JP4498075B2 - モータリトラクタ - Google Patents

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Description

本発明は、ウエビング巻取装置に係り、特に、モータによって巻取軸を回転させることでウエビングを巻き取ることができるモータリトラクタに関する。
乗用車等の車両には、長尺帯状のウエビングによって座席に着座した乗員を拘束するシートベルト装置が取り付けられており、このうち所謂3点式のシートベルト装置には、ウエビングを引き出し可能に巻き取った状態で格納するリトラクタ(ウエビング巻取装置)が設けられている。
リトラクタは、上記ウエビングの長手方向基端側が係止され、回転することで該ウエビングを基端側から巻き取る巻取軸と、該巻取軸をウエビングの巻取方向へ付勢する渦巻きばね等の付勢部材とを備えている。そして、このリトラクタを備えたシートベルト装置では、乗員がウエビングを装着しているときには、付勢部材の付勢力によって巻取軸がウエビングの巻取方向に付勢され、これにより、弛みを取り除かれたウエビングが乗員を拘束する。また、乗員がウエビングの装着状態を解除すると、ウエビングは付勢部材の付勢力によって巻取軸に巻き取られる。
ここで、付勢部材の付勢力が小さいと、ウエビングが最後まで巻き取られずに弛んだ状態となり、ウエビング不使用時の見栄え悪化の原因となる。一方、付勢部材の付勢力が大きいと、ウエビングを装着している乗員に圧迫感を与える原因となる。
このため、付勢部材の付勢力を低減して乗員に与える圧迫感を緩和(抑制)すると共に、この付勢力低減による巻取軸へのウエビング巻取力の低下を補うために、モータの駆動力により巻取軸を駆動する機構(所謂「格納アシスト機構」)を備えたモータリトラクタが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
このような格納アシスト機構を備えたモータリトラクタでは、一般的に、モータと巻取軸との間にはクラッチが設けられており、モータの出力軸側からの回転のみを巻取軸に伝達する構成とされている。
具体的には、乗員がウエビングの装着状態を解除したときにモータが回転されることで、クラッチがモータの出力軸と巻取軸とを連結し、これにより、モータの回転が巻取軸に伝達されて、巻取軸がウエビング巻取方向へ回転される。これにより、付勢部材の付勢力低減が補われて、ウエビングは巻取軸に巻き取られて格納される。
ところで、このようなモータリトラクタでは、ウエビングの巻き取り途中において、乗員がウエビングを再装着しようとして当該ウエビングを引き出した場合、クラッチによるモータの出力軸と巻取軸との連結状態が維持されるので、ウエビングの引き出しフィーリングが悪くなるという問題があったり、回転中のモータの駆動力に抗してウエビングを引き出すことができるような何らかの対策が必要であった。
特開2001−163186号公報
本発明は上記事実を考慮し、ウエビングの再装着動作が行われたときのクラッチ解除性が向上し、ウエビングの引き出しに不快感や違和感が生じることを抑制できると共に、ウエビング装着状態における乗員非圧迫性も確保できるモータリトラクタを得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明のモータリトラクタは、車両の座席に着座した乗員に装着された状態で前記乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングと、前記ウエビングの長手方向基端側が係止され、前記ウエビングが巻取り引出し可能に巻き回される巻取軸と、前記巻取軸に連結され、前記ウエビングの装着状態における乗員非圧迫性に対応する付勢力で前記巻取軸を前記ウエビング巻取方向へ付勢する付勢部材と、モータと、前記巻取軸と前記モータの出力軸との間に介在し、前記モータの正転を前記巻取軸に伝達して前記巻取軸を前記ウエビング巻取方向へ回転させると共に、前記モータの逆転による前記出力軸と前記巻取軸との所定量の相対回転で解除状態となるクラッチと、前記モータの正転による前記ウエビングの巻き取り途中で乗員がウエビングを引き出して前記ウエビングの巻き取りに抗する外力が作用することで前記モータに流れる拘束電流を検出した際には前記モータを逆転させ、かつその後に、前記出力軸が前記巻取軸に対して少なくとも前記所定量相対回転して前記クラッチが解除するまで前記モータの前記逆転を継続する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項1記載のモータリトラクタでは、車両の座席に着座した乗員がこのモータリトラクタに格納されたウエビングを引張ると、巻取軸が回転しつつウエビングが引き出される。これにより、乗員は引き出されたウエビングを身体に掛けまわし、例えば、ウエビングに設けられたタングプレートをバックル装置に係合させることで、ウエビングを身体に装着することができる。
この状態では、巻取軸は付勢部材の付勢力によってウエビング巻取方向に付勢されているので、乗員に装着されたウエビングに弛みが生じた場合であっても、この弛みは付勢部材の付勢力に応じた巻取力で取り除かれる。しかも、付勢部材の付勢力は、ウエビングの装着状態における乗員非圧迫性に対応しているため、ウエビングを装着している乗員に圧迫感を与えることがない。
一方、乗員がウエビングを取り外すと(例えば、上述したタングプレートとバックル装置との係合を解除すると)、モータの出力軸が正転する。このモータの正転は、クラッチを介して巻取軸に伝達され、巻取軸がウエビング巻取方向へ回転される。これにより、ウエビングが巻取軸に巻き取られる。
ここで、請求項1記載のモータリトラクタでは、制御手段は、上述の如くモータの正転によりウエビングが巻取軸に巻き取られている途中でウエビングの巻き取りに抗する外力が作用することでモータに流れる拘束電流を検出した際には、モータを逆転させ、かつその後には、出力軸が巻取軸に対して少なくとも所定量相対回転してクラッチが解除するまでモータの逆転を継続する。
例えば、モータの正転によるウエビングの巻き取り途中で、乗員がウエビングを再装着しようとして当該ウエビングを引き出した際には、ウエビングの巻き取りに抗する外力が作用してモータに拘束電流が流れるので、制御手段は直ちにモータを逆転させる(出力軸をウエビング引出方向に対応する回転方向でかつクラッチ解除方向へ回転させる)。これにより、出力軸と巻取軸とは同期して回転するので、ウエビングの引き出しに不快感や違和感が生じることを抑制できる。そして、乗員によるウエビングの引き出しが解消された時点で巻取軸は停止するが、制御手段は、この時点から更に出力軸が巻取軸に対して所定量相対回転してクラッチが解除するまでモータの逆転を継続する。したがって、乗員がウエビングの引き出しを解消した時点から所定時間経過後にクラッチは確実に解除される。
また、例えば、モータの正転によるウエビングの巻き取り途中で、乗員がウエビングを再装着しようとして当該ウエビングを比較的ゆっくり引き出した場合(ウエビングを掴んだだけの場合も含む)にも、ウエビングの巻き取りに抗する外力が生じてモータに拘束電流が流れるので、制御手段は直ちにモータを逆転させる。この場合、巻取軸は低速で回転又は停止しているので、出力軸は巻取軸に対して迅速に所定量相対回転して直ちにクラッチが解除される。クラッチが解除されると、制御手段はモータの逆転を停止するが、この状態では、クラッチの解除により巻取軸の自在な回転が可能となっている。したがって、その後に乗員がウエビングを引き出せば、乗員はウエビングを円滑に引き出すことができ、ウエビングの引き出しに不快感や違和感が生じることを抑制できる。
このように、請求項1記載のモータリトラクタでは、ウエビングの再装着動作が行われたときのクラッチ解除性が向上し、ウエビングの引き出しに不快感や違和感が生じることを抑制できると共に、ウエビング装着状態における乗員非圧迫性も確保できる。
請求項2に係る発明のモータリトラクタは、請求項1記載のモータリトラクタにおいて、前記制御手段は、前記クラッチが解除したか否かを前記出力軸と前記巻取軸の各回転時間に基づいて判断する、ことを特徴としている。
請求項2記載のモータリトラクタでは、制御手段は、クラッチが解除したか否かを、出力軸の回転時間(モータへの通電時間)と巻取軸の回転時間に基づいて判断する構成であるため、クラッチの解除状態を検出するための特別な検出機構が不要であり、好適である。
請求項3に係る発明のモータリトラクタは、車両の座席に着座した乗員に装着された状態で前記乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングと、前記ウエビングの長手方向基端側が係止され、前記ウエビングが巻取り引出し可能に巻き回される巻取軸と、前記巻取軸に連結され、前記ウエビングの装着状態における乗員非圧迫性に対応する付勢力で前記巻取軸を前記ウエビング巻取方向へ付勢する付勢部材と、モータと、前記巻取軸と前記モータの出力軸との間に介在し、前記モータの正転を前記巻取軸に伝達して前記巻取軸を前記ウエビング巻取方向へ回転させると共に、前記ウエビングの格納状態では前記出力軸と前記巻取軸との連結状態を維持するクラッチと、前記乗員の乗車時に前記乗員が前記ウエビングを装着する際には前記モータを所定時間逆転させることで前記出力軸と前記巻取軸とを所定量相対回転させて前記クラッチを解除状態にすると共に、前記乗員が前記ウエビングの装着状態を解除して前記ウエビングが格納された後に前記車両室内に前記乗員が存在する場合には前記モータを前記所定時間よりも長く逆転させる制御手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項3記載のモータリトラクタでは、車両の座席に着座した乗員がこのモータリトラクタに格納されたウエビングを引張ると、巻取軸が回転しつつウエビングが引き出される。これにより、乗員は引き出されたウエビングを身体に掛けまわし、例えば、ウエビングに設けられたタングプレートをバックル装置に係合させることで、ウエビングを身体に装着することができる。
この状態では、巻取軸は付勢部材の付勢力によってウエビング巻取方向に付勢されているので、乗員に装着されたウエビングに弛みが生じた場合であっても、この弛みは付勢部材の付勢力に応じた巻取力で取り除かれる。しかも、付勢部材の付勢力は、ウエビングの装着状態における乗員非圧迫性に対応しているため、ウエビングを装着している乗員に圧迫感を与えることがない。
一方、乗員がウエビングを取り外すと(例えば、上述したタングプレートとバックル装置との係合を解除すると)、モータの出力軸が正転する。このモータの正転は、クラッチを介して巻取軸に伝達され、巻取軸がウエビング巻取方向へ回転される。これにより、ウエビングが巻取軸に巻き取られて格納される。このようにウエビングが格納された状態では、クラッチは出力軸と巻取軸との連結状態を維持する。
ここで、請求項3記載のモータリトラクタでは、制御手段は、乗員の乗車時に乗員がウエビングを装着する際にはモータを所定時間逆転させることで出力軸と巻取軸とを所定量相対回転させてクラッチを解除状態にすると共に、乗員がウエビングの装着状態を解除してウエビングが格納された後に車両室内に乗員が存在する場合にはモータを前記所定時間よりも長く逆転させる。
したがって、例えば、ウエビング格納後のモータの逆転と同時に、乗員がウエビングを再装着しようとして当該ウエビングを引き出した場合、すなわち、出力軸が巻取軸に対して所定量相対回転できず、クラッチの連結状態が維持された場合でも、出力軸と巻取軸とは同期して回転するので、ウエビングの引き出しに不快感や違和感が生じることを抑制できる。しかも、制御手段は、モータをクラッチ解除に必要な所定時間よりも長く逆転させるので、乗員によるウエビングの引き出しが解消されて巻取軸が停止した後に、出力軸は巻取軸に対して所定量相対回転してクラッチが解除される。
このように、請求項3記載のモータリトラクタでは、ウエビングの再装着動作が行われたときのクラッチ解除性が向上し、ウエビングの引き出しに不快感や違和感が生じることを抑制できると共に、ウエビング装着状態における乗員非圧迫性も確保できる。
以上説明した如く、本発明に係るモータリトラクタでは、ウエビングの再装着動作が行われたときのクラッチ解除性が向上し、ウエビングの引き出しに不快感や違和感が生じることを抑制できると共に、ウエビング装着状態における乗員非圧迫性も確保できる。
<第1の実施の形態>
図1には、本発明の第1の実施の形態に係るモータリトラクタ10の全体構成が正面断面図にて示されている。
図1に示すように、モータリトラクタ10は、フレーム12を備えている。フレーム12は略板状の背板14を備えており、この背板14がボルト等の図示しない締結手段によって車体に固定されることで、本モータリトラクタ10が車体に取り付けられる構成となっている。背板14の幅方向両端からは一対の脚板16、18が互いに平行に延出されており、これらの脚板16、18間にダイカスト等によって製作された巻取軸としてのスプール20が回転可能に配置されている。
スプール20は略円筒形状のスプール本体22と、このスプール本体22の両端部にそれぞれ略円盤形状に形成された一対のフランジ部24、26とによって構成されており、全体としては鼓形状をなしている。
スプール本体22には、長尺帯状に形成されたウエビング28の基端部が連結固定されており、スプール20をその軸周り一方(以下、この方向を「巻取方向」と称する)へ回転させると、ウエビング28がその基端側からスプール本体22の外周部に層状に巻き取られる。一方、ウエビング28をその先端側から引っ張れば、これに伴いスプール20が回転しながらウエビング28が引き出される(以下、ウエビング28を引き出す際のスプール20の回転方向を「引出方向」と称する)。
フランジ部24のフランジ部26とは反対側でスプール20の一端側は、脚板16に形成された円孔30を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出している。脚板16側のフレーム12の外側には、ケース32が配置されている。ケース32は、スプール20の軸方向に沿って脚板16と対向して配置されて脚板16に固定されている。また、ケース32は全体的に脚板16側へ向けて開口しており、円孔30を貫通したスプール20の一端側はケース32の内側に入り込み、ケース32によって回転自在に軸支されている。
さらに、ケース32の内部には渦巻きばね34が配置されている。渦巻きばね34は渦巻き方向外側の端部がケース32に係止されており、渦巻き方向内側の端部がスプール20に係止されている。この渦巻きばね34は、スプール20を巻取方向へ付勢している。
この渦巻きばね34の付勢力(に基づくウエビング28の巻取力)は、乗員が装着したウエビング28の弛みを解消する程度に、比較的弱く設定されている。換言すれば、渦巻きばね34の付勢力は、ウエビング28の装着状態で乗員非圧迫性に対応した強さとなるように設定され、スプール20から引き出されたウエビング28を摩擦力等に抗して最後まで巻き取る強さは要求されていない。
一方、スプール20は、フランジ部26側の端部から同軸的に突出した図示しない支軸部を備えている。この支軸部は、脚板18に形成された内歯のラチェット孔36を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出しており、脚片18の外面に開口端を突き当てた状態で固定されロック機構38を構成する略カップ状のケース40によって回転自在に軸支されている。
ロック機構38は、通常はスプール20の巻取方向、引出方向の自由な回転を許容し、車両急減速時にスプール20の引出方向の回転を阻止するものである。本第1の実施の形態では、加速度センサ41がラチェットギヤ42の引出方向の回転を阻止すると、該ラチェットギヤ42とスプール20との相対回転によってロックプレート46がロックベース44から突出して脚片18におけるラチェット孔36の内歯に噛み合い、スプール20の引出方向の回転を阻止する構成とされている。なお、ロックベース44とスプール20との間にトーションバーを連結して、上記ロック後にトーションバーを捩りつつスプール20の引出方向の回転を許容してエネルギ吸収を果たす(フォースリミッタ機能を果たす)構成としても良い。
一方、スプール20の下方で脚板16と脚板18との間には、モータ60が配置されている。モータ60の出力軸62にはギヤ64が同軸的且つ一体的に設けられている。
ギヤ64の半径方向上方には、ギヤ64よりも大径のギヤ66が配置されている。ギヤ66は脚板16、18間に設けられた支持板68と脚板16とによりスプール20と平行な軸周りに回転自在に軸支された状態で、ギヤ64に噛み合っている。また、ギヤ66の軸方向側方にはギヤ66よりも小径のギヤ70がギヤ66に対して同軸的且つ一体的に設けられている。
さらに、ギヤ70の半径方向上側には、クラッチ72が設けられている。クラッチ72は、リング状に形成された外歯のギヤ74を備えている。ギヤ74は、ギヤ70に噛み合った状態でスプール20に対して同軸的で且つ相対回転可能に設けられており、その軸方向両端は図示しない円盤状部材により閉止されている。また、ギヤ74の内側には、筒状のアダプタ76がスプール20に対して同軸的に設けられている。アダプタ76は、スプール20に一体的に連結されており、ギヤ74の両端を閉止する円盤状部材を貫通した状態で、円盤状部材、ひいてはギヤ74をスプール20周りに回転可能に軸支している。
ギヤ74の内側には、例えば、遠心力で揺動するパウル等の図示しない連結部材が収容されている。この連結部材は、例えば、上記円盤状部材に支持されており、ギヤ74と一体的に回転するようになっている。
ここで、このクラッチ72では、モータ60の出力軸62の回転力が、ギヤ64、ギヤ66、ギヤ70を介してギヤ74に伝達される構成(出力軸62とギヤ74は常に同期して回転する構成)となっており、モータ60の出力軸62が正方向へ回転(正転)すると、ギヤ74は巻取方向へ回転する。ギヤ74が巻取方向へ回転すると、前記連結部材がアダプタ76の外周面に機械的に結合し、ギヤ74とアダプタ76とを一体的に連結するようになっている。これにより、ギヤ74の巻取方向への回転(モータ60の正転)がアダプタ76を介してスプール20に伝達される構成である。
一方、モータ60の出力軸62が逆方向へ回転(逆転)すると、ギヤ74は引出方向へ回転する構成である。この場合、ギヤ74がアダプタ76に対して引出方向へ所定量だけ相対回転すると(モータ60の逆転により出力軸62がスプール20に対して所定量だけ相対回転すると)、前記連結部材のアダプタ76に対する機械的結合が解除され、クラッチ72は解除状態になる。
また一方、本モータリトラクタ10では、制御手段を構成するドライバ82及びECU86を備えている。このECU86には、本発明の第1の実施の形態に係る駆動制御プログラムが記憶されている。また、モータ60は、ドライバ82を介して車両に搭載されたバッテリー84に電気的に接続されており、バッテリー84からの電流がドライバ82を介してモータ60に流れることで、モータ60は駆動力で出力軸62を正転又は逆転させる構成となっている。ドライバ82は、ECU86に接続されており、このドライバ82を介したモータ60への給電の有無、供給電流の方向、及び大きさがECU86によって制御される構成である。しかもこの場合、ECU86は、モータ60への通電時間(特に、モータ60逆転時の通電時間T1)を記憶できるようになっている。
また、ECU86には、制御手段を構成するスプール回転検知センサ88(本第1の実施の形態では、磁気センサ)が接続されている。このスプール回転検知センサ88は、フランジ部26の外周部に設けられた磁石90に対応しており、フランジ部26(スプール20)の回転によって、磁石90がスプール回転検知センサ88の近傍を繰り返し通過すると、磁石90によって生じる磁気を検知して所定の電気信号(以下、この信号を「検知信号」と称する)をECU86に出力するようになっている。
この場合、ECU86は、スプール回転検知センサ88から出力された検知信号に基づいてスプール20の回転数及び回転時間(特に、スプール20の引出方向への回転時間T2)を検出すると共に、検出した回転数からウエビング28の巻取量を検出する。このウエビング28の巻取量に基づいて、ECU86からは、ドライバ82へモータ60の駆動を制御するための制御信号が出力され、この制御信号に基づいてドライバ82が作動してモータ60の駆動が制御される。
さらに、ECU86には、ウエビング28に設けられたタングプレートがバックル装置(共に図示省略)と連結しているか否かを検出する制御手段としてのバックルスイッチ92が接続されている。このバックルスイッチ92は、タングプレートがバックル装置と連結しているときには、スイッチのオン状態を示すHレベルの信号をECU86に出力し、タングプレートがバックル装置から解除されているときには、スイッチのオフ状態を示すLレベルの信号をECU86に出力する。ECU86は、バックルスイッチ92から出力された信号がLレベルの信号である時をウエビング28の格納時であると判断する。
この場合、ECU86は、ウエビング28に設けられたタングプレートがバックル装置から解除されたこと(乗員降車時に乗員からウエビング28が取り外されたこと)が検出された時点でモータ60を正転させ、ウエビング28が全格納されたことが検出された時点でこのモータ60の正転を停止するようにドライバ82に制御信号を出力する。このウエビング28が全格納された状態は、例えば、スプール20の回転数がウエビング28を全格納した際の巻取量に対応して予め設定された所定回数になったことを検出したり、スプール20の回転速度が0になったことを検出したり、あるいはモータ60において拘束電流を検出すること等でECU86により判断される。
また、ECU86には、ドア開閉センサ94と着座センサ96とがそれぞれ接続されている。ECU86とドア開閉センサ94と着座センサ96とは、乗員乗車時に乗員がウエビング28を装着しようとする装着準備状態を検出する。この装着準備状態には、乗員が着座した状態や、ウエビング28を全格納した後に車両のドアが所定回数開閉(例えば、ウエビングを全格納した後の「乗員降車時のドア開閉」とこのドア開閉の次に行われる「乗員乗車時のドア開閉」との計2回の開閉)した状態が含まれる。
ドア開閉センサ94は、ECU86と共に、ウエビング28が全格納された後に車両のドアが所定回数開閉された状態を検出する。また、着座センサ96は、ECU86と共に、乗員が着座した状態を検出する。これらのような装着準備状態が検出された際には、ECU86及びドライバ82は、クラッチ72を解除状態にしてスプール20が回転可能な状態となるように、モータ60を所定量だけ逆転させるようになっている。
またさらに、ECU86には、制御手段を構成する拘束電流検出回路98が接続されている。この拘束電流検出回路98は、ドライバ82を介してモータ60に接続されており、モータ60の出力軸62がロックしてモータ60(ドライバ82)に拘束電流が流れると、所定の電気信号(以下、この信号を「ロック検知信号」と称する)をECU86に出力するようになっている。
ここで、このモータリトラクタ10では、モータ60の正転によるウエビング28の巻き取り途中(バックルスイッチ92オフ状態でかつウエビング28の全格納未検出状態)において、ウエビング28の巻き取りに抗する外力が作用した際(例えば、乗員がウエビング28を再装着しようとして当該ウエビング28を引き出した際)には、モータ60の出力軸62がロックすることでモータ60には拘束電流が流れ、ECU86には拘束電流検出回路98からロック検知信号が出力される。この場合、ECU86及びドライバ82は、モータ60を逆転させてクラッチ72のギヤ74を引出方向へ回転させるようになっている。
そして、ECU86及びドライバ82が上記モータ60の逆転を停止するタイミングは、スプール20(アダプタ76)の引出方向への回転が止まってから、ギヤ74が引出方向へ所定量相対回転してクラッチ72が解除された時点以降とされている。換言すれば、モータ60を逆転させるためのモータ60への通電時間(ギヤ74の引出方向への回転時間)T1から、スプール20(アダプタ76)の引出方向への回転時間T2(0の場合も含む)を差し引いた値(T1−T2)が、予め設定された所定値Xを超えた時点とされている。
しかもこの場合、所定値Xは、クラッチ72の連結状態でかつスプール20が停止している状態で、モータ60の逆転によりギヤ74がアダプタ76(スプール20)に対して引出方向へ所定量相対回転してクラッチ72が解除されるのに必要な時間よりも所定時間長く設定されている(所定値X=クラッチ72解除に必要な時間+α)。
次に、本発明の第1の実施の形態の作用を図2に示す駆動制御プログラムの流れ図に従って説明する。
ウエビング28に設けられたタングプレートがバックル装置から解除され、バックルスイッチ92がオフ状態になると(ステップ100)、ECU86はウエビング28が乗員降車時に乗員の身体から取り外されたと判断し、ステップ102へ移行する。
ステップ102では、ECU86及びドライバ82が、モータ60の出力軸62を正転させる。モータ60の正転は、ギヤ64、ギヤ66、ギヤ70を介してクラッチ72のギヤ74に伝達され、ギヤ74が巻取方向へ回転される。これにより、クラッチ72が連結状態となり、当該クラッチ72を介してモータ60の駆動力がスプール20に伝達され、スプール20が巻取方向に回転される。このため、ウエビング28は強制的にスプール20に巻き取られる。ウエビング28の巻き取りが開始されると、次のステップ104へ移行する。
ステップ104では、スプール回転検知センサ88からの検知信号に基づいてスプール20の回転数がウエビング28を全格納した際の巻取量に対応して予め設定された所定回転数となったか否かがECU86で判断される。ここで、ECU86は、検出されたスプール20の回転数に基づいてウエビング28の巻取量を検出し、このウエビング28の巻取量がウエビング28を全格納した際の巻取量であるか否かを判断する。
このステップ104での判断が肯定された場合には、ウエビング28の巻取数がウエビング28を全格納した際の巻取量に達したと判断され、ステップ106に進む。一方、このステップ104の判断が否定された場合には、ウエビング28の巻取量がウエビング28の全格納した際の巻取量に達していないと判断され、ステップ114に移行する。
ステップ104での判断が肯定されてステップ106に進んだ場合、このステップ106では、ウエビング28の巻取量がウエビング28を全格納した際の巻取量に達したため、このウエビング28を全格納した時点で、ECU86及びドライバ82はモータ60を停止させ、ウエビング28の格納時におけるウエビング28の巻取動作が終了する。このステップ106において、モータ60はクラッチ72を介してスプール20に連結された状態のままになる。この結果、スプール20の回転が阻止されて、巻き取られたウエビング28がスプール20から引き出されることが阻止される。これにより、タングプレートの自重や車両の振動等によって、ウエビング28がモータリトラクタ10から引き出されることが防止され、ウエビング28不使用時の見栄えが悪化することを防止できる。
ステップ106での処理が終了すると、モータ60がクラッチ72を介してスプール20に連結された状態のままで次のステップ108に移行する。
ステップ108では、乗員乗車時に乗員がウエビング28を装着しようとする装着準備状態であるか否かが判断される。この判断が肯定された場合にのみ次のステップ110に進む。
ステップ110では、ECU86、ドア開閉センサ94、及び着座センサ96によって装着準備状態が検出されたため、ECU86及びドライバ82は、モータ60を所定量だけ逆転させる。これにより、クラッチ72が解除され、スプール20の自在な回転が可能となる。この場合、渦巻きばね34のみがスプール20をウエビング28の巻取方向に付勢しており、この渦巻きばね34の付勢力は乗員非圧迫性に対応した比較的弱い付勢力に設定されているため、乗員はウエビング28をモータリトラクタ10から容易に引き出して装着することができる。
また、乗員がウエビング28を装着した状態では、スプール20は、渦巻きばね34によってウエビング28の巻取方向に付勢されるので、乗員に装着されたウエビング28に弛みが生じた場合であっても、渦巻きばね34の付勢力に対応するウエビング28の巻取力でこの弛みは取り除かれる。またここで、渦巻きばね34の付勢力(に基づくウエビング28の巻取力)は乗員非圧迫性に対応した強さとなっているので、ウエビング28を装着している乗員に圧迫感を与えることがない。
ステップ110での処理が終了すると、次のステップ112に移行して駆動制御プログラムが終了される。
一方、前述したステップ104での判断が否定されてステップ114に進んだ場合、このステップ114では、拘束電流検出回路98からロック検知信号が出力されたか否かがECU86で判断される。
このステップ114での判断が肯定された場合には、ウエビング28の巻き取り途中(格納途中)で、乗員がウエビング28を再装着しようとして当該ウエビング28を引き出したと判断され、次のステップ116に進む。一方、ステップ114での判断が否定された場合には、ステップ104に戻って上述した処理を繰り返す。
ステップ114での判断が肯定されてステップ116に進んだ場合、このステップ116では、ECU86及びドライバ82が、モータ60の出力軸62を逆転させる。モータ60の逆転は、ギヤ64、ギヤ66、ギヤ70を介してクラッチ72のギヤ74に伝達され、ギヤ74が引出方向へ回転される。すなわち、ギヤ74は、乗員のウエビング28の引き出しに伴うスプール20の引出方向への回転に同期して回転される。このステップ116での処理が終了すると、次のステップ118へ移行する。
ステップ118では、モータ60を逆転させるための該モータ60への通電時間T1から、スプール20の引出方向への回転時間T2を差し引いた値(T1−T2)が、予め設定された所定値Xを超えたか否かがECU86で判断される。すなわち、このステップ118では、アダプタ76(スプール20)に対してギヤ74(モータ60の出力軸62)が所定量相対回転してクラッチ72が解除されたか否かが判断される。このステップ118での判断が肯定された場合にのみ次のステップ120に進む。
ステップ120では、クラッチ72が解除されたことが検出されたため、ECU86及びドライバ82によってモータ60の逆転が停止される。モータ60の逆転が停止されると、次のステップ122に移行する。
ステップ122では、ウエビング28に設けられたタングプレートがバックル装置に連結され、バックルスイッチ92がオン状態になったか否かがECU86で判断される。すなわち、このステップ122では、乗員がウエビング28を再装着したか否かが判断される。
このステップ122での判断が肯定された場合には、ステップ124において、駆動制御プログラムが終了される。一方、ステップ122での判断が否定された場合には、ステップ102に戻って上述した処理を繰り返す。
ここで、本発明の第1の実施の形態に係るモータリトラクタ10では、上述の如く、モータ60の正転によるウエビング28の巻き取り途中で、乗員がウエビング28を再装着しようとして当該ウエビング28を引き出した際には、拘束電流検出回路98によりモータ60に流れる拘束電流が検出されることで(ステップ114)、ステップ116において、モータ60を逆転させてギヤ74を引出方向へ回転させ、その後に、ステップ118において、ギヤ74がアダプタ76(スプール20)に対して所定量相対回転してクラッチ72が解除されたことを検出し、更にその後に、ステップ120においてモータ60の逆転を停止する構成である。
したがって、例えば、ウエビング28を再装着しようとする乗員が当該ウエビング28を比較的速く引き出した場合、すなわち、スプール20の引出方向への回転速度が速く、ギヤ74がアダプタ76に対して引出方向へ所定量相対回転できない場合には、クラッチ72の連結状態は維持されるが、ギヤ74がスプール20に対して同期して回転するので、ウエビング28の引き出しに不快感や違和感が生じることを抑制できる。そして、乗員によるウエビング28の引き出しが解消された時点でスプール20は停止するが、この時点から更にギヤ74がスプール20に対して引出方向へ所定量相対回転してクラッチ72が解除するまでモータ60の逆転が継続される。したがって、乗員がウエビング28の引き出しを解消した時点から所定時間経過後にクラッチ72は確実に解除される。
また、例えば、ウエビング28を再装着しようとする乗員が当該ウエビング28を比較的ゆっくり引き出した場合、すなわち、スプール20の引出方向への回転速度が、ギヤ74の引出方向への回転速度よりも遅い場合(乗員がウエビング28を掴んだだけの状態をしばらく維持した場合も含む)、ギヤ74はアダプタ76に対して引出方向へ迅速に所定量相対回転するので、クラッチ72は直ちに解除される。クラッチ72が解除されると、モータ60の回転は停止されるが、この状態では、クラッチ72の解除によりスプール20の自在な回転が可能となっている。したがって、その後に乗員がウエビング28を引き出せば、乗員はウエビング28を円滑に引き出すことができ、ウエビング28の引き出しに不快感や違和感が生じることを抑制できる。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係るモータリトラクタ10では、ウエビング28の格納途中で再装着動作が行われたときのクラッチ72の解除性が向上し、ウエビング28の引き出しに不快感や違和感が生じることを抑制できると共に、ウエビング28装着状態における乗員非圧迫性も確保できる。
しかも、本発明の第1の実施の形態に係るモータリトラクタ10では、クラッチ72が解除したか否かを、モータ60への通電時間(出力軸62の回転時間)及びスプール20の回転時間に基づいて判断する構成であるため、クラッチ72の解除状態を検出するための特別な検出機構が不要であり、好適である。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の構成・作用については前記第1の実施の形態と同符号を付してその説明を省略する。
図3には、本発明の第2の実施の形態に係るモータリトラクタ200の全体構成が正面断面図にて示されている。
図3に示す如く、モータリトラクタ200は、前述した第1の実施の形態に係るモータリトラクタ10と基本的に同様の構成とされているが、前記第1の実施の形態に係るECU86とは異なるECU202を備えている。このECU202は前述したECU86と基本的に同様の構成とされているが、このECU202には、本発明の第2の実施の形態に係る駆動制御プログラムが記憶されている。
ここで、図4には、本発明の第2の実施の形態に係る駆動制御プログラムの流れ図が示されている。なお、前記第1の実施の形態に係る駆動制御プログラムと同様の処理については、前記第1の実施の形態に係るステップ番号を付してその説明を省略する。
本第2の実施の形態に係るモータリトラクタ200では、ウエビング28に設けられたタングプレートがバックル装置から解除され、バックルスイッチ92がオフ状態になると、ECU202は駆動制御プログラムをスタートさせる(ステップ204)。そして、ステップ102からステップ106を経てステップ206に進む。
このステップ206では、着座センサ96がオン状態であるか否かがECU202で判断される。すなわち、このステップ206では、乗員がウエビング28の装着状態を解除してウエビング28が本モータリトラクタ200に全格納された後に、車両室内に乗員が存在するか否かがECU202で判断される。このステップ206での判断が肯定された場合には、車両室内の乗員が再びウエビング28を装着する可能性があると判断され、ステップ208に移行する。一方、このステップ206での判断が否定された場合には、乗員が車両から降車したと判断され、ステップ108に進む。
ステップ206での判断が肯定されてステップ208に移行した場合、このステップ208では、ECU202及びドライバ82が、モータ60の出力軸62を逆転させ、ギヤ74が引出方向へ回転される。このステップ208での処理が終了すると、次のステップ210へ進む。
ステップ210では、モータ60を逆転させるための該モータ60への通電時間T1が、クラッチ72を解除するのに必要なモータ60への通電時間T0よりも所定時間βだけ長くなったか否か(T1≧T0+β)がECU86で判断される。
この場合、上記通電時間T0は、クラッチ72の連結状態でかつスプール20が停止している状態でモータ60の逆転によりギヤ74がアダプタ76(スプール20)に対して引出方向へ所定量相対回転してクラッチ72が解除されるのに必要な時間であり、ステップ110におけるモータ60への通電時間と同じである。すなわち、このステップ210では、ECU202及びドライバ82は、クラッチ72を解除するのに必要な時間T0よりも長くモータ60を逆転させることで、クラッチ72が確実に解除されたか否かを判断する。このステップ210での判断が肯定された場合にのみ次のステップ212に進む。
ステップ212では、クラッチ72が解除されたことが検出されたため、ECU202及びドライバ82によってモータ60の逆転が停止される。モータ60の逆転が停止されると、次のステップ214に移行する。
ステップ214では、着座センサ96がオン状態であるか否かがECU202で判断される。すなわち、このステップ214では、クラッチ72が解除されてモータ60が停止された後に、依然として車両室内に乗員が存在するか否かがECU202で判断される。このステップ214での判断が肯定された場合には、次のステップ216に進む。一方、このステップ214での判断が否定された場合には、乗員が車両から降車したと判断され、ステップ218に移行する。
ステップ214での判断が肯定されてステップ216に進んだ場合、このステップ216では、ウエビング28に設けられたタングプレートがバックル装置に連結され、バックルスイッチ92がオン状態になったか否かがECU202で判断される。すなわち、このステップ216では、乗員がウエビング28を再装着したか否かが判断される。
このステップ216での判断が肯定された場合には、ステップ224において、駆動制御プログラムが終了される。一方、ステップ216での判断が否定された場合には、ステップ214に戻って上述した処理を繰り返す。
一方、前述したステップ214での判断が否定されてステップ218に進んだ場合、このステップ218では、乗員が車両から降車したことが検出されたため、ECU202及びドライバ82が、モータ60の出力軸62を正転させる。このため、前述したステップ102と同様に、スプール20が巻取方向へ回転される。これにより、例えば、前述したステップ208乃至ステップ212での処理によりクラッチ72が解除されたことに起因して、タングプレートの自重や車両の振動等によってウエビング28がモータリトラクタ200から引き出された場合でも、当該引き出されたウエビング28は、再びスプール20に巻き取られる。ウエビング28の巻き取りが開始されると、次のステップ220に移行する。
ステップ220では、スプール回転検知センサ88からの検知信号に基づいてスプール20の回転数が0になったか否かがECU202で判断される。すなわち、このステップ220では、ウエビング28が全格納されたか否かがECU202で判断される。このステップ220での判断が肯定された場合にのみ、次のステップ222に進む。
ステップ222では、ウエビング28が全格納されたことが検出されたため、ECU202及びドライバ82はモータ60を停止させ、ウエビング28の巻取動作が終了する。このステップ222では、前述したステップ106と同様に、モータ60はクラッチ72を介してスプール20に連結された状態のままになる。この結果、スプール20の回転が阻止されて、巻き取られたウエビング28がスプール20から引き出されることが阻止される。これにより、タングプレートの自重や車両の振動等によって、ウエビング28がモータリトラクタ10から引き出されることが防止され、ウエビング28不使用時の見栄えが悪化することを防止できる。
ステップ222での処理が終了すると、モータ60がクラッチ72を介してスプール20に連結された状態のままで次のステップ108に移行し、ステップ110を経て、ステップ224にて駆動制御プログラムが終了される。
ここで、本発明の第2の実施の形態に係るモータリトラクタ200では、上述の如く、乗員がウエビング28の装着状態を解除し、モータ60の正転によりウエビング28が格納された後に、車両室内に乗員が存在することが検出された場合には(ステップ206)、ステップ208においてモータ60を逆転させ、その後に、ステップ210においてモータ60を逆転させるための該モータ60への通電時間T1が、クラッチ72が解除されるのに必要なモータ60への通電時間T0よりも所定時間βだけ長くなったことを検出し、更にその後に、ステップ212においてモータ60の逆転を停止する構成である。
したがって、例えば、ステップ208におけるモータ60の逆転と同時に、乗員がウエビング28を再装着しようとして当該ウエビング28を引き出した場合、すなわち、ギヤ74がアダプタ76に対して引出方向へ所定量相対回転できず、クラッチ72の連結状態が維持された場合でも、ギヤ74とスプール20とは同期して回転するので、ウエビング28の引き出しに不快感や違和感が生じることを抑制できる。しかも、ECU202及びドライバ82は、クラッチ72が解除されるのに必要なモータ60への通電時間T0よりも所定時間βだけ長くモータ60を逆転させるので、乗員によるウエビング28の引き出しが解消されてスプール20(アダプタ76)が停止した後に、ギヤ74はアダプタ76に対して所定量相対回転してクラッチ72が解除される。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態に係るモータリトラクタ200では、ウエビング28の格納後に再装着動作が行われたときのクラッチ72解除性が向上し、ウエビング28の引き出しに不快感や違和感が生じることを抑制できると共に、ウエビング28装着状態における乗員非圧迫性も確保できる。
なお、上記第2の実施の形態に係るモータリトラクタ200では、車両室内に乗員が存在するか否かを着座センサ96及びECU202によって判断する構成としたが、これに限るものではない。例えば、バックルスイッチ92がオフ状態になった直後には、乗員が車両室内に存在する可能性が高いため、バックルスイッチ92がオフ状態になってからの経過時間に基づいて、車両室内に乗員が存在するか否かをECU202で判断させることも可能である。また、例えば、車両のイグニッションスイッチがオフ状態にされた直後にも、乗員が車両室内に存在する可能性が高い。したがって、イグニッションスイッチをECU202に接続すれば、イグニッションスイッチがオフ状態になってからの経過時間に基づいて、車両室内に乗員が存在するか否かをECU202で判断させることも可能である。さらに、上述したバックルスイッチ92及びイグニッションスイッチ以外にも、乗員が操作するスイッチ類やドア開閉センサ94等を利用して、車両室内に乗員が存在するか否かをECU202で判断させることも可能である。
また、上記第2の実施の形態に係る駆動制御プログラムのステップ118においては、モータ60への通電時間T1は、クラッチを解除するために必要なモータ60への通電時間T0よりも長くなるので(T1−T2≧X=T0+α)、ステップ210における処理の代わりに、ステップ118と同様の処理を実施する構成としてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係るモータリトラクタの全体構成の概略を示す正面断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るモータリトラクタの制御手段の制御手順を示す流れ図である。 本発明の第2の実施の形態に係るモータリトラクタの全体構成の概略を示す正面断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るモータリトラクタの制御手段の制御手順を示す流れ図である。
符号の説明
10 モータリトラクタ
20 巻取軸
28 ウエビング
34 渦巻きばね(付勢部材)
60 モータ
62 出力軸
72 クラッチ
82 ドライバ(制御手段)
86 ECU(制御手段)
88 スプール回転検出センサ(制御手段)
92 バックルスイッチ(制御手段)
96 着座センサ(制御手段)
98 拘束電流検出回路(制御手段)

Claims (3)

  1. 車両の座席に着座した乗員に装着された状態で前記乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングと、
    前記ウエビングの長手方向基端側が係止され、前記ウエビングが巻取り引出し可能に巻き回される巻取軸と、
    前記巻取軸に連結され、前記ウエビングの装着状態における乗員非圧迫性に対応する付勢力で前記巻取軸を前記ウエビング巻取方向へ付勢する付勢部材と、
    モータと、
    前記巻取軸と前記モータの出力軸との間に介在し、前記モータの正転を前記巻取軸に伝達して前記巻取軸を前記ウエビング巻取方向へ回転させると共に、前記モータの逆転による前記出力軸と前記巻取軸との所定量の相対回転で解除状態となるクラッチと、
    前記モータの正転による前記ウエビングの巻き取り途中で乗員がウエビングを引き出して前記ウエビングの巻き取りに抗する外力が作用することで前記モータに流れる拘束電流を検出した際には前記モータを逆転させ、かつその後に、前記出力軸が前記巻取軸に対して少なくとも前記所定量相対回転して、前記クラッチが解除するまで前記モータの前記逆転を継続する制御手段と、
    を備えたモータリトラクタ。
  2. 前記制御手段は、前記クラッチが解除したか否かを前記出力軸と前記巻取軸の各回転時間に基づいて判断する、
    ことを特徴とする請求項1記載のモータリトラクタ。
  3. 車両の座席に着座した乗員に装着された状態で前記乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングと、
    前記ウエビングの長手方向基端側が係止され、前記ウエビングが巻取り引出し可能に巻き回される巻取軸と、
    前記巻取軸に連結され、前記ウエビングの装着状態における乗員非圧迫性に対応する付勢力で前記巻取軸を前記ウエビング巻取方向へ付勢する付勢部材と、
    モータと、
    前記巻取軸と前記モータの出力軸との間に介在し、前記モータの正転を前記巻取軸に伝達して前記巻取軸を前記ウエビング巻取方向へ回転させると共に、前記ウエビングの格納状態では前記出力軸と前記巻取軸との連結状態を維持するクラッチと、
    前記乗員の乗車時に前記乗員が前記ウエビングを装着する際には前記モータを所定時間逆転させることで前記出力軸と前記巻取軸とを所定量相対回転させて前記クラッチを解除状態にすると共に、前記乗員が前記ウエビングの装着状態を解除して前記ウエビングが格納された後に前記車両室内に前記乗員が存在する場合には前記モータを前記所定時間よりも長く逆転させる制御手段と、
    を備えたモータリトラクタ。
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