浸手段は例えば、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーターやサイズプレスやキャレンダーコーター等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター等がある。
本発明のガラス合紙は、揉み、擦り、破りの各クリーン度試験において、吸引体積0.02立方フィート中において0.3μm以上の塵の数が20〜1000個であることが好ましい。20〜200個であることが更に好ましい
塵の数が1000個を越えた場合は、発生する塵の数が多いために、ガラス面の汚染を防止することができない恐れがある。また、20個未満である場合は、紙中の樹脂固形分量を多くする必要があることから、ガラス汚染の恐れがある。
本発明のガラス合紙を製造するための製造装置、製造条件に特に限定はなく、それぞれの製造装置に合わせた製造条件を選択し、本発明の製品を製造することができる。例えば、円網抄紙機、長網抄紙機で単層もしくは抄き合わせによって抄紙され、必要に応じては、前述の内添やコーターによる外添によって薬品が塗布されているを有するガラス合紙が製造される。
なお、本発明のガラス合紙に、更にクレープ化処理を施しても良い。クレープ化処理を付与する方法としては、抄紙機のウェットパートにおけるプレスロール上もしくはドライヤーパートにおけるシリンダー型ドライヤー上に設置されたドクターにて密着したシートを剥離してクレープ化する方法が挙げられる。前者をウエットクレープ、後者をドライクレープと区別している。これらのロールとポープリールの速度差などによりクレープ化率を変更することが可能であり、クレープ化率が大きいほど合紙の柔軟性や伸び等が増大する。一方では、抄紙段階でクレープ化処理を行わず、抄紙後のシートに2次加工として凹凸に成形された金型に挟み込み、クレープパターンを製造する方法もある。この方法では、ある程度均一化したクレープ形状を成形することが可能である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、配合、濃度等を示す数値は、特に断りの無い限り固型分又は有効成分の質量基準の数値である。
また、実施例及び比較例で得たガラス用合紙は、特に記載のない場合については、抄造した紙はJIS P8111に準じて処理を行なった後、測定やテストに供した。
<実施例1〜
針葉樹クラフトパルプ80%と広葉樹クラフトパルプ20%のパルプスラリーを500mlCSF(カナディアンスタンダードフリーネス)まで叩解し、定着剤として硫酸バンドを全繊維質量に対し0.2%添加、内添紙力増強剤としてポリアクリルアミド系紙力剤(商品名:ポリストロン117、荒川化学工業社製)を全繊維質量に対して0.2%添加して0.35%濃度に調成したパルプスラリーを得た。
このパルプスラリーを長網抄紙機にてシートフォーメーション化し、後述する製造例1の樹脂エマルジョンをディッピング含浸機で含浸し、50g/mのガラス合紙を得た。
ただし、樹脂含浸量が、含浸前の原紙100質量%に対して1質量%のものを実施例1、3質量%のものを実施例2、7質量%のものを実施例3、14質量%のものを参考例1とした。
<実施例
針葉樹クラフトパルプ50%と広葉樹クラフトパルプ50%のパルプスラリーを30mlCSF(カナディアンスタンダードフリーネス)まで叩解し、定着剤として硫酸バンドを全繊維質量に対し0.2%添加、内添紙力増強剤としてポリアクリルアミド系紙力剤(商品名:ポリストロン1250、荒川化学工業社製)を全繊維質量に対して0.2%添加して0.35%濃度に調成したパルプスラリーを得た。
このパルプスラリーを長網抄紙機にてシートフォーメーション化し、樹脂含浸量が、含浸前の原紙100質量%に対して1質量%になるように製造例1の樹脂エマルジョンをディッピング含浸機で含浸し、50g/mのガラス合紙を得た。
<比較例1>
樹脂含浸量を0質量%とした以外は、実施例1と同様にして50g/mのガラス合紙を得た。
<比較例2>
樹脂含浸量を16質量%とした以外は実施例1と同様にして50g/mのガラス合紙を得た。
<比較例3>
後述の製造例2の樹脂エマルジョンを使用した以外は、実施例3と同様にして、50g/mのガラス合紙を得た。
<比較例4>
後述の製造例3の樹脂エマルジョンを使用した以外は、実施例3と同様にして、50g/mのガラス合紙を得た。
以下、実施例及び比較例に用いた樹脂エマルジョンの製法を示す。
<製造例1>
温度計、還流冷却器、滴下ロート、撹拌棒を備えた1Lの五つ口セパラブルフラスコに、イオン交換水167.2g、アニオン性乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩;商品名ハイテノール08E、第一工業製薬株式会社製)を0.1g仕込み、窒素置換を十分に行った後、75℃に昇温した。次に、メチルメタクリレート140.6g、2−エチルヘキシルアクリレート231.7g、ジビニルベンゼン3.2g、80%アクリル酸5.0g、メタクリル酸10.0g、メタクリルアミド19.8g、アニオン性乳化剤(前出)2.0g、イオン交換水316.9gをホモミキサーで乳化した。
乳化物質量の5%を計量し、セパラブルフラスコに投入し、75℃一定になった時点で過硫酸カリウム0.2gを添加し、プレ反応を開始した。15分後、乳化物の滴下を開始し、4時間連続滴下した。同時に過硫酸カリウム1.0gをイオン交換水40.0gに溶解させて4時間連続滴下した。乳化物及び重合開始剤滴下中は80±3℃に保った。乳化物及び重合開始剤滴下終了後、80±3℃で1時間30分熟成させた。冷却後、中和剤、消泡剤、防腐剤を添加し、樹脂エマルジョンを得た。不揮発分43.0%、粘度320mPa・S、pH5.7であった。
得られた樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC、セイコーインスツルメンツ株式会社製)で測定したところ、8℃であった。
この樹脂の架橋性エチレン性不飽和単量体は0.8質量%、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体は3.4質量%である。
<製造例2>
製造例1において、メチルメタクリレート150.0g、2−エチルヘキシルアクリレート222.3g、ジビニルベンゼン1.3gに変更した以外は製造例1と同様の方法で樹脂エマルジョンの製造を行った。得られた樹脂のガラス転移温度は−5℃だった。
この樹脂の架橋性エチレン性不飽和単量体は0.3質量%、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体は3.4質量%である。
<製造例3>
製造例1において、80%アクリル酸4.0g、メタクリル酸7.0gに変更した以外は製造例1と同様の方法で樹脂エマルジョンの製造を行った。得られた樹脂のガラス転移温度は7℃だった。
この樹脂の架橋性エチレン性不飽和単量体は0.8質量%、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体は2.5質量%である。
実施例、および比較例で得たガラス合紙を評価してその結果を表1に示す。
評価・測定方法の詳細は下記の通りである。
<ガラス板表面の汚染度評価方法>
液晶ガラス用のガラス板と樹脂を含浸した合紙を平置きの状態で交互に積層し、加圧用冶具を用いて上方より2kg/cmの加重をかけた状態で温度50℃、湿度90%の環境下に4日間放置して加速試験を行なった。
その後、ガラス表面をブラッシング洗浄と超音波洗浄を実施した後、汚染度を評価した。
なお、評価は目視によるものとし、全く汚染されていないものを○、部分的に汚染されていたものを△、全面が汚染されていたものを×とした。
<紙とガラスの貼り付き性>
汚染度評価の際、紙とガラスの貼り付き具合を評価した。
貼り付きのないものを○、貼り付きのあるもの(剥がす時に抵抗を感じるもの)を×とした。
<発塵量測定方法>
実施例、比較例で得たガラス合紙を、クリーンベンチ内で、(1)揉んだとき、(2)擦ったとき、(3)引裂いたときの3パターンの発塵量を測定した。
試験条件を以下に記す。
それぞれの試験条件で発生する塵を吸引管で集め、光散乱型微粒子計数計(リオン製、KC−14)で、吸引体積0.02立法フィート(ft)中における0.3μm以上の塵の個数を記録した。
(1)揉み試験
A4サイズの試験片を5秒毎に1回、1分間揉む。
(2)擦り試験
直径14cmの円径と10cm角に切り取った試験片を用意する。円形の試験片を円盤に貼付け、回転数600rpmで回転させる。10cm角の試験片を回転する円盤に貼付けた試験片と接触させ1分間擦り付ける。
(3)破り試験
A4サイズの試験片2枚を用意し、長さ21cmの片を20mm間隔で20mm破る。1枚で9ヶ所破り合計18ヶ所の切れ目を2分間で引裂く。
Figure 0004507844

Claims (2)

  1. 天然パルプからなる基紙に樹脂エマルジョンを含浸したガラス合紙において、樹脂エマルジョンがエチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られる樹脂エマルジョンで、該樹脂エマルジョン中の樹脂は架橋性エチレン性不飽和単量体を0.5〜4.0質量%、かつカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を3.0〜7.0質量%含むものであり、樹脂エマルジョン含浸乾燥後の樹脂量が1質量%以上、8質量%未満であることを特徴とするガラス合紙。
  2. 揉み、擦り、破りの各クリーン度試験において、吸引体積0.02立方フィート中において0.3μm以上の塵の数が20〜1000個であることを特徴とする請求項に記載のガラス合紙。
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