JP4484031B2 - 誘電体粉末、該誘電体粉末を含有するグリーンシート並びに誘電体材料 - Google Patents

誘電体粉末、該誘電体粉末を含有するグリーンシート並びに誘電体材料 Download PDF

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本発明は、高い比誘電率を有する誘電体粉末に関し、詳しくは比較的低い温度で焼結することができ、しかも高誘電率の誘電体材料を得ることができる誘電体粉末に関する。
従来、積層型セラミックコンデンサに用いられる誘電体材料としては、比誘電率εが6000〜10000程度のチタン酸バリウム(BaTiO)系の誘電体粉末があり、電気容量の観点から積層型セラミックコンデンサに多く適用されてきた。
一般に、積層型セラミックコンデンサは、誘電体粉末からなるグリーンシート上に電極ペーストを塗布し、該グリーンシートを所定の電気容量となるように複数枚積層して前記電極を同時に焼結一体化し、複数の誘電体層の間に内部電極を形成し構成されている。
しかしながら、チタン酸バリウム(BaTiO)系の誘電体粉末は焼結温度が1300〜1400℃程度と高温であり、しかも積層型セラミックコンデンサの誘電体材料として使用するためには、同時焼結する内部電極材料として高融点、高温還元性の貴金属であるパラジウム(Pd)、白金(Pt)等を使用しなれければならず、安価で小型・大容量の積層型セラミックコンデンサを製造することが困難であるという欠点がある。
そこで、これらの問題を解決するため、誘電体とガラス粉末との複合材料である低温焼結誘電体粉末の研究が活発に行なわれており、これを用いたセラミック多層基板の実用化が進められている。低温焼結誘電体粉末は、母体となる誘電体にガラスを加えた材料であり、これによって、材料物性や焼結温度に対する自由度を大幅に広げることが可能になった。特に、低温焼結誘電体粉末を用いる場合、比抵抗の小さい銀(Ag)系導体材料、銅(Cu)系導体材料等の低融点金属との同時焼結が可能なことから、安価な電子部品を実現できる。
近年、チタン酸バリウム系の誘電体粉末での低温焼結化を実現するためには、アルカリ元素、アルカリ土類元素、希土類元素でバリウム、チタンを置換する方法、焼結助剤としてガラスフリット、Bi、PbO、CuOなどを添加する方法、原料粉末を微粉化する方法などが挙げられる。
特開平5−319920号公報 特開2000−34165号公報 特開2001−247365号公報
十分な焼結密度、所謂、十分な低温焼結性と高い比誘電率とを合わせ持つ誘電体材料は現在、最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
即ち、前出特許文献1(特開平5−319920号公報)は比較的低温での焼結が可能であるが、比誘電率が低く、高誘電率を持つ積層型セラミックコンデンサなどに用いる場合には十分とは言い難い。
また、前出特許文献2(特開2000−34165号公報)では、低温焼結性を表す焼結密度が5.3g/cm以上と高いが、積層型セラミックコンデンサ用の誘電体材料としては、比誘電率が十分とは言い難い。
また、前出特許文献3(特開2001−247365号公報)では、高い比誘電率材料を提供しているものの、ガラス成分にBiを含有しているため、誘電損失が大きくなることも予想される。また、Biは蒸発しやすい物質であり、製造時の不安定性を招くこともある。
本発明は、上述した従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、充填性と高誘電率を両立した粉体設計により、1000℃以下の低温焼結でも緻密で焼結密度が高く、比誘電率の高い誘電体材料を得ることができる誘電体粉末を提供することにある。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、平均粒子径0.5〜5.0μmのチタン酸バリウム粗粉末100重量部に対し、平均粒子径0.03〜0.3μmのチタン酸バリウム微粉末5〜60重量部とガラス粉末1〜40重量部とを配合したことを特徴とする誘電体粉末である。
また、本発明は、本発明に係る前記誘電体粉末と結合材料とを用いてシート状に成膜してなるグリーンシートである。
また、本発明は、本発明に係る前記誘電体粉末を成型した後、焼結してなる焼結密度が5.05×10kg/m以上であって100kHzにおける比誘電率εが100〜1000であることを特徴とする誘電体材料である。
また、本発明は、本発明に係る前記グリーンシートを積層した後、焼結してなる焼結密度が5.05×10kg/m以上であって100kHzにおける比誘電率εが100〜1000であることを特徴とする誘電体材料である。
本発明に係る誘電体粉末は、空隙率の低く、充填性の高いチタン酸バリウム粉末とガラス粉末とを含有する粉末であって、該誘電体粉末は比較的低温でも高焼結密度と高誘電率を両立した誘電体材料を実現できる。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係る誘電体粉末について述べる。
本発明に係る誘電体粉末は平均粒子径0.5〜5.0μmのチタン酸バリウム粗粉末(以下、「チタン酸バリウム粗粉末」という。)100重量部に、平均粒子径0.03〜0.3μmのチタン酸バリウム微粉末(以下、「チタン酸バリウム微粉末」という。)5〜60重量部とガラス粉末1〜40重量部とを配合した混合粉末である。
本発明におけるチタン酸バリウム粉末は、チタン酸バリウム粗粉末とチタン酸バリウム微粉末を混合した2成分のチタン酸バリウム粉末からなる。即ち、チタン酸バリウム粗粒末の粒子間に生じた空隙を満たすようにチタン酸バリウム微粉末が存在することにより、空隙率を下げ、充填性の高いチタン酸バリウム粉末とすることができる。
チタン酸バリウム粗粉末の平均粒子径が0.5μm未満の場合及びチタン酸バリウム微粉末の平均粒子径が0.03μm未満の場合には、チタン酸バリウムの表面吸着力が増大し、バインダを混合した場合に分散性が低下する。
チタン酸バリウム微粉末の平均粒子径が0.3μmを越える場合には、チタン酸バリウム粉末の空隙率を下げる効果が低い。
チタン酸バリウム粗粉末の平均粒子径が5.0μmを越える場合には、積層型セラミックコンデンサの薄層化が困難になる。
チタン酸バリウム粗粉末100重量部に対しチタン酸バリウム微粉末が5重量部未満の場合には、チタン酸バリウム粉末の空隙率を下げる効果が低い。チタン酸バリウム粗粉末100重量部に対しチタン酸バリウム微粉末が60重量部を超える場合には、チタン酸バリウムの表面吸着力が増大し、バインダを混合した場合に分散性が低下する。
好ましくは平均粒子径0.7〜1.35μmのチタン酸バリウム粗粉末100重量部に対し、平均粒子径0.04〜0.28μmのチタン酸バリウム微粉末15〜40重量部を含有した粉末である。
本発明におけるチタン酸バリウム粉末のBET比表面積は2〜20m/gが好ましく、2m/g未満の場合には、粒子粉末が粗大であったり、粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、バインダを混合する場合に、分散性が損なわれやすい。20m/gを超える場合には、粒子の微細化による表面吸着力の増大により凝集を起こしやすいため、分散性が低下する。より好ましくは2〜15m/gである。
本発明におけるチタン酸バリウム粉末の空隙率は40%未満が好ましい。40%以上の場合には、緻密で焼結密度の高い誘電体材料が得られない。
本発明におけるチタン酸バリウム微粉末は湿式反応で作製したチタン酸バリウムが好ましく、該チタン酸バリウム微粉末を配合することで焼結時のガラス粉末及びチタン酸バリウム粗粉末との焼結性が向上し、緻密で焼結密度の高い誘電体材料が得られる。
本発明におけるチタン酸バリウム粗粉末は通常の製造法で作製したチタン酸バリウム粉末でよい。製造法としてはチタン化合物とバリウム化合物を混合して、1000℃以上の高温で焼成する固相反応及び溶液中でバリウムとチタンを反応させる湿式反応が知られている。
本発明に係る誘電体粉末はチタン酸バリウム粗粉末100重量部に対し、チタン酸バリウム微粉末5〜60重量部とガラス粉末1〜40重量部とを配合した混合粉末である。ガラス粉末の配合量が1重量部未満の場合は、低温で焼結した場合に誘電体材料の焼結密度が低くなる。また、40重量部を超える場合は、誘電体材料の比誘電率が低くなる。好ましくはガラス粉末の配合量は5〜35重量部である。
本発明におけるガラス粉末の平均粒子径は10μm以下が好ましい。10μmを超える場合は、粉末内に均一に配合されず、分散性が低下し、収縮率やシート性状などが不安定で、加工時の問題につながる。より好ましくは2μm以下である。
本発明におけるガラス粉末の組成は、特に限定されるものではない。好ましくは、PbOを含有せず、SiO、B、MgO、CaO、BaO、SrO、ZnO、LiO、Al3から選ばれる1種又は2種以上からなるガラス粉末である。より好ましくは、ZnO、B、SiOから選ばれる1種又は2種以上からなるガラス粉末である。更により好ましくは30〜85重量%のZnO、5〜50重量%のB及び2〜40重量%のSiOを含有するガラス粉末がよい。
次に、本発明に係るグリーンシートについて述べる。
グリーンシートとは積層型セラミックコンデンサを製造する際の被焼結物となるもので、誘電体粉末を結合材料、可塑剤及び溶剤等と混合して塗料とし、該塗料をドクターブレード式コーター等で数μmから数百μmの厚さに成膜した後乾燥してなるシートである。このグリーンシートをその表面に銀ペーストで配線を描きながら積層し、得られた積層物を焼結することで積層チップ部品を得ることができる。
本発明に係るグリーンシートは、誘電体粉末100重量部と結合材料が2〜20重量部、好ましくは4〜15重量部と可塑剤が0.5〜15重量部、好ましくは2〜10重量部とからなる。また、成膜後の乾燥が不十分なことによって溶剤が残留していてもよい。
結合材料の種類は、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸エステル、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステル、エチレンセルロース、アビエチン酸レジン等であり、ポリビニルブチラールが好ましい。
結合材料が2重量部未満の場合は、グリーンシートが脆くなりやすい。強度の点からその上限値は20重量部で十分である。
可塑剤の種類は、フタル酸ベンジル―n―ブチル、ジブチルフタレート、ジメチルフタレート、ポリエチレングリコール、フタール酸エステル、ブチルステアレート、メチルアジテート等であり、フタル酸ベンジル―n―ブチルが好ましい。
可塑剤が0.5重量部未満の場合は、グリーンシートが固くなり、ひび割れを生じやすくなる。可塑剤が15重量部を超える場合は、グリーンシートが軟らかくなる。
本発明に係るグリーンシートの製造にあたっては、誘電体粉末100重量部に対して、20〜150重量部の溶剤を使用する。好ましくは30〜120重量部である。溶剤が上記範囲該である場合は、均一なグリーンシートが得られないので、得られる焼結体は、特性にバラツキがあるものとなりやすい。
グリーンシートの製造に用いる溶剤の種類は、アセトン、エチルアルコール、ベンゼン、ブタノール、エタノール、メチルエチルケトン、トルエン、プロピルアルコール等であり、メチルエチルケトン、トルエンが好ましい。
次に、本発明に係る誘電体材料について述べる。
本発明に係る誘電体材料は、本発明に係る上記誘電体粉末を金型を用いて0.3〜3×10t/mの圧力で加圧する、所謂、粉末加圧成型法により得られた成型体、又は本発明に係る上記誘電体粉末を含有するグリーンシートを積層して得られた、所謂、グリーンシート法により得られた積層体を800〜960℃、好ましくは830〜930℃で1〜20時間、好ましくは1〜10時間焼結することによって得ることができる。成型方法としては、公知のいずれの方法をも使用することができるが、上記粉末加圧成型法や、グリーンシート法が好ましい。
焼結温度が800℃未満の場合は、本発明の目的とする焼結密度が5.0×10kg/m以上の誘電体材料を得ることが困難となる。また、積層型セラミックコンデンサを製造する際に誘電体粉末と同時焼結される銀導体の融点は960℃であるので、焼結温度が960℃を超える場合には銀導体との同時焼結が不可能になる。
<作用>
誘電体材料において1000℃以下での低温焼結化を実現するにはチタン酸バリウム粉末の充填性が重要である。そして、高充填性のチタン酸バリウム粉末を得るには、空隙率を低くすることが効果的である。
本発明者らは、チタン酸バリウム粉末について、充填性の高い製造条件を知るべく広汎な試験研究を行った。その結果、平均粒子径0.5〜5.0μmのチタン酸バリウム粗粉末100重量部に、平均粒子径0.03〜0.3μmのチタン酸バリウム微粉末5〜60重量部とを混合することで空隙率を低下させ、高充填性のチタン酸バリウム粉末を得ることができたものである。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
チタン酸バリウム粗粉末の平均粒子径は、「レーザー回折式粒度分布測定装置HELOS&RODOS」(日本電子(株)製)によって測定した50%径(X50)の値で示した。
チタン酸バリウム微粉末の平均粒子径は、電子顕微鏡写真(×20000)を縦方向及び横方向にそれぞれ4倍に拡大した写真に示される粒子約350個について、粒子径を測定し、その平均値で示した。
チタン酸バリウム粉末、誘電体粉末の比表面積は「MonoSorb MS−II」(湯浅アイオニックス(株))を用いてBET法により測定した。
チタン酸バリウム粉末の空隙率は、粒子粉末を1×10t/mの圧力で圧縮した時の密度(ρ)と、及び粉体密度計「Multivolume Pycnometer1305」(Micromeritics(株)製)で測定した真比重(ρ)とから、100−((ρ/ρ)×100)で計算した。
誘電体材料の焼結密度は外寸、重量を測定し、計算した。
誘電体材料測定用の単板は、粉末加圧成型法より得られた成型体、又はグリーンシート法で得られた積層体をアルミナ板にのせ、電気炉で大気雰囲気中、880〜950℃、1〜5時間焼結した後、Pt電極を両面にイオンスパッタ装置「E102」(日立製作所(株)製)にて形成し、作製した。
誘電体材料測定用の単板の比誘電率ε及び誘電損失tanδは、インピーダンスアナライザ「4192A」(アジレント・テクノロジー(株)製)を用い、測定した。
実施例1
<誘電体粉末の作製>
平均粒子径0.93μmのチタン酸バリウム粗粉末100gと平均粒子径0.05μmのチタン酸バリウム微粉末33g(33重量部)を混合し、チタン酸バリウム粉末を得た。得られた該チタン酸バリウム粉末の比表面積は7.7m/g、空隙率は36%であった。該チタン酸バリウム粉末45gにZnO−B−SiO系ガラス粉末5.00g(チタン酸バリウム粗粉末100重量部に対し、15重量部)をエタノール媒体中にスラリー濃度33.3wt%のボールミルで混合した後、ボールを分離、スラリーを乾燥した。得られた誘電体粉末の比表面積は7.5m/gであった。
実施例2〜7、比較例1〜6
チタン酸バリウム粗粉末の平均粒子径、チタン酸バリウム微粉末の平均粒子径、チタン酸バリウム微粉末の配合量、ガラス粉末の種類及びガラス粉末の配合量を種々変化させた以外は、前記実施例1と同様に誘電体粉末を作製した。
なお、比較例2は、チタン酸バリウム粗粉末を含まず、チタン酸バリウム微粉末100重量部に対し、ガラス粉末を配合した誘電体粉末である。また、比較例6は、チタン酸バリウム粗粉末を含まず、チタン酸バリウム微粉末100重量部に対し、ガラス粉末を配合した誘電体粉末である。
このときの製造条件及び得られた誘電体粉末の諸特性を表1に示す。
実施例8
<誘電体材料(誘電体材料測定用単板)の作製>
実施例1の誘電体粉末100重量部に対し、純水10重量部を混合、メノウ乳鉢内で均一に分散した粉末1.5gを13mmφの金型を用いて、1×10t/mの圧力で粉末加圧成型し、3.01mmtの厚みの成型体を得た。該成型体をアルミナ板にのせ、電気炉で大気雰囲気中、150℃/時間の昇温速度で900℃まで昇温し、2時間焼結し、誘電体材料を作製した。
上記誘電体材料は直径10.89mmφ、厚み2.78mmt、重量1.409gであり、焼結密度は5.43×10kg/mであった。
上記誘電体材料にPt電極を形成し、誘電体材料測定用単板を作製し、誘電特性を測定した所、100kHzにおいて、比誘電率ε630、誘電損失tanδ1.9%であった。
実施例9〜14、比較例7〜10
誘電体粉末の種類、加圧成型の圧力、焼結温度及び焼結時間を種々変化させた以外は、前記実施例8と同様、粉末加圧成型法にて誘電体材料を作製した。
このときの製造条件及び得られた誘電体材料の諸特性を表2に示す。
実施例15
実施例1と同様の誘電体粉末を作製し、該誘電体粉末100重量部に対して結合材料ポリビニルブチラール「エスレックB BL−S」(商品名、積水化学工業(株)製)7重量部と可塑剤フタル酸ベンジル―n―ブチル(東京化成工業(株)製試薬)4.4重量部と溶剤として酢酸n―ブチル試薬特級(米山薬品工業(株)製)30重量部及びメチルエチルケトン(日本化成品(株)製)30重量部とを加えて、ボールミルで15時間混合して塗料を製造した。この塗料をドクターブレード式コーターを用いてPETフィルム上に塗布して塗膜を形成した後乾燥することにより膜厚32μmのグリーンシートを得た。これを縦36mm×横36mmの大きさに切断して34枚を積層した後、0.35×10t/mの圧力で加圧して厚み1.08mmのグリーンシート積層体を得た。得られたグリーンシート積層体を900℃、2時間で焼結し、焼結密度5.32×10kg/mの誘電体材料を得た。
上記誘電体材料にPt電極を形成し、誘電体材料測定用単板を作製し、誘電特性を測定した所、100kHzにおいて、比誘電率ε630、誘電損失tanδ2.6%であった。
実施例16、比較例11、12
誘電体粉末の種類、グリーンシート積層時の圧力、焼結温度、及び焼結時間を種々変化させた以外は、前記実施例15と同様、グリーンシート成型法にて誘電体材料を作製した。
このときの製造条件及び得られた誘電体材料の諸特性を表2に示す。
前記実施例から明らかなとおり、チタン酸バリウム粗粉末にチタン酸バリウム微粉末を混合することで空隙率の低いチタン酸バリウム粉末を誘電体粉末に含むことで高焼結密度と高誘電率を両立した誘電体材料が得られている。
本発明に係る誘電体粉末を用いた誘電体材料は、いずれも、焼結密度が5.10×10kg/m以上と高い焼結密度を有し、しかも、前記測定法に従って測定した誘電特性のうちεが400以上であり、且つ、tanδが5.0%以下と優れた誘電特性を示す。
一方、比較例では、高い比誘電率εを示すものもあるが、十分な焼結密度が得られず、誘電損失tanδも高くなっている。このことは誘電体材料としては不向きである。
Figure 0004484031
Figure 0004484031
本発明に係る誘電体粉末は、空隙率が低く、充填性の高いチタン酸バリウム粉末とガラス粉末とを含有する粉末であって、該誘電体粉末は比較的低温でも高焼結密度と高誘電率を両立した誘電体材料を実現できる。

Claims (4)

  1. 平均粒子径0.5〜5.0μmのチタン酸バリウム粗粉末100重量部に対し、平均粒子径0.03〜0.3μmのチタン酸バリウム微粉末5〜60重量部とガラス粉末1〜40重量部とを配合したことを特徴とする誘電体粉末。
  2. 請求項1記載の誘電体粉末と結合材料とを用いてシート状に成膜してなるグリーンシート。
  3. 請求項1記載の誘電体粉末を成型した後、焼結してなる焼結密度が5.05×10kg/m以上であって100kHzにおける比誘電率εが100〜1000であることを特徴とする誘電体材料。
  4. 請求項2記載のグリーンシートを積層した後、焼結してなる焼結密度が5.05×10kg/m以上であって100kHzにおける比誘電率εが100〜1000であることを特徴とする誘電体材料。
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