JP4479221B2 - 薄膜の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜の処理方法に係り、特に、基材上の薄膜をマイクロ波により選択的に加熱する方法に関する。
一般に、基材上に成膜された薄膜の耐擦過性等の物理的特性や、耐酸性、耐アルカリ性などの化学的特性は、薄膜が結晶性である場合の方が、アモルファスの薄膜よりも優れている。また、結晶性であることにより機能性が高められる場合もあり、例えば、酸化チタンにあっては、アモルファスでは光触媒効果を示さないが、結晶化させることにより光触媒効果を得ることができる。
しかし、基材上に薄膜を形成する場合、薄膜の成膜過程で基材に熱をかけずに室温にて成膜した場合、形成された薄膜は、通常アモルファス構造である。これに対して、基材の加熱を行いながら成膜を行った場合には、結晶性の薄膜を得ることができる。例えば、スパッタリングにより酸化チタン薄膜を成膜する場合、基材の加熱を行いながら成膜することで結晶性酸化チタン薄膜を得ることができる。基材がガラス基板等の耐熱性の高いものである場合には、このような基材加熱が可能であるが、耐熱性の低い高分子フィルムを基材とする場合には、このような手法を採用することができず、室温成膜後の薄膜は通常アモルファス構造である。
また、酸化チタン微粒子を分散媒に均一分散させた分散液を用いて、湿式成膜法で薄膜を形成した場合、結晶性酸化チタン微粒子を使用することにより結晶性薄膜を得ることができるが、この方法では、微粒子同士の密着性、基材と薄膜との密着性が著しく低い薄膜となってしまう。後処理としてヒータなどによる外部からの加熱処理を行って、密着性を高めることもできるが、この場合にも、加熱温度は、基材の耐熱温度以下である必要があり、耐熱性の低い高分子フィルムを基材とするものに対しては不適当である。しかも、外部からの加熱は、加熱対象である薄膜以外にも熱が奪われるため、エネルギー効率が悪いという問題もある。
従って、本発明は、基材上の薄膜を選択的にかつ効率的に加熱する方法を提供することを目的とする。
本発明の薄膜の処理方法は、基材上に乾式成膜法により成膜した薄膜にマイクロ波を照射して加熱する薄膜の処理方法であって、該薄膜と基材との間に、該薄膜よりもマイクロ波の吸収効率の高い材料よりなる下地層が形成されていることを特徴とする。
基材上の薄膜にマイクロ波を照射すると、薄膜がマイクロ波を吸収し、薄膜のみを選択的かつ直接的に短時間で効率的に加熱することができる。このため、基材が耐熱性の低い高分子フィルムであっても短時間の加熱で基材上の薄膜の結晶化が可能となり、諸特性に優れた結晶性薄膜を得ることができる。
本発明において、薄膜は乾式成膜法により成膜されたものである。乾式成膜法の場合、2つのカソードに交互に電圧を印加して成膜するデュアルカソードスパッタリングにより成膜することは好ましい方法である。
本発明において、基材としては、ガラス基板や金属基板であっても良いが、本発明のマイクロ波による選択的加熱による効果は、特に高分子フィルム上に形成された薄膜に対して有効である。
また、薄膜としては特に制限はないがチタン化合物薄膜、特に酸化チタン薄膜が好ましく、マイクロ波としては300MHz〜300GHzのマイクロ波が好ましい。特に、酸化チタンは周波数の低いマイクロ波の吸収性が低く、加熱効率が劣るものとなるため、高い周波数のマイクロ波を使用することが好ましく、例えば、ジャイロトロンによる28GHz又は2.45GHzのマイクロ波を好適に使用することができる。
特に、酸化チタン薄膜等のチタン化合物薄膜の下地層として、これらの薄膜よりもマイクロ波を効率的に吸収する材料を成膜することにより、この下地層がマイクロ波を効率的に吸収することで、上層の酸化チタン等のチタン化合物薄膜を効率的に処理することができる。この下地層としては、導電薄膜、例えば、ITO、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、InTiO、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)などや、SiC薄膜などが挙げられる。
本発明の結晶性薄膜は、このような本発明の処理方法で加熱されて結晶化されたものであり、特に結晶性酸化チタン薄膜として好適である
本発明によれば、マイクロ波により基材上の薄膜を選択的に加熱して高分子フィルム等の基材に熱的影響を及ぼすことなく、短時間で効率的に加熱処理することができる。
本発明によれば、高分子フィルム等の耐熱性の低いフレキシブル基材上に形成された酸化チタン薄膜を短時間で容易に結晶化させて、諸特性、機能性に優れた結晶性酸化チタンフィルムを得ることができ、この結晶性酸化チタンフィルムは光触媒フィルムや色素増感型太陽電池用半導体電極として有用である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明の薄膜の処理方法について説明する。
本発明においては、基材上に形成された薄膜にマイクロ波を照射することにより、薄膜のみを選択的に加熱する。
このマイクロ波としては、300MHz〜300GHzの幅広い周波数のものを用いることができるが、特に、薄膜が酸化チタン薄膜である場合、酸化チタンは周波数の低いマイクロ波の吸収性が低く、加熱効率が劣るものとなるため、高い周波数のマイクロ波を使用することが好ましく、例えば、ジャイロトロンによる28GHz又は2.45GHzのマイクロ波を用いるのが好ましい。
マイクロ波の照射時間は、薄膜の加熱により所望の処理、例えば結晶化が可能な時間であれば良く、マイクロ波のエネルギーや薄膜の材質及び膜厚等にもよるが、500Wのマイクロ波であれば、10〜15分程度、1000Wのマイクロ波であれば、5〜10分程度で十分である。
マイクロ波を照射する薄膜の材質としては特に制限はなく、酸化チタン、窒化チタン、酸窒化チタン等のチタン化合物、その他ITO、SiC等が挙げられるが、本発明は特に酸化チタン薄膜の加熱による結晶化に好適に適用される。
この酸化チタン薄膜等の薄膜の膜厚は、その用途によって異なり、特に制限はないが、通常の場合、10nm〜10μm、特に20〜1000nm程度である。
この薄膜の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法などの乾式成膜法である。特に、スパッタリング法の場合、2つのカソードに交互に電圧を印加して成膜するデュアルカソードスパッタリングにより成膜することは、基材への密着性が高く、緻密で機械的特性に優れた薄膜を形成することができ、好ましい。
基材としては、前述の如く、高分子フィルムが好ましく、高分子フィルムの樹脂材料としては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等が挙げられるが、特に強度面でPET、PC、PMMA、TAC、とりわけPET、TACが好ましい。
このような高分子フィルムの厚さは、用途によっても異なるが、通常の場合10μm〜1mm程度、好ましくは25〜300μm程度である。
なお、高分子フィルム上の薄膜、特に酸化チタン等のチタン化合物薄膜の下地層として、該薄膜に接するように、この薄膜よりもマイクロ波の吸収効率の高い材料よりなる薄膜を成膜することにより、上層の酸化チタン等のチタン化合物薄膜をより効率的に処理することができる。この下地層としては、ITO、AZO、InTiO、FTO、ATO、IZO、GZO等の導電性薄膜やSiC薄膜が挙げられる。
この場合、このような下地層の膜厚は、過度に薄いと、下地層を形成したことによる上記効果を十分に得ることができず、厚いとコストアップを招くと共にフィルムの柔軟性が損なわれ、また、得られるフィルムも厚くなって好ましくない。従って、下地層の膜厚は10〜500nm、特に30〜300nmであることが好ましい。
この下地層もまた、スパッタリングやイオンプレーティング等により成膜することができ、例えば、酸化チタン薄膜の成膜に先立ち、酸化チタン薄膜と連続して成膜することもできる。
また、高分子フィルムと薄膜との間、上記下地層を設けた場合は、下地層と高分子フィルムとの間には、緩衝層として、珪素酸化物、珪素窒化物及び珪素酸窒化物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を主成分とする層を形成しても良く、このような緩衝層を形成することにより、マイクロ波加熱の際の高分子フィルムへの影響を抑制することができ、より一層安定した処理を行えるようになる。
この場合、このような緩衝層の膜厚は、過度に薄いと、緩衝層を形成したことによる上記効果を十分に得ることができず、厚いとコストアップを招くと共にフィルムの柔軟性が損なわれ、また、得られるフィルムも厚くなって好ましくない。従って、緩衝層の膜厚は10〜500nm、特に30〜300nmであることが好ましい。
この緩衝層もまた、スパッタリングやイオンプレーティング等により成膜することができ、例えば、酸化チタン薄膜或いは上記下地層の成膜に先立ち、酸化チタン薄膜と連続して成膜することもできる。
本発明による基材上の薄膜へのマイクロ波の照射は、基材上に形成された薄膜に対してバッチ式で行うこともできるが、連続的に繰り出される長尺状の薄膜形成基材に対して連続的に行うことも可能である。
以下にこのような連続処理が可能な薄膜の処理装置について、図1,2を参照して詳細に説明する。
図1,2は薄膜の処理装置の実施の形態を示す模式的な断面図である。
図1において、1はチャンバであり、上部に、マイクロ波を下方に向って照射するための導波管2が設けられている。また、一方の側壁部には、高分子フィルムの一方の面に薄膜が形成された被処理フィルムの導入口3が設けられ、他方の側壁部には処理済フィルムの送出口4が設けられている。
被処理フィルム5は、原反ローラ6から連続的又は間欠的に送り出され、チャンバ1内にて、上面側に形成された薄膜にマイクロ波が照射され、処理済フィルム7は巻取ローラ8で巻き取られる。9A,9Bはガイドローラである。
図2の装置においては、チャンバ1Aの上部に、マイクロ波を下方に向って照射するための導波管2が設けられている。このチャンバ1Aの底部には開口1Bが設けられており、この開口1Bに冷却ローラ10の略上半側が通ってチャンバ内に差し込まれている。この冷却ローラ内10には液体又は気体よりなる冷媒の通路が設けられており、ローラ表面が温度調節されている。
被処理フィルム5は原反ローラ6から連続的又は間欠的に送り出され、チャンバ1A内でマイクロ波が照射された後処理済フィルム7が巻取ローラ8で巻き取られるが、チャンバ1A内でのマイクロ波照射の際に、被処理フィルム5は、冷却ローラ10により高分子フィルム側が冷却される。このため、マイクロ波加熱による熱的影響を軽減することができる。
本発明によるこのようなマイクロ波による加熱は、基材上のアモルファス薄膜の結晶化に特に有効である。
本発明の光触媒フィルムは、このようにして、高分子フィルム上に形成された酸化チタン薄膜にマイクロ波を照射して加熱することにより結晶化させたものであり、結晶性酸化チタン薄膜により良好な光触媒効果を得ることができる。
また、本発明の色素増感型太陽電池用半導体電極は、このような結晶性酸化チタンフィルムを備えるものである。
以下に、この色素増感型太陽電池用半導体電極について説明する。
図3は、色素増感型太陽電池の一般的な構造を示す断面図である。図3に示す如く、ガラス基板等の基板11上にFTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電膜12が設けられ、この透明導電膜12上に分光増感色素を吸着させた金属酸化物半導体膜(色素吸着半導体膜)13が形成され、色素増感型半導体電極14が設けられている。この色素増感型半導体電極14と対向して間隔をあけて対向電極15が配置されており、図示しない封止材により色素増感型半導体電極14と対向電極15との間に電解質16が封入されている。17は、半導体電極14と対向電極15との間隔を維持するために周縁部に設けられた絶縁性のスペーサである。
色素吸着半導体膜13は、通常、色素を吸着させた酸化チタン薄膜よりなり、この酸化チタン膜はゾルゲル法により成膜される。この酸化チタン薄膜に吸着されている色素が可視光によって励起され、発生した電子を酸化チタン微粒子に渡すことによって発電が行われる。対向電極15は、ガラス又はプラスチック等の基板上にITOやFTO等の透明導電膜が形成され、この透明導電膜上に、透明導電膜と増感色素との間の電子の授受を促進させるための触媒としての白金膜又は炭素膜が、透過率を低下させない程度の膜厚に形成されたものである。また、電解質16としては、酸化還元性物質、例えば、LiI、NaI、KI、CaIなどの金属ヨウ化物とヨウ素の組み合わせ、LiBr、NaBr、KBr、CaBrなどの金属臭化物と臭素の組み合わせ、好ましくは、金属ヨウ化物とヨウ素の組み合わせよりなる酸化還元性物質をプロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物等の溶媒に溶解してなる電解液が用いられている。
本発明の結晶性酸化チタンフィルムにより、このような色素増感型太陽電池用半導体電極を構成することにより、フレキシブルな色素増感型太陽電池を実現することが可能となる。
即ち、色素増感型太陽電池用半導体電極の製造に当っては、通常、基板11上に透明導電膜12を形成し、この上に酸化チタン半導体膜13を成膜し、成膜した酸化チタン半導体膜を、焼成して結晶化させるが、この焼成に代えてマイクロ波照射を行うことにより、基材としての高分子フィルムの適用が可能となる。
マイクロ波により結晶化させた酸化チタン半導体膜に吸着させる有機色素(分光増感色素)は、可視光領域及び/又は赤外光領域に吸収を持つものであり、種々の金属錯体や有機色素の1種又は2種以上を用いることができる。分光増感色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン基、カルボキシアルキル基の官能基を有するものが半導体への吸着が速いため、好ましい。また、分光増感の効果や耐久性に優れているため、金属錯体が好ましい。金属錯体としては、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミン、特開平1−220380号公報、特表平5−504023号公報に記載のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛の錯体を用いることができる。有機色素としては、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン色素を用いることができる。シアニン系色素としては、具体的には、NK1194、NK3422(いずれも日本感光色素研究所(株)製)が挙げられる。メロシアニン系色素としては、具体的には、NK2426、NK2501(いずれも日本感光色素研究所(株)製)が挙げられる。キサンテン系色素としては、具体的には、ウラニン、エオシン、ローズベンガル、ローダミンB、ジブロムフルオレセインが挙げられる。トリフェニルメタン色素としては、具体的には、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレットが挙げられる。
有機色素(分光増感色素)を酸化チタン半導体膜に吸着させるこのためには、有機色素を有機溶媒に溶解させて調製した有機色素溶液中に、常温又は加熱下に酸化物半導体膜を高分子フィルムととも浸漬すれば良い。前記の溶液の溶媒としては、使用する分光増感色素を溶解するものであれば良く、具体的には、水、アルコール、トルエン、ジメチルホルムアミドを用いることができる。
このような本発明の色素増感型太陽電池用半導体電極を用いて、図3に示す色素増感型太陽電池を製造する場合、対向電極15としては、導電性を有するものであれば良く、任意の導電性材料が用いられるが、電解質のI イオン等の酸化型のレドックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能を持ったものの使用が好ましい。このようなものとしては、白金電極、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン、コバルト、ニッケル、クロム等が挙げられる。
そして、色素増感型太陽電池用半導体電極14に対向電極15とを対面させ、これらの電極間に電解質16を封止材により封入することにより色素増感型太陽電池が得られる。この場合、対向電極15についても高分子フィルム上に導電性膜を成膜したものを用いることにより、色素増感型太陽電池のフレキシブル化が可能となる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
マグネトロンDCスパッタ装置にTiターゲットとITOターゲットをセットし、真空チャンバーに厚さ188μmのPETフィルムをセットし、ターボ分子ポンプで5×10−4Paまで排気した後、Arガスを97sccm、Oガスを3sccmの流量で混合ガスとして導入し、0.5Paとなるように調整した。その後、ITOターゲットに2kWの電力を印加し、PETフィルム上に約50nmの膜厚のITO薄膜を成膜した。次いで、Arガスを80sccm、Oガスを20sccmの流量で混合ガスとして導入し、0.5Paとなるように調整した。その後、Tiターゲットに2kWの電力を印加し、ITO薄膜上に約300nmの膜厚のTiO薄膜を成膜した。
その後、このITO薄膜及びTiO薄膜を成膜したフィルムに28GHzのマイクロ波を500Wで2分照射することにより加熱した。
得られたTiO成膜フィルムについて、X線回折を行ったところ、TiO薄膜はアナターゼ型結晶性TiO薄膜であることが確認された。
比較例1
実施例1において、マイクロ波の照射を行わなかったこと以外は同様にしてTiO成膜フィルムを得、同様にX線回折を行ったところ、TiO薄膜はブロードピークのアモルファス膜であることが確認された。
本発明によれば、高分子フィルム等の基材に熱的影響を及ぼすことなく、基材上の酸化チタン薄膜等の薄膜を短時間で容易に加熱することができ、各種特性に優れる結晶性薄膜を提供することができ、光触媒フィルム、或いは色素増感型太陽電池用半導体電極用途に有用な結晶性酸化チタンフィルムが提供される。
薄膜の処理装置の実施の形態を示す模式的な断面図である。 薄膜の処理装置の他の実施の形態を示す模式的な断面図である。 色素増感型太陽電池の一般的な構成を示す断面図である。
1 チャンバ
2 導波管
5 被処理フィルム
6 原反ローラ
7 処理済フィルム
8 巻取ローラ
10 冷却ローラ
11 基板
12 透明導電膜
13 色素吸着半導体膜
14 色素増感型半導体電極
15 対向電極
16 電解質
17 スペーサ

Claims (8)

  1. 基材上に乾式成膜法により成膜した薄膜にマイクロ波を照射して加熱する薄膜の処理方法であって、該薄膜と基材との間に、該薄膜よりもマイクロ波の吸収効率の高い材料よりなる下地層が形成されていることを特徴とする薄膜の処理方法。
  2. 請求項において、該薄膜を2つのカソードに交互に電圧を印加して成膜するデュアルカソードスパッタリングにより成膜することを特徴とする薄膜の処理方法。
  3. 請求項1又は2において、該基材が高分子フィルムであることを特徴とする薄膜の処理方法。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項において、該薄膜がチタン化合物薄膜であることを特徴とする薄膜の処理方法。
  5. 請求項において、該薄膜が酸化チタン薄膜であることを特徴とする薄膜の処理方法。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項において、該下地層がITO、AZO、InTiO、FTO、ATO、IZO及びGZOよりなる群から選ばれる1種又は2種以上よりなる導電性薄膜又はSiC薄膜であることを特徴とする薄膜の処理方法。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項において、該マイクロ波が300MHz〜300GHzのマイクロ波であることを特徴とする薄膜の処理方法。
  8. 請求項において、該マイクロ波が2.45GHz又は28GHzのマイクロ波であることを特徴とする薄膜の処理方法。
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