JP4498817B2 - 元素濃度測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子線を用いた元素濃度測定装置に関する。
試料に含有された元素の当該試料内での濃度を測定する装置として、電子プローブマイクロアナライザ(以下、EPMAという)が知られている。このような装置を用いた試料中での元素の濃度測定方法(濃度分析方法)として、特開昭61−70444号公報(以下、特許文献1という)に記載された濃度測定方法が知られている。以下に、当該特許文献1に記載された濃度測定方法について、図面を用いて説明する。
特許文献1に記載された濃度測定方法では、EPMAの構成を有する分析装置(当該特許文献1中では、電子線微小分析装置という)を用いている。この分析装置は、図4に示すように構成されており、電子線101は図示しない対物レンズ(コンデンサレンズ)により試料102の表面上に集束された状態で照射される。当該試料102は、試料ステージ(図示せず)に載置されている。そして、当該試料ステージの移動によって、試料102は電子線101により2次元的に走査される。なお、試料ステージの移動を止めて、試料102の位置を適宜固定することにより、電子線101を試料102上の所定箇所に固定した状態でスポット照射させることもできる。
電子線101が試料102を照射した際には、照射された試料102上での分析点(測定点)から特性X線104が発生し、この特性X線104は分光結晶103により分光される。分光結晶103により分光された特性X線104は、X線検出器105によって検出される。
X線検出器105は、検出した特性X線105の特性X線強度に応じた電気信号(パルス信号)を出力する。当該電気信号は、X線計測回路106により特性X線強度として計数され、演算制御装置107を介して記憶装置108における試料102上での各分析点に対応した記憶領域に記憶される。これにより、試料102上での各分析点の元素濃度を求めることができる。
そして、演算制御装置107には表示装置109が接続されており、試料102上での各分析点の元素濃度を表す濃度マップが表示装置109によって表示される。
このような分析装置を用いることにより、試料に含有された元素の当該試料中における濃度を求めることができる。
特開昭61−70444号公報
上述のEPMAを用いた試料中での元素の濃度測定において、所定の濃度測定下限値を設定して濃度測定を行うことがある。この場合、電子線の照射電流値が決められているときにおいて、設定された濃度測定下限値に対応する測定時間についての適切な指針が確立されてなく、装置を操作するオペレータの経験によって当該測定時間が決められていた。そのため、測定時間が不足した状態で濃度測定が行われたり、測定時間が不要に長い状態で濃度測定が行われたりすることがあった。
また、測定時間が決められているときにおいて、設定された濃度測定下限値に対応する電子線の照射電流値についての適切な指針が確立されてなく、オペレータの経験によって当該照射電流値が決められていた。そのため、電子線の照射電流が少ない状態で濃度測定が行われたり、当該照射電流が多い状態で濃度測定が行われることがあった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、所定の濃度測定下限値が設定された元素濃度測定を行う際に、適切な測定時間もしくは電子線の照射電流値を演算により求め、これにより精度の高い測定を効率良く行うことができる元素濃度測定装置を提供することを目的とする。
本発明に基づく第1の元素濃度測定装置は、試料に電子線を照射し、試料に含有された元素に対応して発生する特性X線を検出し、これにより試料中での当該元素の濃度を測定する元素濃度測定装置であって、入力部と、測定条件を算出するとともに測定動作を制御する演算制御部とを備え、該演算制御部が、当該元素の標準試料に関するデータと分析対象試料の元素濃度測定時における電子線の照射電流値に対応するバックグラウンド強度を導出する比例係数とにより求められた演算式に対して、入力部から入力された電子線の照射電流値を適用することにより、所定の濃度測定下限値に応じた測定時間を算出することを特徴とする。
また、本発明に基づく第2の元素濃度測定装置は、試料に電子線を照射し、試料に含有された元素に対応して発生する特性X線を検出し、これにより試料中での当該元素の濃度を測定する元素濃度測定装置であって、入力部と、測定条件を算出するとともに測定動作を制御する演算制御部とを備え、該演算制御部が、当該元素の標準試料に関するデータと分析対象試料の元素濃度測定時における電子線の照射電流値に対応するバックグラウンド強度を導出する比例係数とにより求められた演算式に対して、入力部から入力された測定時間を適用することにより、所定の濃度測定下限値に応じた電子線の照射電流値を算出することを特徴とする。
本発明に基づく第1の元素濃度測定装置においては、演算制御部が、所定の濃度測定下限値に応じた測定時間を、当該元素の標準試料に関するデータと分析対象試料の元素濃度測定時における電子線の照射電流値に対応するバックグラウンド強度を導出する比例係数とにより求められた演算式に対して、入力部から入力された電子線の照射電流値を適用することにより算出し、当該測定時間に基づいて測定を実行することとなる。よって、測定時間を当該濃度測定下限値に応じて適切に決めることができ、精度の高い測定を効率良く行うことができる。
また、本発明に基づく第2の元素濃度測定装置は、演算制御部が、所定の濃度測定下限値に応じた電子線の照射電流値を、当該元素の標準試料に関するデータと分析対象試料の元素濃度測定時における電子線の照射電流値に対応するバックグラウンド強度を導出する比例係数とにより求められた演算式に対して、入力部から入力された測定時間を適用することにより算出し、当該照射電流値に基づいて測定を実行することとなる。よって、電子線の照射電流値を当該濃度測定下限値に応じて適切に決めることができ、精度の高い測定を効率良く行うことができる。

以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に基づく元素濃度測定装置の例を示す概略構成図である。この元素濃度測定装置は、EPMAの構成を備えている。
同図において、1は電子銃であり、この電子銃1からは電子線6が加速されて放出される。電子銃1から放出された電子線6は、集束レンズ2及び対物レンズ4により試料7上に細く集束される。これにより、電子線6は、試料7上において電子プローブとなる。このとき、走査コイル3によって電子線6は適宜偏向される。これにより、電子線6は、試料7上の所定領域を分析領域として走査することもできるし、また試料7上の一点を分析点として固定してスポット照射することもできる。
電子線6が照射された試料7からは、試料7に含まれた元素に対応して特性X線8が発生する。この特性X線8は、分光結晶9によって分光され、分光後の特性X線8はX線検出器11により検出される。ここで、分光結晶9は、例えばTAP等が用いられる。
X線検出器11は、検出した特性X線8の特性X線強度に応じた検出信号(パルス信号)を出力する。X線検出器11からの検出信号は処理部17において計数され、その計数データは特性X線強度として演算制御部18に送られる。
電子銃1、集束レンズ2、走査コイル3、及び対物レンズ4は、元素濃度測定装置を構成する鏡筒12内に配置されている。また、試料7は、鏡筒12の下方に位置する試料室13内に配置された試料ステージ機構5に載置されている。
鏡筒12と試料室13は、それぞれ図示しない排気手段によって内部が排気されて真空引きされる。そして、電子ビーム6が試料7に照射される際には、鏡筒12内及び試料室13内は、それぞれ所定の真空度に真空引きされる。
鏡筒12内の集束レンズ2、走査コイル3、及び対物レンズ4によって電子光学系23が構成されている。そして、電子銃1及び電子光学系23は、駆動部14によってそれぞれ駆動される。
分光結晶9とX線検出器11は、駆動機構10に取り付けられている。この駆動機構10によって分光結晶9及びX線検出器11は、それぞれ所定の方向に移動することとなる。そして、駆動機構10は、駆動部15によって駆動される。
試料7を載置する試料ステージ機構5は、駆動部16によって駆動される。これにより、試料7は、水平方向、垂直方向、傾斜方向、及び回転方向に移動することとなる。
上記各駆動部14〜16及び処理部17は、演算制御部18に接続されている。さらに、この演算制御部18には記憶部19が接続されている。これら各駆動部14〜16、処理部17、演算制御部18、及び記憶部19は、制御システム20を構成している。
ここで、演算制御部18は、元素濃度測定装置の各構成要素の制御を行うことにより測定動作を制御するとともに、当該制御を実行する上で必要となる演算等を行う。また、記憶部19には、電子光学系23を駆動するための駆動条件や、後述する演算式(関数)等が記憶されている。
また、演算制御部18には、表示部21及び入力部22が接続されている。表示部21は、LCDやCRT等の表示装置からなり、元素濃度測定実行後の測定結果等を必要に応じて表示する。入力部22は、マウスやジョイスティック等のポインティングデバイス及びキーボード等を備えている。この元素濃度測定装置を用いて試料7中の元素濃度測定を行うオペレータは、入力部22を操作することにより、電子線の照射電流値や測定時間等の測定条件を設定することができる。
以上が、本発明における元素濃度測定装置の構成である。次に、本発明における元素濃度測定方法について説明する。
上述したEPMAの構成を有する元素濃度測定装置を用いて元素濃度測定を行う際、濃度測定下限値をL[%]とすると、当該濃度測定下限値Lは以下の式(1式)で表される。
Figure 0004498817
この1式において、Iは測定対象元素の標準試料での特性X線の強度(カウント数)[cps]であり、Cは当該標準試料における当該元素濃度[%]である。なお、この例では、この標準試料における当該元素濃度は100[%]とする。また、Tは測定時間[秒]、Jは電子線の照射電流値[アンペア(A)]である。そして、1式中のAは所定の係数である。なお、B=AJとすると、Bはバックグラウンド強度に相当する。
上記1式を変形して、測定時間Tを算出する式を導出すると、当該測定時間Tは以下の式(2式)で表される。
Figure 0004498817
この2式において、測定対象となる元素の標準試料に関するデータ(上記強度I及び上記元素濃度C)及び上記係数Aが既知であれば、これらの値をこの2式に入れることができる。そのようにすると、上記2式に示すように、測定時間Tは、濃度測定下限値Lと電子線の照射電流値Jとの関数F(L,J)で表すことができる。
本実施例1においては、測定時間Tを表すこの関数F(L,J)を求めることを行う。そのために、まず予備測定として、分析対象の試料に電子線を照射したときでの、電子線の複数の照射電流値Jに対するそれぞれのバックグラウンド強度Bを測定する。なお、具体例として、ここでは、分析対象となる試料(未知試料)が、Fe(鉄)を主成分とするものであるとし、当該試料中に含まれている、例えばSi(シリコン)の濃度を測定する場合を考える。また、当該濃度測定時に使用される分光結晶は、一例としてTAPとする。
予備測定においては、分析対象となる試料を本装置(図1参照)における試料室13内の試料ステージ機構5に載置し、この状態で所定の駆動条件で電子銃1及び電子光学系23を駆動制御するとともに、当該試料(試料7)に照射される電子線6の照射電流値Jを適宜変えていく。そして、当該照射電流値Jの各値に応じて分光結晶9を介して検出されるX線のバックグラウンド強度Bを測定する。
当該バックグラウンド強度Bは、電子線の照射電流値Jにほぼ比例することが知られている。よって、この測定結果から、バックグラウンドBがB=AJと表される際での係数Aの値を求めることができる。この予備測定によって上記係数Aの値を求めることができたら、その値を上記2式に入れる。
また、Siの濃度が100[%]となっているSiの標準試料において、分光結晶としてTAPを使用した際での特性X線の強度Iと、当該標準試料の濃度C(100[%])とを上記2式に入れる。なお、この標準試料についての当該濃度Cと当該強度Iは既知となっている。
これにより、上記2式の中のI,C,Aに数値が代入されたこととなり、当該2式内での変数はLとJのみとなる。従って、上記2式に示すごとく、測定時間Tは、濃度測定下限値Lと電子線の照射電流値Jとの関数F(L,J)で表されることとなる。その後、関数F(L,J)を表す上記2式は、本装置における記憶部19に格納される。
上記予備測定を実施し、その結果に基づく関数F(L,J)が記憶部19に格納された後、当該試料中での測定対象元素であるSiの濃度測定を行う本測定に移行する。
当該本測定においては、まず、オペレータにより所望とする濃度測定下限値L(所定の濃度測定下限値L)が設定される。この濃度測定下限値Lの設定は、本装置における入力部22をオペレータが操作して、その設定値を入力することにより行われる。本実施例においては、当該濃度測定下限値を、例えば0.01[%]に設定する。
このときの入力操作について、図2を参照して説明する。ここで、図2は、当該入力操作を実行する際での表示部21における入力操作画面の一例を示す図である。
当該入力操作を行う際には、表示部21の表示画面を、図2に示す入力操作画面50にする。そして、入力部22を構成するマウスを操作して、当該画面上でのカーソル56を移動させてクリックし、濃度測定下限値Lの設定用枠51を選択状態とする。これにより、当該設定用枠51内に所望とする濃度測定下限値Lの数値が入力可能となる。
その後、入力部22を構成するキーボードを操作して、当該設定用枠51内に、その所望とする数値を入力する。ここで、図2に示す入力操作画面50は、当該設定用枠51内に所望値である「0.01」を入力した状態である。なお、当該入力操作画面50の所定箇所にプルダウンメニューを設けておき、マウスを操作することにより、予め設定された複数の設定値の中からカーソルにより所望値を選択して入力するようにしてもよい。
このようにして入力部22により入力された濃度測定下限値Lのデータは、演算制御部18に送られる。演算制御部18は、記憶部19に格納されている上記2式の関数F(L,J)を読み出し、当該関数F(L,J)のLに当該設定値を代入する。
これにより、上記2式に表された測定時間Tを算出する関数F(L,J)の中のLが固定されることとなる。よって、当該設定値Lに応じた測定時間Tは、電子線の照射電流値Jを基にして決まることとなり、T=F(J)なる関数F(J)が導出される。この関数F(J)は、本装置における記憶部19に格納される。
その後、オペレータは、所望とする電子線の照射電流値Jを、入力部22を操作して入力する。このときの入力操作は、図2に示す入力操作画面50における照射電流値Jの設定用枠52に所望とする数値を入力する。当該入力操作も、上述した操作と同様の手法により行われる。
これにより入力された照射電流値Jのデータは、演算制御部18に送られる。演算制御部18は、記憶部19に格納されている上記関数F(J)を読み出し、当該関数F(J)のJに当該入力値(照射電流値)を代入する。そして、この関数F(J)を演算することにより、測定時間Tが算出される。この算出された測定時間Tは、表示部21により表示される。この測定時間Tの表示は、図2に示す入力操作画面50における測定時間Tの表示用枠53内に表示される。
次いで、オペレータは、このようにして表示部21に表示された測定時間Tを目視にて確認し、当該測定時間Tの数値が適切であるか否かを判断する。当該判断において、オペレータがその表示された測定時間Tの数値が適切であると判断したら、マウスを操作し、カーソル56により入力操作画面50中の実行ボタン54をクリックする。これにより、照射電流値Jに応じて算出された測定時間Tが本装置に設定されることとなる。本装置は、このようにして設定された測定時間T及び照射電流値Jに基づいて試料の濃度測定を実行する。なお、オペレータが、表示された測定時間Tの数値が適切ではないと判断した場合には、マウスを操作して、カーソル56により入力操作画面50中の再設定ボタンをクリックする。これにより、照射電流値Jの再入力(再設定)が可能となり、異なる照射電流値Jの所望値を改めて入力し直すことができる。
当該濃度測定時においては、試料室13内の試料ステージ機構5に載置されている試料7に電子線6が照射される。そして、試料9に含有されている元素(Si)に対応して発生する特性X線を検出し、これにより試料9中での当該元素の濃度を測定する。このときの測定時間及び電子線の照射電流値は、それぞれ上述の各設定値T及びJに設定されている。
このように、本実施例においては、所定の濃度測定下限値Lに応じた測定時間Tを、電子線の照射電流値Jを基にして算出して表示し、表示された測定時間Tに基づいて測定を実行することとなる。よって、測定時間Tを当該濃度測定下限値Lに応じて適切に決めることができ、精度の高い測定を効率良く行うことができる。
なお、照射電流値Jのデータに基づいて演算制御部18により算出された測定時間Tを表示部21により表示した後、オペレータによる当該測定時間Tの適否の判断を行わずに、演算制御部18内で自動的にこの算出された測定時間Tを設定し、設定された測定時間T及び照射電流値Jに基づいて試料の濃度測定を実行するようにしてもよい。
上記実施例1と同様に、EPMAの構成を有する元素濃度測定装置を用いて元素濃度測定を行う際、濃度測定下限値をL[%]とすると、当該濃度測定下限値Lは上記1式で表される。
そして、上記1式を変形して、電子線の照射電流値Jを算出する式を導出すると、当該照射電流値Jは以下の式(3式)で表される。
Figure 0004498817
この3式においても、測定対象となる元素の標準試料に関するデータ(上記強度I及び上記元素濃度C)及び上記係数Aが既知であれば、これらの値をこの3式に入れることができる。そのようにすると、上記3式に示すように、電子線の照射電流値Jは、濃度測定下限値Lと測定時間Tとの関数G(L,T)で表すことができる。
本実施例2においては、電子線の照射電流値Jを表すこの関数G(L,T)を求めることを行う。そのために、上記実施例1と同様に、まず予備測定として、分析対象の試料に電子線を照射したときでの、電子線の複数の照射電流値Jに対するそれぞれのバックグラウンド強度Bを測定する。ここでの具体例も、分析対象となる試料(未知試料)が、Fe(鉄)を主成分とするものであるとし、当該試料中に含まれている、例えばSi(シリコン)の濃度を測定する場合を考える。また、当該濃度測定時に使用される分光結晶も、一例としてTAPとする。
上記実施例1と同様に、予備測定においては、分析対象となる試料を本装置(図1参照)における試料室13内の試料ステージ機構5に載置し、この状態で所定の駆動条件で電子銃1及び電子光学系23を駆動制御するとともに、当該試料(試料7)に照射される電子線6の照射電流値Jを適宜変えていく。そして、当該照射電流値Jの各値に応じて分光結晶9を介して検出されるX線のバックグラウンド強度Bを測定する。
当該バックグラウンド強度Bは、電子線の照射電流値Jにほぼ比例することが知られている。よって、この測定結果から、バックグラウンドBがB=AJと表される際での係数Aの値を求めることができる。この予備測定によって上記係数Aの値を求めることができたら、その値を上記3式に入れる。
また、Siの濃度が100[%]となっているSiの標準試料において、分光結晶としてTAPを使用した際での特性X線の強度Iと、当該標準試料の濃度C(100[%])とを上記3式に入れる。なお、上記実施例1と同様に、この標準試料についての当該濃度Cと当該強度Iは既知となっている。
これにより、上記3式の中のI,C,Aに数値が代入されたこととなり、当該3式内での変数はLとTのみとなる。従って、上記3式に示すごとく、電子線の照射電流値Jは、濃度測定下限値Lと測定時間Tとの関数G(L,T)で表されることとなる。その後、関数G(L,T)を表す上記3式は、本装置における記憶部19に格納される。
上記予備測定を実施し、その結果に基づく関数G(L,T)が記憶部19に格納された後、当該試料中での測定対象元素であるSiの濃度測定を行う本測定に移行する。
当該本測定においても、まず、オペレータにより所望とする濃度測定下限値L(所定の濃度測定下限値L)が設定される。この濃度測定下限値Lの設定は、本装置における入力部22をオペレータが操作して、その設定値を入力することにより行われる。本実施例においても、当該濃度測定下限値を、例えば0.01[%]に設定する。
このときの入力操作について、図3を参照して説明する。ここで、図3は、当該入力操作を実行する際での表示部21における入力操作画面の他の例を示す図である。
当該入力操作を行う際には、表示部21の表示画面を、図3に示す入力操作画面60にする。そして、入力部22を構成するマウスを操作して、当該画面上でのカーソル66を移動させてクリックし、濃度測定下限値Lの設定用枠61を選択状態とする。これにより、当該設定用枠61内に所望とする濃度測定下限値Lの数値を入力が入力可能となる。
その後、入力部を構成するキーボードを操作して、当該設定用枠61内にその所望とする数値を入力する。ここで、図2に示す入力操作画面60は、当該設定用枠61内に所望値である「0.01」を入力した状態である。なお、当該入力操作画面60の所定箇所にプルダウンメニューを設けておき、マウスを操作することにより、予め設定された複数の設定値の中からカーソルにより所望値を選択して入力するようにしてもよい。
このようにして入力部22に入力された濃度測定下限値Lのデータは、演算制御部18に送られる。演算制御部18は、記憶部19に格納されている上記3式の関数G(L,T)を読み出し、当該関数G(L,T)のLに当該設定値を代入する。
これにより、上記3式に表された照射電流値Jを算出する関数G(L,T)の中のLが固定されることとなる。よって、当該設定値Lに応じた照射電流値Jは、測定時間Tを基にして決まることとなり、J=G(T)なる関数G(T)が導出される。この関数G(T)は、本装置における記憶部19に格納される。
その後、オペレータは、所望とする測定時間Tを、入力部22を操作して入力する。このときの入力操作は、図3に示す入力操作画面60における測定時間Tの設定用枠63に所望とする数値を入力する。当該入力操作も、上述した操作と同様の手法により行われる。
これにより入力された測定時間Tのデータは、演算制御部18に送られる。演算制御部18は、記憶部19に格納されている上記関数G(T)を読み出し、当該関数G(T)のTに当該入力値(測定時間)を代入する。そして、この関数G(T)を演算することにより、照射電流値Jが算出される。この算出された照射電流値Jは、表示部21により表示される。この照射電流値Jの表示は、図3に示す入力操作画面60における照射電流値Jの表示用枠62内に表示される。
次いで、オペレータは、このようにして表示部21に表示された照射電流値Jを目視にて確認し、当該照射電流値Jの数値が適切であるか否かを判断する。当該判断において、オペレータがその表示された照射電流値Jの数値が適切であると判断したら、マウスを操作し、カーソル66により入力操作画面60中の実行ボタン64をクリックする。これにより、測定時間Tに応じて算出された電子線の照射電流値Jが本装置に設定されることとなる。本装置は、このようにして設定された測定時間T及び照射電流値Jに基づいて試料の濃度測定を実行する。なお、オペレータが、表示された照射電流値Jの数値が適切ではないと判断した場合には、マウスを操作して、カーソル66により入力操作画面60中の再設定ボタンをクリックする。これにより、測定時間Tの再入力(再設定)が可能となり、異なる測定時間Tの所望値を改めて入力し直すことができる。
当該濃度測定時においては、試料室13内の試料ステージ機構5に載置されている試料7に電子線6が照射される。そして、試料9に含有されている元素(Si)に対応して発生する特性X線を検出し、これにより試料9中での当該元素の濃度を測定する。このときの測定時間及び電子線の照射電流値は、それぞれ上述の各設定値T及びJに設定されている。
このように、本実施例においては、所定の濃度測定下限値Lに応じた電子線の照射電流値Jを、測定時間Tを基にして算出して表示し、表示された照射電流値Jに基づいて測定を実行することとなる。よって、電子線の照射電流値Jを当該濃度測定下限値Lに応じて適切に決めることができ、精度の高い測定を効率良く行うことができる。
なお、測定時間Tのデータに基づいて演算制御部18により算出された電子線の照射電流値Jを表示部21により表示した後、オペレータによる当該照射電流値Jの適否の判断を行わずに、演算制御部18内で自動的にこの算出された当該照射電流値Jを設定し、設定された測定時間T及び照射電流値Jに基づいて試料の濃度測定を実行するようにしてもよい。
上記実施例1及び実施例2においては、濃度測定下限値L、照射電流値J、及び測定時間Tが同一の画面内において表示部21により表示されることとなる。よって、オペレータは、濃度測定下限値L、照射電流値J、及び測定時間Tの各数値を同時に確認することができ、測定条件の適否の判断を効率良く行うことができる。
また、これら実施例1及び実施例2においては、当該画面内に、測定を実行するための実行ボタンと条件の再設定を行うための再設定ボタンとが表示されている。よって、表示された測定条件が適切である場合には、当該実行ボタンをクリックすればよいので、測定の実行を速やかに行うことができる。また、表示された測定条件が適切ではない場合には、当該再設定ボタンをクリックすることにより、条件の再設定を速やかに行うことができる。
本発明における元素濃度測定装置を示す概略構成図である。 表示部における入力操作画面の一例を示す図である。 表示部における入力操作画面の他の例を示す図である。 EPMAの構成を有する装置を示す概略構成図である。
符号の説明
1…電子銃、2…集束レンズ、3…走査コイル、4…対物レンズ、5…試料ステージ機構、6…電子線、7…試料、8…特性X線、9…分光結晶、10…駆動機構、11…X線検出器、17…処理部、18…演算制御部、19…記憶部、21…表示部、22…入力部

Claims (4)

  1. 試料に電子線を照射し、試料に含有された元素に対応して発生する特性X線を検出し、これにより試料中での当該元素の濃度を測定する元素濃度測定装置において、入力部と、測定条件を算出するとともに測定動作を制御する演算制御部とを備え、該演算制御部が、当該元素の標準試料に関するデータと分析対象試料の元素濃度測定時における電子線の照射電流値に対応するバックグラウンド強度を導出する比例係数とにより求められた演算式に対して、入力部から入力された電子線の照射電流値を適用することにより、所定の濃度測定下限値に応じた測定時間を算出することを特徴とする元素濃度測定装置。
  2. 試料に電子線を照射し、試料に含有された元素に対応して発生する特性X線を検出し、これにより試料中での当該元素の濃度を測定する元素濃度測定装置において、入力部と、測定条件を算出するとともに測定動作を制御する演算制御部とを備え、該演算制御部が、当該元素の標準試料に関するデータと分析対象試料の元素濃度測定時における電子線の照射電流値に対応するバックグラウンド強度を導出する比例係数とにより求められた演算式に対して、入力部から入力された測定時間を適用することにより、所定の濃度測定下限値に応じた電子線の照射電流値を算出することを特徴とする元素濃度測定装置。
  3. 前記標準試料に関するデータは、前記元素の当該標準試料における特性X線の強度データ及び濃度データであることを特徴とする請求項1若しくは2記載の元素濃度測定装置。
  4. 前記濃度データは100%であることを特徴とする請求項3記載の元素濃度測定装置。
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