JP4417615B2 - 薄膜デバイス装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜デバイス装置の製造方法に関するものである。より詳しくは、アクティブマトリクス基板や、このアクティブマトリクス基板を用いた電気光学装置等の薄膜デバイス装置の製造に応用可能な薄膜デバイス装置の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、薄膜デバイスを基材上に形成した後、この基材から剥離する技術、及び剥離した薄膜デバイスを他の基材に転写する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の電気光学装置のうち、電気光学物質として液晶を用いたアクティブマトリクス型の液晶表示装置では、アクティブマトリクス基板上にスイッチング素子として薄膜トランジスタ(以下、TFTと言う)を製造する際に、半導体プロセスを利用する。このプロセス中は高温処理を伴う工程を含むため、基板としては耐熱性に優れる材質のもの、すなわち、軟化点および融点が高いものを使用する必要がある。従って、現在は、1000℃程度の温度に耐える基板として石英ガラスが使用され、500℃前後の温度に耐える基板として耐熱ガラスが使用されている。
【0003】
このように、TFT等の薄膜デバイスを搭載する基板は、それらの薄膜デバイスを製造する際の温度条件等に耐え得るものでなければならない。
しかしながら、TFT等の薄膜デバイスを搭載した基板が完成した後において、前記の石英ガラスや耐熱ガラスでは好ましくないことがある。例えば、高温処理を伴う製造プロセスに耐え得るように石英基板や耐熱ガラス基板等を用いた場合には、これらの基板が非常に高価であるため、表示装置等の製品価格の上昇を招く。また、パームトップコンピュータや携帯電話機等の携帯用電子機器に使用される液晶表示装置は、可能な限り安価であることに加えて、軽くて多少の変形にも耐え得ること、落としても割れにくいことも求められるが、石英基板やガラス基板は、重いとともに、変形に弱く、かつ、落下等によって割れやすい。従って、従来の薄膜デバイス装置に用いられる基板は、製造条件からくる制約、および製品に要求される特性の双方に対応することができないという問題点がある。
【0004】
そこで上記の問題を解決する手段として特願平8−225643号では、多結晶シリコンTFTなどを従来のプロセスと略同様な条件で第1の基材上に形成した後に、この薄膜デバイスを第1の基材から剥離して、プラスチックシート等の第2の基材に転写する技術が提案されている。ここでは、第1の基材と薄膜デバイスとの間に分離層を形成し、この分離層に対して例えばエネルギー光を照射することにより、第1の基材から薄膜デバイスを剥離して、この薄膜デバイスを第2の基材の側に転写している。
【0005】
近年、有機薄膜電子デバイスとして有機TFTや有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子が研究され、その応用として有機TFTアクティブマトリックス駆動の有機ELディスプレイの試作が試みられている。有機薄膜電子デバイスの特徴としては、多結晶シリコンTFTの作製に見られるような高価な製造設備を不要とし、安価なデバイス提供が可能であるという特徴があり、また、先述のパームトップコンピュータや携帯電話機等の携帯用電子機器に使用される表示装置に好適であると思われる。
【0006】
プラスチックシート(基材)上にこれら有機TFTを形成する場合、基材の寸法安定性が劣るため、その上にアクティブ素子をじかに形成するのは非常に困難である。
この問題を解決するため特開平8−62591号公報には、ガラス等の耐熱性に優れた基板に予め形成したアクティブマトリクス層をプラスチックシート基板上に転写する技術が開示されている。しかし、この公報記載の従来技術では、剥離層に金属メッキを用い、アクティブマトリクス層との間に透明電気絶縁層を設けるなど煩雑な工程が必要であり、しかも、接着剤として溶剤型感圧接着剤を用いているため、応力の問題が生じる。また、特開平2001−356370号公報記載の従来技術では、転写時の外力からアクティブマトリクス層を保護するために、無機バッファ層を配置したり、スリットを追加形成するなどの対策を施しているが、工程の煩雑さを招いている。
また、これらの従来技術は、共通して剥離分離層を形成し、第2の基材、さらには第3の基材へ転写し、大面積、フレキシブルシート上へのアクティブマトリックス基板を形成している。
【0007】
以上のことを鑑みて、転写法の重要な技術は剥離工程にあり、従来技術では、アモルファスシリコンのレーザー照射による相変化現象に伴う密着力減少、放射線照射による密着力の減少(特開平8−152512号公報)、物理的、化学的基材の除去(特開平10−189924号公報、特開平11−31828号公報)、応力を伴う機械的剥離と発生応力からの素子保護方法に大別できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の剥離方法および転写方法では、分離層での剥離現象が適正に起こらないという問題点がある。または、基板サイズに制約を受け、特に有機薄膜電子デバイスの特徴である大面積素子への展開は不可能であった。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、分離層として用いる有機物膜を適正化することにより、薄膜デバイスを損傷することなく基材(基板)から容易に剥離することができ、その剥離した薄膜デバイスを他の基材(基板)に転写することのできる薄膜デバイス装置の製造方法を提供することを目的とする。さらには、この薄膜デバイス装置の製造方法を利用してアクティブマトリクス基板を用いた薄膜デバイス装置を製造する製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する手段として、請求項1に係る発明は、第1の基材上に有機物からなる分離層を形成する工程と、前記分離層上に有機半導体材料を用いてスピンコーティング法で有機半導体膜を形成することにより薄膜デバイスを形成する工程と、前記薄膜デバイスの前記第1の基材と反対側に第2の基材を接着するか若しくは第2の有機物からなる膜を形成する工程と、前記分離層と第1の基材との界面で剥離現象を生じさせることにより前記第1の基材を前記薄膜デバイス側から剥がす工程とを有し、前記分離層が、液体に可溶な有機物層Aと液体に不溶な有機物層Bの少なくとも2層以上の積層からなるとともに、前記有機物質Bがポリパラキシリレン樹脂からなる有機物膜であることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の薄膜デバイス装置の製造方法であって、第1の基材上に有機物からなる第1の分離層を形成する第1の工程と、前記第1の分離層上に有機半導体材料を用いてスピンコーティング法で有機半導体膜を形成することにより薄膜デバイスを形成する第2の工程と、前記薄膜デバイスの前記第1の基材と反対側に第2の基材を接着する第3の工程と、前記第1の分離層と第1の基材との界面で剥離現象を生じさせることにより前記第1の基材を前記薄膜デバイス側から剥がして当該薄膜デバイスを前記第2の基材側に転写する第4の工程とを有し、前記第1の工程では、前記第1の分離層が、液体に可溶な有機物層Aと液体に不溶な有機物層Bの少なくとも2層以上の積層からなり、第1の基材との界面に有機物層Aを可溶可能な液相の存在により、分離層の第1の基材に対する密着力を低減する有機物膜を形成し、前記第4の工程では、前記第1の分離層と第1の基材界面に液相を介在させて前記剥離現象を起こさせることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の薄膜デバイス装置の製造方法であって、第1の基材上に第1の有機物からなる分離層を形成する第1の工程と、前記分離層の上に有機半導体材料を用いてスピンコーティング法で有機半導体膜を形成することにより薄膜デバイスを形成する第2の工程と、前記薄膜デバイスの前記第1の基材と反対側に第2の有機物からなる膜を形成する第3の工程と、前記分離層と第1の基材との界面で剥離現象を生じさせることにより前記第1の基材を前記薄膜デバイス側から剥がす第4の工程とを有し、前記第1の工程では、前記分離層が、少なくとも液体に可溶な有機物層Aと液体に不溶な有機物層Bの少なくとも2層以上の積層からなり、第1の基材との界面に有機物層Aを可溶可能な液相の存在により、分離層の第1の基材に対する密着力を低減する有機物膜を形成し、前記第4の工程では、前記分離層と第1の基材界面に液相を介在させて前記剥離現象を起こさせることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1または2または3記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、前記分離層を構成する液体に可溶な有機物層Aとして、水溶性高分子材料からなる膜を形成することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項1または2または3記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、前記分離層を構成する液体に可溶な有機物層Aとして、水溶性有機溶剤で可溶な高分子材料からなる膜を形成することを特徴とする。
さらに請求項に係る発明は、請求項1〜の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、前記第4の工程では、前記分離層と第1の基材界面に液相を介在させることを特徴とする。
【0014】
請求項に係る発明は、請求項2または4〜の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、前記第3の工程では、前記薄膜デバイスの前記第1の基材と反対側に前記第2の基材を第2の分離層を介して接着し、前記第4の工程で前記第2の基材に前記薄膜デバイスを転写した後、当該薄膜デバイスの前記第2の基材と反対側に第3の基材を接着する第5の工程と、前記第2の分離層の層内または該第2の分離層の界面のうちの少なくとも一方で剥離現象を生じさせることにより前記第2の基材を前記薄膜デバイス側から剥がして当該薄膜デバイスを前記第3の基材側に転写する第6の工程とを有することを特徴とする。
【0015】
請求項に係る発明は、請求項3〜の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、前記第2の有機物膜が、前記分離層を構成する液体に不溶な有機物層Bと同じ材料の膜であることを特徴とする。
また、請求項に係る発明は、請求項3〜の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、前記第1の有機物からなる分離層を構成する液体に不溶な有機物層Bの膜厚が10μm以上であることを特徴とする。
さらに請求項10に係る発明は、請求項3〜の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、前記第4の工程で前記薄膜デバイスを剥離した後、当該薄膜デバイスの前記第1の基材と同じ側に第2の基材を接着する第5の工程を有することを特徴とする。
【0016】
請求項11に係る発明は、請求項1〜10の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、前記第2の工程では、前記第1の基材上に、前記薄膜デバイスとして、少なくとも有機薄膜トランジスタを形成することを特徴とする。
【0017】
請求項12に係る発明は、請求項1〜11の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法を利用してアクティブマトリクス基板を用いた薄膜デバイス装置を製造する製造方法であって、前記第2の工程では、前記第1の基材上に、前記薄膜デバイスとして画素スイッチング用の薄膜トランジスタをマトリクス状に形成して、当該薄膜トランジスタをマトリクス状に有するアクティブマトリクス基板を形成することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第一の実施の形態]
まず、本発明の第一の実施の形態を説明する。
本発明の第一の実施の形態は、第1の基材上に有機物からなる第1の分離層を形成する第1の工程と、前記第1の分離層上に薄膜デバイスを形成する第2の工程と、前記薄膜デバイスの前記第1の基材と反対側に第2の基材を接着する第3の工程と、前記第1の分離層と第1の基材との界面で剥離現象を生じさせることにより前記第1の基材を前記薄膜デバイス側から剥がして当該薄膜デバイスを前記第2の基材側に転写する第4の工程とを有する薄膜デバイス装置の製造方法であり、前記第1の工程では、前記第1の分離層として、第1の基材との界面に液相の存在により分離層膜の第1の基材に対する密着力が低減する性能を有する有機物膜を形成し、前記第4の工程では、前記第1の分離層と第1の基材界面に液相を介在させて前記剥離現象を起こさせることを特徴とする(請求項1,2)。
【0019】
本発明において、第1の分離層は、少なくとも液体に対する溶解性の異なる2種以上の有機膜積層体からなり、第1の基材との界面に液相の存在により分離層の第1の基材に対する密着力を低減せしめ、界面での剥離を容易にさせるもので、第1の基材を薄膜デバイス側から剥がして薄膜デバイスを第2の基材側に転写することができる。よって、本発明によれば、信頼性の高い薄膜デバイス装置を効率よく製造できる。
本発明において、前記第2の工程では、分離層は有機TFTプロセスには十分耐えうる基材密着力を有し、また、前記4の工程では、その密着力を低減することにより剥離現象が容易に行える。
【0020】
本発明において前記第1の分離層は、液体可溶な有機物膜Aと液体に不溶な有機物膜Bの2層以上の積層膜からなり、主に前記第4の工程で、液層存在下で、有機物膜Aと第1の基材界面の密着力の低減を実行するものである。
本発明において、前記第1の分離層を構成する有機物膜Bは段差被覆性の優れた成膜法にて形成され、特に有機物原料またはそのガスを用いた化学気相堆積法(化学気相成長法(CVD法))により形成された有機物膜を有機物膜Bとして用いてもよい。
また、前記有機物膜Bは、パリレン材料からなる有機物膜や、フッ素化ポリマーであってもよく、特にパリレン膜は有効である。
【0021】
パリレン膜とは米国のユニオン・カーバイド・ケミカルズ・アンド・プラスチック社が開発したポリパラキシリレン樹脂からなる気相合成法によるコーティング膜である。このコーティング膜は原料であるジパラキシリレン固体ダイマーを気化、熱分解し、この時発生した安定なジラジカルパラキシリレンモノマーが基板上において吸着と重合の同時反応を起こすことによって形成される。このコーティング膜は従来の液状コーティングや粉末コーティングでは不可能な精密コーティングが可能である他、コーティング時、被着物の形状、材質を選ばない、室温でのコーティングが可能であるなど、他に類の無い数々の優れた特質を有する事により、超精密部品のコーティングをはじめ、汎用品のコーティングに至るまで、最適なコンフォーマル(同型)コーティング被膜として知られている。具体的にはハイブリッドICの絶縁膜コーティング、ディスクドライブ部品のダスト粉の発生防止、ステッピングモーターの潤滑用膜、生体材料の腐食防止膜にその応用例を見ることができる。
【0022】
本発明において、前記第3の工程では、前記薄膜デバイスの前記第1の基材と反対側に前記第2の基材を第2の分離層を介して接着し、前記第4の工程で前記第2の基材に前記薄膜デバイスを転写した後、当該薄膜デバイスの前記第2の基材と反対側に第3の基材を接着する第5の工程と、前記第2の分離層の層内または該第2の分離層の界面のうちの少なくとも一方で剥離現象を生じさせることにより前記第2の基材を前記薄膜デバイス側から剥がして当該薄膜デバイスを前記第3の基材側に転写する第6の工程とを行ってもよい(請求項9)。このように構成すると、薄膜デバイスを2回、転写することになるので、第3の基材に転写した状態において、薄膜デバイスは、第1の基材に薄膜デバイスを形成したときの積層構造のままとなる。
本発明において、前記第2の工程では、前記第1の基材上に、前記薄膜デバイスとして、例えば薄膜トランジスタ(TFT)を形成する。
【0023】
本発明に係る薄膜デバイス装置の製造方法は、アクティブマトリクス基板やそれを用いた薄膜デバイス装置の製造方法として利用できる。この場合には、前記第2の工程では、前記第1の基材上に、前記薄膜デバイスとして薄膜トランジスタをマトリクス状に形成して、当該薄膜トランジスタをマトリクス状に有するアクティブマトリクス基板を製造する。
【0024】
本発明では、最終的に製品に搭載される第2の基材あるいは第3の基材に対して薄膜デバイスを転写した後、この基板上で、高温での処理が不要な配線等を形成してもよいが、前記第2の工程において、前記第1の基材上に前記薄膜トランジスタをマトリクス状に形成するとともに、当該薄膜トランジスタのゲートに電気的に接続する走査線、当該薄膜トランジスタのソースに電気的に接続するデータ線、および当該薄膜トランジスタのドレインに電気的に接続する画素電極を形成し、これらの配線や電極も薄膜デバイスと同様、最終的に製品に搭載される基板に転写することが好ましい。
【0025】
また、本発明では、前記第1の基材上に、前記薄膜デバイスとして、駆動回路用の薄膜トランジスタを形成して、当該薄膜トランジスタを備える駆動回路を有するアクティブマトリクス基板を製造してもよい。
さらに、本発明では、前記第1の基材上に、前記薄膜デバイスとして有機TFT、有機EL素子を形成してもよい。
【0026】
本発明に係るアクティブマトリクス基板については、対向基板との間に液晶等の電気光学物質を挟持させることによって、液晶表示装置等の電気光学装置を構成するのに適しているようすることも可能である。また有機EL表示装置、電界入力により反射率変化を生じる表示装置等の電気光学装置を構成するのに適しているようにすることも可能である。すなわち、本発明によれば、最終的に製品に搭載される基板として、大型の基板、安価な基板、軽い基板、変形に耐え得る基板、割れない基板を用いることができるので、安価、軽量、耐衝撃性等に優れた電気光学装置を構成することができる。
【0027】
以下、本発明の第一の実施の形態のより具体的な実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
[実施形態1−1]
図1は、本発明による第一の実施の形態に係る薄膜デバイス装置の製造方法のうち、基板上に薄膜デバイスを形成した後、薄膜デバイスを別の基板に転写するまでの工程を説明するための工程説明図である。以下、図1を参照して本実施形態の薄膜デバイス装置の製造方法を説明する。
【0029】
(第1の工程)
本実施形態の薄膜デバイス装置の製造方法では、まず、図1(a)に示すように、第1の基材100上に第1の分離層110を形成する。本実施形態では、有機電子デバイスを作製する目的に合致していれば良く、すなわち寸法変化の少ない材料であれば良い。具体的にはシリコン(Si)ウェハ、ガラス基板、セラミックス基板などが用いられる。
本実施形態において、第1の分離層110は、有機TFTからなるアクティブマトリクス層を形成可能なだけの耐熱性、そうしたアクティブマトリクス層とのしっかりした密着性、アクティブマトリクス層形成時のパターニングする際のエッチングプロセス等に対する耐性、さらには、第1の基材とのプロセスに耐えうる強度な密着性(例えば90°剥離試験で10g/cm以上の強度)と、一方、第4の工程時には他層にダメージを与えずに剥離可能であるような密着性であり、例えば90°剥離試験で〜10g/cm以下の強度に制御可能なことが重要である。
本実施形態では、この機能の発現を2種の有機膜で実現している。すなわち液体に可溶な有機物膜(A)111と、前記プロセスにおけるダメージを防ぐための保護膜として機能する有機物膜(B)112からなる少なくとも2層の構成を取る。有機物膜(A)111は基材との界面にそれを溶解可能な液相が介在したとき、本来の密着力が消失する。
有機物膜(A)111の膜厚は1〜10μm程度、また、分離層110の総厚は、通常2〜30μm程度であるのが好ましい。
【0030】
(第2の工程)
次に、図1(b)に示すように、第1の分離層110上に、各種薄膜デバイスを含む薄膜デバイス層120を形成する。また薄膜デバイス層120は図1(c)に示すように有機TFT素子を含んでいる。また薄膜デバイス層の最下面に中間層を配置して有機TFT素子を形成しても良い。このTFTは、逆スタガー構造のTFTを示しており、有機半導体層121、ゲート絶縁膜122、ゲート電極123、及びソース・ドレイン電極124を備えている。
図1(b)に示す例では、薄膜デバイス層120は、TFT等の薄膜デバイスを含む層であるが、この薄膜デバイス層120に形成される薄膜デバイスは、TFT以外にも、製造する機器の種類に応じて、例えば、有機薄膜ダイオード、有機電子材料のPIN接合からなる光電変換素子(光センサ、太陽電池)、有機抵抗素子、その他の有機薄膜半導体デバイス、各種有機電極、スイッチング素子、メモリー、等であってもよい。これらいずれの有機薄膜デバイスも、大面積、集積化により機能を向上させる。
【0031】
(第3の工程)
次に、図1(d)に示すように、薄膜デバイス層120の上(第1の基材100とは反対側)に接着層130を介して第2の基材140を接着する。
接着層130を構成する接着剤の好適な例としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気硬化型接着剤等の接着剤が挙げられる。この接着剤の組成としては、例えば、エポキシ系、アクリレート系、シリコーン系等、いかなるものでもよい。このような接着層130の形成は、例えば塗布法によりなされる。
接着層130に硬化型接着剤を用いる場合には、例えば薄膜デバイス層120上に接着剤130を塗布し、その上に第2の基材140を接合した後、接着剤の特性に応じた硬化方法により接着剤を硬化させて薄膜デバイス層120と第2の基材140とを接着固定する。
接着層130に光硬化型接着剤を用いた場合には、例えば薄膜デバイス層120上に接着剤を塗布し、その上に第2の基材140を接合した後、第1の基材100が光透過性であればその第1の基材100側から、また、第2の基材140に光透過性を用いれば第2の基材140の側から、のうちの一方の側から接着剤に光を照射することにより接着剤を硬化させて薄膜デバイス層120と第2の基材140とを接着固定する。尚、光透過性の第1の基材100の側、および光透過性の第2の基材140の側の双方から接着剤に光を照射してもよい。ここで用いる接着剤としては、薄膜デバイス層120に影響を与えにくい紫外線硬化型等の接着剤が望ましい。
【0032】
接着層130としては水溶性接着剤を用いることもできる。具体的は、ポリビニルアルコール樹脂や、この種の水溶性接着剤として、例えばケミテック株式会社製のケミシールU−451D(商品名)、株式会社スリーボンド製のスリーボンド3046(商品名)等を挙げることができる。
また、薄膜デバイス層120の側に接着層130を形成する代わりに、第2の基材140の側に接着層130を形成し、この接着層130を介して、薄膜デバイス層120に第2の基材140を接着してもよい。また、第2の基材140自体が接着機能を有する場合等には、接着層130の形成を省略してもよい。
【0033】
第2の基材180は、第1の基材100と比較して、耐熱性や耐食性等といった特性が劣るものであってもよい。すなわち、本発明では、第1の基材100の側に薄膜デバイス層120を形成した後、この薄膜デバイス層120を第2の基材140に転写するため、第2の基材140には、基板寸法安定性などの特性が要求されない。
第2の基材140の機械的特性としては、製造する機器の種類によっては、ある程度の剛性(強度)を有するものが用いられるが、可撓性、弾性を有するものであってもよい。
第2の基材140としては、例えば、融点がそれほど高くない安価なガラス基板、シート状の薄いプラスチック基板、あるいはかなり厚めのプラスチック基板など、製造する機器の種類によって最適なものが用いられる。また、第2の基材140は、平板でなく、湾曲しているものであってもよい。
【0034】
第2の基材180としてプラスチック基板を用いる場合に、それを構成する合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。例えば、ポリエチレン、ポロプロピレン、エチレン−プレピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変形ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうち1種、または2種以上を積層した積層体を用いることができる。
【0035】
第2の基材180としてプラスチック基板を用いた場合には、大型の第2の基材140を一体的に成形することができる。また、第2の基材140がプラスチック基板であれば、湾曲面や凹凸を有するもの等、複雑な形状であっても容易に製造することができる。さらに、第2の基材140がプラスチック基板であれば、材料コストや製造コストが低く済むという利点もある。それ故、第2の基材140がプラスチック基板であれば、大型で安価なデバイス(例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等)を製造する際に有利である。
【0036】
本実施形態において、第2の基材140は、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示装置、電界印加による反射率変化を用いた表示装置(粒子の電気泳動効果を用いた電気泳動表示パネル)のアクティブマトリクス基板を薄膜デバイス装置として構成した場合のように、それ自体が独立してデバイスの基体を構成するものや、例えばカラーフィルタ、電極層、誘電体層、絶縁層、半導体素子のように、デバイスの一部を構成するものであってもよい。
【0037】
(第4の工程)
次に、図1(e)に示すように、基板100と分離層110の界面から剥離を行う。この工程では、図1(d)の積層体の端部を切断し、破断面の端部より液層を進入させて分離層110の有機物膜Aと第1の基材100の界面の密着力を低減させることが可能である。
有機物膜Aとしてポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂を用いた場、液層として水が用いられ、また有機物膜Aとしてポリビニルブチラール樹脂などのエタノール可溶性樹脂を用いた場合、液相としてアルコール類が用いられる。
有機溶剤はアセトン、アルコール類など水溶性有機溶媒があり、従って、有機物膜Aはこれら水、水溶性有機溶媒に可溶な樹脂、および溶液が該当する。また、これら液体は蒸気でもあっても良い。
従って、図1(e)に示すように、第1の基材100を剥がすように力を加えると、第1の基材100を第1の分離層110との界面で容易に剥がすことができる。その結果、図1(f)に示すように、薄膜デバイス層120を第2の基材140の方に転写することができる。
また、第1の基材100を再利用(リサイクル)することにより、製造コストの低減を図ることができる。
【0038】
以上の各工程を経て、薄膜デバイス層120の第2の基材140への転写が完了し、図1(f)に示すように、第2の基材140上に薄膜デバイス層120が転写された薄膜デバイス装置を製造することができる。また、薄膜デバイス層120が形成された第2の基材140を所望の材料上に搭載したものを薄膜デバイス装置としてもよい。
このように、本実施形態の薄膜デバイス装置の製造方法では、被剥離物である薄膜デバイス層120自体を直接に剥離するのではなく、薄膜デバイス層120と第1の基材100とを第1の分離層110で剥がす。このため、薄膜デバイス層120の側から第1の基材100を容易、かつ、確実に剥がすことができる。従って、剥離操作に伴う薄膜デバイス層120へのダメージがなく、信頼性の高い薄膜デバイス装置を製造することができる。
【0039】
[実施形態1−2]
次に、図2を参照して本発明の第一の実施の形態の別の具体的な実施形態を説明する。
図2は、本実施形態の薄膜デバイス装置の製造方法のうち、前述の実施形態1−1と略同様の製造工程(図1)を実施し、第4の工程で薄膜デバイス層120を第2の基材140に転写した後に行う各工程の様子を示す工程説明図である。
本実施形態は、実施形態1−1で説明した第4の工程の後、薄膜デバイス層120を第2の基材140から第3の基材160に再度、転写することに特徴を有する。
製造工程としては、まず、実施形態1−1の第1〜4の工程と略同様な方法で第2の基材140への薄膜デバイス層120の転写を行う。
【0040】
(第5の工程)
このようにして、第4の工程で薄膜デバイス層120を第2の基材140に転写した後は、図2(a)に示すように、薄膜デバイス層120の下面(第2の基材140と反対側)に接着層150を介して第3の基材160を接着する。この接着層150を構成する接着剤の好適な例としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着材、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気硬化型接着剤等の各種の硬化型の接着剤が挙げられる。接着剤の組成としては、例えば、エポキシ系、アクリレート系、シリコーン系等、いかなるものでもよい。このような接着層150の形成は、例えば塗布法によりなされる。
【0041】
接着層150として硬化型接着剤を用いる場合は、例えば薄膜デバイス層120の下面に硬化型接着剤を塗布した後、第3の基材160を接合し、しかる後に、硬化型接着剤の特性に応じた硬化方法により硬化型接着剤を硬化させて、薄膜デバイス層120と第3の基材160とを接着固定する。
接着層150として光硬化型接着剤を用いる場合は、好ましくは光透過性の第3の基材160の裏面側から光を照射する。また、接着剤として、薄膜デバイス層120に影響を与えにくい紫外線硬化型等の接着剤を用いれば、光透過性の第2の基材140側から光を照射してもよいし、第2の基材140の側及び第3の基材160の側の双方から光を照射してもよい。尚、第3の基材160に接着層150を形成し、その上に薄膜デバイス層120を接着しても良い。また、第3の基材160自体が接着機能を有する場合等には、接着層150の形成を省略しても良い。
【0042】
第2の基材140及び第3の基材160は、第1の基材100と比較して、耐熱性や耐食性等といった特性が劣るものであってもよい。
第3の基材160の機械的特性としては、製造する機器の種類によっては、ある程度の剛性(強度)を有するものが用いられるが、可撓性、弾性を有するものであってもよい。
第3の基材160としては、例えば、シート状の薄いプラスチック基板、あるいはかなり厚めのプラスチック基板など、製造する機器の種類によって最適なものが用いられる。また、第3の基材160は、平板でなく、湾曲しているものであってもよい。
【0043】
第3の基材160としてプラスチック基板を用いる場合に、それを構成する合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。例えば、ポリエチレン、ポロプロピレン、エチレン−プレピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変形ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうち1種、または2種以上を積層した積層体を用いることができる。
【0044】
第3の基材160としてプラスチック基板を用いた場合には、大型の第3の基材160を一体的に成形することができる。また、第3の基材160がプラスチック基板であれば、湾曲面や凹凸を有するもの等、複雑な形状であっても容易に製造することができる。さらに、第3の基材160がプラスチック基板であれば、材料コストや製造コストが低く済むという利点もある。それ故、第3の基材160がプラスチック基板であれば、大型で安価なデバイス(例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置)を製造する際に有利である。
【0045】
本実施形態において、第3の基材160は、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示装置、電界印加による反射率変化を用いた表示装置(粒子の電気泳動効果を用いた電気泳動表示パネル)のアクティブマトリクス基板を薄膜デバイス装置として構成した場合のように、それ自体が独立してデバイスの基体を構成するものや、例えばカラーフィルタ、電極層、誘電体層、絶縁層、半導体素子のように、デバイスの一部を構成するものであってもよい。
【0046】
(第6の工程)
次に、前述の第3の工程で薄膜デバイス層120の上に第2の基材140を接着する際に形成した接着層130を熱溶融性接着剤からなる第2の分離層として、図2(b)に示すように、熱溶融性接着剤からなる第2の分離層130を加熱し、熱溶融させる。この結果、第2の分離層130の接着力が弱まるため、第2の基材140を薄膜デバイス層120の側から剥がすことができる。この第2の基材140についても、付着した熱溶融性接着剤を除去することで、繰り返し使用することができる。また、第2の分離層130として水溶性樹脂からなる接着剤を用いた場合には、少なくとも第2の分離層130を含む領域を純水に浸せばよい。
次に、図2(c)に示すように、薄膜デバイス層120の表面に残る第2の分離層130を除去する。その結果、第3の基材160に薄膜デバイス層120が転写された薄膜デバイス装置を製造することができる。
【0047】
[実施例1−1]
次に本発明の第一の実施の形態の実施例として、前述の実施形態1−1の具体的な実施例を説明する。
まず、実施形態1−1の具体的な実施例として、第1の基材100の側に、第1の分離層110を介して有機TFT(薄膜デバイス)を含む薄膜デバイス層120を形成し、この薄膜デバイス層120を接着層130により第2の基材140に転写した薄膜デバイス装置の製造方法を説明する。
【0048】
(第1の工程)
図1(a)において、まず、Si基板からなる第1の基材100上に、分離層110を構成する有機物膜Aとして、ポリビニルアルコール樹脂(以下PVAと略す)を純水に溶解した塗布液を調製し、スピンコーティングによりコーティングし、120℃の温度で乾燥し、厚さ7μmのPVA塗膜111を形成した。
次に分離層110を構成する有機物膜Bとして、パリレン膜からなる有機物膜112を形成する。本実施例では、第1の基材100として直径4インチのSiウェハを用い、パリレン膜を成膜した。
パリレン膜は第三化成社製のdiX_Cを原材料に、減圧下で100〜170℃の温度にて昇華させ、引き続き熱分解炉に導入する。熱分解温度は650℃にし、ダイマーの解離処理をさせた後、PVA膜を形成したSiウェハを設置した成膜室に導入し、室温にて成膜する。この様にして膜厚10μmのパリレン膜を形成する。
【0049】
(第2の工程)
次に、図1(b)に示すように、第1の分離層110の上に、図1(c)に示す有機TFT(薄膜デバイス)を含む薄膜デバイス層120を形成する。
まずゲート電極123として、Cr金属膜をスパッタリング法により、膜厚50nm堆積させ、フォトリソグラフィー・エッチングにより所望するパターンの電極123を形成する。
次にゲート絶縁膜122を形成する。この膜は有機絶縁体膜をスピンコーティング法により形成する。有機絶縁体膜としてはポリビニルブチラールを用い、膜厚100nmのゲート絶縁膜122を形成する。
次に有機半導体膜121を形成する。例えばポリヘキシルチオフェン有機半導体材料を用い、スピンコーティング法により膜厚80nmの有機半導体膜121を形成する。尚、素子のパターン化や、ゲート電極コンタクトはフォトリソグラフィーとエッチングによりなされる。また、或るレジストパターンはエッチング工程終了後、除去することなく、そのままコンタクトホールを有する層間絶縁膜として使用する。
次に、ソース・ドレイン電極124を形成する。
このようにして、有機TFTを備えた薄膜デバイス層120が形成される。尚、上記の層間絶縁膜上にはさらに保護膜を形成してもよい。
【0050】
(第3の工程)
次に図1(d)に示すように、有機TFTを備える薄膜デバイス層120の上に接着層としてのエポキシ樹脂からなる接着層130を形成した後、この接着層130を介して、薄膜デバイス層120に対して、縦150mm×横150mm×厚さ0.7mmのソーダガラスからなる第2の基材140を貼り付ける。次に、接着層130に熱を加えてエポキシ樹脂を硬化させ、第2の基材140と薄膜デバイス層120の側とを接着する。尚、接着層130は紫外線硬化型接着剤でもよい。この場合には、第2の基材140側から紫外線を照射してポリマーを硬化させる。
【0051】
(第4の工程)
次に、第1の基材100の一端部を切断し、液相進入経路を確保し、図1(e)に示す剥離工程を実施する。
このようにして第1の分離層110で剥離現象を起こさせてから、薄膜デバイス層120の側から第1の基材100を剥がす。その結果、薄膜デバイス層120は第2の基材140に転写される。
【0052】
このようにして製造された薄膜デバイス装置は、例えば、第2の基材140にプラスチック等からなるフレキシブル基板を用いれば、曲げに強く、軽量であるために落下にも強いという利点を有する有機薄膜デバイス装置が形成される。また有機薄膜デバイスの構成要素として、CPU、RAM、入力回路、さらに太陽光発電セルを搭載し、自立型マイクロコンピュータを製造することが出来る。
【0053】
[実施例1−2]
次に本発明の第一の実施の形態の別の実施例として、前述の実施形態1−2の具体的な実施例を説明する。
実施形態1−2の具体例として、第1の基材100の側に、第1の分離層110を介して有機TFT(薄膜デバイス)を含む薄膜デバイス層120を形成し、この薄膜デバイス層120を接着層130により第2の基材140に転写した後、さらに第3の基材200に転写したアクティブマトリクス基板(薄膜デバイス装置)の製造方法を説明する。
【0054】
本実施例で製造する薄膜デバイス装置は、アクティブマトリクス基板と、このアクティブマトリクス基板に所定の間隔を介して貼り合わされた対向基板と、この対向基板とアクティブマトリクス基板との間に封入された液晶または電気泳動流体とから概略構成されている電気光学表示装置である。アクティブマトリクス基板と対向基板とは、対向基板の外周縁に沿って形成されたギャップ材含有のシール材によって所定の間隙を介して貼り合わされ、このシール材の内側領域が液晶または電気泳動流体の封入領域とされる。シール材としては、エポキシ樹脂や各種の紫外線硬化樹脂などを用いることができる。ここで、シール材は部分的に途切れているので、対向基板とアクティブマトリクス基板とを貼り合わせた後、シール材の内側領域を減圧状態にすれば、シール材の途切れ部分から表示液を減圧注入でき、封入した後は、途切れ部分を封止剤で塞げばよい。
【0055】
本実施例において、対向基板はアクティブマトリクス基板よりも小さく、アクティブマトリクス基板の対向基板の外周縁よりはみ出た領域には、後述する走査線駆動回路やデータ線駆動回路等のドライバー部が形成されている。
このように構成した電気光学表示装置に用いたアクティブマトリクス基板では、中央領域が実際の表示を行う画素部であり、その周辺部分が駆動回路部とされる。画素部では、導電性半導体膜などで形成されたデータ線及び走査線に接続した画素用スイッチングの有機TFTがマトリクス状に配列された各画素毎に形成されている。データ線に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチなどを備えるデータ側駆動回路が構成されている。走査線に対しては、シフトレジスタ及びレベルシフタなどを備える走査側駆動回路が構成されている。以下、このアクティブマトリクス基板を用いた薄膜デバイス装置の製造方法を説明する。
【0056】
(第1の工程)
実施例1−1にて示した方法と同様の方法で、図1(a)に示すように、ガラス基板からなる第1の基材100上にPVA膜とパリレン膜からなる第1の分離層110を形成する。本実施例では、大きさが100mm×100mmで厚さが1.1mmのガラス基板上に、分離層を成膜した。
【0057】
(第2の工程)
次に、図1(b)に示すように、第1の分離層110の上に、図1(c)に示す有機TFT(薄膜デバイス)を含む薄膜デバイス層120を形成する。
まずゲート電極123として、Cr金属膜をスパッタリング法により、膜厚50nm堆積させ、フォトリソグラフィー・エッチングにより所望するパターンの電極123を形成する。
次にゲート絶縁膜122を形成する。この膜は有機絶縁体膜をスピンコーティング法により形成する。有機絶縁体膜としてはポリビニルブチラールを用い、膜厚100nmのゲート絶縁膜122を形成する。
次に有機半導体膜121を形成する。例えばポリヘキシルチオフェン有機半導体材料を用い、スピンコーティング法により膜厚80nmの有機半導体膜121を形成する。尚、素子のパターン化や、ゲート電極コンタクトはフォトリソグラフィーとエッチングによりなされる。また、或るレジストパターンはエッチング工程終了後、除去することなく、そのままコンタクトホールを有する層間絶縁膜として使用する。
次に、ソース・ドレイン電極124を形成する。
このようにして、有機TFTを備えた薄膜デバイス層120が形成される。尚、上記の層間絶縁膜上にはさらに保護膜を形成してもよい。また、画素スイッチング用の有機TFTのドレイン電極と画素個別電極を接続することで薄膜デバイス層が形成される。
【0058】
(第3の工程)
次に図1(d)に示すように、有機TFTを備える薄膜デバイス層120の上に接着層130を介して、ソーダガラス基板等といった安価な第2の基材140を接着する。
【0059】
(第4の工程)
次に、第1の基材100の一端部を切断し、液相進入経路を確保し、図1(e)に示す剥離工程を実施する。
このようにして第1の分離層110で剥離現象を起こさせてから、薄膜デバイス層120の側から第1の基材100を剥がす。その結果、薄膜デバイス層120は第2の基材140に転写される。
【0060】
(第5の工程)
次に、図2(a)に示すように、薄膜デバイス層120の裏面側に対して接着層150を介して第3の基材160を接着する。
【0061】
(第6の工程)
次に、接着層130として熱溶融性接着剤を用いた場合には、図2(b)に示すように、この熱溶融性接着剤を第2の分離層として加熱し、接着層130で第2の基材140を剥離する。またPVB(ポリビニルブチラール樹脂)を用いた場合には、このPVB層をエタノールと接触させて、接着層130で第2の基材140を剥離する。その結果、アクティブマトリクス基板が完成する。
【0062】
その後、アクティブマトリクス基板と対向基板をシール材によって貼り合わせ、これらの基板間に電気泳動表示分散液、またはマイクロカプセル封入した電気泳動分散液を封入する。その結果、アクティブマトリクス基板と対向基板との間に電気泳動表示分散液を挟持した電気光学表示装置を製造することができる。また、周知の技術を用いて、上記電気泳動表示分散液の代わりに、液晶を挟持することで、液晶表示装置を製造することができる。
【0063】
この様に第1の基材100から第2の基材140への転写を経て、プラスチックシート基板からなるフレキシブルな第3の基材160の側に接合したものは、薄膜デバイス層120を2回、転写するため、薄膜デバイス層120を第3の基材160に転写し終えた状態で、薄膜デバイス層120は、第1の基材100にTFTを形成したときの積層構造のままである特徴を有している。
【0064】
以上説明したように、本発明の第一の実施の形態においては、第1の分離層110が、液体に可溶な有機物層Aと液体に不溶な有機物層Bの少なくとも2層以上の積層からなり、第1の分離層110と第1の基材100との界面に有機物層Aを可溶可能な液相の存在により、強固な密着力から非常に弱い密着力に変化するので、第4の工程で、容易に剥離現象が起こり、第1の基材100は薄膜デバイス層120側から分離し、薄膜デバイス層120を第2の基材140側に転写することができる。よって、本発明の第一の実施の形態によれば、基板種を選ばず、信頼性の高い薄膜デバイス装置を効率よく製造することができる。
【0065】
[第二の実施の形態]
次に、本発明の第二の実施の形態を説明する。
本発明の第二の実施の形態は、第1の基材上に第1の有機物からなる分離層を形成する第1の工程と、前記分離層上に薄膜デバイス層を形成する第2の工程と、前記薄膜デバイス層の前記第1の基材と反対側に第2の有機物からなる膜を形成する第3の工程と、前記分離層と第1の基材との界面で剥離現象を生じさせることにより前記第1の基材を前記薄膜デバイス層側から剥がす第4の工程とを有し、一旦、第1の基材なし自立体を形成し、次に第5の工程として、第1の基材のあった側と同じ側に第2の基材を接合してなる有機薄膜デバイス装置の製造方法であり、前記第1の工程では、前記第1の有機物からなる分離層が、少なくとも液体に可溶な有機物層Aと液体に不溶な有機物層Bの少なくとも2層以上の積層からなり、第1の基材との界面に有機物層Aを可溶可能な液相の存在により、分離層の第1の基材に対する密着力が低減する性能を有する有機物膜を形成し、前記第4の工程では、前記分離層と第1の基材界面に液相を介在させて前記剥離現象を起こさせることを特徴とする(請求項1,3,10)。
【0066】
本発明において、第1の有機物からなる分離層は、少なくとも液体に対する溶解性の異なる2種以上の有機物膜積層体からなり、第1の基材との界面に液相の存在により分離層の第1の基材に対する密着力を低減せしめ、界面での剥離を容易にさせるもので、第1の基材を薄膜デバイス側から剥がして有機膜自立体を得ることが出来る。よって、本発明によれば、信頼性の高い薄膜デバイス装置を効率よく製造できる。
また、本発明において、前記第2の工程では、分離層は有機TFTプロセスには十分耐えうる基材密着力を有し、また、前記第4の工程では、その密着力を低減することにより剥離現象が容易に行える。
【0067】
本発明において前記第1の有機物からなる分離層は、液体可溶な有機物膜Aと液体に不溶な有機物膜Bの2層以上の積層膜からなり、主に前記第4の工程で、液層存在下で、有機物膜Aと第1の基材界面の密着力の低減を実行するものである。
本発明において、前記分離層を構成する有機物膜Bは段差被覆性の優れた成膜法にて形成され、特に有機物原料またはそのガスを用いた化学気相堆積法(化学気相成長法(CVD法))により形成された有機物膜を有機物膜Bとして用いてもよい。
また、前記有機物膜Bは、パリレン材料からなる有機物膜や、フッ素化ポリマーであってもよく、特にパリレン膜は有効である。
【0068】
パリレン膜とは米国のユニオン・カーバイド・ケミカルズ・アンド・プラスチック社が開発したポリパラキシリレン樹脂からなる気相合成法によるコーティング膜である。このコーティング膜は原料であるジパラキシリレン固体ダイマーを気化、熱分解し、この時発生した安定なジラジカルパラキシリレンモノマーが基材上において吸着と重合の同時反応を起こすことによって形成される。このコーティング膜は従来の液状コーティングや粉末コーティングでは不可能な精密コーティングが可能である他、コーティング時、被着物の形状、材質を選ばない、室温でのコーティングが可能であるなど、他に類の無い数々の優れた特質を有する事により、超精密部品のコーティングをはじめ、汎用品のコーティングに至るまで、最適なコンフォーマル(同型)コーティング被膜として知られている。具体的にはハイブリッドICの絶縁膜コーティング、ディスクドライブ部品のダスト粉の発生防止、ステッピングモーターの潤滑用膜、生体材料の腐食防止膜にその応用例を見ることができる。
【0069】
また、第2の有機物膜として第1の有機物と同じ材料を同種の作製方法にて形成し、製造設備の低減を図ることも出来る。
特に、パリレン材料を用いた有機物膜は、第1および第2の有機物膜として有効であり、パリレン材料自体が機械的強度に優れているので、第4の工程で第1の基材から剥離したとき、自立体としてハンドリング可能であり、第5の工程で他の基材に接合することで、安定した信頼性の高い薄膜デバイスを提供できる。
本発明において、前記第2の工程では、前記第1の基材上に、前記薄膜デバイスとして、例えば薄膜トランジスタ(TFT)を形成する。
【0070】
本発明に係る薄膜デバイス装置の製造方法は、アクティブマトリクス基板の製造方法として利用できる。この場合には、前記第2の工程では、前記第1の基材上に、前記薄膜デバイスとして薄膜トランジスタをマトリクス状に形成して、当該薄膜トランジスタをマトリクス状に有するアクティブマトリクス基板を製造する。
また、本発明では、前記第1の基材上に、前記薄膜デバイスとして、駆動回路用の薄膜トランジスタを形成して、当該薄膜トランジスタを備える駆動回路を有するアクティブマトリクス基板を製造してもよい。
さらに、本発明では、前記第1の基材上に、前記薄膜デバイスとして有機TFT、有機EL素子を形成してもよい。
【0071】
本発明に係るアクティブマトリクス基板については、対向基板との間に液晶等の電気光学物質を挟持させることによって、液晶表示装置等の電気光学装置を構成するのに適しているようすることも可能である。また有機EL表示装置、電界入力により反射率変化を生じる表示装置等の電気光学装置を構成するのに適しているようにすることも可能である。すなわち、本発明によれば、最終的に製品に搭載される基板として、大型の基板、安価な基板、軽い基板、変形に耐え得る基板、割れない基板を用いることができるので、安価、軽量、耐衝撃性等に優れた電気光学装置を構成することができる。
【0072】
以下、本発明の第二の実施の形態のより具体的な実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0073】
[実施形態2]
図3は、本発明による第二の実施の形態に係る薄膜デバイス装置の製造方法のうち、基板上に薄膜デバイスを形成した後、薄膜デバイスを第1の基板から剥離するまでの工程と、その剥離した薄膜デバイスを第2の基材に転写する工程とを説明するための工程説明図である。以下、図3を参照して本実施形態の薄膜デバイス装置の製造方法を説明する。
【0074】
(第1の工程)
本実施形態の薄膜デバイス装置の製造方法では、まず、図3(a)に示すように、第1の基材200上に第1の有機物からなる分離層210を形成する。
本実施形態では、第1の基材200は有機電子デバイスを作製する目的に合致していれば良く、すなわち寸法変化の少ない材料であれば良い。具体的にはSiウェハ、ガラス基板、セラミックス基板などが用いられる。
本実施形態において、第1の有機物からなる分離層210は、有機TFTからなるアクティブマトリックス層(薄膜デバイス層)を形成可能なだけの耐熱性、そうしたアクティブマトリックス層とのしっかりした密着性、アクティブマトリックス層形成時のパターニングする際のエッチングプロセス等に対する耐性、さらには、第1の基材とのプロセスに耐えうる強度な密着性(例えば90°剥離試験で10g/cm以上の強度)と、一方、第4の工程時には他層にダメージを与えずに剥離可能であるような密着性であり、例えば90°剥離試験で〜10g/cm以下の強度に制御可能なことが重要である。
【0075】
本実施形態では、この機能の発現を2種の有機物層で実現している。すなわち液体に可溶な有機物層(A)211と、前記プロセスにおけるダメージを防ぐための保護膜として機能する、有機物層(B)212からの構成を取る。有機物層(A)211は第1の基材200との界面にそれを溶解可能な液相が介在したとき、本来の密着力が消失する。
有機物層(A)211の膜厚は1〜10μm程度、また、分離層210の総厚は、通常10〜200μm程度であるのが好ましい。
【0076】
(第2の工程)
次に、図3(b)に示すように、分離層210上に、各種薄膜デバイスを含む薄膜デバイス層220を形成する。また、薄膜デバイス層220は図3(c)に示すような有機TFT素子を含んでいる。また、薄膜デバイス層220の最下面に中間層を配置して有機TFT素子を形成しても良い。この有機TFTは、逆スタガー構造のTFTを示しており、有機半導体層221、ゲート絶縁膜222、ゲート電極223、及びソース・ドレイン電極224を備えている。
【0077】
図3(b)に示す例では、薄膜デバイス層220は、TFT等の薄膜デバイスを含む層であるが、この薄膜デバイス層220に形成される薄膜デバイスは、TFT以外にも、製造する機器の種類に応じて、例えば、有機薄膜ダイオード、有機電子材料のPIN接合からなる光電変換素子(光センサ、太陽電池)、有機抵抗素子、その他の有機薄膜半導体デバイス、各種有機電極、スイッチング素子、メモリー、等であってもよい。これらいずれの有機薄膜デバイスも、大面積、集積化により機能を向上させる。
【0078】
(第3の工程)
次に、図3(d)に示すように、薄膜デバイス層220の上(第1の基材200とは反対側)に第2の有機物膜230を成膜する。
有機TFTは耐候性に劣る場合があるので、第2の有機物膜230としては、水、酸素などに対するバリア性の高い材料が選ばれる。
【0079】
(第4の工程)
次に、図3(e)に示すように、第1の基材200と分離層210との界面から剥離を行う。この工程では、図3(d)に示す積層体の端部を切断し、破断面の端部より液相を進入させて分離層210の密着力を低減させることが可能である。液相としては、水、アルコール類などの水溶性有機溶剤が可能である。また、これら液相は蒸気でもあっても良い。
従って、図3(e)に示すように、第1の基材200を剥がすように力を加ると、第1の基材200を分離層210で容易に剥がすことができる。その結果、薄膜デバイス層220を有し、第2の有機物膜230を保護膜とする有機物膜210自立膜素子を得ることが出来る。
また、第1の基材200を再利用(リサイクル)することにより、製造コストの低減を図ることができる。
【0080】
(第5の工程)
次に、図3(f)に示すように、第1の基材があった側の面に第2の基材250を接着層240を介して接合する。
接着層240を構成する接着剤の好適な例としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気硬化型接着剤等の接着剤が挙げられる。この接着剤の組成としては、例えば、エポキシ系、アクリレート系、シリコーン系等、いかなるものでもよい。このような接着層240の形成は、例えば塗布法によりなされる。
【0081】
接着層240に硬化型接着剤を用いる場合には、例えば薄膜デバイス層220上に接着剤を塗布し、その上に第2の基材250を接合した後、接着剤の特性に応じた硬化方法により接着剤を硬化させて薄膜デバイス層220と第2の基材250とを接着固定する。
接着層240に光硬化型接着剤を用いた場合には、例えば薄膜デバイス層220上に接着剤を塗布し、その上に第2の基材250を接合した後、第2の有機物膜230が光透過性であれば、その第2の有機物膜230側から、また、第2の基材250に光透過性のものを用いれば第2の基材250の側から、のうちの一方の側から接着剤に光を照射することにより接着剤を硬化させて薄膜デバイス層220と第2の基材250とを接着固定する。尚、光透過性の第2の有機物膜230の側、及び光透過性の第2の基材250の側の双方から接着剤に光を照射してもよい。ここで用いる接着剤としては、薄膜デバイス層220に影響を与えにくい紫外線硬化型等の接着剤が望ましい。
【0082】
薄膜デバイス層220の側に接着層240を形成する代わりに、第2の基材250の側に接着層240を形成し、この接着層240を介して、薄膜デバイス層220に第2の基材250を接着してもよい。また、第2の基材250自体が接着機能を有する場合等には、接着層240の形成を省略してもよい。
【0083】
第2の基材250の機械的特性としては、製造する機器の種類によっては、ある程度の剛性(強度)を有するものが用いられるが、可撓性、弾性を有するものであってもよい.
第2の基材250としては、例えば、融点がそれほど高くない安価なガラス基板、シート状の薄いプラスチック基板、あるいはかなり厚めのプラスチック基板など、製造する機器の種類によって最適なものが用いられる。また、第2の基材250は、平板でなく、湾曲しているものであってもよい。
【0084】
第2の基材250としてプラスチック基板を用いる場合に、それを構成する合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。例えば、ポリエチレン、ポロプロピレン、エチレン−プレピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変形ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうち1種、または2種以上を積層した積層体を用いることができる。
【0085】
第2の基材250としてプラスチック基板を用いた場合には、大型の第2の基材250を一体的に成形することができる。また、第2の基材250がプラスチック基板であれば、湾曲面や凹凸を有するもの等、複雑な形状であっても容易に製造することができる。さらに、第2の基材250がプラスチック基板であれば、材料コストや製造コストが低く済むという利点もある。それ故、第2の基材250がプラスチック基板であれば、大型で安価なデバイス(例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置)を製造する際に有利である。
【0086】
本実施形態において、第2の基材250は、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示装置、電界印加による反射率変化を用いた表示装置(粒子の電気泳動効果を用いた電気泳動表示パネル)のアクティブマトリクス基板を薄膜デバイス装置として構成した場合のように、それ自体が独立してデバイスの基体を構成するものや、例えばカラーフィルタ、電極層、誘電体層、絶縁層、半導体素子のように、デバイスの一部を構成するものであってもよい。
【0087】
このように、本実施形態の薄膜デバイス装置の製造方法では、被剥離物である薄膜デバイス層220自体を直接に剥離するのではなく、薄膜デバイス層220と第1の基材200とを分離層210で剥がす。このため、薄膜デバイス層220の側から第1の基材200を容易、かつ、確実に剥がすことができる。従って、剥離操作に伴う薄膜デバイス層220へのダメージがなく、信頼性の高い薄膜デバイス装置を製造することができる。
【0088】
[実施例2]
次に本発明の第二の実施の形態の実施例として、前述の実施形態2の具体的な実施例を説明する。
まず、実施形態2の具体的な実施例として、第1の基材200の側に、第1の有機物膜からなる分離層210を介して有機TFT(薄膜デバイス)を含む薄膜デバイス層220を形成し、この薄膜デバイス層220に第2の有機物からなる膜230を形成した後、薄膜デバイス層220を第1の基材200から剥離してなる、第1の有機物膜210上に形成した薄膜デバイス装置の製造方法を説明する。
【0089】
(第1の工程)
図3(a)に示すように、Si基板からなる第1の基材200上にポリビニルアルコール樹脂(以下PVAと略す)を純水に溶解した塗布液を調製し、スピンコーティングによりコーティングし、温度120℃で乾燥し、厚さ7μmのPVA塗膜211を形成した(第1の有機物からなる分離層210を構成する有機物層A)。
次に第1の有機物からなる分離層210を構成する有機物層Bとして、パリレン膜からなる有機物膜212を形成する.本実施例では、直径4インチのSiウェハを用い、パリレン膜を成膜した。
パリレン膜は第三化成社製のdiX_Cを原材料に、減圧下で100〜170℃の温度にて昇華させ、引き続き熱分解炉に導入する。熱分解温度は650℃にし、ダイマーの解離処理をさせた後、PVA膜形成したSiウェハを設置した成膜室に導入し、室温にて成膜する。この様にして膜厚50μmのパリレン膜を形成する。
【0090】
(第2の工程)
次に、図3(b)に示すように、第1の有機物からなる分離層210の上に、図3(c)に示す有機TFT(薄膜デバイス)を含む薄膜デバイス層220を形成する。
まずゲート電極223として、Cr金属膜をスパッタリング法により、膜厚50nm堆積させ、フォトリソグラフィー・エッチングにより所望するパターンの電極223を形成する。
次にゲート絶縁膜222を形成する。この膜は有機絶縁体膜をスピンコーティング法により形成する。有機絶縁体膜としてはポリビニルブチラールを用い、膜厚100nmのゲート絶縁膜222を形成する。
次に有機半導体膜221を形成する。例えばポリヘキシルチオフェン有機半導体材料を用い、スピンコーティング法により膜厚80nmの有機半導体膜221を形成する。尚、素子のパターン化や、ゲート電極コンタクトはフォトリソグラフィーとエッチングによりなされる。また、或るレジストパターンはエッチング工程終了後、除去することなく、そのままコンタクトホールを有する層間絶縁膜として使用する。
次に、ソース・ドレイン電極224を形成する。
このようにして、有機TFTを備えた薄膜デバイス層220が形成される。尚、上記の層間絶縁膜上にはさらに保護膜を形成してもよい。
【0091】
(第3の工程)
次に、図3(d)に示すように、有機TFTを備える薄膜デバイス層220の上に、第2の有機物膜230としてパリレン膜を50μm成膜する。
【0092】
(第4の工程)
次に、第1の基材200の一端部を切断し、液相進入経路を確保し、図3(e)に示す剥離工程を実施する。
このようにして第1の基材200と分離層210のパリレン膜界面で剥離現象を起こさせてから、薄膜デバイス層220の側から第1の基材200を剥がす。その結果、パリレン膜自立体薄膜デバイスが形成される。
【0093】
(第5の工程)
次に、図3(f)に示すように、フレキシブルシートを第2の基材250として、このパリレン膜自立体薄膜デバイスの第1の基材があった側の面に第2の基材250を接着層240を介して接合する。
【0094】
このようにして製造された薄膜デバイス装置は、曲げに強く、軽量であるために、落下にも強いという利点を有する有機薄膜デバイス装置が形成される。また、有機薄膜デバイスの構成要素として、CPU、RAM、入力回路、さらに太陽光発電セルを搭載し、自立型マイクロコンピュータを製造することが出来る。また、有機EL素子を含む表示素子の作製が可能になる。
ここで、図4は本実施例による薄膜デバイス装置の一例を示す表示素子の概略要部断面図である。この薄膜デバイス装置は、上記の実施例2の工程を経て製造されたものであり、第2の基材250上に接着層240を介して薄膜デバイス層220、第2の有機物膜230が積層された構造を有し、薄膜デバイス層220は、有機半導体層221、ゲート絶縁膜222、ゲート電極223、及びソース・ドレイン電極224からなる有機TFTと、個別電極225、電荷注入層226、有機発光層227、共通電極228から構成されている。
【0095】
以上説明したように、本発明の第二の実施の形態においては、第1の有機物からなる分離層210が、液体に可溶な有機物層Aと液体に不溶な有機物層Bの少なくとも2層以上の積層からなり、第1の基材200との界面に有機物層Aを可溶可能な液相の存在により、強固な密着力から非常に弱い密着力に変化する有機物膜であるので、第4の工程で、容易に剥離現象が起こり、第1の基材200は薄膜デバイス層220側から分離し、最終的に薄膜デバイス層220を第2の基材250側に転写することができる。よって、本発明の第二の実施の形態によれば、基板種を選ばず、信頼性の高い薄膜デバイス装置を効率よく製造することができる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の薄膜デバイス装置の製造方法においては、有機物からなる分離層が、液体に可溶な有機物層Aと液体に不溶な有機物層Bの少なくとも2層以上の積層からなるとともに、前記有機物質Bがポリパラキシリレン樹脂からなる有機物膜であることを特徴とし、分離層と第1の基材との界面に有機物層Aを可溶可能な液相の存在により、強固な密着力から非常に弱い密着力に変化するので、第1の基材から薄膜デバイス層を剥離する工程で、容易に剥離現象が起こり、第1の基材を薄膜デバイス層側から容易に分離することができ、薄膜デバイスを第2の基材側に転写することができる。よって、本発明によれば、基板種を選ばず、信頼性の高い薄膜デバイス装置を効率よく製造することができる。
【0097】
このように本発明によれば、分離層として用いる有機物膜を適正化することにより、薄膜デバイスを損傷することなく基材(基板)から容易に剥離することができ、その剥離した薄膜デバイスを他の基材(基板)に転写することのできる薄膜デバイス装置の製造方法を提供することができる。さらには、この薄膜デバイス装置の製造方法を利用してアクティブマトリクス基板を用いた薄膜デバイス装置を製造する製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る薄膜デバイス装置の製造方法のうち、基板上に薄膜デバイスを形成した後、薄膜デバイスを別の基板に転写するまでの工程を説明するための工程説明図である。
【図2】図1に示す製造工程で薄膜デバイス層を第2の基材に転写した後に行う各工程の様子を示す工程説明図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態に係る薄膜デバイス装置の製造方法のうち、基板上に薄膜デバイスを形成した後、薄膜デバイスを第1の基板から剥離するまでの工程と、その剥離した薄膜デバイスを第2の基材に転写する工程とを説明するための工程説明図である。
【図4】本発明による薄膜デバイス装置の一実施例を示す表示素子の概略要部断面図である。
【符号の説明】
100:第1の基材
110:第1の分離層
111:有機物層A
112:有機物層B
120:薄膜デバイス層
121:有機半導体
122:ゲート絶縁膜
123:ゲート電極
124:ソース・ドレイン電極
130:接着層
140:第2の基材
150:接着層
160:第3の基材
200:第1の基材
210:第1の有機物からなる分離層
211:有機物層A
212:有機物層B
220:薄膜デバイス層
221:有機半導体
222:ゲート絶縁膜
223:ゲート電極
224:ソース・ドレイン電極
225:個別電極
226:電荷注入層
227:有機発光層
228:共通電極
230:第2の有機物膜
240:接着層
250:第2の基材

Claims (12)

  1. 第1の基材上に有機物からなる分離層を形成する工程と、
    前記分離層上に有機半導体材料を用いてスピンコーティング法で有機半導体膜を形成することにより薄膜デバイスを形成する工程と、
    前記薄膜デバイスの前記第1の基材と反対側に第2の基材を接着するか若しくは第2の有機物からなる膜を形成する工程と、
    前記分離層と第1の基材との界面で剥離現象を生じさせることにより前記第1の基材を前記薄膜デバイス側から剥がす工程とを有し、
    前記分離層が、液体に可溶な有機物層Aと液体に不溶な有機物層Bの少なくとも2層以上の積層からなるとともに、
    前記有機物質Bがポリパラキシリレン樹脂からなる有機物膜であることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の薄膜デバイス装置の製造方法であって、
    第1の基材上に有機物からなる第1の分離層を形成する第1の工程と、
    前記第1の分離層上に有機半導体材料を用いてスピンコーティング法で有機半導体膜を形成することにより薄膜デバイスを形成する第2の工程と、
    前記薄膜デバイスの前記第1の基材と反対側に第2の基材を接着する第3の工程と、
    前記第1の分離層と第1の基材との界面で剥離現象を生じさせることにより前記第1の基材を前記薄膜デバイス側から剥がして当該薄膜デバイスを前記第2の基材側に転写する第4の工程とを有し、
    前記第1の工程では、前記第1の分離層が、液体に可溶な有機物層Aと液体に不溶な有機物層Bの少なくとも2層以上の積層からなり、第1の基材との界面に有機物層Aを可溶可能な液相の存在により、分離層の第1の基材に対する密着力を低減する有機物膜を形成し、
    前記第4の工程では、前記第1の分離層と第1の基材界面に液相を介在させて前記剥離現象を起こさせることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  3. 請求項1記載の薄膜デバイス装置の製造方法であって、
    第1の基材上に第1の有機物からなる分離層を形成する第1の工程と、
    前記分離層の上に有機半導体材料を用いてスピンコーティング法で有機半導体膜を形成することにより薄膜デバイスを形成する第2の工程と、
    前記薄膜デバイスの前記第1の基材と反対側に第2の有機物からなる膜を形成する第3の工程と、
    前記分離層と第1の基材との界面で剥離現象を生じさせることにより前記第1の基材を前記薄膜デバイス側から剥がす第4の工程とを有し、
    前記第1の工程では、前記分離層が、少なくとも液体に可溶な有機物層Aと液体に不溶な有機物層Bの少なくとも2層以上の積層からなり、第1の基材との界面に有機物層Aを可溶可能な液相の存在により、分離層の第1の基材に対する密着力を低減する有機物膜を形成し、
    前記第4の工程では、前記分離層と第1の基材界面に液相を介在させて前記剥離現象を起こさせることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  4. 請求項1または2または3記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、
    前記分離層を構成する液体に可溶な有機物層Aとして、水溶性高分子材料からなる膜を形成することを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  5. 請求項1または2または3記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、
    前記分離層を構成する液体に可溶な有機物層Aとして、水溶性有機溶剤で可溶な高分子材料からなる膜を形成することを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、
    前記第4の工程では、前記分離層と第1の基材界面に液相を介在させることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  7. 請求項2または4〜6の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、
    前記第3の工程では、前記薄膜デバイスの前記第1の基材と反対側に前記第2の基材を第2の分離層を介して接着し、
    前記第4の工程で前記第2の基材に前記薄膜デバイスを転写した後、当該薄膜デバイスの前記第2の基材と反対側に第3の基材を接着する第5の工程と、
    前記第2の分離層の層内または該第2の分離層の界面のうちの少なくとも一方で剥離現象を生じさせることにより前記第2の基材を前記薄膜デバイス側から剥がして当該薄膜デバイスを前記第3の基材側に転写する第6の工程と、
    を有することを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  8. 請求項3〜6の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、
    前記第2の有機物膜が、前記分離層を構成する液体に不溶な有機物層Bと同じ材料の膜であることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  9. 請求項3〜6の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、
    前記第1の有機物からなる分離層を構成する液体に不溶な有機物層Bの膜厚が10μm以上であることを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  10. 請求項3〜6の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、
    前記第4の工程で前記薄膜デバイスを剥離した後、当該薄膜デバイスの前記第1の基材と同じ側に第2の基材を接着する第5の工程を有することを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  11. 請求項1〜10の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法において、
    前記第2の工程では、前記第1の基材上に、前記薄膜デバイスとして、少なくとも有機薄膜トランジスタを形成することを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
  12. 請求項1〜11の何れか一つに記載の薄膜デバイス装置の製造方法を利用してアクティブマトリクス基板を用いた薄膜デバイス装置を製造する製造方法であって、前記第2の工程では、前記第1の基材上に、前記薄膜デバイスとして画素スイッチング用の薄膜トランジスタをマトリクス状に形成して、当該薄膜トランジスタをマトリクス状に有するアクティブマトリクス基板を形成することを特徴とする薄膜デバイス装置の製造方法。
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