JP4501460B2 - 感光性セラミックス組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、感光性セラミックス組成物に関する。本発明の感光性セラミックス組成物は、高周波無線用セラミックス多層基板などの回路材料などに用いられる。
携帯電話をはじめとする無線通信技術の普及が著しい。従来の携帯電話は800MHz〜1.5GHzの準マイクロ波帯を用いたものであったが、情報量の増大に伴い、搬送周波数をより高周波であるマイクロ波帯からミリ波帯とした無線技術が提案され、実現される状況にある。こうした高周波無線回路は、移動体通信やネットワーク機器としての応用が期待されており、中でもブルートゥース(Bluetooth)やITS(Intelligent Transport System,高度交通情報システム)での利用によってますます重要な技術となりつつある。
これらの高周波回路を実現するためには、そこで使用される基板材料も、使用波長帯、すなわち、1〜100GHzで優れた高周波伝送特性をもつ必要がある。優れた高周波伝送特性を実現するためには、低誘電率でかつ誘電損失が低いこと、加工精度が高いこと、寸法安定性がよいといった要件が必要であり、なかでもセラミックス基板が有望視されてきた。
しかしながら、これまでのセラミックス基板材料は、寸法安定性に優れているものの、微細加工度が低かったため、特に高周波領域において十分な特性を得ることができなかった。このような微細加工精度の問題を改良する方法として、感光性セラミックス組成物から形成したグリーンシートを用いたフォトリソグラフィー技術によるビアホール形成方法が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。しかしながら、この方法では高アスペクト比のビアホール形成に限界があった。その理由はフォトリソ加工時の紫外線が乱反射し深部まで届かないことであった。
そこでこれらの課題を解決する方法として、シートに含有されるセラミックス粒子の平均粒子径を紫外線の波長より小さくすることが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。この方法により光透過率を向上させ、シートの深部まで紫外線が到達することで高アスペクト比のビアホール形成が可能になるものである。
しかしながら、市場のニーズの変化からさらに高アスペクト比のビアホール形成が要求されるようになり、シートの光透過率をより一層向上させる必要が生じてきた。従来の方法では、無機微粒子の分散が不十分な場合には一部凝集がおこり、紫外線の波長より大きい粒子が存在し、これがシートの透過率を低下させる原因となっていた。より光透過率の高いシートを得るためには、無機微粒子の分散を向上させる必要があった。
特開平6−202323号公報 特開2003−315996号公報 特開2002−162735号公報
フォトリソグラフィー法を用いた高アスペクト比かつ高精細のビアホール形成を可能にするためには、微細なセラミックス粉末が均一に分散され、シートの光透過率が良好であることが必要である。本発明は、それらに対応した感光性セラミックス組成物を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、無機成分と感光性有機成分を必須成分とする感光性セラミックス組成物において、無機成分が平均粒子径40nm〜300nmの無機微粒子を含有し、かつ感光性有機成分が一般式(1)で表されるモノマーと一般式(2)で表されるウレタン化合物を含有することを特徴とする感光性セラミックス組成物により課題を解決するものである。
CH=CR−COO−(RO)n−OC−RC=CH(1)
(ここでR、Rは水素、メチル基のいずれかであり、Rはエチレン基である。nは1〜15の自然数。)
−(R−(RO)l)m−R−R (2)
(RおよびRはエチレン性不飽和基を含む置換基、水素、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基およびヒドロキシアラルキル基からなる群から選ばれたものであり、それぞれ同じであっても異なっていても良い。Rはアルキレン基、Rはウレタン結合を含む有機基である。lは1〜200の自然数。mは1〜10の自然数。)
本発明の感光性セラミックス組成物により、無機微粒子の分散状態が良好となり、高透過率のシートを得ることができる。
本発明の感光性セラミックス組成物は、無機成分と感光性有機成分を必須成分とする感光性セラミックス組成物において、無機成分が平均粒子径40nm〜300nmの無機微粒子を含有し、かつ感光性有機成分が一般式(1)で表されるモノマーと一般式(2)で表されるウレタン化合物を含有することを特徴とする感光性セラミックス組成物である。
CH=CR−COO−(RO)n−OC−RC=CH(1)
(ここでR、Rは水素、メチル基のいずれかであり、Rはエチレン基である。nは1〜15の自然数。)
−(R−(RO)l)m−R−R (2)
(RおよびRはエチレン性不飽和基を含む置換基、水素、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基およびヒドロキシアラルキル基からなる群から選ばれたものであり、それぞれ同じであっても異なっていても良い。Rはアルキレン基、Rはウレタン結合を含む有機基である。lは1〜200の自然数。mは1〜10の自然数。)
本発明において、感光性セラミックス組成物は無機成分と感光性有機成分からなる。無機成分は少なくとも1種類以上の無機微粒子を必須成分とする。無機微粒子の平均粒子径は40〜300nmであるが、40〜150nmがより好ましい。このような大きさの無機微粒子を用いることによって、低温焼成を可能にし、焼結性を高めて緻密で機械的強度の高い焼結体を得ることができる。また、露光時の光を散乱して露光特性に障害を与えることがない。300nmを超える平均粒子径では紫外線が深部まで届かないため、パターンを形成することができない。一方40nm未満の無機微粒子は容易に2次凝集を引き起こすため、取り扱いが困難である。無機微粒子としてはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、イットリア、セリアなどが挙げられる。特にアルミナが好ましく用いられるが、複数種の成分を混合して用いても良い。無機微粒子の含有量は感光性セラミックス組成物に対して5重量%〜90重量%が好ましく、さらに20重量%〜90重量%がより好ましい。無機微粒子の含有量を5重量%以上とすることで、焼成後のシート誘電率特性を所望のものとすることができ、90重量%以下とすることで、シートの光透過性が高く、フォトリソ加工性が良好となる。また、本発明の感光性セラミックス組成物は、無機成分として金属、金属酸化物、ガラス、その他無機粉末を含有してもよい。ガラス粉末は超高圧水銀灯などの光を透過する為、平均粒子径が規制されるものではない。また本発明のセラミックス組成物に含有される無機成分は焼成工程において焼結するものであり、本発明の目的とする基板形成では、1000℃以下、特に700〜900℃の温度での焼成が好ましいので、いわゆる低温焼成無機粉末が好ましい。もちろん、これらの無機成分が基板の電気的特性、強度、熱膨張係数などの基本物性を決めるものであるため、目的とする特性に応じて選択されるものである。
無機成分はフィラー成分を含むことが可能であり、フィラー成分として前記の通りセラミックス粉末が用いられることが多く、基板の機械的強度の向上や熱膨張係数を制御するのに有効である。特に、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、アノーサイトはその効果が優れている。これらのセラミックス粉末の混合により、焼成温度を800〜900℃とし、強度、誘電率、熱膨張係数、焼結密度、体積固有抵抗、収縮率を所望の特性とすることができる。
感光性セラミックス組成物においてパターン形成性を高いレベルに保持するためには、無機成分と感光性有機成分との屈折率を整合させることが重要である。無機成分の屈折率は組成の配合比で制御することが可能であり、配合する感光性有機成分の平均屈折率との整合をとるように配慮することが好ましい。場合によっては、感光性有機成分の屈折率を高める手段を用いることもあり、その場合には、硫黄原子、臭素原子、沃素原子、ナフタレン環、ビフェニル環、アントラセン環、カルバゾール環の群から選ばれた基を有する化合物を20重量%以上含有させるなどの方法を適用することができる。
本発明の無機成分は、Cu、Ag、Auなどを配線導体として多層化が可能な600〜900℃での焼成が可能であるとともに、GaAsなどのチップ部品やプリント基板の熱膨張係数と近似した熱膨張係数を有し、高周波領域においても低誘電率でかつ誘電損失が低い基板を与えるものであることが好ましい。
感光性セラミックス組成物に含有される感光性有機成分は、一般式(1)で表されるモノマーを含有する。
CH=CR−COO−(RO)n−OC−RC=CH(1)
(ここでR、Rは水素、メチル基のいずれかであり、Rはエチレン基である。nは1〜15の自然数。)
このモノマーを添加することで無機微粒子が良分散し、シートの光透過率が向上し、より微細な加工が可能となる。また、エチレンオキサイドは易分解性であり、低温で脱バインダーするため、焼成欠陥が発生しにくい。
は無機微粒子の分散性の観点から、エチレン基が好ましい。エチレン基であることにより分子の極性が増加し、無機微粒子との親和性が良好となるため、無機微粒子の分散がさらに向上する。また、本発明において繰り返し単位nはモノマーの取扱い性や無機微粒子の観点から1〜15であるが、さらに、繰り返し単位nは5〜12がより好ましい。nを5以上とすることで、皮膚刺激性を抑制し、nを12以下とすることでモノマーの粘度を下げて取り扱いがさらに容易となる。このような化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(4量体〜15量体)などが挙げられる。
一般式(1)で表されるモノマー含有量は、感光性セラミックス組成物に対して、0.1重量%〜10重量%の範囲が好ましく、より好ましくは2〜10重量%である。モノマー含有量をこの範囲とすることで、光硬化後の架橋密度を所望の範囲にすることができる。
本発明の感光性セラミックス組成物は、上記化合物のほかに種々のエチレン性不飽和基を有するモノマーを組み合わせて用いることができる。エチレン性不飽和基を有するモノマーの例として、1個以上の光重合可能な不飽和基、例えば(メタ)アクリレート基またはアリル基などを有するモノマーなどが挙げられる。これらの具体例としては、アルコール類(例えばエタノール、プロパノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)とアクリル酸(またはメタクリル酸)とのエステル、カルボン酸(例えば酢酸、プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸など)とアクリル酸グリシジル(あるいは、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジル、またはテトラグリシジルメタキシリレンジアミン)との反応生成物、アミド誘導体(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドなど)、エポキシ化合物とアクリル酸(またはメタクリル酸)との反応物などを挙げることができる。また、エチレン性不飽和基を有するモノマーは、多官能モノマーであっても良く、その場合において、不飽和基は、アクリル、メタクリル、ビニル、アリル基が混合して存在してもよい。これらは単独で用いてもよく、また組み合わせて用いてもよい。
本発明の感光性セラミックス組成物は、さらに一般式(2)で表されるウレタン化合物を含有する。ウレタン化合物を含有することにより、焼成時の収縮応力を緩和し、焼成欠陥を低減することができる。
本発明で使用するウレタン化合物の分子量は、1500〜50000であることが好ましい。なお、ここでいう分子量とは、重量平均分子量のことである。1500以上とすることでウレタン化合物の柔軟性を保ち、焼成欠陥をさらに減少させることができる。50000以下とすることでウレタン化合物の粘度を下げ、取り扱いを容易にすることができる。
本発明で使用するウレタン化合物は、下記一般式(2)で示される化合物である。
−(R−(RO)l)m−R−R(2)
(RおよびRはエチレン性不飽和基を含む置換基、水素、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基およびヒドロキシアラルキル基からなる群から選ばれたものであり、それぞれ同じであっても異なっていても良い。Rはアルキレン基、Rはウレタン結合を含む有機基である。lは1〜200の自然数。mは1〜10の自然数。)
ウレタン化合物はエチレンオキサイド単位を含むことが好ましい。より好ましくは、一般式(2)中、(RO)lがエチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位を含むオリゴマーであることであり、かつ、該オリゴマー中のエチレンオキサイド単位含有量が8〜70重量%の範囲内であることである。エチレンオキサイド単位含有量が70重量%以下であることにより、柔軟性が向上し、焼成時の収縮応力を小さくできるため、焼成欠陥を効果的に抑制できる。さらに、熱分解性が向上し、パターン形成後の焼成工程において、焼成残渣が発生しにくくなる。また、エチレンオキサイド単位含有量が8%以上であることにより、他の有機成分との相溶性が向上する。
7のウレタン結合を含む有機基はジイソシアネート基とヒドロキシル基の縮合によって生成されることが好ましい。ここで用いるジイソシアネート基を有する成分としては、1,4−ジイソシアネートブタン、1,6−ジイソシアネートヘキサンなどの脂肪族ジイソシアネート化合物、1,4−フェニレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物または1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート化合物などを挙げることができる。脂環式イソシアネート化合物を用いることがより好ましく、特にイソフォロンジイソシアネートを用いたものが好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明で用いられるウレタン化合物の具体例としては、“UA−2235PE”(分子量18000,EO含有率20%)、“UA−3238PE”(分子量19000,EO含有率10%)、“UA−3348PE”(分子量22000,EO含有率15%)、“UA−2349PE”(分子量27000,EO含有率7%)、“UA−5348PE”(分子量39000,EO含有率23%)(以上、新中村化学(株)製)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これらの化合物は混合して用いてもよい。
ウレタン化合物の含有量は、感光性セラミックス組成物中の0.1〜10重量%であることが好ましい。含有量を0.1重量%以上とすることで焼成欠陥低減に高い効果が得られる。10重量%以下とすることで、感光性セラミックス組成物の光硬化性と現像性を確保することができる。
本発明の感光性セラミックス組成物は、感光性及び/または非感光性ポリマーを含有することが好ましい。
感光性ポリマーは光硬化性を主体としているが、光可溶性のポリマー組成でも良い。ポリマーのTg(ガラス転移温度)は、−60℃〜30℃の範囲が好ましく、−40℃〜30℃の範囲がさらに好ましい。Tgを−60℃以上とすることで、乾燥後シートのべたつきを抑え、プロセス適合性の良いシートを得ることができる。Tgを30℃以下とすることで、シートの柔軟性が向上し、シートの割れかけなどの発生を抑制することができる。このようなポリマーの含有量は感光性セラミックス組成物に対して3重量%〜30重量%で、好ましくは3重量%〜20重量%である。ここで言うポリマーとは例えば、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、マレイン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ロジンなどを挙げることができる。また感光性ポリマーとしては、側鎖にカルボキシ基を有するポリマー、またはエチレン性不飽和基を有するポリマー、さらには側鎖にカルボキシ基とエチレン性不飽和基を有するポリマーなどがあり、アクリル系共重合ポリマーが一般的である。または上記各種樹脂をブレンドすることによって無機微粒子の分散特性を最適化することも可能である。アクリル系共重合ポリマーの共重合成分は、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート、また、これらの芳香環の水素原子のうち、1〜5個を塩素または臭素原子に置換したモノマー、もしくは、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボシキメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾール、および、上記化合物の分子内のアクリレートを一部もしくはすべてをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
これら以外に、不飽和カルボン酸などの不飽和酸を加えることによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などのモノマーを選択し、光開始剤を用いて重合させることにより得られるが、これらの成分を重合して得られたアクリル系共重合ポリマーのTgが−60℃〜30℃の範囲となるように、モノマー成分と共重合比率を選択することが好ましい。また側鎖にカルボキシル基を有する重合体を含有することは、アルカリ現像を可能にするために好ましく、そのためには重合体の酸価は50〜140(mgKOH/g)であることが好ましい。酸価を140以下とすることで、現像許容幅を広くすることができ、酸価を50以上とすることで、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が保持され、高精細なパターンを得ることができる。また側鎖にエチレン性不飽和基を有することでさらに現像許容幅が広くなり、より高精細なパターンを得ることができる。
本発明の感光性セラミックス組成物は、さらに光開始剤を含有することが好ましい。光開始剤は1種類または複数種混合で使用され、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4、4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホルフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組合せなどがあげられる。光開始剤の添加量は、感光性ポリマー、モノマーなどの反応性成分に対し、0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜5重量%である。光開始剤の量が少なすぎると、光感度が不良となり、多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
その他添加剤として、有機染料からなる紫外線吸光剤を添加することも有効である。紫外線吸収効果の高い吸光剤を添加することによって高アスペクト比、高精細、高解像度のシートが得られる。紫外線吸光剤としては有機系染料からなるものが用いられ、中でも300〜450nmの波長範囲で高UV吸収係数を有する有機系染料が好ましく用いられる。具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アミノケトン系染料、アントラキノン系、ベンゾフェノン系、ジフェニルシアノアクリレート系、トリアジン系、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は吸光剤として添加した場合にも、焼成後の絶縁膜中に残存しないで吸光剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でもアゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。有機染料の添加量は、感光性セラミックス組成物に対し0.01〜5重量%が好ましい。0.01重量%以上とすることで紫外線吸光剤の添加効果が得られ、5重量%以下とすることで焼成後残渣の影響を低減することができる。より好ましくは0.05〜2重量%である。有機染料からなる紫外線吸光剤の添加方法の一例を挙げると、有機染料を予め有機溶媒に溶解した溶液を作製し、次に該有機溶媒中に無機成分を混合後、乾燥することによってできる。この方法によって無機成分の個々の粉末表面に有機の膜をコートしたいわゆるカプセル状の粉末が作製できる。
本発明において、無機成分にPb、Fe、Cd、Mn、Co、Mgなどの金属およびその酸化物が含まれる場合、有機成分中に含有する反応性成分と反応するために、無機成分と有機成分の混合物(シートスラリー)が短時間でゲル化し、シート成形できなくなる場合がある。このような反応を防止するために安定化剤を添加してゲル化を防止することが好ましい。安定化剤としては、トリアゾール化合物が好ましく用いられる。トリアゾール化合物の中でも特にベンゾトリアゾールが有効に作用する。本発明において使用されるベンゾトリアゾールによるガラス粉末の表面処理の一例を挙げると、ガラス粉末に対して所定の量のベンゾトリアゾールを酢酸メチル、酢酸エチル、エチルアルコール、メチルアルコールなどの有機溶媒に溶解した後、ガラス粉末を十分に浸すことができるように溶液中に1〜24時間浸漬する。浸漬後、好ましくは20〜30℃で自然乾燥して溶媒を蒸発させてトリアゾール処理を行った粉末を調製する。使用される安定化剤の割合(安定化剤/無機成分)は0.05〜5重量%が好ましい。
本発明において、感度を向上させるために増感剤を添加してもよい。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4、−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオ−テトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオ−テトラゾールなどが挙げられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。なお、増感剤の中には光開始剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明の感光性セラミックス組成物に添加する場合、その添加量は反応性成分に対して通常0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%である。増感剤の量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
また、保存時の熱安定性を向上させるために重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤の具体的な例としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノエステル化物、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−フェニルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール、クロラニール、ピロガロールなどが挙げられる。重合禁止剤を添加する場合、その添加量は、感光性セラミックス組成物中に、通常、0.001〜1重量%である。
また、保存時におけるアクリル系共重合体の酸化を防ぐために酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤の具体的な例として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコ−ルエステル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフェニルホスファイトなどが挙げられる。酸化防止剤を添加する場合、その添加量は、感光性セラミックス組成物中に、通常、0.001〜1重量%である。
本発明の感光性セラミックス組成物には、シートスラリーの粘度を調整したい場合、溶媒を加えてもよい。このとき使用される有機溶媒としては、メチルセルソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、3−メチル3−メトキシブタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が挙げられる。
本発明の感光性セラミックス組成物は次のようにして調合およびシート化することができる。まず感光性有機成分として一般式(1)で表されるモノマー、および必要に応じて側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する重合体、ウレタン化合物、光開始剤、溶媒や各種添加剤を混合した後、濾過し、有機ビヒクルを調製する。これに、必要に応じて前処理された無機成分を添加し、ボールミルなどの混練機で均質に混合・分散して感光性セラミックス組成物のスラリーまたはペーストを作製する。このスラリーまたはペーストの粘度は無機成分と有機成分の配合比、溶媒の量、その他添加剤の添加割合によって適宜調整されるが、その範囲は1〜5Pa・sが好ましい。得られたペーストをドクターブレード法、押し出し成形法などの一般的な方法でポリエステルなどのフィルム上に厚さ0.05〜0.5mmに連続的に成形し、溶媒を乾燥除去することにより、感光性セラミックス組成物であるグリーンシートが得られる。ビアホールは、この感光性セラミックス組成物であるグリーンシートに対して、ビアホール形成用パターンを有するフォトマスクを通したパターン露光を行い、アルカリ水溶液で現像することによって形成される。露光に用いる光源は超高圧水銀灯が最も好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。露光条件はグリーンシートの厚みによって異なり、5〜100mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて5秒〜30分間露光を行う。なおビアホール形成と同じ手法でシート積層時のアライメント用ガイド孔を形成しておくことができる。アルカリ水溶液とは、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機アルカリ水溶液などをあげることができる。アルカリ水溶液の濃度は通常0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%である。アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が完全に除去されず、アルカリ濃度が高すぎれば、露光部のパターンを剥離させたり、侵食したりするおそれがある。現像時の温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。現像方法としては、一般的な浸漬法、スプレー法が用いられる。また、超音波を併用して現像時間の短縮や現像ムラの減少化を図る方法もある。
このようにして、焼成前の厚みが10〜500μm、最密なビアホールパターン部分がビアホール直径20〜200μm、ビアホールピッチ30〜250μmのシートを作製することができる。本発明は無機微粒子の分散状態が良好なため光透過率が高く、高精細なパターンの形成性が向上することを特徴とする。
感光性セラミックス組成物から形成されたグリーンシートの焼成を行う場合、グリーンシートの上面および下面に難焼結性のセラミックスシートを積層して焼成してもよい。それによって、厚み方向のみ収縮させ、X−Y平面にはほぼ無収縮となるようにできるが、X−Y平面方向の焼成収縮率が1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。
難焼結性のセラミックスとは、基板焼結温度では焼結しないセラミックス粉末で、アモルファスシリカ、石英、アルミナ、マグネシア、ヘマタイト、チタン酸バリウムおよび窒化硼素などから選択して用いることができる。これらの材料から得られるシートは、ダミー用グリーンシートまたは拘束シートなどと称せられる。このシートには、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムなどの酸化剤やガラス・セラミックスグリーンシートとの密着性改良材となる酸化物粉末が1〜5重量%添加されることが好ましい。このような難焼結性のセラミックスシートの例としては、アルミナ粉末にポリビニルブチラール、ジオクチルフタレート、適当な酸化物、溶媒などを加えて、ドクターブレード法によってシート状に形成したものをあげることができる。
グリーンシートの上下の面に拘束シートを配置した状態での焼成工程によりX−Y平面方向の収縮は制限されるが、組成物の成分や配合組成、焼成時の諸条件により不可避の収縮が存在する。収縮率を1%以下に抑制できるならば、ほぼ無収縮を達成したものと考えることができるが、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下に抑制することが好ましい。このような条件はスクリーン印刷などで形成した塗布膜にも適用(セラミックスなどからなる基板に感光性セラミックス組成物のペーストを塗布する手法であり、一般的には、前記基板はそのまま残り完成品の一部を構成する)することが可能であり、塗布膜の場合には、膜の下面には既に基板が存在しているので、膜の上面に拘束シートを配した状態で実施することができる。
次に必要な枚数の配線パターンが形成されたシートをガイド孔を用いて積み重ね、80〜150℃の温度で5〜25MPaの圧力で接着し、多層シートを作製する。このグリーンシート積層体の両面に、このグリーンシートの焼結温度では実質的に焼結収縮を示さない無機組成物(例:アルミナやジルコニア)を主成分とする拘束シートを積層配置し、作製したグリーンシート多層体を焼成処理し、その後、この拘束シートを取り除く無収縮焼成を行って目的とする多層基板を作製することができる。焼成は焼成炉において行う。焼成雰囲気や温度は感光性セラミックス組成物中の無機成分や有機成分の種類によって異なるが、空気中、窒素雰囲気中、または水素還元雰囲気中で焼成する。本発明の感光性セラミックス組成物の焼成は600〜950℃の温度で行う。このようにして得られたセラミックス多層基板は高周波回路用基板として用いられる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、濃度(%)は特に断らない限り重量%である。実施例に用いた無機成分および有機成分は次の通りである。
A.無機成分
無機成分I:
アルミナ50%+ガラス粉末50%の複合セラミックス
アルミナ:平均粒子径40nm
ガラス粉末の組成:Al23(10.8%)、SiO2(51.5%)、PbO(15.6%)、CaO(7.1%)、MgO(2.86%)、Na2O(3%)、K2O(2%)、B23(5.3%)
ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張係数60.5×10-7/K、誘電率8.0(1MHZ)、平均粒子径2μm
無機成分II:
シリカ50%+ガラス粉末50%の複合セラミックス
シリカ:平均粒子径150nm
ガラス粉末の組成:Al23(10.8%)、SiO2(51.5%)、PbO(15.6%)、CaO(7.1%)、MgO(2.86%)、Na2O(3%)、K2O(2%)、B23(5.3%)
ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張係数60.5×10-7/K、誘電率8.0(1MHZ)、平均粒子径2μm
無機成分III:“NKX−592J”(日本フェロー株式会社製)
アルミナ50%+ガラス粉末50%との複合セラミックス
アルミナ:平均粒子径2.5μm
ガラス粉末:平均粒子径4.8μm
ガラス粉末の組成:Al23−B23−SiO2−CaO系ガラス
ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張係数60.5×10-7/K、誘電率8.0(1MHZ)、平均粒子径2μm
B.感光性有機成分
ポリマー:2−エチルヘキシルアクリレート70%、アクリル酸30%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応したものであり、重量平均分子量16,000、酸価110(mgKOH/g)
モノマーI:東亞合成(株)アロニックス“M−240”(CH2=CHCOO−(C24O)4−COCH=CH2
モノマーII:東亞合成(株)アロニックス“M−245”(CH2=CHCOO−(C24O)9−COCH=CH2
モノマーIII:東亞合成(株)アロニックス“M−260”(CH2=CHCOO−(C24O)1314−COCH=CH2
モノマーIV:日本油脂(株)ブレンマー“PDP−400”(CH2=C(CH3)COO−(C36O)9−COC(CH3)=CH2
モノマーV:新中村化学工業(株)NKエステル“23G”(CH2=C(CH3)COO−(C24O)23−COC(CH3)=CH2
ウレタン化合物:新中村化学工業(株)NKオリゴ“UA−2235PE”分子量20000,EO/PO=40%/60%
光開始剤:チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ“IC819”(2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタノン−1)
添加剤:p−メトキシフェノール
溶剤:クラレ(株)“ソルフィット”
C.有機ビヒクルの調製
溶媒およびポリマーを混合し、撹拌しながら60℃に加熱し、すべてのポリマーを溶解させた。溶液を室温まで冷却し、モノマー、光開始剤を加えて溶解させ、有機ビヒクルを調製した。各々の添加量を表1に示す。
D.ペースト調製
上記の有機ビヒクルに無機成分を混合し、三本ロールで5回通しでスラリーまたはペーストとした。有機ビヒクル中の感光性有機成分を合わせた30重量部に対して無機成分の量は70重量部とした。
E.グリーンシートの作製
成形は紫外線を遮断した室内でポリエステルのキャリアフィルムとブレードとの間隔を0.1〜0.8mmとし、成形速度0.2m/分でドクターブレード法によって行った。シートの厚みは100μmであった。
F.ビアホ−ルの形成
グリーンシートを100mm角に切断した後、温度80℃で1時間乾燥し、溶媒を蒸発させた。ビア径30〜100μm、ビアホールピッチ500μmのクロムマスクを用いて、シートの上面から15〜25mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いてシートとマスクの間を密着条件下で、1分間パターン露光した。次に、25℃に保持した0.5重量%モノエタノールアミンの水溶液により現像し、その後、スプレーを用いてビアホールを水洗浄した。
G.焼成時に用いる拘束シートの作製
アルミナ粉末またはジルコニア粉末またはマグネシア粉末にポリビニルブチラール、ジオクチルフタレート、有機溶媒など加えて、ドクターブレード法によってシート上に作製したものを用いた。
H.多層基板の作製
本発明の感光性セラミックス組成物からなるグリーンシートを5〜6枚積層し、上下に無収縮焼成のための拘束シートを配置し、80℃でプレス圧力15MPaにて熱圧着した。得られた多層体を空気中で、900℃の温度で30分間焼成して、多層基板を作製した。
I.全光線透過率の測定
ヘイズコンピューター(スガ試験機製)で全光線透過率を測定した。50μmの上下の膜厚の異なる3種類のシートで測定し、50μmの直進透過率、全光線透過率を求め、その比から正規透過率を算出した。
J.割れ欠け評価
焼成前の積層プレスまでの工程で割れや欠けについて評価し、無傷を○、微小な傷または割れが発生を△、明らかに確認される傷または割れが発生を×として評価した。
(実施例1)
無機成分として無機成分I(70%)を、感光性有機成分としてポリマー(15%)、モノマーI(5%)、ウレタン化合物(5%)、光開始剤(1%)、溶剤(4%)を用い、厚み100μmのグリーンシートを作製した。得られたシートの透過率を測定した結果を表1に示す。フォトリソ法でビアホールを形成したところ、80μmおよび100μmのビアホールが形成できた。アルミナ拘束シートとともに積層プレスを行ったところ、600℃、30分間焼成して得られた多層白基板に亀裂は見られなかった。また、焼成前の貼り合わせ工程での破損もなく加工性は良好であった。しかし、モノマーIの皮膚刺激性が強いため、手がかぶれた。
(実施例2)
モノマーとしてモノマーIIを用いた以外は、実施例1を繰り返した。得られたシートの透過率、パターン加工性は良好で、焼成欠陥も発生しなかった。
(実施例3)
無機成分として無機成分IIを、モノマーとしてモノマーIIIを用いた以外は、実施例1を繰り返した。得られたシートの透過率、パターン加工性は良好で、焼成欠陥も発生しなかった。
比較例1
モノマーとしてモノマーIVを用いた以外は、実施例1を繰り返した。得られたシートの透過率、パターン加工性は良好で、焼成欠陥も発生しなかった。
比較例2
ウレタン化合物をモノマーIIに置き換えた以外は、実施例2を繰り返した。得られたシートの透過率、パターン加工性は良好であった。焼成後に微少な傷が見られたが、大きな焼成欠陥は発生しなかった。
(比較例
実施例2において、モノマーIIをモノマーVとする以外は同様の組成、試作操作を繰り返し、厚み100μmのグリーンシートを得た。モノマーVは室温において固形ワックスであり、取り扱いが困難であった。得られたシートの透過率が低いため光硬化不十分であり、80μmビアホールの形状が欠けていて悪かった。
(比較例
実施例2において、無機成分Iを無機成分IIIとする以外は同様の組成、試験操作を繰り返し、厚み100μmのグリーンシートを得た。シートの透過率が非常に低下し、厚み100μmのグリーンシートで100μmのビアホールを形成することができなかった。
これらの結果を表1にまとめる。
Figure 0004501460

Claims (4)

  1. 無機成分と感光性有機成分を必須成分とする感光性セラミックス組成物において、無機成分が平均粒子径40nm〜300nmの無機微粒子を含有し、かつ感光性有機成分が一般式(1)で表されるモノマーと一般式(2)で表されるウレタン化合物を含有することを特徴とする感光性セラミックス組成物。
    CH=CR−COO−(RO)n−OC−RC=CH(1)
    (ここでR、Rは水素、メチル基のいずれかであり、Rはエチレン基である。nは1〜15の自然数。)
    −(R−(RO)l)m−R−R (2)
    (RおよびRはエチレン性不飽和基を含む置換基、水素、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基およびヒドロキシアラルキル基からなる群から選ばれたものであり、それぞれ同じであっても異なっていても良い。Rはアルキレン基、Rはウレタン結合を含む有機基である。lは1〜200の自然数。mは1〜10の自然数。)
  2. 一般式(1)で表される化合物を0.1重量%〜10重量%含有し、かつ一般式(2)で表されるウレタン化合物を0.1重量%〜10重量%含有することを特徴とする請求項1記載の感光性セラミックス組成物。
  3. 無機微粒子がアルミナであることを特徴とする請求項1または2記載の感光性セラミックス組成物。
  4. 平均粒子径が40nm〜00nmの無機微粒子を5重量%〜90重量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の感光性セラミックス組成物。
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