JP4495939B2 - 薄膜デバイス装置の製造方法、アクティブマトリクス基板の製造方法、電気光学装置の製造方法 - Google Patents

薄膜デバイス装置の製造方法、アクティブマトリクス基板の製造方法、電気光学装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、有機TFT等の有機機能性素子を、基板上に形成した後、この基板から他の基板に転写する薄膜デバイス装置の製造方法、この方法により得た薄膜デバイス装置、かかる薄膜デバイス装置の製造方法を利用したアクティブマトリクス基板の製造方法に関するものである。
液晶表示装置、電気泳動表示装置等、各種の電気光学装置に薄膜デバイスが利用されていることが知られており、薄膜デバイスの製造には半導体プロセスが利用される。例えば、電気光学物質として液晶を用いたアクティブマトリクス型の液晶表示装置では、アクティブマトリクス基板上にスイッチング素子として薄膜トランジスタ(以下、TFTという。)を製造する際に、半導体プロセスを利用する。このプロセス中は高温処理を伴う工程を含むため、基板としては耐熱性に優れる材質のもの、すなわち、軟化点および融点が高いものを使用する必要がある。
従って、現在は、1000℃程度の温度に耐える基板として石英ガラスが使用され、500℃前後の温度に耐える基板として耐熱ガラスが使用されている。
このように、TFT等の薄膜デバイスを搭載する基板は、それらの薄膜デバイスを製造する際の温度条件等に耐え得るものでなければならない。
しかしながら、TFT等の薄膜デバイスを搭載した基板が完成した後において、前記の石英ガラスや耐熱ガラスでは好ましくないことがある。例えば、高温処理を伴う製造プロセスに耐え得るように石英基板や耐熱ガラス基板等を用いた場合には、これらの基板が非常に高価であるため、表示装置等の製品価格の上昇を招く。また、パームトップコンピュータや携帯電話機等の携帯用電子機器に使用される液晶表示装置は、可能な限り安価であることに加えて、軽くて多少の変形にも耐え得ること、落としても割れにくいことも求められるが、石英基板やガラス基板は、重いとともに、変形に弱く、かつ、落下等によって割れやすい。従って、従来の薄膜デバイス装置に用いられる基板には、製造条件からくる制約、および製品に要求される特性の双方に対応することができないという問題点がある。
これに対し、近年、有機薄膜電子デバイスとして有機TFTや有機EL素子が研究され、その応用として有機TFTアクティブマトリックス駆動の有機ELディスプレイの試作が試みられている。有機電子デバイスの特徴として、多結晶シリコンTFT作製に見られるような高価な製造設備が不要であり、安価なデバイス提供が可能である特徴があり、また先述のパームトップコンピュータや携帯電話機等の携帯用電子機器に使用される表示装置に好適であると考えられる。
プラスチックシートである基材上にこれら有機TFTを形成する場合、基材の寸法安定性が劣るため、その上にアクティブ素子をじかに形成するのは非常に困難である。〔特許文献1〕では、ガラス等の耐熱性に優れた基板に予め形成したアクティブマトリックス層をプラスチックシート基板上に転写することが開示されている。この〔特許文献1〕では、剥離層に金属メッキを用い、アクティブマトリックス層との間に透明電気絶縁層を設けるなど煩雑な工程が必要であり、しかも、接着剤として溶剤型感圧接着剤を用いているため、応力の問題が生じる。〔特許文献2〕では、転写時の外力からアクティブマトリックス層を保護するために、無機バッファ層を配置したり、スリットを追加形成したりするなどの工程の煩雑差を招いている。
鑑みて、転写法の重要な技術は剥離工程にあり、既報では、〔特許文献3〕において、アモルファスシリコンのレーザー照射による相変化現象に伴う密着力減少、放射線照射による密着力の減少に関する技術が開示されており、〔特許文献4〕、〔特許文献5〕において、物理的、化学的基材の除去に関する技術が開示されており、他には、応力を伴う機械的剥離と発生応力からの素子保護方法に関する技術が開示されており、転写法の剥離工程に関する技術はこれらに大別できる。
なお、特願平8−225643号では、多結晶シリコンTFTなどを従来のプロセスと略同様な条件で第1の基材上に形成した後に、この薄膜デバイスを第1の基材から剥離して、第2の基材に転写する技術が提案されている。ここでは、第1の基材と薄膜デバイスとの間に分離層を形成し、この分離層に対して例えばエネルギー光を照射することにより、第1の基材から薄膜デバイスを剥離して、この薄膜デバイスを第2の基材の側に転写している。
特開平8−62591号公報 特開2001−356370号公報 特開平8−152512号公報 特開平10−189924号公報 特開平11−31828号公報
しかしながら、従来の剥離方法および転写方法では、分離層での剥離現象が適正に起こらないという問題点、基板サイズに制約を受け、特に有機電子デバイスの特徴である大面積素子への展開が不可能であるという問題点があった。
本発明は、有機TFT等の有機機能性素子を、基板上に形成した後、この基板から他の基板に、損傷することなく転写する薄膜デバイス装置の製造方法、この方法により得た薄膜デバイス装置、かかる薄膜デバイス装置の製造方法を利用したアクティブマトリクス基板の製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、第1の基材上に第1の分離膜を形成する第1の分離膜形成工程と、第1の分離膜上に有機機能性素子を形成する有機機能性素子形成工程と、上記有機機能性素子に第2の基材を一体化する第2の基材一体化工程と、第1の基材を上記有機機能性素子から分離する第1の基材分離工程とを有し、上記第1の分離膜形成工程においては、第1の基材と第1の分離膜との密着力を部分的に異ならせており、上記第1の基材分離工程の前に、第1の基材と第1の分離膜との密着力の強い部分を除去する、上記第2の基材一体化工程と上記第1の基材分離工程との間または上記有機機能性素子形成工程と上記第2の基材一体化工程との間に行われる除去工程を有する薄膜デバイス装置の製造方法にある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、上記第1の分離膜形成工程において、第1の基材に界面活性剤を部分的に配置することにより、第1の基材と第1の分離膜との密着力を部分的に異ならせることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、上記第1の分離膜形成工程において、界面活性剤を第1の基材の全面に配置した後、所定位置の界面活性剤を除去することで、第1の基材に界面活性剤を部分的に配置し、第1の基材と第1の分離膜との密着力を部分的に異ならせることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、第1の分離膜形成工程において、界面活性剤を印刷法により第1の基材の所定位置に配置することで、第1の基材に界面活性剤を部分的に配置し、第1の基材と第1の分離膜との密着力を部分的に異ならせることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、上記除去工程において、ダイシングにより第1の基材と第1の分離膜との密着力の強い部分を除去することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、上記除去工程において、レーザーアブレーションにより第1の基材と第1の分離膜との密着力の強い部分を除去することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、第1の分離膜としてポリパラキシリレン膜を用いることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、第2の基材としてフレキシブルシートを用いることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、上記第1の基材分離工程の後に、上記有機機能性素子の、第2の基材と反対側に、第3の基材を一体化する第3の基材一体化工程と、第2の基材を上記有機機能性素子から分離する第2の基材分離工程とを有することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、第3の基材としてフレキシブルシートを用いることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項1ないし10の何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、上記有機機能性素子が、有機TFT素子を備えていることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項1ないし10の何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、上記有機機能性素子が、画像信号に対して発光する有機EL素子を有する表示器、又は、画像信号に対して発光する有機EL素子とこの有機EL素子にスイッチングを行う有機TFT素子とを有する表示器を備えていることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項1ないし12の何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法を用い、上記有機機能性素子をマトリクス状に形成してアクティブマトリクス基板を製造するアクティブマトリクス基板の製造方法にある。
請求項14記載の発明は、請求項13記載のアクティブマトリクス基板の製造方法を用い、電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法にある。
本発明は、第1の基材上に第1の分離膜を形成する第1の分離膜形成工程と、第1の分離膜上に有機機能性素子を形成する有機機能性素子形成工程と、上記有機機能性素子に第2の基材を一体化する第2の基材一体化工程と、第1の基材を上記有機機能性素子から分離する第1の基材分離工程とを有し、上記第1の分離膜形成工程においては、第1の基材と第1の分離膜との密着力を部分的に異ならせており、上記第1の基材分離工程の前に、第1の基材と第1の分離膜との密着力の強い部分を除去する、上記第2の基材一体化工程と上記第1の基材分離工程との間または上記有機機能性素子形成工程と上記第2の基材一体化工程との間に行われる除去工程を有する薄膜デバイス装置の製造方法にあるので、有機機能性素子を第1の基材上に形成した後、第1の基材から第2の基材に、損傷することなく良好に転写することができ、基材のサイズに制約を受けず大面積化することができるとともに、除去工程を、第2の基材一体化工程と第1の基材分離工程との間に行う場合には、除去工程を第1の基材分離工程の直前に行うことで、第1の基材の除去が不用意に行われることを防止でき、除去工程を、有機機能性素子形成工程と第2の基材一体化工程との間に行う場合には、第2の基材を一体化する面積が少なくて済み、第2の基材の消費量を抑制できるとともに、第2の基材を一体化するために接着剤を使用する場合にはその消費量を抑制できる薄膜デバイス装置の製造方法を提供することができる。
第1の分離膜形成工程において、第1の基材に界面活性剤を部分的に配置することにより、第1の基材と第1の分離膜との密着力を部分的に異ならせることとすれば、広く用いられている界面活性剤を用いることで第1の基材と第1の分離膜との密着力を容易に部分的に異ならせることができるから、有機機能性素子を第1の基材上に形成した後、第1の基材から第2の基材に、損傷することなく良好に転写することができ、基材のサイズに制約を受けず大面積化することができる薄膜デバイス装置の製造方法を提供することができる。
第1の分離膜形成工程において、界面活性剤を第1の基材の全面に配置した後、所定位置の界面活性剤を除去することで、第1の基材に界面活性剤を部分的に配置し、第1の基材と第1の分離膜との密着力を部分的に異ならせることとすれば、広く用いられている界面活性剤を用い、簡易な方法で第1の基材の全面に界面活性剤を塗布することができ、その後塗布した界面活性剤を部分的に除去することで第1の基材と第1の分離膜との密着力を容易に部分的に異ならせることができるから、有機機能性素子を第1の基材上に形成した後、第1の基材から第2の基材、損傷することなく良好に転写することができ、基材のサイズに制約を受けず大面積化することができる薄膜デバイス装置の製造方法を提供することができる。
第1の分離膜形成工程において、界面活性剤を印刷法により第1の基材の所定位置に配置することで、第1の基材に界面活性剤を部分的に配置し、第1の基材と第1の分離膜との密着力を部分的に異ならせることとすれば、広く用いられている界面活性剤を用い、広く用いられている印刷法という簡易な方法で第1の基材の所望の位置に部分的に界面活性剤を塗布することができ、第1の基材と第1の分離膜との密着力を容易に部分的に異ならせることができるから、有機機能性素子を第1の基材上に形成した後、第1の基材から第2の基材に、損傷することなく良好に転写することができ、基材のサイズに制約を受けず大面積化することができる薄膜デバイス装置の製造方法を提供することができる。
除去工程において、ダイシングにより第1の基材と第1の分離膜との密着力の強い部分を除去することとすれば、汎用性が高いダイシングを用い、かかる密着力の強い部分を機械的に取り除くことができるから、有機機能性素子を第1の基材上に形成した後、第1の基材から第2の基材に、損傷することなく良好に転写することができ、基材のサイズに制約を受けず大面積化することができる薄膜デバイス装置の製造方法を提供することができる。
除去工程において、レーザーアブレーションにより第1の基材と第1の分離膜との密着力の強い部分を除去することとすれば、汎用性が高いレーザーアブレーションを用い、かかる密着力の強い部分を機械的に取り除くことができるから、有機機能性素子を第1の基材上に形成した後、第1の基材から第2の基材に、損傷することなく良好に転写することができ、基材のサイズに制約を受けず大面積化することができる薄膜デバイス装置の製造方法を提供することができる。
第1の分離膜としてポリパラキシリレン膜を用いることとすれば、良好な剥離性を有し、有機機能性素子を第1の基材上に形成した後、第1の基材から第2の基材に、損傷することなくより良好に転写することができ、基材のサイズに制約を受けず大面積化することに優れた薄膜デバイス装置の製造方法を提供することができる。
第2の基材としてフレキシブルシートを用いることとすれば、有機機能性素子を第1の基材上に形成した後、第1の基材から第2の基材に、損傷することをより確実に防止しつつ良好に転写することができ、基材のサイズに制約を受けず大面積化することにさらに優れた薄膜デバイス装置の製造方法を提供することができる。
第1の基材分離工程の後に、上記有機機能性素子の、第2の基材と反対側に、第3の基材を一体化する第3の基材一体化工程と、第2の基材を上記有機機能性素子から分離する第2の基材分離工程とを有することとすれば、有機機能性素子を第1の基材上に形成した後、第1の基材から第2の基材に、損傷することなく良好に転写することができ、さらに、第2の基材から第3の基材に、損傷することなく良好に転写することができ、基材のサイズに制約を受けず大面積化することができるとともに、第3の基材に転写した状態において、有機機能性素子の積層構造を、第1の基材上に形成した状態と同じ状態にすることができる薄膜デバイス装置の製造方法を提供することができる。
第3の基材としてフレキシブルシートを用いることとすれば、有機機能性素子を、第2の基材から第3の基材に、損傷することをより確実に防止しつつ良好に転写することができ、基材のサイズに制約を受けず大面積化することにさらに優れた薄膜デバイス装置の製造方法を提供することができる。
有機機能性素子が、有機TFT素子を備えていることとすれば、基材のサイズに制約を受けず、大面積化、集積化することに優れた薄膜デバイス装置の製造方法を提供することができる。
有機機能性素子が、画像信号に対して発光する有機EL素子を有する表示器、又は、画像信号に対して発光する有機EL素子とこの有機EL素子にスイッチングを行う有機TFT素子とを有する表示器を備えていることとすれば、基材のサイズに制約を受けず、大面積化、集積化することに優れた表示器を有する薄膜デバイス装置の製造方法を提供することができる。
本発明は、請求項1ないし12の何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法を用い、上記有機機能性素子をマトリクス状に形成してアクティブマトリクス基板を製造するアクティブマトリクス基板の製造方法にあるので、上述の各効果を奏する薄膜デバイス装置の製造方法を用い、有機機能性素子を基材上に形成した後、1つの基材から他の基材に、損傷することなく良好に転写することができ、基材のサイズに制約を受けず大面積化することができるアクティブマトリクス基板の製造方法を提供することができる。
本発明は、請求項13記載のアクティブマトリクス基板の製造方法を用い、電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法にあるので、上述の効果を奏するアクティブマトリクス基板の製造方法を用い、有機機能性素子を基材上に形成した後、1つの基材から他の基材に、損傷することなく良好に転写することができ、基材のサイズに制約を受けず大面積化することができる電気光学装置の製造方法を提供することができる。
[第1の実施の形態]
図1のS1〜S5に、本発明にかかる第1の実施形態の薄膜デバイス装置の製造方法として、基板上に有機機能性素子を形成した後、この有機機能性素子を別の基板に転写するまでの、第1の工程から第5の工程までを示し、図2から図7に、かかる工程を説明するための工程断面図を示している。
(第1の工程)
本形態の薄膜デバイス装置の製造方法は、図1においてS1で示すように、第1の工程として、第1の分離膜形成工程を有している。本工程では、図2に示すように、第1の基材100上に第1の分離膜としての第1の分離層120を形成する。
第1の基材100の材料は、有機電子デバイスを作製する目的に合致していれば良く、すなわち寸法変化の少ない材料であれば良い。具体的には、本形態においては、Siウェハを用いているが、ガラス基板、セラミックス基板などを用いてもよい。
第1の分離層120は、有機TFTを備えたアクティブマトリックス層を形成可能なだけの耐熱性、アクティブマトリックス層形成時のパターニングの際のエッチングプロセス等に対する耐性を有することを要する。また第1の分離層120は、後述する第1の基材分離工程(図1(S5))を行うときに、他の部分にダメージを与えずに第1の基材100を剥離可能であるような密着性を有することを要し、たとえば90°剥離試験で〜10g/cm以下の強度に制御可能なことを要する。
第1の分離層120の厚さは、1〜20μm程度であるのが好ましいが、これに限られることはない。
第1の分離層120には、有機物の膜を用いることが好ましい。また、かかる有機物の膜は、有機物原料を含むガスを用いた化学気相堆積法により形成することができる。かかる有機物原料としては、ポリパラキシリレン材料いわゆるパリレン材料を用いることができる。第1の分離層120を、パリレン材料を用いたポリパラキシリレン膜いわゆるパリレン膜とすることは、均一な大面積の膜を形成する観点から特に有効である。
パリレン膜とは米国のユニオン・カーバイド・ケミカルズ・アンド・プラスチック社が開発したポリパラキシリレン樹脂からなる気相合成法によるコーティング膜である。このコーティング膜は原料であるジパラキシリレン固体ダイマーを気化、熱分解し、この時発生した安定なジラジカルパラキシリレンモノマーが基材上において吸着と重合の同時反応を起こすことによって形成される。
このコーティング膜は従来の液状コーティングや粉末コーティングでは不可能な精密コーティングが可能であるほか、コーティング時被着物の形状、材質を選ばない、室温でのコーティングが可能であるなど、他に類の無い数々の優れた特質を有する事により、超精密部品のコーティングをはじめ、汎用品のコーティングに至るまで、最適なコンフォーマル(同型)コーティング被膜として知られている。
具体的にはハイブリッドICの絶縁膜コーティング、ディスクドライブ部品のダスト粉の発生防止、ステッピングモーターの潤滑用膜、生体材料の腐食防止膜にその応用例を見ることができる。
なお、第1の分離層120に有機物の膜を用いる場合には、ポリパラキシリレン材料に限らず、フッ素化ポリマー又はシクロテンを用いてかかる膜を形成することが可能である。
第1の分離膜形成工程においては、周辺部のみが密着力良好となり、それ以外の部分は乏しい密着力となるように、すなわち第1の分離層120と第1の基材100界面とで部分的に密着力の異なる部位を設けるように、第1の分離層120を形成する。したがって、第1の分離膜形成工程においては、第1の基材100と第1の分離層120との密着力が部分的に異なっている。図2において、符号10で示す太線部は、密着力が良好な部分を示している。
具体的には、第1の基材100に界面活性剤を部分的に配置することにより、第1の基材100と第1の分離層120との密着力、密着性を部分的に異ならせる。その方法は、界面活性剤を、周知の印刷技術を用いた印刷法により、第1の基材100の所定位置、本形態では周辺部以外の部分に部分的に配置するものである。他の方法として、界面活性剤をディッピングにより第1の基材100の全面に塗布して配置し、定圧水銀ランプを用いて254nm以下の波長の紫外線を照射することで所定位置、本形態では周辺部の界面活性剤を除去し、界面活性剤を周辺部以外の部分に部分的に配置するものがある。このように第1の基材100の表面改質を行ったうえで、第1の分離層120が形成される。
(第2の工程)
本形態の薄膜デバイス装置の製造方法は、図1においてS2で示すように、第1の工程である第1の分離膜形成工程に次ぐ第2の工程として、有機機能性素子形成工程を有している。本工程では、図3に示すように、第1の分離層120上に有機機能性素子を有する薄膜デバイス層140を形成する。
薄膜デバイス層140は有機機能性素子として各種薄膜デバイスを含むことができるものである。薄膜デバイス層140は、本形態において、図4に一部を拡大して示すように、有機機能性として有機TFT素子20を含んでいる。この有機TFT素子20は、逆スタガー構造を示しており、有機半導体層144と、ゲート絶縁膜148と、ゲート電極150と、およびソース・ドレイン電極152とを備えている。この有機TFT素子20の製造方法、具体的な構成は後述する各実施例に譲る。有機TFT素子は、薄膜デバイス層140の最下面に中間層を配置して形成しても良い。
図3に示す例では、薄膜デバイス層140は、薄膜デバイスとして有機TFT20を含む層であるが、この薄膜デバイス層140に形成される薄膜デバイスは、有機TFT素子20以外にも、製造する機器の種類に応じて、例えば、有機薄膜ダイオード、有機電子材料のPIN接合からなる光センサ、太陽電池等の光電変換素子、有機抵抗素子、その他の有機薄膜半導体デバイス、各種有機電極、スイッチング素子、メモリー等を種々の組み合わせで備えることができる。これら何れの有機薄膜デバイスも、大面積、集積化により機能を向上させるものである。
(第3の工程)
本形態の薄膜デバイス装置の製造方法は、図1においてS3で示すように、第2の工程である有機機能性素子形成工程に次ぐ第3の工程として、第2の基材一体化工程を有している。本工程では、図5に示すように、薄膜デバイス層140に第2の基材180を一体化する。
第2の基材180は、第2の分離膜160を介して、薄膜デバイス層140の、第1の基材100と反対側に接着され、一体化される。
接着層160を構成する接着剤の好適な例としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気硬化型接着剤等の接着剤が挙げられる。この接着剤の組成としては、例えば、エポキシ系、アクリレート系、シリコーン系等、いかなるものでもよい。
接着層160としては水溶性接着剤を用いることもできる。ポリビニルアルコール樹脂や、この種の水溶性接着剤として、例えばケミテック株式会社製のケミシール U−451D(商品名)、株式会社スリーボンド製のスリーボンド3046(商品名)等を挙げることができる。
このような接着層160の形成は、例えば塗布法によりなされる。
接着層160に硬化型接着剤を用いる場合には、例えば薄膜デバイス層140上に接着剤を塗布し、その上に第2の基材180を接合した後、接着剤の特性に応じた硬化方法により接着剤を硬化させて薄膜デバイス層140と第2の基材180とを接着固定することができる。
特に、接着層160に光硬化型接着剤を用いる場合には、例えば薄膜デバイス層140上に接着剤を塗布し、その上に第2の基材180を接合し、その後、第1の基材100、第2の基材180の両者が光透過性を有する場合には、その何れかの基材側または双方の基材側から接着剤に光を照射することにより接着剤を硬化させて薄膜デバイス層140と第2の基材180とを接着固定することができ、また、第1の基材100、第2の基材180の何れか一方のみが光透過性を有する場合には、その光透過性を有する方の基材側から接着剤に光を照射することにより接着剤を硬化させて薄膜デバイス層140と第2の基材180とを接着固定することができる。ここで用いる接着剤としては、薄膜デバイス層140に影響を与えにくい紫外線硬化型等の接着剤が望ましい。
接着層160は、薄膜デバイス層140の側に形成するのでなく、第2の基材180の側に形成し、この接着層160を介して、薄膜デバイス層140に第2の基材180を接着してもよい。第2の基材180自体が接着機能を有する場合等には、接着層160の形成を省略してもよい。
第2の基材180は、第1の基材100と比較して、耐熱性や耐食性等といった特性が劣るものであってもよい。第1の基材100の側に薄膜デバイス層140を形成した後、この薄膜デバイス層140を第2の基材180に転写するため、第2の基材180には、基盤寸法安定性などの特性が要求されないからである。
第2の基材180の機械的特性としては、製造する機器の種類によっては、ある程度の剛性、強度を有するものが要求されるが、可撓性、弾性を有するものであってもよく、フレキシブルシートであることができる。
第2の基材180としては、例えば、融点がそれほど高くない安価なガラス基板、シート状の薄いプラスチック基板、あるいはかなり厚めのプラスチック基板など、製造する機器の種類によって最適なものが選択され、用いられる。また、第2の基材180は、平板でなく、湾曲しているものであってもよい。
第2の基材180としてプラスチック基板を用いる場合に、これを構成する合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の何れでもよい。例えば、ポリエチレン、ポロプロピレン、エチレン−プレピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変形ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうち1種、または2種以上を積層した積層体を用いることができる。
第2の基材180としてプラスチック基板を用いた場合には、大型の第2の基材180を一体的に成形することができる。また、第2の基材180がプラスチック基板であれば、湾曲面や凹凸を有するもの等、複雑な形状であっても容易に製造することができる。さらに、第2の基材180がプラスチック基板であれば、材料コストや製造コストが低く済むという利点もある。それ故、第2の基材180がプラスチック基板であれば、大型で安価なデバイス、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置を製造する際に有利である。
本形態において、第2の基材180は、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示装置、電界印加による反射率変化を用いた、粒子の電気泳動効果を用いた電気泳動表示パネルのような表示装置のアクティブマトリクス基板を薄膜デバイス装置として構成した場合のように、それ自体が独立してデバイスの基体を構成するものや、例えばカラーフィルタ、電極層、誘電体層、絶縁層、半導体素子のように、デバイスの一部を構成するものであってもよい。
(第4の工程)
本形態の薄膜デバイス装置の製造方法は、図1においてS4で示すように、第3の工程である第2の基材一体化工程に次ぐ第4の工程として、除去工程を有している。本工程では、第1の基材100と第1の分離層120との密着力が良好な部分10を除去するべく、図5に示されている積層体の端部を切断する。
かかる部分10の除去は、ダイヤの歯を備えシリコンウェハを切断するのに用いられる加工機によるダイシングや、所望の部分を蒸発除去するレーザーアブレーションにより、機械的に取り除くことにより行うことができ、これらは適宜その特性によって使い分けることができるが、何れにおいても、汎用性が高いという利点がある。
なお、本工程は次に述べる第5の工程である第1の基材分離工程の前に行われるものであり、本形態においては、本工程を、第4の工程として、上述の第3の工程である第2の基材一体化工程と、次に述べる第5の工程である第1の基材分離工程との間に行うが、本工程は、上述の第2の工程である有機機能性素子形成工程と上述の第3の工程である第2の基材一体化工程との間に行うこともでき、この場合には、本工程が第3の工程となり、第2の基材一体化工程が第4の工程となる。
(第5の工程)
本形態の薄膜デバイス装置の製造方法は、図1においてS5で示すように、第4の工程である除去工程に次ぐ第5の工程として、第1の基材分離工程を有している。本工程では、図6に示すように、第1の基材100を薄膜デバイス層140から分離する。
第1の基材100の薄膜デバイス層140からの分離は、第1の基板100を、第1の分離層120の界面から剥離を行うことによってなされる。除去工程により、第1の基材100と第1の分離層120との密着力が良好な部分10がすでに除去され、第1の基材100と第1の分離層120との密着力は乏しい部分が残っているのみである。
従って、第1の基材100を剥がすように力を加えると、図6において矢印Aで示すように、第1の基材100と第1の分離層120の界面との間で容易に剥離が生じ、第1の基材100を第1の分離層120から容易に剥がすことができ、これによって第1の基材100が薄膜デバイス層140から分離される。この結果、薄膜デバイス層140が第2の基材180に転写される。
なお、剥離された第1の基材100を再利用し、その後新たな薄膜デバイス装置を製造すること等にリサイクルすることにより、その製造コストが低減される。
以上の各工程を経て、薄膜デバイス層140の第2の基材180への転写が完了し、第2の基材180上に薄膜デバイス層140が転写された、図7に示す薄膜デバイス装置1が製造される。なお、図7に示したものそのものを薄膜デバイス装置とするのでなく、薄膜デバイス層140が形成された第2の基材180を所望の材料上に搭載したものを薄膜デバイス装置としてもよい。
このように、本形態の薄膜デバイス装置1の製造方法では、転写の対象物、すなわち被剥離物である薄膜デバイス層140自体を、直接に他の物から剥離するのではなく、第1の分離層120の、第1の基材100側の界面において剥離を生じさせることで、薄膜デバイス層140と第1の基材100との剥離を行う。このため、薄膜デバイス層140の側から第1の基材100を容易、かつ、確実に剥がすことができる。従って、剥離操作に伴う薄膜デバイス層140へのダメージがなく、信頼性の高い薄膜デバイス装置1が製造される。
[第2の実施の形態]
図1のS1〜S7に、本発明にかかる第2の実施形態の薄膜デバイス装置の製造方法として、基板上に有機機能性素子を形成した後、この有機機能性素子を別の基板に転写し、さらに、かかる有機機能性素子を別の基板に転写するまでの、第1の工程から第7の工程までを示し、図8から図10に、かかる工程を説明するための工程断面図を示している。
本形態は、第1の工程から第5の工程までは、第1の実施の形態で説明した工程と同様であるため、説明を省略する。本形態は、第5の工程の後、薄膜デバイス層140を、第2の基材180から第3の基材に再度、転写するための第6の工程と第7の工程とを有するものであるので、これら第6の工程と第7の工程を説明する。
(第6の工程)
本形態の薄膜デバイス装置の製造方法は、図1においてS6で示すように、第5の工程である第1の基材分離工程に次ぐ第6の工程として、第3の基材一体化工程を有している。本工程では、図8に示すように、薄膜デバイス層140の、第2の基材180と反対側、すなわち第1の基材100が位置していた側に、第3の基材200を一体化する。
すなわち、第1の工程から第5の工程により、薄膜デバイス層140を第2の基材180に転写した後、薄膜デバイス層140の、第2の基材180と反対側である薄膜デバイス層140の下面に、第3の基材200を一体化する。そのため、薄膜デバイス層140の下面をなす第1の分離層120の表面に接着層190を塗布し、この接着層190を介して第3の基材200を接着する。
この接着層190を構成する接着剤の好適な例としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着材、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気硬化型接着剤等の各種の硬化型の接着剤が挙げられる。接着剤の組成としては、例えば、エポキシ系、アクリレート系、シリコーン系等、要求される条件を満たすものであればいかなるものでもよい。
このような接着層190の形成は、例えば塗布法によりなされる。
接着層190に硬化型接着剤を用いる場合には、例えば薄膜デバイス層140の下面すなわち第1の分離層120の表面に硬化型接着剤を塗布し、この硬化型接着剤に第3の基材200を接合した後、硬化型接着剤の特性に応じた硬化方法により硬化型接着剤を硬化させて薄膜デバイス層140と第3の基材200とを接着固定することができる。
特に、接着層190に光硬化型接着剤を用いる場合には、第3の基材200が光透過性を有することが好ましく、第3の基材200が光透過性を有する場合、この裏面側すなわち第3の基材200の、薄膜デバイス層140がある側と反対側から光を照射する。ここで用いる接着剤としては、薄膜デバイス層140に影響を与えにくいタイプの紫外線硬化型等の接着剤が望ましく、このような接着剤を用いれば、第2の基材180が光透過性の場合、この第2の基材180側から光を照射してもよいし、第2の基材180の側および第3の基材200の側の双方から光を照射してもよい。
すなわち、第2の基材180、第3の基材200の両者が光透過性を有する場合には、その何れかの基材側または双方の基材側から接着剤に光を照射することにより接着剤を硬化させて薄膜デバイス層140と第3の基材200とを接着固定することができ、また、第2の基材180、第3の基材200の何れか一方のみが光透過性を有する場合には、その光透過性を有する方の基材側から接着剤に光を照射することにより接着剤を硬化させて薄膜デバイス層140と第3の基材200とを接着固定することができる。
なお、第3の基材200に接着層190を形成し、その上に薄膜デバイス層140を接着しても良い。また、第3の基材200自体が接着機能を有する場合等には、接着層190の形成を省略しても良い。
接着層190は、薄膜デバイス層140の側に形成するのでなく、第3の基材200の側に形成し、この接着層190を介して、薄膜デバイス層140に第3の基材200を接着してもよい。第3の基材200自体が接着機能を有する場合等には、接着層190の形成を省略してもよい。
第3の基材200は、第1の基材100と比較して、耐熱性や耐食性等といった特性が劣るものであってもよい。第3の基材200の機械的特性としては、製造する機器の種類によっては、ある程度の剛性、強度を有するものが要求されるが、可撓性、弾性を有するものであってもよく、フレキシブルシートであることができる。
第3の基材200としては、例えば、シート状の薄いプラスチック基板、あるいはかなり厚めのプラスチック基板など、製造する機器の種類によって最適なものが選択され、用いられる。また、第3の基材200は、平板でなく、湾曲しているものであってもよい。
第3の基材200としてプラスチック基板を用いる場合に、これを構成する合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の何れでもよい。例えば、ポリエチレン、ポロプロピレン、エチレン−プレピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変形ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうち1種、または2種以上を積層した積層体を用いることができる。
第3の基材200としてプラスチック基板を用いた場合には、大型の第3の基材200を一体的に成形することができる。また、第3の基材200がプラスチック基板であれば、湾曲面や凹凸を有するもの等、複雑な形状であっても容易に製造することができる。さらに、第3の基材200がプラスチック基板であれば、材料コストや製造コストが低く済むという利点もある。それ故、第3の基材200がプラスチック基板であれば、大型で安価なデバイス、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置を製造する際に有利である。
本形態において、第3の基材200は、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示装置、電界印加による反射率変化を用いた、粒子の電気泳動効果を用いた電気泳動表示パネルのような表示装置のアクティブマトリクス基板を薄膜デバイス装置として構成した場合のように、それ自体が独立してデバイスの基体を構成するものや、例えばカラーフィルタ、電極層、誘電体層、絶縁層、半導体素子のように、デバイスの一部を構成するものであってもよい。
(第7の工程)
本形態の薄膜デバイス装置の製造方法は、図1においてS7で示すように、第6の工程である第3の基材一体化工程に次ぐ第7の工程として、第2の基材分離工程を有している。本工程では、図9に示すように、第2の基材180を薄膜デバイス層140から分離する。
第2の基材180の薄膜デバイス層140からの分離は、熱溶融性接着剤からなる第2の分離層160を加熱し、熱溶融させ、第2の分離層160の接着力を弱め、矢印Bで示すように、第2の基材180を薄膜デバイス層140の側から剥がすことによってなされる。これにより、第3の基材200に薄膜デバイス層140が転写される。図9に示されているように、本形態においては,分離は、第2の分離層160の層内で行われている。
そこでさらに、図10に示すように、薄膜デバイス層140の表面に残る第2の分離層160を除去し、これにより、第3の基材200に薄膜デバイス層140が転写された薄膜デバイス装置2を製造することができる。一方、第2の基材180についても、付着した熱溶融性接着剤を除去することで、繰り返し使用することができる。
これら第2の分離層160の除去は、第2の分離層160に水溶性接着剤を用いた場合には、少なくとも第2の分離層160を含む領域を純水に浸すことによって行うことができる。
本形態においては、分離は、第2の分離層160の層内で行われているが、第2の分離層160を形成する剤を選択することにより、第2の分離層160の界面で剥離を生じさせ、第2の基材180を薄膜デバイス層140から分離することができる。このようにすれば、第2の分離層160の除去工程が不要となり、工程の簡易化、低コスト化の観点から好ましい。第2の基材180の薄膜デバイス層140からの分離は、第2の分離層160の層内、または第2の分離層160のうちの少なくとも一方で剥離現象を生じさせることで行うことができる。
このように、第6の工程と第7の工程とを行うことにより、薄膜デバイス層140を、2回、転写することになるので、薄膜デバイス層140を第3の基材200に転写した状態において、薄膜デバイス層140は、第1の基材100に形成されたときの積層構造のままとなる。このような工程によれば、薄膜デバイス層140が、第1の基材100に形成されたときの積層構造のまま露出するので、後述する実施例3のように、薄膜デバイス装置2の薄膜デバイス層140上にさらに加工を行って電気光学装置等の装置を製造することが可能となるという点で優れている。
第1の実施の形態、第2の実施の形態において、その第2の工程においては、第1の基材100上に有機TFT素子20等の有機機能性素子をマトリクス状に形成するとともに、かかる有機TFT素子20等のゲートに電気的に接続する走査線、かかる有機TFT素子20等のソースに電気的に接続するデータ線、およびかかる有機TFT素子20等のドレインに電気的に接続する画素電極を形成し、これらの配線や電極も、最終的に製品に搭載される基板、すなわち第2の基材180又は第3の基材200に転写することが好ましい。なお、最終的に製品に搭載される基板への転写後、この基板上で、高温での処理が不要な配線等を形成してもよい。
このように、有機TFT等の有機機能性素子をマトリクス状に形成することにより、上述した薄膜デバイス装置の製造方法を用いて、アクティブマトリクス基板の製造方法とすることができ、このアクティブマトリクス基板の製造方法によりアクティブマトリクス基板を製造することができる。このようなアクティブマトリクス基板においては、有機TFT等を駆動回路用の有機機能性素子として備えることができる。
有機機能性素子としては有機TFT素子のみならず、有機EL素子も挙げられる。有機機能性素子は、有機TFT素子を備えず、有機EL素子を備えていても良いし、有機EL素子と有機TFT素子とを備えていても良い。有機機能性素子が、有機EL素子と有機TFT素子とを備えているときは、有機機能性素子を、画像信号に対して発光する有機EL素子とこの有機EL素子にスイッチングを行う有機TFT素子とを有する表示器を備えているものとして構成しても良いし、有機機能性素子が、有機TET素子を備えず有機EL素子を備えているときであっても、有機機能性素子を、画像信号に対して発光する有機EL素子を備えているものとして構成しても良い。
さらには、このようなアクティブマトリクス基板の製造方法を用いて、電気光学装置の製造方法とすることができ、この電気光学装置の製造方法により電気光学装置を製造することができる。電気光学装置としては、液晶表示装置、粒子の電気泳動効果を用いた電気泳動表示パネル等の表示装置等の電界入力により反射率変化を生じる表示装置、有機EL表示装置等が挙げられ、これは有機機能性素子等を選択することによって製造可能である。
以下、上述した薄膜デバイス装置の製造方法、この薄膜デバイス装置の製造方法を用いて製造した薄膜デバイス装置、アクティブマトリクス基板の製造方法、このアクティブマトリクス基板の製造方法を用いて製造したアクティブマトリクス基板、電気光学装置の製造方法、この電気光学装置の製造方法を用いて製造した電気光学装置の実施例を説明する。
[実施例1]
実施例1として、第1の実施の形態の具体例、すなわち、第1の基材100に形成された、薄膜デバイスである有機TFTを含む薄膜デバイス層140を、第2の基材180に転写する薄膜デバイス装置の製造方法と、この薄膜デバイス装置の製造方法を用いて製造した薄膜デバイス装置との具体例を説明する。
(第1の工程)
本工程では、次の条件で第1の分離層120を形成した。
第1の基材100:ガラス基板
界面活性剤:非イオン系界面活性剤
界面活性剤の配置:スクリーン印刷にて周辺部を除く他の部分に印刷により配置
乾燥:120℃、30分
第1の分離層120:パリレン成膜
・パリレン成膜の条件
第三化成社製 diX_C
圧力:0.01Torr
昇華温度:100〜170℃
熱分解温度:650℃
成膜室温度:室温
パリレン膜厚:10μmの厚さにて形成
(第2の工程)
本工程では、次の条件で薄膜デバイス層140を形成した。
・有機TFT形成プロセス
ゲート電極150:Cr膜 スパッタリング法により、膜厚50nm堆積
ゲート電極150のパターニング:フォトリソグラフィー
ゲート絶縁膜148:有機絶縁体膜をスピンコーティング法により形成
有機絶縁体膜:ポリビニルブチラール、膜厚100nm
有機半導体膜144:ポリヘキシルチオフェン有機半導体材料をスピンコーティング法により形成、膜厚80nm
素子のパターン化、ゲート電極コンタクト:フォトリソグラフィー形成
さらにソース・ドレイン電極152を形成
なお、層間絶縁層上にはさらに保護膜を形成してもよい。
(第3の工程)
本工程では、次の条件で第2の基材180を一体化した。
有機TFTを備える薄膜デバイス層140の上に接着層としてのエポキシ樹脂からなる接着層160を形成した後、この接着層160を介して、薄膜デバイス層140に対して、縦150mm×横150mm×厚さ0.7mmのソーダガラスからなる第2の基材180を貼り付ける。接着層160に熱を加えてエポキシ樹脂を硬化させ、第2の基材180と薄膜デバイス層140の側とを接着する。なお、接着層160は紫外線硬化型接着剤でもよい。この場合には、第2の基材180側から紫外線を照射してポリマーを硬化させる。
(第4の工程)
本工程では、第1の基材100の端部の密着力の強い部分を含むように、全ての層にわたって切断した。
(第5の工程)
本工程では、第1の分離層120で剥離現象を起こさせてから、薄膜デバイス層140の側から第1の基材100を剥がした。
結果、薄膜デバイス層140が第2の基材180に転写された。
このようにして製造された薄膜デバイス装置1は、例えば、第2の基板180にプラスチック等からなるフレキシブル基板を用いれば、曲げに強く、軽量であるために落下にも強いという利点を有する有機薄膜デバイス装置1として形成される。また有機機能性素子である有機薄膜デバイスの構成要素として、CPU、RAM、入力回路、さらに太陽光発電セルを搭載し、自立型マイクロコンピュータを製造することが可能である。
[実施例2]
実施例2として、第1の基材100にマトリックス状に形成された有機TFT素子等、各種の有機機能性素子を含む薄膜デバイス層140を形成し、これを第2の基材180に転写して、アクティブマトリクス基板を製造するアクティブマトリクス基板の製造方法、このアクティブマトリクス基板の製造方法を用いて製造したアクティブマトリクス基板、かかるアクティブマトリクス基板の製造方法を用いて液晶表示装置、電気泳動表示装置等の薄膜デバイス装置である電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法、この電気光学装置の製造方法を用いて製造した電気光学装置の具体例について説明する。
本実施例にかかるアクティブマトリクス基板の製造方法、このアクティブマトリクス基板の製造方法を用いて製造したアクティブマトリクス基板を説明する。実施例1と同様の部分については適宜説明を省略する。
(第1の工程)
本工程では、ガラス基板によって構成される第1の基材100上にパリレン膜によって構成される第1の分離層120を形成した。具体的には、縦100mm×横100mm×厚さ1.1mmのガラス基板上に、パリレン膜を成膜した。界面活性剤を用いた基板表面の改質は実施例1と同様である。
(第2の工程)
本工程では、第1の分離層120の上に、薄膜デバイス層140を構成する有機TFTをマトリクス状に形成した。
ゲート電極150は、Cr金属膜をスパッタリング法により、膜厚50nmで堆積させ、フォトリソグラフィー・エッチングにより所望するパターンにて形成した。
次にゲート絶縁膜148を形成した。この膜は有機絶縁体膜をスピンコーティング法により形成した。有機絶縁体膜としてポリビニルブチラールを用い、100nm膜厚を形成した。
次に有機半導体膜144を、ポリヘキシルチオフェン有機半導体材料をスピンコーティング法により膜厚80nmとすることで形成する。
素子のパターン化や、ゲート電極コンタクトはフォトリソグラフィーとエッチングによりなされる。
また、或るレジストパターンはエッチング工程終了後、除去することなく、そのままコンタクトホールを有する層間絶縁膜として使用する。
次に、ソース・ドレイン電極152を形成する。
このようにして、有機TFTを備えた薄膜デバイス層140が形成される。なお、層間絶縁層上にはさらに保護膜を形成してもよい。画素スイッチング用の有機TFTのドレイン電極と画素個別電極を接続することで薄膜デバイス層が形成される。
(第3の工程)
本工程では、接着層160を介して、安価なソーダガラス基板を第2の基材180として接着した。
(第4の工程)
本工程では、第1の基材100の端部を切断した。
(第5の工程)
本工程では、第1の分離層120で剥離現象を起こさせてから、薄膜デバイス層140の側から第1の基材100を剥がした。
結果、薄膜デバイス層140は第2の基材180に転写された。
これにより、アクティブマトリクス基板が完成する。このアクティブマトリクス基板では、画素電極が薄膜デバイス層の裏面側で露出している。従って、アクティブマトリクス基板の薄膜デバイス層の裏面側に電気光学表示セルを形成することが可能である。
かかるアクティブマトリクス基板を用いて電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法、この電気光学装置の製造方法を用いて製造した電気光学装置の具体例について説明する。
本実施例にかかる電気光学装置としての電気光学表示装置は上述のアクティブマトリクス基板と、このアクティブマトリクス基板に所定の間隔を介して貼り合わされた対向基板と、この対向基板とアクティブマトリクス基板との間に封入された液晶、または電気泳動流体等の電気光学物質とを有している。
アクティブマトリクス基板と対向基板とは、対向基板の外周縁に沿って形成されたギャップ材含有のシール材によって所定の間隙を介して貼り合わされ、このシール材の内側領域が電気光学物質の封入領域とされる。シール材としては、エポキシ樹脂や各種の紫外線硬化樹脂などを用いることができる。ここで、シール材は部分的に途切れているので、対向基板とアクティブマトリクス基板とを貼り合わせた後、シール材の内側領域を減圧状態にすれば、シール材の途切れ部分から表示液を減圧注入でき、封入した後は、途切れ部分を封止剤で塞げばよい。
対向基板はアクティブマトリクス基板よりも小さく、アクティブマトリクス基板の対向基板の外周縁よりはみ出た領域には、後述する走査線駆動回路やデータ線駆動回路等のドライバー部が形成されている。
このように構成した電気光学表示装置において、そのアクティブマトリクス基板では、中央領域が実際の表示を行う画素部であり、その周辺部分が駆動回路部とされる。画素部では、導電性半導体膜などで形成されたデータ線および走査線に接続した画素用スイッチングの有機TFTがマトリクス状に配列された各画素毎に形成されている。データ線に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチなどを備えるデータ側駆動回路が構成されている。走査線に対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタなどを備える走査側駆動回路が構成されている。
[実施例3]
実施例3として、第2の実施の形態の具体例、ずなわち、第1の基材100に形成された、有機TFTを含む薄膜デバイス層140を、第2の基材180に転写した後、さらに第3の基材200に転写する薄膜デバイス装置の製造方法と、この薄膜デバイス装置の製造方法を用いて製造した薄膜デバイス装置とを用いた電気光学装置の製造方法及びこの電気光学装置の製造方法を用いて製造した電気光学装置との具体例を説明する。
図10に、本実施例にかかる電気光学表示装置たる電気光学装置30の要部を示す。電気光学装置30は、実施例2にかかるアクティブマトリクス基板を用いており、有機機能性素子として、このアクティブマトリクス基板に備えられている、マトリクス状に配設された有機TFT素子と、アクティブマトリクス基板上に配設された有機EL素子とを有している。本実施例にかかるアクティブマトリクス基板の基本的な構成は、実施例2と同様であるので、説明を省略する。有機TFT素子の構成は実施例1と同様にすることができる。
電気光学装置30に用いたアクティブマトリクス基板と有機EL素子40とは、第1の基材100上に最適な条件で形成した後、この第1の基材100から第2の基材180への転写を経て、プラスチックシート基板からなるフレキシブルな第3の基材200と接合し一体化したものである。薄膜デバイス層140を2回、転写しているため、薄膜デバイス層140を第3の基材200に転写し終えた状態で、薄膜デバイス層140は、第1の基材100に有機TFT素子20を形成したときの積層構造のままである。
薄膜デバイス層140は、有機TFT素子30と、これに加えて有機EL素子40とを有している。
電気光学装置30は、有機TFT素子30の一端のソース・ドレイン電極152に電気的に接続した有機EL素子40中の第1の個別電極220と、個別電極220上に形成された導電性高分子膜240と、導電性高分子膜240上に形成された有機発光膜260と、有機発光膜上に形成された共通電極280とを有している。
個別電極220は透明導電膜にて形成されている。透明導電膜はITO膜をスパッタリングにて膜厚100nmで選択形成したものである。導電性高分子膜240は、電化注入効率を稼ぐための電荷注入層であり、ポリエチレンジオキシチオフェン膜をスピンコーティングにて50nmの厚さで成膜することによって形成したものである。
有機発光膜260は、有機発光材料を用いて成膜された有機発光層であり、有機発光材料としてポリフェニレンビニレン材料を用い、スピンコーティングにて80nmの厚さで形成したものである。共通電極280はバリウム、銀を真空蒸着にて成膜したものである。
このようにして薄膜デバイス層140が形成される。なお、導電性高分子膜240の形成は任意である。
以上、各実施の形態、各実施例を説明したが、最終的に製品に搭載される基板として、適宜、大型の基板、安価な基板、軽い基板、変形に耐え得る基板、割れない基板を用いることができる。従って、安価、軽量、耐衝撃性等に優れた薄膜デバイス装置、アクティブマトリックス基板、電気光学装置を構成することができる。
本発明を適用した薄膜デバイス装置、アクティブマトリクス基板、電気光学装置の製造方法の各工程を示す図である。 第1の分離膜形成工程を説明するための断面図である。 有機機能性素子形成工程を説明するための断面図である。 図3に示した有機機能性素子形成工程により形成された有機機能性素子の要部を示す拡大断面図である。 第2の基材一体化工程を説明するための断面図である。 第1の基材分離工程を説明するための断面図である。
第1の分離膜形成工程、有機機能性素子形成工程、第2の基材一体化工程、除去工程、第1の基材分離工程を有する薄膜デバイス装置の製造方法を経て製造された薄膜デバイス装置の断面図である。 第3の基材一体化工程を説明するための断面図である。 第2の基材分離工程を説明するための断面図である。 第1の分離膜形成工程、有機機能性素子形成工程、第2の基材一体化工程、除去工程、第1の基材分離工程、第3の基材一体化工程、第2の基材分離工程を有する薄膜デバイス装置の製造方法を経て製造された薄膜デバイス装置の断面図である。 本発明を適用した電気光学装置の製造方法を用いて製造された電気光学装置の断面図である。
符号の説明
1、2 薄膜デバイス装置
10 密着力の強い部分
20 有機機能性素子、有機TFT素子
30 電気光学装置
40 有機機能性素子、有機EL素子
100 第1の基材
120 第1の分離膜
180 第2の基材
200 第3の基材
S1 第1の分離膜形成工程
S2 有機機能性素子形成工程
S3 第2の基材一体化工程
S4 除去工程
S5 第1の基材分離工程
S6 第3の基材一体化工程
S7 第2の基材分離工程

Claims (14)

  1. 第1の基材上に第1の分離膜を形成する第1の分離膜形成工程と、
    第1の分離膜上に有機機能性素子を形成する有機機能性素子形成工程と、
    上記有機機能性素子に第2の基材を一体化する第2の基材一体化工程と、
    第1の基材を上記有機機能性素子から分離する第1の基材分離工程とを有し、
    上記第1の分離膜形成工程においては、第1の基材と第1の分離膜との密着力を部分的に異ならせており、
    上記第1の基材分離工程の前に、第1の基材と第1の分離膜との密着力の強い部分を除去する、上記第2の基材一体化工程と上記第1の基材分離工程との間または上記有機機能性素子形成工程と上記第2の基材一体化工程との間に行われる除去工程を有する薄膜デバイス装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、上記第1の分離膜形成工程において、第1の基材に界面活性剤を部分的に配置することにより、第1の基材と第1の分離膜との密着力を部分的に異ならせることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  3. 請求項2記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、上記第1の分離膜形成工程において、界面活性剤を第1の基材の全面に配置した後、所定位置の界面活性剤を除去することで、第1の基材に界面活性剤を部分的に配置し、第1の基材と第1の分離膜との密着力を部分的に異ならせることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  4. 請求項2記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、第1の分離膜形成工程において、界面活性剤を印刷法により第1の基材の所定位置に配置することで、第1の基材に界面活性剤を部分的に配置し、第1の基材と第1の分離膜との密着力を部分的に異ならせることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  5. 請求項1ないし4の何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、上記除去工程において、ダイシングにより第1の基材と第1の分離膜との密着力の強い部分を除去することを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  6. 請求項1ないし4の何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、上記除去工程において、レーザーアブレーションにより第1の基材と第1の分離膜との密着力の強い部分を除去することを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  7. 請求項1ないし6の何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、第1の分離膜としてポリパラキシリレン膜を用いることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  8. 請求項1ないしの何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、第2の基材としてフレキシブルシートを用いることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  9. 請求項1ないし8の何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、
    上記第1の基材分離工程の後に、上記有機機能性素子の、第2の基材と反対側に、第3の基材を一体化する第3の基材一体化工程と、第2の基材を上記有機機能性素子から分離する第2の基材分離工程とを有することを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  10. 請求項記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、第の基材としてフレキシブルシートを用いることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  11. 請求項1ないし10の何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、上記有機機能性素子が、有機TFT素子を備えていることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  12. 請求項1ないし10の何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、上記有機機能性素子が、画像信号に対して発光する有機EL素子を有する表示器、又は、画像信号に対して発光する有機EL素子とこの有機EL素子にスイッチングを行う有機TFT素子とを有する表示器を備えていることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  13. 請求項1ないし12の何れか1つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法を用い、上記有機機能性素子をマトリクス状に形成してアクティブマトリクス基板を製造するアクティブマトリクス基板の製造方法。
  14. 請求項13記載のアクティブマトリクス基板の製造方法を用い、電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法。
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