JP6482817B2 - プラント監視支援システム及びプラント監視支援方法 - Google Patents

プラント監視支援システム及びプラント監視支援方法 Download PDF

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Description

本発明は、水処理プラント等の監視を行うプラント監視支援システム及びプラント監視支援方法の技術に関する。
現在、各種の産業ではさまざまなプラントが稼動して各種の製品を生産している。これらのプラントに異常が発生して停止すると、製品の製造が停止するとともに修理費用が発生する。さらに、製品の製造が停止するため、大きな損失が発生する可能性がある。プラントの異常や故障の発生は完全に0とすることは現実的に難しい。そのため、計測値に基づいてできるだけ早い時期に異常の予兆を把握し、その根本原因を明らかにできることが必要である。
このようなニーズに関連し、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の技術では、汎用性の高い異常予知技術のひとつとして、ART(Adaptive Resonance Theory:適用共鳴理論)を用いている。この手法は、あらかじめ過去の正常時の計測値を基にして正常状態のカテゴリを構築する。そして、ARTでは、最新の計測値が正常データカテゴリ外に現れた場合を異常とみなし、警報を出す。ARTの特徴は、異常時の計測値を教師データとして必要としない点である。従って異常を意図的に発生させる必要がなく、様々なテストができないプラントに適合する手法といえる。
例えば、特許文献1に記載されている技術は、カテゴリ番号に基づいて異常への対処法を異常時運転知識データベースから選択して表示する。この表示は、入力として用いる項目のトレンドグラフと、異常発生有無の情報と、対応策のリストである。
一方、プラントの監視技術として、特許文献2に記載の技術も知られている。特許文献2に記載の技術は、プラントの監視結果を表示するプラント状態監視装置に関するもので、適用対象のプラントに対する事前知識が不要で、運転コストの低減に寄与することを目的とするものである。
特許文献2に記載の技術でも、プラント状態監視装置が有するデータ分類機能としてARTを適用している。そして、特許文献2に記載の技術は、新規カテゴリに属するデータXに対して、最も近い既存のカテゴリ(正常カテゴリN)を求める。そして、特許文献2に記載の技術は、データXの値と正常カテゴリNの中心との距離を求め、この距離に対する寄与率が最大であるデータ項目を、主要因データ項目として求める。
特開2014−63337号公報 特開2013−140495号公報
特許文献1に記載の技術では、異常が発生したと判断された後で、その原因の項目及び対応策が表示されることになる。その結果、異常の発生が急に発令されることとなり、事前の準備をすることが難しい。また、特許文献1に記載の技術において、異常の原因と関係する項目が複数ある場合、ある異常が検知されると、その異常は、どの項目が大きく影響しているのかを、ユーザが知ることによって、異常の原因を探ることが要望されている。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、このような、どの項目が異常に影響しているのかを表示することが考慮されていない。
一方、特許文献2に記載の技術でも、特許文献1に記載の技術と同様、異常が発生したと判断された後で、その原因の項目が表示される。その結果、異常の発生が急に発令されることとなり、事前の準備をすることが難しい。また、特許文献2に記載の技術では、寄与率が最大となる主要因項目を表示することが開示されている。しかしながら、寄与率が最大となる主要因項目以外の項目に関する情報が表示されることは開示されていない。従って、寄与率が最大となる主要因項目以外の項目が、異常に対して、どのように影響しているのかを、ユーザが知ることはできない。
このように、単にARTの技術を使うだけでは、「正常時と異なる状態に対象の状態が変化した」ことが後で分かることになり、異常発生対策の準備が間に合わない可能性がある。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、プラントの異常発生の兆候を示すことを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、プラントから新たに複数の項目における計測値を、複数取得する計測値取得部と、取得した前記複数の計測値に関する各項目を各軸とする空間に前記複数の計測値を対応付けることで、前記取得した前記計測値を前記空間にプロットし、前記空間に所定の領域を設定することで、前記領域に対応させたカテゴリの範囲を前記空間に設定し、前記領域の大きさを変化させることで、前記カテゴリの範囲を変化させつつ、既に取得している計測値をカテゴリに分類するカテゴリ化部と、どのカテゴリの範囲において、新たに取得された計測値が、前記カテゴリから外れたか否かによって、警報レベルを経時的に算出する警報レベル算出部と、前記新たに取得された計測値と前記カテゴリとの距離に関する値である寄与率を、前記警報レベルを算出した時刻に対応させて算出する寄与率算出部と、所定期間において算出された前記警報レベル及び前記寄与率を、関連付けて経時的に表示部に表示する表示処理部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、プラントの異常発生の兆候を示すことができる。
本実施形態に係るプラント監視支援システムの構成例を示す図である。 本実施形態に係るプラント監視支援装置の構成例を示す図である。 淡水化プラントの機器構成例を示す図である。 計測値のカテゴリ化の例を示す図である。 分類後におけるカテゴリ間の相関関係を示す図である。 ある淡水化プラントから得られる計測値に対して学習と診断を実施した際のカテゴリ分類結果の時間変化を表した図である。 調整パラメータρを変化させて学習と診断を実施した際のリードタイムと誤検知数の変化を表した図である。 本実施形態に係る警報レベルの算出方法を説明するための模式図である。 本実施形態に係る寄与率の算出方法を説明するための模式図である。 本実施形態に係るプラント監視支援システムが行う手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係るプラント監視支援画面の例を示す図(その1)である。 本実施形態に係るプラント監視支援画面の例を示す図(その2)である。 本実施形態に係る補助画面の例を示す図(その1)である。 本実施形態に係るプラント監視支援画面の例を示す図(その3)である。 本実施形態に係るプラント監視支援画面の例を示す図(その4)である。 本実施形態に係る補助画面の別の例を示す図(その2)である。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、本実施形態では、プラント監視支援システムが適用されるプラントとして、海水を淡水化する淡水化プラントを想定しているが、運転状態が計測値として取得できるプラントであれば淡水化プラントでなくてもよい。例えば、上下水プラントや、医療システム等、計測値を取得可能なプラントや、装置や、システムに適用されてもよい。
(システム構成)
図1は、本実施形態に係るプラント監視支援システムの構成例を示す図である。
プラント監視支援システム10は、プラント監視支援装置1、淡水化プラント3及び監視制御装置4を有している。
プラント監視支援装置1と監視制御装置4とはインターネットや、クラウド等通信ネットワークを介して接続されている。
淡水化プラント3は、海水を淡水化するプラントである。
監視制御装置4は、淡水化プラント3から流量、圧力、温度、水質等の計測値を取得し、取得した計測値をプラント監視支援装置1へ送る。また、監視制御装置4は、淡水化プラント3から取得される計測値、例えば、淡水の生産量やポンプの吐出圧力が、それらの目標値となるように、淡水化プラント3のポンプ出力や配管に設置されている弁の開度等の操作量を淡水化プラント3へ出力することで、淡水化プラント3の監視を行っている。
プラント監視支援装置1は、計測値取得部112、カテゴリ化部113、警報レベル算出部114、寄与率算出部115、表示処理部116、計測値DB(Data Base)121、監視支援DB122を有する。また、プラント監視支援装置1には、表示装置2が接続されている。
計測値取得部112は、監視制御装置4から淡水化プラント3における計測値を取得し、計測値DB121に格納する。
カテゴリ化部(警報レベル算出部)113は、計測値DB121に格納される正常時の計測値に基づき淡水化プラント3を構成する各機器の状態を複数のカテゴリに分類する。さらに、カテゴリ化部113は、最新のデータを加えてカテゴリ化算出を実施し、最新の計測値が正常データカテゴリの外に位置するかを評価する。
警報レベル算出部114は、カテゴリ化部113の処理結果を基に、最新の計測値の警報レベルを算出する。また、警報レベル算出部114は、算出した警報レベルを監視支援DB122に格納する。なお、警報レベルについては後記して説明する。
寄与率算出部115は、最新の計測値が既存カテゴリの外に位置する場合に、最新の計測値に対する計測値の項目の影響度である寄与率を算出する。寄与率算出部115は、算出した寄与率を監視支援DB122に格納する。なお、寄与率については後記して説明する。
表示処理部116は、警報レベル算出部114が算出した警報レベルや、寄与率算出部115が算出した寄与率を監視支援DB122から取得し、警報レベル及び寄与率の経時変化として表示装置2に表示する。すなわち、表示処理部116は、図11〜図16で後記する各画面を表示装置2に表示する。
(プラント監視支援装置)
図2は、本実施形態に係るプラント監視支援装置の構成例を示す図である。
プラント監視支援装置1はメモリ110、CPU(Central Processing Unit)130、記憶装置としての計測値DB121及び監視支援DB122、送受信装置140を有している。また、プラント監視支援装置1には表示装置2が接続されている。
送受信装置140は、監視制御装置4に接続しており、監視制御装置4から淡水化プラント3(図1)の計測値を取得する。
また、記憶装置に格納されているプログラムがメモリ110に展開され、メモリ110に展開されたプログラムがCPU130によって実行されることで、処理部111、及び処理部111を構成する計測値取得部112、カテゴリ化部113、警報レベル算出部114、寄与率算出部115及び表示処理部116が具現化している。
なお、計測値取得部112、カテゴリ化部113、警報レベル算出部114、寄与率算出部115、表示処理部116、計測値DB121、監視支援DB122については図1で説明済みであるので、ここでの説明を省略する。
なお、プラント監視支援装置1における各部112〜116は一体となっていなくてもよい。つまり、各部112〜116の少なくともいずれか一つを含む装置がプラント監視支援装置1とは別に設置されてもよい。
また、計測値DB121,監視支援DB122は、すくなくとも一つがプラント監視支援装置1の外部に設置されてもよい。
図3は、淡水化プラントの機器構成例を示す図である。
ここで、淡水化プラント3とは、例えば、被処理水を海水とする海水淡水化プラント3であり、図3では、その主要部分のみを示す。
淡水化プラント3は、海水供給ポンプ201により汲み上げられた海水は、逆浸透膜モジュール202で淡水と、塩分が濃縮された濃縮水に膜分離される。膜分離された海水は配管204を介して排出される。一方、膜分離された濃縮水は動力回収装置203へ運ばれる。
また、海水供給ポンプ201により汲み上げられた海水の一部は、動力回収装置203に運ばれる。動力回収装置203は、逆浸透膜モジュール202より排出された濃縮水を利用し、海水供給ポンプ201から動力回収装置203に運ばれてきた海水を加圧する。
加圧された海水は、海水供給ポンプ201から運ばれた海水と逆浸透膜モジュール202で合流した後、逆浸透膜モジュール202へ運ばれる。動力回収装置203を設けることにより、濃縮水が有する圧力を回収し、海水供給ポンプ201から動力回収装置203に運ばれる海水に伝達することができるため、エネルギの効率化を実現することができる。
また、動力回収装置203で圧力を回収された濃縮水は配管205を介して排出される。
なお、淡水化プラント3に設置されている「T1」〜「T3」は温度計であり、「P1」〜「P6」は圧力計であり、「W1」〜「W5」は水質計であり、「F1」〜「F4」は流量計である。
<カテゴリ化>
次に、本実施形態に係るプラント監視支援システム10における正常データのカテゴリ化について説明する。ここで、カテゴリとは、類似性を持つデータのまとまりである。本実施形態では、一例として、クラスタリング技術の1つであるARTを用いる。
図4は、計測値のカテゴリ化の例を示す図である。また、図5は、分類後におけるカテゴリ間の相関関係を示す図である。適宜、図1を参照する。
図4(a)は、淡水化プラント3が正常運転されている期間(正常期間)と、運転状態を診断する期間(診断期間)における、「計測値A」(実線)及び「計測値B」(破線)の時間変化の例を示す図である。ここで、「計測値A」及び「計測値B」は、淡水化プラント3における温度計、流量計、圧力計、水質計等の各センサから監視制御装置4を介して取得される計測値である。
また、正常期間とは、一定のテスト期間である。例えば、正常期間では、カテゴリを生成するのに十分な量の計測値が取得される。そして、テスト期間が終了し、淡水化プラント3が実動し始めると、診断期間となり、計測値が取得される毎に、カテゴリ化(警報レベルの算出)と、後記する寄与率の算出が行われる。ただし、診断期間であっても、計測値が正常である期間が続く場合、カテゴリ化、警報レベル算出、寄与率の算出後、正常期間となる。
カテゴリ化部113は、まず正常期間における「計測値A」及び「計測値B」を入力し、「計測値A」及び「計測値B」の相関を学習する。このとき、図4(a)及び図4(b)に示されるように「計測値A」及び「計測値B」の相関として、(1)「計測値A」が大、「計測値B」が小、(2)「計測値A」及び「計測値B」ともに小、(3)「計測値B」が大、「計測値A」が小、の3種の異なる相関を示すデータ群が抽出されたものとする。カテゴリ化部113は、(1)〜(3)のそれぞれをカテゴリ番号1〜3として分類するものとする。カテゴリの変化を、時間変化とともに示したものが図4(b)に示されている。なお、ここでは、説明を簡略化するため、カテゴリ化を「計測値A」と「計測値B」の大小関係で行う場合を示すが、これに限らず、「計測値A」及び「計測値B」の差分を所定の閾値と比較することで、カテゴリが生成されてもよい。
次に、本実施形態に係る警報レベル算出部114の動作について説明する。
カテゴリ化部113は、各計測値をカテゴリに分け、新たに取得した診断期間の計測値(処理対象となる計測値)が、正常期間の計測値が属するカテゴリに分類されるか否かを判定する。例えば、図4(a)に示す最初の診断期間での「計測値A」及び「計測値B」は、既に学習済みの「カテゴリ2」の特性と類似することから、「カテゴリ2」として分類される。しかし、その後の「計測値A」及び「計測値B」の相関はそれぞれのデータがともに「大」となり、学習済みの「カテゴリ1」〜「カテゴリ3」のいずれの計測値の特性とも類似しないため、新規カテゴリとして分類される。この結果、図4(b)及び図5に示されるように、学習済みの「カテゴリ1」〜「カテゴリ3」に加えて、計測値501に対応する新たなカテゴリとして「カテゴリ4」が生成される。
(警報レベル)
カテゴリ化には、カテゴリの大きさ(図5において円で分けられた各カテゴリの半径に相当する値)をあらかじめ設定しておく必要がある。ARTを用いる場合には、調整パラメータρ(カテゴリの半径の逆数に相当する値、0<ρ<1)が設定される。ρを大きくすると各カテゴリの大きさが小さくなり、カテゴリの数が多くなる傾向がある。一方、ρを小さく設定すると各カテゴリの大きさが大きくなり、カテゴリの数が小さくなる傾向がある。
図6は、ある淡水化プラントから得られる計測値に対して学習と診断を実施した際のカテゴリ分類結果の時間変化を表した図である。
この装置は時間t2で故障が発生したことがわかっている。故障発生の前、すなわち時間t1から新規カテゴリが現れている。このことから、時間t1には異常の予兆が現れていたと考えられる。そこで、時間(t2−t1)を故障発生までのリードタイム601と定義する。
図7は、調整パラメータρを変化させて学習と診断を実施した際のリードタイムと誤検知数の変化を表した図である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、調整パラメータρを大きく設定する、すなわち、カテゴリの半径を小さく設定するとリードタイムは長くなるが、誤検知数は多くなる傾向がある。一方、調整パラメータρを小さく設定する、すなわち、カテゴリの半径を大きく設定するとリードタイムは短くなるが、誤検知数は少なくなる傾向がある。すなわち、調整パラメータρの値が大きいほど確度は低いが異常の発生をより早期に検出することができ、調整パラメータρの値が小さいほど直前ではあるが異常の発生を高い確度で検出することができることになる。
この特性を利用し、カテゴリ化部113はρの値を所定の範囲内で、例えば10段階変化させ、そのうち異常と判定された回数を「警報レベル」として出力する。
このことを、図8を参照して説明する。
図8(a)は、調整パラメータρが「大」の場合、すなわち、カテゴリの半径が「小」の場合である。この場合、新規に計測された計測値501は「カテゴリ1」〜「カテゴリ3」の範囲外であり、新規カテゴリである「カテゴリ4」に含まれる。
図8(b)は、調整パラメータρが「中」の場合、すなわち、カテゴリの半径が「中」の場合である。この場合、計測値501は、「カテゴリ1」の線上に位置している。
そして、図8(c)は、調整パラメータρが「小」の場合、すなわち、カテゴリの半径が「大」の場合である。この場合、計測値501は「カテゴリ1」内に完全に含まれる。
図8の例のような場合、警報レベル算出部114は警報レベルを「中」と判定する。
図8の例では、調整パラメータρを「大」、「中」、「小」の3段階で変化させているが、ρの値を10段階等で変化させてもよい。この場合、1回も異常と判定されなかった場合、警報レベル算出部114は、警報レベル=0と判定し、すべての段階で異常と判定された場合は警報レベル=10と判定する。
すなわち、警報レベルとは、カテゴリの半径を変化させ、どの半径でカテゴリを設定したときに、既存のカテゴリの範囲外に処理対象の計測値が出るか否かである。すなわち、警報レベルが小さい値であれば、カテゴリの半径を小さくしても、既存のカテゴリ内に計測値が収まっているので、計測値は異常値から遠いことが推測される。逆に、警報レベルが大きい値であれば、カテゴリの半径が大きいうちは既存のカテゴリ内に計測値が収まっているが、カテゴリの半径を小さくすると既存のカテゴリ外に計測値が出てしまうので、計測値は異常値に近いことが推測される。
(寄与率)
図9は、本実施形態に係る寄与率の算出方法を説明するための模式図である。
寄与率算出部115は、図9に示す方法によって、処理対象となっている計測値に対する「計測値A」及び「計測値B」の影響(寄与率)を算出する。なお、寄与率の算出は警報レベルが確定したとき、すなわち、調整パラメータρを段階的に変化させ、処理対象となっている計測値が、既存のカテゴリの境界線をまたいだときに算出される。
寄与率算出部115は、新規のカテゴリ(図5の「カテゴリ4」)に分類された計測値501について、既存のカテゴリ(図9の例では「カテゴリ1」〜「カテゴリ3」)のどのカテゴリに最も近いかを探索する。新規のカテゴリに分類された計測値は、現在の調整パラメータρより調整パラメータρが大きいとき(カテゴリの半径が小さいとき)には、既存のカテゴリ内に含まれていたはずである。従って、調整パラメータρを変化させたとき、処理対象の計測値が最も多く属していた既存カテゴリが、処理対象となっている計測値における最近傍の既存カテゴリである可能性が高い。
なお、既存カテゴリとは、正常期間の計測値が分類されるカテゴリのことである。
つまり、寄与率算出部115は、処理対象となっている計測値が既存カテゴリの外に出たときの調整パラメータρより、大きい調整パラメータρ(あるいは、1段階大きい調整パラメータρ)のとき、処理対象となっている計測値が含まれていた既存カテゴリを再近傍カテゴリとする。
図8の例を参照すると、計測値501は、調整パラメータρが「大」のとき新規カテゴリである「カテゴリ4」に含まれているが、調整パラメータρが「中」、「小」のときは、既存カテゴリである「カテゴリ1」に含まれている。
従って、図8の例のような場合、寄与率算出部115は、計測値501の再近傍カテゴリを「カテゴリ1」とする。
なお、本実施形態では、処理対象となっている計測値が、既存カテゴリの外に出たときの調整パラメータρより、大きい調整パラメータρのとき、どの既存カテゴリに含まれていたかを探索することで、最近傍カテゴリを探索しているが、これに限らない。例えば、計測値と、各既存カテゴリの中心との距離が最も近い既存カテゴリを最近傍カテゴリとしてもよい。
次に、寄与率算出部115は、処理対象となっている計測値と、最近傍カテゴリの各項目の差分を算出する。図9の例では、各項目は「計測値A」及び「計測値B」となる。この差分は最近傍カテゴリの中心の点からの距離でも、最近傍カテゴリの境界である超球面上(二次元である図9の例においては円周上)からの法線方向の距離でもよい。
この差分の値が大きい項目が、計測値が異常値となっている原因である可能性が高いといえる。そこで、最近傍カテゴリから、処理対象となっている計測値までのそれぞれの項目の差分を「寄与率」とする。図9の例では、符号701が計測値501に対する「計測値A」の寄与率であり、符号702が計測値501に対する「計測値B」の寄与率である。
なお、本実施形態では、寄与率を各項目における処理対象の計測値の最近傍カテゴリからの距離の割合を%で示すものとする。
例えば、項目が「計測値A」〜「計測値C」の3つあり、処理対象となっている計測値と、最近傍カテゴリとの距離について、「計測値A」方向の距離を「距離A」、「計測値B」方向の距離を「距離B」、「計測値C」方向の「距離C」とすると、「計測値A」〜「計測値C」の寄与率は以下の式で示される。
「計測値A」の寄与率=(100×距離A)/(距離A+距離B+距離C)
「計測値B」の寄与率=(100×距離B)/(距離A+距離B+距離C)
「計測値C」の寄与率=(100×距離C)/(距離A+距離B+距離C)
ちなみに、すべての項目について寄与率を合計すると、100%となる。
表示処理部116は、処理対象となっているすべての計測値、例えば、「計測値A」と「計測値B」との寄与率をできればリアルタイム、あるいは一定の時間間隔で運転状況表示部122に表示する。このようにすることで、操作員は現在の寄与率を確認することができる。また、後記するように、計測値の計測箇所と、寄与率とを関連付けることで、操作員による現地確認や精密点検をすべき対象の優先順位をつけることを支援することができる。その結果、より早期に異常の発生を防止するよう対応することができる。
(フローチャート)
図10は、本実施形態に係るプラント監視支援システムが行う手順を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、調整パラメータρを小さい値から大きい値へと変化させている。すなわち、カテゴリを構成する超球の半径を大きい値から小さい値へと変化させているが、逆にしてもよい。
まず、計測値取得部112が、監視制御装置4を介して、淡水化プラント3の計測値を取得する(S101)。
次に、カテゴリ化部113は、調整パラメータρを初期値、すなわち、最も小さい値に設定する(S102)。
さらに、カテゴリ化部113は、現在の調整パラメータで正常期間の計測値(予め取得されている計測値)のカテゴリ化を行う(S103)。
そして、警報レベル算出部114は、現在処理対象となっている計測値が既存カテゴリ内に入っているか否かを判定する(S104)。
ステップS104の結果、既存カテゴリ内に入っている場合(S104→Yes)、警報レベル算出部114は、現在の調整パラメータρの値が設定されている最大値であるか否かを判定する(S105)。
ステップS105の結果、現在の調整パラメータρの値が最大値ではない場合(S105→No)、調整パラメータρの値を一段階大きくし(S106)、ステップS103へ処理を戻す。
ステップS105の結果、現在の調整パラメータρの値が最大値である場合(S105→Yes)、警報レベル算出部114は、警報レベルを「0」(すなわち、最低レベル)し(S107)、寄与率算出部115が寄与率の算出を行う(S109)。
一方、ステップS104の結果、既存カテゴリ内に入っていない場合(S104→No)、警報レベル算出部114は、処理対象となっている計測値の警報レベルを、現在の調整パラメータρの1つ前の段階の調整パラメータρに対応付けられている警報レベルに決定する(S108)。
そして、寄与率算出部115は処理対象となっている計測値の寄与率を算出する(S109)。寄与率は、図9において説明した手法で算出される。
寄与率の算出後、表示処理部116が、算出された警報レベル及び寄与率の経時変化を表示部に表示する(S110)。ステップS110で表示される画面は、後記して説明する。
その後、処理部111は、ステップS101へと処理を戻し、次の時刻における警報レベルと、寄与率を算出する。
(画面例)
次に、図11〜図16を参照して、本実施形態に係るプラント監視支援画面について説明する。警報レベルの値と寄与率の値は、いずれも経時変化として判断に使えるよう表示される。プラント監視支援画面の例を図11〜図16に示すが、警報レベルと寄与率の経時変化あるいは警報レベルと寄与率の積の経時変化が同一画面上で表示されるのであれば他の形式でもよい。
図11は、本実施形態に係るプラント監視支援画面例を示す図である。
なお、図11〜図13、図15、図16に示す図では、計測値の項目が「計測値A」〜「計測値F」の6項目となっている。
図11のプラント監視支援画面1100は、警報レベルと寄与率の経時変化を二次元グラフ(平面上)で示したものである。つまり、プラント監視支援画面1100は警報レベル及び寄与率を二軸としたグラフである。
図11に示すプラント監視支援画面1100では、系列1101が「計測値A」を示し、系列1102が「計測値B」を示している。また、系列1103が「計測値C」を示し、系列1104が「計測値D」を示している。さらに、系列1105が「計測値E」を示し、系列1106が「計測値F」を示している。この場合、項目は「計測値A」〜[計測値F]のそれぞれとなる。
図11では、各項目における警報レベル及び寄与率をシンボル(丸)で表現している。
さらに、黒く塗りつぶしたシンボルは最新の計測値によるデータであることを示している。そして、細かいドットで示されているシンボルは最新の計測値より、1つ前の計測値によるデータであることを示している。また、粗いドットで示されているシンボルは、細かいドットで示されているシンボルの計測値より、1つ前の計測値によるデータであることを示している。そして、白抜きのシンボルは最も古い時刻の計測値によるデータであることを示している。
この後、新たな計測値が取得されて、取得された計測値の警報レベルと、寄与率が算出されると、この新たな計測値に対するシンボルが黒く塗りつぶしたシンボルとして表示され、現在黒く塗りつぶされているシンボルは、細かいドットで示される。同様に、新たな計測値が取得されると、現在細かいドットで示されているシンボルは粗いドットで示され、現在粗いドットで示されているシンボルは白抜きのシンボルで表示される。そして、白抜きで示されているシンボルは非表示となる。
なお、図11では、経時変化として4段階の変化を示しているが、4段階に限らない。また、6つの項目について表示されているが、6つに限らない。
また、警報レベルは、項目を軸とする超空間にプロットされた(対応付けられた)点で判定されるので、同一時刻で取得された計測値については、各項目で同じ値となり、寄与率がそれぞれ異なる。ちなみに、寄与率は前記した計算式により算出される値である。
警報レベルが高くなると同時に画面右方向へシンボルが移動している項目は、寄与率が増加する計測値項目が異常の原因候補としてもっとも可能性が高いと言える。また、寄与率が高くても、警報レベルが高くなると同時に画面左方向へ移動して寄与率が減少する項目は、異常の原因候補としての可能性は低いといえる。
そして、ユーザは、過去におけるシンボルを参考にすることで、現在までの警報レベル及び寄与率の経時変化を感覚的に把握することが可能となり、事前対策を的確に実施することができる。
例えば、図11に示すプラント監視支援画面1100では、警報レベルが上昇するに従って、系列1101(「計測値A」)と、系列1104(「計測値D」)が、画面右方向へ移動している、すなわち、寄与率が上昇している。特に、系列1101(「計測値A」)が高い寄与率を示しているので、ユーザは「計測値A」を取得している箇所が要注意であることがわかる。
逆に、系列1102(「計測値B」)のように、高い寄与率を示していても、時間とともに画面左側へ移動していれば、時間とともに寄与率が低下しているので、その項目の計測値は問題ないと考えられる。
なお、図11の例では、プラント監視支援画面1100に示される各項目について、表示上の区別をしていないが、項目ごとに色を変えたり、形を変えたり、大きさを変えたりしてもよい。つまり、「計測値A」のシンボルが赤、「計測値B」のシンボルが紫、・・・のように、各項目におけるシンボルの色が変えられて表示されてもよい。
さらに、図11の例では、ドットによって時刻の変化が表されているが、シンボルの明度によって時刻の変化が表わされてもよい。つまり、最新の計測値に関するシンボルほど濃く表示され、過去となるにつれて薄く表示されてもよいし、過去となるにつれてシンボルの大きさが小さくなるようにしてもよい。図11において各シンボルをつなぐ線が表示されなくてもよい。
図12は、本実施形態に係る別のプラント監視支援画面例を示す図である。
図12に示すプラント監視支援画面1200は、警報レベルと寄与率の積の経時変化をレーダチャート状グラフとしたものである。プラント監視支援画面1200複数種類(図12の例では6種類)の項目を異なる軸で表示し、経時変化を表示する線の種類で示したものである。実線で示されている線1201は、最新(現在、もしくは現在から最も直近の時刻)を示している。次に、一点鎖線で示されている線1202は、線1201より過去の時刻であることを示している。そして、破線で示されている線1203は、線1202よりさらに過去の時刻であることを示している。また、細かい破線で示される線1204は最も過去であることを示している。
なお、図12の例では、プラント監視支援画面1200に示される項目のシンボルについて、表示上の区別をしていないが、項目ごとにシンボルの色を変えたり、形を変えたり、大きさを変えたりしてもよい。
また、図12のプラント監視支援画面1200では、線種の違いで、経時変化を示しているが、これに限らず、過去を示す線ほど薄く、最新を示す線ほど濃く表示するようにしたり、過去になるほど細く表示されるようにしたりしてもよい。あるいは、現在から過去に向かうに従って、線1201〜1204の色を変化させてもよい。
プラント管理支援画面1200において、各軸の値は警報レベルと寄与率の積を示している。従って、レーダチャートの面積が大きくなると警報レベルが高くなっていることを示している。また、操作員は、レーダチャートの軸の値が大きい項目が、寄与率の大きな項目であり、異常の原因候補としてもっとも可能性が高いことが感覚的に分かる。また、レーダチャートの線を変化させることで、操作員は現時点までの寄与率の経時変化を感覚的に把握することが可能となり、事前対策を的確に実施することができる。
図12のプラント監視支援画面1200では、「計測値C」及び「計測値F」の寄与率が上昇していることがわかる。
ここで、図11と図12では項目を6種類として例示したが、対象とするプラントによっては、項目の数が多くなる場合が生ずる。そのような場合、表示処理部116は、寄与率が大きい項目を優先して表示し、逆に寄与率が小さい項目は表示しないようにしてもよい。このようにすることで、操作員は、重要な情報を確認することが容易となり、異常発生の兆候を前もって知ることができる。
図13は、本実施形態に係る補助画面の例を示す図である。
図13に示される補助画面1300は、図11のプラント管理支援画面1100や、プラント管理支援画面1200とともに表示される画面である。
図13に示す補助画面1300では、監視対象となっていう淡水化プラント3(図3)の構成図が示されており、図11や、図12において示されている「計測値A」〜「計測値F」の取得箇所が、符号1301〜1306で示されている。
つまり、「計測値A」は、温度計「T2」から得られる温度であり、「計測値B」は圧力計「P6」から得られる圧力値であり、「計測値C」は水質計「W5」から得られる水質に関する計測値である。また、「計測値D」は圧力計「P3」から得られる圧力値であり、「計測値E」は流量計「F2」から得られる流量であり、「計測値F」は圧力計「P2」から得られる圧力値である。
このように、補助画面1300を図11のプラント管理支援画面1100や、プラント管理支援画面1200とともに表示することにより、複数項目の測定箇所が一目で把握でき、全体としてどのような現象が発生しているのか把握しやすくなる。その結果、対応の誤りや遅れを低減することが可能となる。
また、警報レベルや、寄与率が高くなっている項目に該当する淡水化プラント3の箇所を容易に特定することができるので、対応の迅速化を図ることができる。
図14〜図15は、本実施形態に係るプラント管理支援画面の別の例を示す図であり、図16は、本実施形態に係る補助画面の別の例を示す図である。
図14に示すプラント管理支援画面1400では、上段に警報レベルの経時変化が示され、下段に寄与率の経時変化が示されている。なお、図14の下段における寄与率の経時変化では、「計測値A」(実線)及び「計測値B」(破線)における寄与率の経時変化がそれぞれトレンドグラフとして示されている。なお、上段と下段のグラフにおいて時刻は対応付けられている。なお、寄与率は前記した計算式で算出される。
図14に示すプラント管理支援画面1400によれば、時間とともに警報レベルが上昇していることがわかる。そして、警報レベルの上昇とともに、「計測値B」(破線)の寄与率が上昇していることがわかる。これにより、ユーザは警報レベルと寄与率との経時変化を視覚的に確認することが容易となる。
図14では、警報レベルと、寄与率とでグラフを分けているが、例えば、縦軸を警報レベル×寄与率とすることで、警報レベルと、寄与率とをまとめたグラフが表示されてもよい。
なお、図14では、「計測値A」及び「計測B」の2つの項目について表示されているが、表示する項目数は2つに限らない。
図11や図12の図は感覚的には把握しやすいが、定量的により細かく状況を把握するためには、図14のようなトレンドグラフが理解に役立つ場合がある。そこで、図14に示すように、図14に示すように警報レベル及び寄与率の経時変化をトレンドグラフで示すことが有効となる。
さらに、図15に示すように、寄与率が表示されている項目に関して現場の画像情報を同一画面上に表示できるようにすることも可能である。
これは、図15に示すように、図11のシンボルを画面上でクリックしたり、マウスをシンボル上においたりすると、そのシンボルに該当する現場設備の画像1501を表示するものである。これにより、警報レベルが上がっているときの寄与率が高い設備のイメージをすぐ共有できて勘違いを減らすことができるとともに、場合によっては画像を見ることで異常原因を特定できる可能性もある。また、画像と同時に音声情報も同時に出力できる形態とすることで、現場付近の異音等により、さらに的確に異常原因を特定できる可能性が高くなる。
なお、図15では、図11に示すプラント管理支援画面1100を例として説明したが、図12や、図14に示すプラント管理支援画面1200,1400について、画像1501が表示されてもよい。
図15における画像1501は静止画であるが動画でもよい。
また、図16における補助画面1600は、寄与率が所定の値以上となっている項目の取得箇所を強調表示しているものである。図16の例では、強調表示として、寄与率が所定の値以上となっている項目の取得箇所が点滅している(符号1601)。図16では、「計測値A」の寄与率が所定の値以上となっていることが示されている。
このようにすることで、ユーザが、淡水化プラント3において寄与率が高くなっている箇所を同定することが容易となる。
あるいは、寄与率が高くなっているシンボルが大きく表示されてもよい。
なお、図16では、寄与率が所定の値以上となっている箇所を点滅させているが、これ以外にも、警報レベル×寄与率が所定の値以上となっている箇所が点滅されるようにしてもよい。
図15のプラント管理支援画面1500や、図16の補助画面1600によれば、淡水化プラント3において、寄与率(あるいは、警報レベル)が上昇している箇所を同定することが容易となるので、異常対策の立案や、決定に要する時間を短縮することができる。これにより、対応の迅速化を図ることができる。
(まとめ)
本実施形態に示すように、表示処理部116が、算出された警報レベルをできればリアルタイム、あるいは一定の時間間隔で表示装置2に表示して、操作員に警報レベルを通知することで、操作員は現在の計測値と異常値との関係を確認することができる。
さらに、表示処理部116が、警報レベル及び寄与率の経時変化を表示装置2に表示することで、操作員は警報レベル及び寄与率の時間変化を容易に把握することができる。すなわち、操作員は、計測値が異常値に近づいているか否かを確認することができる。
これにより、異常の発生が急に発令されることがなく、操作員は異常発生の前に事前の準備、例えば、現地確認や精密点検を実施することが可能となる。その結果、重大な故障に至る前の初期段階で被害を最小限にとどめることが可能となる。例えば、図3に示す淡水化プラント3では逆浸透膜モジュール202がファウリングにより閉塞することがあるが、操作員が初期段階でフラッシングや薬品洗浄を実施することによって膜モジュールの交換やプラント停止に至る被害を最小化することができる。同様に、高圧ポンプ202も軸受けが損傷することがあるが、捜査員が初期段階でグリース交換を実施することによって軸受け破損やベアリング部破損、それによるプラント停止や断水に至る被害を最小化することができる。
本実施形態に係るプラント監視支援システム10は、電子的に情報が伝達できれば実現できるため、インターネットやクラウド等の通信ネットワーク経由によって、プラント監視支援装置1、淡水化プラント3、監視制御装置4の間で情報を送受信し、情報処理してもよい。このような形態をとる場合には、複数の淡水化プラント3を対象とした異常検知が可能なため少人数での集中管理を実現することができる。さらに、それぞれの淡水化プラント3に、このプラント監視支援システム10を実現するソフトウェアを保有する必要がないため、淡水化プラント3側の処理がほぼ不要となり、ソフトウェアの保守管理もきわめて容易となる。
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。例えば、警報レベル及び寄与率のどちらか一方の経時変化が表示されてもよい。
また、本実施形態に係るプラント監視支援システム10が、ネットワーク経由によるビジネスに使用されてもよい。
また、前記した各構成、機能、各部111〜116、各DB121,122等は、それらの一部又はすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、図2に示すように、前記した各構成、機能等は、CPU130等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、HD(Hard Disk)に格納すること以外に、メモリ110や、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1 プラント監視支援装置
2 表示装置
3 淡水化プラント
4 監視制御装置
10 プラント監視支援システム
111 処理装置
112 計測値取得部
113 カテゴリ化部(警報レベル算出部)
114 警報レベル算出部
115 寄与率算出部
116 表示処理部

Claims (12)

  1. プラントから新たに複数の項目における計測値を、複数取得する計測値取得部と、
    取得した前記複数の計測値に関する各項目を各軸とする空間に前記複数の計測値を対応付けることで、前記取得した前記計測値を前記空間にプロットし、前記空間に所定の領域を設定することで、前記領域に対応させたカテゴリの範囲を前記空間に設定し、前記領域の大きさを変化させることで、前記カテゴリの範囲を変化させつつ、既に取得している計測値をカテゴリに分類するカテゴリ化部と、
    どのカテゴリの範囲において、新たに取得された計測値が、前記カテゴリから外れたか否かによって、警報レベルを経時的に算出する警報レベル算出部と、
    前記新たに取得された計測値と前記カテゴリとの距離に関する値である寄与率を、前記警報レベルを算出した時刻に対応させて算出する寄与率算出部と、
    所定期間において算出された前記警報レベル及び前記寄与率を、関連付けて経時的に表示部に表示する表示処理部と、
    を有することを特徴とするプラント監視支援システム。
  2. 前記寄与率算出部は、前記各項目について前記寄与率を算出し、
    前記表示処理部は、前記各項目について前記算出した警報レベル及び前記算出した寄与率を、前記警報レベル及び前記寄与率を各軸とする平面上に経時的に表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラント監視支援システム。
  3. 前記寄与率算出部は、前記各項目について前記寄与率を算出し、
    前記表示処理部は、前記各項目を軸とするレーダチャートにおいて、前記各項目における警報レベル及び前記寄与率に関する情報を、対応する軸に表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラント監視支援システム。
  4. 前記表示処理部は、
    前記表示部に表示されている前記警報レベル及び前記寄与率を関連付けているデータと、前記プラントにおける前記新たに取得した計測値の取得箇所とに関する画像とを関連付けて前記表示部に表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラント監視支援システム。
  5. 前記表示処理部は、
    前記表示部に表示されている前記警報レベル及び前記寄与率を関連付けているデータと、前記プラントにおける前記新たに取得した計測値の取得箇所とに関する画像とを関連付けて前記表示部に表示する際、前記警報レベル及び前記寄与率の少なくとも一方が所定の値以上となっている場合、前記警報レベル及び前記寄与率の少なくとも一方が所定の値以上となっている前記計測値の取得箇所を強調表示する
    ことを特徴とする請求項4に記載のプラント監視支援システム。
  6. 前記表示処理部は、
    前記寄与率の経時変化と、前記警報レベルの経時変化とをトレンドグラフとして表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラント監視支援システム。
  7. プラントの異常を監視するプラント監視支援システムが、
    前記プラントから新たに複数の項目における計測値を、複数取得し、
    取得した前記複数の計測値に関する各項目を各軸とする空間に前記複数の計測値を対応付けることで、前記取得した前記計測値を前記空間にプロットし、前記空間に所定の領域を設定することで、前記領域に対応させたカテゴリの範囲を前記空間に設定し、前記領域の大きさを変化させることで、前記カテゴリの範囲を変化させつつ、既に取得している計測値をカテゴリに分類し、
    どのカテゴリの範囲において、新たに取得された計測値が、前記カテゴリから外れたか否かによって、警報レベルを経時的に算出し、
    前記新たに取得された計測値と前記カテゴリとの距離に関する値である寄与率を、前記警報レベルを算出した時刻に対応させて算出し、
    所定期間において算出された前記警報レベル及び前記寄与率を、関連付けて経時的に表示部に表示する
    ことを特徴とするプラント監視支援方法。
  8. 前記プラント監視支援システムは、
    前記各項目について前記寄与率を算出し、
    前記各項目について前記算出した警報レベル及び前記算出した寄与率を、前記警報レベル及び前記寄与率を各軸とする平面上に経時的に表示する
    ことを特徴とする請求項7に記載のプラント監視支援方法。
  9. 前記プラント監視支援システムは、
    前記各項目について前記寄与率を算出し、
    前記各項目を軸とするレーダチャートにおいて、前記各項目における警報レベル及び前記寄与率に関する情報を、対応する軸に表示する
    ことを特徴とする請求項7に記載のプラント監視支援方法。
  10. 前記プラント監視支援システムは、
    前記表示部に表示されている前記警報レベル及び前記寄与率を関連付けているデータと、前記プラントにおける前記新たに取得した計測値の取得箇所とに関する画像とを関連付けて前記表示部に表示する
    ことを特徴とする請求項7に記載のプラント監視支援方法。
  11. 前記プラント監視支援システムは、
    前記表示部に表示されている前記警報レベル及び前記寄与率を関連付けているデータと、前記プラントにおける前記新たに取得した計測値の取得箇所とに関する画像とを関連付けて前記表示部に表示する際、前記警報レベル及び前記寄与率の少なくとも一方が所定の値以上となっている場合、前記警報レベル及び前記寄与率の少なくとも一方が所定の値以上となっている前記計測値の取得箇所を強調表示する
    ことを特徴とする請求項8に記載のプラント監視支援方法。
  12. 前記プラント監視支援システムは、
    前記寄与率の経時変化と、前記警報レベルの経時変化とをトレンドグラフとして表示す

    ことを特徴とする請求項7に記載のプラント監視支援方法。
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