JP4055375B2 - 超電導線材とその作製方法及びそれを用いた超電導マグネット - Google Patents

超電導線材とその作製方法及びそれを用いた超電導マグネット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、臨界温度以下の環境において、超電導性を発現する超電導体を用いることによって、高い超電導臨界電流密度が得られる超電導線材とその製造方法、及びそれを用いた超電導マグネットに関するものである。具体的には、電流リード,送電ケーブル,大型マグネット,核磁気共鳴分析装置,医療用磁気共鳴診断装置,超電導電力貯蔵装置,磁気分離装置,磁場中単結晶引上装置,冷凍機冷却超電導マグネット装置,超電導エネルギー貯蔵,超電導発電機,核融合炉用マグネット等の機器において適用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、超電導材料としてはNbTi,Nb3Sn 等の金属系のものが知られている。しかし、これらの金属系超電導材料は臨界温度が最も高いNb3Ge でも23K(ケルビン)であり、冷却には高価な液体ヘリウムを使用しなければならない問題があった。
【0003】
一方、高温超電導体においては、1986年4月に臨界温度が30Kのランタン(La)系酸化物系超電導体が発見されて以降、臨界温度が液体窒素の沸点温度(77K)を超えるイットリウム(Y)系,ビスマス(Bi)系,タリウム(Tl)系,水銀(Hg)系というような各銅系酸化物系超電導体が相次いで発見された。しかしながら、これら銅系酸化物はいわゆるセラミックスで構成されていることから、加工が困難で線状に伸ばしにくいという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近になって、Nature 410,63−64(2001)で報告されたように、ニホウ化マグネシウム(MgB2)がおよそ40Kで超電導を示すことが見い出された。この材料は、金属系超電導材料よりも臨界温度が高いため、今後電気自動車等で適用により需要が拡大し、液体ヘリウムに比べて大幅に安価になると見られている液体水素を使用することができる。また、入手が容易で、原材料費が安いマグネシウム(Mg)とホウ素(B)から成るうえ、薄く延ばしたり曲げたりすることが比較的簡便である。さらに、酸化物超電導線材を作製する際に通常用いる「パウダー・イン・チューブ法」で線材を製造することが可能であるため、製造コストの面で極めて魅力的な材料として位置付けられている。
【0005】
以上のことから、MgB2 系線材で実用的な超電導特性が維持できるようになれば、送電ケーブル等の電力応用のみならず、例えば近年脚光を浴びている分野の一つであるバイオサイエンスへの応用等、様々な分野への貢献が期待できる。
【0006】
しかし、これまでに試作されているMgB2 系超電導線材は、従来の金属系及び酸化物系超電導体に比べて、現状では臨界電流密度,上部臨界磁場、及び不可逆磁場が極めて低いという課題がある。例えば、日経メカニカルニュース2月28日号(No.870)に記載されているように、臨界電流密度は温度5K,磁場1Tの条件下で約10万A/cm2 ,温度20K,磁場1Tの条件下で4万A/cm2 であり、実用を考えると1桁近く臨界電流密度を向上させる必要がある。
【0007】
以上のような課題を解決すべく、MgB2 を高圧下で合成したり、MgB2 の単相化を進める検討が鋭意行われている。しかしながら、従来、実用的な臨界電流密度,上部臨界磁場、及び不可逆磁場を有するMgB2 系超電導線材は得られていない。
【0008】
本発明は、以上述べたような事情に鑑みてなされたものであり、ホウ素を含む超電導体を充填又は内包してなる超電導線材において、磁場中においても実用的な臨界電流密度を有する超電導線材とその製造方法、及びそれを用いた超電導マグネットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らはこれまで、主に酸化物超電導線材及びそれを用いたマグネットの応用を目指した研究開発を進めてきた。この中で、臨界電流密度を向上させる項目として、特に以下の4項目が重要であることを明らかにしてきた。すなわち、▲1▼超電導体と熱的に反応しない金属被覆材の選定、▲2▼最終形状に加工した際の超電導体の充填密度、▲3▼結晶粒同士の接合性の向上、▲4▼量子化された磁束線をトラップして、侵入した磁束線を動かないようにするピンニングセンターの導入である。以上の4項目を同時に実現することで、高い特性を有する超電導線材が得られる。しかし、臨界電流密度は物質固有の値ではなく、作製方法に大きく依存する。このため、酸化物超電導線材や従来金属系超電導線材に適用してきた方法だけでは、臨界電流密度はあまり向上しないことが分かった。故に、材料によってそれぞれ最適化を行う必要があり、ホウ素を含む超電導体においても独自の検討が必要となった。
【0010】
そこで発明者らは、上記課題を解決することに注力した結果、従来の超電導線材及び超電導マグネットに比べて超電導特性を大幅に向上可能な、新規の超電導線材とその製造方法及び超電導マグネットを見い出したのでここにまとめた。
【0011】
すなわち、上記目的は、ホウ素を含む超電導体を充填又は内包してなる超電導線材において、該超電導体の外周に金,銀,アルミニウム,銅,鉄,白金,パラジウム,ニッケル,ステンレス,クロム,マグネシウム,タンタル,ニオブ,チタン,スズ,ベリリウム,タングステン,コバルトから選ばれた単独の金属或いはそれらの複数から成る合金の金属被覆材が配置され、最終加工後の該超電導体の密度が理論密度の80%以上であり、かつ該超電導線材の臨界温度が30K以上である超電導線材によって達成できる。
【0012】
また、上述の超電導線材において、該超電導線材に含まれる超電導体中に、該超電導体よりも低融点の金属粉末が添加されている超電導線材によって達成できる。
【0013】
また、上述の超電導線材において、該金属粉末の元素がインジウム,鉛,金,銀,マグネシウム又はアルミニウムから選ばれる単独或いはそれらの複数から成る超電導線材によって達成できる。
【0014】
また、上述の超電導体の平均結晶粒径Sと、上述の金属粉末の平均粒径Mが、S≧Mの関係であるとき、その効果が極めて大きい。さらに、超電導体の平均結晶粒径が20μm以下であれば、臨界電流密度を一層向上させることが可能となる。
【0015】
また、上述の該金属粉末の添加量が、該超電導体の重量比率に対して50以下である超電導線材により達成できる。
【0016】
また、超電導線材の製造方法において、ホウ素を含む超電導体を合成する第1の工程と、該第1の工程で作製した該超電導体を金,銀,アルミニウム,銅,鉄,白金,パラジウム,ニッケル,ステンレス,クロム,マグネシウム,タンタル,ニオブ,チタン,スズ,ベリリウム,タングステン,コバルトから選ばれた単独の金属或いはそれらの複数から成る合金の金属被覆材に充填又は内包する第2の工程と、該第2の工程で作製した線材に断面積の減少率が少なくとも10%以上となる縮径加工を行う第3の工程、或いは該線材に少なくとも1ton/cm2以上の圧力を加えて変形させる第4の工程の一方又は両方の工程を有することにより達成できる。
【0017】
また、超電導線材の製造方法において、上述の第3の工程或いは第4の工程において、超電導線材内に含まれる超電導体もしくは添加した金属粉末の単独あるいは両方の一部分が溶融し始める温度以上の領域まで温度が上昇することにより達成できる。この場合、超電導線材の製造工程において、該超電導線材に対する加熱処理工程を一度も行わなくても良いというメリットがある。
【0018】
また、超電導線材の製造方法における第1の工程において、フッ化物を原料とすることにより達成できる。これは、超電導体の合成において、フッ素の拡散が超電導体の単化を促進させることを筆者らは実験により確認している。
【0019】
また、上述の超電導線材の製造方法により作製した超電導線材を用いて、コイル状に巻線する永久電流スイッチを有する超電導マグネットであって、該超電導マグネットの両端の電気抵抗が、永久電流磁石として機能する程度に十分低く構成することで永久電流マグネットが実現できる。この際、異種の超電導体を組み合わせて成る該超電導マグネットにおけるそれぞれの超電導体同士の接続部分において、上述の超電導線材の製造方法により作製した超電導線材を用いると、その効果は極めて大きい。具体的には、複数の超電導体同士の接続部に本発明の超電導線材を圧着して使用することが好適であり、抵抗値を1〜4桁低減することができる。
【0020】
また、超電導マグネットの機械強度が、該超電導マグネットに加わる電磁力を支持するに十分な強さであることにより、強磁場超電導マグネットが実現できる。この場合、超電導線材と合わせ巻きする該絶縁材として0.1 〜20%のアルミニウムを含有する銅合金,ステンレス鋼,チタン合金,鉄基耐熱合金,ニッケル基耐熱合金,コバルト基耐熱合金から選ばれる単独或いはそれらの複数から成る金属を用いると、その効果は極めて大きい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明における超電導粉末,焼結体,塊の製造方法としては、それぞれの化合物を粉砕,混合し、その混合物を焼成する方法が挙げられる。この方法には、原料化合物のすべてを一度に混合する方法や原料化合物の一部を予め混合した後、残りの原料粉末を混合する方法がある。
【0022】
本発明における超電導粉末の合成の熱処理温度は、600〜1200℃の範囲内が用いられる。また、必要に応じて酸素ガス,窒素ガス,アルゴンガス等を単独あるいは混合して熱処理を行う。さらに、必要に応じて、大気圧以上の圧力で加圧しながら熱処理を行う。
【0023】
超電導線材の作製方法は、これまでに多くの方法が提案されているが、ここではその1つの例としてパウダー・イン・チューブ法について詳しく述べる。
【0024】
上述した様な方法で超電導体、あるいは前駆体を合成した後、適当なサイズに粉砕,焼結したものをパイプ状の金属被覆材に充填する。金属被覆材には、金,銀,アルミニウム,銅,鉄,白金,パラジウム,ニッケル,ステンレス,クロム,マグネシウム,タンタル,ニオブ,チタン,スズ,ベリリウム,タングステン,コバルトから選ばれた単独或いは複数からなるものを用いる。金属被覆材は、超電導体と熱的に反応しないことはもちろん、量産化を考えると加工性が良好である必要がある。
【0025】
また、線材の多芯化を行う場合には、複数の金属被覆材が配置されることになるが、それらの種類や材質等が異なってもよい。その場合、被覆材が二重構造の場合、内側及び外側の金属被覆材は超電導体と熱的な反応をしないものが適するが、外側の金属被覆材は反応だけでなく、高強度のものとするのが好適である。これには、被覆材兼補強材とすることができるメリットがある。また、この金属の表面に酸化皮膜等の絶縁膜を形成すれば、さらに絶縁材の役割を果たすことが可能になる。
【0026】
線材の縮径加工は、ドローベンチ,スエージャー,カセットローラーダイス、あるいは溝ロールを用いて1パス当りの断面減少率が1〜20%程度の伸線加工を繰り返し行う。必要に応じて、線材の多芯化を行うこともある。多芯化を行う方法は、丸断面形状あるいは六角断面形状に伸線加工した線材をパイプに組み込み、上述したような装置を用いて、1パス当りの断面減少率が1〜20%程度で所定の線径まで伸線する。ここでの工程は、線材を所望の形状にすると同時に、金属被覆材内に充填された超電導粉末を高密度化する作用がある。さらに緻密化を図るため、冷間あるいは熱間圧延機で加工し、平角状あるいはテープ状の断面とし、適切な温度や雰囲気で熱処理をすることによって高い臨界電流密度を持った線材が得られる。
【0027】
本発明における超電導線材は、最終形状に加工された場合の超電導体の密度が理論密度に対して80%を超えた場合に、高い臨界電流密度を持った線材が得られる。
【0028】
本発明における超電導線材の最終的な熱処理温度としては、600〜1200℃の範囲内が用いられるが、熱処理を行わなくても高い臨界電流密度が得られる。これは、線材の縮径加工工程や変形加工工程で結晶粒同士の接合性が良好な状態になるためであることを筆者らは実験により確認している。但し、超電導相の単相化を進めるには、熱処理は有効であり、単相化の促進により場合によっては臨界電流密度が10%近く向上することがある。しかし、臨界電流密度を向上させるに適する超電導体の結晶粒径は20μm以下であり、この粒径を超えると臨界電流密度が低下することを確認した。
【0029】
作製した線材は、目的に応じて一本以上複合させてコイル状に巻いたり、リード線状やケーブル線状に成形して利用する。熱処理を行う場合は、超電導体の特性を高めるため、熱処理雰囲気が材料によって選択される。例えば、酸素ガス,窒素ガス,アルゴンガスを単独あるいは混合したガスを適当な流量だけ気流、又は封入して、熱処理される。また、MgB2 系超電導体では、蒸気圧の高いマグネシウムが熱処理中に飛散して組成ずれを起こし、超電導特性を劣化することがあるため、例えばマグネシウム焼結体を同時に熱処理する等して、擬マグネシウム雰囲気を作った状態で熱処理すると効果的である。さらに、金属被覆材にマグネシウムを含有することも同様の効果を有する。
【0030】
また、本発明における超電導体よりも融点が低い金属粉末を添加することにより、結晶粒間の接合性が向上し、高い臨界電流密度が得られる。また、添加した金属が超電導体の結晶粒界及び粒内に分散することで、ピンニング力を高めることも可能となる。金属粉末の元素としては、低融点材料のインジウム,鉛が望ましいが、金,銀,マグネシウム又はアルミニウムを含んでも良い。そして、平均結晶粒径が10μm以下であることが望ましい。これは、添加金属が非超電導層であるため、10μmよりも大きな場合には、電流パスを遮断するためである。また、添加する量が少なすぎても或いは多すぎても好ましくなく、超電導体の重量比率に対して50以下である必要があることを筆者らは実験により確認している。
【0031】
また、本発明の線材の作製工程において、超電導線材の最終形状が断面積の減少率として少なくとも10%以上になる加工を施す必要がある。断面減少を行う伸線或いは圧延加工は、上述のように金属被覆材内に充填された超電導体を高密度化する作用がある。さらに、超電導線材に1ton/cm2以上の圧力を加えて変形させることも同様の効果を有する。これらのプロセスは、結晶粒同士の接合性を向上させることから、臨界電流密度が向上する。また、縮径加工や変形加工の際に、超電導体もしくは添加した金属粉末の一方或いは両方の一部分が溶融することで、結晶粒の接合性がさらに向上することも筆者らは実験により明らかにした。
【0032】
上述した方法以外にも、例えば溶射法,ドクターブレード法,ディップコート法,スプレーパイロリシス法、あるいはジェリーロール法等で作製した線材を用いても同等の超電導特性を得ることは可能である。
【0033】
また、本発明における超電導線材は、線材自身の降伏応力,引張り強さ,ヤング率等の機械強度が極めて高いため、強磁場発生時の電磁力に耐え得るマグネットが構成できる。そして、両端抵抗を十分に小さくすることにより、永久電流マグネットが実現できる。
【0034】
本発明における超電導マグネットを作製する場合、超電導線材とともに巻合わせる絶縁材は、コイル設計上、密に巻線を行って発生磁場を高めることが重要であることから、絶縁層の厚みを0.3mm 以下にすることが好ましく、さらに好ましくは0.1mm 以下にまで薄くする。また、極低温への冷却を行っても、絶縁性,密着性,強度及び耐熱性が良好であることが重要である。絶縁材の材料としては、0.1 〜20%のアルミニウムを含有する銅合金,ステンレス鋼,チタン合金,ニッケル基合金,コバルト基合金から選ばれる単独或いは複数から成る金属を用いることが望ましい。
【0035】
本発明において製造された超電導体を、仮に液体ヘリウム中で使用する場合には、金属系超電導体や酸化物超電導体と組み合わせる構造にすることで、より強い磁場を発生する超電導マグネット等の実用導体が実現できる。このときの金属系超電導体としては、NbTi系合金,Nb3Sn 系化合物,Nb3Al 系化合物,V3Ga系 ,シェブレル系化合物を用い、必要に応じて2種以上のマグネットを配置する。このときの酸化物超電導体は、Y系,Bi系,Tl系,Hg系,Ag−Pb系超電導体が望ましい。
【0036】
また、本発明において製造された超電導体を液体水素及び液体ネオン中で使用する場合には、酸化物超電導体と組み合わせることにより、より高性能の超電導マグネット等の実用導体が実現できる。
【0037】
このようにして作製した超電導線材は、超電導マグネットのほか、送電ケーブル,電流リード,MRI装置,NMR装置,SMES装置,超電導発電機,超電導モータ,磁気浮上列車,超電導電磁推進船,超電導変圧器,超電導限流器などに用いることができる。また、超電導線材を所望の形状に加工した導体は、コイル,電流リード,ケーブル等の導体用に変形加工された後、組み込まれる。また、その使用温度が液体水素温度、或いは液体ネオン温度以上であれば、一層効果的である。
【0038】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。但し、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0039】
まず、本発明の超電導線材の製造方法を説明する。出発原料として、マグネシウム粉末(Mg;純度99%)とアモルファス状ホウ素粉末(B;純度99%)を用いて、マグネシウムとホウ素が原子モル比で1:2になるように秤量し、10〜60分間にわたって混合する。次に、この混合体を700〜1000℃の温度で、2〜20時間にわたって熱処理し、MgB2 超電導体を作製する。このとき、100MPa以上の圧力を加えて熱処理することもある。
【0040】
得られた粉末のX線回折を行ったところ、強度比換算でMgB2 超電導体が95%以上含まれていることが分かった。MgB2 以外には、若干のMgO及びMgB4 も含まれていた。
【0041】
次いで、得られた粉末を外径6mm,内径5mm,長さ500mmの円形の断面形状を有するアルミニウムパイプに充填する。この線材を、断面積の減少率3乃至10%で伸線加工し、所定形状まで縮径する。必要に応じて、線材の横断面形状を楕円形,六角形,平角形又は丸形状の横断面形状に減面加工する。本実施例では、外径2.0mm 程度の丸線と厚さ1mm,幅2mmの平角線になるまで縮径することにより、図1及び図2に示すような超電導線材1を得た。図1は丸線、図2は平角線の断面模式図である。超電導線材1は、金属被覆材2の中に超電導体3が充填又は内包されている。なお、ここでは、単芯線を作製したが、必要に応じて線材の多芯化も行う。
【0042】
本実施例では、ここで、700〜1000℃の温度で、2〜20時間にわたって熱処理した超電導線材Aと縮径加工のみで熱処理を行わない超電導線材Bを作製した。
【0043】
なお、円形,楕円形,矩形及び六角形の線材の外径は、対辺の長さが最も短い部分で1〜2mm程度が実用上望ましいが、用途や通電電流に応じて適切な外径とすればよく、特に限定されるものではない。
【0044】
次に、本実施例で作製した超電導線材A及び超電導線材Bの断面を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果、超電導線材Aの結晶粒径は平均12μmであり、超電導線材Bの結晶粒径は平均7μmであることを確認した。この線材の臨界温度を直流四端子法で測定したところ、両者とも39Kで電気抵抗がゼロになることが確認できた。また、温度10K,磁場1T中における臨界電流密度を測定したところ、超電導線材Aは6×104A/cm2,超電導線材Bは5.5×104A/cm2を得た。その後の実験において、超電導体の合成温度や線材の熱処理温度を上昇し、超電導線材A及び超電導線材Bの結晶粒径を増大させ、温度10K,磁場1T中における臨界電流密度を測定した。表1に示すように、両線材において、結晶粒径が20μmよりも粗大化すると、臨界電流密度が低下する傾向が認められた。これは、結晶が粗大化する温度ではMgB4 やその他の同定できない非超電導相も同時に粗大化し、電流パスを遮断するためである。以上の結果から、超電導線材内の超電導体の平均結晶粒径は20μm以下にすることが効果的であることが明らかになった。
【0045】
【表1】
Figure 0004055375
【0046】
次に、線材内部の超電導体の密度を調査したところ、両者とも理論密度の90%であることが確認できた。理論密度に対する実密度と臨界電流密度の関係を明らかにするために、線材内部の密度を理論密度の90%のものと70%のものを作製し、それらの臨界電流密度の磁場依存性を測定した。図3にその結果を示す。理論密度の70%の線材5は90%の線材4に比べて、ゼロ磁場及び磁場中の臨界電流密度が1/5以下であり、電流密度には線材内部の理論密度依存性があることが分かった。
【0047】
その後の実験において、線材内部の超電導体の密度を変化させ、臨界電流密度に及ぼす影響を調査した。なお、いずれの線材も臨界温度は37.5〜39K で電気抵抗がゼロになることを確認した。
【0048】
臨界電流密度の測定は、温度10K,磁場1T中で行った。その結果、表2に示すように、超電導線材内に内包される超電導体の密度が理論密度の80%以下の場合には臨界電流密度が低下する傾向が認められた。以上より、超電導体の密度は理論密度の80%以上にすることが効果的であることを明らかにした。
【0049】
【表2】
Figure 0004055375
【0050】
本実施例では、超電導体を充填する金属被覆材はアルミパイプを使用したが、その後の実験において、種々の金属パイプを用い、図1に示す工程に従って線材を作製し、臨界電流密度を調査した。なお、線材作製後の熱処理は行わなかった。その結果、金属被覆材には、金,銀,アルミニウム,銅,鉄,白金,パラジウム,ニッケル,ステンレス,クロム,マグネシウム,タンタル,ニオブ,チタン,スズ,ベリリウム,タングステン,コバルトから選ばれた単独の金属或いはそれらの複数から成る合金を用いることで、温度10K,磁場1T中での臨界電流密度が5.3〜6.5×104A/cm2が得られることが分かった。また、これらの線材の臨界温度を直流四端子法で測定したところ、全て35.5〜39.5Kで電気抵抗がゼロになることが確認できた。このことから、金属被覆材には、金,銀,アルミニウム,銅,鉄,白金,パラジウム,ニッケル,ステンレス,クロム,マグネシウム,タンタル,ニオブ,チタン,スズ,ベリリウム,タングステン,コバルトから選ばれた単独の金属或いはそれらの複数から成る合金を用いることが効果的であることが明らかになった。
【0051】
なお、必要に応じて、金属被覆材と超電導体の間に中間層を設ける場合がある。特に、超電導体に含有される元素を含んだ中間層であれば一層好ましい。例えば、MgB2 系超電導線材における中間層には、MgOを配置すると良い。中間層の代表例としては、MgO以外にもSrTiO3 やハステロイが挙げられるが、超電導体との熱的な反応によって、該超電導体が性質を損なわないものであれば、どのような元素から成るものであっても構わない。
【0052】
また、我々は、本発明における超電導線材に含まれる超電導体に金属粉末を添加することが、臨界電流密度の向上に有効であることを見い出した。以下、このことについて、詳細に述べる。
【0053】
フッ化マグネシウム粉末(Mg;純度99%)とアモルファス状ホウ素粉末(B;純度99%)を用いて、マグネシウムとホウ素が原子モル比で1:2になるように秤量し、10〜60分間にわたって混合する。次に、得られた混合体を800〜1100℃の温度で、2〜10時間にわたって熱処理し、MgB2 超電導粉末を作製する。得られた粉末のX線回折結果は、強度比換算でMgB2 超電導体が97.5% 以上含まれていることが分かった。原材料として、フッ化物を使用した方が超電導体の単相化には効果があるといえる。異相としては、若干のMgB4 と同定できない非超電導相も含まれていた。
【0054】
その後、得られた超電導粉末の重量比率に対し、インジウム,鉛の一方或いは両方で構成される金属粉末が1%の重量となるように秤量し、超電導粉末と金属粉末を10〜60分にわたって混合する。次いで、得られた粉末を外径6mm,内径4.5mm ,長さ500mmの円形の断面形状を有する銅パイプに充填する。この線材を、断面積の減少率3乃至10%で伸線加工し、図2のような厚さ1mm,幅2mmの平角線に加工した。なお、今回は縮径加工のみで熱処理は行わなかった。
【0055】
得られた線材の臨界温度を直流四端子法で測定したところ、全て38〜39Kで電気抵抗がゼロになることが確認できた。また、温度10K,磁場1T中で臨界電流密度を測定したところ、7.1〜8.2×104A/cm2が得られることが分かった。その後、走査型電子顕微鏡により、線材の断面観察を行った結果、添加した金属元素を見つけることができなかった。次に、透過型電子顕微鏡により、断面の観察を行った結果、金属元素は超電導体の結晶粒界に存在していることが確認できた。このことから、臨界電流密度が向上した要因として、添加した金属粉が結晶粒同士の接合性を向上させていたことが考えられる。
【0056】
また、その後の実験により、上述した金属粉末の元素として、インジウム或いは鉛と一緒に金,銀,マグネシウム,アルミニウムの単独或いはそれらの複数から成る混合物を添加した場合においても、温度20K,磁場1T中での臨界電流密度は、6.9〜8.2×104A/cm2が得られることが分かった。
【0057】
しかしながら、金,銀,マグネシウム,アルミニウムは超電導体に比べて低融点の金属ではないため、インジウムや鉛のように溶融しているとは考えられない。このため、走査型電子顕微鏡により、断面観察を行った。その結果、それらの金属は、結晶粒内に存在しており、かつ若干ではあるがピンニングセンターとして作用していることが確認できた。
【0058】
しかし、超電導体の平均結晶粒径と添加する金属粉末の平均結晶粒径について、超電導体の方が金属粉末よりも平均結晶粒径が大きくないと何ら効果を示さず、むしろ臨界温度や臨界電流密度は低下することが分かった。
【0059】
以上より、超電導体に、インジウム,鉛,金,銀,マグネシウム,アルミニウムから選ばれる単独或いはそれらの複数から成る金属粉末を添加することにより、高い臨界電流密度を持つ超電導線材が得られるようになる。但し、この時の金属粉末の平均結晶粒径は、超電導体の平均結晶粒径よりも小さくなければならないことを明らかにした。
【0060】
表3は、添加する金属粉末量の最適化を検討した結果である。実験は、超電導体の重量比に対して金属粉末を0.001〜75% 添加し、温度10K,磁場1T中における臨界電流密度を調査した。
【0061】
【表3】
Figure 0004055375
【0062】
表3に示すように、金属粉末の添加量が超電導体の重量比率に対して、50以下となるようにすることにより、高い臨界電流密度を持つ超電導線材が得られるようになる。
【0063】
高い臨界電流密度を持つ超電導線材を得るには、超電導体の結晶粒同士の接合性を向上させる有効であるということを示した。結晶粒の接合性を向上するには、低融点の金属粉末を添加することが効果的であるということから、超電導線材の製造工程において、超電導体もしくは添加金属粉を溶融させることができないか検討した。
【0064】
このときの製造工程の一例を図4に示す。その結果、線材形状を縮径加工する工程と、線材形状を変形加工する工程で結晶粒同士の接合性が向上することが分かった。
【0065】
そこで、縮径加工における最適な断面積の減少率と、変形加工における最適な圧力に関して検討を行った。その結果を表4及び表5に示す。測定は、温度20K,磁場1T中で行った。
【0066】
【表4】
Figure 0004055375
【0067】
【表5】
Figure 0004055375
【0068】
表4における断面積の減少率は、金属被覆材に充填した形状を基準にした場合の断面積の減少率である。例えば、直径6mmの金属パイプに超電導体を充填した場合は、直径6mmの断面積(S=9πmm2)に対して、10%の断面積減少は、直径5.692mm まで縮径加工したときに達成される。また、充填時に直径10mmであれば、少なくとも直径9.487mm までの縮径加工を行う必要がある。
【0069】
表5における圧力に関しては、例えば圧延加工や一軸プレスにより変形加工を施す際の表面に加わる力である。
【0070】
以上の結果から、縮径加工においては断面積の減少率が10%以上行った場合、変形加工においては圧力を1ton/cm2加えた場合に臨界電流密度を向上できることが明らかになった。その後の実験で、上記縮径加工と変形加工を同時に行うとさらに効果的であり、最高値で7×104A/cm2を得ることが分かった。
【0071】
測定後の試料を走査型電子顕微鏡及び透過型電子顕微鏡により、断面観察した結果、10%以上の断面積が減少する縮径加工を行った場合、もしくは1ton/cm2 以上の圧力を加えた場合に超電導線材内に含まれる超電導体もしくは添加した金属粉末の一方、或いは両方の一部が溶融していることを確認した。さらに、加工の際に試料に直接熱電対を取付け、加工時の温度を実測した。その結果、両者の加工時に超電導体もしくは添加した金属粉末の一方、或いは両方の一部が溶融し始める温度まで上昇していることも分かった。
【0072】
図5は、本発明の超電導線材を用いたコイル断面模式図の一例を示す。ソレノイド巻きコイル6は本発明の実施例の方法で作製した厚さ1mm,幅2mmの平角形状の超電導多芯超電導線材7を用いた。多芯線のため金属被覆材は二重構造となっており、内側の金属被覆材8が銅、外側の金属被覆材9がニッケル基合金である。コイル形状は、内径は75mm,外径は130mmである。ソレノイドコイルの巻きボビン10には外径74.5mm,厚さ2mmの銀基1000ppmマグネシウム酸化物分散強化合金を用いた。
【0073】
また、本コイルの絶縁材としては、外側の金属被覆材9であるニッケル基合金を絶縁材兼補強材として使用した。この絶縁材は、巻線前にあらかじめ酸化皮膜を形成する熱処理を施している。絶縁材に要求される特性としては、機械的強度に優れ、特に熱処理後における機械的な引っ張り強度の強いものが良い。これは、コイルにかかる耐電磁力対策のためである。電磁力は、大雑把には、印加磁場,コイル電流密度,コイル半径の積で表される。このため、強磁場下やコイル形状が大きくなると、電磁力対策は重要な技術課題となる。このため、絶縁材によりコイルに加わる電磁力を補強することが望ましいが、このとき、絶縁材に要求される仕様として、絶縁性があること、強い機械強度を持つこと、熱処理過程で超電導体を劣化させないこと等があげられる
【0074】
これらを満足する金属の中で最も好ましいものは、今回用いたニッケル基合金やアームスブロンズ(銅−アルミ合金)系材料がある。そこで、本実施例では、上述のようなニッケル基合金を厚さ50μm,幅2mm,長さ500mのテープ状とし、絶縁材11として使用した。この際、上述のように、巻線前にあらかじめ、絶縁テープ表面に緻密な酸化皮膜を形成する熱処理を施した。また、ステンレス鋼などの耐熱金属材料も、あらかじめ表面に酸化皮膜を形成しておけば利用できる。
【0075】
図5に示すような、超電導コイルは、全体をエポキシ樹脂により含浸することにより、さらに強度を増すことができる。この場合、エポキシ系以外にも、シリコン系,ウレタン系等でもよく、特に限定されるものではない。
【0076】
図6は本発明における超電導マグネットの構成図の一例を示す。超電導マグネット11には、本実施例で作製した超電導線材を使用した。マグネット11はクライオスタット12内に設置し、液体水素13により冷却される。銅電極14,電流リード15を介して、永久電流スイッチ16と超電導マグネット11が接続される。
【0077】
本構成において、超電導マグネットの両端に10-13Ω・m の比抵抗が発生した電流値で定義した臨界電流は200A であり、このときの発生磁場は3.8Tであった。また、この状態で永久電流動作に移行すると、2.4 テスラの磁場を120時間にわたって保持できた。
【0078】
ここで、電流リード15には酸化物超電導電流リードを利用すれば、システムへの熱侵入を低減できる効果があり、更に、抵抗による永久電流の減衰を抑制可能である。また、永久電流スイッチに酸化物超電導体を用いると、液体窒素で冷却した簡便なシステムが構築できるメリットがある。
【0079】
図7は本発明における強磁場発生超電導マグネットの構成図の一例を示す。超電導マグネットは、酸化物系超電導マグネット17及び金属系超電導マグネット18が使用され、液体ヘリウム19内で最大20Tの磁場を印加することが可能である。この各マグネットは直接に接続されており、クライオスタット12内で異種の超電導線材同士を接続する必要がある。ここでは、酸化物系超電導線材と金属系超電導線材を接続する必要がある。この接続部20に、両超電導線材と本実施例で作製した超電導線材の3種線材を圧着接続した。
【0080】
本構成において、例えば酸化物系と金属系の接続においては、従来は10-10Ωの抵抗を有していたが、この接続部に本実施例で作製した超電導線材を用いて、両者を圧着してつなぐことにより、抵抗値が10-14Ωまで低減した。
【0081】
本発明の酸化物超電導コイルは広く超電導機器に適用することが可能であって、例えば、大型マグネット,核磁気共鳴分析装置,医療用磁気共鳴診断装置,超電導電力貯蔵装置,磁気分離装置,磁場中単結晶引上装置,冷凍機冷却超電導マグネット装置などに利用することにより、機器の高効率化を達成できる効果がある。
【0082】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の超電導線材とその製造方法、及びそれを用いた超電導マグネットにより、実用的な臨界電流密度を持つ超電導線材及び超電導マグネットを得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の丸形状超電導線材の断面模式図。
【図2】本発明の平角形状超電導線材の断面模式図。
【図3】超電導体の密度を変化させた線材の印加磁場と臨界電流密度の関係を示す図。
【図4】本発明の超電導線材を製造するための工程の一例を示す図。
【図5】本発明において製造した超電導コイルの断面模式図。
【図6】本発明の超電導マグネットシステムの一例を示す図。
【図7】本発明の超電導マグネットシステムの一例を示す図。
【符号の説明】
1…超電導線材、2…金属被覆材、3…超電導体、4…理論密度の90%の密度を有する超電導線材の臨界電流密度の磁場依存性、5…理論密度の70%の密度を有する超電導線材の臨界電流密度の磁場依存性、6…ソレノイド巻きコイル、7…超電導多芯線材、8…内側の金属被覆材、9…外側の金属被覆材、10…コイル巻きボビン、11…超電導マグネット、12…クライオスタット、13…液体水素、14…電極、15…電流リード、16…永久電流スイッチ、17…酸化物系超電導マグネット、18…金属系超電導マグネット、19…液体ヘリウム、20…接続部。

Claims (4)

  1. MgB 系超電導体を充填又は内包してなる超電導線材において、前記超電導体の外周に金,銀,アルミニウム,銅,鉄,白金,パラジウム,ニッケル,ステンレス,クロム,マグネシウム,タンタル,ニオブ,チタン,スズ,ベリリウム,タングステン又はコバルトから選ばれた単独の金属或いはそれらの複数から成る合金の金属被覆材が配置され、最終加工後の前記超電導体の密度が理論密度の80%以上であり、かつ、前記超電導体の臨界温度が30K以上であって、前記超電導線材に含まれる超電導体中に、前記超電導体よりも低融点の金属粉末が添加されていることを特徴とする超電導線材。
  2. 請求項に記載の超電導線材において、前記金属粉末の元素がインジウム,鉛,金,銀,マグネシウム又はアルミニウムから選ばれる単独或いはそれらの複数から成ることを特徴とする超電導線材。
  3. 前記超電導体の平均結晶粒径Sと、前記金属粉末の平均粒径Mが、
    S≧M
    で表されることを特徴とする請求項に記載の超電導線材。
  4. フッ化物を原料として、MgB 系超電導体を合成する第1の工程と、
    該第1の工程で作製した該超電導体を金,銀,アルミニウム,銅,鉄,白金,パラジウム,ニッケル,ステンレス,クロム,マグネシウム,タンタル,ニオブ,チタン,スズ,ベリリウム,タングステン,コバルトから選ばれた単独の金属或いはそれらの複数から成る合金の金属被覆材に充填又は内包する第2の工程と、
    該第2の工程で作製した線材に断面積の減少率が少なくとも10%以上となる縮径加工を行う第3の工程、或いは該線材に少なくとも1ton/cm以上の圧力を加えて変形させる第4の工程の一方又は両方の工程を有することを特徴とする超電導線材の製造方法。
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