JP4491174B2 - アクセス制御装置及び試験方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアクセス制御装置及び試験方法に係り、特に、プリント基板の試験、システムに組み込まれたデバイスの試験、システムの制御、監視や診断等を、試験ルート又は診断ルートを指定するコマンドとデータに基いてシリアルインタフェースを高速アクセスすることで行うアクセス制御装置及び試験方法に関する。
【0002】
本発明は、特にJTAG(IEEE標準1149−1)を応用したシリアルインタフェースを高速アクセスするのに適している。又、本発明になる試験方法は、対象となるデバイスの試験又は診断を行うものとする。
【0003】
【従来の技術】
従来、JTAGは、主に製造されたプリント基板の不良品を検出するために行う試験に用いられている。このような試験では、それほど高速な処理は必要なく、制御手順も複雑なため、ソフトウェアの比重が高い制御(以下、JTAG制御と言う)を行っていた。
【0004】
最も単純な方式としては、JTAG制御に必要なTCK(Test Clock),TMS(Test Mode Select),TDI(Test Data In),TDO(Test Data Out)信号を、ソフトウェアからアクセス可能なレジスタに格納し、ソフトウェアがレジスタ内容を 「1」,「0」 に変化させてステートの遷移やデータ(TDI信号)の書き込みを行うことで、TDO信号を読み出す第1の方式がある。
【0005】
より高速化を目指した方式としては、制御装置側にソフトウェアから読み書き可能な所定ビット数のシフトレジスタを配置し、試験対象となるバウンダリセル等のデバイスのレジスタとシフトレジスタをループ状に接続して、ソフトウェアによりこのシフトレジスタをウィンドウにして読み出しや書き込みを行う第2の方式がある。
【0006】
図1は、上記第2の方式を採用する従来のアクセス制御装置を示すブロック図である。同図は、プロセッサ1から読み書き可能なウィンドウレジスタ2を使って、インストラクションレジスタ(IR)3,データレジスタ(DR)4〜6へのアクセスを制御する構成を示している。つまり、IR3へ、どのDR4〜DR6を選択してアクセスするかを示す命令(インストラクション)を書き込む。プロセッサ1のソフトウェアは、ウィンドウレジスタ2に値を設定した後、シフト操作をすることによりピン(TAP)7を介して書き込みを行う。又、シフト操作の後、ウィンドウレジスタ2から読み出しを行うことで、TDO経由で出力されたDRの値を読み出す。
【0007】
図2は、図1に示すアクセス制御装置のソフト動作及びハード動作を説明する図であり、一例として、DR4にTDI信号の値を書き込み、DR5の内容をTDO信号として読み出す場合のシーケンスを示す。この場合、図2に示すように、ソフト動作は細かに制御される必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記第1の方式では、ソフトウェアによる制御に時間がかかるため、高速の処理を行うことは難しいという問題があった。特に、メモリのように大量のデータをアクセスする場合等には、このようなソフトウェアによる制御は向いていなかった。
【0009】
他方、上記第2の方式のように、シフトレジスタをループ状に接続した制御装置を用いる場合でも、データの設定や読み出しは、ウィンドウとなるシフトレジスタを通してその都度行う必要があり、大量のデータアクセスには向いていないという問題があった。又、第2の方式の場合、短い周期でレジスタアクセスを行う必要があるため、ソフトウェアの処理負荷が増大するという問題もあった。
【0010】
そこで、本発明は、JTAG制御等のアクセス制御におけるソフトウェアの処理を軽減し、ハードウェアによる高速制御を可能とするアクセス制御装置及び試験方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、試験又は診断ルートを指定するコマンドとデータに基いてシリアルインタフェースをアクセスすることで試験又は診断対象の試験又は診断を行うアクセス制御装置であって、メモリと、前記コマンドと前記データを試験又は診断対象に供給し、該試験又は診断対象からの出力データを入力する制御回路と、プロセッサとを備え、該制御回路は、該プロセッサの制御下で、該メモリに展開したコマンド列及び入力データ列に従いアクセスシーケンスを実行して、該試験又は診断対象からの出力データを出力データ列として該メモリに格納する制御を行い、コマンド列で到達目的ステートを与えると、前記到達目的ステートに応じて一義的に遷移ルートを確定できるように、到達目的とするステート毎に予めステート遷移ルートを決定することを特徴とするアクセス制御装置によって達成できる。
【0012】
上記の課題は、試験ルートを指定するコマンドとデータに基いて、シリアルインタフェースをアクセスすることで試験対象の試験を行う試験方法であって、試験装置内のメモリに展開したコマンド列及び入力データ列に従いアクセスシーケンスを実行して、該試験対象からの出力データを出力データ列として該メモリに格納する制御を行い、コマンド列で到達目的ステートを与えると、前記到達目的ステートに応じて一義的に遷移ルートを確定できるように、到達目的とするステート毎に予めステート遷移ルートを決定することを特徴とする試験方法によっても達成できる。
【0013】
従って、本発明によれば、JTAG制御等のアクセス制御におけるソフトウェアの処理を軽減し、ハードウェアによる高速制御を可能とするアクセス制御装置及び試験方法を実現することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明になるアクセス制御装置及び試験方法の各実施例を、図3以降と共に説明する。
【0015】
【実施例】
図3は、本発明になるアクセス制御装置の一実施例を示すブロック図である。アクセス制御装置の本実施例は、本発明になる試験方法の一実施例により試験を行う際に用いられる。本実施例では、試験ルート又は診断ルートを指定するコマンドとデータに基いてシリアルインタフェースを高速アクセスするため、即ち、例えば JTAG制御によるアクセスの高速化を実現するために、JTAGのアクセスシーケンスを記述したコマンド列と、TDI信号として出力する出力データ列(TDIデータ列)を予めメモリ11に格納しておき、JTAG制御回路12を起動する。メモリ11と、JTAG制御回路12は、CPU等のプロセッサ13と共に、アクセス制御装置を構成する。
【0016】
JTAG制御回路12では、コマンド列に記述されたシーケンスに従いTCK,TMS信号を制御してステートを遷移させる。シフト命令で、且つ、出力が指定されていれば、TDIデータ列からデータを読み出し、TDI信号として出力する。シフト命令で、且つ、入力が指定されていれば、TDO信号として得られるデータを、メモリ11内に入力データ列(TDOデータ列)として展開する。
【0017】
このような構成を採用することにより、JTAGに対応した構成のデバイス(図示せず)へのアクセスを制御する際に、JTAG制御の途中でプロセッサ13のソフトウェアが介在する必要がなくなり、デバイスへの高速なアクセスが可能になる。
【0018】
従って、プロセッサ13のソフトウェアは、予め一連のシーケンスを用意してJTAG制御回路12を起動し、JTAG制御回路12の動作終了を待って結果の処理を行えばよいことになる。このため、逐次的にJTAG制御を行う必要がなくなり、プロセッサ13のソフトウェアの負荷が下がる。又、ハードウェアでの制御により高速なアクセスが可能になる。又、到達目的ステートで制御する方式のため、ステートの遷移を細かく指示する必要がなくなり、短いコマンド列でシーケンスの指示が可能になる。
【0019】
上記の如きJTAG制御において、シフト動作時にメモリ11のTDIデータ列をTDI信号として出力するか否か、TDO信号をメモリ11のTDOデータ列として書き込むか否かを、コマンドにより制御可能にすることができる。この場合、TDI信号としてメモリ11からのTDIデータ列を出力しない場合は、TDO信号として入力されたデータを折り返すようにしても良い。これにより、一連のシーケンスの中で出力に必要なデータのみをメモリ11のTDIデータ列に設定し、解析に必要なデータのみをメモリ11のTDOデータ列に取り込むことができる。
【0020】
又、上記の如きJTAG制御装置において、アクセスシーケンスを示すコマンドに、指定した回数のシフト操作を実行後、Exit-1ステートに自動遷移するコマンドを設けたり、実行回数の指定を設けて1つのコマンドで多数回のシフト操作やアップデート操作等を可能とすることもできる。これらの場合、コマンド列を更に短くし、且つ、複雑な制御を行うことが可能になる。
【0021】
アクセス制御装置からアクセスされるデバイスにおいて、命令レジスタ(IR)及びデータレジスタ(DR)にパリティビットやアクセス手順エラー等のエラー検出機能を設け、命令実行後にIRを読み出すことで命令が正しく実行されたか否かの確認ができるように、IRの読み出しにステータスフラグを設けて、長いコマンドシーケンス途中でエラーが発生した時にエラーを検出及びコマンドシーケンスの停止ができるようにしても良い。この場合、JTAG制御の信頼性を向上させることができる。尚、上述の如く、ソフトウェアは一連のシーケンスが終了するのを待っているため、シーケンスの途中で問題が発生した場合は、逐次処理を行っている場合と比較すると柔軟に対応することが難しい。そこで、シーケンスの途中に命令レジスタを読み出して実行状況を確認する手段を設けることにより、エラー発生時の処理の中止等が可能となり、アクセス制御の信頼性が向上する。
【0022】
又、アクセス制御装置にアクセスされるデバイスにおいて、命令レジスタ内に「データレジスタ書き込みフラグ」や「データレジスタ読み出しフラグ」を設けることにより、「書き込み」や「読み出し」を独立に制御することもできる。この場合、JTAGのUpdateステートやCaptureステート,Run−Test/Idle内の動作等を抑止することができる。JTAGではShift動作を実行した時には、必ずUpdateステートを通過しなければならない。一般には、Updateステートを通過するとデータ内容が更新されるため、Shift時にTDO信号として出力されたデータをTDI信号のデータとして戻してUpdate時にシフトレジスタの内容を保証する等の処理が必要になる。そこで、コマンドレジスタ内に「データレジスタ書き込みフラグ」を設けて、このフラグがオフの場合はUpdate-DRステートを通ってもデータレジスタの更新を行わない命令体系にすると、TDI信号のデータに戻す処理が不要になる。更に、Run−Test/Idleステートで何らかの動作、例えばメモリの読み書きを行う場合、このフラグを設けることで動作の制御が可能になる。
【0023】
アクセス制御装置にアクセスされるシステムにおいて、システムを構成するデバイスを階層的に構成してアクセス対象とする階層を指定するための信号を設け、且つ、各階層内で制御対象となるデバイスを選択するための選択レジスタをJTAGを使って設定可能にして、アクセス制御装置とアクセス対象のデバイスを見かけ上一対一の関係にするシステム構成と取ることもできる。この場合、JTAG制御回路と対象となるデバイスとを見かけ上1対1にすることができるため、各デバイス固有のビット数を意識するだけで制御が可能になる。一般に、JTAGでは関連するデバイスをチェイン接続して長いシフトレジスタが存在するものとしてアクセスする。このためには、デバイスの順序を考慮し、各デバイスのアクセスに必要なビット数分の情報を適宜構成する必要があり、大変煩雑な処理を行わなければならないが、本発明では、複数のデバイスがあっても、JTAG制御回路からは1個だけが見えることとなり処理が容易になる。
【0024】
又、上記システム構成において、上位階層からアクセス対象とする下位階層のデバイスを複数選択することにより、複数のデバイスに同時にデータを与えることを可能とすることもできる。この場合、多数のデバイスが並ぶシステムにおいて、複数のデバイスに対して同時にデータを与えることが可能となり、システム全体の制御が高速に行える。これにより、例えばJTAGで構成可能なFPGAを大量に使用するシステムで、同一構成のデータを複数のFPGAに同時に書き込むことが可能となり、システムを高速に構成することが可能になると共に、複数のメモリに対して同時に書き込む等の処理が可能になる。
【0025】
従って、例えば図1に示すようなIR3、DR4〜6及びTAP7からなるデバイスを試験する場合、動作は図4に示すようになる。図4は、アクセス制御装置のソフト動作及びハード動作を説明する図であり、一例として、DR4にTDI信号の値を書き込み、DR5の内容をTDO信号として読み出す場合のシーケンスを示す。この場合、図4に示すように、ソフトウェアは、コマンドを用意した後にハードウェアを起動したらハードウェアの動作が終了するまで待ち、後処理を行えば良い。つまり、一連の動作は、全てハードウェア制御となり、デバイスへのアクセスの高速化が可能になる。
【0026】
図5はコマンドの構成を説明する図である。同図中、「0」〜「31」は、ビット位置を示す。Command Code部分には図7と共に後述するコマンドコードを設定する。SETフラグにはTDI信号としてTDIデータ列を出力するか否かを指定する。GETフラグにはTDO信号をTDOデータ列を取り込むか否かを指定する。
【0027】
図6は、JTAG制御回路12内におけるSETフラグ,GETフラグの概念を説明する回路図である。同図中、21,23はAND回路、22はRAM、24はセレクタ、25はバイパスレジスタである。SETフラグがONの時は、RAM22からデータを取り出してセレクタ24を介してTDI信号として出力し、GETフラグがONの時はTDO信号のデータをRAM22に格納する。SETフラグがOFFの時は、TDO信号の値をセレクタ24及びバイパスレジスタ25を介して折り返す。
【0028】
図5中、Shift-Count部分では、シフト系のコマンドを指示された時に、シフトステートを何回繰り返すかを指示する。Loop Count部分では、これらのコマンドを何回繰り返すかを指示する。尚、本実施例では、Shift Count部分に「0」を設定するとシフトステートの繰り返し数が256回であると見なし、Loop Count部分に「0」 を指定するとコマンドの繰り返し数が65536回であると見なすものとする。
【0029】
図7は、Command Code部分に設定するコマンドコードのコード(Code)とオペコード(OP Code)との対応を示す図である。コマンドコードは、JTAGの目的ステートを指示する。予め目的ステート毎に遷移ルートを決めておくことにより、細かくステートを指示しなくてもステートの制御が可能になる。コマンドコードのShift-DR+Exit1-DRなるオペコード、 Shift-IR+Exit1-IRなるオペコードは、指定された回数シフトステートを通った後、Exit-1に遷移することを示す。
【0030】
図8〜図23は、目的ステート別の遷移ルートを示す図である。図8〜図23中、網かけのステートを目的ステートとして指定すると、太線のルートを通って目的ステートに到達する。例えば図8は、Test-Logic-Resetを目的ステートとした遷移を示しており、Test-Logic-Resetに到達後、更にTest-Logic-Resetを指定されると、自身に戻って来ることを示す。
【0031】
図8〜図23に示す遷移ルートに従えば、ステート制御をShift-DR×n回→Exit1-DR→Update-DR→Run-Test/Idle→Select-DR→Capture-DR→Shift-DR×n回→Exit1-DRの順にm回のShift-DR×n回→Exhi1-DRを1行のコマンドで表記することが可能になる。
【0032】
図24は、コマンド列を説明する図である。同図は、コマンド列の番号、Loop Count部分、Shift Count部分、GETフラグ、SETフラグ、Command Code部分を、各コマンド列の動作説明と共に示す。Loop Count部分やShift Count部分と+シフト命令Exit1とを組み合わせることにより、短いコマンド列で複雑なステート制御を指示することができる。
【0033】
番号3のコマンド列は一行で記述されているが、ステートはShift-DR×16→Exit1-DR→Update-DR→Run-Test→Select-DR→Capture-DR→Shift-DR×16→Exit1-DR……と遷移し、最後にExit1-DRで終わる。
【0034】
TDI,TDOデータ列は、Updateステートを通った際にワードを整列させると、コマンドに対するデータ区切れ目を付けやすく、コマンド列,データ列を作るプロセッサ13のソフトウェアの処理が容易になる。
【0035】
図25は、TDIデータ列を、ワード単位を32ビットとした場合について示す図である。又、図26は、TDOデータ列を、ワード単位を32ビットとした場合について示す図である。
【0036】
図27は、図1に示す如きデバイスの例えばDR4内のビットの一部のみを書き換える場合のコマンド列を示す図である。又、図28は、図27に示すコマンド列を用いた場合のJTAG制御回路12内の動作を説明する回路図である。図28中、図1,3,6と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。図28において、バイパスレジスタ25を1ビット幅とした場合、図27に示すコマンド列を実行すると、DR4内のビット1,2,3,6,7,8には、バイパスレジスタ25及びセレクタ24を通して戻されたデータが格納され、DR4内のビット▲4▼,▲5▼には、メモリ11から設定された値が格納される。
【0037】
図29は、上記アクセス制御(JTAG制御)の信頼性を高めるために、デバイス側のIR3にエラーチェック機能を設けた時のIR3の動作を説明する図である。IR3にエラーチェック機能が設けられており、このIR3をキャプチャすると、ビットST0,ST1が読み出される。ビットST0は、Update-IRを実行した際にパリティエラーや未定義のオペコード等、IR3の設定に問題があった時に「1」に設定される。ビットST1は、Update-DRを実行した際にデータのパリティエラーやビット長のエラー等、例えばDR4の設定に問題があった時に「1」に設定される。アクセス手順をIR3の設定→DR4のアクセス→IR3の読み出しの順番で行うと、IR3を読み出した時に、IR3の設定及びDR4のアクセスが正常に行われたか否かが分かる。
【0038】
IR3の読み出し時にST0,ST1のチェック及びIR3を読み出した時のパリティチェックを行い、異常を検出したら停止するような機構をJTAG制御回路12に付加することにより、長いコマンドシーケンスの途中でエラーが発生した時にコマンドシーケンスを停止させることができる。
【0039】
図30は、図29のオペコード内に書き込み指示用フラグWと読み出し指示用フラグRを設けた時のIR3の動作を説明する図である。一般に、JTAGではCapture-DRステートを通過した時にデータレジスタ(DR)の内容をシフトレジスタに読み出し、Update-DRステートを通過した時にシフトレジスタの内容をデータレジスタ(DR)に反映させる。しかし、データレジスタ(DR)によっては読み出しだけ又は書き込みだけを行いたい、即ち、Update-DRを通過した時のデータレジスタ(DR)の更新を抑止したい場合等がある。このような場合、IR3のオペコード内に書き込み及び読み出しを指示するフラグW,Rを設け、Run-Test/IdleやCapture-DR,Update-DR時に行うべきアクセスを制限することで、分かり易い命令体系でアクセス制御を容易に行うことができる。
【0040】
図31は、複数のJTAG対応デバイスを階層的に配置して、JTAG制御回路12とアクセス対象となるデバイスが見かけ上1対1になるようにした場合のシステム構成を示すブロック図である。JTAG制御回路12は、階層制御デバイス31−1を介して階層構造の所定の階層のデバイス35−1に接続されると共に、階層制御デバイス31−1,31−2を介して次の階層のデバイス35−2に接続されている。階層制御デバイス31−1,31−2は、アクセス制御装置の一部である。
【0041】
又、図32は、図31に示す階層制御デバイスの構成を示すブロック図である。階層制御デバイス31は、図32に示す如く接続されたゲート311〜314、デバイス選択用のレジスタ(DR)315及びセレクタ316からなる。この場合、通常のJTAG制御信号(TCK,TMS,TDI,TDO)に加えて、どの階層をアクセスするかを選択するための階層選択信号を使用する。
【0042】
図31及び図32中、通常のJTAG制御信号の流れは破線の矢印で示し、階層選択信号の流れは実線の矢印で示す。
【0043】
選択された階層にある例えばデバイス35−2へは、通常のJTAGアクセスを行い、選択された階層よりも上位階層にある例えばデバイス35−1はJTAG制御信号を通過させて下位階層の例えばデバイス35−2に供給する。下位階層の例えばデバイス35−2を制御する階層制御デバイス31−2には、DR315を設け、このDR315で選択されているデバイス35−2に対してJTAG制御を行う。このDR315で複数のデバイス35−2を選択することで、複数のデバイス35−2に同時にデータを与えることが可能になる。 ただし、JTAG制御回路12に戻すTDO信号用の信号線は1本だけのため、セレクタ316で選択されているデバイス35−2から代表を選んでTDO信号を上位階層の階層制御デバイス31−1に戻す。又、上位階層の階層制御デバイス31−1の場合、セレクタ316で選択されているデバイス35−2から代表を選んでTDO信号をJTAG制御回路12に戻す。
【0044】
図33は、図5に示すコマンドを拡張して、階層選択の信号もコマンドシーケンスの中で設定できるようにした場合のコマンド構成を示す図である。図33に示すように、ビット位置「0」〜「4」には階層選択条件が設定される。これにより、階層選択、デバイスの選択及びターゲットとなるデバイスの制御を、1回のコマンドシーケンス内で実行することが可能となる。このコマンドにより設定した値、即ち、階層選択信号は、図31に示すJTAG制御回路12内の階層選択条件設定レジスタ121に格納される。
【0045】
図34は、JTAG制御回路12の構成の一実施例を示すブロック図である。JTAG制御回路12は、同図に示す如く接続されたDMAコントローラ41〜43、コマンド解析・制御回路44、コマンド実行制御回路45、目的ステートレジスタ46、ステート遷移制御回路47、次ステートエンコーダ48、原ステートレジスタ49、TMSデコーダ50、出力データ制御回路51、調整回路52、セレクタ53、バイパスレジスタ54、入力データ制御回路55及び階層選択信号生成回路56からなる。
【0046】
コマンド解析・制御回路44は、DMAコントローラ41を介してメモリ11の指定アドレスからコマンド(コマンドコード)を順に読み出し、コマンド実行制御回路45を動作させる。コマンド実行制御回路45は、コマンド内容に従い目的ステートを目的ステートレジスタ46に設定し、ステート遷移制御回路47を起動する。又、コマンド実行制御回路45は、SETフラグを出力データ制御回路51及び調整回路52に供給し、GETフラグを入力データ制御回路55に供給する。ステート遷移制御回路47は、現ステートレジスタ49と目的ステートレジスタ46の内容が一致するまでTCK信号を生成する。次ステートエンコーダ48は、次のステートをエンコードして現ステートレジスタ49に設定する。TMSデコーダ50は、現ステートレジスタ49と目的ステートレジスタ46から次に生成すべきTMS信号の値を決定する。
【0047】
出力データ制御回路51は、DMAコントローラ42を介して出力すべきデータをメモリ11の指定アドレスから取り込み、コマンドでSETフラグが設定してあるShiftステートの時にデータをセレクタ53へ出力する。セレクタ53は、調整回路52を介してコマンドのSETフラグを供給され、SETフラグに基いて出力データ制御回路51からのデータ又はバイパスレジスタ54を介して得られるTDO信号のデータをTDI信号として選択出力する。
【0048】
入力データ制御回路55は、コマンドでGETフラグが設定してあるShiftステートの時にTDO信号のデータを取り込み、DMAコントローラ43を介してメモリ11の指定アドレスに書き込む。
【0049】
階層選択信号生成回路56は、コマンド解析・制御回路44による、例えば図33に示す拡張されたコマンドの解析結果に基いて、図31及び図32と共に説明したような階層構造のデバイスの試験又は診断を行う場合に使用する階層選択信号を生成する。生成された階層選択信号は、図31に示したJTAG制御回路12内の階層選択条件設定レジスタ121に設定される。階層選択信号生成回路56は、階層構造以外のデバイスの試験又は診断を行う場合には省略可能である。
【0050】
次に、本実施例をサーバーシステムへ適用した場合について、図35及び図36と共に説明する。図35は、本実施例を適用されたサーバシステムを示すブロック図であり、図3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。図36は、図35に示すサーバシステム内のサービスプロセッサ(SVP)の動作を説明するフローチャートである。
【0051】
図35において、サーバシステム70は、SVP71と処理部72とからなる。SVP71は、メモリ11、JTAG制御回路12及びプロセッサ13からなる。他方、診断又は制御の対象となる処理部72は、選択制御回路61、ハード制御回路62、制御・状態監視テーブル63、メモリ64及びCPU等で構成されたプロセッサ65からなる。
【0052】
ハード制御回路62の機能例としては、次のような機能が含まれる。
(A1)JTAGのコマンドを解釈して、プロセッサ65へのリセット信号や割り込み信号をON/OFFさせる。
(A2)JTAGのコマンドをプロセッサ65に供給して、SVP71からプロセッサ65のバウンダリスキャンができるようにし、ハードウェア診断を可能にする。
(A3)JTAGのコマンドをプロセッサ65に供給して、プロセッサ65のFPGAをコンフィギュレーション可能にする。
【0053】
又、制御・状態監視テーブルの機能例としては、次のような機能が含まれる。
(B1)JTAGで制御可能なレジスタ群を処理部72内に設け、このレジスタを設定することによりプロセッサ65のハードウェアのモード設定やファームウェアのモード設定を行う。
(B2)プロセッサ65のハードウェアやファームウェアが検出するエラー信号やステータスを読み出せるようにし、これをモニタすることによりエラーや処理状況を確認できるようにする。
(B3)JTAG及びプロセッサ65の両方からアクセスできるレジスタ群を処理部72内設けて、プロセッサ65のソフトウェアとの通信環境を実現し、ソフトウェアに対するモードの設定やエラー、ステータスの取得等を行う。
【0054】
更に、メモリの機能例としては、次のような機能が含まれる。
(C1)プロセッサ65が実行するプログラムを格納する。
(C2)プロセッサ65のプログラムが格納したログ情報等を読み出し、プログラムの動作状況を監視可能にする。
(C3)プロセッサ65のプログラムとサービスアプリケーション(SVA)のメールボックスを構成し、プログラム間の通信環境を実現する。
【0055】
SVP71と処理部72との間では、上記JTAG制御信号のやり取りが行われる。図35のサーバシステム70では、処理部72の基本的な動作を制御するSVP71にJTAG制御機能を搭載し、JTAGインタフェース経由で処理部72を制御・監視できるようにしている。
【0056】
従って、ハード制御回路62に対しては、SVP71は選択制御回路61を介して、処理部72のリセット等の基本的な操作を行う。制御・状態監視テーブル63に対しては、SVP71は選択制御回路61を介して、プロセッサ65に対するパラメータ設定やエラー情報の収集、制御等を行う。プログラム等を格納するメモリ64に対しては、SVP71は選択制御回路61を介して、処理部72で使うプログラムのイニシャルプログラムロード(IPL)やデータの受け渡しを行なう。
【0057】
このように、SVP71内のJTAG制御回路12は、高速動作が可能であるため、メモリ64への書き込みのような大量のデータをアクセスする場合に特に効果を発揮する。SVP71のソフトウェアに対して、SVP71のメモリ11から処理部72のメモリ64にブロック転送を行ったかのように見せかけることもできる。
【0058】
図36において、ステップS1は、ハード制御回路62に対するハードウェアコンフィギュレーションを行い、ステップS2は、パラメータ設定を行う。ハードウェアコンフィギュレーションでは、FPGA等のプログラマブルデバイスのコンフィギュレーションを行う。パラメータ設定では、ハードウェアに対する動作モード設定やファームウェアに対する動作モード設定を行い、又、ソフトウェアに対する動作モードの設定も行う。ステップS3は、IPLを行い、ステップS4は、処理部72の起動(リセット解除)を行う。IPLでは、プロセッサ65が使うプログラムをメモリ64に格納する。処理部72の起動の際には、プロセッサ65等に対してリセットの解除や起動信号の発行を行い、プロセッサ65の動作を開始させる。ステップS5は、エラー監視を行い、エラーが検出されたか否かを判定する。エラー監視では、制御・状態監視テーブル63を参照して、ハードウェアエラーの発生や、ソフトウェアのエラーの発生等を監視する。
【0059】
ステップS5の判定結果がYESであると、ステップS6は、エラーロギングを行い、ステップS7は、検出されたエラーが重大エラーであるか否かを判定する。ステップS7の判定結果がNOであると、ステップS8は、エラーハンドリングを行い、処理は後述するステップS10へ進む。他方、ステップS7の判定結果がYESであると、ステップS9は、処理部72の緊急停止処理を行い、処理は終了する。
【0060】
ステップS5の判定結果がNOの場合、又は、ステップS8の後、ステップS10は、パラメータ設定要求であるか否かを判定する。ステップS10の判定結果がYESであると、ステップS11は、パラメータ設定を行い、処理はステップS12へ進む。パラメータ設定では、プロセッサ65側からの要求や、SVP71外部からのオペレータの要求等のパラメータ設定要求があった場合に、新たなパラメータを設定する。ステップS12は、停止要求であるか否かを判定し、判定結果がNOであると、処理はステップS5へ戻る。他方、ステップS12の判定結果がYESであると、ステップS13はサーバシステム70の停止(リセット)処理を行い、処理は終了する。停止処理では、オペレータからのサーバシステム70の停止要求があった場合に、リセット等のシステム停止処理を行う。
【0061】
サーバシステム70のSVPインタフェースにJTAG制御信号を用いた場合、 少ない本数の規格化されたインタフェースを用いることで、設計や試験を効率的に行うことができる。又、JTAGに対応したデバイスで処理部72を構成すると、サーバシステム70に組み込んだ状態でもバウンダリスキャン等が可能になり、プリント基板試験装置等を使わなくともサーバシステム70内のハードウェア診断を行うことが可能になる。つまり、このような診断機能と、通常のシステム制御・監視等を、1つのインタフェースで実現できる。
【0062】
JTAGに対応したFPGAを用いた場合、そのコンフィギュレーションをSVPから行うことが可能となり、処理部72にFPGA構成用のROMを置く必要がなくなる。又、ROMを使った場合でも、JTAGを使ってROMの書き換えが可能となり、サーバシステム70への組み立て後も柔軟な運用が可能になる。
【0063】
次に、本実施例をプリント基板試験装置への適用した場合について、図37と共に説明する。図37は、本実施例を適用されたプリント基板試験装置示すブロック図であり、図3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0064】
図37において、プリント基板試験装置(又は診断装置)80は、メモリ11、JTAG制御回路12及びプロセッサ13からなる。他方、試験又は診断の対象となるプリント基板81は、同図に示す如く接続されたLSI回路(#1〜#3)811〜813からなる。
【0065】
JTAGで試験又は診断されるプリント基板81では、一般的にJTAG対象となっているLSI回路811〜813等のデバイスを数個珠つなぎにしているので、これらにJTAG制御回路12とのインタフェースを接続して試験又は診断を行う。
【0066】
プリント基板81の試験又は診断では、パターンや半田が接続されていることを確認するため、JTAG制御回路12を通してLSI回路811〜813のピン(図1のTAP7に対応)に値を設定し、正常に伝搬するか否かを確認する。このため、値の設定や読み出しを繰り返す必要があるが、高速化により試験又は診断時間を短くすることができる。
【0067】
尚、本発明は、以下に付記する発明をも包含するものである。
【0068】
(付記1) 試験又は診断ルートを指定するコマンドとデータに基いてシリアルインタフェースをアクセスすることで試験又は診断対象の試験又は診断を行うアクセス制御装置であって、
メモリと、
前記コマンドと前記データを試験又は診断対象に供給し、該試験又は診断対象からの出力データを入力する制御回路と、
プロセッサとを備え、
該制御回路は、該プロセッサの制御下で、該メモリに展開したコマンド列及び入力データ列に従いアクセスシーケンスを実行して、該試験又は診断対象からの出力データを出力データ列として該メモリに格納する制御を行い、コマンド列で到達目的ステートを与えると、前記到達目的ステートに応じて一義的に遷移ルートを確定できるように、到達目的とするステート毎に予めステート遷移ルートを決定することを特徴とする、アクセス制御装置。
【0069】
(付記2) 前記シリアルインタフェースは、JTAG(IEEE標準1149−1)を応用しており、前記コマンドとデータは、JTAGのTCK,TMS,TDI,TDO信号からなるJTAG制御信号を含むことを特徴とする、(付記1)記載のアクセス制御装置。
【0070】
(付記3) 前記制御回路は、シフト動作時に前記メモリ内のデータ列をTDI信号として出力するか、しない場合にはTDO信号のデータをTDI信号として前記試験又は診断対象に対して折り返すことを特徴とする、(付記2)記載のアクセス制御装置。
【0071】
(付記4) アクセスシーケンスを示すコマンドは、指定した回数のシフト操作を実行後、Exit-1ステートに自動遷移するコマンドを含むことを特徴とする、(付記2)又は(付記3)記載のアクセス制御装置。
【0072】
(付記5) 前記アクセスシーケンスを示すコマンドは、実行回数の指定を含み、1つのコマンドで多数回のシフト操作及びアップデート操作を行うことを特徴とする、(付記4)記載のアクセス制御装置。
【0073】
(付記6) 前記試験又は診断対象は、命令レジスタ及びデータレジスタにエラー検出機能が設けられており、前記プロセッサは、命令実行後に前記命令レジスタを読み出すことで命令が正しく実行されたか否かの確認をするために前記命令レジスタの読み出しに対してステータスフラグを設けており、長いコマンドシーケンス途中でエラーが発生した時にエラーの検出及びコマンドシーケンスの停止を行うことを特徴とする、(付記2)〜(付記5)のいずれか一項記載のアクセス制御装置。
【0074】
(付記7) 前記試験又は診断対象は、命令レジスタ内にデータレジスタ書き込みフラグ及びデータレジスタ読み出しフラグが設けられており、前記プロセッサは、前記制御回路を介して前記命令レジスタに対する書き込み及び読み出しを独立に制御することを特徴とする、(付記2)〜(付記6)のいずれか1項記載のアクセス制御装置。
【0075】
(付記8) 前記制御回路は、前記JTAG制御信号により設定可能であり、階層的に配置された複数の試験又は診断対象のうち、各階層内でアクセスする対象を選択するための階層選択信号を生成する階層選択信号生成回路を有し、アクセス制御装置とアクセスする対象を見かけ上一対一の関係にすることを特徴とする、(付記2)〜(付記7)のいずれか一項記載のアクセス制御装置。
【0076】
(付記9) 前記階層選択信号に基いて階層構造の上位階層から下位階層のアクセスする対象を複数選択することにより、複数の対象に同時にデータを供給する階層制御デバイスを更に備えたことを特徴とする、(付記8)記載のアクセス制御装置。
【0077】
(付記10) 前記試験又は診断の対象は、プリント基板、前記プリント基板上のデバイス、サーバシステム内の処理部、又は前記処理部内のデバイスであることを特徴とする、(付記1)〜(付記9)のいずれか1項記載のアクセス制御装置。
【0078】
(付記11) 試験ルートを指定するコマンドとデータに基いて、シリアルインタフェースをアクセスすることで試験対象の試験を行う試験方法であって、
試験装置内のメモリに展開したコマンド列及び入力データ列に従いアクセスシーケンスを実行して、該試験対象からの出力データを出力データ列として該メモリに格納する制御を行い、
コマンド列で到達目的ステートを与えると、前記到達目的ステートに応じて一義的に遷移ルートを確定できるように、到達目的とするステート毎に予めステート遷移ルートを決定することを特徴とする、試験方法。
【0079】
(付記12) 前記シリアルインタフェースは、JTAG(IEEE標準1149−1)を応用しており、前記コマンドとデータは、JTAGのTCK,TMS,TDI,TDO信号からなるJTAG制御信号を含むことを特徴とする、(付記11)記載の試験方法。
【0080】
(付記13) シフト動作時に前記メモリ内のデータ列をTDI信号として出力するか、TDO信号のデータを該メモリ内の出力データ列に書き込むかをコマンドにより制御し、
TDI信号として該メモリからの入力データ列を出力しない場合にはTDO信号のデータをTDI信号として前記試験対象に対して折り返すことを特徴とする、(付記12)記載の試験方法。
【0081】
(付記14) アクセスシーケンスを示すコマンドは、指定した回数のシフト操作を実行後、Exit-1ステートに自動遷移するコマンドを含むことを特徴とする、(付記12)又は(付記13)記載の試験方法。
【0082】
(付記15) 前記アクセスシーケンスを示すコマンドは、実行回数の指定を含み、1つのコマンドで多数回のシフト操作及びアップデート操作を行うことを特徴とする、(付記14)記載の試験方法。
【0083】
(付記16) 前記試験対象は、命令レジスタ及びデータレジスタにエラー検出機能が設けられており、
命令実行後に前記命令レジスタを読み出すことで命令が正しく実行されたか否かの確認をするために前記命令レジスタの読み出しに対してステータスフラグを設け、長いコマンドシーケンス途中でエラーが発生した時にエラーの検出及びコマンドシーケンスの停止を行うことを特徴とする、(付記12)〜(付記15)のいずれか一項記載の試験方法。
【0084】
(付記17) 前記試験対象は、命令レジスタ内にデータレジスタ書き込みフラグ及びデータレジスタ読み出しフラグが設けられており、
前記命令レジスタに対する書き込み及び読み出しを独立に制御することを特徴とする、(付記12)〜(付記16)のいずれか1項記載の試験方法。
【0085】
(付記18) 前記JTAG制御信号により設定可能であり、階層的に配置された複数の試験又は診断対象のうち、各階層内でアクセスする対象を選択するための階層選択信号を生成し、アクセス制御装置とアクセスする対象を見かけ上一対一の関係にすることを特徴とする、(付記12)〜(付記17)のいずれか一項記載のアクセス制御装置。
【0086】
(付記19) 前記階層選択信号に基いて階層構造の上位階層から下位階層のアクセスする対象を複数選択することにより、複数の対象に同時にデータを供給することを特徴とする、(付記18)記載の試験方法。
【0087】
(付記20) 前記試験対象は、プリント基板、前記プリント基板上のデバイス、サーバシステム内の処理部、又は前記処理部内のデバイスであることを特徴とする、(付記11)〜(付記19)のいずれか1項記載の試験方法。
【0088】
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、言うまでもない。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、JTAG制御等のアクセス制御におけるソフトウェアの処理が軽減され、ハードウェアによる高速制御が可能になる。又、コマンドシーケンス実行に伴う信頼性低下を防止し、高速で、且つ、信頼性の高いJTAG制御が可能になる。これにより、従来のプリント基板の試験又は診断の用途に限定されず、システム制御を行うためのバスとしての使い方も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第2の方式を採用する従来のアクセス制御装置を示すブロック図である。
【図2】図1に示すアクセス制御装置のソフト動作及びハード動作を説明する図である。
【図3】本発明になるアクセス制御装置の一実施例を示すブロック図である。
【図4】アクセス制御装置のソフト動作及びハード動作を説明する図である。
【図5】コマンドの構成を説明する図である。
【図6】SETフラグ,GETフラグの概念を説明する回路図である。
【図7】コマンドコードのコードとオペコードとの対応を示す図である。
【図8】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図9】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図10】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図11】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図12】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図13】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図14】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図15】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図16】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図17】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図18】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図19】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図20】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図21】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図22】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図23】目的ステート別の遷移ルートを示す図である。
【図24】コマンド列を説明する図である。
【図25】TDIデータ列を、ワード単位を32ビットとした場合について示す図である。
【図26】TDOデータ列を、ワード単位を32ビットとした場合について示す図である。
【図27】デバイスのDR内のビットの一部のみを書き換える場合のコマンド列を示す図である。
【図28】図27に示すコマンド列を用いた場合のJTAG制御回路内の動作を説明する回路図である。
【図29】デバイス側のIRにエラーチェック機能を設けた時のIRの動作を説明する図である。
【図30】デバイス側のIRにフラグW,Rを設けた時のIRの動作を説明する図である。
【図31】複数のJTAG対応デバイスを階層的に配置して、JTAG制御回路とアクセス対象となるデバイスが見かけ上1対1になるシステムの構成を示すブロック図である。
【図32】図31に示す階層制御デバイスの構成を示すブロック図である。
【図33】階層選択の信号もコマンドシーケンスの中で設定できるようにした場合のコマンド構成を示す図である。
【図34】JTAG制御回路の構成の一実施例を示すブロック図である。
【図35】実施例を適用されたサーバシステムを示すブロック図である。
【図36】図35に示すサーバシステム内のSVPの動作を説明するフローチャートである。
【図37】実施例を適用された試験装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
3 IR
4〜6 DR
7 TAP
11 メモリ
12 JTAG制御回路
13 プロセッサ
Claims (8)
- 診断対象回路に接続されると共に、前記診断対象回路に対してアクセスを行うことにより、前記診断対象回路の診断を行うアクセス制御装置であって、
前記アクセス制御装置から前記診断対象回路に入力する入力データ列と、前記診断対象回路から前記アクセス制御装置に出力される出力データ列と、複数の状態のうち所定の状態を経由したいずれかの状態への遷移を指定する命令コードと、前記命令コードにより指定される動作がシフト動作を含む場合に前記シフト動作の実行回数を指定するシフト回数情報と、前記命令コードで指定される動作の実行回数を指定するループ回数情報と、コマンドと前記入力データ列を前記診断対象回路に入力するか否かを指定する第1のフラグと、前記診断対象回路からの前記出力データ列を前記メモリに出力するか否かを指定する第2のフラグを有する命令を複数含む命令列を記憶するメモリと、
前記命令列と前記入力データ列を前記メモリに格納すると共に、前記メモリに格納された前記出力データ列を読み出すプロセッサと、
前記命令列に含まれる命令を実行する場合に、前記命令コードと前記シフト回数情報と前記ループ回数情報に基づいて、前記いずれかの状態へ遷移して前記命令コードを実行すると共に、前記第1のフラグに基づいて、前記メモリから前記入力データ列を前記診断対象回路に入力し、前記第2のフラグに基づいて、前記診断対象回路からの前記出力データ列を前記メモリに出力する診断制御回路を有することを特徴とするアクセス制御装置。 - 前記診断対象回路は、エラー検出機能を有する命令レジスタと、前記入力データ列を保持するデータレジスタを有し、
前記プロセッサは、前記命令列の実行後に前記命令レジスタの内容を読み出すことにより、前記命令レジスタの読み出しに対して命令が正しく実行されたか否かの確認をするステータスフラグを有すると共に、前記命令列の実行の途中においてエラーが発生した場合に、前記命令列の実行の停止を行うことを特徴とする請求項1記載のアクセス制御装置。 - 前記状態遷移は、TCK,TMS,TDI,TDO信号を含むJTAG制御信号を用いるJTAG規格(IEEE標準1149−1)における状態遷移に基づくものであり、
前記診断制御回路は更に、
シフト動作時に前記メモリからの前記出力データ列を前記TDI信号として出力するか、前記メモリから前記出力データ列を前記TDI信号として出力しない場合には前記TDO信号として入力される前記入力データ列を前記TDI信号として前記診断対象回路に対して折り返す選択回路を有することを特徴とする請求項1又は2記載のアクセス制御装置。 - 前記命令列に含まれる複数の命令のいずれかは、指定した回数のシフト操作を実行後、前記JTAG規格における状態遷移のうち、Exit-1ステートに自動遷移することを特徴とする請求項3記載のアクセス制御装置。
- 前記命令列に含まれる複数の命令のいずれかは、前記命令の実行回数の指定を含み、前記命令に含まれる1つのコマンドの実行により、前記実行回数の指定に基づいて複数回のシフト操作及びアップデート操作を行うことを特徴とする請求項3又は4記載のアクセス制御装置。
- 前記診断制御回路は更に、
階層的に配置された複数の診断対象回路のうち、各階層内でアクセスする診断対象回路を選択する階層選択信号を生成する階層選択信号生成回路を有することを特徴とする請求項1乃至5項のいずれか1項記載のアクセス制御装置。 - 前記診断制御回路は更に、
階層的に配置された複数の診断対象回路のうち、前記階層選択信号に基いて階層構造の上位階層から下位階層のアクセスする診断対象回路を複数選択することにより、前記複数の診断対象回路に前記入力データ列を同時に供給する階層制御回路を有することを特徴とする請求項6記載のアクセス制御装置。 - 診断対象回路に接続されると共に、前記診断対象回路に対してアクセスを行うことにより、前記診断対象回路の診断を行うアクセス制御装置の制御方法であって、
プロセッサが、前記アクセス制御装置から前記診断対象回路に入力する入力データ列と、前記診断対象回路から前記アクセス制御装置に出力される出力データ列と、複数の状態のうち所定の状態を経由したいずれかの状態への遷移を指定する命令コードと、前記命令コードにより指定される動作がシフト動作を含む場合に前記シフト動作の実行回数を指定するシフト回数情報と、前記命令コードで指定される動作の実行回数を指定するループ回数情報と、コマンドと前記入力データ列を前記診断対象回路に入力するか否かを指定する第1のフラグと、前記診断対象回路からの前記出力データ列を前記メモリに出力するか否かを指定する第2のフラグを有する命令を複数含む命令列をメモリに格納するステップと、
前記プロセッサが、前記メモリに格納された前記出力データ列を読み出すステップと、
診断制御回路が、前記命令列に含まれる命令を実行する場合に、前記命令コードと前記シフト回数情報と前記ループ回数情報に基づいて、前記いずれかの状態へ遷移して前記命令コードを実行すると共に、前記第1のフラグに基づいて、前記メモリから前記入力データ列を前記診断対象回路に入力し、前記第2のフラグに基づいて、前記診断対象回路からの前記出力データ列を前記メモリに出力するステップを有することを特徴とする制御方法。
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