[第一の実施例]
《画像形成装置例の全体的な概略構成》
図1は本実施例の画像形成装置の縦断正面模式図である。この画像形成装置は、像担持体としての電子写真感光体ドラムと、これに作用する画像形成プロセス手段とを有するプロセスカートリッジを画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置である。本実施例では4つのプロセスカートリッジ11Y・11M・11C・11Kを画像形成装置の装置本体3に対して取り外し可能に装着して、記録媒体Pに画像を形成する画像形成装置の一例の縦断正面模式図である。
図2はこの画像形成装置の外観斜視図である。図3は開閉扉2を開いて4つあるプロセスカートリッジの内の1つ11Yを挿入又は抜き出している途中状態を示した画像形成装置の外観斜視図である。
本実施例における画像形成装置1は、中間転写ベルト8を用いた、4連ドラム式(タンデム方式)の電子写真フルカラープリンタである。この画像形成装置1は、該装置の制御手段である制御回路部(CPU)Aと通信可能に接続した外部のホスト装置Bから入力する電気的画像情報に対応したフルカラー画像又はモノクロ画像を記録媒体としての記録材Pに形成して出力することができる。ホスト装置Bはコンピュータやイメージリーダー等である。制御回路部Aは、ホスト装置Bとの電気的信号の授受、画像形成プロセス機器との電気的信号の授受をして、作像シーケンス制御を実行する。
ここで、本実施例の画像形成装置1に関して、正面又は手前側(前側)とは開閉扉2を配設した側である。奥側(後側)とはそれとは反対側である。左右とは装置を正面から見て左又は右である。装置本体とは、プロセスカートリッジを除いた画像形成装置部分である。
4は中間転写ベルトユニットである。このユニット4は、装置内の右側に配設した2次転写内ローラ5と、装置内の左側に配設した従動ローラ6と、従動ローラ寄りに配設したテンションローラ7と、この3本のローラ間に掛け回した中間転写ベルト8と、を有する。中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)8は、誘電体で、フレキシブルなエンドレスベルトである。上記3本のローラ5・6・7は回転軸線方向を前後方向にして並行に配設されている。テンションローラ7は上方へ移動付勢されていてベルト8に張りを与えている。ベルト8は2次転写内ローラ5が回転駆動されることで、矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。従動ローラ6と2次転写内ローラ5との間の下行側のベルト部分の内側にはベルト移動方向に沿って左側から右側に順に所定の間隔をあけて第1から第4の4本の1次転写ローラ9が回転軸線方向を前後方向にして並行に配設されている。従動ローラ6のベルト懸回部の外側にはベルト8の外面を清掃するベルトクリーニング器10が配設されている。
ベルト8の下側には、複数のプロセスカートリッジ(以下、カートリッジと記す)が左右並列に配設されている。本実施例の装置では、従動ローラ6と2次転写内ローラ5との間の下行側のベルト部分の移動方向に沿って左側から右側に順に第1から第4の4つのカートリッジ11Y・11M・11C・11Kが配設されている。即ち、中間転写ベルトユニット4は第1から第4の4つのカートリッジ11Y・11M・11C・11Kに渡って配置されている。そして、各カートリッジは装置本体3に取り外し可能に装着される。その着脱構成については後述する。
各カートリッジ11は何れも同様の構成を有する電子写真プロセス機構であり、可転写画像が形成される像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)12を有する。また、ドラム12に作用する画像形成プロセス手段である、1次帯電器13、現像器14、ドラムクリーニング器15を有する。1次帯電器13は、ドラム12の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する帯電手段であり、帯電ローラを用いている。現像器14はドラム12に現像剤を供給してのドラム面に形成された静電潜像をトナー像(現像像)として顕像化する現像手段である。ドラムクリーニング器15はドラム12の表面を清掃するクリーニング手段であり、クリーニングブレードを用いている。
第1のカートリッジ11Yは、ドラム12にイエロー(Y)色のトナー像を形成するものであり、現像器14には現像剤としてY色のトナーを収容してある。第2のカートリッジ11Mは、ドラム12にマゼンタ(M)色のトナー像を形成するものであり、現像器14には現像剤としてM色のトナーを収容してある。第3のカートリッジ11Cは、ドラム12にシアン(C)色のトナー像を形成するものであり、現像器14には現像剤としてC色のトナーを収容してある。第4のカートリッジ11Kは、ドラム12にブラック(K)色のトナー像を形成するものであり、現像器14には現像剤としてK色のトナーを収容してある。
各カートリッジ11はドラム12の回転軸線方向を前後方向にして並行に配設されており、それぞれ、ドラム12の上面が、ベルト8の、従動ローラ6と2次転写内ローラ5との間の下行側のベルト部分の下面に対して接触している。前記の第1から第4の1次転写ローラ9は、それぞれ、対応するカートリッジのドラム12の上面に対してベルト8の下行側のベルト部分を挟んで対向する。各カートリッジにおいて、ドラム12とベルト8との接触部が1次転写部位T1である。
第1から第4のカートリッジ11Y・11M・11C・11Kの下側には、各カートリッジ11のドラム12に対する露光手段であるレーザースキャナユニット16が配設されている。このユニット16は、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調発光を行うレーザー発光手段、ポリゴンミラー、結像光学系、反射ミラー等で構成されている。
ユニット16の下側には、記録媒体としての記録材Pを積載して収容した用紙カセット17が配設されている。この用紙カセット17は画像形成装置の正面側から挿脱操作される(フロントローデング)。17a(図2)は用紙カセット17の正面板に設けたカセット挿脱操作用の取手部である。
2次転写内ローラ5のベルト懸回部の外側には、2次転写外ローラ22が配設されている。ベルト8と2次転写外ローラ22との接触部が2次転写部位T2である。
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。ホスト装置Bから制御回路部Aにフルカラー画像に関する電気的な記録画像信号が入力する。制御回路部Aは、入力した記録画像信号を所要に画像処理するとともに、第1から第4のカートリッジ11Y・11M・11C・11Kを所定の制御タイミングで駆動する。その駆動により各ドラム12が矢印の時計方向に所定の同じ速度で回転駆動される。帯電ローラ13はドラム12の回転に従動して回転する。ベルト8は駆動ローラである2次転写内ローラ5の回転駆動により矢印の反時計方向にドラム12の回転速度と同じ速度で回転される。回転するドラム12の表面が帯電ローラ13により所定の極性・電位に一様に帯電される。そのドラム12の帯電面がレーザースキャナユニット16により画像露光される。ユニット16は、制御回路部Aから入力する画像処理された記録画像信号に対応して変調したレーザー光Lを出力して、ドラム12の帯電面を走査露光する。これにより、ドラム面に走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像器14の現像ローラ14a(図5A)によりトナー像として現像される。
上記のような電子写真プロセスにより、第1のカートリッジ11Yでは、ドラム12の面にフルカラー画像のY色成分像に対応したY色トナー像が所定の制御タイミングで形成される。第2のカートリッジ11Mでは、ドラム12の面にフルカラー画像のM色成分像に対応のM色トナー像が所定の制御タイミングで形成される。第3のカートリッジ11Cではドラム12の面にフルカラー画像のC色成分像に対応のC色トナー像が所定の制御タイミングで形成される。また、第4のカートリッジKでは、ドラム12の面にフルカラー画像のK色成分像に対応のK色トナー像が所定の制御タイミングで形成される。
そして、第1のカートリッジ11Yの1次転写部位T1において、該カートリッジ11Yのドラム12に形成されたY色トナー像が回転駆動されているベルト8上に1次転写されていく。次いで、第2のカートリッジ11Mの1次転写部位T1において、該カートリッジ11Mのドラム12に形成されたM色トナー像が、ベルト8上の上記Y色トナー像に重ねられて1次転写される。更に、同様にして、第3のカートリッジ11Cと第4のカートリッジ11Kの各1次転写部位T1において、ベルト8上にC色トナー像とK色トナー像が順次に1次転写される。すなわち、ベルト8上に、Y色+M色+C色+K色の4色のトナー像が順次に所定に重ね合わされて転写(重畳転写・多重転写)されて、フルカラーの未定着トナー像が合成形成される。なお、ベルト8上に重畳転写する色トナー像の形成順序は上記の色順に限定されるものではない。
各1次転写部位T1において、ドラム12からベルト8へのトナー像の1次転写は、各1次転写ローラ9に対して電源部(不図示)から所定の1次転写バイアスが印加されて、ドラム12からベルト8へトナー像が静電転写されることでなされる。
また、各カートリッジにおいて、1次転写部位通過後のドラム12の面はドラムクリーニング器15により1次転写残トナーの除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
上記のようにしてベルト8上に合成形成されたフルカラー画像の未定着トナー像は、ベルト8の引き続く回転により搬送されて2次転写部位T2に至る。
一方、所定の制御タイミングにてピックアップローラ18が駆動されて、分離パッド19との協働で、カセット17から記録材Pが一枚分離給紙される。給紙された記録材Pは縦方向の搬送路20により上方に案内されてレジストローラ21に至る。そして、レジストローラ21で、ベルト8上のトナー像とタイミング合わせされた後、2次転写部位T2へと搬送される。記録材Pが2次転写部位T2を挟持搬送されていく過程において、2次転写外ローラ22に対して電源部(不図示)から所定の2次転写バイアスが印加されて、ベルト8上のフルカラーの未定着トナー像が記録材Pに対して一括して2次転写される。
2次転写部位T2を出た記録材Pは、ベルト8から分離されて搬送ガイド23に案内されて定着ユニット24に導入される。本実施例における定着ユニット24は、ヒートローラ24aと加圧ローラ24bのローラ対を基本構成部材とする熱圧定着装置であり、記録材Pは上記ローラ対24a・24bの圧接部である定着ニップ部に導入されて挟持搬送されることで、熱と圧力を受ける。これにより、各色トナー像のトナーが溶融混色してフルカラープリント画像として記録材の表面に定着(固着画像化)される。
定着ユニット24を出た記録材Pは、第1排紙ローラ対25、搬送路26、第2排紙ローラ対27の経路を通って、排紙口28から、装置上面の排紙トレイ29に排出される。
また、記録材分離後のベルト8の面は、引き続くベルト8の回転過程でベルトクリーニング器10によって2次転写残トナーの除去を受けてクリーニングされ、次の作像工程に備える。
モノクロプリントモードの場合は、K色のトナー像を形成する第4のカートリッジ11Kだけが作像動作制御される。第1から第3のカートリッジ11Y・11M・11Cはそれぞれドラム12の回転駆動はなされるが、作像動作されない。
本実施例の画像形成装置は、中間転写ベルトユニット4の下方に第1から第4のカートリッジ11Y・11M・11C・11Kを配置することで、上方に配置する場合と比較して、K色トナー像の1次転写部位T1と2次転写部位T2との距離を短縮している。これにより、記録材Pをピックアッツプしてから排紙するまでの時間を短縮している。
装置本体3に装着されている第1から第4の各カートリッジ11(11Y・11M・11C・11K)は、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、現像器14に収容されている現像剤(トナー)が消費される。そこで、例えば、個々のカートリッジの現像剤残量を検知する検知手段(不図示)をカートリッジに設ける。そして、制御回路部Aにおいて、前記検知手段で検知した残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、前記残量値が前記閾値よりも少ない残量値まで現像剤が減少したカートリッジについては、操作盤30に配設されている表示部に、そのカートリッジについての寿命予告或いは寿命警告を表示させる。これによりユーザーに、交換用のカートリッジの準備を促す、或いはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持している。
《カートリッジ》
各カートリッジ11は、何れも同様の構成・形状をとっている。図4の(a)はカートリッジを被駆動側から見た斜視図、(b)は駆動側から見た斜視図である。カートリッジは、ドラム12の回転軸線方向O−Oを長手とするアセンブリであり、カートリッジ枠体31内に、図1・図5Aのように、ドラム12、一次帯電器としての帯電ローラ13、現像器14、ドラムクリーニング器15が所定に組み込まれている。ドラム12は、カートリッジ枠体31の一方端側と他方端側に配設した軸受け部32と33との間に回転可能に支持させて配設されている。カートリッジ枠体31の他方端側の端面には、ドラム駆動カップリング34と、現像駆動カップリング35と、第1と第2の電気接点部36・37を有する。ドラム駆動カップリング34は、装置本体3側からドラム12を回転するための駆動力を受けるドラム駆動力受け部である。現像駆動カップリング35は、装置本体3側から現像器14の現像ローラ14a(図5A)を回転するための駆動力を受ける現像ローラ駆動力受け部である。第1の電気接点部36は装置本体3側から帯電ローラ13へ供給する帯電バイアスを受ける電気接点である。第2の電気接点部37は装置本体3側から現像ローラ14aへ供給する現像バイアスを受ける電気接点である。
カートリッジ11において、ドラム駆動カップリング34と現像駆動カップリング35を配設した側が駆動側であり、その反対側が非駆動側である。カートリッジ枠体31の底面には、底面短手方向のほぼ中央部に底面長手方向に沿ってレーザー光入射開口部としてのスリット開口38(図5A)が形成されている。
《カートリッジの交換方式》
図5Bにおいて、61と62は、装置本体3の骨格をなす本体フレームの手前側フレームと奥側フレームである。図1に示すように、中間転写ベルトユニット4とレーザースキャナユニット16は、対向している手前側フレーム61と奥側フレーム62の両フレーム間の上部と下部に、位置決め部と、被位置決め部と、固定部材とにより、位置決めされている。
また、手前側フレーム61と奥側フレーム62の両フレーム間であって、中間転写ベルトユニット4とレーザースキャナユニット16との間の空間部がカートリッジ収納部3Aである。
この収納部3Aには、移動部材であるトレイ41(41Y・41M・41C・41K)が移動可能に設けられている。トレイ41は、カートリッジ11を保持して、カートリッジ11を装置本体3に位置決めする第1の位置(図7参照)と、前記第1の位置から退避させて装置本体3に対してカートリッジ11を着脱可能にする第2の位置(図8参照)とを、とり得る。
以下に説明するように、図6に示すように、トレイ41は、第1の位置でカートリッジ11を装置本体へ付勢して保持する付勢部材43K、44Kを具備している。
トレイ41は、左右方向に並列に配設されている。各トレイ41は、カートリッジ11の底面形状に略対応した形状・大きさを有する部材であり、長手方向を前後方向にして、水平に、そして左側から右側に平行に、配列されている。そして、各トレイは、後述するように、開閉扉2の開閉動作に連動する昇降機構により同期して一緒に昇降する。
本実施例においては、各トレイ41は、開閉扉2の閉じ動作に連動して上昇移動されて、カートリッジ11を装置本体3に対して位置決めする第1の位置に保持される。また、各トレイ41は、開閉扉2の開き動作に連動して下方に移動する。そして、各トレイ41は、カートリッジ11を装置本体3に対して着脱可能にする第2の位置に保持される。
本実施例の画像形成装置1において、カートリッジ11の交換は、図2のように画像形成装置1の前面側に配設した開閉扉2を図3のように開いてフロントアクセスにより交換する方式である。2aは開閉扉2に配設した開閉操作用の取手部である。開閉扉2を開くと、本体フレームの手前側フレーム61に設けた開口部61aが露出する。
この開口部61aは、装置本体3内に各カートリッジ11を挿入する、及び、装置本体3内から各カートリッジ11を取り出すために、カートリッジ11を通過させる開口部、即ち、カートリッジ11の着脱を行うための開口部である。
各カートリッジ11の装置本体3に対する着脱方向はドラム12の軸線方向(カートリッジの長手方向)である。カートリッジ11の挿入は、開閉扉2が開かれ、トレイ41が第2の位置(図8参照)に保持されている状態において、カートリッジ11を、その駆動側を先にして開口部61aから装置本体3内に挿入して、カートリッジ11の駆動側をトレイ41上に載せる。そのカートリッジ11を、トレイ41上をスライド移動させて装置本体3内に十分に押し込む。そうすると、後述するように、スラストバー(スラスト付勢部材)145K(図8参照)により、カートリッジ11が奥側フレーム62の方向に付勢される。これにより、カートリッジ11の奥側端面部が奥側フレーム62に突き当って、カートリッジ11の装着方向の位置が規制される(図9〜図10参照)。
また、カートリッジ11の取り出しは、トレイ41が第2の位置に保持されている状態において、カートリッジ11を、装着方向とは逆方向にトレイ41上をスライド移動させて引き出すことでなされる(図11〜図12参照)。
前述したように、各トレイ41は、開閉扉2の開閉動作に連動する昇降機構により同期して一緒に昇降する。
トレイ41が第1の位置(図7参照)に保持された状態において、カートリッジ11は、手前側と奥側の軸受け部32・33の上側部が、本体フレームの手前側と奥側フレーム61・62に設けた突き当て部63・64に突き当る。図5Cの(a)はこの突き当て状態を示している。位置決め部としての突き当て部(プロセスカートリッジ突き当て部)63・64は山形の切り欠き凹部である。被位置決め部としての軸受け部32・33の上側部は円弧面の凸部である。そして上記の凸部は上記の凹部に嵌り込むことで突き当て面の2点a・bで相互接触する。そして、後述するように、トレイ41に配設されていて、カートリッジ11を弾性的に受け止めて支持する付勢部材(付勢手段)43K・44Kによる付勢力Fで、軸受け部32・33が突き当て部63・64に弾性的に押し付けられる。これにより、カートリッジ11は、本体フレームの手前側と奥側フレーム61・62に対して位置決め固定される。即ち、カートリッジ11は、同じく手前側と奥側フレーム61・62に対して位置決めされて配設されている中間転写ベルトユニット4とレーザースキャナユニット16に対して所定に位置決めされた状態になる。中間転写ベルトユニット4に対しては、ドラム12がベルト8に接触した状態位置に位置決め固定される。
また、トレイ41が第2の位置(図8参照)に保持された状態において、カートリッジ11は、図5Cの(b)のように、手前側と奥側の軸受け部32・33が、手前側と奥側フレーム61・62の突き当て部63・64から離間する。これにより、カートリッジ11は、装置本体3に対する位置決め固定が解除されて、装置本体3内からの取り出しが可能となる。
《トレイ昇降機構》
本実施例においては、このトレイ41は、カートリッジ11の底面と側面を支持して第1の位置と第2の位置とに移動可能である。そして、第1の位置は第2の位置に対して上方の位置にある。また、本実施例の画像形成装置1に示すようにカートリッジ11を複数備える装置では、このトレイ41をその複数のカートリッジ11に対応して複数備える。
第1から第4のトレイ41を昇降させるトレイ昇降機構(保持手段)の構成及び動作は同じなので、図6乃至図14を用いて、第4のカートリッジ11Kのトレイ昇降機構50Kの構成と動作を代表して説明する。
図6と図7は、トレイ41Kを第1の位置に上昇移動させた際のトレイ昇降機構50Kの断面図と斜視図である。図8はトレイ41Kを第2の位置に下降移動させた状態のトレイ昇降機構50Kの斜視図であり、カートリッジ11Kは取り除いてある。
トレイ41Kの手前側端部は、リンク軸120と一体に回転する手前側のトレイアーム部材101Kの先端部に対して連結軸103Kを介して回動自由に支持されている。また、トレイ41Kの奥側端部は、固定の支持部材104Kに連結軸105Kを介して回動自由に支持させた奥側のトレイアーム部材102Kの先端部に対して連結軸106Kを介して回動自由に支持されている。
トレイ41Kは、上記のリンク軸120と、手前側のトレイアーム部材101Kと、連結軸103Kと、連結軸105Kと、奥側のトレイアーム部材102Kと、連結軸106Kとで平行4辺形リンク機構を構成している。
リンク軸120は、他のトレイ41C、41M、41Yの方向に延長されており、その延長部に対して他のトレイに対応したトレイアーム部材(101Y・101M・101C:不図示)が固定されて配設されている。そして、他のトレイ41C、41M、41Yについても、上記のトレイ41Kと同様に平行4辺形リンク機構が構成されている。
リンク軸120にはリンクレバー121が固定されて取付けられている。このリンクレバー121が回動されることで、リンクレバー121と一体にリンク軸120が回動される。そして、リンク軸120が回動されることにより、各トレイ41が上記の平行4辺形リンク機構により、同期して、一緒に斜めに上下平行移動する。
リンクレバー121が起立方向である矢印124の方向に回動されると、トレイ41Kが弧を描きつつ上昇移動する。これにより、トレイ41Kが、第1の位置に移動する(図6・図7)。
逆に、リンクレバー121が手前側への倒し方向である矢印123の方向に回動されると、トレイ41Kが弧を描きつつ下降移動する。これにより、トレイ41Kが、第2の位置に移動する(図8・図11)。
リンクレバー121は、画像形成装置の開閉扉2の開閉動作に連動して回動動作する。開閉扉2とリンクレバー121の連動機構は図に省略した。
即ち、リンクレバー121は、開閉扉2の装置本体3に対する閉じ回動に連動して矢印124の方向に回動する。これにより、トレイ41Kが上昇移動して、第1の位置に移動する。そして、リンクレバー121は、開閉扉2が完全に閉じると、トレイ41Kの第1の位置状態において手前側フレーム61側の受け部(不図示)に当接して回転止めされる。
また、リンクレバー121は、開閉扉2の装置本体3に対する開き回動に連動して矢印123の方向に回動する。これにより、トレイ41Kが下方に移動して、第2の位置に移動する。
42K(図8)は、トレイ面の短手方向のほぼ中央部にトレイ長手方向に沿って形成したレーザー光入射開口部としてのスリット開口である。
各トレイ41に、それぞれ対応するカートリッジ11が載置された状態において、カートリッジ枠体31の底面側のスリット開口38(図5A)が、トレイ41側のスリット開口42に対応して位置する。そして、トレイ41よりも下側のレーザースキャナユニット16から上向きに出射されるレーザー光Lが上記のスリット開口42・38を通ってカートリッジ11内に下から上に入射する。
また、図6に示すように、43Kと44Kは、トレイ上面115Kの手前側と奥側とにそれぞれ配設した、カートリッジ11Kを弾性的に受け止めて支持する付勢部材(付勢手段)である。この付勢部材43K・44Kは、トレイ41Kの前記第1の位置でカートリッジ11Kを装置本体の所定位置(突き当て部63・64)へ付勢して保持する。
この手前側と奥側の付勢部材43K・44Kは、それぞれ、トレイ41に形成した付勢部材収納部46K内に収容されている。そして、付勢部材43K・44Kは、コイルバネ48Kと押圧部47Kとで構成されている。押圧部47Kの上部は、トレイ41の上面115Kに設けられた穴(第2の開口)45Kから突出している。トレイ41が第2の位置に位置する際(図12、図13参照)は、押圧部47Kのフランジ部47K1が、上面115Kの裏面である突き当て部130Kに突き当たり、押圧部47Kは上面115KからH1だけ突出している。そして、トレイ41が第1の位置に位置する際(図6参照)は、上面115Kの裏面である突き当て部130とフランジ部47K1との間には、所定量の隙間G1が生じる。そして、押圧部47Kは上面115KからH2だけ突出している状態になる。即ち、コイルバネ48Kは、圧縮されてカートリッジ11Kを突き当て部63・64に押圧する。
また、トレイ41Kが第1の位置にある時、手前側と奥側のトレイアーム101K、102Kは、図6のように、リンク軸120の回動中心に対してトレイ41Kの回動中心の位置が垂直方向に対してフレーム側にα°傾いた状態に保持されている。こうする事で、第1の位置でトレイ41Kは矢印124の方向へ回動しようとする力が働きつづける。リンクレバー121を手前側フレーム61側の受け部(不図示)に当接させて回転止めして位置決めする構成にすることで、リンクレバー121に常に手前側フレーム61に突き当る方向へ力が働いている状態にしている。このため、部品のバラツキや振動、落下などでトレイ41Kが第2の位置(図8参照)へ移動する事を防止でき、トレイ41Kの第1の位置に対する保持状態が安定する。
また、図6に示すように、トレイ41Kに形成した保持部111Kに、カートリッジ11の挿脱時にカートリッジ11をガイドするガイド部材(補助レール)110Kが、上下方向にスライド可能(移動可能)に取付けられている。そして図8に示すように、トレイ41Kの上面115Kには、ガイド部材110Kが上面115Kから突出するための第1の開口111K1が設けられている。開口111K1は手前側と奥側の付勢部材43Kと44Kの間においてトレイ11の長手方向に沿って形成されている。ガイド部材110Kは、この開口111Kの長さに対応した長さを有する。そして、ガイド部材110Kは、図6のように、トレイ41Kが第1の位置に移動されている状態おいては、カートリッジ11Kに接触しないように、隙間G2をあけた状態で、凹部111に保持される。即ち、ガイド部材110Kは、トレイ41Kの第2の位置では、カートリッジ11Kを支持した状態(ガイド位置)となり、第1の位置ではカートリッジ11から離間した状態(離間位置)となるように構成されている。ガイド部材110Kは離間位置においては、ガイド面110bがトレイ41Kの上面115Kと同一の高さになるか、上面115Kよりも凹んだ位置に退避する。詳細な構成については後で述べる。
図8に示すように、145Kはスラスト付勢部材としてのスラストレバーであり、図9に示すようにトレイ41Kに回動自在に保持されている。トレイ41K上のカートリッジ11Kは、スラストバネ146Kにより付勢されたスラストレバー145Kにより奥側フレーム62の方向に付勢されて、奥側端面部が奥側フレーム62の内面に常時突き当てられている。このとき、スラストレバー145Kは図18に示すように、カートリッジ11Kに設けられた係合穴11K1に係合することで付勢される。これにより、カートリッジ11Kは、装置本体3に対する装着方向の位置が規制されて、奥側フレーム62へ付勢されつつ第1の位置と第2の位置とに移動する構成にしてある。
また、カートリッジ11Kの駆動側の第1と第2の電気接点部36・37に対して、装置本体側の第1と第2の本体電気接点部(不図示)が電気的に結合される。この場合、スラストレバー145Kの突き当て力は、カートリッジ11Kを奥側フレーム62に突き当てることを保証するために、電気接点の接点圧に対して十分に大きな力になるように設計している。
また、トレイ41Kの側面117Kには、図8に示すように規制部である係合部116Kが設けられている。係合部116Kは、トレイ41Kが第2の位置に位置し、カートリッジ11Kを着脱する際に、カートリッジ11Kに設けられた溝31aと係合する。そしてカートリッジ11Kが、上方に移動するのを規制する。即ち、カートリッジ11Kを着脱する際に、ベルト8と感光体12とが接触して、ベルト8と感光体12が傷つくのを防ぐようにしている。
以下に、プロセスカートリッジ11交換時における各部の動作を説明する。
(i)図6は画像形成装置の開閉扉2が閉じられている状態時である。この状態時においては、開閉扉2の閉じ込みに連動してリンクレバー121が矢印124に回動している。これにより、トレイ41Kが上昇移動して、カートリッジ11Kを第1の位置に移動している。リンクレバー121は、手前側フレーム61側の受け部に当接して回転止めされている。カートリッジ11Kは、奥側の端面部が奥側フレーム62の内面に突き当って受け止められていて、装置本体3に対する装着方向の位置が規制されている。また、カートリッジ11Kは、手前側と奥側の手前側と奥側の軸受け部32・33が、手前側と奥側フレーム61・62の突き当て部63・64に対して付勢部材43K・44kの付勢力Fで突き当てられて位置決め固定されている(図5Cの(a))。また、カートリッジ11Kの駆動側のドラム駆動カップリング34と現像駆動カップリング35に対してそれぞれ装置本体側の駆動ユニット(不図示)が結合している状態になっている。また、カートリッジ11Kの第1と第2の電気接点部36・37に対して、装置本体3側の第1と第2の本体電気接点部(不図示)が電気的に結合している状態になっている。即ち、画像形成装置1は、画像形成動作可能状態になっている。
(ii)カートリッジ11の新旧交換等のために、上記の図6の状態から、画像形成装置の開閉扉2が開かれると、この開閉扉2の開き回動に連動して、リンクレバー121が矢印123の方向に回動する。
これにより、トレイアーム部材101K、102Kの回動軌跡に合わせて、図9に示すように、トレイ41Kが弧を描くように手前側に移動する。トレイアーム部材101K、102Kが角度α°回動した後、押圧部47Kが突き当て部130に当接するまでの角度β°回動するまでの間、カートリッジ11Kは、押圧部47Kによりフレーム61・62に対して付勢され続けている。そのため、カートリッジ11Kは、突き当て部53、64に位置決めされた状態で静止している。また、カートリッジ11Kドラム駆動カップリング34と現像駆動カップリング35から、装置本体側の駆動ユニット(不図示)が離れ移動する。また、カートリッジ11Kの第1と第2の電気接点部36・37から、装置本体側の第1と第2の本体電気接点部が離れ移動する。
(iii)更にリンクレバー121が回動すると、押圧部47Kに乗った状態で、カートリッジ11Kが下降し始める。この時も、スラストレバー145Kによりカートリッジ11Kは奥側フレーム62へ当接するように付勢されているため、トレイ41Kは弧を描きながら下降するが、カートリッジ11Kは奥側フレーム62へ当接しつつ下降する。
(iv)カートリッジ11Kが下降しつづけると、図10に示すように、ガイド部材110のガイド支持部110aが連結フレーム163に接触する。これにより、トレイ41Kが下降しても、ガイド部材110は下降しないため、ガイド面110bがトレイ上面115Kより相対的に高くなる。
(v)図11に示すように、開閉扉2が十分に開かれて、リンクレバー121の回動が所定の角度で停止すると、トレイ41Kは第2の位置の状態で静止する。この際に、トレイ41Kを第2の位置に保持するのは、トレイアーム101K、102K、又はフレーム61・62、又は連結フレーム168のいずれでも構わない。
ガイド部材110は、トレイ41Kが第2の位置に位置する際に、連結フレーム168と当接して保持されて、トレイ上面115Kに設けられた開口111Kから突出する。本実施例において、ガイド部材110のトレイ上面115Kから突出量は、第2の位置における付勢部材43K・44kのトレイ上面115Kから突出量H1と同じになっている。即ち、ガイド面110bと、押圧部47Kは、トレイ上面115Kから同じ高さになっている。
また、カートリッジ11Kはスラストレバー145Kにより奥側フレーム62に当接するように付勢されている。このとき、スラストレバー145Kは、トレイ41Kの第1の位置でカートリッジ11Kを奥側フレーム62の方向に付勢していた位置に対してγ°動いた状態となっている。
そして、トレイ41Kは第1の位置(図6)に対して距離L1だけ手前側へも移動した状態になっている。カートリッジ11Kは奥側の押圧部47Kとガイド部材110に乗った状態で支持されている。即ち、ガイド部材110は、トレイ41Kの第2の位置では装置本体側である連結フレーム168上に支持されて、カートリッジ11Kを支持した状態になる。トレイ41Kの第2の位置では、ガイド部材110Kと付勢部材43K、44Kがカートリッジ11Kを支持している。
(vi)カートリッジ11Kの交換のため、ユーザーがカートリッジ11Kを取り出そうとすると、図12に示すように、カートリッジ11Kによりスラストレバー145Kが押し戻される。そして、スラストレバー145Kが所定角度η°まで戻されると、スラストバネ(不図示)がスラストレバー145Kの回動中心を越えることで、スラストレバー145Kを反時計方向へ回動させる動作をする。
カートリッジ11Kを取り出す時に、手前側の押圧部47Kとガイド部材110のガイド面110bが同じ高さのため、カートリッジ11Kが手前側の押圧部47Kに引っかかることはなく、カートリッジ11Kをスムーズに取り出すことができる。
そして、新品のカートリッジ11Kを挿入する時も、手前側の押圧部47Kとガイド部材110Kのガイド面110bが同じ高さのため、カートリッジ11Kが手前側の押圧部47Kに引っかかることはない。また、奥側の押圧部47Kとガイド部材110Kのガイド面110bが同じ高さのため、カートリッジ11Kが奥側の押圧部47Kに引っかかることはない。これにより、カートリッジ11Kをスムーズに挿入する事ができる。
尚、本実施例においては、押圧部47Kとガイド部材110Kのガイド面110bが同じ高さである構成を記載した。しかし、カートリッジ11Kを着脱する際に支障が無ければ、押圧部47Kとガイド面110bとの間に段差があっても問題ない。即ち、本発明においては、押圧部47Kとガイド部材110Kのガイド面110bが同じ高さに限られるものではない。
しかし、もしガイド部材110がなかった場合は、カートリッジ11Kを着脱するときに、手前側や奥側の押圧部47Kに引っかかる。そのため、カートリッジ11が押圧部47Kに乗り上げるために余計な力が必要となり装着性が良くない。特に新品のカートリッジ11Kは2〜3kgと非常に重く、引っかかり、乗り越えのための操作力は非常に大きい。カートリッジ11が奥側の押圧部47Kに引っかかっている状況はユーザーから見えにくい。
(vii)カートリッジ11Kを挿入していくと、図13に示すように、スラストレバー145Kの突起部145aにカートリッジ11Kが突き当る。その状態からさらに押し込むとスラストレバー145Kがカートリッジ11Kにより回動する。そして、所定角度η°まで回動すると、スラストバネ146Kの作用でスラストレバー145Kが回動する。そして、突起部145bがカートリッジ11Kを奥側フレーム62の方向に押し出す事で、図14のように、カートリッジ11Kの奥側端面部が奥側フレーム62の内面に突き当てられる。
スラストレバー145Kを所定角度η°まで回動させるのは、ユーザーであるため操作力の変動は極力小さくする必要がある。本発明者らの設計によれば、例えば、200〜300gf程度の変動値であれば、問題なく挿入可能である事を確認している。
このスラストレバー145Kの作用でカートリッジ11Kを奥側フレーム62に突き当てる事で、ユーザーはカートリッジ11Kが装置本体3内に引き込まれてセットされた事を音と視覚の両方で感じ取る事ができる。
更に、カートリッジ11Kを中途半端な状態でセット位置であると誤解されにくいため、カートリッジ交換作業のミスを大幅に減らす事が可能となる。
また前述したように、カートリッジ11Kの取り出し、又は挿入の際に、カートリッジ11K側に設けた溝31aがトレイ41K側に設けた係合部116Kに入る構成にする。これにより、ユーザーの操作によりベルト8にカートリッジ11Kが接触し、ベルト8やドラム12に接触傷が発生することを防止している。
(viii)図14の状態から、開閉扉2を閉じ回動する。この開閉扉2の閉じ回動に連動してリンクレバー121が矢印124の方向に回動し、トレイ41Kが弧を描くように上昇する。これにより、図14に示すように、ガイド部材110Kの受け面110cにトレイ41Kが当接し、トレイ41Kの上昇と共にガイド部材110Kも上昇するようになり、ガイド支持部110aは連結フレーム163から離れる。
そして、カートリッジ11Kの手前側と奥側の軸受け部(被位置決め部)32・33が、それぞれ、手前側と奥側のフレーム61・62の突き当て部(位置決め部)63・64に当接する。更に、カートリッジ11Kを付勢するために、手前側と奥側の押圧部47Kが押し込まれる時には、ガイド部材110Kはカートリッジ11Kに対して退避している。即ち、ガイド部材110Kは、トレイ41Kの第1の位置ではカートリッジ11Kを支持しない状態となっている。そのため、ガイド部材110Kは、カートリッジ11Kがコイルバネ48Kを押し縮めながら相対的にトレイ41Kに近づいてきた時にも、カートリッジ11Kに干渉することなく邪魔にはならない。尚、ガイド部材110Kは、トレイ41Kが第1の位置に移動することによって、支持部110aが連結フレーム163から離間する。即ち、ガイド部材110Kは押し上げられる力を受けない為、ガイド部材110Kは自重で保持部111Kに落下して保持される。
手前側と奥側の押圧部47Kは、コイルバネ48Kを押し縮めながらカートリッジ11Kにより押し込まれるときに、弧を描きながら上昇するトレイ41Kに合わせて収納部46Kの奥側へスライドしながら徐々に押し込まれる。手前側と奥側の押圧部47Kがコイルバネ48Kを押し縮めながら押し込まれることにより、トレイ41Kにかかる負荷がユーザーの操作力の変化になるが、変化が徐々に行われる構成であるため、操作力の変動が抑えられる効果がある。
(ix)そこから更に開閉扉2が完全に閉められることで、図6に示すように、トレイ41Kが第1の位置に保持する。また、カートリッジ11Kの駆動側のドラム駆動カップリング34と現像駆動カップリング35に対してそれぞれ装置本体側の駆動ユニット(不図示)が結合動作する。また、カートリッジ11Kの第1と第2の電気接点部36・37に対して、装置本体側の第1と第2の本体電気接点部が結合動作する。
トレイ41Kに載置されたカートリッジ11Kは、トレイ41Kに備えたスラスト付勢部材145Kにより本体フレームの奥側フレーム62へ付勢されつつ第1の位置と第2の位置とに移動する。
以上、便宜上、第4のカートリッジ11Kとそのトレイ昇降機構50Kを代表して説明したが、他のカートリッジ11Y、11M、11Cと、そのトレイ昇降機構(50Y、50M、50C)についても、同様である。
以上の説明により、ユーザーがカートリッジ11Kを交換する際に、開閉扉2の開閉動作と、アートリッジ11Kの着脱動作が連携する事によりスムーズな交換が可能である事を示した。
特に、トレイ41の第2の位置においてカートリッジ11Kの取り出し、挿入の際にガイド部材110Kと押圧部47Kの高さが同じである事で、カートリッジ11Kの装着性を向上させている。
更に、トレイ41の第1の位置では、カートリッジ11に対して所定隙間G2がある状態まで退避することで、カートリッジ形状に制約を与えることなく、容量を最大限確保する事が可能となる。
本実施例の画像形成装置は、小型化のために、図1のような構成にしている。即ち、第1から第4の各カートリッジを、各カートリッジ11のドラム間の間隔Pdrmを狭くしつつ、隣り合うカートリッジ11を積み重なるようにオーバーラップさせた配置にしている。
画像形成装置1において、小型化と、中間転写ベルト8へのトナー像形成に必要な時間の短縮(高い生産性)を両立するには、各カートリッジ11のドラム間の間隔Pdrmをなるべく短くする事が望ましい。しかし、カートリッジ11は1次転写部位T1を挟んで、ドラム回転方向の上流側に現像手段・帯電手段、下流側にクリーニング手段を配置する必要があるので、ドラムに対してカートリッジ11の左右に所定の配置空間が必要になる。左右の配置空間を確保しつつ、間隔Pdrmを短くするために、本実施例に於いては、前述のように、隣り合うプロセスカートリッジ11が積み重なるようにオーバーラップさせて配置している。
本実施例においては、カートリッジ11の装置本体3に対する位置決めは、カートリッジ11側の軸受け部32・33を、装置本体側の位置決め部としての手前側と奥側の突き当て部63・64に当接させる突き当て方式としている。この突き当てによるカートリッジ11の位置決め位置決めは、穴による嵌合での位置決めと比較して、カートリッジ11Y・11M・11C・11Kを装置本体3側のフレーム61・62に対してガタの少ない高精度な位置決めが可能となる。
各カートリッジ11の相対的な位置ズレは1次転写される画像のズレに直結するためカラー画質に多大な影響を与える。そのため、カートリッジ11の、突き当てによるガタの少ない位置決めはカラー画質の向上に大変有効な手段と言える。
また、図5Cのように、被位置決め部である軸受け部32・33と位置決め部である突き当て部63・64の突き当て面の2点a・bと付勢部材43・44の付勢力Fによる位置決めである。そのため、付勢部材43・44を設けたトレイ41を退避させることで、カートリッジ11を位置決め部から離間させる事ができる。本実施例のように、付勢部材43・44をカートリッジ41の下に配置することで、カートリッジ11を交換する際の装置本体の開口部61aを広く確保する事ができ、挿抜時に障害物のないユーザビリティに優れた配置が可能となる。
本実施例は、隣り合うカートリッジ11が重なり合うオーバーラップ配置である構成で説明を行ったが、カートリッジ11が重なり合わない配置である場合も適用可能である。
以上説明したように、各カートリッジ11を付勢する付勢部材43、44を備えたトレイ41が装置本体3内でベルト8に対して略平行に昇降可能に本体フレーム61、62に取付けられている。そして、トレイ41は、各カートリッジ11をフレーム61・62の突き当て部63・64に突き当てて保持した第1の位置と、突き当て部63・64から離れた第2の位置と、をとり得る。さらに、トレイ41に備えた付勢部材43、44は、第2の位置ではトレイ41のカートリッジ11に対向する面に対して所定量飛び出した状態でトレイ41に支持され、カートリッジ11に当接し支持している。トレイ41と相対的に独立して移動可能に保持されたガイド部材110は、第1の位置ではカートリッジ11に対して所定の隙間を空けた状態で退避する。第2の位置では付勢部材43、44のカートリッジ11の当接面とガイド部材110の少なくとも一部の面が同じ高さになる。これにより、ユーザーがカートリッジ11を取り出し、または、挿入する際に、カートリッジ11が引っかかる事や付勢部材43、44の凸部を乗り上げる事による操作力の変動を防止することができる。そのため、操作性が良く、省スペース、低コストの画像形成装置1を提供することができる。即ち、ガイド部材110があれば、カートリッジ11を挿入する際に、従来技術のように、付勢部材43、44とカートリッジ11とが接触しないように上方に少し持ち上げてガイドする必要がない。その分、画像形成装置1の高さWお抑えることができ、また、装着性も良くすることができる。
本実施例は、複数のカートリッジ11を用いる画像形成装置の構成で説明を行ったが、本発明はカートリッジ11が1つの画像形成装置に於いても適用可能である。
[第二の実施例]
以下に第二の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
図15は第二の実施例である画像形成装置のカートリッジ11保持構成の要部説明図である。トレイ41Kが、カートリッジ11Kを画像形成可能部位から退避させて装置本体に対して着脱可能部位に位置付けた第2の位置に移動されているときの断面図である。
この第二の実施例は、第一の実施例の画像形成装置に対して、ガイド部材の構成が大きく異なる。第一の実施例と異なる点を中心に説明を行う。
第一の実施例と比較して、ガイド部材160を手前側と奥側の2つ用意して、それぞれ回動中心160dで揺動する構成としている。そのため、ガイドする面は傾斜面160eと押圧部47Kと同じ高さのガイド面160bで形成されている。
カートリッジ11Kを、取り出し、または、挿入する際には、トレイ面115Kから傾斜面160eを緩やかに乗り上げていき、ガイド面160bまで昇った後に、押圧部47Kに受け渡される。
傾斜面160eは緩やかな角度で設計している。例えば5°程度である。
このような構成でも、従来と比較して、操作力の変動は非常に小さな範囲に収める事ができる。また、第一の実施例と比較して、ガイド部材160が長手を占有しない構成であるため、トレイ41Kの長手中央部に他の機能を実装する事も可能になる。
ただし、傾斜面160eを乗り上げる時にユーザーは操作力が変動を受ける事になる。
[第三の実施例]
以下に第三の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
図16は第三の実施例である画像形成装置のカートリッジ保持構成の要部説明図である。第一及び第二の実施例と異なる点を中心に説明する。
この第三の実施例における特徴は、各カートリッジ11を水平ではなく、斜めに配置している事である。カートリッジ11を斜めに配置することで、カートリッジ11の自重が矢印128にかかるため、トレイ41はカートリッジ11の底面と側面に荷重を分散させて支えるように構成している。
そのため、第一の実施例と比較して底面に接する面が少なく、側面に接する面が増加している。
また、カートリッジ11に突出部であるリブ138b、トレイに溝部139bを設けてカートリッジ11の転倒を防止している。リンク軸120はカートリッジ11の傾斜角に合わせて斜めに配置し、リンクレバー121も同様に斜めに配置される。
図17は、カートリッジ11を取外した状態のカートリッジ保持構成の要部説明図である。第一の実施例と比較して、底面に対応した面が少なくなったため、41にスリット開口を設けることなく、レーザーをドラムに照射可能になっている。
また、付勢部材43・44の押圧部47とコイルバネ、ガイド部材110をカートリッジ11の斜め配置に合わせて配置を変更している。
以上説明したように、本発明は、カートリッジの配置が水平、斜めに関わらず適用可能であり、カートリッジの配置の自由度が高く、より多くの画像形成装置に適用可能である。
[第四の実施例]
以下に第四の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。尚、第一の実施例と異なる部分だけ説明する。
図19は第四の実施例である移動部材であるトレイ241Kの斜視図である。第一の実施例では、ガイド部材は、カートリッジを装置本体に着脱する方向において付勢部材の間に配置した。しかし、本実施例においては、ガイド部材215Kは、付勢部材244K、247Kと並んで配置され、ガイド部材215Kの長さは、付勢部材244Kと付勢部材247Kとの間の距離よりも長い構成になっている。この構成でも、前述した実施例1と同じ効果を得ることができる。
[その他の事項]
(i)実施例は、複数のカートリッジを用いる画像形成装置の構成で説明を行ったが、本発明はカートリッジが1つの画像形成装置に於いても適用可能である。
(ii)画像形成装置の画像形成方式は、電子写真画像形成方式に限られず、像担持体として静電記録誘電体を用いた静電記録画像形成方式、磁気記録磁性体を用いる磁気記録画像形成方式などであってもよい。
(iii)実施例は、プロセスカートリッジを用いて説明を行ったが、装置本体に着脱可能なものであれば、プロセスカートリッジに限られるものではない。例えば、プロセスカートリッジに現像剤を供給するための補給カートリッジであっても良い。