JP4481092B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤにかかり、特に、オールシーズンにわたって使用できる空気入りタイヤに関する。
オールシーズンタイヤにおいては、ドライ、ウエットの走行性能と共に、雪上での性能を高次元でバランスさせることが要求されている。
従来のオールシーズンタイヤのトレッドパターンとしては、例えば特許文献1に記載されているようなトレッドパターンが代表的なものである。
特許3222953号
現行パターンのような構成では、雪上性能を確保しようとすると比較的周方向に対して大きな角度を持つラグ溝を入れ、また、ブロック内に均等に入れた細溝の本数を増加させる手法でスノー性能を確保を狙っているが、この手法では、雪上性能を良くしようとするとブロック剛性の低下につながり、ドライ、ウエット操縦性能の低下につながる。
また、ラグ溝の角度がタイヤ幅方向に近いため、排水性能には不利となる。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、ドライ性能、及びウエット性能を確保しつつ、雪上性能を向上させることのできる空気入りタイヤの提供を目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の空気入りタイヤは、両サイドウォール間に配置され路面と接するトレッドと、前記トレッドに設けられ、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向溝と、タイヤ幅方向最外側の前記周方向溝からタイヤ赤道面に向けて陸部内で終端するように延び、かつタイヤ周方向に対する角度が25〜65度で傾斜してタイヤ周方向に間隔をあけて配置される複数のラグ溝と、前記ラグ溝のタイヤ幅方向中央側の端部からタイヤ周方向に沿って延びて陸部内で終端する短尺周方向溝と、を備え、前記トレッドは、前記ラグ溝で挟まれ、かつ前記ラグ溝に沿った方向の寸法が前記ラグ溝の長手方向に直交する方向の寸法よりも長く形成されたラグ区画陸部分を、タイヤ周方向に沿って複数配置することで構成した少なくとも1列のラグ区画陸部列を有し、前記ラグ区画陸部分は、前記ラグ溝と平行に延びて前記ラグ溝よりも溝幅が狭く設定されると共に接地時に溝が閉じる2本の補助ラグ細溝に挟まれてタイヤ幅方向に分断されることなく一定幅で連続して延びるラグ中央領域と、前記ラグ中央領域のタイヤ周方向両側に設けられ、前記補助ラグ細溝と、タイヤ周方向縁部分を前記ラグ溝に沿った方向に複数に分断する複数本のラグ縁部分断溝とによって区画される複数の小サブラグ陸部からなる周方向ラグ縁部領域とを有する、ことを特徴としている。
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
先ず、トレッドに、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向溝を配置したので、基本的な排水性、ドライ、ウエット走行時の直進安定性が確保される。
タイヤ周方向に対する角度が25〜65度で傾斜するラグ溝を複数配置することにより、オールシーズンタイヤより高い排水性能を発揮することができる。
ここで、ラグ溝のタイヤ周方向に対する角度が25度未満になると、ラグ区画陸部列が非常に細くなるため、運動性能の悪化が懸念される。
一方、ラグ溝のタイヤ周方向に対する角度が65度を超えると、排水性能に対するメリットが無くなる。
したがって、ラグ溝は、タイヤ周方向に対する角度が25〜65度の範囲内で傾斜することが好ましい。
タイヤ周方向に対する傾斜角度が比較的小さく設定されているラグ溝は、排水性能には有利であるが、雪上走行には不利となるが、この空気入りタイヤでは、ラグ区画陸部部分の蹴り出し縁、踏み込み縁の両縁部分に、複数のラグ縁部分断溝を形成することで上記雪上走行時の不利な部分を補い、雪上でのコーナリング性能、ブレーキ性能、及びトラクション性能を高めることができる。
ここで、ラグ区画陸部分は、エッジ(細溝)を刻めるように、予め比較的幅広く設定することが好ましい。
幅広に設定したラグ区画陸部分を、ラグ溝と平行な補助ラグ細溝でタイヤ周方向に分割することで雪上走行に有効なブロック剛性にでき、補助ラグ細溝とラグ縁部分断溝とで小サブラグ陸部を区画することで、雪上でのコーナリング性能が向上できる。
さらに、ラグ区画陸部は、補助ラグ細溝により周方向に3分割され、それぞれの両縁部は、主にスノー走行時のトラクション、ブレーキ性能に有効に働く機能を有する。
補助ラグ細溝に挟まれる中央部分は、細溝で刻まずに剛性の高い状態を保つことで、ドライ、ウエット、雪上走行時に、両縁小サブ陸部の倒れ込みを抑制できるため、両縁ブロックのブロック剛性を落とすことが可能、即ち、より雪上走行に有効なエッジ(ラグ縁部分断溝)を刻むことが可能となる。
また、接地時に、補助ラグ細溝の互いに対向する溝壁同士が接触すると、ラグ区画陸部分の周方向中央部分が、タイヤ周方向両側の小サブラグ陸部をタイヤ接地面内で支えることになり、小サブラグ陸部の不必要な変形が抑えられる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ラグ中央領域を前記ラグ溝の長手方向に直交する方向に計測した際の幅をW1、前記周方向ラグ縁部領域を前記ラグ溝の長手方向に直交する方向に計測した際の幅をW2としたときに、W2/W1が0.5〜1.5の範囲内に設定されている、ことを特徴としている。
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
ラグ中央領域の幅W1、周方向ラグ縁部領域の幅W2との比率W2/W1を0.5〜1.5の範囲内に設定することで、それぞれの領域の周方向の剛性をほぼ均一にでき、タイヤが転動することで生じる偏摩耗を抑制することができる。
請求項3に記載の空気入りタイヤは、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ラグ溝と、前記ラグ溝に接続する前記ラグ縁部分断溝との成す角度が30度以上に設定されている、ことを特徴としている。
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
ラグ溝とラグ縁部分断溝の成す角度が30度未満になると、小サブラグ陸部が鋭角部分を持ち、ブロック剛性の低下から、雪上性能の悪化、偏摩耗性の懸念がある。
したがって、ラグ溝とラグ縁部分断溝の成す角度を30度以上とすることが好ましい。
請求項4に記載の空気入りタイヤは、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ラグ縁部分断溝の溝幅は、隣接する前記ラグ溝の溝幅の5〜80%の範囲内に設定されている、ことを特徴としている。
次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
ラグ縁部分断溝の溝幅が隣接するラグ溝の溝幅の5%未満になると、雪上走行時に、ラグ縁部分断溝に入り込んで形成される雪柱の剪断力が不足し、有効な雪上性能を発揮できなくなる。
一方、ラグ縁部分断溝の溝幅が隣接するラグ溝の溝幅の80%を超えると、ラグ溝の排水効果が悪化し、小サブラグ陸部の剛性低下(体積減少による)に起因するドライ、ウエット、スノーの各操縦性が低下する。
したがって、ラグ縁部分断溝の溝幅を、隣接するラグ溝の溝幅の5〜80%の範囲内に設定することが好ましい。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ラグ区画陸部分のタイヤ周方向縁部は、1〜7本のラグ縁部分断溝により分断されている、ことを特徴としている。
次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
ラグ区画陸部分のタイヤ周方向縁部は、ブロックの大きさ、得ようとするスノー性能の度合いにより分断数を決めるが、ひとつのタイヤ周方向縁部に対してラグ縁部分断溝の数が8本以上になると、ラグ区画陸部分の縁部の剛性の低下が著しくなり、ドライ、ウエット性能の低下、及び偏摩耗性の低下を招く。
したがって、ラグ縁部分断溝の数を7本以下とすることが好ましい。
請求項6に記載の空気入りタイヤは、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ラグ溝は、トレッド端に開口するようにタイヤ幅方向外側へ延び、前記トレッド中央領域、及び前記トレッド中央領域のタイヤ幅方向外側に位置するトレッドショルダー領域に、それぞれタイヤ周方向に延びるブロック列を形成している、ことを特徴としている。
次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
ラグ溝がトレッド端に開口するようにタイヤ幅方向外側へ延び、トレッド中央領域、及びトレッド中央領域のタイヤ幅方向外側に位置するトレッドショルダー領域に、それぞれタイヤ周方向に延びるブロック列を形成することで、オールシーズンタイヤに必要なスノー性能を確保することが出来る。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ラグ溝で挟まれる陸部分は、前記補助ラグ細溝によってタイヤ周方向に少なくとも2つのサブブロックに分割されている、ことを特徴としている。
次に、請求項7に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
ラグ溝で挟まれる陸部分が、補助ラグ細溝によってタイヤ周方向に少なくとも2つのサブブロックに分割されているので、より高い雪上性能を発揮することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ドライ性能、及びウエット性能を確保しつつ、雪上性能を向上させることができる、という優れた効果を有する。また、小サブラグ陸部の不必要な変形を抑えることができる、という優れた効果を有する。
請求項2に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、タイヤが転動することで生じる偏摩耗を抑制することができる、という優れた効果を有する。
請求項3に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、小サブラグ陸部のブロック剛性を確実に確保できる、という優れた効果を有する。
請求項4に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ドライ、ウエット、スノーの各性能を高次元でバランスさせることができる、という優れた効果を有する。
請求項5に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ドライ、ウエット、スノーの各性能を高次元でバランスさせることができる、という優れた効果を有する。
請求項6に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、オールシーズンタイヤに必要なスノー性能を確保することが出来る、という優れた効果を有する。
また、請求項7に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、より高い雪上性能を発揮することができる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
図1乃至図2にしたがって、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ10を説明する。
この空気入りタイヤ10は、サイズが205/55R16であり、内部構造は通常のラジアルタイヤと同様のものである。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10のトレッド12には、車両装着時の内側から外側へ向けて第1周方向溝14、第2周方向溝16、第3周方向溝18が形成されている。
ここで、この空気入りタイヤ10では、図面左側が車両装着時の内側、図面右側が車両装着時の外側となる。
本実施形態では、トレッド12の第1周方向溝14と第3周方向溝18との間を中央領域20、第1周方向溝14の車両装着時内側(矢印IN方向側)を内ショルダー領域22、第3周方向溝18の車両装着時外側(矢印OUT方向側)を外ショルダー領域24と呼ぶことにする。
第2周方向溝16には、第1周方向溝14と交差して車両装着時内側のトレッド端12Eに向けて左上がりに傾斜して延びる第1ラグ溝26が接続されている。
内ショルダー領域22には、第1周方向溝14と第1ラグ溝26とによって内ショルダーブロック28が区画されている。
内ショルダーブロック28には、第1ラグ溝26と平行に延びる横細溝30、及び縦タイヤ周方向に沿って延びる細溝32が形成されている。
一方、中央領域20には、第2周方向溝16の内ショルダー領域側に、第1周方向溝14、第2周方向溝16、及び第1ラグ溝26とによって、第1ブロック34が区画されている。
第1ブロック34のタイヤ軸方向中央には、第1ラグ溝26と平行に延びる横細溝36が形成されている。
中央領域20、及び外ショルダー領域24には、車両装着時外側のトレッド端12Eから第3周方向溝18と交差して第2周方向溝16の近傍まで左上がりで傾斜して延びる第2ラグ溝38が形成されている。
なお、第2ラグ溝38のトレッド中央側の端部には、タイヤ赤道面CLと平行に延びる短尺周方向溝40が連結している。
外ショルダー領域24には、第3周方向溝18と第2ラグ溝38とによって外ショルダーブロック42が区画されている。
外ショルダーブロック42には、第2ラグ溝38と平行に延びる横細溝44、及び縦タイヤ周方向に沿って延びる細溝46が形成されている。
ここで、本実施形態では、中央領域20の第2周方向溝16と第3周方向溝18との間に配置される陸部のなかで、第2ラグ溝38と第2ラグ溝38との間をラグ区画陸部分48と呼ぶことにする。
ラグ区画陸部分48には、第2ラグ溝38の平行とされた、2本の補助ラグ細溝50が形成されている。
補助ラグ細溝50は、一方の端部が短尺周方向溝40に連結され、他方の端部が第3周方向溝18に連結されている。
また、補助ラグ細溝50は、接地時に互いに対向する溝壁同士が接触する(即ち、接地時に溝が閉じる。)ような溝幅に設定されている。
ラグ区画陸部分48は、第2ラグ溝38の長手方向に沿って長く形成されている。
ラグ区画陸部分48は、2本の補助ラグ細溝50によってタイヤ周方向に3つの領域に区画されており、本実施形態では、中央をラグ中央領域51、その両側をそれぞれ周方向ラグ縁部領域52と呼ぶことにする。
図2に示すように、ラグ中央領域51を第2ラグ溝38の長手方向に直交する方向に計測した際の幅をW1、周方向ラグ縁部領域52を第2ラグ溝38の長手方向に直交する方向に計測した際の幅をW2としたときに、W2/W1は0.5〜1.5の範囲内に設定されていることが好ましい。
ラグ中央領域51は、細溝等が形成されることなく第3周方向溝18と短尺周方向溝40との間で連続して延びている。
次に、周方向ラグ縁部領域52には、補助ラグ細溝50と、タイヤ周方向縁部分を第2ラグ溝38に沿った方向に複数に分断する複数本のラグ縁部分断溝54とによって複数の小サブラグ陸部56が区画されている。
なお、一つの周方向ラグ縁部領域52において、ラグ縁部分断溝54の本数は、1〜7本の範囲内が好ましい。
第2ラグ溝38と、ラグ縁部分断溝54との成す角度θ(狭角側で計測)は30度以上に設定することが好ますしい。
さらに、ラグ縁部分断溝54の溝幅W3は、隣接する第2ラグ溝38の溝幅W4の5〜80%の範囲内に設定することが好ましい。
なお、本実施形態の空気入りタイヤ10では、第1周方向溝14、第2周方向溝16、第3周方向溝18、第1ラグ溝26、第2ラグ溝38、短尺周方向溝40、ラグ縁部分断溝54の溝深さは、8.5mmである。第1周方向溝14、第2周方向溝16、第3周方向溝18の溝幅は、7.5〜9mmである。ラグ縁部分断溝54のタイヤ周方向に対する角度は50度であり、ラグ縁部分断溝54の第2ラグ溝38に対する角度θは65度である。ラグ縁部分断溝54の溝幅W3は、隣接する第2ラグ溝38の溝幅W4の45%に設定されている。
また、横細溝30、細溝32、横細溝36、横細溝44、細溝46、補助ラグ細溝50の溝幅は、それぞれ0.5mmであり、接地時に閉じる溝幅である。
(作用)
次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の作用を説明する。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、トレッド12に、タイヤ周方向に沿って延びる第1周方向溝14、第2周方向溝16、及び第3周方向溝18の3本の周方向溝を配置したので、基本的な排水性、ドライ、ウエット走行時の直進安定性が確保される。
トレッド12に、タイヤ周方向に対する角度が25〜65度で傾斜する第2ラグ溝38が配置されているので、従来のオールシーズンタイヤよりも高い排水性能を発揮することができる。
なお、各ラグ溝のタイヤ周方向に対する角度が25度未満になると、ラグ溝間のラグ区画陸部分48が非常に細くなり、剛性不足による運動性能の悪化が懸念される。
一方、各ラグ溝のタイヤ周方向に対する角度が65度を超えると、排水性能に対するメリットが無くなる。
第2ラグ溝38のタイヤ周方向に対する傾斜角度を小さくすると排水性能には有利であるが、雪上走行には不利となる。しかしながら、本実施形態の空気入りタイヤ10では、ラグ区画陸部分48の蹴り出し縁、踏み込み縁の両縁部分に、複数本のラグ縁部分断溝54を形成しているので、雪上走行時の不利な部分を補い、雪上でのコーナリング性能、ブレーキ性能、及びトラクション性能を高めることができる。
また、幅広に設定したラグ区画陸部分48を第2ラグ溝38と平行な2本の補助ラグ細溝50でタイヤ周方向に3分割することで雪上走行に有効なブロック剛性にでき、補助ラグ細溝50とラグ縁部分断溝54とで複数の小サブラグ陸部56を区画することで、雪上でのコーナリング性能を向上することができる。
さらに、ラグ区画陸部分48を3分割することで、分割されたそれぞれの陸部分(ラグ中央領域51、周方向ラグ縁部領域52)のタイヤ周方向の両縁部は、主にスノー走行時のトラクション、ブレーキ性能に有効に働く機能を有する。
ラグ中央領域51は、細溝で刻まずに剛性の高い状態を保つことで、ドライ、ウエット、雪上走行時に、タイヤ周方向両側の小サブラグ陸部56の倒れ込みを抑制できるため、小サブラグ陸部56のブロック剛性を落とすことが可能、即ち、より雪上走行に有効なエッジ(ラグ縁部分断溝54)を刻むことが可能となる。
ラグ中央領域51の幅W1、周方向ラグ縁部領域52の幅W2との比率W2/W1を0.5〜1.5の範囲内に設定することで、それぞれの領域の周方向の剛性をほぼ均一にでき、タイヤが転動することで生じる偏摩耗を抑制することができる。
第2ラグ溝38とラグ縁部分断溝54との成す角度θが30度未満になると、小サブラグ陸部56が鋭角部分を持ち、ブロック剛性の低下から、雪上性能の悪化、偏摩耗性の懸念がある。
ラグ縁部分断溝54の溝幅W3が隣接する第2ラグ溝38の溝幅W4の5%未満になると、雪上走行時に、ラグ縁部分断溝54に入り込んで形成される雪柱の剪断力が不足し、有効な雪上性能を発揮できなくなる。
一方、ラグ縁部分断溝54の溝幅W3が隣接する第2ラグ溝38の溝幅W4の80%を超えると、第2ラグ溝38の排水効果が悪化し、小サブラグ陸部56の剛性低下に起因するドライ、ウエット、スノーの各操縦性が低下する。
なお、ひとつのタイヤ周方向縁部に対してラグ縁部分断溝の数が8本以上になると、ラグ区画陸部分の縁部の剛性の低下が著しくなり、ドライ、ウエット性能の低下、及び偏摩耗性の低下を招く。
接地時には、補助ラグ細溝50が閉じて、ラグ区画陸部分48のラグ中央領域51がタイヤ周方向両側の小サブラグ陸部56をタイヤ接地面内で支えるので、小サブラグ陸部56の不必要な変形が抑えられる。
第1ラグ溝26、及び第2ラグ溝38がトレッド端12Eに開口するようにタイヤ幅方向中央からタイヤ幅方向外側へ延びてトレッド12の全体を略横断しているので、オールシーズンタイヤに必要なスノー性能を確保することが出来る。
(試験例)
本発明の効果を確かめるために、従来例の空気入りタイヤ、及び本発明の適用された実施例の空気入りタイヤとを用意し、実車試験を行った。
以下に、試験に用いた従来例の空気入りタイヤのトレッドパターンを図3に従って説明する。
図3に示すように、トレッド100には、中央に周方向溝102が形成され、その両側に周方向溝104が形成されている。
周方向溝102と周方向溝104との間の陸部分には、タイヤ赤道面CLに対する傾斜角度がタイヤ赤道面CLに向けて減少するラグ溝106、ラグ溝106とラグ溝106とを連結しラグ溝106と反対方向に傾斜するラグ溝108によって、リブ110及びブロック112が区画形成されている。
リブ110には、サイプ114、サイプ116が形成され、ブロック112にはサイプ118及びサイプ120が形成されている。
周方向溝104のタイヤ幅方向外側にはリブ122が区画されており、リブ122にはトレッド端100Eから周方向溝104に向けて延び、ブロック内で終端するラグ溝124、前記ラグ溝106の延長線上に配置され、ブロック内で終端するラグ溝126が形成されている。リブ122には、サイプ128,130,132が形成されている。
なお、試験に用いた空気入りタイヤは、何れもサイズが205/55R16であり、内圧が230kPaであった。また、荷重は、2名乗車相当であった。
以下に試験方法、及び評価方法を説明する。
・雪上フィーリング:圧雪路面のテストコースにおける制動性、発進性、コーナリング性の総合評価。評価は従来例を100とする指数表示とした。なお、指数の数値が大きいほど性能に優れていることを表している。
・雪上ブレーキ:圧雪上を40km/hからフル制動したときの制動距離を計測。評価は、従来例の制動距離の逆数を100とする指数表示とした。なお、指数の数値が大きいほど性能に優れていることを表している。
・雪上トラクション:圧雪上での50mの距離での発進からの加速タイムを計測。評価は、従来例の加速タイムの逆数を100とする指数表示とした。なお、指数の数値が大きいほど性能に優れていることを表している。
・ウエットハイドロプレーニング性:水深5mmのウエット路の通過時のハイドロプレーニング発生限界速度のフィーリング。
・ドライ操縦安定性:ドライ状態のサーキットコースを各種走行モードにてスポーツ走行した。評価は、テストドライバーのフィーリング評価とし、従来例を100とする指数表示とした。なお、指数の数値が大きいほど性能に優れていることを表している。
・ウエット操縦安定性:ウエット状態のサーキットコースを各種走行モードにてスポーツ走行した。評価は、テストドライバーのフィーリング評価とし、従来例を100とする指数表示とした。なお、指数の数値が大きいほど性能に優れていることを表している。
試験の結果は、以下の表1に記載した通りである。
Figure 0004481092
試験の結果から、本発明の適用された実施例の空気入りタイヤは、従来例の空気入りタイヤに比較して上記全ての性能が向上していることが分かる。
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの平面図である。 図1に示すラグ区画陸部分の拡大平面図である。 従来例に係る空気入りタイヤのトレッドの平面図である。
符号の説明
10 空気入りタイヤ
12 トレッド
14 第1周方向溝
16 第2周方向溝
18 第3周方向溝
20 トレッド中央領域
26 第1ラグ溝
28 内ショルダーブロック
34 ブロック
38 第2ラグ溝
42 外ショルダーブロック
48 ラグ区画陸部分
50 補助ラグ細溝
51 ラグ中央領域
52 周方向ラグ縁部領域
54 ラグ縁部分断溝
56 小サブラグ陸部

Claims (7)

  1. 両サイドウォール間に配置され路面と接するトレッドと、前記トレッドに設けられ、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向溝と、
    タイヤ幅方向最外側の前記周方向溝からタイヤ赤道面に向けて陸部内で終端するように延び、かつタイヤ周方向に対する角度が25〜65度で傾斜してタイヤ周方向に間隔をあけて配置される複数のラグ溝と、前記ラグ溝のタイヤ幅方向中央側の端部からタイヤ周方向に沿って延びて陸部内で終端する短尺周方向溝と、を備え、
    前記トレッドは、前記ラグ溝で挟まれ、かつ前記ラグ溝に沿った方向の寸法が前記ラグ溝の長手方向に直交する方向の寸法よりも長く形成されたラグ区画陸部分を、タイヤ周方向に沿って複数配置することで構成した少なくとも1列のラグ区画陸部列を有し、
    前記ラグ区画陸部分は、前記ラグ溝と平行に延びて前記ラグ溝よりも溝幅が狭く設定されると共に接地時に互いに対向する溝壁同士が接触する2本の補助ラグ細溝に挟まれてタイヤ幅方向に分断されることなく一定幅で連続して延びるラグ中央領域と、前記ラグ中央領域のタイヤ周方向両側に設けられ、前記補助ラグ細溝と、タイヤ周方向縁部分を前記ラグ溝に沿った方向に複数に分断する複数本のラグ縁部分断溝とによって区画される複数の小サブラグ陸部からなる周方向ラグ縁部領域とを有する、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ラグ中央領域を前記ラグ溝の長手方向に直交する方向に計測した際の幅をW1、前記周方向ラグ縁部領域を前記ラグ溝の長手方向に直交する方向に計測した際の幅をW2としたときに、W2/W1が0.5〜1.5の範囲内に設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ラグ溝と、前記ラグ溝に接続する前記ラグ縁部分断溝との成す角度が30度以上に設定されている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ラグ縁部分断溝の溝幅は、隣接する前記ラグ溝の溝幅の5〜80%の範囲内に設定されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ラグ区画陸部分のタイヤ周方向縁部は、1〜7本のラグ縁部分断溝により分断されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ラグ溝は、トレッド端に開口するようにタイヤ幅方向外側へ延び、前記トレッド中央領域、及び前記トレッド中央領域のタイヤ幅方向外側に位置するトレッドショルダー領域に、それぞれタイヤ周方向に延びるブロック列を形成している、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ラグ溝で挟まれる全ての陸部分は、前記補助ラグ細溝によってタイヤ周方向に少なくとも2つのサブブロックに分割されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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