JP4506006B2 - ポリマ光導波路の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光導波路、特にポリマ光導波路およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光導波路の作製は、特開昭55-120004号公報に示されているように、低屈折率基板を射出成形した後、コアを射出成形する方法や、特開昭61-240207号公報に示されているように、光ガイド層をドライエッチングでパターンを形成する方法、特開昭63-91604号公報に示されているように、実質的に透明な有機物質にレーザ照射による光導波路形成を行いレーザ照射部に少なくともレーザのエネルギに応じた組成及び/または構造変化を形成させる方法、特開昭63-139304号公報に示されているように、凸の金型で凹んだ溝を形成した樹脂基板の導波部または格子部に高屈折率のプラスチックを流し込み樹脂基板からはみ出した樹脂部分を削り取る方法、特開平2-131202号公報に示されているように、光導波路に対応したパターンが凹設されたスタンパを基板表面に密着させ、パターン内に有機高分子を充填し、これを外部エネルギにより硬化させた後、表面からスタンパを分離する方法等がある。
【0003】
また、光導波路を構成するポリマ材料としては、石英系光ファイバで使用している波長である、可視光域から近赤外線領域の光伝送特性を良好なものとするため、含フッ素化合物、含重水素化合物を用いる検討がされている(特開昭57-190902号公報、特開昭54-65556号公報、特開昭60-260905号公報、特開平2-281037号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ポリマ光導路に用いられる材料として要求される特性は、近赤外線領域で透明性を有すること、コア材料とクラッド材料の異なる2種類の材料に対して屈折率差を生じさせることが可能なこと、光導波路パターンを形成するためのプロセスが容易であること、製膜時に屈折率の異方性が小さいこと(偏光依存性が小さいこと)などが要求されており、特性の良いものがないのが現状である。
【0005】
本発明の目的は、上記の従来技術の課題を解決し、光伝送特性および生産性に優れたポリマ光導波路およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は以下の通りである。
【0015】
本発明のポリマ光導波路の製造方法について述べる。
【0016】
本発明のポリマ光導波路の製造方法は、コアの外周に、当該コアの屈折率よりも低い屈折率を有するクラッドが配置され、前記コアおよび前記クラッドがポリマの材料からなるポリマ光導波路の製造方法において、第一の化合物として、グリシジル(メタ)アクリレートを準備し、第二の化合物として、(メタ)アクリル酸エステルを準備し、前記第二の化合物は、化学式(a)で示される化合物と化学式(b)で示される化合物の混合物であり、前記コアと前記クラッドに屈折率差が生じるように、前記コアに用いるものと前記クラッドに用いるものとの間で、化学式(a)の化合物と化学式(b)の化合物の組成比を変化させており、前記第一の化合物と前記第二の化合物の共重合体に、前記第一の化合物のエポキシ基のモル数の60〜100%モル量の(メタ)アクリル酸を付加反応させてポリマ組成物を作製し、このポリマ組成物を溶剤に溶解してポリマ組成物溶液を作製し、前記ポリマ組成物溶液に化学式(c)で示される化合物である多官能モノマを添加した後に塗膜化し、その塗膜を乾燥させて溶媒を除去し、その後その塗膜に光もしくは熱等のエネルギを加えて架橋反応させることにより前記コアおよび前記クラッドを形成し、前記コアを形成する際には、前記コアとなる塗膜を形成した後、光回路パターンを有するフォトマスクを介して当該塗膜の露光を行い、当該塗膜の未露光部分を除去することによって、前記コアをパターン化することにある。
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】
前記多官能モノマとしては、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロー1,10−デカンジオール−ジアクリレートを用いるのが望ましい。
【0026】
上記本発明の構成についての補足説明を次に述べる。
【0027】
上記化学式(a)において、エステル基に付いている含フッ素アルキル基は炭素数1〜4と短いものとし、上記化学式(b)において、エステル基に付いている含フッ素アルキル基は、炭素数5〜22と長いものとするのが望ましい。ここで炭素数22以上のものは溶解性などに問題がある。
【0028】
上記化学式(a)の化合物の添加量を増やすと、ポリマ材料の屈折率が上がり、上記化学式(b)の化合物の添加量を増やすと、ポリマ材料の屈折率が下がるという働きがある。
【0029】
ポリマ材料として用いる化合物は、光通信で用いる近赤外線透過性能上、炭素−水素結合は光の吸収が大きいため、炭素−水素結合よりも光の吸収が少ない炭素−フッ素結合の割合が多い物の方が望ましい。
【0030】
上記化学式(a)(b)の含フッ素アルキル基R2、R4において、水素とフッ素の原子の数の比F(フッ素)/H(水素)は、近赤外線透過性能上、F/H>1とするのが望ましい。F/H<1であると、炭素−水素結合による光の吸収が大きくなり、光伝送損失が大きくなる。
【0031】
前記ポリマの材料において、多官能モノマを添加することによって三次元網目構造が形成され、現像特性、耐熱特性などの機能が向上する。
【0032】
また、(メタ)アクリル酸の添加量を、第一の化合物のエポキシ基のモル数の30〜100%とするのが望ましいのは、次の理由による。
【0033】
(メタ)アクリル酸の添加量が30%以下では感光特性が不十分となり、光導波路に必要なパターン形状を形成することが出来ないという問題があり、(メタ)アクリル酸の添加量が100%より多くなると、(メタ)アクリル酸が単体で残ってしまい、形成される膜が濁り、光学特性などに問題が生じ、また、これを解決しようとすると、(メタ)アクリル酸を除去しなければならないなどの手間を要する、といった問題があるためである。
【0034】
(メタ)アクリル酸を添加することによって、エポキシ基に(メタ)アクリル酸が付加することになるが、(メタ)アクリル酸の添加量が第一の化合物のエポキシ基のモル数の100%未満の場合は、(メタ)アクリル酸が付加されていないエポキシ基が存在する。この残ったエポキシ基を用いて露光後に追硬化させることもできる。その場合は、アミン類、酸無水物、酸類などの通常エポキシに用いる硬化剤を添加しておき、露光後に、(メタ)アクリル酸の付加されていないエポキシ基を適当なエネルギで反応させる。エポキシ基を残す層は下部クラッド、コア、上部クラッド層の何れの層でも良い。
【0035】
なお、本明細書中、「(メタ)アクリル基」は「アクリル基もしくはメタクリル基」を、「(メタ)アクリル酸エステル」は「アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル」を、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸もしくはメタクリル酸」を、「グリシジル(メタ)アクリレート」は「グリシジルアクリレートもしくはグリシジルメタクリレート」を意味する。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を添付図面を用いて説明する。
【0037】
先ず、本発明のポリマ光導波路について説明する。
【0038】
図1は、ポリマ光導波路の形成工程を示す模式図であり、図1(f)が製造されたポリマ光導波路である。
【0039】
本発明のポリマ光導波路は、図1(f)に示されているように、コア5の外周に、コア5の屈折率よりも低い屈折率を有する下部クラッド2と上部クラッド6から構成されたクラッド7が配置され、コア5およびクラッド7がポリマの材料からなるものである。
【0040】
前記ポリマの材料は、第一の化合物と第二の化合物の共重合体に、(メタ)アクリル酸を付加反応させたものである。
【0041】
前記第一の化合物は、エポキシ基と(メタ)アクリル基を有するものであり、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等を用いる。
【0042】
前記第二の化合物は、(メタ)アクリル酸エステルを用いる。例えば、(メタ)アクリル酸エステルとして、前述の化学式(a)で示される化合物と前述の化学式(b)で示される化合物の混合物を用い、コア5とクラッド7に屈折率差が生じるように、コア5に用いるものとクラッド7に用いるものとの間で、前述の化学式(a)の化合物と前述の化学式(b)の化合物の組成比を変化させておくようにする。
【0043】
これらのポリマの材料に、さらに多官能モノマとして、前述の化学式(c)で示される化合物を添加させる。これによって、三次元網目構造が形成され、現像特性、耐熱特性などの機能が向上する。
【0044】
また、(メタ)アクリル酸は、第一の化合物のエポキシ基のモル数の30〜100%モル量添加するのがよい。
【0045】
次に、本発明のポリマ光導波路の製造方法について説明する。
【0046】
先ず最初に、以下の作業によって、ポリマ組成物を作製する。
【0047】
▲1▼第一の化合物として、エポキシ基と(メタ)アクリル基を有する化合物、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートを準備する。
【0048】
▲2▼第二の化合物として、コア5用とクラッド7用の2種類の(メタ)アクリル酸エステル、例えば、前述の化学式(a)で示される化合物と前述の化学式(b)で示される化合物の混合物を2種類準備する。コア5とクラッド7に屈折率差が生じるように、コア5用の混合物とクラッド7用の混合物との間で、前述の化学式(a)の化合物と前述の化学式(b)の化合物の組成比を変化させる。
【0049】
▲3▼第一の化合物と第二の化合物の共重合体に、(メタ)アクリル酸を、第一の化合物のエポキシ基のモル数の30〜100%モル量添加し付加反応させてコア5用とクラッド7用の2種類のポリマ組成物を作製する。
【0050】
▲4▼これらのポリマ組成物をそれぞれ溶剤に溶解し、多官能モノマとしての前述の化学式(c)で示される化合物をそれぞれ添加し、2種類のポリマ組成物溶液を作製する。
【0051】
このようにして作製したポリマ組成物溶液を塗膜化し、その塗膜を乾燥させて溶媒を除去し、その後その塗膜に光もしくは熱等のエネルギを加えて架橋反応させることによりコア5およびクラッド7を形成する。
【0052】
これによって、光重合性能を有する膜を形成することができる。
【0053】
なお、コア5の形成は、コア5となる塗膜を形成した後、光回路パターンを有するフォトマスク4介して当該塗膜の露光を行い、当該塗膜の未露光部分を除去することによって行う。
【0054】
なお、上記化学式(a)の化合物としては、具体的には、トリフルオロエチルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルM−3F)、トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,−テトラフロロプロピルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルM−4F)、2,2,3,3,−テトラフロロプロピルアクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルM−6F)、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフロロプロピルメタクリレート(ダイキン社製M−1210)、2,2,3,3,3−ペンタフロロプロピルアクリレート等が挙げられる。
【0055】
上記化学式(b)の化合物としては、具体的には、ヘプタデカフルオロオクチルエチメタクリレート、ヘプタデカフルオロオクチルエチアクリレート(共栄社化学社製ライトエステルFA108)、2−(パーフロロデシル)エチルメタクリレート、2−(パーフロロデシル)エチルアクリレート(ダイキン社製R−2020)、2−(パーフロロ−9−メチルオクチル)エチルメタクリレート、2−(パーフロロ−9−メチルオクチル)エチルアクリレート(ダイキン社製R−3820)、2−(パーフロロ−9−メチルデシル)エチルメタクリレート、2−(パーフロロ−9−メチルデシル)エチルアクリレート(ダイキン社製R−4020)等が挙げられる。
【0056】
上記化学式(c)の化合物としては、具体的には、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロー1,10−デカンジオール−ジアクリレート等が挙げられる。
【0057】
【実施例】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
トリフルオロエチルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルM−3F)40mol%、ヘプタデカフルオロオクチルエチアクリレート(共栄社化学社製ライトエステルFA108)50mol%、グリシジルメタクリレート10mol%の3元重合体を作製し、これにアクリル酸をグリシジルメタクリレートと同じモル量を添加しアクリル基を付加したポリマ組成物を作製し、メチルイソブチルケトンを加え50重量%溶液を得た。このポリマ組成物溶液にポリマ組成物の10mol%量の2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロー1,10−デカンジオール−ジアクリレートを添加し、さらに紫外線硬化触媒として長瀬チバ製光重合開始剤イルガキュア184をポリマ組成物に対して1.5重量%添加して溶液Aとした。
【0058】
トリフルオロエチルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルM−3F)50mol%、ヘプタデカフルオロオクチルエチアクリレート(共栄社化学社製ライトエステルFA108)40mol%、グリシジルメタクリレート10mol%の3元重合体を作製し、これにアクリル酸をグリシジルメタクリレートと同じモル量を添加しアクリル基を付加したポリマ組成物を作製し、メチルイソブチルケトンを加え50重量%溶液を得た。このポリマ組成物溶液にポリマ組成物の10mol%量の2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロー1,10−デカンジオール−ジアクリレートを添加し、さらに紫外線硬化触媒として長瀬チバ製光重合開始剤イルガキュア184をポリマ組成物に対して1.5重量%添加して溶液Bとした。
【0059】
上記溶液Aおよび溶液Bのそれぞれについて、次のようにして特性確認を行った。
【0060】
溶液Aをシリコン基板にスピンコーターで5μm厚さに塗布し、80℃で10分加熱し溶媒を除去した後、紫外線を露光し、膜を硬化させた。この膜の1.55μm屈折率をプリズムカップラで測定したところ、1.365であった。この屈折率の偏光依存性(TE波の屈折率とTM波の屈折率の差)は1x10-3以下であった。
【0061】
また、溶液Bも同様に塗布、露光を行い硬化膜を得た。この膜の1.55μm屈折率をプリズムカップラで測定したところ、1.400であった。この屈折率の偏光依存性(TE波の屈折率とTM波の屈折率の差)は1x10-3以下であった。
【0062】
次に、上記溶液Aおよび溶液Bを用いて、ポリマ光導波路の製造を行った。ポリマ光導波路形成工程を示す図1を参照しながら説明する。
【0063】
基板1の表面に、前述の溶液Aをスピンコータで20μmの厚さに塗布し、80℃で10分加熱し溶媒を除去した後、紫外線露光を行い下部クラッド12を得た。
【0064】
さらに溶液Bをスピンコータで20μmの厚さに塗布し、80℃で10分加熱し溶媒を除去してコア層3を形成した後、その上から線幅20μmの開口部を有するフォトマスク4を介して紫外線を露光した。露光後、エタノール80重量%/メチルエチルケトン20重量%の溶媒で1分浸漬し、未露光のコア層3を除去しコアパターンを形成した。5がコアである。
【0065】
コアパターンを形成した膜の上に、溶液Aをスピンコータで20μmの厚さに塗布し、80℃で10分加熱し溶媒を除去した後、紫外線露光を行い上部クラッド6を形成した。
【0066】
以上の工程を経て20μm幅のコア5を有し、8cmの光伝送路長を有するポリマ光導波路を作製した。
【0067】
この8cmの長さのポリマ光導波路を1cm毎に4cmまで切断し、8cm、7cm、6cm、5cm、4cmの各長さにおけるポリマ光導波路の光透過光の強度を測定し、作製したポリマ光導波路の光伝送路長に対する光透過光強度の傾きから平均伝送損失を求めたところ、平均伝送損失が0.2dB/cm(1.3μm)、0.5dB/cm(1.55μm)と良好であった。
(実施例2)
トリフルオロエチルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルM−3F)50mol%、ヘプタデカフルオロオクチルエチアクリレート(共栄社化学社製ライトエステルFA108)40mol%、グリシジルメタクリレート10mol%の3元重合体を作製し、これにアクリル酸をグリシジルメタクリレートの60%モル量添加しアクリル基を付加したポリマ組成物を作製し、メチルイソブチルケトンを加え50重量%溶液を得た。このポリマ組成物溶液にポリマ組成物の10mol%量の2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロー1,10−デカンジオール−ジアクリレートを添加し、残量エポキシ基モル数と同量の無水フタル酸を添加した、さらに紫外線硬化触媒として長瀬チバ製光重合開始剤イルガキュア184をポリマ組成物に対して1.5重量%添加して溶液Cとした。
【0068】
上記溶液Cについて、次のようにして特性確認を行った。
【0069】
溶液Cをシリコン基板にスピンコーターで5μm厚さに塗布し、80℃で10分加熱し溶媒を除去した後、紫外線を露光し、さらに130℃で10分後硬化し、膜を硬化させた。この膜の1.55μm屈折率をプリズムカップラで測定したところ、1.400であった。この屈折率の偏光依存性(TE波の屈折率とTM波の屈折率の差)は1x10-3以下であった。
【0070】
次に、上記溶液Aおよび溶液Cを用いて、ポリマ光導波路の製造を行った。ポリマ光導波路形成工程を示す図1を参照しながら説明する。
【0071】
基板1の表面に、前述の溶液Aをスピンコータで20μmの厚さに塗布し、80℃で10分加熱し溶媒を除去した後、紫外線露光を行い、下部クラッド2を得た。
【0072】
さらに溶液Cをスピンコータで20μmの厚さに塗布し、80℃で10分加熱し溶媒を除去してコア層3を形成した後、その上から線幅20μmの開口部を有するフォトマスク4を介して紫外線を露光した。露光後、エタノール80重量%/メチルエチルケトン20重量%の溶媒で1分浸漬し、未露光のコア層3を除去し130℃で10分加熱しコアパターンを形成した。5がコアである。
【0073】
コアパターンの形成した膜の上に、溶液Aをスピンコータで20μmの厚さに塗布し、80℃で10分加熱し溶媒を除去した後、紫外線露光を行い上部クラッド6を形成した。
【0074】
以上の工程を経て20μm幅のコア5を有し、8cmの光伝送路長を有するポリマ光導波路を作製した。
【0075】
この8cmの長さのポリマ光導波路を1cm毎に4cmまで切断し、8cm、7cm、6cm、5cm、4cmの各長さにおけるポリマ光導波路の光透過光の強度を測定し、作製したポリマ光導波路の光伝送路長に対する光透過光強度の傾きから平均伝送損失を求めたところ、0.3dB/cm(1.3μm)、0.7dB/cm(1.55μm)と良好であった。
(比較例1)
トリフルオロエチルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルM−3F)50mol%、ヘプタデカフルオロオクチルエチアクリレート(共栄社化学社製ライトエステルFA108)40mol%、グリシジルメタクリレート10mol%の3元重合体を作製し、これにアクリル酸をグリシジルメタクリレートの20%モル量添加しアクリル基を付加したポリマ組成物を作製し、メチルイソブチルケトンを加え50重量%溶液を得た。このポリマ組成物溶液にポリマ組成物の10mol%量の2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロー1,10−デカンジオール−ジアクリレートを添加し、エポキシ基残量モス数と同量の無水フタル酸を添加した、さらに紫外線硬化触媒として長瀬チバ製光重合開始剤イルガキュア184をポリマ組成物に対して1.5重量%添加して溶液Dとした。
【0076】
上記溶液Dについて、次のようにして特性確認を行った。
【0077】
溶液Dをシリコン基板にスピンコーターで5μm厚さに塗布し、80℃で10分加熱し溶媒を除去した後、紫外線を露光し、さらに130℃で10分後硬化し、膜を硬化させた。この膜の1.55μm屈折率をプリズムカップラで測定したところ、1.400であった。この屈折率の偏光依存性(TE波の屈折率とTM波の屈折率の差)は1x10-3以下であった。
【0078】
次に、上記溶液Aおよび溶液Dを用いて、ポリマ光導波路の製造を行った。ポリマ光導波路形成工程を示す図1を参照しながら説明する。
【0079】
基板1の表面に、前述の溶液Aをスピンコータで20μmの厚さに塗布し、80℃で10分加熱し溶媒を除去した後、紫外線露光を行い加熱し下部クラッド2を得た。
【0080】
さらに溶液Dをスピンコータで20μmの厚さに塗布し、80℃で10分加熱し溶媒を除去してコア層3を形成した後、その上から線幅20μmの開口部を有するフォトマスク4を介して紫外線を露光した。露光後、エタノール80重量%/メチルエチルケトン20重量%の溶媒で1分浸漬し、未露光のコア層3を除去した。この時、現像後のパターンは欠け、剥がれの異常が多くポリマ光導波路に適するコアパターンは得られなかった。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、光伝送特性および生産性に優れたポリマ光導波路およびその製造方法を提供することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ポリマ光導波路形成工程を表す模式図である。
【符号の説明】
1 基板
2 下部クラッド
3 コア層
4 フォトマスク
5 コア
6 上部クラッド
Claims (2)
- コアの外周に、当該コアの屈折率よりも低い屈折率を有するクラッドが配置され、前記コアおよび前記クラッドがポリマの材料からなるポリマ光導波路の製造方法において、
第一の化合物として、グリシジル(メタ)アクリレートを準備し、
第二の化合物として、(メタ)アクリル酸エステルを準備し、
前記第二の化合物は、化学式(a)で示される化合物と化学式(b)で示される化合物の混合物であり、前記コアと前記クラッドに屈折率差が生じるように、前記コアに用いるものと前記クラッドに用いるものとの間で、化学式(a)の化合物と化学式(b)の化合物の組成比を変化させており、
前記第一の化合物と前記第二の化合物の共重合体に、前記第一の化合物のエポキシ基のモル数の60〜100%モル量の(メタ)アクリル酸を付加反応させてポリマ組成物を作製し、このポリマ組成物を溶剤に溶解してポリマ組成物溶液を作製し、前記ポリマ組成物溶液に化学式(c)で示される化合物である多官能モノマを添加した後に該ポリマ組成物溶液を塗膜化し、その塗膜を乾燥させて溶媒を除去し、その後その塗膜にエネルギを加えて架橋反応させることにより前記コアおよび前記クラッドを形成し、
前記コアを形成する際には、前記コアとなる塗膜を形成した後、光回路パターンを有するフォトマスクを介して当該塗膜の露光を行い、当該塗膜の未露光部分を除去することによって、前記コアをパターン化することを特徴とするポリマ光導波路の製造方法。
- 前記多官能モノマは、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロー1,10−デカンジオール−ジアクリレートであることを特徴とする請求項1に記載のポリマ光導波路の製造方法。
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