JP2007247600A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Shinichi Murata
真一 村田
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Abstract

【課題】本発明は、加工工数の削減を可能とした内燃機関の可変動弁装置を提供する。
【解決手段】本発明の可変動弁装置18,19,20は、強度よりも高い精度が求められる構造にしてあるバルブ駆動ロッカ35,90の本体35x,90xについては、異なる熱処理を必要としない異種材料から形成した。これにより、バルブ駆動ロッカ35,90は、カム追従ロッカ60,70,80よりも少ない加工工数ですむ。
【選択図】 図2

Description

本発明は、吸気バルブや排気バルブの制御を行なう内燃機関の可変動弁装置に関する。
自動車に搭載されるレシプロ式エンジン(内燃機関)には、省燃費性を図るために、大きな出力を必要としない走行条件下で、一部の気筒を休止させる休筒モードの運転が行なえるようにしたエンジンがある。こうしたエンジンの休筒モードの多くは、ポンピングロスの低減のために、可変動弁装置を用いて、気筒の吸排気の各バルブのリフト(開閉)を停止させる切換えを行なっている。
ところで、こうした休筒モードの切換えを行なう可変動弁装置には、簡単な構成ですむため、ロッカシャフトに組み付くロッカアームに、カムに追従して変位するカム追従ロッカと、バルブの駆動を行なうバルブ駆動ロッカとに分けた構造を用いて、カム追従ロッカの変位、具体的にはカムの変位を、切換部を通じて、バルブ駆動ロッカへ伝達あるいは断つことが行なわれている。この切換部の多くは、カム追従ロッカに突き当て部を形成し、バルブ駆動ロッカに突き当て部に対応して摺動自在なピストンを組み込んだ構造が用いられる(特許文献1を参照)。同構造により、ピストンが突き当て部と突き当たる位置にあるときは、カムの変位が、カム追従ロッカからバルブ駆動ロッカを経てバルブへ伝達され、ピストンが突き当て部と突き当たらない位置にあるときは、突き当て部の動きを逃がし、カム追従ロッカが空振りするだけで、カム変位がバルブ駆動ロッカへ伝わらないようにしている。
特開2005−90408号公報
こうした分割式のロッカアーム構造の多くは、強度を重視するという理由から、鋼材など鉄系金属材料を用いた鋳物などで、本体を形成する方向に進んでいる。
鋼材など鉄系金属材料は、そのままでは、強度の点に難点がある。そのため、通常、熱処理として焼き入れ処理を施してから、精度を確保する加工、具体的には硬いために、通常の切削加工ではなく、研磨加工を実施して、寸法精度を確保することが求められる。
ところで、カム追従ロッカ、バルブ駆動ロッカの双方を鋼材で形成する場合、例えばカム追従ロッカについては、カムの変位を受ける部分やピストンと突き当たる当接部など、高荷重が衝撃的に作用する部分が集めてある構造なので、強度の確保の点から、焼入れを施した鋼材を用いることが求められる。これに対しバルブ駆動ロッカは、局部的に高荷重を受ける部位がない、具体的にはピストンに作用する荷重は、該ピストンを収める部分で受けるなど広い面積で荷重を受けるために、カム追従ロッカほど強度は必要とせず、その代わりに、高い精度が要求される部分が占める。
このため、鋼材を用いて、カム追従ロッカ、バルブ駆動ロッカを成形するようになると、強度ではなく製品精度の点で重要視されるバルブ駆動ロッカまでも、カム追従ロッカと同様、焼入れ処理、研磨加工が強いられるので、可変動弁装置は加工工数が多くなり、コスト高の問題をきたす問題があった。
そこで、本発明の目的は、加工工数の削減を可能とした内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、強度が求められるロッカの本体については、鉄系金属材料で形成し、強度よりも高い精度が求められるロッカの本体については、それとは異なる熱処理を必要としない異種材料から形成したことにある。
この場合、異種材料には非鉄系金属材料が好ましい。特に非鉄系金属材料には、成形加工だけで、高い製品精度を確保することが容易なアルミ材がよい。
またバルブ駆動ロッカの本体又はカム追従ロッカの本体のどちらか他方には、ピストンを収納する異種材料のシリンダを備えた構成とし、同シリンダ内面に鉄系金属材料のスリーブを設けると、異種材料のシリンダでも十分な耐摩耗性が確保される。
本発明によれば、カム追従ロッカの本体又はバルブ駆動ロッカの本体のどちらか一方は鉄系金属材料で形成され、カム追従ロッカの本体又はバルブ駆動ロッカの本体のどちらか他方は、熱処理を必要としない異種材料で形成するために、面倒な熱処理や特定の加工が不要となる。このため、熱処理を必要としない異種材料で形成されたロッカの本体は部品完成までの加工工数を削減できる。
したがって、安価な可変動弁装置が実現できる。しかも、ピストンを収める部位の加工は、特定された加工方法に限定されず、他の通常の機械加工ですむ。そのうえ、熱処理を必要としない異種材料で形成されたロッカは、熱処理を要因とした熱変形の心配はないので、その分、可変動弁装置の廉価性を図ることができる。特に異種材料としては非鉄系金属材料が好ましく、特にアルミ材を用いると、型を用いた成形加工だけで、高い製品精度が確保できるので、一層、可変動弁装置の廉価化を図ることができる。しかも、ピストンを収納する異種材料のシリンダを備えたロッカの場合、シリンダ内面に鉄系金属材料のスリーブを設けると、ピストンの摺動負荷に十分に耐え得る。
[第1の実施形態]
以下、本発明を図1〜図13に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
図1はエンジン(内燃機関)、例えばV型6気筒のレシプロ式エンジン(以下、単にV型エンジンという)を後方から見た斜視図、図2は同エンジンの吸・排気バルブの可変動弁装置の斜視図、図3は同動弁装置の平面図(図2中のA矢視方向)、図4は同動弁装置の各種カムを示す平面図、図5〜図8は同動弁装置の各部の断面図(図3中のB〜E矢視の断面)、図9は吸気側の可変動弁装置を示す斜視図、図10は同装置の分解図、図11は排気側の可変動弁装置を示す斜視図、図12は同装置の分解図、図13は両装置がもたらすバルブ特性を示す線図をそれぞれ示している。なお、図1中Frは、V形エンジンの前方を示している。
図1中1は、V型エンジンのエンジン本体を示している。このエンジン本体1は、例えばV字形のシリンダブロック、具体的には下部に共通なクランクケース部2を有し、上部に例えば気筒3を3個づつ振り分けたV字形のデッキシリンダ部4をもつシリンダブロック5と、デッキシリンダ部4毎にその頭部に搭載されたシリンダヘッド6などといった部品を組み合わせて構成されている。なお、図1には、ヘッドカバー、オイルパンなど細かい部品は記載していない。そして、各デッキシリンダ部4、シリンダヘッド6などから、V字形に突き出る左右のバンク7a,7b(左右は前方方向を基準に定めている)を構成している。なお、各バンク7a,7bの気筒3にはピストン8が往復動可能に収めてあり(図2に図示)、クランクケース部2にはクランクシャフト(図示しない)が組み込んである。但し、バンク7a,7bは、クランクシャフトの軸線上に、各ピストン8から延びるコンロッド(図示しない)が並んで配置されるよう、前後方向でオフセットさせてある。
気筒3と向き合う各シリンダヘッド6の下面には、図2に示されるように燃焼室11がそれぞれ形成されている。これら各燃焼室11には、同図に示されるようにバンク7a,7b間を挟んだ内側に、2個(複数)の吸気ポート12a,12b、同吸気ポート12a,12bを開閉する2個の吸気バルブ13a,13bが設けられている。また同じく外側に、2個(複数)の排気ポート14a,14b、同排気ポート14a,14bを開閉する2個の排気バルブ15a,15bが設けられていて、バンク内側から燃焼空気が吸入され、バンク外側から燃焼を終えたガスが排出される構造にしている。なお、吸気バルブ13a,13bおよび排気バルブ15a,15bには、いずれもバルブスプリング(図示しない)で閉方向に付勢される常閉構造が用いてある。
左右バンク7a,7bのシリンダヘッド6には、それぞれ吸・排気バルブのリフト動作を可変可能としたSOHC(Single Over Head Camshaft)式の動弁系17が設けられている。このうち左バンクの動弁系17aには、通常(低速)モードと高速モードと休筒モード(気筒を休止させるモード)とに切換可能(3モード切換え)な吸気用の可変動弁装置18と、通常(低速)モードと休筒モード(気筒を休止させるモード)に切換可能(2モード切換え)な排気用の可変動弁装置19(いずれも本願の可変動弁装置に相当)とを組み合わせた構造が用いられる。右側の動弁系17bには、通常(低速)モードと高速モードとに切換可能(2モード切換え)な吸気用の可変動弁装置20と、排気用の通常(低速)モードだけの動弁装置21とを組み合わせた構造が用いられている。
図2には、このうちの左バンク7aに搭載される動弁系17aの1気筒分の可変動弁装置18,19(吸気用と排気用の両方)が示されている(エンジン後方から見た図)。図9には、このうちの可変動弁装置18を内側から見たときの図、図10には同装置18を分解した図が示され、図11には可変動弁装置19を内側から見たときの図、図12には同装置19を分解した図が示されている。
1気筒分の構造について説明すると、図2および図3中25は、燃焼室11の頭***にシリンダヘッド6の長手方向に沿って配設された回転可能なカムシャフト、26は同カムシャフト25を挟むバンク内側に該カムシャフト25と略平行に配設(固定)された吸気側のロッカシャフト、27はその反対側(バンク外側)にカムシャフト25と略平行に配設(固定)された排気側のロッカシャフト(いずれも本願のロッカシャフトに相当)を示している。なお、ロッカシャフト26、27はいずれもカムシャフト25の上側に配置してある。
このうちロッカシャフト27内には、休筒切換用の油路27aが軸方向に沿って形成されている。ロッカシャフト26内には、休筒切換用の油路26aと、高速切換用の油路26bとが軸方向に沿って形成されている。
カムシャフト25は、クランク出力によって回転駆動される部品である。この燃焼室11の頭上に配置されるカムシャフト25のシャフト部分には、例えば図2および図4に示されるようにエンジン後方側から順に高速用の吸気カム30(本願のカムに相当)、リフトレスカム(休止用カム)31、排気カム32(本願のカムに相当)、低速用の吸気カム33(本願のカムに相当)が形成されている。低速用の吸気カム33は、エンジンの低速運転に適した開閉タイミング、バルブリフト量に設定したカムプロフィルをもち、高速用の吸気カム30は、例えば低速用カム33と同じベース円で、エンジンの高速運転に適した開閉タイミング、バルブリフト量(低速用カム33より大)を設定したカムプロフィルをもち、リフトレスカム31は同一半径のカムプロフィル(ベース円だけ)をもつ。むろん、排気カム32は、燃焼ガスの排出に適した開閉タイミング、バルブリフト量のカムプロフィルをもつ。
吸気用の可変動弁装置18は、図2、図9および図10に示されるような分割式のロッカアーム構造が用いられている。これには、吸気バルブ13a,13bの駆動を行なうバルブ駆動ロッカ35と、吸気カム30,33と追従する低・高速別のカム追従ロッカ60,70とに分けた分割式ロッカアーム構造が用いてある。
詳しくは、図2および図10に示されるようにバルブ駆動ロッカ35は、筒形のロッカシャフト支持用のボス部36と、同ボス部36の両端部から直径方向に突き出た、軸方向に並ぶ一対(2本)のロッカアーム部37と、同ロッカアーム部37の端部に組み付けられたアジャストスクリュ部38と、同アーム部37の各根元部に設けられたモード切換用の切換作動部40a,40bとを有して構成してある。そして、図2に示されるようにロッカシャフト支持用ボス部36が、吸気カム30(高速用)が有る地点から吸気カム33(低速用)が有る地点までに相当するロッカシャフト26部分に渡り回動自在に嵌挿され、各ロッカアーム部37の先端のアジャストスクリュ部38をそれぞれ吸気バルブ13a,13bの上部端(バルブステム端)に位置決めている。つまり、バルブ駆動ロッカ35は、ロッカシャフト26を支点に揺動すると、吸気バルブ13a,13bが駆動される。
またボス部36の外周面のうち、リフトレスカム31と対応する外周面部分からは、図3、図4、図8〜図10に示されるように示されるようにスリッパ41がリフトレスカ31の外周面に向かって突き出ている。このスリッパ41の突き出し長さは、吸気バルブ13a,13bが閉弁のとき、スリッパ41の先端部がリフトレスカム31の外周面と当接する寸法に設定されている。このスリッパ41にて、吸気バルブ13a,13bが閉弁状態にあるとき、バルブ駆動ロッカ35の全体を、吸気バルブ13a,13bのバルブスプリングの反力を利用して、不用意に動かないようにしている。
ボス部36の両端部に配置された切換作動部40a,40bには、いずれもピストン式が用いられている。このうち吸気カム33(低速用)側に配置される切換部40aを説明すると、図5、図9および図10中43は、吸気カム33側のアーム部37の根元部に形成された円筒形のシリンダである。このシリンダ43は、ロッカシャフト26の直径方向に沿って延びる縦形をなしている。このシリンダ43の前面(カムシャフト25側の面)の下部には窓部44が形成してある。またシリンダ43の底面からその直下のボス部36の内面36a(軸受け面)までには、シリンダ43より小径な通孔45(図5のみ図示)が形成されている。シリンダ43内には、ピストン46が、該ピストン46をシリンダ43の底面へ付勢する圧縮スプリング47と一緒に摺動可能に収容されている(図5のみ図示)。これにより、常時は、シリンダ43の窓部44は、ピストン46の下部外周面で塞がれ、ピストン46が上昇すると、ピストン46が窓部44から退かれて、同窓部44が開放されるようにしてある。通孔45内には、図5に示されるようにピン48が摺動可能に収められている。通孔45の下端開口は、図5に示されるように油路26aから分岐した分岐路49、詳しくは油路26aから半径方向へ分岐してロッカシャフト26の外周面に開口した分岐路49と連通していて、油路26aからピン48に油圧が加わると、ピン48の上昇動から、図5の二点鎖線で示されるように窓部44を塞いでいたピストン43を窓部44から退かせる方向に駆動、つまり窓部44が開放されるようにしてある。
吸気カム30(高速用)側に配置される切換作動部40bには、切換作動部40aと同様、図6、図9および図10に示されるようなアーム部37の根元部に円筒形のシリンダ51を形成した構造が用いてある。シリンダ51の直下のロッカシャフト26部分には、シリンダ51と直列に連通する通孔52が形成してある。なお、通孔52は、シリンダ51より小径である。また切換作動部40aとは異なり、図6に示されるようにシリンダ51の前面上部には、窓部50が形成され、同シリンダ51内には、ピストン53が、該ピストン53をシリンダ51の底面へ付勢する圧縮スプリング54と一緒に摺動自在に収容されている。またピストン53には、窓部50から下側のシリンダ部分に収まるだけの薄形が用いられていて、切換作動部40aとは逆に、常時は、シリンダ51の窓部50の開口は開放し、ピストン53が上昇すると、ピストン53の外周面で塞がれるようにしてある。通孔45内には、ピン55が摺動自在に収められている。通孔52の下端部は、図6に示されるように油路26bの一部と交差して連通していて、油路26bからピン55に油圧が加わると、ピン55の上昇動から、図6の二点鎖線で示されるようにピストン53が窓部50を塞ぐ方向に駆動、つまり窓部50が閉じられるようにしてある。
なお、ボス部36の両端側の開口縁部には、それぞれ、シリンダ43,51の下部〜ボス部36の前方(アーム部37が無い側)〜アーム部37の根元部までの領域を切欠いた一対の切欠き部57が形成してある(図10に図示)。
高速側のカム追従ロッカ70は、図2、図3、図6、図9および図10に示されるようにボス部36(バルブ駆動ロッカ)の吸気カム30(高速用)側の端部に隣接して配置される部品である。同カム追従ロッカ70は、ボス部36端に隣接したロッカシャフト26部分に回動自在に嵌挿される筒形のロッカシャフト支持用のボス部71と、同ボス部71の両端部から吸気カム30(高速用)の直上へ直線状に突き出た一対のローラ支持片72と、同ローラ支持片72の先端部間に支持された回転自在なローラ73(転接部)と、ボス部71に形成されたウイング部74とを有している。このうち、ローラ73は、吸気カム30と転接している。これにより、カム追従ロッカ70は、カムシャフト25が回転すると、ボス部71を支点に回動、すなわち吸気カム30の変位に追従しながら揺動する。なお、カム追従ロッカ70は、追従性の維持のため、ローラ支持片72に形成した受け座75から入力されるプッシャ70a(図6に二点鎖線で一部図示)の付勢力によって、ローラ73を吸気カム30へ押し付けてある。
ボス部36(バルブ駆動ロッカ)と隣り合うボス部71の端部には、図6および図10に示されるようにボス部36の開口端で残っている縁部36bを収めるための切欠き部76(一部だけ図示)が形成されている。この凹凸の嵌まり合いを利用して、カム追従ロッカ70の全体は、切欠き分、バルブ駆動ロッカ35側へずれた位置に配置させてある。さらに述べれば、このずれを利用して、内側のローラ支持片72を窓部50と一直線上に連なる地点に配置させている。これで、カム追従ロッカ70は、窓部50の前方に内側のローラ支持片72が配置された姿勢を保ちながら揺動できるようにしてある。むろん、切欠き部57と切欠き部76は、カム追従ロッカ70の動きを阻害せずにすむ大きさや形状に設定してある。
ウイング部74は、この窓部50の前方に配置されるローラ支持片72を流用して形成されている(図6、図9および図10に図示)。すなわち、ローラ支持片72の上部には、該ローラ支持片72に沿って一体にリブ部78が形成されている。このリブ部78は、円弧形を描きながら窓部50へ向かって延びている。具体的には、リブ78は、窓部50へ向かうにしたがい、幅広に拡大されながら延びている。そして、延びたリブ78の先端部が、窓部50の有る地点まで張り出ている。この張り出た先端部には、同先端部を窓部50の内外に出入り可能な形状にしてなる当接部79(本願の突き当て部に相当)が形成されている。これで、通常時は、当接部79が、窓部50を通してシリンダ51内外へ出入りし、ピストン53で窓部50が塞がれると、当接部79が、窓部50から露出するピストン53と突き当たるようにしている。
この切換作動部40bと当接部79との組み合わせから、当接部79が、空振りするか、ピストン53と突き当たるかで、カム追従ロッカ70からの高速用吸気カム30の変位がバルブ駆動ロッカ35に入力されるか(駆動状態)、入力が停止されるか(非駆動状態)の切り換えが行なわれる切換機構79a(本願の切換部に相当)を構成している。
低速側のカム追従ロッカ60は、図2、図3、図9および図10に示されるようにボス部36の吸気カム33(低速用)側の端部に隣接して配置される部品である。同カム追従ロッカ60は、先に説明した高速側のカム追従ロッカ70とは、勝手反対となるだけで、構造的には同じである。このため、カム追従ロッカ60の各部の説明は、先のカム追従ロッカ70の各部の符号71〜79の代わりに、同一部位に、2桁目の番号を変えた符号61〜69を付して、その省略する。
このカム追従ロッカ60により、図5に示されるように通常時は、当接部69(突き当て部)が、窓部44を塞いでいるピストン46と突き当たり、ピストン46が上昇し窓部44が開放されたときは、当接部69が、窓部44を通してシリンダ43内外を出入りするようにしてある。この切換作動部40aと当接部79との組み合わせから、当接部69が、ピストン46と突き当たるか、空振りするかで、カム追従ロッカ60からの低速用吸気カム33の変位がバルブ駆動ロッカ35に入力されるか(駆動状態)、入力が停止されるか(非駆動状態)の切り換えが行なわれる切換機構69a(本願の切換部に相当)を構成している。
他方、排気用の可変動弁装置19には、図2、図7、図11および図12に示されるような排気カム32に追従するカム追従ロッカ80と、排気バルブ15a,15bの駆動を行なうバルブ駆動ロッカ90とに分けた分割式のロッカアーム構造が用いられている。
このうちカム追従ロッカ80には、排気カム32と対応したロッカシャフト27部分に回動自在に嵌挿される筒形のロッカシャフト支持用のボス部81と、同ボス部81の両端部から排気カム32の直上へ直線状に突き出たU形のローラ支持片82と、同ローラ支持片82の先端部間に支持された回転自在なローラ83(転接部)と、ボス部81に形成されたウイング部84とを有した構造が用いられている。ローラ83は、排気カム32と転接している。これにより、カム追従ロッカ80は、カムシャフト25が回転すると、ボス部81を支点に回動、すなわち排気カム25の変位に追従しながら揺動する。なお、カム追従ロッカ80は、追従性の維持のためローラ支持片82に形成した受け座85から入力されるプッシャ80a(図7に二点鎖線で一部だけ図示)の付勢力によって、ローラ83を排気カム32へ押し付けてある。
ウイング部84は、ボス部81の外面の幅方向中央に一体に形成されたリブ86をもつ。同リブ86は、ローラ支持片82の後端部から、ボス部81の周方向に沿いに、ボス部81の上部まで延びている。リブ81の先端部には、前方へ張り出す形状の当接部89(突き当て部)が設けられている。
バルブ駆動ロッカ90には、図11および図12に示されるように門形の構造が用いられている。同ロッカ90には、ボス部81(カム追従ロッカ80)の両側に配置される一対のロッカアーム部91(複数:2個)と、モード切換用の切換作動部98とを組み合わせた構造が用いられている。
このうち一対のロッカアーム部91は、いずれも一端部にボス部81(カム追従ロッカ80)を挟んだ両側のロッカシャフト27部分に回動自在に嵌挿された一対の筒形のロッカシャフト支持用のボス部92を有し、他端部に同ボス部92からそれぞれ排気バルブ15a,15bまでの直線状に延びるアーム部93を有した構造が用いられている。そして、各アーム部93の先端部をなす、アジャストスクリュ部94が、それぞれ排気バルブ15a,15bの上部端(バルブステム端)に配置させてある。アーム部93,93間は、連結アーム95によって、アーム部93の端部、具体的にはアジャストスクリュ部94が有る地点で連結されている。これで、バルブ駆動ロッカ90は、ロッカシャフト27を支点として揺動すると、複数の排気バルブ15a,15bが駆動される。
リフトレスカム31の直上に配置されるボス部92の外周面からは、図4、図8および図12に示されるようにリフトレスカム31の外周面に向かってスリッパ96が突き出ている。このスリッパ96の突出し長さは、排気バルブ15a,15bが閉弁のとき、スリッパ96の先端部がリフトレスカム31の外周面と当接する寸法に設定されている。このスリッパ96にて、排気バルブ15a,15bが閉弁状態にあるとき、ロッカアーム部91の全体を、排気バルブ15a,15bのバルブスプリングの反力を利用して、不用意に動かないようにしている。
切換作動部98は、図11および図12に示されるように連結アーム95、具体的には排気バルブ15a,15b間の略中央となるアーム部分に設けてある。この切換作動部98にはピストン式が用いられている。
同切換作動部98を説明すると、図7中99は縦形のシリンダである。同シリンダ99は、連結アーム95の中央(排気バルブ15a,15b間の略中央となる地点)から、上側へ突き出るように形成されている。このシリンダ99は、ロッカシャフト27から離れる方向に後傾している。このシリンダ99のうち、前面(カムシャフト25側の面)の下部には、窓部100が形成されている。またシリンダ99の底面からその直下のアーム部分の内部までには、シリンダ99より小径な通孔101が形成されている。
シリンダ99内には、ピストン102が、該ピストン102をシリンダ99の底面へ付勢する圧縮スプリング103と一緒に収容されている。つまり、常時は、シリンダ99の窓部100は、ピストン102の外周面で塞がれ、ピストン102が上昇すると、ピストン102が窓部100から退かれて、同窓部100が開放されるようにしてある。通孔101内には、ピン104が摺動可能に収められている。通孔104の下端開口は、図3および図7に示されるように連結アーム部95の内部に形成された中継路105に連通している。この中継路105は、アーム部93の内部に形成された中継路106を通じて、ボス部92の内面に開口している。さらに中継路106は、油路27aから分岐した分岐路107(図7のみ図示)、詳しくは油路27aから半径方向へ分岐してロッカシャフト26の外周面に開口した分岐路107と連通していて、油路27aからピン104に油圧が加わると、ピン104の上昇動から、図7の二点鎖線で示されるように窓部100を塞いでいたピストン102を窓部100から退かせる方向に駆動、つまり窓部100が開放されるようにしてある。
この窓部100の直前に、カム追従ロッカ80の当接部89が位置決められる。当接部89は、図7に示されるように窓部100の内外に出入り可能な形状に形成されている。これで、通常時は、当接部89が、窓部100を塞いでいるピストン102と突き当たり、窓部100が開放されたときは、当接部89が、窓部100を通してシリンダ99内外を出入りするようにしてある。つまり、当接部89とピストン102との組み合わせから、当接部89が、ピストン102と突き当たるか、空振りするかによって、カム追従ロッカ80からの排気カム32の変位がバルブ駆動ロッカ90に入力されるか(駆動状態)、入力が停止されるか(非駆動状態)の切り換えを行なう切換機構110(本願の切換部に相当)を構成している。
他方、排気側のロッカシャフト26の油路27aは、図2に示されるように休筒切換用のオイルコントロールバルブ120(以下、OCV120という)を介して、油圧供給部(オイルポンプなどで形成される:図示しない)に接続されている。また吸気側のロッカシャフト26の油路26bは、高速切換用のオイルコントロールバルブ121(以下、OCV121という)を介して、油圧供給部(オイルポンプなどで形成される:図示しない)に接続されている。この二系統の油圧供給系のOCV120,121は、いずれも制御部122(例えばマイクロコンピュータで構成されるもの)に接続されている。制御部122には、例えば予め自動車の運転状態に応じて設定されたマップにしたがって、低速モードのときは、OCV120,121の両方を「閉」、高速モードのときは、OCV121だけ「開」、休筒モードのときはOCV120だけ「開」にする機能が設定されている。
こうした構造が、左バンク7aの各気筒3に採用されている。つまり、左バンク7aの吸気系においては、高速用吸気カム30による弁駆動、低速用カム33による弁駆動、非弁駆動の3段切換えが行なえ、排気系においては排気カム32による弁駆動、非弁駆動の2段切換えが行なえるようにしている。
一方、右バンク7bの動弁系17bの各吸気用可変動弁装置20には、左バンク7aの吸気用の可変動弁装置18から、非弁駆動となる機構や部分を除いた構造が用いられている。同構造には、図示はされていないが、低速側の切換構造(主に切換作動部40a、カム追従ロッカ60)を省き、バルブ駆動ロッカ35が、常時、直接的に低速用吸気カム33で駆動される構造が用いてある。これで、高速側の切換構造だけを残して、低速モードと高速モードとの2段切換えが行なえる構造にしてある。また排気側の動弁装置21には、左バンク7aの排気用の可変動弁装置19から、非弁駆動となる機構や部分を除いた構造、すなわちバルブ駆動ロッカ90だけが、常時、直接的に排気カム32で駆動される構造が用いてある。さらに右バンク7bでは、休筒モードの切換えをなす油路26a,27aを省いて、油路26bだけを残す構造が用いてある。つまり、右バンク7bは、吸気系において高速用吸気カム30による弁駆動、低速用カム33による弁駆動の2段切換えが行なえ、排気系において排気カム32による弁駆動だけが行なえる構造にしてある。
こうした可変動弁装置18,19,20のうち、各カム追従ロッカ60,70,80の各本体60x,70x,80x(ロッカ全体)は、カム30,32,33の変位を受ける部位や、ピストン46,53,102と突き当たる当接部69,79,89など、高荷重が衝撃に作用する部分を集めて形成してあるために、強度を確保する点から、焼入れを施した鋼材を用いて形成してある。すなわち、各本体60x,70x,80xは、いずれも鉄系金属材料、具体的には例えば鋼材を用いた鋳物で成形してから、同成形品に焼入れ処理を施して、強度を確保してから、同成形品に研磨加工を施して製品精度を確保するという、加工処理を経て製品にしてある。
残るバルブ駆動ロッカ35,90は、カム追従ロッカ60,70,80とは異なり、ピストン46,53,102を収めるシリンダ43,51,99など、それほど強度は必要としないが、高い精度が要求される部分を占めている。強度よりも寸法精度が重要視されるバルブ駆動ロッカ35,90は、鋼材のような熱処理を必要する鉄系金属材料でなく、熱処理を必要としない異種材料、ここでは非鉄系金属材料で形成してある。具体的には、バルブ駆動ロッカ35,90は、成形材料として、アルミ材を用い、型でバルブ駆動ロッカ35,90の本体35x,90x(ピストンを除く全体)を成形して製品にしてある。またアルミ製のバルブ駆動ロッカ35,90には、スリッパ41,96の耐摩耗性を補うために、図8〜図12に示されるように各スリッパ41,96の先端部に、リフトレスカム31に摺接する部品として、別途、耐摩耗性に優れた部材で形成された摺接子41a,96aが設けてある。これで、アルミ製のバルブ駆動ロッカ35,90を実現している。なお、各スリッパ41,96の先端部には、リフトレスカム31の回転の影響で、摺接子41a,96aが離脱することがないよう、図8に示されるように各摺接子41a,96aのリフトレスカム31の回転方向後側に、突部で形成されたストッパー41b,96bが形成してある。
なお、右バンク7bの可変動弁装置20についても同じ構造が採用してある。
つぎに、図5〜図8を参照して動弁系17の作用を説明する。
今、自動車の走行状態により、制御部122に低速モードを実行する指令がなされたとする。
すると、制御部122により、OCV120,121はいずれも閉作動される。つまり、油路26a,26b、27aは、いずれも油圧供給系からの油圧が作用しない状態となる。これにより、図5の実線に示されるように左バンク7aの切換作動部40a(吸気)の窓部44は、ピストン46で遮られる状態となる(圧縮スプリング47の弾性力による)。また図6の実線に示されるように切換作動部40b(吸気)の窓部50は、開放された状態となる(圧縮スプリング54の弾性力による)。さらに図7に示されるように左バンク7aの切換作動部98(排気)の窓部100は、ピストン102(圧縮スプリング103の弾性力による)で遮られた状態となる。
すると、左バンク7aの吸気側では、カム追従ロッカ70(高速)は、空振りを伴いながら揺動駆動される。と同時にカム追従ロッカ60(低速)は、ピストン46と突き当たりながら揺動駆動される。また左バンク7aの排気側においては、カム追従ロッカ80が、ピストン102と突き当たりながら揺動駆動される。
これにより、吸気側では、カム追従ロッカ60から伝わる吸気カム33(低速用)の変位が、バルブ駆動ロッカ35から一対のロッカアーム部37を経て、一対の吸気バルブ13a,13bへ伝わり、該吸気バルブ13a,13bを駆動する。また排気側では、カム追従ロッカ80から伝わる排気カム32の変位が、バルブ駆動ロッカ90の連結アーム95から、バルブ端へ向かって並行に延びる状一対のアーム部93を経て、一対の排気バルブ15a,15bへ伝わり、該排気バルブ15a,15bを駆動する。
右バンク7bの可変動弁装置20においては、左バンク7aと同様、カム追従ロッカ(高速)は空振りを伴うので、バルブ駆動ロッカに伝わる低速用の吸気カムの変位だけが、一対の吸気バルブへ伝わり、該吸気バルブを駆動する。また排気側の動弁装置21においては、バルブ駆動ロッカを介して、直接的に、排気カムの変位が、一対のアーム部を経て、一対の排気バルブへ伝わり、該排気バルブを駆動する。
これにより、V形エンジンは、図13の線図中の低速カムおよび排気カムの組み合わせがもたらす低速モードで運転される。つまり、通常の走行で要求されるエンジン性能が出力される。
また自動車の走行状態により、制御部122において高速モードを実行する指令がなされると、制御部122により、高速切換用のOCV121だけが開作動する制御が行なわれる。これにより、油路26bだけに油圧が作用する。
すると、左バンク7aの切換作動部40b(吸気側)のピン55に油圧が加わる。これにより、図6中の二点鎖線に示されるように窓部50は、ピン55で上方へ駆動されるピストン53によって遮られる。なお、左バンク7aの排気側は、切換作動部98の窓部100がピストン102で遮られた状態が続く。
すると、吸気側のカム追従ロッカ70は、図6中の二点鎖線に示されるようにピストン53と突き当たりながら揺動駆動される。
ここで、切換作動部40aの窓部44は、ピストン46で遮られた状態であるが、高速用の吸気カム30の外形形状は、低速用の吸気カム33よりも大きく設定してあるから、カム追従ロッカ70から伝わる吸気カム30(高速用)のカム変位だけが、バルブ駆動ロッカ35から一対のロッカアーム部37を経て、一対の吸気バルブ13a,13bへ伝わる。つまり、吸気バルブ13a,13bは、高速の吸気カム30で駆動されていく。なお、排気バルブ15a,15bは、先の排気カム32の変位が、カム追従ロッカ80からバルブ駆動ロッカ90の連結アーム95へ伝わる経路により、駆動され続ける
また右バンク7bの可変動弁装置20では、左バンク7aと同様、カム追従ロッカから伝わる吸気カム(高速用)の変位が、バルブ駆動ロッカから一対のロッカアーム部を経て、一対の吸気バルブへ伝わることによって、該吸気バルブの駆動が行なわれる。なお、右バンク7bの動弁装置21は、バルブ駆動ロッカによって、直接的に、一対の排気バルブを駆動し続ける。
これにより、V形エンジンは、図13の線図中の高速カムおよび排気カムの組み合わせがもたらす高速モードで運転される。つまり、高いエンジン性能が出力される運転に切り換わる。
また自動車の走行状態により、制御部122において休筒モードを実行する指令がなされると、制御部122により、休筒用のOCV120だけが開作動する制御が行なわれる。これにより、油路26a、27aに油圧が作用する。
すると、左バンク7aの吸気側は、ピン48に油圧が加わり、該ピン48が上方へ駆動される。これにより、切換作動部40aのピストン46は、上方へ駆動され、図5中の二点鎖線に示されるように窓部44を開放させる。また切換作動部40bには、油圧が作用していないので、窓部50は、図6に示されるように開放された状態が続く。排気側でも、切換作動部98のピストン104は、ピン104の押し上げによって上方へ駆動される。これにより、切換作動部98の窓部100は開放される。
これにより、左バンク7aの各カム追従ロッカ60(吸気:低速)、カム追従ロッカ70(吸気:高速)、カム追従ロッカ80(排気)は、いずれも、空振りを伴いながら揺動駆動され、バルブ駆動ロッカ35,90(吸気、排気)には、バルブを駆動する駆動力が伝達されなくなる。これに伴い、図8に示されるように各バルブ駆動ロッカ35,90のスリッパ41,96が、リフトレスカム31の円形なカム面(外周面)と摺接し続け、吸気バルブ13a,13bと排気バルブ15a,15bの両者を閉弁状態に保つ。なお、カム追従ロッカ60,70,80は、プッシャ60a,70a,80aによって、カム面に押し付けられ続ける。
こうしたカム追従ロッカ60,70,80とバルブ駆動ロッカ35,90との間の切り離しにより、左バンク7aにおける吸気バルブ13a,13b、排気バルブ15a,15bのリフト(開閉)は停止される。
このとき、右バンク7bの吸気用の各可変動弁装置20、排気用の動弁装置21は、先の低速モードのときと同様、低速用の吸気カムの変位が吸気バルブへ伝わり続け、排気カムの変位が排気バルブへ伝わり続けているから、一部の気筒(左バンク7aの気筒)を休止させた休筒モードに切り換わる。
こうしたモードの切換えを行なう可変動弁装置18,19,20によると、カム追従ロッカ60,70,80は、いずれも焼入れ処理(熱処理)により、求められる強度が確保される(鉄系金属製)。また該カム追従ロッカ60,70,80と組み合うバルブ駆動ロッカ35,90は、それとは異なる熱処理を必要としない非鉄系金属材料を用いた成形により、求められる寸法精度が確保される(非鉄系金属製)。これは、右バンク7bについても同じである。
ここで、寸法精度が重要視されるバルブ駆動ロッカ35,90は、カム追従60,70,80とは異なり、非鉄系金属材料の採用により、焼入れ処理(熱処理)が不要になるだけでなく、熱処理によって硬度が増した部位に施す面倒な研磨加工が不要になる。つまり、バルブ駆動ロッカ35,90は、ニアネットシェイプ化が図れるので、部品完成までの加工工数が削減できる。
したがって、可変動弁装置18,19,20は、バルブ駆動ロッカ35,90を、カム追従ロッカ60,70,80とは異なる異種材料、さらに述べれば非鉄系金属材料で形成することにより、製作コストを抑えることができる。しかも、ピストン46,53,102をもつ構造のバルブ駆動ロッカ35,90は、非鉄系金属材料のうち、アルミ材で成形することによって、機械加工を要する部位、具体的にはピストン46,53,102を収めるシリンダ43,51,99の各部は、研磨加工に特定されずに他の機械加工を用いて加工することができ、切削性の向上から合理的に加工を進めることができる。そのうえ、バルブ駆動ロッカ35,90は、焼き入れによる熱変形の心配もないので、容易に高精度な製品を得ることができ、一層、可変動弁装置18,19,20の廉価化を図ることができる。
[第2の実施形態]
図14および図15は、本発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、アルミ材で形成されたバルブ駆動ロッカの各部のうち、シリンダの内面に、例えば薄肉板金製のほぼ筒状(C形)のスリーブを嵌挿させたものである。図14および図15には、その代表的な構造として、バルブ駆動ロッカ35の各シリンダ43,51の内面に、図15に示されるような窓部44,50と対応する部分を開放させた筒状のスリーブ120を該スリーブ120の拡がる方向の弾性力で固定させた構造が示してある。むろん、他のバルブ駆動ロッカのシリンダにスリーブ120を組み付けても構わない
このようにスリーブ120を設けると、ピストン46,53の摺動負荷の多くは、スリーブ120が負担するので、シリンダ43,51の耐摩耗性が高められる。
但し、図14および図15において、第1の実施形態と同じ部分には同一符号を付してその説明を省略した。
また、上述した実施形態では、バルブ駆動ロッカを異種材料としたが、ピストンと突き当たる当接部とシリンダの関係に注目し、バルブ駆動ロッカに当接部、カム追従ロッカにシリンダを形成すれば、カム追従ロッカを異種材料としてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱し
ない範囲内で種々可変して実施しても構わない。
本発明の第1の実施形態に係る可変動弁装置を搭載したエンジンを示す斜視図。 同エンジンの左バンクに搭載されている1気筒分の吸・排気両方の可変動弁装置の全体を示す斜視図。 図1中のA矢視から見た平面図。 カムシャフトの各種カムのレイアウトを示す平面図。 図3中のB矢視から見た吸気側(低速)の可変動弁装置の断面図。 図3中のC矢視から見た吸気側(高速)の可変動弁装置の断面図。 図3中のD矢視から見た排気側の可変動弁装置の断面図。 図3中のE矢視から見たリフトレスカム回りの断面図。 吸気側の可変動弁装置の全体を示す斜視図。 同装置をカム追従ロッカとバルブ駆動ロッカとに分解した斜視図。 排気側の可変動弁装置の全体を示す斜視図。 同装置をカム追従ロッカとバルブ駆動ロッカとに分解した斜視図。 吸・排気の可変動弁装置がもたらす各種バルブリフトの可変を説明するための線図。 本発明の第2の実施形態の要部を説明する斜視図。 同要部の分解斜視図。
符号の説明
1…エンジン本体(内燃機関)、13a,13b…吸気バルブ、15a,15b…排気バルブ、18,19,20…可変動弁装置、25…カムシャフト、26,27…ロッカシャフト、30,32,33…吸気カム,排気カム、35,90…バルブ駆動ロッカ、35x,90x…バルブ駆動ロッカの本体、60,70,80…カム追従ロッカ、69,79,89…当接部、63,73,83…ローラ、46,53,102…ピストン、69a,79a,110…切換機構(切換部)。

Claims (4)

  1. 内燃機関に回転可能に設けられた、カムを有するカムシャフトと、
    前記カムシャフトと並行に配置されたロッカシャフトと、
    前記カムにより駆動可能なバルブと、
    前記ロッカシャフトの回動自在に設けられ、前記カムに追従して揺動変位するカム追従ロッカと、
    前記ロッカシャフトに前記カム追従ロッカと並んで回動自在に設けられ、前記バルブの駆動を行なうバルブ駆動ロッカと、
    前記バルブ駆動ロッカを駆動状態と非駆動状態とに切換え可能とした切換部とを備え、
    前記カム追従ロッカの本体又は前記バルブ駆動ロッカの本体のどちらか一方が、鉄系金属材料で形成され、
    前記カム追従ロッカの本体又は前記バルブ駆動ロッカの本体のどちらか他方が、それとは異なる熱処理を必要としない異種材料から形成される
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記異種材料は、非鉄系金属材料であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記非鉄系金属材料は、アルミ材であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記バルブ駆動ロッカの本体又は前記カム追従ロッカの本体のどちらか他方は、前記ピストンを収納する前記異種材料のシリンダを備え、シリンダ内面に鉄系金属材料のスリーブを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の内燃機関の可変動弁装置。
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