JP4491880B2 - 振動アクチュエータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機械変換素子(圧電素子、電歪素子等、以下代表して、圧電素子と記す)により振動子を励振し、複数の振動モードを調和的に発生させることにより、振動子の表面に楕円運動を引き起こし、振動子とそれに加圧接触される相対運動部材との間に、駆動力を発生する振動アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、本出願人が提案する縦振動とねじり振動を利用する振動アクチュエータの振動子を示す概略図である。
振動子101は、縦振動とねじり振動を組み合わせて駆動面に楕円運動を生じさせるものであり、ステンレス等の金属から成る円柱を縦に割った形の弾性体101a,101bに、縦振動用の圧電素子102a及びねじり振動用の圧電素子102bが挟まれた構造をしている。圧電素子102aには、縦振動用の駆動信号V1が印加され、圧電素子102bには、ねじり振動用の駆動信号V2が印加される。駆動信号V1,V2は、同じ周波数を持ち、約+90°又は約−90°の位相差を持っている。
【0003】
図11,図12は、図10に示す振動アクチュエータの駆動原理を説明する模式図である。
駆動信号V1が圧電素子102aに入力されると、図11(B)に示すように、圧電素子102aの変形状態(伸縮変形)により、振動子101には、縦振動(縦1次モード)が励振される。駆動信号V2が圧電素子102bに入力されると、圧電素子102bの変形状態(せん断変形)により、図11(A)に示すように、振動子101には、ねじり振動(ねじり2次モード)が励振される。この振動子101は、縦振動とねじり振動の共振周波数が非常に近く設計されており、縦振動とねじり振動の合成によって、駆動面(上面)には、楕円運動が発生し、駆動面上に配置された相対運動部材120を駆動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図13は、駆動周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフであり、実線Lが縦振動による曲線、破線Tがねじり振動による曲線を示している。それぞれの曲線において、インピーダンスが極小になる周波数は、共振周波数であり、極大になる周波数は、***振周波数である。2つの振動モードの共振周波数の差(Δf)は、適切な値に設計されており、この値が振動アクチュエータの性能に大きな影響を与える。
【0005】
上述した振動アクチュエータは、振動子の温度が変化したときに、例えば、温度が低下した場合における2つの共振周波数の変化を比較すると、ねじり振動の共振周波数の変化と縦振動の共振周波数の変化は、同程度ではなく、どちらかの変化が大きくなる。その結果、Δfは、温度の変化に応じて、変化することとなる。このため、Δfが大きくなると、縦振動の振幅が小さくなるので、トルクが低下するという問題があった。また、Δfが小さくなると、縦振動の振幅が大きくなるので、異音が発生し、所望の性能が得られないという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、温度が変化してもトルクの低下や異音の発生を抑え、振動子の温度依存性を小さくすることが可能になる振動アクチュエータ装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、電気機械変換素子(52,53)により振動を発生する振動子(30,70)と、その振動子に加圧接触される相対運動部材(20)と、を含む振動アクチュエータと、前記電気機械変換素子に、前記振動子と前記相対運動部材との相対運動方向の振動を発生する第1の入力電圧と、前記相対運動方向と交差する方向の振動を発生する第2の入力電圧とを印加し、それらの電圧を制御することによって、前記振動アクチュエータを駆動する駆動回路(60A)とを備えた振動アクチュエータ装置において、前記振動子又はその周辺の温度を検出する温度センサ(67)と、前記温度センサによって検出された温度に基づいて、温度が低いときほど前記第2の入力電圧をくすることによって、前記振動アクチュエータの性能の温度依存性を小さくする制御回路(66)とを備えたことを特徴とする振動アクチュエータ装置である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の振動アクチュエータ装置において、前記駆動回路は、少なくとも前記第2の入力電圧を所定の増幅率で増幅する増幅器(64)を含み、前記制御回路(66)は、前記増幅器の増幅率を変化させることを特徴とする振動アクチュエータ装置である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の振動アクチュエータ装置において、前記制御回路(66)は、前記第2の入力電圧のみを変化させることによって、前記振動アクチュエータの性能の温度依存性を小さくすることを特徴とする振動アクチュエータ装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、前記相対運動方向の振動はねじり振動であり、前記相対運動方向と交差する方向の振動は縦振動であること、を特徴とする振動アクチュエータ装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態をあげて、さらに詳細に説明する。なお、以下の実施形態の説明は、振動アクチュエータとして、超音波振動域を利用する超音波アクチュエータを例にとって行う。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る超音波アクチュエータの実施形態を示す断面図である。また、図2は、図1に示す超音波アクチュエータの振動子を示す分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の超音波アクチュエータ10は、主に移動子20と振動子30とから構成されている。
移動子20は、振動子30から駆動力を得て、固定軸12を回転軸として回転する厚肉の円環状又は円筒状の部材である。移動子20は、移動子母材22と、移動子母材22の下面に備えられた摺動材26とから構成されている。移動子母材22は、ステンレス鋼、銅合金又はアルミニウム合金等からなる部材である。また、移動子母材22は、外周面に歯車24を有する。歯車24は、移動子20の回転出力を不図示の被駆動体の歯車に伝達するためのものである。摺動材26は、振動子30の駆動面Dと接触し摺動する部材である。摺動材26は、摺動特性を良好とするために、高分子材料等をその主成分としている。
【0011】
移動子20は、ベアリング18を介して固定軸12に取り付けられている。ベアリング18は、移動子20の固定軸回りの回転を可能とするとともに、移動子20を固定軸12の所定の位置に位置決めする位置決め部材としての役割を果たしている。
【0012】
固定軸12は、移動子20が取り付けられている位置より上側にねじ部12aを有し、このねじ部12aには、ナット等の調整部材14がねじ止めされている。また、調整部材14と移動子20との間には、皿バネ、コイルバネ又は板バネ等の加圧部材16が配置されている。加圧部材16は、移動子20を振動子30の方向へ加圧する。移動子20は、この加圧部材16から加圧力を受け、振動子30の駆動面Dに加圧接触する。一方、調整部材14は、ねじ止めされている位置を変化させることにより、加圧部材16を適度に圧縮し、移動子20へ加わる加圧力を調整する。
【0013】
振動子30は、1次の縦振動と、2次のねじり振動を行うことにより駆動面Dに楕円運動を発生させる部材である。振動子30は、厚肉の円筒状の形状を有し、その中空部に固定軸12を通すことにより、固定軸12に固定されている。図2に示すように、振動子30は、電極板(55〜58)からなる層を圧電素子(51〜54)からなる2つの層で挟んだものを、さらに弾性体32及び34とにより挟み込んだ構成をしている。なお、圧電素子、電極板及び弾性体は、互いに接着剤により接合されている。
【0014】
図1に示すように、弾性体32及び34は、4つの大径部30A、30B、30C及び30Dと、3つの小径部30a、30b及び30cとを有する厚肉の円筒を縦に2分割した半円柱状の部材であり、鉄鋼、ステンレス鋼、リン青銅又はエンリバー材等の共振先鋭度が大きな金属材料からなる。小径部30a及び30cは、2次のねじり振動の節部を含む位置に、小径部30bは、1次の縦振動の節部を含む位置に、それぞれ形成されている。このように、振動子30を4つの大径部と3つの小径部とを有する形状とするのは、振動子30に励振される縦振動とねじり振動の共振周波数をほぼ一致させ、振動子30にいわゆる縮退を生じさせるためである。
【0015】
振動子30は、大径部30A及び30Dのそれぞれに、圧電素子(51〜54)の積層方向と平行な貫通孔30E及び30Fを有する。貫通孔30E及び30Fには、それぞれボルト36が挿入され、ナット38により固定されている。これにより、弾性体32及び34は、圧電素子(51〜54)を挟み込んだ状態で一体に組まれている。
【0016】
また、振動子30は、小径部30aに貫通孔30Gを有する。貫通孔30Gは、スプリングピン40を通すための孔部である。スプリングピン40は、振動子30の貫通孔30aと、固定軸12に設けられている貫通孔12bとを貫通することにより、振動子30を固定軸12に固定し、固定軸12の主軸方向に振動子30を位置決めする部材である。
【0017】
一方、固定軸12は、長手方向の異なる2カ所に位置決め部材42を配置されている。位置決め部材42は、環状又は円筒状の部材であり、固定軸12にその端面側からはめ込まれている。位置決め部材42の外周面は、振動子30の内周面に当たっており、これにより、振動子30が径方向に位置決めされる。
また、固定軸12の端部には、Dカット12eが設けられている。Dカット12eは、超音波アクチュエータ10を他の機器等に備え付けたときに、セットビスによる固定軸12の回り止めを可能とする。
【0018】
前述したように、振動子30を構成する2つの弾性体32及び34の間には、電極板(55〜58)からなる層と圧電素子(51〜54)からなる層とが配置されている。図2において、層La1、La3、La4及びLa6の4つの層は、圧電素子から構成される層であり、層La2及びLa5は、電極板からなる層である。
【0019】
圧電素子からなる層La1は、同一平面上に配置された4つの圧電素子から構成されている。4つの圧電素子とは、駆動面Dに近いものから順に、ねじり振動検出用圧電素子51、ねじり振動用圧電素子52、縦振動用圧電素子53、縦振動検出用圧電素子54をいう。
ねじり振動用圧電素子52は、圧電定数d15を利用し、振動子30にねじり振動を励振する圧電素子である。ここで、ねじり振動とは、中心軸Aの回りに変位する振動をいう。ねじり振動用圧電素子52は、中心軸Aに平行な方向に分極されており板厚方向に電圧を印加されると、中心軸Aに平行な方向へのせん断変形を行う。
ねじり振動検出用圧電素子51は、圧電効果を利用して振動子30に励振されているねじり振動を検出するためのものである。
【0020】
縦振動用圧電素子53は、圧電定数d31を利用し、振動子30に縦振動を励振する圧電素子である。ここで縦振動とは、中心軸Aに平行な方向に変位する振動をいう。縦振動用圧電素子53は、板圧方向に分極されており、板厚方向に電圧を印加されると、その面方向の伸縮変形を行う。
縦振動検出用圧電素子54は、圧電効果を利用して振動子30に励振されている縦振動を検出するためのものである。
【0021】
層La3は、層La1と同一の構成をした層である。ただし、ねじり振動用圧電素子52及び縦振動用圧電素子53の分極方向は、層La1と層La3では、反対の方向となっている(図3中破線矢印を参照)。
一方、層La1とLa3の間に配置されている層La2は、4つの電極板、すなわち、ねじり振動検出用電極板55、ねじり振動用電極板56、縦振動用電極板57、縦振動検出用電極板58を同一平面上に配置したものである。
ねじり振動用電極板56は、層La1及びLa3のねじり振動用圧電素子52の間に配置されており、これら2つ圧電素子に駆動信号(周波電圧)を同時に印加するための電極板である。
【0022】
同様に、縦振動用電極板57は、2つの縦振動用圧電素子53の間に配置されており、それら圧電素子に同時に駆動振動を印加するためのものである。
一方、ねじり振動検出用電極板55及び縦振動検出用電極板58は、それぞれ2つのねじり振動検出用圧電素子51又は2つの縦振動検出用圧電素子54の間に配置され、それら圧電素子に生じる電圧を検出可能としている。
なお、層La4〜La6は、振動子30の中心軸Aを中心に層La1〜La3を180度回転して得られるものであり、層La1〜La3と同一の構成を有するものである。よって、ここでは、その説明を省略する。
【0023】
図3は、振動子30における圧電素子の配置と、振動子30に励振される振動モードを示す説明図である。図3(a)は、振動子30の側面等を示す図、図3(b)は、振動子30のFF断面図、図3(c)は、振動子30に励振される振動モードを示す図である。
図3(c)に示されるように、振動子30には、1次の縦振動と2次のねじり振動が励振される。また、図3(a)に示されるように、振動子30の小径部30a及び30cは、ねじり振動の節部の位置に設けられており、小径部30bは、縦振動の節部の位置に設けられている。
【0024】
一方、ねじり振動用圧電素子52は、小径部30aを含む位置に、すなわち、ねじり振動の2つの節部のうち駆動面Dに近い方を跨ぐように配置されている。また、縦振動用圧電素子53は、小径部30bを含む位置に、すなわち、縦振動の節部を跨ぐように配置されている。このように、振動の節部を跨ぐように圧電素子を配置するのは、節部において弾性体に力を作用させることにより、それぞれの振動を効率よく励振できるからである。
【0025】
ねじり振動用圧電素子52は、電極板56に弾性体(32、34)の電位に対し正の電圧を印加すると、図3(a)において矢印で示すせん断変形が生じる。せん断変形の方向は、層La1及びLa3の圧電素子と、層La3及びLa6の圧電素子とで反対となっている。ねじり振動用圧電素子52の上記せん断変形により、振動子30は、図3(b)において矢印mによって示す方向にねじられる。また、電極板56に負の電圧を印加すると、圧電素子52のせん断変形の方向及び振動子30のねじりの方向は、それぞれ逆となる。したがって、電極板56に周波電圧を印加すると、振動子30には、ねじり振動が励振される。
【0026】
一方、4つの縦振動用圧電素子53は、電極板57に正の電圧を印加した場合に、図3(b)において矢印で示すように、すべて振動子30の中心軸Aの方向に伸び変形をし、負の電圧を印加した場合には、縮み変形をする。よって、電極板57に周波電圧を印加すると、振動子30に縦振動が励振される。
【0027】
縦振動用圧電素子53とねじり振動用圧電素子52とに、互いに90°の位相差のある駆動信号(周波電圧)を入力すると、振動子30に発生する縦振動及びねじり振動の位相は、90°相違し、その駆動面Dには、これらの振動を合成した楕円運動が生じ、さらに駆動面Dの楕円運動の一部が移動子20に伝達されるので、移動子20が一定の方向に回転運動を行う。
【0028】
図4は、本発明による超音波アクチュエータ装置の第1実施形態の駆動制御回路を示すブロック図である。
駆動制御回路60の駆動部60Aは、駆動信号を発振する発振器61と、駆動信号の位相を90°又は−90°変える移相器62と、ねじり振動用の駆動信号を増幅するねじり振動用増幅器63と、縦振動用の駆動信号を増幅する縦振動用増幅器64等とを備えている。
【0029】
また、制御部60Bは、振動子に設けられた振動検出用圧電素子51,54の出力によって発振器61の周波数を制御する駆動周波数制御回路65と、振動子30に設けられた温度センサ67によって、縦振動用増幅器64の増幅率を制御する増幅率制御回路66等とを備えている。温度センサ67は、サーミスタ等を利用したものであり、弾性体32,34の近傍に配置され、接触していることが望ましい。
【0030】
図5(A)は、駆動周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフであり、振動子30の温度が変化した時の、共振特性の変化を示している。
太い実線LA1は、縦振動の20℃における共振特性、太い点線TA1は、ねじり振動の20℃における共振特性、細い実線LA2は、縦振動の0℃における共振特性、細い点線TA2は、ねじり振動の0℃での共振特性を示している。
図5(A)において、温度が低下した時の2つの共振周波数の変化を比較すると、縦振動の共振周波数の変化の方が大きい。その結果、Δfは、温度が低下することによって小さくなっている(Δf’)。
20℃における駆動面の楕円運動の形状は、図5(B)に示す形状であり、この状態が最適な状態である。
この振動子30は、何ら対策を行わずに、温度を0℃に下げられると、Δfが小さくなることから、縦振動の振幅が大きくなるため、図5(C)に示す形状になり、その結果、超音波アクチュエータ10の異音が発生し、所望の性能が得られない。
【0031】
図6は、本実施形態において、増幅率制御回路66が変更する増幅率の温度に対する変化を示すグラフである。
振動子30の共振特性と温度との関係が図5(A)のようになっている本実施形態では、図6に示すように、温度が下がった時に縦振動用増幅器64の増幅率を下げると、楕円運動が温度によらず図5(B)のような形状になる。その結果、超音波アクチュエータ10は、温度が下がったときでも異音が発生せず、良好に動作する。図5(A)中には、示さなかったが、温度が高くなった場合は、Δfが大きくなるので、増幅率を大きくすれば、楕円運動が図6(B)の形状に近くなる。従って、超音波アクチュエータ10は、温度が上昇してもトルクが低下せず、良好に動作する。なお、図6の関係は、図4の増幅率制御回路66中に記憶されており、メモリやCPU等によって実現することができる。
【0032】
このように、本実施形態によれば、超音波アクチュエータ10は、温度センサ67が振動子30の温度を検出し、その検出結果に基づいて、増幅率制御回路66が、縦振動用増幅器64の増幅率を変化させるので、温度変化によらず安定した駆動をすることができる。
【0033】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態を示す図である。第2実施形態では、振動子及びその振動の形態が異なる他は、第1実施形態と同様であるので、ここでは、必要な部分のみについて説明する。
振動子70は、圧電素子76と、摺動材77,78からなる。圧電素子76には、縦振動用の電極71、屈曲振動用の電極72〜75が設けられており、縦振動と屈曲振動を用いて楕円運動を発生する。この振動子70は、縦振動が第1実施形態のねじり振動、屈曲振動が第1実施形態の縦振動の役割をする。この振動子70についても温度センサの出力によって屈曲振動用増幅器の増幅器を制御すれば、同様の効果を得ることが出来る。
【0034】
図8(A)は、振動子70の温度が変化した時の、共振特性の変化を示す。
太い実線BB1は、屈曲振動の20℃における共振特性、太い点線LB1は、縦振動の20℃における共振特性、細い実線BB2は、屈曲振動の0℃における共振特性、細い点線LB2は、縦振動の0℃での共振特性を示している。
図8(A)において、温度が低下した時の2つの共振周波数の変化を比較すると、縦振動の共振周波数の変化の方が大きい。その結果、Δfは、温度が低下することによって大きくなっている(Δf’)。
20℃における駆動面の楕円運動の形状は、図8(B)に示す形状であり、この状態が最適な状態である。
この振動子70は、何ら対策を行わずに、温度を0℃に下げられると、Δfが大きくなることから、屈曲振動の振幅が小さくなるため、図8(C)に示す形状になり、その結果、超音波アクチュエータの駆動力が低下する。
【0035】
図9は、本実施形態において、増幅率制御回路が変更する増幅率の温度に対する変化を示すグラフである。
振動子70の共振特性と温度との関係が図8(A)のようになっている本実施形態では、図9に示すように、温度が下がった時に屈曲振動用増幅器の増幅率を上げると、楕円運動が温度によらず図8(B)のような形状になる。その結果、超音波アクチュエータは、温度が下がったときでもトルクが低下せず、良好に動作する。図8(A)中には、示さなかったが、温度が高くなった場合は、Δfが小さくなるので、増幅率を小さくすれば、楕円運動が図8(B)の形状に近くなる。従って、超音波アクチュエータは、温度が上昇しても異音が発生せず、良好に動作する。なお、図9の関係は、増幅率制御回路中に記憶されており、メモリやCPU等によって実現することができる。
【0036】
このように、本実施形態によれば、振動子70を備える超音波アクチュエータは、温度センサが振動子70の温度を検出し、その検出結果に基づいて、増幅率制御回路が、屈曲振動用増幅器の増幅率を変化させるので、温度変化によらず安定した駆動をすることができる。
【0037】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
【0038】
(1)各実施形態において、振動子の形態を具体的に示したが、これらに限らず、複数の交差する振動を利用する振動アクチュエータであれば、本発明を適用することにより、同様の効果を得られる。
【0039】
(2)各実施形態において、相対運動方向と交差する方向の振動の増幅率のみを変化させる例を示したが、これに限らず、同時に相対運動方向の振動の増幅率も変化させてもよい。
【0040】
(3)各実施形態において、図4に示した各ブロックは、各々独立した回路により構成してもよいし、適宜組み合わせたチップ等に置き換えてもよい。
【0041】
(4)第2実施形態において、振動子76は、電極71〜75を設けることにより、その振動領域を分割した例を示したが、これに限らず、第1実施形態のように、弾性体及びその弾性体に接合された圧電素子より、振動子を構成してもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、請求項1の発明によれば、振動子又はその周辺の温度を検出する温度センサによって検出された温度に基づいて、第1及び/又は第2の入力電圧の電圧を変化させることによって、振動アクチュエータの性能の温度依存性を小さくする制御回路を備えたので、振動子の温度が変化しても、トルクの低下や異音の発生を抑え、安定した駆動をすることができる。
【0043】
請求項2の発明によれば、駆動回路は、少なくとも第2の入力電圧を所定の増幅率で増幅する増幅器を含み、制御回路は、増幅器の増幅率を変化させるので、簡単な構成及び制御であっても、安定した駆動をすることができる。
【0044】
請求項3の発明は、制御回路は、第2の入力電圧のみを変化させることによって、振動アクチュエータの性能の温度依存性を小さくするので、制御を更に簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】超音波アクチュエータの振動子を示す分解斜視図である。
【図3】振動子30における圧電素子の配置と、振動子30に励振される振動モードを示す説明図である。
【図4】第1実施形態の駆動制御回路を示すブロック図である。
【図5】共振特性の温度変化を示す図である。
【図6】増幅率制御回路が変更する増幅率の温度に対する変化を示すグラフである。
【図7】第2実施形態における縦−屈曲型の振動子を示す図である。
【図8】共振特性の温度変化を示す図である。
【図9】増幅率制御回路が変更する増幅率の温度に対する変化を示すグラフである。
【図10】縦−ねじり型の振動子を示す図である。
【図11】振動アクチュエータの駆動原理を説明する模式図である。
【図12】振動アクチュエータの駆動原理を説明する模式図である。
【図13】駆動周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
30,70 振動子
52 ねじり振動用圧電素子
53 縦振動用圧電素子
64 縦振動用増幅器
66 増幅率制御回路
67 温度センサ

Claims (4)

  1. 電気機械変換素子により振動を発生する振動子と、その振動子に加圧接触される相対運動部材と、を含む振動アクチュエータと、
    前記電気機械変換素子に、前記振動子と前記相対運動部材との相対運動方向の振動を発生する第1の入力電圧と、前記相対運動方向と交差する方向の振動を発生する第2の入力電圧とを印加し、それらの電圧を制御することによって、前記振動アクチュエータを駆動する駆動回路と、
    を備えた振動アクチュエータ装置において、
    前記振動子又はその周辺の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサによって検出された温度に基づいて、温度が低いときほど前記第2の入力電圧をくすることによって、前記振動アクチュエータの性能の温度依存性を小さくする制御回路と、
    を備えたことを特徴とする振動アクチュエータ装置。
  2. 請求項1に記載の振動アクチュエータ装置において、
    前記制御回路は、少なくとも前記第2の入力電圧を所定の増幅率で増幅する増幅器を含み、
    前記制御回路は、前記増幅器の増幅率を変化させること、
    を特徴とする振動アクチュエータ装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の振動アクチュエータ装置において、
    前記制御回路は、前記第2の入力電圧のみを変化させることによって、前記振動アクチュエータの性能の温度依存性を小さくすること、
    を特徴とする振動アクチュエータ装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、
    前記相対運動方向の振動はねじり振動であり、前記相対運動方向と交差する方向の振動は縦振動であること、
    を特徴とする振動アクチュエータ装置。
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