JP4480019B2 - 製油所監視システム - Google Patents

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Description

本発明は、石油精製プラントの運転状態を診断する製油所監視システムに関し、特に、石油精製プラントのプロセスデータと音響及び振動データとを含む運転データから求められるマハラノビス距離を利用して、石油精製プラントの運転状態を診断する製油所監視システムに関する。
一般に、石油精製プラントでは、蒸留塔、反応器、加熱炉、熱交換器、ポンプ、コンプレッサーといった多数の機器が使用されて石油精製が行われている。これらの機器には温度計、圧力計、流量計などが設置されており、これらの計器から得られるプロセスデータに基づいて、石油精製プロセスにおける流体(石油及びその精製物)の温度、圧力、流量などの自動制御がなされている。
ところで、従来、機器の状態を自動で診断する手法として、ある時刻における機器の状態が、定常状態で構成される母集団からどの程度離れているかを表す距離指標を用い、当該機器の健全性を評価する手法が知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特許文献1に開示された診断方法は、診断対象の定常状態からマハラノビス空間を求めるステップと、診断しようとする対象から特徴量を抽出してマハラノビス距離(MD)を求めるステップと、予め設定した閾値とMDとを比較するステップと、MDが閾値よりも大きい場合に距離要素値を特定するステップと、特定した距離要素値に対応する特徴量を、基準データの特徴量の平均値で置換するステップと、置換した特徴量を用いて新たにMDを求めるステップとを含み、新たに求めたMDが閾値以下になるまで上記のステップを繰り返すものである。
また、特許文献2に開示された診断装置は、診断対象機器から発生する音をマイクロホンにより検出してデジタル信号に変換し、マハラノビス距離を算出し、マハラノビス距離が判定基準値以内か否かで診断対象機器の健全性を診断するものである。
特許文献1に開示された診断方法、及び特許文献2に開示された診断装置は、いずれも距離指標としてマハラノビス距離を用いたものである。マハラノビス距離は下記の式(1)で与えられる。
Figure 0004480019
ここで、式(1)において、xはある時刻における診断対象の状態を表す各種測定値を要素としたn次元行ベクトル、μは定常状態で構成される母集団の測定値毎の平均値を要素としたベクトル、Sは定常状態で構成される母集団の共分散行列である。また、一般的な距離指標としては、マハラノビス距離の他にユークリッド距離が挙げられる。
特開2004−227279 特開2004−340706
距離指標に用いられる各種測定値は、通常、測定値毎にばらつき(分散)が異なり、母集団を構成する定常状態は偏った分布となる。定常状態の分布に偏りを持つ母集団との距離を求める上で、ユークリッド距離は単なる幾何学上の距離であるが、マハラノビス距離は、分散で正規化されることにより、その分布、即ち全ての測定値間の相関が考慮される。上述のように、石油精製プラントにおいては多数の機器が使用されており、これらの機器の状態を表す測定値も多岐にわたる。本発明者らは、石油精製プラントの運転状態を診断する上で、全ての測定値間の相関が考慮されるマハラノビス距離が特に有用であることを見出した。尚、石油精製プラントの運転状態の診断にマハラノビス距離が適用された事例は確認されていない。
しかしながら、マハラノビス距離を用いて機器の状態を診断する際には、上記特許文献1,2にも記載されているように、機器の状態が正常か否かを判定するための閾値を固定する必要がある。ここで、石油精製プラントにおいては、例えば処理量や油種が変化すことがあり、その石油精製プロセスは多様なものであるため、石油精製プラントの運転状態が正常か否かを判定するための閾値を固定することが難しい。換言すれば、石油精製プラントの運転状態の診断に単にマハラノビス距離を適用したのでは、例えば閾値より大きい値であっても実際には正常状態である場合や、その逆の場合が起こる可能性があり、診断の信頼性を十分に確保できない虞がある。
また、従来なかった異常事象が発生した場合、今後の診断にその事象がフィードバックされるようなシステムも要望されている。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、石油精製プラントの運転状態を自動で且つ適正に診断することができる製油所監視システムを提供することにある。
上記目的は、本発明に係る下記(1)〜()に記載の製油所監視システムにより達成される。
(1) 下記のステップ(a)〜(d)を備え、石油精製プラントの運転状態を診断することを特徴とする製油所監視システム。
(a)前記石油精製プラントの石油精製プロセスにおける流体のプロセスデータと、前記石油精製プラントの機器の音響及び振動データとを含む運転データを収集するデータ収集ステップ
(b)前記データ収集ステップで得られた運転データのプロセスデータと音響及び振動データとの相関を考慮したマハラノビス距離を求めるマハラノビス演算ステップ
(c)前記石油精製プラントの正常運転状態での前記運転データが蓄積された正常運転データベースから、前記データ収集ステップで得られた運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データのプロセスデータと音響及び振動データとの相関を考慮したマハラノビス距離を求めるデータマイニングステップ
(d)前記マハラノビス演算ステップで求められたマハラノビス距離と前記データマイニングステップで求められたマハラノビス距離との差分を算出し、当該差分と予め設定された閾値とを比較して前記石油精製プラントの運転状態が正常か否かを判定する運転状態判定ステップ
(2) 前記運転状態判定ステップにおいて異常と判定された場合に、前記石油精製プラントの異常運転状態での前記運転データ及び当該運転データに係わる異常事象が蓄積された異常運転データベースから、前記データ収集ステップで得られた運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データに係わる異常事象を通知する警報発令ステップをさらに備えたことを特徴とする上記(1)に記載の製油所監視システム。
(3) 下記のステップ(a)〜(e)を備え、石油精製プラントの運転状態を診断することを特徴とする製油所監視システム。
(a)前記石油精製プラントの石油精製プロセスにおける流体のプロセスデータと、前記石油精製プラントの機器の音響及び振動データとを含む運転データを収集するデータ収集ステップ
(b)前記データ収集ステップで得られた運転データのプロセスデータと音響及び振動データとの相関を考慮したマハラノビス距離を求めるマハラノビス演算ステップ
(c)前記石油精製プラントの正常運転状態での前記運転データが蓄積された正常運転データベースから、前記データ収集ステップで得られた運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データのプロセスデータと音響及び振動データとの相関を考慮したマハラノビス距離を求めるデータマイニングステップ
(d)前記マハラノビス演算ステップで求められたマハラノビス距離と前記データマイニングステップで求められたマハラノビス距離との差分を算出し、当該差分と予め設定された閾値とを比較して前記石油精製プラントの運転状態が正常か否かを判定する運転状態判定ステップ
(e)前記運転状態判定ステップにおいて異常と判定された場合に、前記石油精製プラントの異常運転状態での前記運転データ及び当該運転データに係わる異常事象が蓄積された異常運転データベースから、前記データ収集ステップで得られた運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データに係わる異常事象及び下記の式で表される当該異常事象の発生する確度を通知する警報発令ステップ
確度[%]=100×(類似度の閾値−類似度)/類似度の閾値
) 前記運転状態判定ステップにおいて異常と判定された場合に、前記データ収集ステップで得られた運転データ、及び発生した異常事象が前記異常運転データベースに蓄積されることを特徴とする上記(2)または(3)に記載の製油所監視システム。
本発明によれば、収集された石油精製プラントのプロセスデータと音響及び振動データとを含む運転データからマハラノビス距離を求め、このマハラノビス距離を利用してプラントの運転状態を診断する。これにより、多岐にわたるプラントの運転状態を精度良く診断することができる。
そして、マハラノビス距離では音響及び振動データとプロセスデータとの相関が考慮される。これにより、多岐にわたるデータを処理する必要がある石油精製プラントの運転状態の診断において、その診断の信頼性を十分に確保することができる。
さらに、収集された運転データから求められたマハラノビス距離と、正常運転データベースに蓄積された類似の運転データから求められたマハラノビス距離との差分を求め、この差分と閾値とを比較するので、プラントの運転状態が正常か否かの判定に用いられる閾値が固定されたとしても、診断の信頼性が低下する虞がなく、且つ多様な石油精製プロセスの実情を反映した診断ができる。
このように、本発明によれば、石油精製プラントの運転状態を自動で且つ適正に診断することができる。
以下、本発明に係る製油所監視システムの一実施形態を図面を参照して説明する。
本実施形態の製油所監視システムは、図1に示すように、石油精製プラントのプロセスデータと音響及び振動データとを含む運転データを収集するデータ収集ステップS1と、データ収集ステップS1で得られた運転データのマハラノビス距離を求めるマハラノビス演算ステップS2と、前記石油精製プラントの正常運転状態での前記運転データが蓄積された正常運転データベースから、前記データ収集ステップで得られた運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データのマハラノビス距離を求めるデータマイニングステップS3と、前記マハラノビス演算ステップで求められたマハラノビス距離と前記データマイニングステップで求められたマハラノビス距離との差分を算出し、当該差分と予め設定された閾値とを比較して前記石油精製プラントの運転状態が正常か否かを判定する運転状態判定ステップS4と、を備える。
そして、本実施形態の製油所監視システムは、運転状態判定ステップS4において異常と判定された場合に、前記石油精製プラントの異常運転状態での運転データ及び当該運転データに係わる異常事象が蓄積された異常運転データベース4から、データ収集ステップS1で得られた運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データに係わる異常事象を通知する警報発令ステップS5をさらに備える。
<データ収集ステップS1>
プロセスデータは、石油精製プラントに既設のDCS(Distribution Control System)1から得る。
DCSとは、1台の制御装置でプラント全体を制御するのではなく、いくつかの制御ループごとに制御装置をそれぞれ分散配置することによって、制御装置の故障に起因する全プラントの同時シャットダウンの危険を防止したプロセス制御システムであり、プラントの機器に設置されている温度計、圧力計、流量計、電力計などから得られるプロセスデータを収集・管理している。本発明におけるプロセスデータとしては、種々のものが活用できるが、中でも温度、圧力、流量、電力などが好適に用いられる。
音響及び振動データは、プラントの機器に設置されたセンサ2から得る。
音響による診断は、状態基準保全であり、音響が固体のみならず空中を伝播するという特性から、全体的、立体的、網羅的な診断を可能とする。この特徴は、少ないセンサで広い範囲・部位を診断対象とでき、局所的に精密な診断を行う前にその精密診断の必要性を客観的に判断することができるという点で、プラントの安定稼動と維持管理コストとのバランスを最適化するに寄与する。プラントの機器においては、例えばモーターやポンプ等の回転機器の軸受部など、動機械、静機械類から、異常の発生とともに可聴域(20Hz〜20kHz)及び超音波域(20kHz〜)に様々な音響が発生する。また、ミクロな破壊に際しては100kHzを超えるAE信号が発生することが知られている。このような音響を採取するセンサとしては、例えばパラボラ集音器を用いることができる。音響を採取する場合に、対象機器の音響が採取でき、且つ、他機器の音響を極力拾わないことが必要であり、パラボラ集音器は指向性を有するので音響を採取するセンサとして好適である。
また、振動による診断は、状態基準保全であり、センサの設置位置という局所的な測定により音響による診断に比べて精密な診断が可能となる。振動を採取するセンサとしては、圧電素子などを用いた接触式のものと、レーザードップラ式などの非接触式のものとがあるが、プラントの機器への大量設置、危険域(防爆)への設置となることを考慮し、1)センサ自体が信号を出力できる、2)動的な現象のみを測定できる、3)ダイナミックレンジが広い、4)堅牢な構造を作りやすい、5)周波数範囲が広い、6)2線システムで動作が可能、といった利点を備える圧電素子を用いた接触式のセンサを用いることが好ましい。
データ収集ステップS1にてプロセスデータと音響及び振動データとを含む運転データを本システムに取り込む周期は、1分から60分まで任意に選ぶことができる。
<マハラノビス演算ステップS2>
次いで、データ収集ステップS1にて収集された運転データのマハラノビス距離を求める。マハラノビス演算ステップS2においてマハラノビス距離は下記の式(2)により算出される。
Figure 0004480019
ここで、式(2)において、xはある時刻における運転データであり、温度、圧力、流量、電力、音響、振動、等の測定値を要素としたn次元行ベクトルである。また、μは、定常状態で構成される母集団の複数の運転データについて測定値毎の平均値を要素としたベクトルである。また、Sは、定常状態で構成される母集団の複数の運転データの共分散行列である。尚、母集団を構成する定常状態での複数の運転データは、このマハラノビス演算ステップS2に先立って収集されている。
上記の式(2)を用いて算出されるマハラノビス距離Dを時系列に並べた場合の一例を図2に示す。図2に示すように、マハラノビス距離Dでは、母集団に近い状態の場合は0に近い値を示し、母集団から遠い状態の場合は大きな値を示す。このため、状態の変化をセンシティブに表現することが可能である。
<データマイニングステップS3>
マハラノビス演算ステップS2に並行して、プラントの正常運転状態での運転データが蓄積された正常運転データベース3から、データ収集ステップS1で得られた運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データのマハラノビス距離を求める。
正常運転データベース3には、例えばプラントが正常に運転されていた際の運転データを1年以上、1時間平均データとして保存しておく。正常運転データベース3に蓄積された正常運転状態での運転データが多いほど、様々な運転状態に対しても適正な診断が可能となる。
データマイニングステップS3において、抽出された運転データのマハラノビス距離は、上記の式(2)を用いてその都度算出してもよいが、モデリングにより、入力としての運転データと出力としてのマハラノビス距離との間の関数を作成し、任意の入力から出力を推定するようにしてもよい。このようなモデリングを行う手法のうち、特に、運転データとマハラノビス距離とのように、入力と出力とが非線型の場合にも適用できるものには、ニューラルネットワーク、GMDH(Group Method of Data Handling)、PLS(Partial least squares regression)、TCBM(Topological Case Base Modeling)などが挙げられる。
<運転状態判定ステップS4>
次いで、マハラノビス演算ステップS2で求めたマハラノビス距離とデータマイニングステップS3で求めたマハラノビス距離との差分を算出し、当該差分と予め設定された閾値とを比較して石油精製プラントの運転状態が正常か否かを判定する。
データ収集ステップS1で運転データが収集された時点でのプラントの運転状態が正常ならば、マハラノビス演算ステップS2で求めたマハラノビス距離とデータマイニングステップS3で求めたマハラノビス距離との間には差は見られず、或いは僅かであるが、正常でない場合、両者の間には偏差が発生する。よって、両者の差分に、適切な閾値(固定値)を設定することにより、プラントの運転状態が正常か否かが判定できる。閾値は、例えば、50程度の値を設定することが好ましい。
<警報発令ステップS5>
運転状態判定ステップS4において異常と判定された場合に、石油精製プラントの異常運転状態での運転データ及び当該運転データに係わる異常事象が蓄積された異常運転データベース4から、データ収集ステップS1で得られた運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データに係わる異常事象を通知する。
異常運転データベース4には、プラントに異常が確認された際の運転データ、及びその際の異常事象が蓄積されている。異常運転データベース4に蓄積された異常運転状態での運転データ及び異常事象が多いほど、様々な運転状態に対しても異常事象の適正な予測が可能となる。
本実施形態の製油所監視システムにおいては、抽出された運転データに係わる異常事象を、その異常事象が発生する可能性を表す確度とあわせて通知する。確度は下記の式(3)から算出する。
Figure 0004480019
ここで、抽出された運転データの類似度は、図3に示すように、量子化された空間で以下のように定義する。即ち、抽出された運転データがデータ収集ステップS1で収集した運転データ(図3において符号Aで示す)と同一のメッシュに入る場合に当該運転データの類似度は0、隣接するメッシュに入る場合に当該運転データの類似度は1、という具合に定義する。
通知手段は特に限定されないが、例えばモニタ上に表示して通知する。
本実施形態の製油所監視システムにおいては、運転状態判定ステップS4において異常と判定された場合に、データ収集ステップS1で得られた運転データ、及び発生した異常事象が異常運転データベース4に蓄積される。これにより様々な事象が蓄積され、高い精度で異常事象を予測することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の製油所監視システムによれば、収集された石油精製プラントのプロセスデータと音響及び振動データとを含む運転データからマハラノビス距離を求め、このマハラノビス距離を利用してプラントの運転状態を診断する。これにより、多岐にわたるプラントの運転状態を精度良く診断することができる。
そして、マハラノビス距離では音響及び振動データとプロセスデータとの相関が考慮される。これにより、多岐にわたるデータを処理する必要がある石油精製プラントの運転状態の診断において、その診断の信頼性を十分に確保することができる。
さらに、収集された運転データから求められたマハラノビス距離と、正常運転データベース3に蓄積された類似の運転データから求められたマハラノビス距離との差分を求め、この差分と閾値とを比較するので、プラントの運転状態が正常か否かの判定に用いられる閾値が固定されたとしても、診断の信頼性が低下する虞がなく、且つ多様な石油精製プロセスの実情を反映した診断ができる。
さらに、プラントの運転状態が異常と判定された場合に、収集された運転データ、及び発生した異常事象を異常運転データベース4に蓄積するので、今後の診断にその事象をフィードバックすることができ、様々な運転状態に対しても異常事象の適正な予測ができる。
本発明の実施例として、石油精製プラントの中でも直接脱硫装置へ適用した例を説明する。
図4に示すように、直接脱硫装置5のメイクアップコンプレッサ6、リサイクルコンプレッサ7、高圧ポンプ8、熱油ポンプ9に複数のセンサ2を設置した。
本実施例においては、以下の手順1〜5により、直流脱硫装置5を監視する。
手順1.DCS1及び複数のセンサ2から1分間隔で運転データを収集する。
手順2.手順1にて収集した運転データから上記の式(2)を用いて、当該運転データのマハラノビス距離M1を算出する。
手順3.市販のデータマイニングソフトを用い、プラントの正常運転状態での運転データが蓄積された正常運転データベース3から、収集した運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データのマハラノビス距離M2を求める。
手順4.手順2にて求めたマハラノビス距離M1と、手順3にて求めたマハラノビス距離M2との差分を算出し、差分と閾値とを比較する。
手順5.手順4において差分が閾値よりも大きい場合に、プラントの異常運転状態での運転データ及び当該運転データに係わる異常事象が蓄積された異常運転データベース4から、手順1にて収集した運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データに係わる異常事象をモニタ上に表示して警報を発報する。
そして、異常発生時のモデルとして、所定時間経過後は音響データに異常なデータを入力する。結果を図5に示す。図5に示すように、音響データに異常なデータが入力される以前(正常時)には手順2,3で求められる2つのマハラノビス距離M1,M2はほぼ一致しているが、音響データに異常なデータが入力された後には両者が大きく乖離していることが分かる。
音響データに異常なデータが入力された後には、図6に示すように、手順5によってモニタ上に過去の事例から現在の状態の危険度(即ち、過去に発生した異常事象が発生する確度)が数値化して表示され、プラントの運転状態が把握できる。
本発明に係る製油所監視システムの一実施形態の構成を示すフロー図である。 運転データのマハラノビス距離を時系列に並べた場合の一例を示すグラフである。 運転データと、抽出された類似の運転データとの類似度を説明するための概念図である。 本発明に係る製油所監視システムを適用した直接脱硫装置の構成図である。 図4に示す直接脱硫装置において収集された運転データのマハラノビス距離と、抽出された類似の運転データのマハラノビス距離とを時系列に並べたグラフである。 警報発令の一例を示す図である。
符号の説明
1 DCS
2 センサ
3 正常運転データベース
4 異常運転データベース
S1 データ収集ステップ
S2 マハラノビス演算ステップ
S3 データマイニングステップ
S4 運転状態判定ステップ
S5 警報発令ステップ

Claims (4)

  1. 下記のステップ(a)〜(d)を備え、石油精製プラントの運転状態を診断することを特徴とする製油所監視システム。
    (a)前記石油精製プラントの石油精製プロセスにおける流体のプロセスデータと、前記石油精製プラントの機器の音響及び振動データとを含む運転データを収集するデータ収集ステップ
    (b)前記データ収集ステップで得られた運転データのプロセスデータと音響及び振動データとの相関を考慮したマハラノビス距離を求めるマハラノビス演算ステップ
    (c)前記石油精製プラントの正常運転状態での前記運転データが蓄積された正常運転データベースから、前記データ収集ステップで得られた運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データのプロセスデータと音響及び振動データとの相関を考慮したマハラノビス距離を求めるデータマイニングステップ
    (d)前記マハラノビス演算ステップで求められたマハラノビス距離と前記データマイニングステップで求められたマハラノビス距離との差分を算出し、当該差分と予め設定された閾値とを比較して前記石油精製プラントの運転状態が正常か否かを判定する運転状態判定ステップ
  2. 前記運転状態判定ステップにおいて異常と判定された場合に、前記石油精製プラントの異常運転状態での前記運転データ及び当該運転データに係わる異常事象が蓄積された異常運転データベースから、前記データ収集ステップで得られた運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データに係わる異常事象を通知する警報発令ステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の製油所監視システム。
  3. 下記のステップ(a)〜(e)を備え、石油精製プラントの運転状態を診断することを特徴とする製油所監視システム。
    (a)前記石油精製プラントの石油精製プロセスにおける流体のプロセスデータと、前記石油精製プラントの機器の音響及び振動データとを含む運転データを収集するデータ収集ステップ
    (b)前記データ収集ステップで得られた運転データのプロセスデータと音響及び振動データとの相関を考慮したマハラノビス距離を求めるマハラノビス演算ステップ
    (c)前記石油精製プラントの正常運転状態での前記運転データが蓄積された正常運転データベースから、前記データ収集ステップで得られた運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データのプロセスデータと音響及び振動データとの相関を考慮したマハラノビス距離を求めるデータマイニングステップ
    (d)前記マハラノビス演算ステップで求められたマハラノビス距離と前記データマイニングステップで求められたマハラノビス距離との差分を算出し、当該差分と予め設定された閾値とを比較して前記石油精製プラントの運転状態が正常か否かを判定する運転状態判定ステップ
    (e)前記運転状態判定ステップにおいて異常と判定された場合に、前記石油精製プラントの異常運転状態での前記運転データ及び当該運転データに係わる異常事象が蓄積された異常運転データベースから、前記データ収集ステップで得られた運転データと類似の運転データを抽出し、抽出された運転データに係わる異常事象及び下記の式で表される当該異常事象の発生する確度を通知する警報発令ステップ
    確度[%]=100×(類似度の閾値−類似度)/類似度の閾値
  4. 前記運転状態判定ステップにおいて異常と判定された場合に、前記データ収集ステップで得られた運転データ、及び発生した異常事象が前記異常運転データベースに蓄積されることを特徴とする請求項2または3に記載の製油所監視システム。
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