JP4496357B2 - フッ素置換イリジウム錯体およびこれを用いた発光材料 - Google Patents

フッ素置換イリジウム錯体およびこれを用いた発光材料 Download PDF

Info

Publication number
JP4496357B2
JP4496357B2 JP2006514141A JP2006514141A JP4496357B2 JP 4496357 B2 JP4496357 B2 JP 4496357B2 JP 2006514141 A JP2006514141 A JP 2006514141A JP 2006514141 A JP2006514141 A JP 2006514141A JP 4496357 B2 JP4496357 B2 JP 4496357B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
general formula
carbon atoms
iridium complex
hydrogen atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006514141A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2005118606A1 (ja
Inventor
英雄 今野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Publication of JPWO2005118606A1 publication Critical patent/JPWO2005118606A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4496357B2 publication Critical patent/JP4496357B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/14Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the chemical or physical composition or the arrangement of the electroluminescent material, or by the simultaneous addition of the electroluminescent material in or onto the light source
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F15/00Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table
    • C07F15/0006Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table compounds of the platinum group
    • C07F15/0033Iridium compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B57/00Other synthetic dyes of known constitution
    • C09B57/10Metal complexes of organic compounds not being dyes in uncomplexed form
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/06Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing organic luminescent materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2211/00Chemical nature of organic luminescent or tenebrescent compounds
    • C09K2211/10Non-macromolecular compounds
    • C09K2211/1018Heterocyclic compounds
    • C09K2211/1025Heterocyclic compounds characterised by ligands
    • C09K2211/1029Heterocyclic compounds characterised by ligands containing one nitrogen atom as the heteroatom
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2211/00Chemical nature of organic luminescent or tenebrescent compounds
    • C09K2211/18Metal complexes
    • C09K2211/185Metal complexes of the platinum group, i.e. Os, Ir, Pt, Ru, Rh or Pd

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Description

本発明は、有機電界発光(有機EL)素子用材料、エレクトロケミルミネッセンス(ECL)素子材料、発光センサー、光増感剤、ディスプレイ、蛍光増白剤、写真用材料、レーザー色素、カラーフィルター用染料、光通信、色変換フィルター、バックライト、照明、光増感色素、各種光源などに有用な新規イリジウム錯体、並びに該化合物からなる青色発光材料に関するものである。
有機電界発光(有機EL)素子は次世代の携帯情報端末などのディスプレイ素子として注目されており、近年になって発光素子に用いられる各種有機材料の開発が活発に進められるようになってきた。ここで、発光材料に関して言えば、励起一重項からの発光を利用する蛍光材料と、励起三重項からの発光を利用する燐光材料に大きく分類できる。励起一重項からの発光を用いる場合、一重項励起子と三重項励起子の生成比が1:3であるため発光性励起種の生成確率が25%であることと、光の取り出し効率が約20%であるため、外部取り出し量子効率の限界は5%とされている。一方で、これに励起三重項をも利用できると、内部量子効率の上限が100%となるため、励起一重項の場合に比べて原理的に発光効率が4倍となることから注目されている。
燐光材料の中でも、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体に代表されるオルトメタル化イリジウム錯体は、発光効率の観点から有望視されており、特に注目されている発光素子材料である(特許文献1)。近年では、発光素子材料として用いられる燐光材料の開発が活発に行われているが、フルカラー表示に必要な3原色の中でも特に青色においては十分な特性の燐光材料は得られていない。
これまでに、青色発光特性を示す燐光性イリジウム錯体としては、2−フェニルピリジン誘導体配位子のフェニル基の特定部位(2位および4位)にフッ素原子を導入したイリジウム錯体が報告されている。例えば、下式(A)〜(P)で表される2-(2,4-ジフルオロフェニル)ピリジン配位子を有する燐光性イリジウム錯体が数多く開示されている。(特許文献(2)〜(11)、非特許文献(1)〜(5))。
Figure 0004496357
Figure 0004496357
しかし、これらのイリジウム錯体は、依然として発光に緑色成分が含まれているため、青色燐光材料として必ずしも満足できるものではなく、新規燐光材料が渇望されている。
さらに、特許文献(12)〜(15)には、本発明と関連して、フッ素置換イリジウム錯体(例えば、下式(F―1)〜(F―3)など)が記載されているが、これらイリジウム錯体の発光特性に関する記載は全くなく、2−フェニルピリジン誘導体配位子のピリジン環上のフッ素置換基とイリジウム錯体の発光特性の相関については、未だ明らかになっていない。
Figure 0004496357
国際公開第 00/70655号パンフレット 国際公開第 02/15645号パンフレット 特許公開2002-117978 号公報 特許公開2002-170684号公報 特許公開2002-235076号公報 特許公開2003-133074号公報 特許公開2003-253128号公報 特許公開2003-321546号公報 特許公開2003-342325号公報 特許公開2005-38847号公報 特許公開2005-82598号公報 特許公開2003-113161号公報 特許公開2003-113163号公報 特許公開2003-113164号公報 特許公開2003-113190号公報 Applied Physics Letters 2003年 83巻 3818頁 Chemical Communication 2004年 1774頁 Advanced Materials 2005年 17巻 285頁 Inorganic Chemistry 2005年 44巻 1713頁 第51回応用物理学関係連合講演会講演予稿集 30p−ZN−5
本発明の目的は、高輝度・高効率発光が可能で耐久性に優れた発光素子、並びに該発光素子に使用でき、有機電界発光素子用材料、エレクトロケミルミネッセンス(ECL)素子材料、発光センサー、光増感剤、ディスプレイ、蛍光増白剤、写真用材料、レーザー色素、カラーフィルター用染料、光通信、色変換フィルター、バックライト、照明、光増感色素、各種光源等にも適用できる新規な青色発光性イリジウム錯体を提供することである。
本発明者は、前述した2−フェニルピリジン誘導体配位子を有する公知イリジウム錯体が、依然として、その発光に緑色成分が多く含まれている現状に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、イリジウム錯体の発光をさらに短波長シフトさせるためには、配位子である2−フェニルピリジン誘導体配位子のピリジン環に、置換フェニル基に対しメタ位(下式参照)にフッ素原子を導入する手法が極めて有効であることを見出した。
実際に、本手法により得られる新規イリジウム錯体が、ピリジン環上にフッ素原子を導入していない公知イリジウム錯体と比較して、その発光が短波長シフトし、優れた青色発光特性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
Figure 0004496357
Figure 0004496357
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) 下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体。
Figure 0004496357
(上記一般式(1)中、R1〜R8は水素原子または置換基を表す。ただし、R1またはR3の少なくとも一つはフッ素原子であり、さらに、R5またはRの少なくとも一つはフッ素原子である。L1は含窒素ヘテロ環配位子、ジケトン配位子、カルボン酸配位子、ピラゾリルボレート配位子、リン配位子、ハロゲン配位子を表す。n1は1〜3の整数を表し、n2は0〜4の整数を表す。)
(2) R3がフッ素原子である前記1に記載のイリジウム錯体。
(3) R6またはR8の少なくとも一つはトリフルオロメチル基である前記1または2に記載のイリジウム錯体。
(4) R5およびRがともにフッ素原子である前記1乃至3何れかに記載のイリジウム錯体。
(5) L1が、下記一般式(2)で表される配位子である前記1乃至4何れかに記載のイリジウム錯体。
Figure 0004496357
(上記一般式(2)中、R10〜R17は水素原子または置換基を表す。ただし、R10またはR12の少なくとも一つはフッ素原子であり、さらに、R14またはR16の少なくとも一つはフッ素原子である。)
(6) L1が、下記一般式(3)で表される配位子である前記1乃至4何れかに記載のイリジウム錯体。
Figure 0004496357
(上記一般式(3)中、R20〜R23は水素原子または置換基を表す。)
(7) L1が、下記一般式(4)で表される配位子である前記1乃至4何れかに記載のイリジウム錯体。
Figure 0004496357
(上記一般式(4)中、R30〜R32は水素原子または置換基を表す。)
(8) L1が、下記一般式(5)で表される配位子である前記1乃至4何れかに記載のイリジウム錯体。
Figure 0004496357
(上記一般式(5)中、R40〜R41は水素原子または置換基を表す。)
(9) L1が、下記一般式(6)で表される配位子である前記1乃至4何れかに記載のイリジウム錯体。
Figure 0004496357
(上記一般式(6)中、n3は0または1を表す。X1は水素原子または置換基を表す。R50〜R57は、水素原子または置換基を表す。)
(10) L1が、下記一般式(7)で表される配位子である前記1乃至4何れかに記載のイリジウム錯体。
Figure 0004496357
(上記一般式(7)中、R60〜R69は水素原子または置換基を表す。Aは連結基を表す。)
(11) L1が、下記一般式(8)で表される配位子である前記1乃至4何れかに記載のイリジウム錯体。
Figure 0004496357
(上記一般式(8)中、R70〜R75は水素原子または置換基を表す。YおよびZは、窒素原子または炭素原子である。ただし、Yが窒素原子の時はR74は存在せず、Zが窒素原子の時はR75は存在しない。)
(12) L1が、下記一般式(9)で表される配位子である前記1乃至4何れかに記載のイリジウム錯体。
Figure 0004496357
(上記一般式(9)中、R80〜R84は水素原子または置換基を表す。)
(13) L1が、下記一般式(10)で表される配位子である前記1乃至4何れかに記載のイリジウム錯体。
Figure 0004496357
(上記一般式(10)中、R90は水素原子または置換基を表す。)
(14) 前記1乃至13何れかに記載のイリジウム錯体からなる発光材料
(15) 前記14に記載の発光材料を用いた発光素子
(16) 下記一般式(11)で表されるイリジウム錯体。
Figure 0004496357
(一般式(11)中、R100〜R115は水素原子または置換基を表す。ただし、R100またはR102の少なくとも一つはフッ素原子であり、R108またはR110の少なくとも一つはフッ素原子であり、R104またはR106の少なくとも一つはフッ素原子であり、R112またはR114の少なくとも一つはフッ素原子である。)
(17) 前記16に記載のイリジウム錯体と前記1に記載のL1とを反応させることを特徴とする、前記1乃至13何れかに記載のイリジウム錯体の製造方法。
本発明の新規なイリジウム錯体は、効率よく高輝度で青色領域の発光を有することから、該化合物を用いた発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア等の分野に好適である。また、本発明の化合物は、医療用途、蛍光増白剤、写真用材料、UV吸収材料、レーザー色素、カラーフィルター用染料、色変換フィルター、光通信等にも適用可能である。また、本発明である青色発光素子を基本とし、赤〜橙色発光材料、赤〜橙色発光素子を組み合わせることにより、高効率白色発光素子も作製できる。
本発明化合物(B−34)と前式(C)で表される公知化合物のTHF中の発光スペクトルである。実線は本発明化合物を表し、点線は前式(C)で表される公知化合物を表す。 本発明化合物(B−106)と前式(S)で表される公知化合物のTHF中の発光スペクトルである。実線は本発明化合物を表し、点線は前式(S)で表される公知化合物を表す。 本発明化合物(B−118)と前式(N)で表される公知化合物のTHF中の発光スペクトルである。実線は本発明化合物を表し、点線は前式(N)で表される公知化合物を表す。 本発明化合物(B−136)と前式(D)で表される公知化合物のTHF中の発光スペクトルである。実線は本発明化合物を表し、点線は前式(D)で表される公知化合物を表す。
本発明に係る前記一般式(1)で表されるイリジウム錯体は新規化合物であり、配位子である2−フェニルピリジン誘導体配位子のピリジン環に、置換フェニル基に対しメタ位に電子吸引性であるフッ素原子を導入することにより得られる該イリジウム錯体が、2−フェニルピリジン誘導体配位子のピリジン環上が無置換の公知イリジウム錯体と比較して、その発光が短波長にシフトするという実験事実は予想外であり、従来全く知られていない事柄である。
従来、イリジウム錯体の発光を短波長シフトさせるためには、2−フェニルピリジン誘導体配位子のピリジン環上の置換基に、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、置換アミノ基などのいわゆる電子供与性置換基を導入することが好ましいとされている(特許文献3, 特許文献6など参照)。
一方、ピリジン環上に電子吸引性基を導入したイリジウム錯体においては、その発光が長波長シフトすることは良く知られている。例えば、Journal of the American Chemical Society 2003年 125巻 12971頁には、代表的な電子吸引性基であるトリフルオロメチル基を、2−チエニルピリジンのピリジン環上に導入することにより、発光極大が550nmから563nmへ長波長シフトすることが記載されている。さらに、Chemical
Communication 2001年 1494頁においても、トリフルオロメチル基を2−フェニルピリジンのピリジン環上に導入することにより、発光極大波長が522nmから545nmへ長波長シフトすることが記載されている。
以上のことから、2−フェニルピリジン誘導体配位子のピリジン環上に、電子吸引性であるフッ素原子を導入することにより、そのイリジウム錯体の発光が短波長にシフトすることは上記技術常識からは全く予見できないことであり、本発明者らの、数多くの緻密な実験の積み重ねによって見いだされた予想外の新規な知見である。
そして、前記一般式(1)で表される本発明の新規なイリジウム錯体は、これを発光素子の発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物層に含有させることで、青色領域に優れた発光色を有する発光素子とすることができる。
また、発光素子を作製する際に、これまで、フッ素置換基を有するイリジウム錯体を用いることにより、フッ素の電気的効果あるいは立体障害によって、分子間相互作用が抑制され、物理的には結晶化が抑制されるために膜質が均一化され、またイリジウム錯体間の相互作用によるエネルギー失括が抑制されるために発光効率が向上し、結果として電気特性の向上、素子安定性の向上が図れることが知られている(特許公開2003-68467号、国際公開第 02/44189号、国際公開第 02/45466号など参照)。
しかしながら、青色発光材料の開発という観点からは、2−フェニルピリジン誘導体配位子のフェニル基上にフッ素原子を導入することは前述のように数多く行われてきたものの、2−フェニルピリジン誘導体配位子のピリジン環上にフッ素原子を導入することは従来行われてこなかった。それは、ピリジン環上にフッ素原子を導入することによって、イリジウム錯体の発光は長波長シフトし、青色発光材料として適さなくなると考えられてきたからである。
本発明では、2−フェニルピリジン誘導体配位子のピリジン環に、置換フェニル基に対しメタ位にフッ素原子を導入することで、青色純度の良好な発光色を得ることができるとともに、さらに、ピリジン環上のフッ素置換基の効果により、真空蒸着法で成膜するときに、昇華温度が低下して蒸着しやすくなり、素子作製の際の真空蒸着時の分解が抑制され、さらにイリジウム錯体間の分子間相互作用が低下し濃度消光が抑制される。本発明のイリジウム錯体を用いることにより、長時間安定した発光が実現できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物は、前記一般式(1)で表される構造を有すれば良く、その互変異性体であっても良い。前記一般式(1)で表される化合物の中でも、溶液中または固体状態での発光量子収率は、0.01以上のものが好ましく、0.1以上のものがより好ましく、0.3以上のものがさらに好ましい。発光極大波長としては、500nm以下のものが好ましく、350nm以上500nm以下のものがより好ましく、400nm以上490nm以下のものがさらに好ましく、410nm以上480nm以下のものが特に好ましい。
つぎに、前記一般式(1)〜(11)に記載した記号(R〜R、R10〜R17、R20〜R23、R30〜R32、R40〜R41、R50〜R57、R60〜R69、R70〜R75、R80〜R84、R90、R100〜R115、L、n、n、n、X、A、Y、および、Z)について以下に説明する。
一般式(1)〜(11)に記載した置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、ターシャルブチル、ノルマルオクチル、ノルマルデシル、ノルマルヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる)。アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的にはイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
前記一般式(1)中、RまたはRの少なくとも一つはフッ素原子であり、R5またはRの少なくとも一つはフッ素原子である。Rは水素原子、フッ素原子、アルキル基又はアルコキシ基が好ましく、水素原子又はフッ素原子であるのがより好ましい。Rは水素原子、フッ素原子、アルキル基又はアルコキシ基が好ましく、フッ素原子であるのがより好ましい。R及びRはそれぞれ好ましくは水素原子、フッ素原子、アルキル基又はアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子又はアルキル基である。Rは好ましくは水素原子、アルキル基又はフッ素原子であり、より好ましくは水素原子又はフッ素原子であり、特に好ましくはフッ素原子である。R及びRはそれぞれ好ましくは水素原子、トリフルオロメチル基、又はフッ素原子であり、より好ましくは水素原子である。Rは好ましくは水素原子、アルキル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。以上の組み合わせの中でも、R、RおよびRがフッ素原子であることが最も好ましい。
前記一般式(1)に記載のLについては、好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン誘導体、ピラゾリルピリジン誘導体、ベンズイミダゾリルピリジン誘導体、2,2’―ジピリジルアミン誘導体など、他には特許公開2003-133074号に記載の配位子などが挙げられる)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン誘導体など、他には特許公開2005-35902号に記載の配位子などが挙げられる)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸誘導体、ピコリン酸誘導体など、他には特許公開2004-349224号に記載の配位子などが挙げられる)、ピラゾリルボレート誘導体(例えば、Inorganic Chemistry
2005年 44巻 1713頁に記載の配位子などが挙げられる)、リン配位子(例えば、ホスフィン誘導体、亜リン酸エステル誘導体など、他には特許公開2002-170684号や特許公開2005-97263号に記載の配位子などが挙げられる)、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子、フッ素配位子)である。
前記一般式(1)中、nについては、n1は1〜3の整数を表す。2または3が好ましい。nについては、n2は0〜4の整数を表す。0〜2が好ましく、0または1がより好ましい。
前記一般式(2)中、R10〜R17は、それぞれR〜Rと同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(3)中、R20〜R23は、アルキル基、水素原子、または、水酸基が好ましい。
前記一般式(4)に記載のR30〜R32については、アルキル基、水素原子、アリール基または置換アリール基が好ましい。
前記一般式(5)に記載のR40〜R41については、水素原子、アルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ピラゾリル基、置換ピラゾリル基、トリアゾリル基、置換トリアゾリル基、ピリジル基、置換ピリジル基、ナフチル基、置換ナフチル基が好ましい。より好ましくは、水素原子、アルキル基、フェニル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基である。
前記一般式(6)中、R50〜R53については、それぞれR20〜R23と同義であり、好ましい範囲も同じである。R54〜R57については、それぞれR20〜R23と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(6)中、Xについては、水素原子、フェニル基、置換フェニル基、ピリジル基、置換ピリジル基、ナフチル基、置換ナフチル基が好ましい。より好ましくは、水素原子、置換フェニル基である。
前記一般式(6)中、nは0または1の整数を表し、1が好ましい。
前記一般式(7)中、R60〜R69については、アルキル基、水素原子、または、水酸基が好ましい。
前記一般式(7)中、Aについては、連結基を表す。炭素数1〜10のアルキレン基、フェニレン基、炭素数7〜20の置換フェニレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基、フェニレン基、炭素数7〜15の置換フェニレン基がさらに好ましい。これらの連結基にシリコンが含有されたのも好ましい。
前記一般式(8)中、YおよびZについては、窒素原子または炭素原子を表す。
前記一般式(8)中、R70〜R73については、それぞれR20〜R23と同義であり、好ましい範囲も同じである。R74、R75については、Yが窒素原子の時はR74は存在せず、Zが窒素原子の時はR75は存在しない。R74、R75としては、水素原子、アルキル基、アリール基又は電子吸引性基であるのが好ましい。電子吸引性基の中でも、フッ素原子、トリフルオロメチル基、アセチル基、メタンスルホニル基、トリフルオロアセチル基、トリフルオロメタンスルホニル基及びシアノ基が好ましく、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロアセチル基及びトリフルオロメタンスルホニル基がより好ましく、フッ素原子及びトリフルオロメチル基が更に好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
前記一般式(9)中、R80〜R83については、それぞれR20〜R23と同義であり、好ましい範囲も同じである。R84については、好ましくは電子吸引性基であり、より好ましくは置換カルボニル基(アセチル基、ジアルキルアミノカルボニル基、メトキシカルボニル基、パーフルオロフェニルカルボニル基等)、置換スルホニル基(メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等)、置換スルホキシド基(メチルスルホキシド基等)又はトリフルオロメチル基であり、更に好ましくはアシル基(アセチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロベンゾイル基等)又は置換スルホニル基であり、特に好ましくはフッ素置換アシル基、フッ素置換アルキルスルホニル基又はフッ素置換アリールスルホニル基である。
前記一般式(10)中、R90については、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、高分子残基であってもよい。
前記一般式(11)中、R100〜R107については、それぞれR〜Rと同義であり、好ましい範囲も同じである。R108〜R115については、それぞれR〜Rと同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(1)に記載の配位子(窒素原子、炭素原子、およびR〜Rから構成される)としては、例えば、表1に示されるものが好ましく用いられる。
Figure 0004496357
一般式(1)に記載のLとしては、一例として、表1および表2に示されるものが好ましく用いられる。
Figure 0004496357
すなわち、本発明化合物は、典型的には、表1と表2の配位子を組み合わせることにより得られる。
一般式(11)に記載のダイマーとしては、例えば、表3および表4に示されるものが好ましく用いられる。
Figure 0004496357
Figure 0004496357
前記一般式(1)で示されるイリジウム錯体におけるイリジウム原子の価数は、特に限定されるものではないが、3価が好ましい。
また、前記一般式(1)に示されるイリジウム化合物は、中性錯体でもイオン性錯体であってもよい。イオン性錯体のカウンターイオンとしては特に制限はないが、好ましくはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲンイオン、パークロレイトイオン、PF6イオン、アンモニウムイオン、CFCFCFCOOイオン、ボレートイオン又はホスホニウムイオンである。
また、前記一般式(1)に示されるイリジウム錯体は、そのまま低分子化合物として用いることもできるし、また前記一般式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位を含む、いわゆるオリゴマー化合物およびポリマー化合物(質量平均分子量(ポリスチレン換算)は、好ましくは1000〜5000000、より好ましくは2000〜1000000、さらに好ましくは3000〜100000である。)として用いることも好適である。
本発明イリジウム錯体の発光スペクトルが、2−フェニルピリジン誘導体配位子のピリジン環上にフッ素原子を導入していない公知イリジウム錯体や、置換フェニル基に対しオルト位またはパラ位にフッ素を導入したイリジウム錯体と比較して、短波長シフトする理由について、現在のところ以下のように推測している。
これらのイリジウム錯体の発光が3重項状態のMLCT(Metal to Ligand Charge Transfer)励起状態から生じていると仮定した場合、MLCT励起状態は、中心金属イリジウムのd軌道から配位子のπ軌道への遷移なので、励起状態では、中心金属イリジウムは1電子酸化され、一方、2−フェニルピリジン誘導体配位子は1電子還元された状態と近似できる。したがって、イリジウム錯体の発光エネルギーは、おおまかにはイリジウム錯体の基底状態における酸化還元電位を測定することで考察できるので、これらイリジウム錯体の電気化学測定(溶媒:MeCN、支持電解質:NBu4BF4、作用電極:白金、対極:白金、参照電極:Ag/AgNO3(0.01
M))を行った。以下に、結果の一例を示すが、下記の本発明化合物は公知化合物と比較して、酸化側の電位については59 mV正側にシフトし、還元側の電位については14
mV正側にシフトしていることがわかった。すなわち、本発明化合物は、公知化合物より59 mVほど酸化されにくく、また14 mVほど還元されやすくなっていることを意味している。
Figure 0004496357
この結果については、置換基の電子吸引性パラメータであるハメットの置換基定数(有機電子論解説第4版、井本稔著、東京化学同人、288頁によると、フッ素置換基のシグマ値については、メタ位は0.337、オルト位は0.062と記述されている)でうまく説明できることがわかった。
すなわち、置換フェニル基に対しメタ位にフッ素原子を導入したときには、フッ素原子を基準にメタ位に結合している置換フェニル基の電荷密度が低下し、その影響として、中心金属の電荷密度の低下(中心金属のd軌道が下がり、π軌道とのエネルギー差が大きくなり発光の短波長シフトを引き起こす)の効果が、配位子のπ軌道の安定化(配位子のπ軌道が下がり、d軌道とのエネルギー差が小さくなり発光の長波長シフトを引き起こす)の寄与よりも、相対的に大きくなり、その発光が短波長シフトしたものと考えられる。
一方、置換フェニル基に対しオルト位またはパラ位にフッ素を導入すると、発光の長波長シフトを引き起こすπ軌道の安定化の寄与が、発光の短波長シフトを引き起こす中心金属の電荷密度の低下の効果よりも相対的に大きくなるため、発光が長波長シフトしたものと考えられる。
上記の考察は、実際に、各々のイリジウム錯体の酸化還元電位を測定するとによって裏付けられた。したがって、2−フェニルピリジン誘導体配位子の置換フェニル基に対しメタ位にフッ素原子を導入したイリジウム錯体の発光は、公知イリジウム錯体と比較して短波長シフトし、この現象はフッ素原子の特異な電子的性質によって説明できる。すなわち、2−フェニルピリジン誘導体配位子の置換フェニル基に対しメタ位にフッ素原子を導入することで、公知のイリジウム錯体の発光を短波長シフトさせることができる。
本発明に係る前記一般式(11)に示されるイリジウムダイマーを製造するには、従来公知の方法がすべて利用できる。例えば、前記表1に示される配位子とハロゲン化イリジウム(例えば、3塩化イリジウムまたは6塩化イリジウムの水和物など)とを共存させ、通常の方法(溶媒の存在下または非存在下、常温または加熱すること)で反応させれば良い。窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下で反応を行うのも好ましい。また、加熱手段は特に制約されないが、反応を円滑するために、マイクロ波を照射することも好ましく用いられる。マイクロ波の照射時間は1〜60分が望ましく、より好ましくは5〜45分である。マイクロ波の波長に特に制限はないが、2000〜3000MHz、好ましくは2400〜2500MHzである。マイクロ波発振装置としては、市販されている従来公知の発振装置が全て適用できる。また、加熱手段として、オイルバス、マントルヒーター等を用いても良い。その場合の反応時間は、0.5〜24時間が望ましく、より好ましくは1〜15時間である。
本発明に係る前記一般式(1)に示されるイリジウム錯体を製造するには、従来公知の方法、たとえば、Inorganic Chemistry 1991年 30巻 1685頁、Inorganic Chemistry 1994年 33巻 545頁、Inorganic
Chemistry 2001年 40巻 1704頁、Chemical Communication 2001年 1494頁、Chemistry Letters
2003年 32巻 252頁などの方法がすべて利用できる。
例えば、前記記号Lに示される配位子と前記一般式(11)で表されるイリジウムダイマーとを共存させ、通常の方法(溶媒の存在下または非存在下、塩基の存在下または非存在下、脱ハロゲン化剤としての銀化合物の存在下または非存在下、常温または加熱すること)で反応させれば良い。窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下で反応を行うのも好ましい。また、加熱手段は特に制約されないが、反応を円滑するために、マイクロ波を照射することも好ましく用いられる。マイクロ波の照射時間は化合物によっても異なるが、1〜90分が望ましく、より好ましくは1〜45分である。マイクロ波の波長に特に制限はないが、2000〜3000MHz、好ましくは2400〜2500MHzである。マイクロ波発振装置としては、市販されている従来公知の発振装置が全て適用できる。また、加熱手段として、オイルバス、マントルヒーター等を用いても良い。その場合の反応時間は、0.5〜24時間が望ましく、より好ましくは0.5〜15時間である。
また、本発明に係る前記一般式(1)で示されるイリジウム錯体を製造するには、該反応を更に円滑に進めるために、反応溶媒を用いることが望ましい。このような溶媒としては特に制限はないが、アルコール系溶媒、プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒、ニトリル系溶媒などが好ましく用いられ、具体的には、クロロホルム、ジクロロメタン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、メタノール、エタノール、水、アセトニトリル、DMF、DMSO、エチレングリコール、グリセリンなど、もしくはこれらの混合溶媒が好ましい。
また、前記一般式(1)で示されるイリジウム錯体を製造する場合の、反応温度、反応圧力、反応時間は、使用する原料、マイクロ波の出力、溶媒などによって異なるが、通常、反応温度は40〜300℃、好ましくは50〜200℃、反応圧力は1〜30atm、好ましくは1〜5atmである。
本発明に係るイリジウム錯体は、通常の合成反応の後処理に従って処理した後、必要があれば精製してあるいは精製せずに供することができる。後処理の方法としては、例えば、抽出、冷却、水または有機溶媒を添加することによる晶析、反応混合物からの溶媒を留去する操作等を単独あるいは組み合わせて行うことができる。精製の方法としては再結晶、蒸留、昇華あるいはカラムクロマトグラフィー等を単独あるいは組み合わせて行うことができる。
以下に、本発明に係る、前記一般式(1)で示されるイリジウム錯体について、その代表例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0004496357
Figure 0004496357
Figure 0004496357
Figure 0004496357
Figure 0004496357
Figure 0004496357
Figure 0004496357
Figure 0004496357
Figure 0004496357
Figure 0004496357
次に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
本発明化合物の合成
<実施例1> (D−1)の合成
2−クロロ−4−フルオロピリジンを2g、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸を2.64g、1,2−ジメトキシエタンを20mL、炭酸カリウムの2M水溶液24mlを二口フラスコに入れた。この溶液にアルゴンガスを20分間通気した後、テトラキストリフェニルホスフィン(0)パラジウム錯体を0.88g入れた。この溶液を、オイルバスを用いてアルゴン雰囲気下で16時間加熱還流した。有機層を分離回収し溶媒を減圧留去したところ、オレンジ色の固体が得られた。この固体をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとメタノールの混合溶媒)により分離精製することで、4−フルオロ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジンを2.3g得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) :δ 8.65〜8.68(m, 1H)、8.04〜8.09(m, 1H)、7.52(d, 1H)、7.00−7.04(m,2H)、6.94(dd, 1H).
引き続いて、上記の方法で合成した4−フルオロ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジンを0.71g、3塩化イリジウムn水和物を0.3g、2−エトキシエタノールを20mL、水を8ml、をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(HITACHI製、MR−250)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を30分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、溶媒を減圧濃縮し、水を添加することで黄色固体を得た。その後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:ジクロロメタンとメタノールの混合溶媒)により分離精製した。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) : δ 9.10(t, 4H)、8.04(dd, 4H)、6.71(dd, 4H)、6.38(dd, 4H)、5.30(d, 4H).

<実施例2> (D−28)の合成
2−クロロ−4−フルオロピリジンの代わりに、2−ブロモ−6−フルオロピリジンを用いる以外、実施例1と同様に合成することで、6−フルオロ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジンを得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) :δ 8.05〜8.10(m, 1H)、7.83〜7.88(m, 1H)、7.68〜7.71(m, 1H),6.99〜7.03(m, 1H)、6.89〜6.94(m, 2H).
引き続いて、上記の方法で合成した6−フルオロ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジンを用いて、実施例1と同様の方法で(D−28)を合成した。

<実施例3> (D−13)の合成
2,4−ジフルオロフェニルボロン酸の代わりに、4−フルオロフェニルボロン酸を用いる以外、実施例1と同様に合成することで、4−フルオロ−2−(4−フルオロフェニル)ピリジンを得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (アセトン-d中) :δ 8.65〜8.68(m, 1H)、8.18〜8.23(m, 2H)、7.75(d, 1H)、7.23〜7.28(m,2H)、7.14〜7.18(m, 1H).
引き続いて、上記の方法で合成した4−フルオロ−2−(4−フルオロフェニル)ピリジンを用いて、実施例1と同様の方法で(D−13)を合成した。

<実施例4> (D−14)の合成
2,4−ジフルオロフェニルボロン酸の代わりに、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸を用いる以外、実施例1と同様に合成することで、4−フルオロ−2−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル)ピリジンを得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (アセトン-d中) :δ 8.77〜8.80(m, 1H)、8.45(d, 1H)、7.87〜7.90(m, 1H)、7.74(d, 1H)、7.55(t, 1H)、7.30〜7.34(m, 1H).
引き続いて、上記の方法で合成した4−フルオロ−2−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル)ピリジンを用いて、実施例1と同様の方法で(D−14)を合成した。

<実施例5> (B−21)の合成
(D−1)を0.05g、アセチルアセトンを0.6g、炭酸ナトリウムを0.083g、2−エトキシエタノールを20mL、をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(HITACHI製、MR−250)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を15分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、溶媒を減圧濃縮し、水を添加することで黄色固体を得た。その後、ジクロロメタンとヘキサンから再結晶し、黄色結晶を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) : δ 8.38(t, 2H)、7.97(d, 2H)、7.05(dd, 2H)、6.40(dd, 2H)、5.72(d, 2H)、5.33(s, 1H)、1.81(s, 6H).

<実施例6> (B−30)の合成
アセチルアセトンの代わりに、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオンを用いる以外、実施例5と同様に合成することで目的化合物を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) : δ 8.49(t, 2H)、8.00(d, 2H)、7.78(d, 4H)、7.46(t, 2H)、7.34(t, 4H)、6.97(dd, 2H)、6.63(s, 1H)、6.45(dd, 2H)、5.84(d, 2H).

<実施例7> (B−34)の合成
(D−1)を0.1g、ピコリン酸ナトリウムを0.056g、2−エトキシエタノールを20mL、をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(HITACHI製、MR−250)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を15分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、溶媒を減圧濃縮し、水を添加することで黄色固体を得た。その後、ジクロロメタンとヘキサンから再結晶し、黄色結晶を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) : δ 8.70(t, 1H)、8.35(d,1H)、7.94〜8.03(m,3H)、7.77(d,1H)、7.46(dd,1H)、7.36(t,1H)、6.99(dd,1H)、6.77(dd,1H)、6.51(dd,1H)、6.43(dd,1H)、5.85(d,1H)、5.58(1H).

<実施例8> (B−51)の合成
D−1の代わりに、D−28を用いる以外、実施例7と同様に合成することで目的化合物を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) : δ 8.26(d, 1H)、8.14〜8.17(m,2H)、7.85〜7.91(m,3H)、7.77(d,1H)、7.33(dd,1H)、6.82(d,1H)、6.71(d,1H)、6.52(dd,1H)、6.44(dd,1H)、5.97(d,1H)、5.61(d,1H).

<実施例9> (B−35)の合成
ピコリン酸ナトリウムの代わりに、3−ヒドロキシピコリン酸および炭酸ナトリウムを用いる以外、実施例7と同様に合成することで目的化合物を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) : δ 13.49(s,1H)、8.63(t, 1H)、8.02(d,1H)、7.96(d,1H)、7.46(d,1H)、7.42(dd,1H)、7.25〜7.31(m,2H)、7.03(dd,1H)、6.84(dd,1H)、6.51(dd,1H)、6.44(dd,1H)、5.80(d,1H)、5.59(d,1H).

<実施例10> (B−36)の合成
ピコリン酸ナトリウムの代わりに、3−メチルピコリン酸および炭酸ナトリウムを用いる以外、実施例7と同様に合成することで目的化合物を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) : δ 8.73(t, 1H)、8.00(d,1H)、7.95(d,1H)、7.75(d,1H)、7.65(d,1H)、7.35(t,1H)、7.28(dd,1H)、7.00(dd,1H)、6.78(dd,1H)、6.49(dd,1H)、6.42(dd,1H)、5.82(d,1H)、5.57(d,1H)、2.87(s,3H).

<実施例11> (B−52)の合成
ピコリン酸ナトリウムの代わりに、ニコチン酸ナトリウムを用いる以外、実施例7と同様に合成することで目的化合物を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) : δ 10.82(s,1H)、9.22(t, 1H)、8.21(d,1H)、8.07(d,1H)、7.97(d,1H)、7.85(d,1H)、7.60(d,1H)、7.18(dd,1H)、7.05〜7.13(m,1H)、6.71(dd,1H)、6.38〜6.48(m,2H)、5.76(d,1H)、5.61(d,1H).

<実施例12> (B−53)の合成
ピコリン酸ナトリウムの代わりに、5−ブロモニコチン酸および炭酸ナトリウムを用いる以外、実施例7と同様に合成することで目的化合物を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) : δ 10.72(s,1H)、9.11(t, 1H)、8.38(s,1H)、7.99〜8.08(m,2H)、7.86(s,1H)、7.59(t,1H)、7.09(dd,1H)、6.78(dd,1H)、6.39〜6.51(m,2H)、5.75(d,1H)、5.56(d,1H).

<実施例13> (B−72)の合成
2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジンの代わりに、4−フルオロ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジンを、カリウムテトラキス(1−ピラゾリル)ボレートの代わりに、カリウムジフェニルビス(1−ピラゾリル)ボレートを用いて、Polyhedron 2004年 23巻 419頁に記載の方法と同様に合成した。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。

<実施例14> (B−71)の合成
2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジンの代わりに、4−フルオロ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジンを、カリウムテトラキス(1−ピラゾリル)ボレートの代わりに、カリウムヒドロトリス(1−ピラゾリル)ボレートを用いる以外、Polyhedron 2004年 23巻 419頁に記載の方法と同様に合成した。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。

<実施例15> (B−91)の合成
(D−1)を0.1g、5−(2−ピリジル)−1H−テトラゾールを0.029g、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液を20mg、2−エトキシエタノールを12mL、をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(HITACHI製、MR−250)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を15分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、溶媒を減圧濃縮し、水を添加することで黄色固体を得た。その後、ジクロロメタンとヘキサンから再結晶し、黄色結晶を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) : δ 8.49(d,1H)、7.95〜8.03(m, 3H)、7.81(d,1H)、7.56(t,1H)、7.33〜7.37(m,2H)、6.76(dd,1H)、6.69(dd,1H)、6.57(dd,1H)、6.51(dd,1H)、5.84(d,1H)、5.72(d,1H).

<実施例16> (B−106)の合成
(D−1)を0.1g、2,2’−ジピリジルアミンを0.033g、2−エトキシエタノールを12mL、をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(HITACHI製、MR−250)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を5分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、溶媒を減圧濃縮し、NH4PF6飽和水溶液を加え、レモン色固体を得た。その後、水とヘキサンで洗浄し、減圧乾燥した。化合物の同定は、1H―NMRおよびエレクトロースプレーイオン化質量分析を用いて行い、M/Z=744(B−106のカチオン部分に相当)の親イオンピークを観測した。
1H―NMR (CDCL中) : δ 8.81(s,1H)、8.14(t, 2H)、8.04(dd,2H)、7.77(dd,2H)、7.57(d,2H)、7.48(d,2H)、7.03(dd,2H)、6.77(dd,2H)、6.53(dd,2H)、5.60(d,2H).

<実施例17> (B−118)の合成
(D−1)を0.1g、式(U)で表される配位子を0.048g、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液を20mg、2−エトキシエタノールを12mL、をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(HITACHI製、MR−250)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を45秒間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、溶媒を減圧留去することで黄色固体を得た。その後、ジクロロメタンとヘキサンから2回再結晶し、黄色結晶を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
Figure 0004496357
1H―NMR (CDCL中) : δ 8.74(t,1H)、8.01〜8.04(m, 1H)、7.96〜7.99(m, 1H)、7.81(dd,1H)、7.63(d,1H)、7.50〜7.53(m,2H)、7.09(t,1H)、6.92(dd,1H)、6.76(dd,1H)、6.49(dd,1H)、6.38(dd,1H)、5.57(dd,2H)、5.36(d,1H)、5.07(d,1H).

<実施例18> (B−136)の合成
(D−1)を0.05g、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンを0.038g、2−エトキシエタノールを20mL、をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(HITACHI製、MR−250)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を5分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、溶媒を減圧濃縮し、NH4PF6飽和水溶液を加え、白色固体を得た。その後、水とペンタンで洗浄し、減圧乾燥した。化合物の同定は、1H―NMRおよびエレクトロースプレーイオン化質量分析を用いて行い、M/Z=1056((B−136)のカチオン部分に相当)の親イオンピークを観測した。
1H―NMR (CDCL中) : δ 8.07〜8.14(m, 4H)、7.46〜7.58(m, 12H)、7.29(t,2H)、7.16(t,2H)、6.91〜6.96(m,4H)、6.59(dd,2H)、6.52(dd,4H)、6.17〜6.20(m,2H)、5.59〜5.62(m,2H).

<実施例19> (B−138)の合成
1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンの代わりに、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタンを用いる以外、実施例18と同様に合成することで目的化合物を得た。化合物の同定は、1H―NMRおよびエレクトロースプレーイオン化質量分析を用いて行い、M/Z=1006((B−138)のカチオン部分に相当)の親イオンピークを観測した。

<実施例20> (B−137)の合成
1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンの代わりに、シス−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレンを用いる以外、実施例18と同様に合成することで目的化合物を得た。化合物の同定は、1H―NMRおよびエレクトロースプレーイオン化質量分析を用いて行い、M/Z=994((B−137)のカチオン部分に相当)の親イオンピークを観測した。

<実施例21> (B−148)の合成
(D−1)を0.1g、亜リン酸トリエチルを0.028g、2−エトキシエタノールを12mL、をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(HITACHI製、MR−250)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を5分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、溶媒を減圧濃縮し、水を添加することで黄色固体を得た。その後、ジクロロメタンとヘプタンから再結晶し、黄色結晶を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) : δ 9.78(t,1H)、9.29(t, 1H)、8.02(m,1H)、7.96(m,1H)、7.04(dd,1H)、6.94(dd,1H)、6.35〜6.43(m,2H)、5.82(d,1H)、5.45(t,1H)、3.83〜3.97(m,6H)、1.06(t,9H).

<実施例22> (B−12)の合成
3塩化イリジウムn水和物を0.03g、4−フルオロ−2−(4−フルオロフェニル)ピリジンを0.813g、エチレングリコールを12mL、をナスフラスコに入れた。このナスフラスコをマイクロ波発振装置(HITACHI製、MR−250)に入れ、反応装置の上部には還流冷却管を取り付けた。還流冷却管の上部からはテフロン(登録商標)管を通じて、この溶液にアルゴンガスを20分間通気した。その後、マイクロ波(2450MHz)を90分間照射した。この溶液を室温まで冷却した後、アルゴンガスを止め、ろ過して得られた固体をメタノールで洗浄後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ジクロロメタンとメタノールの混合溶媒)により分離精製した。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行い、フェイシャル体とメリジオナル体が得られたことがわかった。
フェイシャル体:1H―NMR (CDCL中) : δ 7.62(dd,3H)、7.56(d, 3H)、7.50(t,3H)、6.75(dd,3H)、6.65(dd,3H)、6.35(d,3H).
メリジオナル体:1H―NMR (CDCL中) : δ 7.60〜7.64(m,3H)、7.48〜7.57(m, 4H)、7.37(s,1H)、7.33(d,1H)、6.72〜6.76(m,2H)、6.60〜6.65(m,3H)、6.57(d,1H)、6.32〜6.40(m,3H).

<実施例23> (B−50)の合成
(D−1)の代わりに、(D−13)を用いる以外、実施例7と同様に合成することで目的化合物を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) : δ 8.69(t, 1H)、8.34(d,1H)、7.94(dd,1H)、7.76(d,1H)、7.46〜7.59(m,4H)、7.41(dd,1H)、7.34(t,1H)、6.95(dd,1H)、6.68〜6.75(m,2H)、6.63(dd,1H)、6.04(d,1H)、5.80(d,1H).

<実施例24> (B−47)の合成
(D−1)の代わりに、(D−14)を用いる以外、実施例7と同様に合成することで目的化合物を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H―NMR (CDCL中) : δ 8.29(d, 1H)、8.01〜8.08(m,2H)、7.86〜7.91(m,2H)、7.57(d,1H)、7.35〜7.46(m,3H)、6.84〜6.96(m,3H)、6.62(d,1H)、6.39(d,1H).

<実施例25> (B−1)の合成
4−フルオロ−2−(4−フルオロフェニル)ピリジンの代わりに4−フルオロ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジンを、それぞれ用いる以外、実施例22と同様に合成することで目的化合物を得た。化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。

本発明化合物の発光特性を以下に示す。
<実施例26> 本発明化合物(B−34)
本発明化合物(B−34)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、島津製作所製RF−5300PCを用いて、室温での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、470nmであった。発光の量子収率は0.82であり、非常に高い値を示した(キニン硫酸塩の0.5M硫酸溶液中での量子収率0.546を基準とした)。
<比較例1>(フッ素原子が導入されていない場合)
前式(C)で表される化合物のTHF中での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、474nmであった。
<比較例2>(オルト位にフッ素原子を導入した場合)
式(Q)で表される化合物のTHF中での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、494nmであった。
Figure 0004496357
<比較例3>(パラ位にフッ素原子を導入した場合)
式(R)で表される化合物のTHF中での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、481nmであった。
Figure 0004496357
<実施例27> 本発明化合物(B−21)
本発明化合物(B−21)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、島津製作所製RF−5300PCを用いて、室温での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、482nmであった。
<比較例4>(フッ素原子が導入されていない場合)
前式(B)で表される化合物のTHF中での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、485nmであった。

<実施例28> 本発明化合物(B−136)
本発明化合物(B−136)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、島津製作所製RF−5300PCを用いて、室温での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、439nm及び468nmであった。
<比較例5>(フッ素原子が導入されていない場合)
前式(D)で表される化合物のTHF中での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、444nm及び474nmであった。

<実施例29> 本発明化合物(B−91)
本発明化合物(B−91)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、島津製作所製RF−5300PCを用いて、室温での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、457nm及び483nmであった。
<比較例6>(フッ素原子が導入されていない場合)
前式(H)で表される化合物のTHF中での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、460nm及び487nmであった。

<実施例30> 本発明化合物(B−118)
本発明化合物(B−118)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、島津製作所製RF−5300PCを用いて、室温での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、466nm及び489nmであった。
<比較例7>(フッ素原子が導入されていない場合)
前式(N)で表される化合物のTHF中での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、469nm及び496nmであった。

<実施例31> 本発明化合物(B−106)
本発明化合物(B−106)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、島津製作所製RF−5300PCを用いて、室温での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、454nm及び483nmであった。
<比較例8>(フッ素原子が導入されていない場合)
式(S)で表される化合物のTHF中での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、458nm及び487nmであった。
Figure 0004496357
<実施例32> 本発明化合物(B−148)
本発明化合物(B−148)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、島津製作所製RF−5300PCを用いて、室温での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、455nm及び478nmであった。
<比較例9>(フッ素原子が導入されていない場合)
式(T)で表される化合物のTHF中での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、457nm及び485nmであった。
Figure 0004496357

<実施例33> 本発明化合物(B−12)
本発明化合物(B−12)をトルエンに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、島津製作所製RF−5300PCを用いて、室温での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、478nmであった。
<比較例10>(フッ素原子が導入されていない場合)
式(V)で表される化合物のトルエン中での発光スペクトルを測定したところ、発光極大波長は、483nmであった。
Figure 0004496357
以上の結果より、2−フェニルピリジン誘導体配位子のピリジン環に、置換フェニル基に対しメタ位にフッ素原子を導入することにより、フッ素原子を導入前の公知イリジウム錯体や、オルト位またはパラ位にフッ素を導入したイリジウム錯体と比べ、その発光は短波長シフトすることが明らかになった。一例として、本発明化合物と公知化合物の室温THF中の発光スペクトル(400〜500nmの範囲を拡大)を図1〜4に示す。
図1〜4の発光スペクトルの比較により、本発明化合物(B−34)、本発明化合物(B−106)、本発明化合物(B−118)、および、本発明化合物(B−136)、は、前式(C)、前式(S)、前式(N)、および、前式(D)で表される比較化合物と比較して、それぞれ発光スペクトルが短波長シフトし、青色領域の発光成分が相対的に増大していることがわかる。すなわち、本発明化合物は、青色純度に優れ青色発光材料として好適に用いることができる。
なお、その他の本発明イリジウム錯体についても、2−フェニルピリジン誘導体配位子のピリジン環にフッ素原子を導入していない公知イリジウム錯体と比較して、発光スペクトルが2〜5nm程度、短波長シフトすることが観測された。
以上のことから、青色発光イリジウム錯体を設計するために、配位子である2−フェニルピリジン誘導体配位子のピリジン環に、置換フェニル基に対しメタ位にフッ素原子が導入された、前記一般式(1)で表される新規イリジウム錯体が、公知イリジウム錯体と比較して、その発光スペクトルが短波長シフトし、青色発光の色純度が改善されることがわかった。

Claims (16)

  1. 下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体。
    Figure 0004496357
    (上記一般式(1)中、 3 はフッ素原子、1 、R 2 、R 4 は、水素原子、炭素数1−20のアルキル基、炭素数1−20のアルコキシ基または炭素数0−20のアミノ基であり、R 5 −R 8 は水素原子、炭素数1−20のアルキル基、炭素数6−20のアリール基、ハロゲン原子、またはシアノ基であり、ただし、R 5 またはR 7 の少なくともいずれかはフッ素原子である。炭素数1−20のアルキル基および炭素数6−20のアリール基は更にハロゲン原子で置換されていても良い。1は含窒素ヘテロ環配位子、ジケトン配位子、カルボン酸配位子、ピラゾリルボレート配位子、リン配位子、ハロゲン配位子を表す。n1は1〜3の整数を表し、n2は0〜4の整数を表す。)
  2. 6またはR8の少なくとも一つはトリフルオロメチル基である請求項に記載のイリジウム錯体。
  3. 5およびR7がともにフッ素原子である請求項1または2に記載のイリジウム錯体。
  4. 1が、下記一般式(2)で表される配位子である請求項1乃至何れかに記載のイリジウム錯体。
    Figure 0004496357
    (上記一般式(2)中、 12 はフッ素原子、R 10 、R 11 、R 13 は、水素原子、炭素数1−20のアルキル基、炭素数1−20のアルコキシ基または炭素数0−20のアミノ基であり、R 14 −R 17 は水素原子、炭素数1−20のアルキル基、炭素数6−20のアリール基、ハロゲン原子、またはシアノ基であり、ただし、R 14 またはR 16 の少なくともいずれかはフッ素原子である。炭素数1−20のアルキル基および炭素数6−20のアリール基は更にハロゲン原子で置換されていても良い。)
  5. 1が、下記一般式(3)で表される配位子である請求項1乃至何れかに記載のイリジウム錯体。
    Figure 0004496357
    (上記一般式(3)中、R20 22 は水素原子、23は水素原子、水酸基またはメチル基を表す。)
  6. 1が、下記一般式(4)で表される配位子である請求項1乃至何れかに記載のイリジウム錯体。
    Figure 0004496357
    (上記一般式(4)中、R30 32メチル基またはフェニル基を、R 31 は水素原子を表す。)
  7. 1が、下記一般式(5)で表される配位子である請求項1乃至何れかに記載のイリジウム錯体。
    Figure 0004496357
    (上記一般式(5)中、R40〜R41は水素原子、フェニル基または1,2−ジアゾール−1−イル基を表す。)
  8. 1が、下記一般式(6)で表される配位子である請求項1乃至何れかに記載のイリジウム錯体。
    Figure 0004496357
    (上記一般式(6)中、n3 は1を表す。X1は水素原子を表す。R50〜R57は、水素原子を表す。)
  9. 1が、下記一般式(7)で表される配位子である請求項1乃至何れかに記載のイリジウム錯体。
    Figure 0004496357
    (上記一般式(7)中、R60〜R69は水素原子を表す。Aは1,2−フェニレン基、メチレン基、またはビニレン基を表す。)
  10. 1が、下記一般式(8)で表される配位子である請求項1乃至何れかに記載のイリジウム錯体。
    Figure 0004496357
    (上記一般式(8)中、R70〜R 73 は水素原子を表す。YおよびZは、窒素原子である。 74 、R 75 は存在しない。)
  11. 1が、下記一般式(9)で表される配位子である請求項1乃至何れかに記載のイリジウム錯体。
    Figure 0004496357
    (上記一般式(9)中、R80 83 は水素原子を表し、84トリフルオロメチルカルボニル基を表す。)
  12. 1が、下記一般式(10)で表される配位子である請求項1乃至何れかに記載のイリジウム錯体。
    Figure 0004496357
    (上記一般式(10)中、R90ピリジン−3−イル基または5−ブロモ−ピリジン−3−イル基を表す。)
  13. 請求項1乃至12何れかに記載のイリジウム錯体からなる発光材料。
  14. 請求項13に記載の発光材料を用いた発光素子。
  15. 下記一般式(11)で表されるイリジウム錯体。
    Figure 0004496357
    (一般式(11)中、 102 およびR 110 はフッ素原子、R 100 、R 101 、R 103 およびR 108 、R 109 、R 111 は、水素原子、炭素数1−20のアルキル基、炭素数1−20のアルコキシ基または炭素数0−20のアミノ基であり、R 104 −R 107 およびR 112 −R 115 は水素原子、炭素数1−20のアルキル基、炭素数6−20のアリール基、ハロゲン原子、またはシアノ基であり、ただし、R 104 またはR 106 の少なくともいずれか、およびR 112 またはR 114 の少なくともいずれかはフッ素原子である。炭素数1−20のアルキル基および炭素数6−20のアリール基は更にハロゲン原子で置換されていても良い。
  16. 請求項15に記載のイリジウム錯体と請求項1に記載のL1とを反応させることを特徴とする、請求項1乃至12何れかに記載のイリジウム錯体の製造方法。
JP2006514141A 2004-06-04 2005-06-03 フッ素置換イリジウム錯体およびこれを用いた発光材料 Active JP4496357B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004166824 2004-06-04
JP2004166824 2004-06-04
PCT/JP2005/010234 WO2005118606A1 (ja) 2004-06-04 2005-06-03 フッ素置換イリジウム錯体およびこれを用いた発光材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005118606A1 JPWO2005118606A1 (ja) 2008-04-03
JP4496357B2 true JP4496357B2 (ja) 2010-07-07

Family

ID=35462878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006514141A Active JP4496357B2 (ja) 2004-06-04 2005-06-03 フッ素置換イリジウム錯体およびこれを用いた発光材料

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4496357B2 (ja)
WO (1) WO2005118606A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018014078A1 (en) * 2016-07-18 2018-01-25 University Of South Australia Iridium complexes for cellular imaging
KR101929238B1 (ko) * 2016-01-14 2018-12-14 고려대학교 세종산학협력단 유기발광 화합물 및 이를 포함하는 유기발광소자
KR101929690B1 (ko) * 2014-08-28 2018-12-14 다나카 기킨조쿠 고교 가부시키가이샤 유기 전계 발광 소자용의 유기 이리듐 착체

Families Citing this family (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100682858B1 (ko) * 2003-06-26 2007-02-15 삼성에스디아이 주식회사 유기 금속 착물 및 이를 채용한 유기 전계 발광 소자
TW200722500A (en) * 2005-10-07 2007-06-16 Solvay Light-emitting material
JP2007217364A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 新規金属錯体およびこれを用いた発光材料
JP4785594B2 (ja) * 2006-03-31 2011-10-05 キヤノン株式会社 イリジウム錯体の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置
JP5127206B2 (ja) * 2006-11-28 2013-01-23 キヤノン株式会社 金属錯体化合物、有機発光素子及び表示装置
FR2921062A1 (fr) * 2007-09-17 2009-03-20 Commissariat Energie Atomique Composes utiles comme ligands et notamment comme chromophores organiques de complexation des lanthanides et leurs applications
JP5158797B2 (ja) * 2007-10-10 2013-03-06 独立行政法人産業技術総合研究所 イリジウム錯体及びその製造方法
DE102008033563A1 (de) 2008-07-17 2010-01-21 Merck Patent Gmbh Komplexe mit kleinen Singulett-Triplett-Energie-Abständen zur Verwendung in opto-elektronischen Bauteilen (Singulett-Harvesting-Effekt)
DE102008048336A1 (de) 2008-09-22 2010-03-25 Merck Patent Gmbh Einkernige neutrale Kupfer(I)-Komplexe und deren Verwendung zur Herstellung von optoelektronischen Bauelementen
US8808878B2 (en) 2008-11-28 2014-08-19 Riken Compound and use thereof
US20120025177A1 (en) * 2009-02-06 2012-02-02 Solvay Sa Phosphorescent light-emitting iridium complex containing pyridyltriazole ligand
JP4542607B1 (ja) * 2009-08-31 2010-09-15 富士フイルム株式会社 イリジウム錯体を昇華精製する方法、及び有機電界発光素子の製造方法
MX2009013486A (es) 2009-12-10 2011-06-14 Univ Guanajuato Sintesis de 8-aminoborodipirrometenos con fluorescencia azul.
JP2011061217A (ja) * 2010-10-08 2011-03-24 Konica Minolta Holdings Inc 有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置及び表示装置
WO2012107420A1 (en) 2011-02-09 2012-08-16 Roche Diagnostics Gmbh New iridium-based complexes for ecl
CA2822899A1 (en) * 2011-02-09 2012-08-16 F. Hoffmann-La Roche Ag New iridium-based complexes for ecl
WO2012114940A1 (ja) * 2011-02-24 2012-08-30 独立行政法人理化学研究所 新規錯体化合物、及びその利用
US9178159B2 (en) 2011-07-25 2015-11-03 Merck Patent Gmbh Copolymers with functionalized side chains
EP2737555A2 (en) 2011-07-25 2014-06-04 Merck Patent GmbH Polymers and oligomers with functionalized side groups
DE102011079847A1 (de) * 2011-07-26 2013-01-31 Eberhard-Karls-Universität Tübingen Komplexverbindungen mit anionischen Liganden mit zwei P-Donoren und ihre Verwendung im opto-elektronischen Bereich
DE102011079856A1 (de) 2011-07-26 2013-01-31 Eberhard-Karls-Universität Tübingen Komplexverbindungen mit einem Liganden mit einem N- und einem P-Donor und ihre Verwendung im opto-elektronischen Bereich
DE102011079857B4 (de) 2011-07-26 2013-03-21 Eberhard-Karls-Universität Tübingen Komplexverbindungen mit vierzähnigen Liganden und ihre Verwendung im opto-elektronischen Bereich
CN102898475A (zh) * 2011-07-29 2013-01-30 海洋王照明科技股份有限公司 含铱有机电致发光材料及其制备方法、有机电致发光器件
JP5949091B2 (ja) * 2012-04-25 2016-07-06 住友化学株式会社 発光素子、並びに、銀錯体および該銀錯体を含有する素子用インク
WO2013174471A1 (en) * 2012-05-24 2013-11-28 Merck Patent Gmbh Metal complexes comprising condensed heteroaromatic rings
US9540329B2 (en) * 2012-07-19 2017-01-10 Universal Display Corporation Organic electroluminescent materials and devices
CA2879094C (en) 2012-08-02 2020-07-28 F. Hoffmann-La Roche Ag Iridium-based complexes for ecl
JP2015530979A (ja) 2012-08-02 2015-10-29 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft Ecl用の新規イリジウムベース錯体
EP2880043B1 (en) 2012-08-02 2016-09-21 Roche Diagnostics GmbH New bis-iridium-complexes for manufacturing of ecl-labels
CN104718218B (zh) 2012-08-02 2017-10-24 霍夫曼-拉罗奇有限公司 用于ecl的新型铱基配合物
CN107602620B (zh) 2012-08-02 2020-08-28 霍夫曼-拉罗奇有限公司 用于ecl的新型铱基络合物
CN104178107A (zh) * 2013-05-22 2014-12-03 海洋王照明科技股份有限公司 蓝色磷光铱金属配合物、其制备方法及有机电致发光器件
CN104178111A (zh) * 2013-05-22 2014-12-03 海洋王照明科技股份有限公司 一种蓝光有机电致发光材料及其制备方法和应用
CN104178109A (zh) * 2013-05-22 2014-12-03 海洋王照明科技股份有限公司 一种蓝光有机电致发光材料及其制备方法和应用
KR20150091942A (ko) * 2014-02-04 2015-08-12 삼성전자주식회사 유기금속 화합물 및 이를 포함한 유기 발광 소자
JP6525551B2 (ja) * 2014-04-23 2019-06-05 キヤノン株式会社 金属錯体化合物、それを有する有機発光素子及び表示装置
WO2018121465A1 (en) * 2016-12-28 2018-07-05 The University Of Hong Kong Diphosphino metallic complexes, methods of making and using
KR102474204B1 (ko) 2017-07-21 2022-12-06 삼성디스플레이 주식회사 유기금속 화합물 및 이를 포함하는 유기 발광 소자
WO2020023063A1 (en) * 2018-07-27 2020-01-30 Lawrence Livermore National Security, Llc Method for the synthesis of iridium organometallic material
CN112409249A (zh) * 2020-10-28 2021-02-26 桂林理工大学 一种6-甲基吡啶-2,3-二羧酸锌配合物及其制备方法
CN114591371A (zh) * 2020-12-04 2022-06-07 广东阿格蕾雅光电材料有限公司 一种金属络合物及其应用

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002170684A (ja) * 2000-09-21 2002-06-14 Fuji Photo Film Co Ltd 発光素子及びイリジウム錯体
JP2003073387A (ja) * 2001-09-04 2003-03-12 Canon Inc 金属配位化合物及び有機発光素子
JP2003113163A (ja) * 2001-07-31 2003-04-18 Mitsubishi Materials Corp フッ素置換イリジウム錯体、その中間体及びその製造方法
JP2003113164A (ja) * 2001-07-31 2003-04-18 Mitsubishi Materials Corp フッ素置換イリジウム錯体の製造方法
JP2003133074A (ja) * 2001-02-01 2003-05-09 Fuji Photo Film Co Ltd 遷移金属錯体及び発光素子
JP2004503059A (ja) * 2000-06-30 2004-01-29 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー フッ素化フェニルピリジン、フェニルピリミジン及びフェニルキノリンを伴うエレクトロルミネセントイリジウム化合物及びかかる化合物で作られたデバイス
JP2004506305A (ja) * 2000-08-11 2004-02-26 ザ、トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティ 有機金属化合物及び放射移行有機電気燐光体
JP2005097263A (ja) * 2003-08-22 2005-04-14 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 新規イリジウム錯体およびこれを用いた発光材料

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001135480A (ja) * 1999-11-02 2001-05-18 Toray Ind Inc 発光素子
JP4340401B2 (ja) * 2000-07-17 2009-10-07 富士フイルム株式会社 発光素子及びイリジウム錯体
KR100865096B1 (ko) * 2000-11-30 2008-10-24 캐논 가부시끼가이샤 발광 소자 및 표시 장치
JP3963811B2 (ja) * 2002-09-30 2007-08-22 富士フイルム株式会社 有機電界発光素子
KR100682858B1 (ko) * 2003-06-26 2007-02-15 삼성에스디아이 주식회사 유기 금속 착물 및 이를 채용한 유기 전계 발광 소자

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004503059A (ja) * 2000-06-30 2004-01-29 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー フッ素化フェニルピリジン、フェニルピリミジン及びフェニルキノリンを伴うエレクトロルミネセントイリジウム化合物及びかかる化合物で作られたデバイス
JP2004506305A (ja) * 2000-08-11 2004-02-26 ザ、トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティ 有機金属化合物及び放射移行有機電気燐光体
JP2002170684A (ja) * 2000-09-21 2002-06-14 Fuji Photo Film Co Ltd 発光素子及びイリジウム錯体
JP2003133074A (ja) * 2001-02-01 2003-05-09 Fuji Photo Film Co Ltd 遷移金属錯体及び発光素子
JP2003113163A (ja) * 2001-07-31 2003-04-18 Mitsubishi Materials Corp フッ素置換イリジウム錯体、その中間体及びその製造方法
JP2003113164A (ja) * 2001-07-31 2003-04-18 Mitsubishi Materials Corp フッ素置換イリジウム錯体の製造方法
JP2003073387A (ja) * 2001-09-04 2003-03-12 Canon Inc 金属配位化合物及び有機発光素子
JP2005097263A (ja) * 2003-08-22 2005-04-14 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 新規イリジウム錯体およびこれを用いた発光材料

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101929690B1 (ko) * 2014-08-28 2018-12-14 다나카 기킨조쿠 고교 가부시키가이샤 유기 전계 발광 소자용의 유기 이리듐 착체
KR101929238B1 (ko) * 2016-01-14 2018-12-14 고려대학교 세종산학협력단 유기발광 화합물 및 이를 포함하는 유기발광소자
WO2018014078A1 (en) * 2016-07-18 2018-01-25 University Of South Australia Iridium complexes for cellular imaging

Also Published As

Publication number Publication date
WO2005118606A1 (ja) 2005-12-15
JPWO2005118606A1 (ja) 2008-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4496357B2 (ja) フッ素置換イリジウム錯体およびこれを用いた発光材料
JP4595116B2 (ja) イリジウム錯体およびこれを用いた発光材料
JP5273544B2 (ja) 金属配位化合物およびこれを用いた発光材料
JP5959590B2 (ja) 有機電界発光素子
JP4756273B2 (ja) オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法ならびに製造されたイリジウム錯体からなる発光材料
JP4399429B2 (ja) 有機電界発光素子
JP4811643B2 (ja) フッ素置換イリジウム錯体及びこれを用いた発光材料
JP5926477B2 (ja) 金属錯体化合物の製造方法及び有機電界発光素子
JP6014304B2 (ja) 有機電界発光素子
JP4564588B1 (ja) 有機電界発光素子用材料、及び有機電界発光素子
WO2011024976A1 (ja) 有機電界発光素子
JP4511261B2 (ja) 有機金属錯体およびこれを採用した有機電界発光素子
JP5881215B2 (ja) トリスオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法及びそれを用いた発光材料並びに発光素子
JP5608404B2 (ja) 白金錯体、発光材料、有機電界発光素子、表示装置及び照明装置
JP2007217364A (ja) 新規金属錯体およびこれを用いた発光材料
JP5294242B2 (ja) 金属配位化合物ならびにこれを用いた発光材料
JP4542607B1 (ja) イリジウム錯体を昇華精製する方法、及び有機電界発光素子の製造方法
KR20100017978A (ko) 발광 물질로서 사용하기 위한 비피리딘 금속 착물
JP2009108041A (ja) イリジウム錯体及びその製造方法
JP6212098B2 (ja) 有機電界発光素子
JP5881216B2 (ja) トリスオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法及びそれを用いた発光材料並びに発光素子
JP5782230B2 (ja) 有機薄膜及び有機電界発光素子
JP6347804B2 (ja) 白金錯体、発光材料、有機電界発光素子、表示装置及び照明装置
JP6219443B2 (ja) 金属錯体化合物の製造方法及び有機電界発光素子
JP5964902B2 (ja) 白金錯体、発光材料、有機電界発光素子、表示装置及び照明装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100316

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100317

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4496357

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140423

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250