JP4490539B2 - ウエハチャック及び半導体ウエハの検査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ(単に、「ウエハ」と称す。)のプローブ検査に用いられるウエハチャック及び半導体ウエハのプローブ検査を行う方法に関し、更に詳しくは、ウエハを位置ずれすることなく確実に固定することができ、しかもプローブ検査中の集積回路(以下、「ICチップ」と称す。)との間の熱抵抗を低下させることができるウエハチャック及び半導体ウエハの検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウエハのプローブ検査を行う場合にはプローブ装置が用いられる。従来のプローブ装置は、図5に示すようにウエハチャック1上にウエハを載置し、その上方に配置されたプローブカード2のプローブ2AとウエハWに形成されたICチップの電極パッドを電気的に接触させ、ICチップの電気的特性検査を行うものである。上記メインチャック1は、同図に示すように、X、Yステージ3(説明の便宜上、Xステージ、Yステージを一体のものとして図示してある)に固定され、X、Yステージ3を介してX方向、Y方向に往復移動するようにしてある。また、メインチャック1の昇降機構4は、X、Yステージ3に固定され、X、Yステージ3においてメインチャック1をZ方向に移動させる。この昇降機構4は、例えば筒状の容器4A内に設けられたモータ4Bと、モータ4Bで回転するボールネジ4Cと、ボールネジ4Cと螺合したナット部材(図示せず)とを有し、ボールネジ4C及びナット部材を介してメインチャック1が同図の矢印Z方向に昇降し、ウエハWとプローブ2Aを接離させる。
【0003】
また、ウエハチャック1には冷却手段(図示せず)が設けられ、冷却手段を用いてウエハチャック1を介してウエハWを冷却するようにしてある。特に、発熱性の高いICチップの場合には、ウエハチャックによる冷却だけではウエハを十分に冷却することができないため、ウエハとウエハチャックの間に熱伝導性に優れた冷却用気体(例えばヘリウムガス)を供給し、メインチャックによる冷却効果を高めた技術が提案されている(特開平7−263526号公報)。冷却用気体を供給すればメインチャック上のウエハの固定が不安定になるため、上記公報に記載の技術の場合にはウエハチャックに真空吸着手段を設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の技術の場合にはウエハの冷却効率を高めるためにウエハとウエハチャックの間にガスを供給するようにしてあるため、ウエハチャックによりウエハを真空吸着してもウエハの保持が安定しない。ウエハを確実に保持するためにウエハとウエハチャック間の真空度を高めると、熱伝導性ガスを供給する意義が失われる虞がある。更に云えば、図6で模式的に示すようにウエハW及びウエハチャック1の接触面はそれぞれ鏡面仕上げになってはいても微小な凹凸があってこれら両者間には細隙が形成されるため、この細隙における真空度が高くなれば冷却用気体を供給したとしても両者間の熱抵抗が増大する。
【0005】
また一方で、現在のように集積回路が超微細化して電極パッドの数が増えそれぞれのピッチが狭くなるに伴ってプローブ2Aの本数が増えるため、上記公報に記載の技術を用いたとしてもウエハチャック1上のウエハWに対してプローブ2Aから大きな針圧が掛かり、検査位置がウエハWの周縁部の場合には針圧のために図5の一点鎖線で誇張して示すようにウエハチャック1が傾き、ウエハWがウエハチャック1上を滑り、極端な場合にはプローブ2AがウエハWの電極パッドから外れる虞がある。また、発熱性の高いICチップを検査する場合には図7に模式的に示すようにプローブ2’Aが傾斜したプローブカード2’を使うこともある。このようなプローブカード2’を使って検査を行うと、プローブ2’Aからの針圧によりウエハWに対して同図に矢印で示す方向の力が作用してウエハWをウエハチャック(図示せず)上で滑らせる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ウエハを確実に固定して位置ずれを防止することができ、しかも発熱性の高いICチップを検査する場合であってもそのICチップを効率良く冷却することができるウエハチャック及びウエハの検査方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のウエハチャックは、半導体ウエハのインデックス送りを行いながら上記半導体ウエハに形成された複数の集積回路のプローブ検査を行うウエハチャックにおいて、上記ウエハチャックの載置面を複数の領域に分割し、これらの分割領域それぞれに溝を設けると共にこれらの溝においてそれぞれ開口する給排路を上記ウエハチャック内に設け、且つ、上記各給排路それぞれには熱伝導性に優れた流体の供給源と真空排気手段を互いに切り換え可能に接続し、上記プローブ検査を行う集積回路に対応する上記分割領域は、その溝及び給排路に上記供給源が接続されて上記流体が供給される流体供給領域になり、上記プローブ検査を行う集積回路に対応しない上記複数の分割領域は、それぞれの溝及び給排路に上記真空排気手段がそれぞれ接続されて上記半導体ウエハが真空吸着される吸着領域となることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載のウエハチャックは、請求項1に記載の発明において、上記各溝を上記半導体ウエハのインデックス送り方向に沿って配列したことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載のウエハチャックは、請求項1または請求項2に記載の発明において、上記各分割領域の溝の全てを環状溝として設けたことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載のウエハチャックは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記供給源と上記真空排気手段との切換手段としてソレノイドバルブを設けたことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載のウエハチャックは、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、上記ウエハチャックに冷却手段を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項6に記載の半導体ウエハの検査方法は、複数の集積回路が形成された半導体ウエハをウエハチャック上に載置し、上記半導体ウエハのインデックス送りをしながら上記集積回路のプローブ検査を行う方法において、上記ウエハチャックの載置面が複数の領域に分割され、これらの分割領域それぞれに溝が設けられていると共にこれらの溝においてそれぞれ開口する給排路が上記ウエハチャック内に設けられ、且つ、上記各給排路それぞれには熱伝導性に優れた流体の供給源と真空排気手段が互いに切り換え可能に接続されたウエハチャックを用い、上記プローブ検査中の集積回路の裏面に対応する上記分割領域ではこの分割領域の溝及び給排路に接続された上記供給源から熱伝導性に優れた流体を供給し、上記プローブ検査前後の集積回路の裏面に対応する上記分割領域ではこの分割領域の溝及び給排路に接続された上記真空排気手段により上記半導体ウエハを真空吸着することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項7に記載の半導体ウエハの検査方法は、ものである。
【0014】
また、本発明の請求項8に記載の半導体ウエハの検査方法は、請求項6または請求項7に記載の発明において、上記ウエハチャックを冷却することを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4に示す実施形態に基づいて本発明を説明する。
図1は本発明のウエハチャック10の一実施形態を示す平面図、図2は図1に示すウエハチャック10にウエハを載置した状態のII−II線に沿った断面図である。本実施形態のウエハチャック10は例えば銅あるいは銅合金等の熱伝導性に優れた金属によって形成されている。このウエハチャック10の載置面は図面上では上下方向に複数(同図では5つ)の領域11A、11B、11C、11D、11Eに分割されている。各分割領域11A、11B、11C、11D、11Eはそのインデックス送り方向に細長形状に形成され、ウエハチャック10を介して各分割領域11A、11B、11C、11D、11E内のウエハWを矢印方向に複数回に渡ってインデックス送りを行う。また、ウエハチャック10の上方にプローブカード(図示せず)が配置され、このプローブカードを介して各分割領域内のICチップを複数個(例えば16個あるいは32個)ずつ同時にプローブ検査する。従って、検査時にはメインチャック10を介して各分割領域11A、11B、11C、11D、11Eのそれぞれの領域ではウエハWを複数回に渡ってインデックス送りして各分割領域のICチップのプローブ検査を行う。上記各分割領域11A、11B、11C、11D、11Eの周囲にはそれぞれの領域の外周に沿った環状溝12A、12B、12C、12D、12Eが形成され、これらの環状溝を介して熱伝導性に優れた流体(例えばヘリウムガス)を供給し、あるいは真空吸着するようにしてある。ソレノイドバルブは所定のプログラムの下で作動する制御装置を介して駆動する。尚、図2において、環状溝12B、12C、12D内の●印はヘリウムガスを供給していることを示し、○印は真空引きをしていることを示す。
【0016】
上記ウエハチャック10の内部には図1、図2に示すように給排路13A、13B、13C、13D、13Eが形成され、それぞれの一端が上記各環状溝12A、12B、12C、12D、12Eにおいて開口し、それぞれの他端がウエハチャック10の側面において開口している。ウエハチャック10の側面開口には配管14A、14B、14C、14D、14Eを介してソレノイドバルブ15A、15B、15C、15D、15Eがそれぞれ接続されている。これらのソレノイドバルブ15A、15B、15C、15D、15Eは図1に示すように一体化しており、その一側面に供給配管16Aを介して熱伝導性に優れた流体の供給源であるガスボンベ(図示せず)が接続され、排気配管16Bを介して真空ポンプ(図示せず)が接続されている。そして、ガスボンベと真空ポンプはソレノイドバルブを介して交互に切り換えられるようになっている。例えば環状溝12Aにヘリウムガスを供給する場合にはソレノイドバルブ15Aを介して配管14Aとガスボンベを接続し、環状溝12Aへ空気を排気する場合にはソレノイドバルブ15Aを介して配管14Aと真空ポンプを接続する。従って、各環状溝12A、12B、12C、12D、12Eは個別にそれぞれのソレノイドバルブを介してヘリウムガスを受給し、真空引きされる。
【0017】
また、上記ウエハチャック10内には例えば図2に示すように例えばエチレングリコール、水等の冷媒用の循環路17が形成され、この循環路17の両端はウエハチャック10の側面において互いに隣接して開口している。循環路17の開口には配管(図示せず)を介して熱交換器(図示せず)が接続され、熱交換器において冷却された冷媒がウエハチャック10の循環路17を循環するようにしてある。従って、ウエハチャック10内で昇温した冷媒は熱交換器において元の温度まで冷却される。
【0018】
次に、動作について説明する。図2に示すようにウエハチャック10上にウエハWを載置すると、ソレノイドバルブ15A、15B、15C、15D、15Eが作動して配管14A、14B、14C、14D、14Eがそれぞれ真空ポンプに連通し、ウエハWで封止された環状溝12A、12B、12C、12D、12E内の空気を排気してウエハWをウエハチャック10上に真空吸着する。次いで、ウエハWとプローブカードとのアライメントを行う。プローブ検査を行う時にはウエハチャック10は循環路17内を循環する冷媒によって冷却されている。
【0019】
その後、ウエハチャック10が移動し、最初に検査すべきICチップ(例えば図1に示す分割領域11Aの左端側)がプローブカードの真下に位置すると、ウエハチャック10が上昇し最初のICチップとプローブカードのプローブとが電気的に接触する。この接触前にソレノイドバルブ15Aを介して配管14Aとガスボンベが連通し、配管14A、給排路13Aを介して環状溝12Aへヘリウムガスを供給する。これにより分割領域11AとウエハWの隙間にヘリウムガスが充満し、ヘリウムガスが熱媒体となって分割領域11Aと複数のICチップ間の熱抵抗を下げ、この領域11Aにある最初の検査ICチップが発熱してもウエハチャック10を介して最初のICチップを効率良く冷却することができる。この時、プローブの針圧によりウエハチャック10が傾斜することがあってもウエハチャック10の載置面の大部分を占める他の分割領域では環状溝12B、12C、12D、12Eを介して真空引きされているためウエハWがウエハチャック10上で固定されウエハWが位置ずれを起こすことはない。
【0020】
最初の検査を終えると、ウエハチャック10が下降した後、ウエハチャック10が図1の矢印X方向へ移動して次の検査位置までウエハWのインデックス送りを行い、引き続き上述したようにウエハチャック10が上昇して次のICチップとプローブカードのプローブとが電気的に接触し、次のICチップのプローブ検査を行う。分割領域11Aに位置するICチップのプローブ検査を行う時には全てのソレノイドバルブは最初のICチップを検査する時の状態と同じある。
【0021】
分割領域11A内のICチップの検査を終えると、ウエハチャック10が移動して分割領域11Aから次の分割領域11Bへ移り、この分割領域11BにあるICチップを右側から左側へインデックス送りを繰り返しながらプローブ検査を行う。分割領域11Aから分割領域11Bへ移行する際に、ソレノイドバルブ15A、15Bが作動し、ソレノイドバルブ15Aを介して配管14Aをガスボンベ側から真空ポンプ側へ切り換えると共にソレノイドバルブ15Bを介して配管14Bを真空ポンプ側からガスボンベ側へ切り換える。これにより分割領域11Aの環状溝12Aでは真空引きが行われ、分割領域11Bの環状溝12Bではヘリウムガスの供給が行われる。この結果、分割領域11Bとこの領域11B内のICチップとの熱抵抗が低下し、分割領域11Aでは他の分割領域11C、11D、11Eと同様に真空引きが行われウエハWを真空吸着してウエハチャック10の載置面に確実に固定する。分割領域11B内のICチップの検査を終えると、上述した要領でソレノイドバルブが作動し、各分割領域11C、11D、11Eの順序でヘリウムガスを供給しICチップの検査を行うと共にその他の分割領域ではウエハWの真空吸着を行う。
【0022】
以上説明したように本実施形態によれば、冷却手段を有するウエハチャック10の載置面を5つの領域11A、11B、11C、11D、11Eに分割し、これらの分割領域それぞれに環状溝12A、12B、12C、12D、12Eを設けると共にこれらの環状溝においてそれぞれ開口する給排路13A、13B、13C、13D、13Eをウエハチャック10内に設け、しかも各給排路それぞれにヘリウムガスを供給するガスボンベ及び真空ポンプをソレノイドバルブ15A、15B、15C、15D、15Eを介して切り換え可能に接続し、この構成によりプローブとウエハの電極パッドが電気的に接触しているプローブ検査中のICチップの裏面に向けてウエハチャック10側からヘリウムガスを供給し、プローブ検査前後のICチップの裏面ではウエハWを真空吸着することができるため、プローブからの針圧によりウエハチャック10が傾斜しあるいは傾斜したプローブを使用してもウエハWをウエハチャック10上に真空吸着してウエハWの位置ずれを確実に防止することができ、しかも発熱性の高いICチップを検査する場合であってもプローブ検査中のICチップおけるウエハチャック10との熱抵抗を下げて効率良く冷却し、信頼性の高い検査を行うことができる。
【0023】
図3は本発明の他の実施形態のウエハチャック20を示す平面図である。本実施形態のウエハチャック20は載置面の分割態様を異にする以外は上記実施形態に準じて構成されている。即ち、本実施形態ではウエハチャック20の載置面を十文字に4分割され、各分割領域21A、21B、21C、21Dにはそれぞれの分割領域と相似形の2つの環状溝22A、22A’、22B、22B’、22C、22C’、22D、22D’が設けられている。そして、各環状溝ではそれぞれの分割領域に設けられた給排路23A、23B、23C、23Dが開口している。尚、開口部は○印で示してある。各給排路にはそれぞれ配管24A、24B、24C、24Dを介して図示しないソレノイドバルブに接続されている。
【0024】
従って、例えば分割領域21AにあるウエハのICチップのプローブ検査を行う時には分割領域21Aでは環状溝22A、22A’へヘリウムガスを供給してウエハと分割領域21A間の熱抵抗を下げ、他の分割領域21B、21C、21Dではそれぞれの環状溝から真空引きを行ってウエハを真空吸着すれば、プローブ検査中のICチップを効率良く冷却することができると共にウエハをウエハチャック20上に固定してウエハの位置ずれを確実に防止することができる。インデックス送りにより分割領域21BにあるICチップのプローブ検査を行う時には、分割領域21Bではソレノイドバルブを介して真空ポンプからガスボンベに切り換えヘリウムガスを環状溝22B、22B’へ供給し、他の分割領域ではそれぞれの環状溝を介してウエハの真空吸着を行う。本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果を期することができる。
【0025】
また、図4は本発明の更に他の実施形態を示す図で、ウエハチャック30自体は上記各実施形態のいずれかに準じて構成されている。本実施形態ではウエハチャック30の他にプローブカード40にも冷却手段及び熱抵抗低下手段が設けられている。即ち、プローブカード40は、複数のプローブ41と、これらのプローブ41が設けられたプローブ基板42と、このプローブ基板42のプローブ側に設けられた絶縁性及び熱伝導性に優れた熱伝達媒体43とを有している。熱伝達媒体43はプローブ基板42とウエハW間の空気層の熱抵抗を低下させる手段として設けられたもので、熱伝導性に優れた合成樹脂または熱伝導性に優れた無機粉粒体を添加した合成樹脂等によって形成されている。この熱伝達媒体43は例えばシート状に形成され、プローブ基板42全面、または複数箇所に所定間隔を空けて部分的に被覆され、矢印A方向への熱移動を促進する。図4には熱伝達媒体43で部分的に被覆されたプローブカード40を用いてプローブ検査をしている状態を示してある。この場合、熱伝達媒体43のない部分ではウエハWとの間に隙間が形成され、この隙間に矢印Bで示すように冷却空気等の冷却用ガスを供給することでウエハWの冷却効果を更に高めることができる。また、同図に示すようにプローブ基板42内に循環路42Aを熱抵抗低下手段として設け、この循環路42Aに冷却媒体を循環させることでウエハWの冷却効果をより一層高めることができる。熱伝達媒体43、循環路42A及び冷却用ガスの供給はそれぞれ単独に、あるいはこれらを適宜組み合わせて使用することができる。
【0026】
尚、上記各実施形態ではウエハチャックに環状溝を設ける場合について説明したが、環状溝以外の溝であっても良い。要は、プローブ検査中のICチップ領域では熱伝導性流体を供給し、プローブ検査前後のICチップ領域ではウエハを真空吸着できる溝であれば、特定の形状及び設置個数に制限されるものではない。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、検査時に発熱する集積回路を検査する場合であっても、検査時には、半導体ウエハの検査をしていない集積回路が形成された領域ではその全領域で半導体ウエハを真空吸着して半導体ウエハの位置ずれを確実に防止することができると共に、半導体ウエハの検査をしている集積回路が形成された領域では熱伝導性の流体を供給してこの領域にある集積回路を効率良く冷却することができるウエハチャック及びウエハの検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエハチャックの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示すウエハチャックのII−II線に沿った断面図である。
【図3】本発明のウエハチャックの他の実施形態の要部を示す平面図である。
【図4】本発明のウエハチャックの更に他の実施形態の要部を示す断面図である。
【図5】従来のウエハチャックを用いてプローブ検査を行う時のウエハチャックの傾斜状態を示す説明図である。
【図6】ウエハチャックとウエハの接触状態を模式的に示す断面図である。
【図7】傾斜したプローブを有するプローブカードを用いてプローブ検査を行う時のプローブとウエハの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10、20、30 ウエハチャック
11A、11B、11C、11D、11E 分割領域
12A、12B、12C、12D、12E 環状溝
13A、13B、13C、13D、13E 給排路
14A、14B、14C、14D、14E 配管
15A、15B、15C、15D、15E ソレノイドバルブ(切換手段)
17 冷媒の循環路(冷却手段)
Claims (8)
- 半導体ウエハのインデックス送りを行いながら上記半導体ウエハに形成された複数の集積回路のプローブ検査を行うウエハチャックにおいて、上記ウエハチャックの載置面を複数の領域に分割し、これらの分割領域それぞれに溝を設けると共にこれらの溝においてそれぞれ開口する給排路を上記ウエハチャック内に設け、且つ、上記各給排路それぞれには熱伝導性に優れた流体の供給源と真空排気手段を互いに切り換え可能に接続し、上記プローブ検査を行う集積回路に対応する上記分割領域は、その溝及び給排路に上記供給源が接続されて上記流体が供給される流体供給領域になり、上記プローブ検査を行う集積回路に対応しない上記複数の分割領域は、それぞれの溝及び給排路に上記真空排気手段がそれぞれ接続されて上記半導体ウエハが真空吸着される吸着領域となることを特徴とするウエハチャック。
- 上記各溝を上記半導体ウエハのインデックス送り方向に沿って配列したことを特徴とする請求項1に記載のウエハチャック。
- 上記各分割領域の溝の全てを環状溝として設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエハチャック。
- 上記供給源と上記真空排気手段との切換手段としてソレノイドバルブを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のウエハチャック。
- 上記ウエハチャックに冷却手段を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のウエハチャック。
- 複数の集積回路が形成された半導体ウエハをウエハチャック上に載置し、上記半導体ウエハのインデックス送りをしながら上記集積回路のプローブ検査を行う方法において、上記ウエハチャックの載置面が複数の領域に分割され、これらの分割領域それぞれに溝が設けられていると共にこれらの溝においてそれぞれ開口する給排路が上記ウエハチャック内に設けられ、且つ、上記各給排路それぞれには熱伝導性に優れた流体の供給源と真空排気手段が互いに切り換え可能に接続されたウエハチャックを用い、上記プローブ検査中の集積回路の裏面に対応する上記分割領域ではこの分割領域の溝及び給排路に接続された上記供給源から熱伝導性に優れた流体を供給し、上記プローブ検査前後の集積回路の裏面に対応する上記分割領域ではこの分割領域の溝及び給排路に接続された上記真空排気手段により上記半導体ウエハを真空吸着することを特徴とする半導体ウエハの検査方法。
- 上記ウエハチャックを冷却することを特徴とする請求項6に記載の半導体ウエハの検査方法。
- 上記流体としてヘリウムガスを用いることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の半導体ウエハの検査方法。
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