JP4498658B2 - ラミネートされ、スキンが付いた不織布を備えたシングル−プライ・ルーフィング膜 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不織布をラミネートさせたシングル−プライ・ルーフィング膜（single-ply roofing membrane:ラミネートされた膜）、ラミネートされた膜を使用する屋根系（roof system）、ルーフィング系（roofing system）を設置する方法及び膜にラミネートされた不織布物質に関している。
【０００２】
【従来の技術】
市販のろく屋根では、今日、ポピュラーな３つのルーフィング系が使用されている。これらのルーフィング系は、組立屋根（ＢＵＲ）、変性歴青、及びシングル−プライ又は膜ルーフィング系である。ろく屋根商業市場は、概略で、等しく、これら３つのルーフィング系に振り分けられる。
【０００３】
シングル−プライ・ルーフィング系が公知である。シングル−プライ・ラミネート膜は公知である。例えば米国特許Ｎｏ．５４５６７８５、５６２０５５４及び５６４３３９９を参照。代表的には、これらのラミネート膜は、ＥＰＤＭ又は他の熱可塑性物質から製造の膜と、膜の片面に接着した不織布（又はフリース物質）とを含んでなる。不織布物質は、膜が、アスファルト（又は歴青）又は特許接着処方物により下位屋根構造へ接着するのを容易にするために提供される。市販のラミネート膜は、特許接着処方物と共に使用の際に、容易に市場に受け入れられている。しかしながら、接着剤として、アスファルトの使用を好む屋根業者による受け入れは、ゆっくりとであった。アスファルト接着系への受け入れを妨げる問題は、「滲み通り（strike through）」として知られている。アスファルトを屋根又は屋根デッキ上に塗り広げ、ラミネート膜を溶融アスファルト内に置いたときに、滲み通りが起こる。アスファルトの適用が厚すぎると、アスファルトは、フリース層にしみ込み、ポリマー膜と接触する。溶融アスファルトの幾つかの成分、石油を基礎とする物質、は、膜により吸収され、膜の膨潤と変色を引起す。ラミネート膜の設置後、膨潤と変色は目に見え、設置欠陥と考えられる。
【０００４】
滲み通りの問題の解決は、１９９９年１月２６日に提出された、発明者がＳ．Ｒ．Ｃｌａｒｋｅで、Ｃａｒｌｉｓｌｅ Ｓｙｎｔｅｃ．へ譲渡された米国特許出願シリーズＮｏ．０９／２３８６７８に記載されている。その中に開示された解決は、膜シート及び不織布層が保護層をサンドイッチしている膜ラミネートからなる。保護層は、溶融アスファルトの成分に耐性のある物質（即ちポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン等々）から製造された単一層（discrete layer）又はフィルム（即ち、不織布の１部ではない）である。
【０００５】
従って、アスファルト接着シングル−プライ・ラミネートルーフィング系で使用でき、「滲み通り」の発生を除去するか又は減じる、膜ラミネートの需要がある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、アスファルト接着シングル−プライ・ラミネートルーフィング系で使用でき、「滲み通り」の発生を除去するか又は減じる、膜ラミネートを提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
この課題は、膜シート及び膜シートにラミネートされた不織布物質を含んでなるルーフィング系用膜ラミネートを提供することにより解決され、不織布物質は、その中に半透性のスキン付き層が形成されている。
【０００８】
本発明を説明する目的のために、目下好ましい形を図中に示す。しかしながら、本発明は、示された正確な配置及び手段に限定されるものではないことを理解すべきである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
図に関しては、同じ番号は同じ部材を示す。図１に、本発明の第１の態様が示される。屋根系１０は、新規構造を示す。ルーフィング系１０は、支持体系１２を含む。支持体系１２は、当技術で公知であり、石膏セメント及び繊維質セメント、軽量コンクリート、構造コンクリート、合板又はスチールデッキを含んでよい。ベースシート１４は、支持体系１２の上側に置かれる。ベースシート１４は、任意の市販ベースシート物質である。そのようなベースシート物質は、ガラス繊維被覆ベースシート、ガラス繊維強化ベースシート及びポリエステルベースシートを含む。ベースシート留め金具１６は、ベースシート１４を下位屋根系１２に取付ける。後で議論される溶融アスファルト１８は、ベースシート１４の上側に塗り広げられる。ラミネート膜２０は、溶融アスファルト上に置かれる。後で議論されるラミネート膜２０では、不織布２４が膜２２にラミネートされている。溶融アスファルト１８は、不織布２４に浸透し、次いで固化し、そのことによりラミネート膜２０を下位屋根１２にアスファルト１８及びベースシート１４を介して接着させる。
【００１０】
図２に関し、第２ルーフィング系３０が図示される。ルーフィング系３０は、本発明を現存する屋根上に設置する代表的な再ルーフィングを図示する。ルーフィング系３０は、一般に、支持体系３２、予存在（pre-existing）絶縁材３４、予存在ルーフィング３６及び新規ルーフィング系を含む。支持体系は、石膏セメント及び繊維質セメント、軽量コンクリート、構造コンクリート、合板又はスチールデッキであってよい。予存在ルーフィング３６は、例えば、滑らかな表面のＢＵＲ、砂利を敷いた表面のＢＵＲ、存在するシングル−プライ・ルーフィング又は変性歴青ルーフィング物質を含んでよい。後で議論されるアスファルト３８は、ラミネート膜２０の真下の予存在ルーフィング３６上に適用される。
【００１１】
アスファルト１８と３８は、任意の慣用のアスファルト（又は歴青）物質である。そのようなアスファルトは、ＩＩＩ型アスファルト、ＩＶ型アスファルト、変性アスファルト、ＳＢＳアスファルト又はＳＥＢＳアスファルトを含む。これらのアスファルトは、有利には、本明細書中に参考として組み入れられているＡＳＴＭ Ｄ３１２に記載の要件を満たすか又は従うべきである。
【００１２】
膜２０は、膜２２と不織布物質２４とを含んでなる。ラミネート膜２０は、米国特許Ｎｏ．５４５６７８５、５６２０５５４及び５６４３３９９に記載の工程により製造され、これらの特許はそれぞれ本明細書に参考として組み入れられている。本発明のスキン付き不織布は、不織布のスキンの付いた側が熱アスファルトに対置されるように、膜上に置かれる。
【００１３】
膜２２は、軟質加硫ゴムシート、例えば合成ゴム又は熱可塑性ゴム−タイプの物質である。シートは、ＥＰＤＭ（エチレンプロピレンジエンモノマー）又はＴＰＯ（熱可塑性オレフィン）、ＰＶＣ（ポリ塩化ビニル）、ＣＳＰＥ（クロロスルホン化ポリエチレン）、ＥＰＭ（エチレンプロピレンモノマー）及び他の好適な物質から製造してよい。有利には、膜２２は、ＥＤＰＭシートである。膜は代表的には厚さ３０〜９０ｍｉｌ、有利には厚さ４５〜６０ｍｉｌを有する。
【００１４】
不織布２４は、その中に形成された半透性のスキン付き層を有している。この半透性スキンは、溶融アスファルトが不織布に浸透するのを妨害し、そのことにより膜をアスファルトから保護する。このことは、前記滲み通りの問題を防止するか又は著しく減じる。不織布２４は、代表的には、１平方ヤード当たり１〜２０オンス、有利には１平方ヤード当たり３〜２０オンス、最も有利には１平方ヤード当たり６〜９オンスの基礎重量を有する。前記スキン付き不織布は、構造用繊維と可融性繊維とのブレンドであってよい。構造用繊維（ステープル又はフィラメント）は、有利には熱可塑性繊維、例えば、ポリエステル又はポリプロピレン又は複合（又は２成分）繊維である。可融性繊維は、有利にはポリプロピレンステープルであるが、ポリエチレン、複合（又は２成分）繊維を含んでもよい。構造用繊維と可融性繊維のブレンドの割合は、５０−５０重量ブレンド、更に有利には、６０−４０から９０−１０までの範囲のブレンドであり、最も有利には８０−２０である。有利なスキン付き不織布は、ポリエステルステープル（４デニール、カット長さ２．５インチ）及びポリプロピレンステープル（３デニール、カット長さ３．２５インチ又は３．２５デニール、カット長さ３．２５インチ）の８０−２０重量ブレンドであり、７．５ｏｚ／ｙａｒｄ±１０％の基礎重量を有する。
【００１５】
スキン付き不織布は、構造用繊維及び可融性繊維をカーディングして、ウエッブを形成し、ウエッブ（１５層）をクロスラッピング（cross lapping）して、心綿（batt）を形成し、心綿をドラフトし、ドラフトされた心綿をニードルパンチし、パンチされた心綿をカレンダ掛けすることにより製造される。カレンダ掛け段階は、不織布に半透性を施与するスキンを形成するために用いられる。カレンダ掛け段階の間、不織布内に散在させた可融性繊維は、加熱カレンダロールに隣接する不織布の側で融解するか又は部分的に融解する。融解した可融性繊維は、不織布の隙間の空間を満たし、少なくともその１部を満たし、スキンを形成して、半透性となる。スキンは、不織布の片側に形成される。カレンダ圧は、２００ニュートンであり、加熱ロール温度は、好ましい不織布、即ち前記のポリエステルステープル及びポリプロピレンステープルの８０−２０重量ブレンドについては、２１５℃である。
【００１６】
本発明は、その精神又は本質的属性を逸脱せずに、他の特定の形態を具現化してもよく、それ故に、前記明細書よりも、むしろ本発明の範囲を指示する添付されたクレームを参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を利用した第１の屋根系の概略図である。
【図２】本発明を利用した第２の屋根系の概略図である。
【符号の説明】
１０ 屋根系
１２ 下位屋根系
１４ ベースシート
１８ 溶融アスファルト
２０ ラミネート膜
２２ 膜
２４ 不織布

Claims (20)

1. ろく屋根であって、これは、
   下位屋根系、
   アスファルト層、
   膜及び不織布を含んでなる膜ラミネートの層
   を含んでなり、前記不織布と前記膜は一緒にラミネートされており、前記不織布は、その中に半透性でスキン付きの層が形成されており、前記アスファルト層は、前記ラミネートを前記下位屋根に接着させる、ろく屋根。
2. 前記不織布は、構造用繊維及び可融性繊維のブレンドを含んでなる、請求項１記載の屋根。
3. 前記不織布は、ポリエステル繊維及び可融性繊維のブレンドを含んでなる、請求項１記載の屋根。
4. 前記不織布は、１平方ヤード当たり約１〜約２０オンスの基礎重量を含む、請求項１記載の屋根。
5. 前記アスファルトは、ＩＩＩ型アスファルト、ＩＶ型アスファルト、変性アスファルト、ＳＢＳアスファルト、ＳＥＢＳアスファルト及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項１記載の屋根。
6. 前記下位屋根系は、支持体又は予存在屋根のどちらかを含んでなる、請求項１記載の屋根。
7. 前記膜は更に軟質加硫ゴムシートを含む、請求項１記載の屋根。
8. ルーフィング系を構成する方法であって、この方法は、
   下位屋根系を用意し、
   前記下位屋根系上に熱アスファルト層を適用し、
   前記熱アスファルトに膜ラミネートを適用する
   ことを含み、前記膜ラミネートは、不織布にラミネートさせた膜物質を含み、前記不織布は、その中に半透性のスキン付き層が形成されている、方法。
9. 前記不織布は、構造用繊維及び可融性繊維のブレンドを含んでなる、請求項８記載の方法。
10. 前記不織布は、ポリエステル繊維及び可融性繊維のブレンドを含んでなる、請求項８記載の方法。
11. 前記不織布は、１平方ヤード当たり約１〜約２０オンスの基礎重量を含む、請求項８記載の方法。
12. 前記膜は更に軟質加硫ゴムシートを含む、請求項８記載の方法。
13. ルーフィング系用膜ラミネートであって、これは、膜シートと、半透性のスキン層がその中に形成されている不織布とを含み、前記ラミネートは、前記膜シートと接着している、ルーフィング系用膜ラミネート。
14. 前記不織布は、構造用繊維及び可融性繊維のブレンドを含んでなる、請求項１３記載の膜ラミネート。
15. 前記不織布は、ポリエステル繊維及び可融性繊維のブレンドを含んでなる、請求項１３記載の膜ラミネート。
16. 前記不織布は、１平方ヤード当たり約１〜約２０オンスの基礎重量を含む、請求項１３記載の膜ラミネート。
17. 前記膜は軟質加硫ゴムシートを更に含む、請求項１３記載の膜ラミネート。
18. ルーフィング系で使用される膜ラミネートのために不織布物質を使用する方法であって、該方法は、アスファルトの前記不織布への浸透を阻止し、またアスファルトの揮発成分が前記膜と接触するのを減ずるか又は防ぐために、構造用繊維及び可融性繊維のブレンドを適合させて、用意する段階を含む、方法。
19. 前記不織布は、１平方ヤード当たり約１〜約２０オンスの基礎重量を含む、請求項１８記載の方法。
20. 前記膜は軟質加硫ゴムシートを更に含む、請求項１８記載の方法。

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