JP4497516B2 - 熱収縮性筒状ラベル - Google Patents
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Description
特に、この表示が機械的読取記号である場合には、機械装置による読取ミスを防止できる。
<第1実施形態>
図1に於いて、1は、熱収縮性フィルム2と非熱収縮性フィルム3が部分接着されたラベル基材5の両側端部5a,5bを重ね合わせて筒状にし、この重ね合わせ部分を溶剤又は接着剤などで貼着することによりセンターシール部6が形成された熱収縮性筒状ラベルを示す。
ラベル基材5は、図2〜図4にも示すように、熱収縮性フィルム2の表面2cに非熱収縮性フィルム3が重ね合わされて構成されており、両フィルム2,3を部分的に接着する手段として、両フィルム2,3間には、上下方向X(筒状ラベル1とした場合に容器等へ嵌挿する方向X。以下同様)に延びる線状の接着部7が、幅方向Y(前記上下方向Xと直交する方向。筒状ラベル1の周方向と同義。以下同様)に間隔をあけて複数本設けられている。具体的には、この複数本の接着部7は、両フィルム2,3の上下端縁にまで延び、且つ非熱収縮性フィルム3の一側端部3aから他側端部3bに亘り幅方向Yに一定間隔をあけて略平行に設けられている。各接着部7の隙間は、両フィルム2,3が接着しない非接着部8である。従って、ラベル基材5は、両フィルム2,3間に上下方向Xに延びる線状の接着部7と上下方向Xに延びる帯状の非接着部8が幅方向Yに交互に設けられ、この部分的に接着された範囲が熱収縮によって凹凸状に変形しうる凹凸変形領域Tとなっている。そして、本実施形態のラベル基材5は、後述する一部領域Sを除き、その略全体が凹凸変形領域Tとされている。尚、熱収縮性フィルム2の一側端部2aには、センターシールするために非熱収縮性フィルム3が存在せず、上下方向Xに熱収縮性フィルム2の表面2cが露出した表面露出部4が確保されている。
接着部7は、接着剤を塗布することにより構成されている。接着剤としては、両フィルム2,3を接着可能なものであれば特に限定されず、例えば、通常のドライラミネート法やウェットラミネート法などで用いられる接着剤、例えばアクリル系、ポリウレタン系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ゴム系などの溶剤型接着剤又は水溶性接着剤などを用いることができる。尚、両フィルム2,3が熱溶着又は溶剤接着可能な材質の場合には、接着剤に代えて、熱溶着又は溶剤塗布によって接着部7を構成してもよい。接着部7の幅は、0.5〜4mm程度が例示される。また、幅方向Yに隣合う接着部7の隙間幅(つまり非接着部8の幅)は、筒状ラベル1の円周長や熱収縮後に形成される凹凸状の模様などを考慮して適宜設定すればよく、例えば2mm〜15mm程度が例示される。
上記構成からなるラベル基材5を、熱収縮性フィルム2が内周面となるように筒状にし、その一側端部5aの表面露出部4を、他側端部5bの裏面に重ね合わせ、両面を溶剤又は接着剤などで貼着することによって、筒状ラベル1が構成されている。
非熱収縮性フィルム原反ロールから該フィルム3を繰り出しながら、その合わせ面(裏面3d)に、機械的読取記号10c、商標などの各種の表示10をグラビア印刷などで印刷した後、さらに、少なくともこの機械的読取記号10cが表された部分を覆うように、シリコーンなどの剥離剤12を重ね塗りし、ロール状に巻き取る。一方、熱収縮性フィルム原反ロールから該フィルム2を繰り出しながら、その合わせ面(表面2c)に、グラビアロール版などを用いて幅方向Yに所定間隔をおいて複数本の接着剤を上下方向線状に塗布して接着部7を設ける。次に、これを溶剤回収ゾーンに導いて溶剤を飛ばし、接着剤を半乾き状態にする。そして、この熱収縮性フィルム2の合わせ面2cに、(センターシール用の表面露出部4を除いて)非熱収縮性フィルム3を重ね合わせ、圧着ローラで圧着することによって、ラベル基材5が上下方向に連続的に繋がったラベル基材連続体が得られる。尚、フィルム原反から同時に複数列のラベル基材5を製造する場合には、例えば、熱収縮性フィルム2に接着剤を塗布する際に、表面露出部4を確保しながら接着剤を塗布し、一方、非熱収縮性フィルム3を重ね合わせる前に、ロールカッターなどで非熱収縮性フィルム原反を、表面露出部4相当部分を切り落とし、両フィルム2,3を重ね合わせて圧着し、各列毎に上下方向Xに切断することにより、同時に複数枚のラベル基材連続体を製造できる。
得られたラベル基材連続体を幅方向に切断して筒状に形成することにより、本発明の筒状ラベル1が製造できるが、連続的製造に於いては、通常、ラベル基材連続体はロール状に巻取られる。このラベル基材連続体ロールから基材を引き出しながら、フォーマーによって筒状に形成すると共に、表面露出部4に沿って溶剤又は接着剤を塗布し、両側端部5a,5bを重ね合わて貼着して筒状ラベル連続体を作製する。得られた筒状ラベル連続体は同様にロール状に巻き取られ、シュリンクラベラーに装着される。ラベラーは、筒状ラベル連続体を繰り出しながら所定長さ位置で幅方向Yに切断して筒状ラベル1を作製し、これを容器の胴部などに嵌挿する。そして、この嵌挿済み容器は、シュリンクゾーンに導かれることにより、筒状ラベル1が容器の胴部などに装着されたラベル付き容器が得られる。
かかる筒状ラベル1は、熱収縮性フィルム2が収縮するので、隣合う接着部7の隙間が縮まり、他方、非熱収縮性フィルム3は実質的に収縮しないので、非接着部8に対応する非熱収縮性フィルム3が外側に膨らむ結果、凹凸変形領域Tに凹凸状の模様を生じる。一方、一部領域Sは、両フィルム2,3間が非接着であるため、同様に外側に膨らむが、この一部領域Sは、接着部7に跨る範囲に設けられているので1本の非接着部8の幅よりも幅広であり、よって、一部領域Sに生じる凸状は、凹凸変形領域Tの凸状よりも大きな円弧を描いて膨らむ、又は、図5に示すように、一部領域Sの凸状頂部S3が略平坦状になって膨らむ。従って、凹凸状に変形せず且つ大円弧状膨出又は略平坦状膨出となる一部領域Sに印刷された表示10は、波状に変形しない。これにより看者に所望する表示10を綺麗に見せることができ、また、機械装置にバーコード10cなどを確実に読み取らせることができる。特に、一部領域Sが複数本の接着部7に跨った範囲に設けられている場合には、熱収縮後に生じる一部領域Sの凸状頂部S3が、より幅広の平坦状になるため、好ましい。
第2実施形態は、一部領域Sに於ける両フィルム2,3が、実質的に一体化されている点を特徴とする。以下、主として上記第1実施形態と異なる部分を説明し、同様の構成については、用語及び図番を援用し、その説明を省略することがある。
図6に於いて、各種表示10が表される一部領域Sは、上記第1実施形態と同様に凹凸変形領域Tに囲われ、且つ1以上の非接着部8よりも幅広(1以上の非接着部8に跨るように幅方向Yに広がる範囲)に確保されている。本実施形態の一部領域Sは、凹凸変形領域Tの中途部分に設けられ、その幅が2以上の非接着部8に跨がる長さで、且つ上下長さが幅長の2〜3倍程度の矩形状である。かかる一部領域Sに於ける両フィルム2,3は、実質的に一体化するように接着されている。ここで、実質的に一体化するような接着とは、熱収縮性フィルム2が熱収縮した際に、非熱収縮性フィルム3が凹凸状に変形しない又は殆ど凹凸状に変形しない(緩やかな凸状も含まれる)ように接着されているという意味である。このように接着する手段としては、図6に示すように、一部領域Sに於ける両フィルム2,3全面を、例えば、上記接着部7で例示した接着剤によってベタ塗りした接着部分14(以下、この一部領域Sの接着部分を、凹凸変形領域Tの接着部7と区別するため「第2接着部14」という)を設けたり、図7(a)に示すように、例えば間隔が1mm以下の正面格子状に第2接着部14を設けたり、図7(b)に示すように、幅方向Yに延びる線状の第2接着部14を上下多段に設けたり(幅方向Yに大きく熱収縮するので、この方向を規制するように第2接着部14を設ける手段)、図7(c)に示すように、幅方向Yに延びる点線状の第2接着部14を上下多段に設ける手段(但し、隣合う点の間隔は1mm以下程度が好ましい)などが例示される。これら第2接着部14は、凹凸変形領域Tの接着部7と同様に、接着剤が用いられるが、フィルムによっては、ホットメルト接着剤や、熱溶着又は溶剤接着も可能である。
非熱収縮性フィルム原反ロールから該フィルムを繰り出しながら、その合わせ面(裏面3d)に、機械的読取記号10c、商標などの表示10をグラビア印刷などで印刷した後、さらに、少なくともこの機械的読取記号10cが印刷された部分を覆うように、二液硬化型の耐熱性を有するウレタン系接着剤を重ね塗りして第2接着部14を設けると共に、他の部分は、上記第1実施形態と同様にして、熱収縮性フィルム2に第2接着部14と同じウレタン系接着剤を幅方向Yに間隔をおいて塗布することにより接着部7を設け、両フィルム2,3を貼り合わせ、これを筒状にすることにより、筒状ラベル1が製造される。得られた筒状ラベル1を容器に嵌挿し、シュリンクゾーンに導いて筒状ラベル1を加熱すると、ラベル付き容器が得られる。
本実施形態の筒状ラベル1も同様に、図8に示すように、凹凸変形領域Tが凹凸状に変形する。一方、一部領域Sは、その両フィルム2,3間が強固に接着されているので、両フィルム2,3はほとんど収縮せず、非熱収縮性フィルム3が大きく膨らむことなく略平坦状(装着される容器20などの装着面と略同形状)となる。従って、上記第1実施形態と同様に、バーコードなどの表示10を波打たせることなく表すことができるから、機械装置による読取ミスを防止できる。
尚、図9に示すように、所定の表示10を覆うように感熱接着剤を印刷などにより塗布し、他方のフィルムには接着部7を構成する接着剤を塗布し、両フィルム2,3を重ね合わせて貼り合わせた後、加熱するだけで、一部領域Sに於ける両フィルム2,3間が接着されたラベル基材5を得ることもできる。すなわち、印刷と共に感熱接着剤層15を設けたフィルムを予め準備しておくことができる上、両フィルム2,3を重ね合わせる際に正確な位置合わせをする必要がなく、従って、所望する表示10に重ね塗りするように感熱接着剤層15を設ける工程を、従来のラミネート法に付加するだけで、本発明に係る筒状ラベル1を製造することができる。
第3実施形態は、上記第1及び第2実施形態の筒状ラベル1に、一部領域Sと凹凸変形領域Tの境界に生じる歪みを緩和する歪み緩和手段が施されている点を特徴とする。以下、主として上記第1及び第2実施形態と異なる部分を説明し、同様の構成については、用語及び図番を援用し、その説明を省略することがある。
一部領域Sに於ける両フィルム2,3間を非接着とした第1実施形態の筒状ラベル1に施す歪み緩和手段としては、図10(a)に示すように、一部領域Sの上下端縁S1,S2に位置する接着部7の端部7a,7bを、一部領域Sに向かうに従い幅狭に形成することが例示される。幅狭形状は、図示したような傾斜状の他、階段状などでもよい。このように接着部7の端部7aを幅狭にすると、非接着部8の端部は、一部領域Sに向かうに従い幅が広くなる。よって、筒状ラベル1を熱収縮させると、凹凸変形領域Tの非接着部8に対応する膨出凸状が、一部領域Sの上下端部S1,S2に近づくに従い大きな円弧となるので、凹凸変形領域Tと一部領域Sの境界に生じる膨出高低差に伴う傾斜面及び形状差(凹凸状と平坦状の形状)による外観歪みを緩和することができる。尚、第1実施形態の筒状ラベル1に施す歪み緩和手段は、接着部7を次第に幅狭にすることが好ましいが、その他、図10(b)に示すように、複数本の接着部7の端部7a,7bのうちの一部を、一部領域Sの上下端部S1,S2から離して短く形成してもよい。
また、上記各歪み緩和手段は、一部領域Sの上下端縁S1,S2に施されることが好ましいが、一方縁側にのみ施されていてもよい。
その他、本発明は上記各実施形態に示された各例に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲で、適宜の構成を付加、代用、組合わせ、設計変更などすることができる。以下、上記各実施形態の更なる変形例について、上記の用語及び図番を援用しつつ説明する。
(接着部7及び非接着部8について)
接着部7は、上下方向に延びる直線状に限られず、例えば、図12(a)に示すように正面傾斜直線状、同図(b)に示すように屈曲状、その他図示しないが、湾曲状(円弧状)直線と斜線が合成された形状などでもよい。要は、熱収縮によって非熱収縮性フィルム3が凹凸状に変形するように、上下方向Xに延びる接着部7と非接着部8が幅方向Yに交互に設けられていればよい。また、隣合う接着部7は、略平行に限られない。さらに、上下方向Xに余り熱収縮しない筒状ラベル1の場合には、接着部7を点線状に形成しても構わない。
また、一方のフィルム(例えば、熱収縮性フィルム2)の合わせ面に、接着剤を全面的に塗布し、他方のフィルム(例えば、非熱収縮性フィルム3)に、非接着部8を構成するように、上下方向Xに延びる帯状の剥離層12を幅方向Yに間隔を於いて設けてもよい。この場合でも、両フィルム2,3を重ね合わせると、接着部7と非接着部8が幅方向Yに交互に形成される。
一部領域Sは、正面矩形状に限られず、例えば、図12(a)に示すように楕円を含む円形状、同図(b)に示すように三角形状、多角形状、その他任意の形状でもよい。また、一部領域Sを設ける位置は、凹凸変形領域Tの中途部に限られず、図13の(a)〜(c)に示すように、ラベル基材5の上端縁寄り、下端縁寄り、或いは、上端縁から下端縁までの全体に亘る範囲に設けられていてもよい。また、一部領域Sに表される表示10は、機械的読取記号10cに限られず、同図(b)に示すように、商標10bやその他の表示10でもよいし、同図(c)に示すように、機械的読取記号10cとその他の表示を併記してもよい。
上記各実施形態では、非熱収縮性フィルム3の裏面3dに、商標やバーコードなどの各種表示10が印刷されているが、該フィルム3の表面に各種表示10が印刷されていてもよい。尚、非熱収縮性フィルム3として非透明なものを用いる場合には、表示10が外部に表れるようにするため、必然的に表面に表示印刷又は表示シールを貼付する必要がある。また、透明な非熱収縮性フィルム3を用いる場合には、熱収縮性フィルム2の表面又は裏面(裏面に設ける場合には、熱収縮性フィルムも透明なものを用いる)に、各種表示10を印刷してもよい。尚、熱収縮性フィルム2側に表示10を施す場合に於ける筒状ラベル1の好ましい製法は、非熱収縮性フィルム3に接着部7を構成する接着剤を塗布すればよく、その他の工程は上記各実施形態で示した製造方法と同様である。もっとも、本発明に係る筒状ラベルは、本明細書で例示した製造方法に限定されるものではない。
上記各実施形態で例示した筒状ラベル1は、熱収縮性フィルム2を内周面にして筒状に形成されているが、逆に、非熱収縮性フィルム3を内周面にして筒状に形成してもよい。尚、この場合、各種表示10が外部から視認できるようにする必要があるが、その構成については上記説明から理解できるので省略する。
また、上記各実施形態では、筒状ラベル1の略全体が凹凸変形領域Tとされているが、実開平1−158465号に示すように、上方側又は下方側を凹凸変形領域Tとした筒状ラベル1でもよい。
本発明の筒状ラベル1は、断熱性や緩衝性を有するので、この機能を利用できる用途、例えば、カップラーメン容器などの湯注入容器、ホット飲料容器、アイスクリーム容器などや、壊れやすい物品が収納された容器などの他、容器装着以外に、物品の包装用としても使用できる。また、断熱性や緩衝性を目的とした用途に限られず、熱収縮によって装着できる対象物であれば、その用途は限定されない。
Claims (4)
- 熱収縮性フィルムと非熱収縮性フィルムが重ね合わされ、且つ前記両フィルム間を接着する接着部と非接着部が幅方向に交互に設けられた凹凸変形領域を有する熱収縮性筒状ラベルに於いて、
前記凹凸変形領域に囲われ且つ凹凸変形領域の非接着部よりも幅広の一部領域に、商品名などの表示が表され、前記一部領域に於ける両フィルムが非接着とされていることを特徴とする熱収縮性筒状ラベル。 - 熱収縮性フィルムと非熱収縮性フィルムが重ね合わされ、且つ前記両フィルム間を接着する接着部と非接着部が幅方向に交互に設けられた凹凸変形領域を有する熱収縮性筒状ラベルに於いて、
前記凹凸変形領域に囲われ且つ凹凸変形領域の非接着部よりも幅広の一部領域に、商品名などの表示が表され、前記一部領域に於ける両フィルムが実質的に一体化するように接着されていることを特徴とする熱収縮性筒状ラベル。 - 前記表示が、機械的読取記号である請求項1又は2記載の熱収縮性筒状ラベル。
- 前記一部領域の上方側又は下方側の少なくとも何れか一方側に位置する前記凹凸変形領域の接着部又は非接着部の端部には、熱収縮によって前記一部領域の上方側又は下方側に生じる歪みを緩和する歪み緩和手段が施されている請求項1〜3の何れかに記載の熱収縮性筒状ラベル。
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