JP4506705B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブの休止制御を行なう内燃機関の可変動弁装置に関する。
自動車に搭載されるレシプロ式エンジン(内燃機関)には、省燃費性を図るために、大きな出力を必要としない走行条件下で、一部の気筒を休止させる休筒モードの運転が行なえるようにしたエンジンがある。こうしたエンジンの休筒モード運転の多くは、ポンピングロスの低減のために、可変動弁装置を用いて、各気筒の吸気バルブ、排気バルブのリフト(開閉)を休止させる切換えを行なっている。
休筒モードの切換えを行なう可変動弁装置には、簡単な構成ですむため、多くは吸気側、排気側のロッカアームをカム(吸気カム、排気カム)に追従して変位するカム追従ロッカと、バルブ(吸気バルブ、排気バルブ)の駆動を行なうバルブ駆動ロッカとに分け、これらカム追従ロッカとバルブ駆動ロッカとを、吸・排気毎にロッカシャフトに回動自在に支持させた分割式のロッカアームが用いられている。そして、カム追従ロッカからのカム変位を、切換部を通じて、バルブ駆動ロッカへ伝達あるいは断つことが行なわれている。この伝達の入切りを行なう切換部は、例えばカム追従ロッカに突き当て部および該突き当て部と係止可能な受け部のうちの一方を設け、バルブ駆動ロッカに、同じく他方を設けた構造が用いられる。受け部は、突き当て部と突き当たる位置と突き当たらない位置との間を変位可能としてあり、受け部が突き当て部と突き当たる位置にあるときは、吸気カムのカム変位がカム追従ロッカからバルブ駆動ロッカを経てバルブへ伝達され(伝達モード)、受け部が突き当て部と突き当たらない位置にあるときは、突き当て部の動きを逃がして、カム追従ロッカが空振りするだけで(休止モード)、カム変位がバルブ駆動ロッカへ伝わらないようにしている(特許文献1を参照)。
ところで、バルブ駆動ロッカは、吸気バルブ、排気バルブの休止が行なわれると、カム追従ロッカからの支えがなくなるために不安定となる。そのため、分割式のロッカアームでは、バルブ休止時、バルブ駆動ロッカを支えることが行なわれている。多くは、カムシャフトに、ベース円だけで形成したカムプロフィル(吸気や排気に好適なカムプロフィルもつ吸気カムや排気カムとは異なる)をもつ休止カムを設け、またバルブ駆動ロッカに休止カムと摺接可能なスリッパを突設して、バルブ休止時、バルブ駆動ロッカが、スリッパ先端部と休止カムとの摺接によって支えられるようにした構造が用いられる。
1本のカムシャフトを用いて吸気バルブ、排気バルブを駆動するSOHC(Single Over Head Camshaft)式のエンジンでは、こうした休止カムを吸・排気側で共用するために、吸排気共用のカムシャフトに休止カムを設け、カムシャフトを挟んだ両側の吸気用のロッカシャフト、排気用のロッカシャフトに組み付けられる吸・排気用の各バルブ駆動ロッカにそれぞれスリッパ(一対)を設けることが行なわれる。具体的には、各バルブ駆動ロッカから突き出た一対のスリッパとしては、休止カムのカム面に幅方向に沿ってスリッパ部材を並ばせ、これらスリッパ部材の端部を休止カムのカム面に摺接させる構造が用いられる(特許文献1)。
特開2005−90408号公報
ところで、可変動弁装置は、伝達モード、休止モードの切換えには油圧に頼るなど、多くの規制が有るために、同装置に、吸気バルブ、排気バルブの端部とバルブ駆動ロッカとの間のバルブクリアランス(弁すきま)をゼロにする装置を組み付けるのは難しい。このため、バルブ休止時は、バルブクリアランスを含みながら休止カムとスリッパとで、吸・排気側のバルブ駆動ロッカの動きを規制することが多い。
そのため、バルブ駆動ロッカ(吸気側、排気側の双方)には、バルブ休止時、エンジン本体から振動を受けて、ロッカシャフトを支点にばたつくという挙動が見られやすい。
ところが、ばたつくという挙動は、かなりの勢いで行なわれるので、バルブ駆動ロッカが休止カムのカム面と当接すると、大きな打音(騒音)が生じる問題がある。エンジンは、静粛性が求められるので、こうした部位での騒音の改善が求められる。
そこで、本発明の目的は、バルブ休止時の打音(騒音)の低減が図れる内燃機関の可変動弁装置を提供する。
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る内燃機関の可変動弁装置は、
吸気用のカムプロフィルを有する吸気カム、排気用のカムプロフィルを有する排気カムおよびベース円だけで形成された休止カムを有するとともに、クランク出力によって回転駆動されるカムシャフトと、
前記カムシャフトと並行に配置された吸気用ロッカシャフトと、
前記吸気用ロッカシャフトに対し前記カムシャフトを間に挟んだ反対側に前記カムシャフトと並行に配置された排気用ロッカシャフトと、
前記吸気カムにより駆動される吸気バルブと、
前記排気カムにより駆動される排気バルブと、
前記吸気用ロッカシャフトに回転自在に支持されたボスを有するとともに、前記吸気バルブの駆動を行なう第1バルブ駆動ロッカと、前記吸気カムに追従して変位するように前記吸気用ロッカシャフトに回転自在に支持された第1カム追従ロッカと、で構成される吸気用ロッカアームと、
前記排気用ロッカシャフトに回転自在に支持されたボスを有するとともに、前記排気バルブの駆動を行なう第2バルブ駆動ロッカと、前記排気カムに追従して変位するように前記排気用ロッカシャフトに回転自在に支持された第2カム追従ロッカと、で構成される排気用ロッカアームと、
前記第1および第2カム追従ロッカから前記第1および第2バルブ駆動ロッカへカム変位を伝達する伝達モードと、前記第1および第2カム追従ロッカから前記第1および第2バルブ駆動ロッカへのカム変位の伝達を遮断する休止モードと、に入切り可能とした切換部と、
前記第1バルブ駆動ロッカの前記ボスおよび前記第2バルブ駆動ロッカの前記ボスに夫々形成され、前記切換部が前記休止モードの時に、前記休止カムのカム面に摺接することにより、前記吸気バルブおよび前記排気バルブが閉弁状態を維持するように、前記第1バルブ駆動ロッカおよび前記第2バルブ駆動ロッカを所定の姿勢に保つ一対のスリッパと、を備えている。
前記休止カムは、その外径が前記吸気カムおよび前記排気カムよりも大きく形成されているとともに、前記第1および第2バルブ駆動ロッカの前記スリッパは、夫々前記第1および第2バルブ駆動ロッカの前記ボスから前記カムシャフトの軸心に向けて張り出す脚部を有している。各脚部は、前記休止カムのカム面の方向に進むに従い先細り状に形成されて、その先端部に前記休止カムのカム面に摺接する摺接子が設けられており、前記一対のスリッパの前記脚部および前記摺接子が前記休止カムのカム面の周方向に沿って向き合うように並べて配置されている。
このように構成すると、カム面の幅方向に並ぶ配置に比べ、スリッパの全長は短くてすむから、バルブ駆動ロッカのレバー比が変更され、スリッパと休止カムとの間に生ずる実クリアランスが低減される。これで、スリッパから休止カムに加わる衝撃エネルギーが減少される。
さらに、本発明の一つの形態によると、第1バルブ駆動ロッカのボスに形成されたスリッパおよび第2バルブ駆動ロッカのボス部に形成されたスリッパは、その脚部および摺接子が互いに同一の幅寸法を有している。
請求項1の発明によれば、一対のスリッパが休止カムのカム面の幅方向に並ぶ構造に比べると(第1および第2バルブ駆動ロッカの揺動角は同じ)、並べ方の違いおよび休止カムの大きさにより、スリッパの全長が短くなる。そのため、第1および第2バルブ駆動ロッカのレバー比が変化して、休止カムと第1および第2バルブ駆動ロッカとの間に生じる実クリアランスを小さく設定できるとともに、吸気用および排気用ロッカアームの重量増加を抑制できる。
したがって、バルブ休止時における各スリッパのばたつき低減され、各スリッパが休止カム突き当たるときの衝撃エネルギーを抑えることができる。この結果、第1および第2バルブ駆動ロッカが休止カムを叩くことで生じる打音(騒音)を低減させることができる。
しかも、スリッパの長さ寸法が短くなると、その分、ロッカアームの重量が低減されるので、ばたついての騒音はさらに低減される。さらにはフリクションが軽減できるうえ、設計どおりのバルブリフト再現が特に高回転で容易になり、高いエンジン性能が得られる
請求項2の発明によれば、休止カムの狭幅化が図れるので、1気筒分の動弁系が狭幅化でき、ボアの小さいエンジンへの適用も可能となる。さらにはロッカアームの幅がスリッパ幅分狭く設定でき、ロッカアームの重量が低減されるので、ばたついての騒音はさらに低減される。弁系重量低減ともなるのでフリクションが軽減できるうえ、設計どおりのバルブリフト再現が特に高回転で容易になり、高いエンジン性能が得られる。
[一実施形態]
以下、本発明を図1〜図13に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1はエンジン(内燃機関)、例えばV型6気筒のレシプロ式エンジン(以下、単にV型エンジンという)を後方から見た斜視図、図2は同エンジンの吸・排気バルブの可変動弁装置の斜視図、図3は同動弁装置の平面図(図2中のA矢視方向)、図4は同動弁装置の各種カムを示す平面図、図5〜図8は同動弁装置の各部の断面図(図3中のB〜E矢視の断面)、図9は吸気側のロッカアーム構造を示す斜視図、図10は同構造の分解斜視図、図11は排気側のロッカアーム構造を示す斜視図、図12は同構造の分解斜視図、図13は可変動弁装置がもたらすバルブ特性を示す線図をそれぞれ示している。なお、図1中Frは、V形エンジンの前方を示している。
図1中1は、V型エンジンのエンジン本体を示している。このエンジン本体1は、例えばV字形のシリンダブロック、具体的には下部に共通なクランクケース部2を有し、上部に例えば気筒3を3個ずつ振り分けたV字形のデッキシリンダ部4をもつシリンダブロック5と、デッキシリンダ部4毎にその頭部に搭載されたシリンダヘッド6などといった部品を組み合わせて構成されている。なお、図1には、ヘッドカバー、オイルパンなど細かい部品は記載していない。そして、各デッキシリンダ部4、シリンダヘッド6などから、V字形に突き出る左右のバンク7a,7b(左右は前方方向を基準に定めている)を構成している。なお、各バンク7a,7bの気筒3にはピストン8が往復動可能に収めてあり(図2に図示)、クランクケース部2にはクランクシャフト(図示しない)が組み込んである。但し、バンク7a,7bは、クランクシャフトの軸線上に、各ピストン8から延びるコンロッド(図示しない)が並んで配置されるよう、前後方向で、オフセットさせてある。
気筒3と向き合う各シリンダヘッド6の下面には、図2に示されるように燃焼室11がそれぞれ形成されている。これら各燃焼室11には、同図に示されるようにバンク7a,7b間を挟んだ内側に位置して、2個(複数)の吸気ポート12a,12b、同吸気ポート12a,12bを開閉する2個の吸気バルブ13a,13bが設けられている。また同じく外側に位置して、2個(複数)の排気ポート14a,14b、同排気ポート14a,14bを開閉する2個の排気バルブ15a,15bが設けられていて、バンク内側から燃焼空気が吸入され、バンク外側から燃焼を終えたガスが排出される構造にしている。なお、吸気バルブ13a,13bおよび排気バルブ15a,15bには、いずれもバルブスプリング(図示しない)で閉方向に付勢される常閉構造が用いてある。
左右バンク7a,7bのシリンダヘッド6には、それぞれSOHC(Single Over Head Camshaft)式の動弁系17が設けられている。このうち左バンクの動弁系17aには、通常(低速)モードと高速モードと休筒モード(気筒を休止させるモード)とに切換可能(3モード切換え)な吸気用のロッカアームモジュール18と、通常(低速)モードと休筒モード(気筒を休止させるモード)に切換可能(2モード切換え)な排気用のロッカアームモジュール19とを組み合わせた可変動弁装置16aが用いられる。右側の動弁系17bには、通常(低速)モードと高速モードとに切換可能(2モード切換え)な吸気用のロッカアームモジュール20と、通常(低速)モードだけの排気用の動弁装置21とを組み合わせた可変動弁装置16bが用いられる。
図2には、このうちの左バンク7aに搭載される動弁系17aの1気筒分の可変動弁装置16a(吸気用と排気用の両方)が示されている(エンジン後方から見た図)。図9には、このうちのロッカアームモジュール18を内側から見たときの図、図10には同モジュール18を分解した図が示され、図11にはロッカアームモジュール19を内側から見たときの図、図12には同モジュール19を分解した図が示されている。
同1気筒分の構造について説明すると、図2および図3中25は、燃焼室11の頭***にシリンダヘッド6の長手方向に沿って配設された回転可能なカムシャフト、26は同カムシャフト25を挟むバンク内側に該カムシャフト25とほぼ平行に配設(固定)された吸気用のロッカシャフト、27はその反対側(バンク外側)にカムシャフト25とほぼ平行に配設(固定)された排気用のロッカシャフトを示している。なお、ロッカシャフト26、27はいずれもカムシャフト25の上側に配置してある。
このうちロッカシャフト27内には、休筒切換用の油路27aが軸方向に沿って形成されている。ロッカシャフト26内には、該油路27a端と連通接続される休筒切換用の油路26aと、高速切換用の油路26bとが軸方向に沿って形成されている。
カムシャフト25は、クランク出力によって回転駆動される部品である。このカムシャフト25の燃焼室11の頭上に配置されるシャフト部分には、例えば図2および図4に示されるようにエンジン後方側から順に高速用の吸気カム30、リフトレスカム(本願の休止カムに相当)31、排気カム32、低速用の吸気カム33が形成されている。低速用の吸気カム33は、エンジンの低速運転に適した開閉タイミング、バルブリフト量に設定したカムプロフィルをもち、高速用の吸気カム30は、エンジンの高速運転に適した開閉タイミング、バルブリフト量(低速用カム33より大)を設定したカムプロフィルをもつ。リフトレスカム31は、吸気カム30,33や排気カム32のベース円より大きい同一半径のベース円だけで形成された円形のカムプロフィルをもつ。むろん、排気カム32は、燃焼ガスの排出に適した開閉タイミング、バルブリフト量のカムプロフィルをもつ。
吸気用のロッカアームモジュール18には、図2、図9および図10に示されるような分割式のロッカアーム18aが用いられている。これには、吸気バルブ13a,13bの駆動を行なうバルブ駆動ロッカ35(本願の第1バルブ駆動ロッカに相当)と、吸気カム30,33と追従する低・高速別のカム追従ロッカ60,70(いずれも本願の第1カム追従ロッカに相当)とに分けた構造が用いてある。
詳しくは、図2および図10に示されるようにバルブ駆動ロッカ35は、筒形のロッカシャフト支持用のボス36と、同ボス36の両端部からそれぞれ吸気バルブ13a,13b(ボス直径方向)へ向って延びた一対(2本:複数)のロッカアーム部37と、同ロッカアーム部37の先端部に組み付けられたアジャストスクリュ部38(当接部)と、同アーム部37の各根元部(基端部)に設けられたモード切換用の切換作動部40a,40bとを有して構成してある。
一対のロッカアーム部37は、ボス36の軸心方向に並行に配置されている。このボス36は、図2に示されるように吸気カム30(高速用)が有る地点から吸気カム33(低速用)が有る地点までに相当するロッカシャフト26部分に渡り回動自在に嵌挿され、各ロッカアーム部37の先端部のアジャストスクリュ部38をそれぞれ吸気バルブ13a,13bの上部端(バルブステム端)に位置決めている。つまり、バルブ駆動ロッカ35は、ロッカシャフト26を支点に揺動すると、アジャストスクリュ部38の端部がバルブステム端と当接して吸気バルブ13a,13bを駆動する。
ボス36の両端部に配置された切換作動部40a,40bには、いずれもピストン式が用いられている。このうち吸気カム33(低速用)側に配置される切換作動部40aを説明すると、図5、図9および図10中43は、例えば吸気カム33側のアーム部37の根元部(基端部)に形成された円筒形のシリンダである。このシリンダ43は、ロッカシャフト26の直径方向に沿って延びる縦形をなしている。このシリンダ43の前面(カムシャフト25側の面)の下部には窓部44が形成してある。
またシリンダ43の底面からその直下のボス36の内面36a(軸受け面)までには、シリンダ43より小径な通孔45(図5のみ図示)が形成されている。シリンダ43内には、ピストン46(本願の受け部相当)が、該ピストン46をシリンダ43の底面へ付勢する圧縮スプリング47と一緒に収容されている(図5のみ図示)。これにより、常時は、シリンダ43の窓部44は、ピストン46の下部外周面で塞がれ、ピストン46が上昇すると、ピストン46が窓部44から退いて、同窓部44が開放されるようにしてある。
通孔45内には、図5に示されるようにピン48が摺動可能に収められている。通孔45の下端開口は、図5に示されるように油路26aから分岐した分岐路49、詳しくは油路26aから半径方向へ分岐してロッカシャフト26の外周面に開口した分岐路49と連通していて、油路26aからピン48に油圧が加わると、ピン48の上昇動から、図5の二点鎖線で示されるように窓部44を塞いでいたピストン46を窓部44から退かせる方向に駆動、つまり窓部44が開放されるようにしてある。
吸気カム30(高速用)側に配置される切換作動部40bには、切換作動部40aと同様、図6、図9および図10に示されるようにアーム部37の根元部に円筒形のシリンダ51を形成した構造が用いてある。このシリンダ51は、ストローク量を稼ぐためにボス36の内面36aまで延びている。そのため、シリンダ51の直下のロッカシャフト26部分には、シリンダ51と直列に連通する通孔52が形成してある。なお、通孔52は、シリンダ51より小径である。また切換作動部40aとは異なり、図6に示されるようにシリンダ51の前面上部には、窓部50が形成され、シリンダ51内には、ピストン53(本願の受け部に相当)が、該ピストン53をシリンダ51の底面へ付勢する圧縮スプリング54と一緒に収容されている。またピストン53には、窓部50から下側のシリンダ部分に収まるだけの薄形が用いられていて、切換作動部40aとは逆に、常時は、シリンダ51の窓部50の開口は開放し、ピストン53が上昇すると、ピストン53の外周面で塞がれるようにしてある。通孔52内には、ピン55が摺動自在に収められている。通孔52の下端部は、図6に示されるように油路26bの一部と交差して連通していて、油路26bからピン55に油圧が加わると、ピン55の上昇動から、図6の二点鎖線で示されるようにピストン53が窓部50を塞ぐ方向に駆動、つまり窓部50が閉じられるようにしてある。
ボス36の各両端部の開口縁には、図10および図11に示されるようにそれぞれボス端から所定に切り欠いた一対の切欠き部57が形成されている。切欠き部57は、いずれもボス端をなす周壁のうち、例えばシリンダ43,51の直下部から、ボス36の前方(アーム部37とは反対側)を経て、アーム部37の根元部までに至る円周部分を連続して切り欠いてなる。
高速側のカム追従ロッカ70は、図2、図3、図6、図9および図10に示されるようにボス36(バルブ駆動ロッカ)の吸気カム30(高速用)側の端部に隣接して配置される部品である。同カム追従ロッカ70は、ボス36端に隣接したロッカシャフト26部分に回動自在に嵌挿される筒形のロッカシャフト支持用のボス71と、同ボス71の両側から一端側となる吸気カム30(高速用)の直上へ直線状に突き出た一対のローラ支持片72(ローラヨーク)と、同ローラ支持片72の先端部間に支持された回転自在なローラ73(転接子)と、ボス71の周壁に形成された突き当て部79(本願の突き当て部に相当)とを有している。これにより、カム追従ロッカ70は、一端側にローラ73を有し、他端側に突き当て部79を有した構造になる。このうちのローラ73が、吸気カム30のカム面と転接している。これで、カム追従ロッカ70は、カムシャフト25が回転すると、ボス71を支点として、吸気カム30のカム変位に追従しながら揺動する。
またボス部36(バルブ駆動ロッカ)と隣接するボス71の端部には、図6および図10に示されるようにボス端から所定に切り欠いた切欠き部76が形成されている。切欠き部76は、ボス部36(バルブ駆動ロッカ)のときとは反対側の周壁部分を切り欠いてなる。例えばボス71の上側から、ボス71の前方部分(ローラ73とは反対側)までの円周部分を連続して切り欠いた構造が用いられる。このボス71端の切欠き部76およびボス36端の切欠き部57と、ボス36の開口端で残っている縁部36bおよびボス71の開口端で残っている縁部71bとが互いに補うように嵌まり合っている。
なお、切欠き部71,57は、後述するカム追従ロッカ70の所要の動きを許容する領域までに定めてある。この凹凸の嵌まり合いによって、ボス36端の縁部36bとボス71端の縁部71bとが、ロッカシャフト26の外周面で、ロッカシャフト26の軸方向に対してラップする。
突き当て部79は、ボス71の縁部71bに配置され、また窓部50、シリンダ51、ピストン53および圧縮スプリング54は、縁部36bに配置されている。突き当て部79とピストン53とは、縁部36bと縁部71bとがラップされたとき、向き合う関係となるように位置決められていて、このラップがもたらす縁部71b,36bのロッカシャフト26の周方向の横並びを利用して、図9および図10に示されるようにボス71の突き当て部79とボス36に有る窓部50とを正対させている。
ローラ支持片72のうちボス36寄り(内側)に配置された支持片は、この突き当て部79とほぼ正対する地点に配置させてあり、片側のローラ支持片72、突き当て部79の双方を、窓部50に対して一直線上に並ばせている。また図9および図10に示されるようにボス71の外周面には、この突き当て部79から内側(ボス36寄り)のローラ支持片72に渡りウイング部74が設けられている。このウイング部74は、該突き当て部79からローラ支持片72までを直線状に連続してつなぐリブ78で形成されている。
突き当て部79は、このリブ78の先端部の水平壁を窓部50の内外に出入り可能な形状に形成してなり、これで通常時は、突き当て部79が、窓部50を通してシリンダ51内外へ出入りし、ピストン53で窓部50が塞がれたときは、突き当て部79が、窓部50から露出するピストン53と突き当たるようにしている。つまり、突き当て部79が、空振りか、ピストン53と突き当たるかで、カム追従ロッカ70からの高速用吸気カム30の変位がバルブ駆動ロッカ35に伝達されるか(伝達モード)、伝達されないか(休止モード)の切り換えが行なえる切換機構79a(本願の切換部に相当)を構成している。
なお、外側のローラ支持片72の先端側には、ローラ73を吸気カム30に押し付けるプッシャ70a(図6に二点鎖線で一部図示)を据え付けるための受け座75が形成してある。
低速側のカム追従ロッカ60は、図2、図3、図9および図10に示されるようにボス36の吸気カム33(低速用)側の端部に隣接して配置される部品である。同カム追従ロッカ60は、先に説明した高速側のカム追従ロッカ70とは、勝手反対となるだけで、構造的には同じである。このため、カム追従ロッカ60の各部の説明は、先のカム追従ロッカ70の各部の符号71〜79の代わりに、同一部位に、2桁目の番号を変えた符号61〜69を付して省略する
むろん、突き当て部69は、窓部44の内外を出入り可能な形状に形成されている。これにより、カム追従ロッカ60についても、図5に示されるように通常時は、突き当て部69が、窓部44を塞いでいるピストン46と突き当たり、ピストン46で窓部44が開放されたときは、突き当て部69が、窓部44を通してシリンダ43内外を出入りする。つまり、突き当て部69が、ピストン46と突き当たるか、空振りするかによって、カム追従ロッカ60からの低速用吸気カム33の変位がバルブ駆動ロッカ35に入力されるか、入力が停止されるかの切換えが行なえる切換機構69a(本願の切換部に相当)を構成している。
他方、排気用のロッカアームモジュール19には、図2、図7、図11および図12に示されるような排気カム32に追従するカム追従ロッカ80(本願の第2カム追従ロッカに相当)と、排気バルブ15a,15bの駆動を行なうバルブ駆動ロッカ90(本願の第2バルブ駆動ロッカに相当)とに分けた分割式のロッカアーム18bが用いられている。
このうちカム追従ロッカ80には、排気カム32と対応したロッカシャフト27部分に回動自在に嵌挿される筒形のロッカシャフト支持用のボス81と、同ボス81の両端部から排気カム32の直上へ直線状に突き出たU形のローラ支持片82と、同ローラ支持片82の先端部間に支持された回転自在なローラ83と、ボス81に形成されたウイング部84とを有した構造が用いられている。ローラ83は、排気カム32のカム面と転接している。これで、カム追従ロッカ80は、カムシャフト25が回転すると、ボス81を支点に回動、すなわち排気カム25の変位に追従しながら揺動するようにしてある。なお、カム追従ロッカ80は、ローラ支持片82に形成した受け座85から入力されるプッシャ80a(図7に二点鎖線で一部だけ図示)の付勢力によって、排気カム32へ押し付けられる。
ウイング部84は、ボス81の外面の幅方向中央に突設したリブ86から形成される。同リブ86は、ローラ支持片82の後端部から、ボス81の周方向に沿いボス81の上部まで延びている。リブ86の先端部には、前方へ張り出す形状の突き当て部89が形成されている。
バルブ駆動ロッカ90には、図2、図11および図12に示されるようにボス81(カム追従ロッカ80)の両側に配置される門形のロッカアーム部91と、モード切換用の切換作動部98とを組み合わせた構造が用いられている。
すなわちロッカアーム部91は、いずれも一端部にボス81(カム追従ロッカ80)を挟んだ両側のロッカシャフト27部分に回動自在に嵌挿された一対の筒形のロッカシャフト支持用のボス92を有し、他端部に同ボス92からそれぞれ排気バルブ15a,15bに向って直線状に延びるアーム部93を有している。各アーム部93の先端部をなす、アジャストスクリュ部94が、それぞれ排気バルブ15a,15bの上部端(バルブステム端)に配置させてある。そして、アーム部93,93の先端部間が、例えばプレート状の連結アーム95により連結され、門形としている。これで、バルブ駆動ロッカ90は、ロッカシャフト27を支点として揺動すると、複数の排気バルブ15a,15bが駆動される。
切換作動部98は、図11および図12に示されるように連結アーム95に設けてある。この切換作動部98には図7に示されるようなピストン式が用いられている。
同切換作動部98を説明すると、図7中99は縦形のシリンダである。同シリンダ99は、連結アーム95の中央から、上側へ突き出るように形成されている。このシリンダ99は、ロッカシャフト27から離れる方向に後傾している。このシリンダ99のうち、前面(カムシャフト25側の面)の下部には、窓部100が形成されている。またシリンダ99の底面からその直下のアーム部分の内部までには、シリンダ99より小径な通孔101が形成されている。
シリンダ99内には、ピストン102(本願の受け部に相当)が、該ピストン102をシリンダ99の底面へ付勢する圧縮スプリング103と一緒に収容されている。つまり、常時は、シリンダ99の窓部100は、ピストン102の外周面で塞がれ、ピストン102が上昇すると、ピストン102が窓部100から退いて、同窓部100が開放されるようにしてある。通孔101内には、ピン104が摺動可能に収められている。通孔101の下端開口は、図3および図7に示されるように連結アーム95の内部に形成した中継路105に連通している。この中継路105は、アーム部93の内部に形成された中継路106を通じて、ボス92の内面に開口している。
さらに中継路106は、油路27aから分岐した分岐路107(図7のみ図示)、詳しくは油路27aから半径方向へ分岐してロッカシャフト27の外周面に開口した分岐路107と連通していて、油路27aからピン104に油圧が加わると、ピン104の上昇動から、図7の二点鎖線で示されるように窓部100を塞いでいたピストン102を窓部100から退かせる方向に駆動、つまり窓部100が開放されるようにしてある。
この窓部100の直前に、カム追従ロッカ80の突き当て部89が位置決められる。突き当て部89は、図7に示されるように窓部100の内外に出入り可能な形状に形成されている。これで、通常時は、突き当て部89が、窓部100を塞いでいるピストン102と突き当たり、窓部100が開放されたときは、突き当て部89が、窓部100を通してシリンダ99内外を出入りするようにしてある。つまり、突き当て部89が、ピストン102と突き当たるか、空振りするかによって、カム追従ロッカ80からの排気カム32の変位がバルブ駆動ロッカ90に伝達されるか(伝達モード)、伝達されないか(休止モード)の切り換えが行なえる切換機構97(本願の切換部に相当)を構成している。
一方、図3、図8〜図12に示されるように並行に配置されるボス36(バルブ駆動ロッカ35)、ボス92(バルブ駆動ロッカ90)のリフトレスカム31と対応する部位には、それぞれスリッパ41,96が設けられている。同スリッパ41,96について説明すると、スリッパ41,96は、ボス36,92の互いに向き合う外周面部分(前面部)から、ボス36,92間へ突き出た脚部41a,96aをもつ。これら脚部41a,96aの先端部は、リフトレスカム31(ボス36,92間に有る)のカム面31a(外周面)、詳しくは図8に示されるようにカムシャフト25の両側から該カムシャフト25の軸心Oを挟んだ周方向両側のカム面部分へ向かい斜め下方へ張り出している。
これら脚部41a,96aの各端部には、リフトレスカム31の軸心Oを境とした周方向両側のカム面31aと摺接する摺接部として、それぞれ耐磨耗性の部材で形成された摺接子41b,96bが設けられている。これら摺接子41b,96bが、カム面31aの周方向で互いに向き合う(対向)ように位置決められ、摺接子41b,96bならびに脚部41a,96aを、リフトレスカム31のカム面上周方向に沿って並ぶように配置させている(周方向に並行配置)。
これで、先端がリフトレスカム31のカム面31aに摺接可能な吸・排気一対スリッパ41,96を構成している。特に図4、図10および図12に示されるように対となるスリッパ41,96は、各先端部の幅寸法X(リフトレスカム31の幅方向と同方向の寸法)を、同一寸法に設定、ここでは、脚部41a,96aおよび摺接子41b,96bの幅寸法を同一寸法に設定したうえで、リフトレスカム31の周方向に正対させた構造が用いられている。このスリッパ41,96の並びにより、必要なリフトレスカム31のカム幅が狭くてすむ構造にしている。
また対のスリッパ41,96の突き出し長さは、それぞれ吸気バルブ13a,13b、排気バルブ15a,15bが閉弁のとき、摺接子41b,96bが軸心Oの両側のリフトレスカム31のカム面31aと当接可能な寸法に設定されていて、各スリッパ41,96にて、バルブ駆動ロッカ35やバルブ駆動ロッカ90が伝達の仕事をしないとき、バルブ駆動ロッカ35やバルブ駆動ロッカ90の全体が、吸気バルブ13a,13bや排気バルブ15a,15bのバルブスプリング(図示しない)の反力を利用して、そのまま閉弁状態(吸気バルブ13a,13b、排気バルブ15a,15b)の姿勢が保たれるようにしてある。
他方、排気側のロッカシャフト26の油路27aは、図2に示されるように休筒切換用のオイルコントロールバルブ120(以下、OCV120という)を介して、油圧供給部(オイルポンプなどで形成される:図示しない)に接続されている。また吸気側のロッカシャフト26の油路26bは、高速切換用のオイルコントロールバルブ121(以下、OCV121という)を介して、油圧供給部(オイルポンプなどで形成される:図示しない)に接続されている。この二系統の油圧供給系のOCV120,121は、いずれも制御部122(例えばマイクロコンピュータで構成されるもの)に接続されている。制御部122には、例えば予め自動車の運転状態に応じて設定されたマップにしたがって、低速モードのときは、OCV120,121の両方を「閉」、高速モードのときは、OCV121だけ「開」、休筒モードのときはOCV120だけ「開」にする機能が設定されている。
こうした構造が、左バンク7aの各気筒3に採用されている。つまり、左バンク7aの吸気系においては、高速用吸気カム30による弁駆動、低速用カム33による弁駆動、非弁駆動の3段切換えが行なえ、排気系においては排気カム32による弁駆動、非弁駆動の2段切換えが行なえるようにしている。
右バンク7bの動弁系17bの各ロッカアームモジュール20には、左バンク7aの吸気用のロッカアームモジュール18から、非弁駆動となる機構や部分を除いた構造が用いられている。同構造には、図示はされていないが、低速側の切換構造(主に切換作動部40a、カム追従ロッカ60)を省き、バルブ駆動ロッカ35が、常時、直接的に低速用吸気カム33で駆動される構造が用いてある。これで、高速側の切換構造だけを残して、低速モードと高速モードとの2段切換えが行なえる構造にしてある。また排気側には、左バンク7aの排気用のロッカアームモジュール19から、非弁駆動となる機構や部分を除いた構造、すなわちバルブ駆動ロッカ90だけが、常時、直接的に排気カム32で駆動される構造が用いてある。さらに右バンク7bでは、休筒モードの切換えをなす油路26a,27aを省いて、油路26bだけを残す構造が用いてある。つまり、右バンク7bは、吸気系において高速用吸気カム30による弁駆動、低速用カム33による弁駆動の2段切換えが行なえ、排気系において排気カム32による弁駆動だけが行なえる構造にしてある。
こうした左・右バンク7a,7bの動弁系17a,17bにより、一部の気筒(左バンク7aの3気筒)を休止させた運転が行なえるようにしている。
すなわち、図5〜図8を参照して動弁系17の作用を説明すると、今、自動車の走行状態により、制御部122に低速モードを実行する指令がなされたとする。
すると、制御部122により、OCV120,121はいずれも閉作動される。つまり、油路26a,26b、27aは、いずれも油圧供給系からの油圧が作用しない状態となる。これにより、図5の実線に示されるように左バンク7aの切換作動部40a(吸気)の窓部44は、ピストン46で遮られる状態となる(圧縮スプリング47の弾性力による)。また図6の実線に示されるように切換作動部40b(吸気)の窓部50は、開放された状態となる(圧縮スプリング54の弾性力による)。さらに図7に示されるように左バンク7aの切換作動部98(排気)の窓部100は、ピストン102(圧縮スプリング103の弾性力による)で遮られた状態となる。
すると、左バンク7aの吸気側では、カム追従ロッカ70(高速)は、空振りを伴いながら揺動駆動される。と同時にカム追従ロッカ60(低速)は、ピストン46と突き当たりながら揺動駆動される。また左バンク7aの排気側においては、カム追従ロッカ80が、ピストン102と突き当たりながら揺動駆動される。
これにより、吸気側では、カム追従ロッカ60から伝わる吸気カム33(低速用)の変位が、バルブ駆動ロッカ35から、一対のロッカアーム部37を経て、一対の吸気バルブ13a,13bのステム端へ伝わり、該吸気バルブ13a,13bを駆動する。また排気側では、カム追従ロッカ80から伝わる排気カム32の変位が、バルブ駆動ロッカ90の連結アーム95から、一対のアーム部93を経て、一対の排気バルブ15a,15bのステム端へ伝わり、該排気バルブ15a,15bを駆動する。
右バンク7bの可変動弁装置20においては、左バンク7aと同様、カム追従ロッカ(高速)は空振りを伴うので、バルブ駆動ロッカに伝わる低速用の吸気カムの変位だけが、一対の吸気バルブへ伝わり、該吸気バルブを駆動する。また排気側の動弁装置21においては、バルブ駆動ロッカ(図示しない)を介して、直接的に、排気カム(図示しない)の変位が、一対のアーム部(図示しない)を経て、一対の排気バルブ(図示しない)へ伝わり、該排気バルブを駆動する。
これにより、V形エンジンは、図13の線図中の低速カムおよび排気カムの組み合わせがもたらす低速モードで運転される。つまり、通常の走行で要求されるエンジン性能が出力される。
また自動車の走行状態により、制御部122において高速モードを実行する指令がなされると、制御部122により、高速切換用のOCV121だけが開作動する制御が行なわれる。これにより、油路26bだけに油圧が作用する。
すると、左バンク7aの切換作動部40b(吸気側)のピン55に油圧が加わる。これにより、図6中の二点鎖線に示されるように窓部50は、ピン55で上方へ駆動されるピストン53によって遮られる。なお、左バンク7aの排気側は、切換作動部98の窓部100がピストン102で遮られた状態が続く。
これにより、吸気側のカム追従ロッカ70は、図6中の二点鎖線に示されるようにピストン53と突き当たりながら揺動駆動される。
ここで、切換作動部40aの窓部44は、ピストン46で遮られた状態であるが、高速用の吸気カム30の外形形状は、低速用の吸気カム33よりも大きく設定してあるから、カム追従ロッカ70から伝わる吸気カム30(高速用)のカム変位だけが、バルブ駆動ロッカ35から一対のロッカアーム部37を経て、一対の吸気バルブ13a,13bへ伝わる。つまり、吸気バルブ13a,13bは、高速の吸気カム30で駆動される。なお、排気バルブ15a,15bは、先の排気カム32の変位が、カム追従ロッカ80からバルブ駆動ロッカ90の連結アーム95へ伝わる経路により、駆動され続ける
また右バンク7bの可変動弁装置20では、左バンク7aと同様、カム追従ロッカ(図示しない)から伝わる吸気カム(高速用)の変位が、バルブ駆動ロッカ(図示しない)から一対のロッカアーム部(図示しない)を経て、一対の吸気バルブ(図示しない)へ伝わることによって、該吸気バルブの駆動が行なわれる。なお、右バンク7bの動弁装置21は、バルブ駆動ロッカ(図示しない)によって、直接的に、一対の排気バルブ(図示しない)を駆動し続ける。
これにより、V形エンジンは、図13の線図中の高速カムおよび排気カムの組み合わせがもたらす高速モードで運転される。つまり、高いエンジン性能が出力される運転に切り換わる。
また自動車の走行状態により、制御部122において休筒モードを実行する指令がなされると、制御部122により、休筒用のOCV120だけが開作動する制御が行なわれる。これにより、油路26a、27aに油圧が作用する。
すると、左バンク7aの吸気側は、ピン48に油圧が加わり、該ピン48が上方へ駆動される。これにより、切換作動部40aのピストン46は、上方へ駆動され、図5中の二点鎖線に示されるように窓部44を開放させる。また切換作動部40bには、油圧が作用していないので、窓部50は、図6に示されるように開放された状態が続く。排気側でも、切換作動部98のピストン104は、ピン104の押し上げによって上方へ駆動される。これにより、切換作動部98の窓部100は開放される。
左バンク7aの各カム追従ロッカ60(吸気:低速)、カム追従ロッカ70(吸気:高速)、カム追従ロッカ80(排気)は、いずれも、空振りを伴いながら揺動駆動され、バルブ駆動ロッカ35,90(吸気、排気)には、バルブを駆動する駆動力が伝達されなくなる。これに伴い、図8に示されるように各バルブ駆動ロッカ35,90のスリッパ41,96の摺接子41b、96bは、リフトレスカム31の円形なカム面(外周面)と摺接し続け、吸気バルブ13a,13bと排気バルブ15a,15bの両者を閉弁状態に保つ。なお、カム追従ロッカ60,70,80は、プッシャ60a,70a,80aによって、カム面に押し付けられ続ける。
こうしたカム追従ロッカ60,70,80とバルブ駆動ロッカ35,90との間の切り離しにより、左バンク7aにおける吸気バルブ13a,13b、排気バルブ15a,15bのリフト(開閉)は休止(停止)する。
このとき、右バンク7bの吸気用の各可変動弁装置20、排気用の動弁装置21は、先の低速モードのときと同様、低速用の吸気カムの変位が吸気バルブへ伝わり続け、排気カムの変位が排気バルブへ伝わり続けているから、一部の気筒(左バンク7aの気筒)を休止させた休筒モードに切り換わる。
こうしたバルブ休止時、図8に示されるようにバルブステム端(バルブ端部)とバルブ駆動ロッカ35、90との間には、図8に示されるようにバルブステムの熱膨張を逃がすバルブクリアランスCL1、CL2(弁すきま:図8に図示)が存在しているため、バルブ駆動ロッカ35,90は、エンジン本体1からの振動を受けて、ロッカシャフト26,27を支点に動きまわる(ばたつく)という挙動が生じやすい。
このとき、リフトレスカム31の両側から張り出た一対のスリッパ41,96は、図3および図4に示されるようにリフトレスカム31のカム面31aの周方向に沿って並行に配置されているから、ばたつくバルブ駆動ロッカ35,90の勢いは抑えられる。
すなわち、吸・排気一対のスリッパ41,96をリフトカム31のカム面31aの周方向に沿って並べる構造は、同じ揺動角、同じレイアウトで配置したバルブ駆動ロッカ35,90から突き出た一対のスリッパをリフトレスカム31のカム面31aの幅方向(カム軸心方向)に並べたときの構造に比べ、スリッパ41,96の並び方の違いから、リフトレスカム31の外径は、吸気カム30,33や排気カム32よりも大きくなり、スリッパ41,96の長さ寸法が短くなる。
このとき、図8に示されるようにバルブ駆動ロッカ35の先端からロッカシャフト26の軸心までの距離を「C」とし、ロッカシャフト26の軸心からアジャストスクリュ部38までの距離を「D」とし、バルブ駆動ロッカ90の先端からロッカシャフト27の軸心までの距離を「B」とし、ロッカシャフト27の軸心からアジャストスクリュ部94までの距離を「A」とすると、距離B,Cが短くなるので、その分、バルブ駆動ロッカ35,90のレバー比(A:B、D:C)は大きくなる方向に変わる。この結果、レバー比は、スリッパ41,96の端部とリフトレスカム31との間に生じる実クリアランスCL3,CL4が小さくなる方向に設定される。
ここで、スリッパ41,96からリフトレスカム31に加わる衝撃エネルギーは、距離の二乗で比例する関係にあるから、スリッパ41、96からリフトレスカム31に加わる衝撃エネルギーは減少され、結果、スリッパ41,96のばたつきは抑えられる。
したがって、バルブ休止時、バルブ駆動ロッカ35,90がリフトレスカム31を叩くこと(突き当たる)で生じる打音(騒音)を低減させることができ、エンジン騒音の低減を図ることができる。しかも、スリッパ41,96の長さ寸法が短くなる分、バルブ駆動ロッカ35,90はいずれも重量が低減されるので、バルブ駆動ロッカ35,90が動きやすくなり、動弁特性の向上が図れる。
特にスリッパ41,96の先端部を同一の幅寸法Xにして、互いにカム面31aの周方向に沿って並べる構造を用いたことにより、スリッパ41,96を受けるのに必要なリフトレスカム31のカム幅は小さくてすむ。この狭幅化により、制約が多いSOHC式の動弁系17でも、容易にリフトレスカム31を他のカムと一緒に配置することができる。
なお、本発明は上述した一実施形態に特定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施可能である
例えば一実施形態では、リフトレスカムの周方向に沿って並行に配置される各スリッパに、先端部から根元部まで全体を同一幅寸法に設定した構造を用いたが、これに限らず、リフトレスカムのカム面と接触する先端部だけ幅寸法を同一にしたスリッパを用いても、同様の効果を奏する。
また一実施形態では、カム追従ロッカに突き当て部を設け、バルブ駆動ロッカにピストンを設けたが、これとは反対に、カム追従ロッカにピストンを設け、バルブ駆動ロッカに突き当て部を設ける構造でも構わない。
また上述した一実施形態では、本発明をV形エンジンに適用した例を挙げたが、これに限らず、他の直列形といったシリンダの並び方が異なるエンジンに適用してもよい
本発明の一実施形態に係る可変動弁装置を搭載したエンジンを示す斜視図。 同エンジンの左バンクに搭載されている1気筒分の吸・排気両方の可変動弁装置の全体を示す斜視図。 図2中のA矢視から見た平面図。 カムシャフトの各種カムのレイアウトを示す平面図。 図3中のB矢視から見た吸気側(低速)の可変動弁装置の断面図。 図3中のC矢視から見た吸気側(高速)の可変動弁装置の断面図。 図3中のD矢視から見た排気側の可変動弁装置の断面図。 図3中のE矢視から見たリフトレスカム回りの断面図。 吸気側のアームロッカ構造を示す斜視図。 同構造をカム追従ロッカとバルブ駆動ロッカとに分解した斜視図。 排気側のアームロッカ構造を示す斜視図。 同構造をカム追従ロッカとバルブ駆動ロッカとに分解した斜視図。 可変動弁装置がもたらす各種バルブリフトの可変を説明するための線図。
符号の説明
13a,13b…吸気バルブ、15a,15b…排気バルブ、18a…吸気用ロッカアーム,18b…排気用ロッカアーム、25…カムシャフト、26…吸気用ロッカシャフト、27…排気用ロッカシャフト、30,33…吸気カム、31…休止カム(リフトレスカム)、31a…カム面、32…排気カム、35…第1バルブ駆動ロッカ、36,92…ボス、41,96…スリッパ、41a,96a…脚部、41b,96b…摺接子、60,70…第1カム追従ロッカ、69a,79a,97…切換部(切換機構)、80…第2カム追従ロッカ、90…第2バルブ駆動ロッカ。

Claims (2)

  1. 吸気用のカムプロフィルを有する吸気カム、排気用のカムプロフィルを有する排気カムおよびベース円だけで形成された休止カムを有するとともに、クランク出力によって回転駆動されるカムシャフトと、
    前記カムシャフトと並行に配置された吸気用ロッカシャフトと、
    前記吸気用ロッカシャフトに対し前記カムシャフトを間に挟んだ反対側に前記カムシャフトと並行に配置された排気用ロッカシャフトと、
    前記吸気カムより駆動される吸気バルブと、
    前記排気カムより駆動される排気バルブと、
    前記吸気用ロッカシャフトに回転自在に支持されたボスを有するとともに、前記吸気バルブの駆動を行なう第1バルブ駆動ロッカと、前記吸気カムに追従して変位するように前記吸気用ロッカシャフトに回転自在に支持された第1カム追従ロッカと、で構成される吸気用ロッカアームと、
    前記排気用ロッカシャフトに回転自在に支持されたボスを有するとともに、前記排気バルブの駆動を行なう第2バルブ駆動ロッカと、前記排気カムに追従して変位するように前記排気用ロッカシャフトに回転自在に支持された第2カム追従ロッカと、で構成される排気用ロッカアームと、
    前記第1および第2カム追従ロッカから前記第1および第2バルブ駆動ロッカへカム変位を伝達する伝達モードと、前記第1および第2カム追従ロッカから前記第1および第2バルブ駆動ロッカへのカム変位の伝達を遮断する休止モードとに入切り可能とした切換部と、
    前記第1バルブ駆動ロッカの前記ボスおよび前記第2バルブ駆動ロッカの前記ボスに夫々形成され、前記切換部が前記休止モードの時に、前記休止カムのカム面に摺接することにより、前記吸気バルブおよび前記排気バルブが閉弁状態を維持するように、前記第1バルブ駆動ロッカおよび前記第2バルブ駆動ロッカを所定の姿勢に保つ一対のスリッパと、を具備し、
    前記休止カムは、その外径が前記吸気カムおよび前記排気カムよりも大きく形成され、
    前記第1および第2バルブ駆動ロッカの前記スリッパは、夫々前記第1および第2バルブ駆動ロッカの前記ボスから前記カムシャフトの軸心に向けて張り出す脚部を有し、各脚部は、前記休止カムのカム面の方向に進むに従い先細り状に形成されて、その先端部に前記休止カムのカム面に摺接する摺接子が設けられているとともに、前記一対のスリッパの前記脚部および前記摺接子が前記休止カムのカム面の周方向に沿って向き合うように並べて配置されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 請求項1の記載において、前記一対のスリッパは、前記脚部および前記摺接子が互いに同一の幅寸法を有することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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