JP4481584B2 - 複合シースMgB2超電導線材およびその製造方法 - Google Patents

複合シースMgB2超電導線材およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、臨界温度以下の環境において、超電導性を発現する超電導体を用いることによって、高い超電導臨界電流密度が得られる複合シースMgB2超電導線材とその製造方法に関するものである。
【0002】
具体的には、電流リード,送電ケーブル,大型マグネット,核磁気共鳴分析装置,医療用磁気共鳴診断装置,超電導電力貯蔵装置,磁気分離装置,磁場中単結晶引き上げ装置,冷凍機冷却超電導マグネット装置,超電導エネルギー貯蔵,超電導発電機,核融合炉用マグネット,磁気浮上列車等の機器に適用されるものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、超電導材料としてはニオブチタン(NbTi)、ニオブ3錫(Nb3Sn)等の金属系のものが知られている。しかし、これらの金属系超電導材料は、臨界温度が最も高いニオブ3ゲルマニウム(Nb3Ge)でも23K(ケルビン)であり、冷却には高価な液体ヘリウムを使用しなければならないと云う問題があった。
【0004】
一方、高温超電導体においては、1986年4月に臨界温度が30Kのランタン(La)酸化物系の超電導体が発見されて以降、臨界温度が液体窒素の沸点温度(77K)を超えるイットリウム(Y)系、ビスマス(Bi)系、タリウム(Tl)系、水銀(Hg)系と云うような銅酸化物系超電導体が相次いで発見された。
【0005】
しかし、これら銅系酸化物は、いわゆるセラミックスで構成されていることから、加工性が悪く、長尺均質性に優れる線材を得ることが困難な問題があった。
【0006】
また、銅系酸化物は、磁場異方性が大きいため、基板またはシース材と超電導層との結晶の方位を揃える必要があった。つまり、基板またはシース材の材料として、超電導体と結晶方位のミスマッチが小さく、かつ結晶方位の3軸が配向したものを用いることがポイントであった。このことから、その制御が非常に難しく、歩留まりやコストの点で課題が山積していた。
【0007】
21世紀に入って、非特許文献1で報告されたように、2ホウ化マグネシウム(MgB2)がおよそ40Kで超電導を示すことが見い出された。この材料は、磁場異方性が極めて小さいことから、銅系酸化物のように、結晶方位を基板と揃えなくても高い臨界電流密度が得られる。また、曲げ特性にも優れ、超電導線に1.5%の歪みが加わっても、歪みなしの線材に対して90%以上の臨界電流密度が維持できることを本願の発見者らは実験により明らかにしている。
【0008】
また、金属系超電導材料よりも臨界温度が20K以上も高いと云う利点、或いは、非特許文献2に記載されているように、上部臨界磁場が薄膜では約40Tとの報告がある。これらの性質を利用すれば、強磁場中での応用も現実的なものになると考えられる。
【0009】
さらに、この材料は機械加工のみで実用的な臨界電流密度が得られると云う実用上極めて有効な特長を持つことが分かってきた。即ち、製造工程において、熱処理を一切行わなくても高い超電導特性が得られると云うことである。この特長は、熱処理をしないと超電導現象を発現しない従来の超電導線材とは全く異なる。この特長を利用することにより、
▲1▼ 製造工程の短縮化、
▲2▼ 金属シース材の選択幅の拡大、
▲3▼ コイル巻線および設計自由度の向上、
等が実現できるために、従来超電導材料に比べて、大幅なコスト低減が可能と考えられている。
【0010】
また、金属系超電導線材や酸化物超電導線材を作製する際に、一般的に用いられる、押出加工や引抜加工により線材を製造することも可能であるため、極めて魅力的な材料として位置付けられている。
【0011】
MgB2系線材で実用的な超電導特性が維持できるようになれば、送電ケーブル等の電力応用のみならず、例えば、近年脚光を浴びている分野の一つであるバイオサイエンスへの応用等、様々な分野への貢献が期待できる。
【0012】
しかし、これまでに試作されているMgB2系超電導線材は、従来の金属系および酸化物系超電導線材に比べて、現状では臨界電流密度が低いと云う問題がある。また、多芯線材化についても検討がなされてきたが、実用的な臨界電流密度を得るには至っていない。
【0013】
【非特許文献1】
Nature410、63−64(2001年)
【非特許文献2】
cond−mat/0108265
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような課題を解決すべく、MgB2を高圧下で合成すること、MgB2の単相化を進めること、MgB2に金属粉末を添加して結晶粒同士の接合性を向上すること、ピンニングセンタを導入すること等の検討が鋭意行われている。その結果、短い線材では実用レベルの臨界電流密度が得られるようになってきたが、実際に超電導マグネット等の応用を考えると、臨界電流密度を向上させること以外に、高安定化、高強度化を実現する必要がある。ところが、現状では、これらの技術課題を同時にクリアしたMgB2系超電導線材は得られていない。
【0015】
本発明の目的は、上記に鑑み、実用線材とするために必要な技術課題である、高臨界電流密度化、高安定化、高強度化、長尺化を同時に達成できるMgB2超電導線材とその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これまで主に、酸化物超電導線材およびそれを用いたマグネットの応用を目指して研究開発を推進してきた。この中で、臨界電流密度を向上させる項目として、特に以下の4項目が重要であることを明らかにしてきた。
(1) 超電導体と熱的に反応しない金属シース材の選定、
(2) 最終形状に加工した際の超電導コアの充填密度、
(3) 結晶粒同士の接合性の改善、
(4) 量子化された磁束線をトラップして、侵入した磁束線を動かないようにするピンニングセンタの導入、
である。
【0017】
以上の4項目を同時に実現することで、高い臨界電流特性を有する超電導線材が得られる。しかし、臨界電流密度は物質固有の値ではなく、線材中の超電導体の割合、加工プロセス、熱処理条件等に大きく依存する。このため、酸化物超電導線材や従来金属系超電導線材に適用してきた方法だけでは、臨界電流密度はあまり向上しないことが分かった。即ち、材料によって、製造工程の最適化を行う必要があり、MgB2超電導体においても独自の検討が必要となった。
【0018】
また、電気的に安定な金属シースを用いて、超電導状態から常電導状態に転移する(クエンチ現象)際に、線材が焼損しないようにすることも重要である。さらに、例えば、磁場中で超電導マグネットとして使用することを考えると、磁場、臨界電流密度およびコイル半径の積によって求められる、電磁力が線材に加わるが、この電磁力によって線材が変形し、その性能が劣化しないように、線材自身の強度を高める必要がある。
【0019】
そこで本発明者らは、上記課題を解決することに注力した結果、従来の超電導線材に比べて、その特性を大幅に向上可能な、新規のMgB2超電導線材とその製造方法を見い出した。
【0020】
即ち、上記目的は、室温でのビッカース硬さが50以上で、かつ,1つあるいは複数の孔を設けた金属母材中に、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の金属で被覆した単芯線または多芯線を組込んだ複合シースMgB2超電導線材によって達成できる。
【0021】
また、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の金属で、かつ1つあるいは複数の孔を設けた金属母材中に、室温でのビッカース硬さが50以上の金属で被覆した単芯線または多芯線を組込んだ複合シースMgB2超電導線材によって達成できる。
【0022】
このとき、上記の単芯線または多芯線が、金属母材中に複数本組込まれ、それらがツイストされていれば、交流損失の低減に極めて有効である。
【0023】
また、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下で、かつ,室温でのビッカース硬さが50以上の金属母材中に、MgB2超電導体を組込んだMgB2超電導線材によって達成できる。この方法で線材を作製すれば、超電導コア部の割合を増大することが可能となり、実用上重要なパラメータであるオーバーオールの臨界電流密度を向上させることができる。
【0024】
以上のMgB2超電導線材において、最終形状まで加工された超電導物質の密度が,理論密度に対して90%以上であれば一層効果的である。
【0025】
また、上記の金属母材に設けた孔の内周と、単芯線または多芯線の外周の中間層に、接合助剤を配置した後、一体化するための熱処理を施す工程を含む複合シースMgB2超電導線材の製造方法を適用することにより達成できる。
【0026】
このとき、上記接合助剤の成分に、銅、銀、金、パラジウム、アルミニウム、シリコン、インジウム、錫、亜鉛、鉄、鉛、ニッケル、マンガン、ホウ素の少なくとも1種から選ばれる成分が含有されていると効果的である。
【0027】
また、超電導線材を作製する製造工程中に、超電導線材に対する加熱処理工程を一度も行わないようにすることで、製造コストが大幅に低減できると云う極めて大きな効果がある。
【0028】
さらにまた、充填粉末中にMgB2に対して、2〜30体積%の銅,インジウム,錫,鉛,鉄,アルミニウム,マグネシウム,チタン,酸化珪素,炭化珪素,窒化珪素を、単独あるいはそれらを混合して添加すると臨界電流密度が向上する。特に、ナノオーダーまで粒径を細かくすると一層効果的である。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明における超電導粉末、焼結体、または、塊の製法としては、それぞれの化合物を粉砕,混合し、その混合物を焼成する方法が挙げられる。この方法には、原料化合物の全てを一度に混合する方法や、原料化合物の一部を予め混合した後、残りの原料粉末を混合する方法がある。上述のように、2〜30体積%の金属粉末に代表される第3元素を添加すると効果的である。
【0030】
本発明における超電導粉末合成の熱処理温度は、200〜1200℃の範囲内が用いられる。また、必要に応じて窒素ガス,アルゴンガス,水素ガス,酸素ガス等を単独或いは混合して熱処理を行う。さらに、必要に応じて、大気圧以上の圧力で加圧しながら熱処理を行う。
【0031】
これまでに試作されてきた線材の作製プロセスとしては、上記の方法で超電導粉末、或いは、混合粉末を作製した後、適当なサイズに粉砕,焼結したものをパイプ状の金属シース材に充填し、伸線及び圧延加工を行う、いわゆるパウダー・イン・チューブ法が主流となっている。本発明においては、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の安定化金属、あるいは室温でのビッカース硬さが50以上の高強度金属をシース材として複合化して用いることが特長である。
【0032】
室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の安定化金属の一例としては銅,アルミニウム,金,銀,ニッケル,モリブデン,真鍮,ニオブ銅等がある。
【0033】
また、室温でのビッカース硬さが50以上の高強度金属の一例としては、SUS304,SUS316,SUS310,SUS430,ハステロイB,ハステロイC,炭素鋼,インコネル,コバルト,タングステン,ニッケル,モリブデン,チタン,モネル,アルミ基合金,チタン基合金,ニッケル基合金,銅基合金,ニオブ基合金,マグネシウム基合金等がある。
【0034】
実施例4に記載のように、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下で、かつ、室温でのビッカース硬さが50以上の金属の一例としては、ニッケル,モリブデン,ニオブ銅,銀銅,青銅,クロム銅,ジルコニウム銅,ベリリウム銅,酸化アルミ銅等があり、これらをシース材として用いることにより、複合シース化しなくても良いメリットがあり、コア部の割合を大きくすることができる。
【0035】
本実施例では、複合シース材の外側に配置される金属を金属母材と呼ぶが、ガンドリル方式あるいは冶金技術により、1個あるいは複数個の孔を設ける。この孔の直線性及び径は、長手方向で一定であることが望ましいが、必要に応じて、異なる孔径としても良い。このようにすることで、MgB2の充填密度を向上させることも可能となる。
【0036】
本発明に適用可能な金属シース材は以上記載したような材料が考えられるが、超電導体と熱的に反応しないことは勿論、量産化を考えると加工性が良好であることが必要である。
【0037】
複合シースの場合の組み合わせは、電気的に安定な金属と強度が高い金属(高安定金属/高強度金属)とすることが望ましい。これにより、線材が電気的に安定でクエンチせず、電磁力でも劣化しない線材が実現できる。
【0038】
さらに、加工性を向上させるには、両金属を予め接合しておくことが望ましい。この場合、上述したように、単に密着だけでは異種金属による硬さや伸びの違いで加工性が悪いことを発明者らは実験により明らかにしている。しかし、製造工程で熱処理を加えれば、若干ではあるが、両金属の密着状態が良好になり、加工性が向上することも明らかにしている。
【0039】
また、両金属の界面に接合助剤(ろう材)となる箔状の金属を配置しておくことは極めて効果的である。ここでの箔の厚みは、通常0.1mm以下のものを用いるが、特に限定されるものではない。これにより、異種金属間を一体化することが可能となり、超電導特性と加工性が大幅に向上する。
【0040】
線材の縮径加工は、ドローベンチ,スエージャー,カセットローラーダイス、或いは、溝ロールを用いて1パス当りの断面減少率が1〜20%程度の伸線加工を繰り返し行う。必要に応じて、線材の多芯化を行うが、多芯化を行う方法は、丸断面形状或いは六角断面形状に伸線加工した線材をパイプに組み込み、上記の装置を用いて、1パス当りの断面減少率が1〜20%程度で、所定とする線径まで伸線することが一般的な加工法である。
【0041】
ここでの工程は、線材を所望の形状にすると同時に、金属シース材内に充填された超電導粉末を高密度化する作用がある。さらに緻密化を図るため、冷間或いは熱間圧延機で加工し、平角状或いはテープ状の断面とし、必要に応じて適切な温度や雰囲気で熱処理をすることによって、高い臨界電流密度の線材が得られる。
【0042】
本発明における超電導線材は、第66回2002年度春季低温工学・超電導学会、講演概要集、148頁に記載されているように、曲げ特性に優れ、およそ1%の曲げ歪を加えても、臨界電流密度は劣化しない。これは、従来金属系超電導線材や酸化物超電導線材よりも優れており、極めて大きな特長の1つと云うことができる。
【0043】
さらに、これまでに何度か述べたように、別の大きな特長として、MgB2超電導線材は熱処理を行わなくても超電導線材として使用できる。これは、線材の縮径加工々程や変形加工々程で、結晶粒同士の接合性が良好な状態になるためであると本発明者らは実験により確認している。但し、結晶粒同士の接合性を向上するには、加熱処理は有効であり、臨界電流密度が2〜20倍近く向上することがある。
【0044】
しかし、臨界電流密度を向上させるのに好適な超電導体の平均結晶粒径は、少なくとも50μm以下、望ましくは20μm以下である。これよりも平均粒径が大きくなると、臨界電流密度が低下することを本発明者らが実験により確認している。
【0045】
作製した線材は、目的に応じて一本以上複合させてコイル状に巻いたり、リード線状やケーブル線状に成形して利用する。
【0046】
熱処理を行う場合は、超電導体の特性を高めるため、熱処理雰囲気が組成や添加金属によって選択される。例えば、窒素ガス、アルゴンガス、水素ガス、酸素ガスを単独或いは混合したガスを適当な流量の気流または封入し、熱処理する。
【0047】
また、MgB2系超電導体では、蒸気圧の高いマグネシウムが熱処理中に飛散して組成ずれを生じ、超電導特性を劣化する場合がある。これには、例えば、マグネシウム焼結体を同時に熱処理する等して、擬マグネシウム雰囲気を形成した状態で熱処理すると効果的である。さらに、金属シース材にマグネシウムを含有させておくことも同様の効果を有する。
【0048】
さらに、MgB2超電導体が有する大きなコヒーレンス長さ(ξ)を利用した結晶粒間の近接効果の可能性に着目し、結晶粒同士の接合性の改善を試みた。
【0049】
その結果、我々は、特に低融点材料のインジウム,錫,鉛を単独あるいは複数の金属を混合した粉末を添加した場合に、臨界電流密度が大きく向上することを明らかにした。臨界電流密度が向上した要因として、縮径加工や変形加工の際に、超電導体もしくは添加した金属粉末の一方、或いは、両方の一部分が溶融することで、結晶粒の接合性が向上したと推察される。
【0050】
また、このとき、添加する金属の結晶粒径が20μm以下であることが望ましいことを本発明者らは実験により確認した。これは、添加金属が非超電導層であるために超電導層の粒径よりも大きな場合には、電流パスを遮断するためである。
【0051】
また、添加する量が少な過ぎても、多過ぎても好ましくない。超電導体の体積比率に対して2〜30体積%が好適であることを本発明者らは実験により確認した。添加した金属が、超電導体の結晶粒界および粒内に分散することで、ピンニング力を高めることも可能となる。
【0052】
本発明の線材の作製工程において、超電導線材の最終形状に加工する最終加工々程時には、断面積の減少率として5%以上、好ましくは10%以上の加工を施す必要がある。断面減少を行う伸線或いは圧延加工は、上記のように金属シース材内に充填された超電導体を高密度化する作用がある。さらに、超電導線材に1ton/cm2以上の圧力を加えて変形させることも同様の効果を有する。
【0053】
また、発明の概念を適用することにより、上記の方法以外にも、例えば溶射法,ドクターブレード法,ディップコート法,スプレーパイロリシス法、或いは、ジェリーロール法等で作製した線材を用いても、同等の超電導特性を得ることが可能である。
【0054】
また、本発明における超電導線材は、線材自身の降伏応力、引張り強さ、ヤング率等の機械強度が高く、強磁場発生時の電磁力に耐え得るマグネットが構成できる。そして、両端抵抗を十分に小さくすることにより、永久電流マグネットが実現できる。
【0055】
また、本発明により製造された超電導体を、例えば、液体ヘリウム中で使用する場合、金属系超電導体や酸化物超電導体と組み合せる構造にすることで、より強い磁場を発生する超電導マグネット等の実用導体が実現できる。
【0056】
このときの金属系超電導体としては、NbTi系合金,Nb3Sn系化合物,Nb3Al系化合物,V3Ga系,シェブレル系化合物等を用い、必要に応じて2種以上のマグネットを配置する。このときの酸化物超電導体は、Y系,Bi系,Tl系,Hg系,Ag−Pb系の超電導体が望ましい。
【0057】
また、本発明により製造された超電導体を、液体水素、液体ネオン中で使用する場合には、酸化物超電導体と組み合せることにより、より高性能の超電導マグネット等の実用導体が実現できる。
【0058】
上記の超電導線材は、超電導マグネットのほかに送電ケーブル,電流リード,MRI装置,NMR装置,SMES装置,超電導発電機,超電導モータ,磁気浮上列車,超電導電磁推進船,超電導変圧器,超電導限流器等に用いることができる。
【0059】
また、超電導線材を所望の形状に加工した導体は、コイル,電流リード,ケーブル等の導体用に変形加工後、組込まれる。また、その使用温度が液体水素温度、或いは、液体ネオン温度以上であれば、一層効果的である。以下、本発明の実施例を示して説明する。
【0060】
〔実施例1〕
外径15mm、内径13mm、長さ1000mmの銅パイプの表面に、厚さ0.05mの真鍮箔を巻きつけ、それを外径18mm、内径15.5mm、長さ1100mmのSUS316パイプに組み込んだ。
【0061】
これを、外径が17mmになるように伸線締め付け加工した後、還元雰囲気中で800〜1100℃の熱処理を施して一体化し、銅/SUS316複合パイプを作製した。なお、銅は室温での比電気抵抗がおよそ1.6μΩcmの金属であり、SUS316は室温でのビッカース硬さが、およそ145の金属である。また、真鍮は本発明における接合助剤として使用した。
【0062】
次に、充填粉末の作製を行った。出発原料として、マグネシウム粉末(Mg純度:99%)とアモルファス状ホウ素粉末(B純度:99%)を用いて、マグネシウムとホウ素が原子モル比で1:2になるよう秤量し、10〜60分間混合した。次に、この混合物を、アルゴン雰囲気中で700〜1400℃、2〜20時間の熱処理を施し、MgB2超電導体を作製した。このとき、大気圧以上の圧力を加えて熱処理しても差し支えない。また、熱処理の雰囲気は、アルゴンに限らず、水素雰囲気中、窒素雰囲気、あるいはそれらの混合雰囲気であっても構わない。
【0063】
得られた粉末のX線回折分析を行ったところ、強度比換算でMgB2超電導体が95%以上含まれていることが分かった。MgB2以外には、若干のMgOおよびMgB4の非超電導層含まれていた。作製したMgB2超電導粉末に、平均粒径が20μm以下のインジウム金属粉末を単独で15体積%添加し、10〜60分混合して混合粉末を作製した。
【0064】
得られた混合粉末を、銅/SUS316複合パイプに充填した。充填を行う場合、粉末状のまま充填する以外に、プレス等により作製した円柱状や角状のロッドを充填しても構わない。これを、1パス当たりの断面積の減少率が3〜20%の範囲内となるように伸線加工を繰り返し、所定形状まで縮径した。
必要に応じて、線材の横断面形状を楕円形,矩形,六角形などの多角形,平角形,テープ形状,丸形状に減面加工する。本実施例では、最終的に外径1.0mm、厚さ0.4mm、幅2.5mmの超電導線材1を得た。
【0065】
図1は、作製した超電導線材1の断面模式図の一例である。超電導線材1は、室温でのビッカース硬さが50以上の金属2と室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の金属3から構成される複合シース超電導線材である。また、室温でのビッカース硬さが50以上の高強度金属2と室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の金属3の界面には、接合助剤4が配置されており、異種金属同士が電気的、機械的に一体化している。そして、比電気抵抗が7μΩcm以下の金属3にMgB2超電導体5が充填または内包されている。
【0066】
また、ここでは、複合シース線材の断面構成として、内周に銅、外周にSUS316を配置したが、図2の超電導線材6に示すように、内周にSUS316、外周に銅を配置したSUS316/銅複合シース線材とすることでも問題ない。その場合も上述した作製方法が適用でき、かつ、接合助剤も全く同様の材料を用いることができる。本実施例では、実際に両者とも30m長さを超える線材が無断線で作製できた。
【0067】
図3は、本実施例で作製した銅/SUS316複合シースMgB2単芯線材の製造工程の一例である。粉末の充填工程は、金属パイプ同士の一体化処理後の方が望ましいが、一体化処理前に行っても構わない。
【0068】
本実施例で作製した、厚さ0.4mm×幅2.5mmの超電導線材1および超電導線材6の臨界温度を直流四端子法で測定したところ、両者とも38Kで超電導状態となることが分かった。
【0069】
次に、作製した各線材の臨界電流密度を温度4.2K、磁場0.5T中で測定した。その結果、超電導線材1は2800A/mm2、超電導線材6は2950A/mm2が得られた。
【0070】
(比較例1)
次に、図3の工程において、接合助剤である真鍮箔を銅パイプの表面に巻く工程で省略したこと以外は、全て上記銅/SUS316複合シース単芯線材の工程と同様に作製した、比較材1’について検討した。
【0071】
つまり、異種金属の組込み時には、内周の銅と外周のSUS316は密着のみで接触している断面構成となっている。断面積の減少率が3〜20%で伸線加工を行った結果、加工度が75%を超えると断線が多発した。これは、異種金属の伸びや硬さが異なるために生じることが明らかとなった。また、断線した線材の臨界電流密度を測定した結果、電流の増加と共に一定の電圧が発生することが分かった。
【0072】
この原因を、光学顕微鏡にて断面観察した結果、異種金属間の接合が不十分なために隙間が生じており、その部分の接触抵抗であることが確認できた。
【0073】
以上のように、接合助剤を異種金属間に配置することは、加工性と超電導特性を向上させるのに極めて有効であることを明らかにした。
【0074】
〔実施例2〕
外径18mm×長さ500mmのSUS316棒の中心部に1ヵ所、その周辺に6ヵ所の貫通孔を設けたSUS316パイプを作製した。貫通孔はガンドリル方式で開け、そのときの孔径は全て2.5mmとした。
【0075】
次に、外径15mm、内径13mm、長さ400mmのアルミパイプに実施例1と同様にして作製した粉末を充填し、外径2.35mmまで伸線加工を施したアルミシース線材を、図4に示す断面構成となるように組み込んだ。組込み時に、厚さ0.05mmの真鍮箔をアルミシース線材の表面に巻き付け、接合助剤とした。
【0076】
その後、外径が17mmになるように伸線締め付け加工した後、還元雰囲気中で800〜1100℃の熱処理を施して異種金属を一体化し、7芯構造のアルミ/SUS316複合シース線材とした。なお、アルミは室温での比電気抵抗がおよそ2.5μΩcmの金属であり、SUS316は室温でのビッカース硬さが、およそ145の金属である。
【0077】
この方法以外にも、ガンドリル方式で7ヵ所に貫通孔を設けたSUS316パイプの各孔に、表面に真鍮箔を巻きつけた粉末充填前のアルミパイプを挿入し、一体化処理した後、MgB2粉末を充填する方法を用いても良い。こうすることで、シース材と超電導体との熱的な反応の問題を考える必要がなくなり、一体化処理の接合熱処理条件、例えば、温度、雰囲気、時間の選択幅を拡大することができる。
【0078】
実施例1と同様の加工を行い、本実施例では、最終的に厚さ1mm、幅2mmの超電導線材7を得た。本実施例では、芯数を7芯としたが、必要に応じて19芯,37芯,61芯等の多芯化を行う。
【0079】
図4は、作製した超電導線材7の断面模式図の一例である。超電導線材7は、室温でのビッカース硬さが50以上の金属2と、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の金属3から構成される複合シース多芯超電導線材である。また、室温でのビッカース硬さが50以上の高強度金属2と、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の金属3の界面には、接合助剤4が配置されており、異種金属同士が電気的に一体化している。そして、比電気抵抗が7μΩcm以下の金属3に、MgB2超電導体5が充填または内包されている。
【0080】
また、ここでは、複合シース線材の断面構成として、内周にアルミ、外周にSUS316を配置したが、図5に示すような超電導線材8のように、内周にSUS316、外周にアルミを配置したSUS316/アルミ複合シース多芯線材とすることでも問題ない。その場合も上述した作製方法が適用でき、かつ、接合助剤も全く同様の材料を用いることができる。
【0081】
本実施例では、実際に両者とも30m長さを超える線材が無断線で作製できた。図6は、本実施例で作製したアルミ/SUS316複合シースMgB2多芯線材の製造工程の一例である。
【0082】
本実施例で作製した、厚さ1mm×幅2mmの超電導線材7および超電導線材8の臨界温度を直流四端子法で測定したところ、両者共に37.5Kで超電導状態となることが分かった。
【0083】
次に、作製した各線材の臨界電流密度を温度4.2K,磁場0.5T中で測定した。その結果、超電導線材7は2900A/mm2、超電導線材8は2850A/mm2が得られた。
【0084】
また、その後の実験により、図7および図8に示すような超電導線材9および超電導線材10のような断面構成にしても、全く同様の超電導特性が得られることを明らかにした。
【0085】
超電導線材9や超電導線材10のような断面構成の場合、焼結助剤を1ヵ所だけ配置すれば良いことから、線材作製も比較的容易になるメリットもある。
【0086】
(比較例2)
次に、図6に示す工程において、接合助剤である真鍮箔をアルミニウムパイプの表面に巻くことを省略したこと以外は、全て、上記アルミ/SUS316複合シース多芯線材の工程と同様に作製した、比較材7’について検討した。
【0087】
つまり、異種金属の組込み時には、内周のアルミと外周のSUS316は密着のみで接触している断面構成となっている。断面積の減少率が3〜20%で伸線加工を行った結果、実施例1の場合と同様に、加工度が75%を超えると断線が多発した。
【0088】
これは、異種金属の伸びや硬さが異なるために生じることが明らかとなった。また、断線した線材の臨界電流密度を測定した結果、電流の増加と共に一定の電圧が発生することが分かった。この原因を、光学顕微鏡にて断面観察した結果、異種金属間の接合が不十分なために隙間が生じており、その部分の接触抵抗であることが確認できた。
【0089】
以上のように、接合助剤を異種金属間に配置することは、加工性と超電導特性を向上させるのに極めて有効であることを明らかにした。
【0090】
〔実施例3〕
外径24mm×長さ300mmのSUS316棒の中心部に1ヵ所、その周辺に6ヵ所の貫通孔を設けたSUS316パイプを作製した。貫通孔はガンドリル方式で開け、そのときの孔径は全て5mmとした。また、外径8mm、内径6mm、長さ1000mmの銅パイプに、実施例1と同様にして作製した粉末を充填し、ドローベンチを用いて外径0.65mmまで伸線加工した。
【0091】
次に、得られた銅シース線材を、7本1組としてツイスト加工し、7本撚り線材とした。このときのツイストピッチは30mmである。ツイスト加工した7本撚り線材における各線材表面に、接合助剤として厚さ0.01mmの真鍮箔を巻きつけ、貫通孔7ヵ所に組み込んだ。組込み時に隙間が生じるが、通常は一体処理によって異種金属の接合が可能である。しかし、歩留まりを向上させるために、隙間に接合助剤を挿入しておくと、効果的である。
【0092】
外径が22.7mmになるように伸線締め付け加工した後、還元雰囲気中で800〜1100℃の熱処理を施して異種金属を一体化し、49芯構造の銅/SUS316複合シース線材とした。その後、実施例1および実施例2と同様の加工を行い、最終的に外径1.2mmの超電導線材9を得た。本実施例では、芯数を49芯としたが、必要に応じて芯数は変更しても差し支えない。
【0093】
図9は、作製した超電導線材11の断面模式図の一例である。超電導線材11は、室温でのビッカース硬さが50以上の金属2と室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の金属3から構成される複合シース多芯超電導線材である。このうち、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の金属3は、ツイストされた7本撚りの線材となっている。また、室温でのビッカース硬さが50以上の高強度金属2と室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の金属3の界面には、接合助剤4が配置されており、異種金属同士が電気的に一体化している。そして、比電気抵抗が7μΩcm以下の金属3にMgB2超電導体5が充填または内包されている。
【0094】
また、ここでは、複合シース線材の断面構成として、内周に銅、外周にSUS316を配置したが、図10の超電導線材12のように、内周にSUS316、外周に銅を配置したSUS316/銅複合シース多芯線材とすることでも問題ない。その場合も上述したツイスト加工や伸線加工等と同様の作製方法が適用でき、かつ接合助剤も全く同様の材料を用いることができる。
【0095】
本実施例では、実際に両者とも30m長さを超える線材が無断線で作製できた。図11は、本実施例で作製した銅/SUS316複合シースMgB2多芯線材の製造工程の一例である。
【0096】
本実施例で作製した、外径1.2mmの超電導線材11および超電導線材12の臨界温度を直流四端子法で測定したところ、両者共に37.5Kで超電導状態となることが分かった。
【0097】
次に、作製した各線材の臨界電流密度を温度4.2K、磁場0.5T中で測定した。その結果、超電導線材11は2600A/mm2、超電導線材12は2500A/mm2が得られた。
【0098】
次に、ツイストした、超電導線材9および超電導線材10の交流損失を磁場中にて測定した。比較のため、銅シース線材をツイストしない銅/SUS316複合シース線材13についても同様に測定した。このときの印加磁場は0.005〜0.5T、周波数は50Hzである。
【0099】
図12は、その結果を示すグラフ図である。図12から明らかなように、ツイストを行った超電導線材11および超電導線材12は、ツイストしない超電導線材13と比較して、交流損失がおよそ1/10に低減することが分かった。
【0100】
以上のように、交流応用の場合には、断面コア中で線材の長手方向にツイスト加工された超電導線材を使用することにより、トータルの交流損失が大幅に低減できることを明らかにした。
【0101】
〔実施例4〕
室温での比電気抵抗が7μΩcm以下で、かつ、室温でのビッカース硬さが50以上の金属として、外径18mm×長さ300mmの銀を主成分とした銀−銅合金棒およびニッケル棒を準備し、その中心部に1ヵ所、周辺に6ヵ所の貫通孔を設けたパイプを作製した。貫通孔はガンドリル方式で開け、そのときの孔径は全て3.5mmとした。
【0102】
次に、外径3.45mm×長さ250mm、密度2.0g/cm3のMgB2バルク体を、銀−銅合金パイプ、ニッケルパイプの各孔に充填し、ドローベンチを用いて最終的に外径1.2mmまで伸線加工し、超電導線材14を得た。
【0103】
図13は、作製した超電導線材14の断面模式図の一例である。超電導線材14は、室温でのビッカース硬さが50以上、かつ、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の金属15から構成される多芯線材であり、その内部にMgB2超電導体5が充填または内包されている。この線材は、シース線材の組込みではなく、超電導体自身の組込みを行うことができるので、コア部の割合を大きくできるメリットを有する。
【0104】
本実施例では、両者共に30m長さを超える線材が無断線で作製できた。図14は、本実施例で作製したMgB2多芯線材の製造工程の一例である。
【0105】
本実施例で作製した、外径1.2mmの超電導線材12の臨界温度を直流四端子法で測定したところ、銀−銅合金シース線材およびニッケルシース線材とも37Kで超電導状態となることが分かった。
【0106】
次に、作製した各線材の臨界電流密度を温度4.2K、磁場0.5T中で測定した。その結果、銀−銅合金シース線材は2450A/mm2、ニッケルシース線材は2500A/mm2が得られた。しかし、超電導コア比を増大させることができたため、実用上重要である。オーバーオールJcは1000A/mm2以上の値が得られた。また、温度4.2K、磁場5T中でも同様に臨界電流密度を測定した結果、銀−銅合金シース線材は600A/mm2、ニッケルシース線材は500A/mm2が得られた
次に、比較のため、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下で、かつ、室温でのビッカース硬さが50以上の両方の条件を同時に達成しない金をシース材として適用し、図14の工程で金シースMgB2多芯を作製した。
【0107】
その結果、線材は無断線で作製できたが、温度4.2K、磁場0.5T中での臨界電流密度は、銀−銅合金シース線材やニッケルシース線材のそれと比較して、約70%の1750A/mm2に留まった。また、温度4.2K、磁場5T中では、臨界電流密度は10A/mm2まで劣化した。
【0108】
これは、シース材の強度不足により、超電導コア部の緻密性、および、線材自身の機械強度が不十分であったために超電導特性が低下したことが、その後の検討により確認できた。
【0109】
以上のように、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下で、かつ、室温でのビッカース硬さが50以上の金属をシース材として適用することにより、実用的な素線性能を有する線材を作製できることを明らかにした。
【0110】
〔実施例5〕
実施例2で作製した7芯構造のアルミ/SUS316シース超電導線材7における超電導物質の、密度と臨界電流密度の関係を検討した。その結果を表1に示す。
【0111】
【表1】
Figure 0004481584
【0112】
超電導物質の密度は、理論密度に対しての値であり、パーセント表示している。なお、密度は線材の加工度を調整することによって行った。また、本実施例では、粉末充填時の密度を理論密度の50%となるようにした。臨界電流密度の測定は、温度4.2K,磁場0.5T中で行った。
【0113】
以上のように、超電導線材中に含まれる超電導物質の密度が、理論密度に対して90%を超えると、臨界電流密度が大きく向上することが明らかになった。
【0114】
また、その後の詳細な実験により、粉末の作製条件,粉末への第3元素添加条件,線材加工条件,熱処理条件等が異なっても、超電導線材中に含まれる超電導物質の密度が理論密度に対して90%を超えると、臨界電流密度が大きく向上することを確認した。
【0115】
その後、走査型電子顕微鏡により、各線材の断面観察を行った結果、超電導物質の密度が90%を超えると、超電導コア部の緻密性が向上し、結晶粒間の接合性を改善させていたことが明らかとなった。このことが、超電導物質の密度が向上すると臨界電流密度が向上する主要因であると考えられる。
【0116】
〔実施例6〕
実施例1で作製した超電導線材1の接合助剤として用いた真鍮箔を、以下の6種の接合助剤に変えた以外は、実施例1と全く同様の工程で、銅/SUS316複合シースMgB2単芯線材を作製した。
【0117】
本実施例で用いた接合助剤は、
▲1▼ 銅が主成分の銅ろう、
▲2▼ 銀が主成分の銀ろう、
▲3▼ 金と銅とニッケルが主成分の金ろう、
▲4▼ パラジウムと銀が主成分のパラジウムろう、
▲5▼ アルミニウムとシリコンが主成分のアルミろう、
▲6▼ 銅とマンガンが主成分の銅マンガンろう、
の6種である。
【0118】
それらには、必要に応じてインジウム,錫,亜鉛,鉄,鉛,ニッケル,マンガン,ホウ素を添加する。
【0119】
銅/SUS316の異種金属間における接合一体化処理は、580〜1200℃の温度で行った。いずれの接合助剤でも異種金属間は問題なく接合されており、実施例1の真鍮箔を用いた場合と同様に、30mを超える長さの線材が無断線で作製できた。
【0120】
各線材の臨界温度は37〜38Kで超電導状態となることが分かった。また、温度4.2K、磁場0.5T中における臨界電流密度は2300〜2800A/mm2が得られ、超電導特性も劣化しないことが確認できた。
【0121】
以上述べた超電導線材は、強度をさらに高める必要があるときは、エポキシ樹脂により含浸,硬化することにより、さらに強度を増すことができる。該樹脂としてはシリコン系,ウレタン系等でよく、目的に応じて選択することができる。
【0122】
本発明の線材は、広く超電導機器に適用することが可能で、例えば、大型マグネット,核磁気共鳴分析装置,医療用磁気共鳴診断装置,超電導電力貯蔵装置,磁気分離装置,磁場中単結晶引上装置,冷凍機冷却超電導マグネット装置,磁気浮上列車等に利用することにより、機器の高効率化を達成できると云う優れた効果が得られる。
【0123】
【発明の効果】
本発明によれば、高安定/高強度を同時に達成可能で、実用的な臨界電流密度を持つ超電導線材を得ることが可能になる。
【0124】
また、超電導線材および超電導マグネットは、液体ヘリウムによる冷却は勿論のこと、液体水素,液体ネオン,冷凍機伝導冷却等の冷却による運転を可能とし、かつ、磁場中においても高い超電導臨界電流密度を有するものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における複合シース単芯線材の模式断面図である。
【図2】実施例1における他の複合シース単芯線材の模式断面図である。
【図3】実施例1の複合シース単芯線材の製造工程の一例を示すフロー図である。
【図4】実施例2における複合シース多芯線材の模式断面図である。
【図5】実施例2における他の複合シース多芯線材の模式断面図である。
【図6】実施例2の複合シース多芯線材の製造工程の一例を示すフロー図である。
【図7】実施例2における他の複合シース多芯線材の模式断面図である。
【図8】本発明における複合シース多芯線材の模式断面図である。
【図9】実施例3におけるツイストした複合シース多芯線材の模式断面図である。
【図10】本発明におけるツイストした複合シース多芯線材の模式断面図である。
【図11】実施例3のツイストした複合シース多芯線材の製造工程の一例を示す図である。
【図12】本発明で製造した線材の印加磁場と交流損失の関係を示すグラフである。
【図13】実施例4における複合シース多芯線材の模式断面図である。
【図14】実施例4の複合シース多芯線材の製造工程の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1…超電導線材、2…室温でのビッカース硬さが50以上の金属、3…室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の金属、4…接合助剤(ろう材)、5…MgB2超電導体、6〜12…超電導線材、13…ツイストしない超電導線材、14…超電導線材、15…室温でのビッカース硬さが50以上で比電気抵抗が7μΩcm以下の金属。

Claims (12)

  1. MgBを含むコア部、および、このコア部を被覆する金属を含む単芯線または多芯線と、1つあるいは複数の孔を設けた金属母材と、を有し、前記単芯線または前記多芯線は、前記金属母材中に組み込まれており、この金属母材の内周であり、且つ前記単芯線または前記多芯線の外周である中間層に、前記金属母材を構成する金属と前記コア部を被覆する前記金属とを一体化するための接合助剤を配置した複合シースMgB 超電導線材であって、前記金属母材は、室温でのビッカース硬さが50以上であり、前記コア部を被覆する金属は、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下であることを特徴とする複合シースMgB超電導線材。
  2. MgB を含むコア部、および、このコア部を被覆する金属を含む単芯線または多芯線と、1つあるいは複数の孔を設けた金属母材と、を有し、前記単芯線または前記多芯線は、前記金属母材中に組み込まれており、この金属母材の内周であり、且つ前記単芯線または前記多芯線の外周である中間層に、前記金属母材を構成する金属と前記コア部を被覆する前記金属とを一体化するための接合助剤を配置した複合シースMgB 超電導線材であって、前記金属母材は、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下であり、前記コア部を被覆する金属は、室温でのビッカース硬さが50以上であることを特徴とす複合シースMgB超電導線材。
  3. 前記の単芯線または多芯線が、金属母材中に複数本組み込まれ、それらがツイストされていることを特徴とする請求項1または2に記載の複合シースMgB超電導線材。
  4. 前記接合助剤は、銅、銀、金、パラジウム、アルミ、シリコン、インジウム、錫、亜鉛、鉄、鉛、ニッケル、マンガンおよびホウ素から選ばれる少なくとも1種類の成分を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の複合シースMgB超電導線材。
  5. 前記接合助剤が箔状であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の複合シースMgB超電導線材。
  6. 前記金属母材または前記コア部を被覆する金属を構成する、室温でのビッカース硬さが50以上の金属は、SUS304、SUS316、SUS310、SUS430炭素鋼コバルト、タングステン、ニッケル、モリブデン、チタン、ニッケル−銅基合金、アルミ基合金、チタン基合金、ニッケル基合金、銅基合金、ニオブ基合金またはマグネシウム基合金であることを特徴とする請求項のいずれかに記載の複合シースMgB超電導線材。
  7. 前記金属母材または前記コア部を被覆する金属を構成する、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下の金属は、銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、モリブデン、真鍮、ニオブ銅であることを特徴とする請求項のいずれかに記載の複合シースMgB超電導線材。
  8. 金属母材に、1つあるいは複数の孔を設ける工程と、この孔内にパイプ状の金属シース材を組み込む工程と、前記金属母材および前記金属シース材に一体化処理を施す工程と、前記金属シース材にMgB粉末を充填し、伸線加工を行う工程と、を含む複合シースMgB超電導線材の製造方法であって、前記一体化処理が、前記金属母材に設けた前記孔の内周であり、且つ前記金属シース材の外周である中間層に、前記金属母材と金属シース材とを一体化するための金属を含有する接合助剤を配置した後、一体化する工程を含み、前記金属母材は、室温でのビッカース硬さが50以上であり、前記金属シース材は、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下であることを特徴とする複合シースMgB超電導線材の製造方法。
  9. 金属母材に、1つあるいは複数の孔を設ける工程と、この孔内にパイプ状の金属シース材を組み込む工程と、前記金属母材および前記金属シース材に一体化処理を施す工程と、前記金属シース材にMgB 粉末を充填し、伸線加工を行う工程と、を含む複合シースMgB 超電導線材の製造方法であって、前記一体化処理が、前記金属母材に設けた前記孔の内周であり、且つ前記金属シース材の外周である中間層に、前記金属母材と金属シース材とを一体化するための金属を含有する接合助剤を配置した後、一体化する工程を含み、前記金属母材は、室温での比電気抵抗が7μΩcm以下であり、前記金属シース材は、室温でのビッカース硬さが50以上であることを特徴とす複合シースMgB超電導線材の製造方法。
  10. 前記MgB粉末を充填した前記金属シース材を複数本束ねてツイスト加工を施す工程と、ツイスト加工を施した複数本の前記金属シース材を前記金属母材中に組み込む工程と、を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の複合シースMgB超電導線材の製造方法。
  11. 前記接合助剤は、銅、銀、金、パラジウム、アルミ、シリコン、インジウム、錫、亜鉛、鉄、鉛、ニッケル、マンガンおよびホウ素から選ばれる少なくとも1種類の成分を含有することを特徴とする請求項10のいずれかに記載の複合シースMgB超電導線材の製造方法。
  12. 前記接合助剤が箔状であることを特徴とする請求項11のいずれかに記載の複合シースMgB超電導線材の製造方法。
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