JP4479350B2 - 指紋照合装置およびその相対位置検出装置 - Google Patents
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Description
特許文献2において、登録特徴点と照合特徴点とから相対位置差や相対回転量を算出するにあたり、まず特許文献2の図2及び図3に示されているように登録特徴点の各々の座標と角度から、X方向とY方向の位置ずれと角度のずれとが所定範囲内となる照合特徴点のみを抽出し、照合特徴点のX方向及びY方向の位置ずれ量のヒストグラムを作成している。尚、相対回転量も検出の場合には、上記処理は所定の範囲で一定の回転角分を回転されてからヒストグラムの作成を行う。それを所定回数繰り返し、一定の精度が得られるまで行って、画像の相対位置差と相対回転量を決定し、位置あわせを行われる。
実施の形態1においては、特徴点整理手段が、登録特徴点と照合特徴点との各点の角度に応じてあらかじめ複数のグループに分類することで整理し、特徴点選択手段が、登録特徴点の属するグループの中心角度との角度差が所定角度以下となる照合特徴点のグループを選択することによって、登録特徴点との角度の誤差が所定のしきい値以下となる照合特徴点すべてを選択する場合について説明する。また、ここでは回転も検出するとする。
図2は、本発明に係わる指紋照合装置の一実施の形態におけるフローチャートである。
まず、図1において、特徴点入力手段10内で指紋画像入力手段1が指紋を画像として入力する(図2のs1に相当)。指紋画像入力手段1は特徴点抽出手段2へ指紋画像のデータを出力する。
例えばCCDカメラ等を指紋画像入力手段1として使用し、指紋画像を入力する。また、必ずしもカメラ等のセンサを有していなくても、本実施の形態である指紋照合装置の外から、有線または無線を介して指紋画像が入力される手段であればよい。
特徴点の抽出について、具体例を用いて説明する。図3は、本発明に係わる指紋照合装置の一実施の形態における特徴点抽出手段2による特徴点の抽出例である。(a)は入力された指紋画像のデータである。特徴点抽出手段2では、例えば入力された指紋画像のデータに対してノイズの除去と画像のコントラストの強調を行った後、2値化処理を行い、指紋画像のデータを白黒のデータに変換する。すると図3の(b)のような画像データとなる。
照合特徴点の整理前のデータ順は図4の左側の表に示すように座標のXの昇順である。特徴点整理手段3は、照合特徴点の整理前のデータを照合特徴点の各点がもつ角度の情報をθの大きさに応じてグループに分類して図1のメモリ4に記憶させる。例えばN(Nは自然数)個のグループに分割するとI(Iは自然数)番目のグループでのθの範囲は、角度I×360/Nを中心角度とする場合、(I−0.5)×360/N≦θ<(I+0.5)×360/Nと設定すればよい。図4に示すのはN=90の場合である。
説明上、各グループに割り当てられるメモリ4のアドレス範囲は、あらかじめ指定されているとする。そして、特徴点整理手段3が各照合特徴点のもつ角度を含むグループを判別して、そのグループに割り当てられたメモリ4のアドレス内に記憶させる。すると、図4の右側の表に示すように照合特徴点は角度θに応じた各グループごとに分類、整理されることとなる。
そして、登録特徴点の各点のデータの各点がもつ角度を特徴点整理手段3が判別して、その角度を含むグループのアドレス内に記憶させると、登録特徴点は、角度θrに応じた各グループごとに整理されることとなる。
尚、一般には個人の指紋の登録特徴点は、必ずしも指紋照合装置内に備えられている必要はなく、別のコンピュータ、サーバー内やネットワークを経由して存在するメモリ4やハードディスクに記録されている情報が、通信等によって特徴点整理手段3に伝達できればよい。また、指紋照合装置にカードを差し込む機能を備え、そのカードに登録特徴点を記憶しておく機能を備えており、登録特徴点の情報を特徴点整理手段3に伝達できるような場合でもよい。
図5は、本発明に係わる指紋照合装置の一実施の形態における特徴点選択手段5の照合特徴点の選択手法を示す図である。左側の表は、登録特徴点の各グループと各グループに属する登録特徴点のアドレスと角度θrが示されている。右側の表は、照合特徴点の各グループと各グループに属する照合特徴点のアドレスとα度回転された角度θα及び座標(xα、yα)が示されている。即ち、(1)式となる。
例えば図5において、特徴点選択手段5は、登録特徴点側のグループ2に対応する照合特徴点のグループとして矢印で示すようにグループ1、2、3を選択して対応付ける。具体的には、J=2のグループ中の点との角度差|θα−θr|≦th(図5ではth=2度)となる照合特徴点を含む可能性のあるすべての照合特徴点のグループに対して矢印をはる。尚、矢印の貼り方は、実機においてθαとθrの組み合わせに対してオフラインで決定しておけるので処理時間は非常に短い。同様にグループ3に対応する照合特徴点のグループとしてグループ2、3、4を選択し、矢印をはる。(図2のs6に相当)
このような選択方法を採用することで、各々の登録特徴点について角度差の条件|θα−θr|≦thを満たす照合特徴点を全く含まないことがわかっているほとんどの照合特徴点グループを選択の対象から外し、全ての照合特徴点を選出する必要はなくすことができる。
図6は、本発明に係わる指紋照合装置の一実施の形態における位置差集計手段6が作成した2次元のヒストグラム9の一例を示す図である。横軸はX軸、縦軸はY軸、図中の丸は算出された位置差を示し、丸の大きさはその位置でのヒストグラム9の値の大きさを示している。この一例は、登録特徴点全体と照合特徴点全体の間に画像の相対的な回転がない場合の図であるが、回転がなければこのように特徴点選択手段5によって選択されたグループに登録特徴点と本来対応すべき照合特徴点が含まれているので、図6の座標(1,5)に示すような大きな値を示す座標が現れる。一方通常は相対的に回転していることが多いため、そのような回転がある場合は、登録特徴点と本来対応すべき照合特徴点を含んだ正しいグループが特徴点選択手段5によって選択されないので、ヒストグラム9が図6の座標(1.5)に示すような大きな値を示す座標が現れない。したがって、照合特徴点全体を回転させながら位置差と角度差の小さい登録特徴点が最も多くなるような相対回転量αを見つける必要がある。
そして、全てのヒストグラム9の処理を終えていない場合、相対位置検出手段7は、照合特徴点検出手段2において抽出された照合特徴点を、(1)式の回転角αをかえて回転させる(図2のs11に相当)。αの変化幅は少なくとも角度差の判定値th以下が望ましい。一方処理速度の面からは例えばグループの角度範囲360/Nの倍数などにすると処理が簡単となりより高速になる。なお、回転においてはメモリ4内の照合特徴点のアドレスをかえずに座標及び角度を書き換えるだけでよく、グループの区切りを変える必要はない。もし回転量をα=k×360/N(kは整数)としておけば、グループ番号がkだけずれ、矢印もkだけずれるのみとなる。尚、kがIの値域を越えた場合は剰余演算で値域におさめるのはいうまでもない。
従って、相対位置検出手段7は、αに対してk通り作成されたヒストグラム9の中からヒストグラム9の値が最も大きい時の座標上の差(xα−xr、yα−yr)を全体の相対位置差として決定し、そのときの回転角αを全体の相対回転角として決定することで、相対位置検出を行う(図2のs12に相当)。
実施の形態1では、登録特徴点側も角度で整理したが、照合側のみ整理し、θrから直接、照合側グループ番号を計算するという別の形態を説明する。すなわち、あるθrに対応するIの基準をたとえばI=Int((θr+0.5+360)mod360)/N(Int()は四捨五入による整数化、mod()は剰余計算)によって計算し、その前後のグループを実施の形態1と同様に処理する。また、その他の処理方法として登録特徴点と回転後の照合特徴点の処理を入れ替え、登録側のみ整理してもよい。以上のように様々なバリエーションが可能だがどれが高速かは登録指紋と照合指紋の数やハードウェアやアプリケーションの性質によって異なる。
実施の形態3においては、特徴点整理手段が、登録特徴点と照合特徴点との各点の角度に応じてあらかじめ昇順に配列させることで整理し、特徴点選択手段が、登録特徴点の各点の角度との角度差が所定角度以下となる照合特徴点を選択する場合について説明する。
実施の形態1との処理の違いについて説明する。
特徴点整理手段3は、照合特徴点のデータを角度順に整理する際に、実施の形態1においては、登録特徴点及び照合特徴点の各点がもつ角度の情報をθの大きさに応じてグループに分類していたのに対し、本実施の形態においては、登録特徴点及び照合特徴点に対して各々に角度順に配列する。配列の方向は例えば昇順とする。
また、特徴点選択手段5は照合特徴点の抽出を行う際に、実施の形態1においては、登録特徴点の各グループに対応した照合特徴点のグループを選択していたのに対し、本実施の形態においては、許容される角度誤差をthとした場合、任意の登録特徴点に対し、|θa−θr|≦thとなる照合特徴点を選択し、それを登録特徴点の角度の昇順におこなう。
図8は、本発明に係わる指紋照合装置の第3の実施の形態におけるフローチャートである。
特徴点入力手段10内で指紋画像入力手段1にて入力された指紋画像から(図8のs21)、特徴点抽出手段2にて照合特徴点が抽出され(図8のs22)、位置及び角度情報を備える照合特徴点が多数含まれるデータとして特徴点整理手段3に出力される。
図9は、本発明に係わる指紋照合装置の第3の実施の形態における特徴点整理手段3の照合特徴点の整理前後を示す表である。左側の表は照合特徴点の整理前の座標X,Y及び角度θ、右側の表は照合特徴点の整理後の配列のアドレス、角度θ及び座標X,Yを示している。
具体的には、照合特徴点が記憶されるメモリ4のアドレス範囲があらかじめ指定されているので、照合特徴点の各点のデータの各点がもつ角度順に特徴点整理手段3が並べ替えによる整理を行い、角度順にメモリ4のアドレス内に記憶させる。
仮に、登録特徴点の角度が0〜360度まで、昇順に整理され、同様に照合特徴点も角度が0〜360度までで昇順に整理されていたとする。thが2度に設定されていたとする。
すなわち、従来であれば図10の組み合わせ表におけるすべての欄に対して、照合特徴点を選択するかどうかの判定を行わなければならなかったが、本実施の形態では図中のほぼ対角線に沿った部分の欄に関する判定処理のみが必要であり、他の大部分を占める空欄に対しては判定計算をしなくてよい。
本実施の形態においても、登録特徴点及び照合特徴点を角度を基準に昇順に配列させることで、1つの登録特徴点に対し、選択される照合特徴点付近のメモリ4にしかアクセスしないので、メモリ4へのアクセス数を大幅に削減して大幅な高速化が図れる。
また、照合特徴点をα度回転させて再選択させる場合も、特徴点整理手段3にて一度昇順に配列させているので、回転によって特徴点の順番がかわることはないので再度ソートする必要はなく、座標の回転計算以外には照合特徴点を選択を始める角度の開始点や終了点を、アドレスの付け替えなどによって変更する程度の若干の計算処理量ですみ、従来の発明のように全ての照合特徴点を対象として再選択させる必要はない。
実施の形態4においては、実施の形態1に対し、特徴点選択手段が、照合特徴点の属するグループの中心角度との角度差が所定角度以下となる登録特徴点のグループを選択することによって、照合特徴点との角度の誤差が所定のしきい値以下となる登録特徴点すべてを選択する場合について説明する。
図11は、本発明に係わる指紋照合装置の一実施の形態におけるフローチャートである。s41〜s45については実施の形態1のs1〜s5と同じである。
各特徴点の整理後、図1の特徴点選択手段5は、相対位置検出手段7によってある角度α度(α=0も含む)回転された登録特徴点のデータから、照合特徴点の各点の角度に対して所定以下の角度差となる登録特徴点を選択する(図11のs46に相当)。これは実施の形態1の場合に対して登録特徴点と照合特徴点を入れ替えて行っただけである。
そして、全てのヒストグラム9の処理を終えていない場合、相対位置検出手段7は、登録特徴点を回転角αをかえて回転させる(図11のs51に相当)。
その後、ステップS46〜S50を繰り返し、所定の回転角範囲のすべてのαに対して仮の位置差とそのときのヒストグラム値が得られたところでs52にうつる。図11のs52〜s54については実施の形態1におけるs12〜s14と同じである。
実施の形態5においては、特徴点整理手段が、登録特徴点と照合特徴点との各点の角度に応じてあらかじめ昇順に配列させることで整理し、特徴点選択手段が、照合特徴点の各点の角度との角度差が所定角度以下となる照合特徴点を選択する場合について説明する。
図12は、本発明に係わる指紋照合装置の第5の実施の形態におけるフローチャートである。
実施の形態2との処理の違いについて説明する。
特徴点選択手段5は、照合特徴点の各点に対し、|θ−θrα|≦th(θrαはα度回転された角度θr)となる登録特徴点を選択する(図12のs106)のに、登録特徴点と照合特徴点とを角度順に昇順で並べたので、1つの照合特徴点に対し、全ての照合特徴点のメモリ4にアクセスする必要はない。これは実施の形態2の説明と同様である。
また、図12のs112〜114の処理についても、実施の形態2のs32〜34と全く同じである。
実施の形態1〜5に記載されている指紋照合装置のうち、図1に記載されている特徴点選択手段3、特徴点選択手段5、位置差集計手段6、相対位置検出手段7からなる相対位置検出装置の構成については、登録特徴点と照合特徴点との相対位置検出に用いられるだけではなく、特徴点を登録する際にも用いられる場合がある。以下、その場合について説明する。
特徴点を登録する場合、指紋データの登録時には、通常、同じ指から連続または時期をおいて数回画像を採取し、それらのすべての画像において比較的安定して抽出できる特徴点だけを最終的に登録特徴点のデータとして登録する。この処理過程において、複数の登録画像同士で位置あわせが必要になるが、そのためには、位置合わせを行いたい2枚の登録画像のうち1枚を仮に照合画像とみなし、実施の形態1〜5と同じようにして相対位置検出装置を適用すればよい。
まず、特徴点整理手段3にきた特徴点がを仮の登録特徴点とするかを判別し(図14のs121)、特徴点を角度に応じてグループ分類する(図14のs122に相当)。そして次にきた特徴点は照合特徴点と判断し、s121ではNOの判別をして、s123にて照合特徴点として角度に応じてグループ分類される。
あとのs124〜s130までは、実施の形態1の図2のs6〜s12までの工程とまったく同一である。
Claims (8)
- 入力された指紋画像から指紋の隆線または谷線の端点及び分岐点である特徴点の位置及び角度を出力する特徴点抽出手段と、前記特徴点抽出手段から出力されまたは外部から入力される登録特徴点及び照合特徴点を各点の角度に応じて複数のグループに分類して整理する特徴点整理手段と、前記登録特徴点の各グループの中心角度に対して、中心角度の角度差が所定角度以下となる前記照合特徴点のグループを選択する特徴点選択手段と、前記登録特徴点のグループの各点と選択された照合特徴点のグループの各点との位置差の算出及び集計を行う位置差集計手段と、前記照合特徴点を所定の相対回転量の範囲で所定回転量毎に回転させて前記照合特徴点の選択と前記位置差の集計を行うことによって、前記登録特徴点の基となる指紋画像と前記照合特徴点の基となる指紋画像との相対的な位置の差及び回転量の差である相対位置差及び相対回転量を検出する相対位置検出手段と、前記相対位置検出手段から検出された相対位置差及び相対回転量を補正値として使用して指紋照合を行う指紋照合手段とを備えたことを特徴とする指紋照合装置。
- 入力された指紋画像から指紋の隆線または谷線の端点及び分岐点である特徴点の位置及び角度を出力する特徴点抽出手段と、前記特徴点抽出手段から出力されまたは外部から入力される登録特徴点及び照合特徴点の各点を角度の昇順または降順に整列させて整理する特徴点整理手段と、登録特徴点の各点の角度に対し、所定以下の角度差となる前記特徴点整理手段により整理された照合特徴点を選択する特徴点選択手段と、前記登録特徴点の各点と前記照合特徴点との位置差の算出及び集計を行う位置差集計手段と、前記照合特徴点を所定の相対回転量の範囲で所定回転量毎に回転させて前記照合特徴点の選択と前記位置差の集計を行うことによって、前記登録特徴点の基となる指紋画像と前記照合特徴点の基となる指紋画像との相対的な位置の差及び回転量の差である相対位置差及び相対回転量を検出する相対位置検出手段と、前記相対位置検出手段から検出された相対位置差及び相対回転量を補正値として使用して指紋照合を行う指紋照合手段とを備えたことを特徴とする指紋照合装置。
- 入力された指紋画像から指紋の隆線または谷線の端点及び分岐点である特徴点の位置及び角度を出力する特徴点抽出手段と、前記特徴点抽出手段から出力されまたは外部から入力される登録特徴点及び照合特徴点を各点の角度に応じて複数のグループに分類して整理する特徴点整理手段と、前記照合特徴点の各グループの中心角度に対して、中心角度の角度差が所定角度以下となる前記登録特徴点のグループを選択する特徴点選択手段と、選択された登録特徴点のグループの各点と前記照合特徴点のグループの各点との位置差の算出及び集計を行う位置差集計手段と、前記登録特徴点を所定の相対回転量の範囲で所定回転量毎に回転させて前記登録特徴点の選択と前記位置差の集計を行うことによって、前記登録特徴点の基となる指紋画像と前記照合特徴点の基となる指紋画像との相対的な位置の差及び回転量の差である相対位置差及び相対回転量を検出する相対位置検出手段と、前記相対位置検出手段から検出された相対位置差及び相対回転量を補正値として使用して指紋照合を行う指紋照合手段とを備えたことを特徴とする指紋照合装置。
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