JP4479691B2 - フランジ付カラーを含む締結構造体 - Google Patents
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Description
被締結部材にボルト軸直交方向の力がかかると、その力は、ボルトからフランジ付カラーに伝わりフランジ付カラーからFRPプレートに伝わる。したがって、フランジ付カラーがFRPプレートに対して動くこと(がたつくこと)を防止しフランジ付カラーからFRPプレートに確実に力を伝えるために、フランジ付カラーのフランジ部だけでなくフランジ付カラーのカラー部(筒部)にも接着剤を配置しておくことが望ましい。
しかし、特許文献1開示の締結構造体では、フランジ付カラーのフランジ部のみをFRPプレートに接着しているため、フランジ付カラーのカラー部に接着剤が配置されていない。
フランジ部だけでなくカラー部にも接着剤を配置するために、フランジ部の分だけでなくカラー部の分の接着剤をもフランジ部に塗布して、フランジ付カラーをFRPプレートに取付ける(嵌め込む)ことも考えられるが、図3に示すように、カラー部2aとFRPプレート3とのカラー半径方向隙間が狭いため、接着剤6の大部分はカラー部2aに行き届かずにフランジ部2bの外にはみ出してしまう。また、フランジ部だけでなくカラー部にも接着剤を配置するために、フランジ部だけでなくカラー部にも接着剤を塗布したフランジ付カラーをFRPプレートに取付ける(挿入する)ことも考えられるが、フランジ付カラーをFRPプレートに挿入する際に、カラー部に塗布した接着剤がFRPプレートにより掻き落とされてしまう(削り落とされてしまう)。したがって、カラー部の外周面全体に均一に接着剤を配置することが困難である。
(1) フランジ付カラーを接着固定した樹脂製部材に対してボルトを用いて被締結部材を締結固定する、フランジ付カラーを含む締結構造体であって、
前記フランジ付カラーは、カラー部とフランジ部とを備えており、
前記樹脂製部材は、前記カラー部が取付けられる取付け孔と前記フランジ部を収容する座ぐり部とを備えており、
前記フランジ部の側面と前記座ぐり部の側面との間の半径方向隙間aを、前記カラー部の外周面と前記取付け孔の内周面との間の半径方向隙間bよりも小さく設定した、フランジ付カラーを含む締結構造体。
(2) 前記カラー部の外周面に該カラー部の軸方向に延びる溝が設けられている(1)記載のフランジ付カラーを含む締結構造体。
また、半径方向隙間aを半径方向隙間bよりも小さく設定しているため、フランジ部に接着剤を塗布したフランジ付カラーを樹脂製部材に取付けるだけで、接着剤をカラー部の外周面全体に配置できる。そのため、接着剤をカラー部の外周面全体に簡易に配置できる。
上記(2)のフランジ付カラーを含む締結構造体によれば、カラー部の外周面にカラー部の軸方向に延びる溝が設けられているため、溝が設けられていない場合に比べて、溝が設けられている部位の半径方向隙間bが広くなる。その結果、溝が設けられていない場合に比べて、フランジ部に接着剤を塗布したフランジ付カラーを樹脂製部材に取付ける際、接着剤がよりカラー部の外周面と取付け孔の内周面との間に流入しやすくなる。
本発明実施例のフランジ付カラーを含む締結構造体10は、図1に示すように、フランジ付カラー20を接着固定した樹脂製部材30に対してボルト50を用いて被締結部材40を締結固定する締結構造体である。締結構造体10は、フランジ付カラー20と、樹脂製部材30と、金属製の被締結部材40と、ボルト50と、フランジ付カラー20を樹脂製部材30に接着固定する接着剤60と、を有する。
カラー部21は、フランジ付カラー20の軸方向でフランジ部22が設けられていない部分である。カラー部21は、ボルト50が挿入されるボルト挿入用穴21aを備える。ボルト挿入用穴21aは、フランジ付カラー20をカラー軸方向に貫通する貫通孔であってもよく、袋穴であってもよい(図示例では袋穴である場合を示している)。カラー部21の内周面に、ボルト50がねじ込まれる雌ネジ21bが形成されている。ボルト50がねじ込まれる雌ネジ21bが形成されているため、フランジ付カラー20は、フランジ付カラーナット20といってもよい。
樹脂製部材30は、カラー部21が取付けられる(挿入される、嵌め込まれる)取付け孔31と、フランジ部22を収容する座ぐり部32と、を備える。
座ぐり部32は、取付け孔31の軸方向一端部に形成される。座ぐり部32は、カラー軸方向と直交する方向から見て、フランジ部22の全体を収容していてもよく、フランジ部22の一部のみを収容していてもよい。
接着剤60は、間Aと、間Bと、フランジ部22のうちカラー部21からカラー半径方向外側に延びている部分の裏面(下面)22bと座ぐり部32の底面32bとの間Cとに、配置される。
接着剤60は、接着剤60をフランジ部22の裏面22bに塗布したフランジ付カラー20を樹脂製部材30の取付け孔31に取付けるときに、フランジ部22の裏面22bと座ぐり部32の底面32bとによって間Cから押し出されて間Aと間Bに流入し、間A,B,Cに配置される。
フランジ付カラー20を含む締結構造体10の締結方法は、(a)フランジ部22の裏面22bに接着剤60を全周にわたって塗布する工程と、(b)接着剤60が塗布されたフランジ付カラー20を、樹脂製部材30の取付け孔31に、カラー部21の端面21dが樹脂製部材30の端面30cと面一または略面一になるまで嵌め込み、接着剤60を間Cから間A,Bに流入させて接着剤60を間A、B、Cに配置する工程と、(c)接着剤60が硬化した後に、被締結部材40の一面40aがカラー部21の端面21dに接触するようにして被締結部材40の他側(フランジ付カラー20と反対側)から、ボルト50を、被締結部材40のボルト挿通孔41を挿通させて雌ネジ21bにねじ込む工程と、を有する。
本発明実施例では、フランジ部22の側面22aと座ぐり部32の側面32aとの間Aの半径方向隙間aを、カラー部21の外周面21cと取付け孔31の内周面31aとの間Bの半径方向隙間bよりも小さく設定している。そのため、フランジ部22の裏面22bに接着剤60を予め塗布しておいたフランジ付カラー20を樹脂製部材30に取付ける際(挿入する際)、間Bへの接着剤流入抵抗が間Aへの接着剤流入抵抗よりも小さくなる。そのため、フランジ部22に接着剤60を塗布したフランジ付カラー20を樹脂製部材30に取付ける際、間Cから押し出された接着剤60の大部分は間Bに流入する。その結果、間Aからフランジ部22の外にはみ出す接着剤は無いかまたはあっても無視できる程度であり、カラー部21の外周面21c全体に均一またはほぼ均一に接着剤60を配置できる。
溝23が設けられているため、溝23が設けられていない場合に比べて接着の表面積が増加し、接着剤60による接着強度を高めることができる。
溝23がカラー部21の全周にわたって所定間隔ごとに設けられているため(溝23はカラー部21の全周に連続して設けられていないため)、溝23を設けた場合でもカラー部21で取付け孔31の内周面31aを傷つけることを防止できる。
20 フランジ付カラー
21 カラー部
21a ボルト挿入用穴
21b 雌ネジ
21c カラー部の外周面
22 フランジ部
22a フランジ部の側面
22b フランジ部の裏面
23 溝
30 樹脂製部材
31 取付け孔
31a 取付け孔の内周面
32 座ぐり部
32a 座ぐり部の側面
32b 座ぐり部の底面
40 被締結部材
50 ボルト
51 ワッシャ
60 接着剤
A フランジ部の側面と座ぐり部の側面との間
B カラー部の外周面と取付け孔の内周面との間
C フランジ部の裏面(下面)と座ぐり部の底面との間
a 間Aの半径方向隙間
b 間Bの半径方向隙間
Claims (2)
- フランジ付カラーを接着固定した樹脂製部材に対してボルトを用いて被締結部材を締結固定する、フランジ付カラーを含む締結構造体であって、
前記フランジ付カラーは、カラー部とフランジ部とを備えており、
前記樹脂製部材は、前記カラー部が取付けられる取付け孔と前記フランジ部を収容する座ぐり部とを備えており、
前記フランジ部の側面と前記座ぐり部の側面との間の半径方向隙間aを、前記カラー部の外周面と前記取付け孔の内周面との間の半径方向隙間bよりも小さく設定した、フランジ付カラーを含む締結構造体。 - 前記カラー部の外周面に該カラー部の軸方向に延びる溝が設けられている請求項1記載のフランジ付カラーを含む締結構造体。
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JP2006144995A JP4479691B2 (ja) | 2006-05-25 | 2006-05-25 | フランジ付カラーを含む締結構造体 |
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JP2006144995A JP4479691B2 (ja) | 2006-05-25 | 2006-05-25 | フランジ付カラーを含む締結構造体 |
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