JP4479125B2 - 圧力関連ユニット検査方法および圧力関連ユニット検査システム - Google Patents

圧力関連ユニット検査方法および圧力関連ユニット検査システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも1つの圧力関連要素と少なくとも1つの圧力センサとが組み込まれた圧力関連ユニットの機能を検査する技術に関するものであり、特に、圧力関連要素の機能をその圧力関連要素が圧力関連ユニットに組み込まれている状態で検査する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車のブレーキシステムにおいては、少なくとも1つの圧力関連要素と少なくとも1つの圧力センサとが組み込まれた圧力関連ユニットが使用される。圧力関連要素が電磁弁を含む場合には、その圧力関連ユニットは、電磁弁ユニットと称されることや、アクチュエータと称されることがある。
【0003】
ここに、圧力関連要素としては、例えば、圧力源等、圧力を発生させる圧力発生要素や、電磁圧力制御弁等、圧力を制御する圧力制御要素や、電磁流量制御弁等、流量を制御する流量制御要素や、流体が流れる方向を制御する方向制御要素があり、さらに、フィルタ、シール、オリフィス、通路等もある。
【0004】
以下、電磁弁ユニットの機能を検査する場合を例にとり、圧力関連ユニットの機能を検査する技術の従来例をいくつか説明する。
【0005】
電磁弁ユニットは、それが使用される対象物への取付けに先立って組立てが行われるとともに、その組立てに際し、電磁弁ユニットの機能が検査される。例えば、電磁弁ユニットにおける電磁弁については、それの機能がその電磁弁ユニットに組み込まれている状態で検査される。
【0006】
特開平10−287228号公報には、電磁弁ユニットの機能を検査する電磁弁ユニット検査方法の一従来例が開示されている。
【0007】
この従来の電磁弁ユニット検査方法によれば、電磁弁ユニットがそれの検査のために取り付けられる検査システムが、電磁弁ユニットの第1ポートに気体を供給する圧力源と、電磁弁ユニットの第2ポートを大気に連通させる通路と、その通路を流れる気体の流量を検出する流量センサと、それら第1ポートと第2ポートとの間における圧力差を検出する圧力差検出装置と、それら流量センサおよび圧力差検出装置の出力信号に基づいて電磁弁ユニットを検査する検査装置とを含むように構成される。
【0008】
以上の説明から明らかなように、この従来の電磁弁ユニット検査方法においては、検査されるべき電磁弁ユニットの外部におけるセンサまたは検出装置を使用することにより、その電磁弁ユニットの機能が検査されるのである。
【0009】
図26には、電磁弁ユニットを検査するために使用される検査システムの別の従来例が系統的に示されている。この検査システムも、先の従来例と同様に、電磁弁ユニットしてのアクチュエータ400が一時的に取り付けられるように設計されている。
【0010】
この従来の検査システムは、圧力源としてのエア源402を備えている。そのエア源402は、加減圧切換えのための複数のバルブ404、複数の調圧器406、および複数の圧力センサ408をそれぞれ順に介してアクチュエータ400における複数の高圧ポートに接続される。それら複数のバルブ404は、ドライバ412を介してコントローラ414に接続される。コントローラ414は、調圧のための指令と、バルブを駆動するための指令とをドライバ412に供給する。
【0011】
この従来の検査システムにおいては、アクチュエータ400における複数のリザーバポートが、複数の圧力センサ420、複数の流量センサ422および複数のバルブ424を介して大気に開放される。それら複数の圧力センサ420と複数の流量センサ422とは、いずれも、増幅器(図において「AMP」で表す。)426を介してコントローラ414に接続される。その増幅器426からコントローラ414には、圧力および流量に関する計測値が供給される。これに対して、複数のバルブ424は、ドライバ412を介してコントローラ414に接続される。
【0012】
さらに、この従来の検査システムにおいては、アクチュエータ400における複数の圧力センサの出力信号が増幅器426を介してコントローラ414に取り込まれるようになっている。
【0013】
コントローラ414は、それが検査システムにおける各種機器に出力した信号と、アクチュエータ400からコントローラ414に供給された信号とに基づき、アクチュエータ400の機能が正常であるか否かを判定する。
【0014】
具体的には、コントローラ414は、アクチュエータ400の外部における各圧力センサ408により検出された圧力と、アクチュエータ400の内部における各圧力センサにより検出された圧力とが互いに整合するか否かを判定することにより、アクチュエータ400における各圧力センサの機能を検査する。
【0015】
コントローラ414は、さらに、バルブ404と調圧器406とにより、アクチュエータ400における各電磁弁を検査するために必要な圧力環境を実現し、その圧力環境のもと、各電磁弁の検査に必要な信号を供給するとともに、それに応答して、アクチュエータ400の外部における圧力センサ420により検出された圧力に基づき、各電磁弁の機能を検査する。各電磁弁の機能を電磁弁ユニットに組み込まれている状態で検査するのである。
【0016】
そのようにして検査された結果は、コントローラ414に接続されたモニタ430を介して作業者に表示される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
以上、従来の電磁弁ユニット検査方法を2つ説明したが、いずれの方法においても、電磁弁ユニットの機能を検査するために、その電磁弁ユニットの作動状態を反映した物理量の一例である圧力を検査システムにおいて検出せざるを得なかった。電磁弁ユニットの外部において検出せざるを得なかったのである。
【0018】
そのため、従来の電磁弁ユニット検査方法においては、電磁弁ユニットの複数の構成要素のうち検査されるべき検査対象(例えば、電磁弁)と、その検査対象の作動状態を検出するセンサとの間における流路が長くなる。その流路が長くなると、一般に、その流路の容積も大きくなり、その結果、検査対象の作動の影響が流体を伝播してセンサに到達するまでに長い時間が必要となる。
【0019】
このような事情から、従来の電磁弁ユニット検査方法においては、電磁弁ユニットの検査に長い時間が必要であった。
【0020】
さらに、従来の電磁弁ユニット検査方法においては、電磁弁ユニットにおける検査対象と、その電磁弁ユニットの外部においてその検査対象の作動状態を検出するセンサ(以下、「外部センサ」という。)との間に、電磁弁ユニットの外部に配置された外部通路が存在する。さらに、それら検査対象と外部通路との接続部が不連続になり易い。さらにまた、場合によっては、その外部通路に、各種電磁弁やフィルタも存在する。
【0021】
そのため、従来の電磁弁ユニット検査方法においては、検査対象から外部センサまで圧力が伝播する際に圧力損失が生じ易い。
【0022】
このような事情から、従来の電磁弁ユニット検査方法においては、検査対象の作動状態を外部センサによって正確に検出することによって電磁弁ユニットの機能を正確に検査するために、慎重な配慮が必要である場合もあった。
【0023】
さらに、従来の検査システムにおいては、電磁弁ユニット検査のためにその検査対象が置かれるべき圧力環境を実現するための機器や、その検査対象の作動状態を反映した物理量を検出するための機器が不可欠であった。前者の機器の一例は、図26における調圧器406であり、後者の機器の一例は、同図における圧力センサ420である。
【0024】
そのため、従来の検査システムには、構造が複雑になり易いという問題があった。
【0025】
以上、電磁弁ユニットを検査する場合を例にとり、従来の圧力関連ユニット検査方法および圧力関連ユニット検査システムの問題を説明したが、電磁弁ユニットにおける電磁弁以外の圧力関連要素を検査する場合にも同様な問題があり、さらに、圧力関連要素として電磁弁を有しない圧力関連ユニットを検査する場合にも同様な問題がある。
【0026】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
以上説明した事情を背景として、本発明は、圧力関連ユニットの機能を検査する技術を時間的な観点、精度的な観点または設備的な観点から改善することを課題としてなされたものであり、本発明によって下記各態様が得られる。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本明細書に記載の技術的特徴のいくつかおよびそれらの組合せのいくつかの理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴やそれらの組合せが以下の態様に限定されると解釈されるべきではない。
(1) ハウジングと、そのハウジングに組み込まれた少なくとも1つの圧力関連要素と、その圧力関連要素を流れる流体の圧力を検出するために前記ハウジングに組み込まれた少なくとも1つの圧力センサとを備えた圧力関連ユニットの機能を検査する方法であって、
その圧力関連ユニット内に圧力を生起する圧力生起工程と、
その圧力が生起されている状態で、前記少なくとも1つの圧力センサのうち予め選択された少なくとも1つの選択圧力センサの出力信号をセンサ信号として取り込む取り込み工程と、
その取り込まれたセンサ信号に基づき、前記少なくとも1つの圧力関連要素のうち予め選択された少なくとも1つの検査対象の機能を検査する検査工程と
を含む圧力関連ユニット検査方法。
【0027】
この方法においては、検査されるべき圧力関連ユニットに組み込まれている圧力センサを用いてその圧力関連ユニットにおける検査対象の検査が行われる。
【0028】
したがって、この方法によれば、その圧力関連ユニットの外部に配置された圧力センサを用いてその圧力関連ユニットにおける検査対象の検査が行われる場合に比較し、それら検査対象と圧力センサとの間における流路を短くすることが容易となる。
【0029】
よって、この方法によれば、その流路短縮化による圧力応答性向上に起因し、圧力関連ユニットの検査に必要な時間を短縮することが容易となる。
【0030】
さらに、この方法によれば、検査されるべき圧力関連ユニットの外部に配置された通路や圧力センサを利用せずにその検査を行うことが可能となる。
【0031】
よって、この方法によれば、圧力関連ユニットにおける検査対象と圧力センサとの間に予定外の圧力損失を生じさせる要因が存在しなくなり、その結果、圧力センサによって検査対象の作動状態を正確に検出することが容易となり、ひいては、圧力関連ユニットを正確に検査することも容易となる。
【0032】
本項に係る方法は、圧力関連ユニットにおける電磁弁の機能をその圧力関連ユニットに組み込まれている状態で検査するために使用したり、圧力関連ユニットにおける他の構成要素(例えば、流体通路、圧力源、フィルタ等)の機能をその圧力関連ユニットに組み込まれている状態で検査するために使用することが可能である。
【0033】
本項における「圧力センサ」は、圧力を連続的に検出する形式としたり、2以上の複数のレベルで段階的に検出する形式とすることが可能である。後者の形式の一例は、圧力スイッチとして知られている。
【0034】
また、本項において「圧力生起工程」は、圧力関連ユニットの外部に配置された圧力源を利用してその圧力関連ユニット内に圧力を生起する形式としたり、圧力関連ユニットに圧力関連要素として組み込まれている圧力源を利用してその圧力関連ユニット内に圧力を生起する形式とすることが可能である。
(2) さらに、前記取り込み工程において前記センサ信号が取り込まれるのに先立ち、前記選択圧力センサの機能を検査するセンサ検査工程を含む(1)項に記載の圧力関連ユニット検査方法。
【0035】
この方法によれば、圧力関連ユニットにおける検査対象の検査に先行し、その検査において利用されるべき圧力センサが検査される。
【0036】
したがって、この方法によれば、異常である圧力センサを用いることによって圧力関連ユニットが検査されてしまう事態を回避し得、その結果、圧力関連ユニットの検査結果に対する信頼性を向上させることが容易となる。
(3) 前記センサ検査工程が、同じ圧力環境において、前記選択圧力センサと、前記圧力関連ユニットの外部における圧力センサとによりそれぞれ検出された2つの圧力が互いに整合する場合には、その選択圧力センサの機能が正常であると判定し、そうではない場合には、その選択圧力センサの機能が正常ではないと判定する工程を含む(2)項に記載の圧力関連ユニット検査方法。
(4) 前記選択圧力センサが、前記圧力関連ユニットに組み込まれている複数の圧力センサを含み、
前記センサ検査工程が、前記圧力関連ユニットにおける同じ圧力環境において、それら複数の圧力センサによりそれぞれ検出された複数の圧力が互いに整合する場合には、それら複数の圧力センサのすべての機能が正常であると判定し、そうではない場合には、それら複数の圧力センサのいずれかの機能が正常ではないと判定する工程を含む(2)または(3)項に記載の圧力関連ユニット検査方法。
【0037】
この方法によれば、前記(3)項に係る方法とは異なり、圧力関連ユニットに組み込まれていない圧力センサを利用することなく、その圧力関連ユニットにおける複数の圧力センサを、それらの作動状態を相互に比較することにより、より簡単にかつ短時間で検査することが容易となる。
(5) 前記検査工程が、前記センサ信号により表される圧力に基づき、前記検査対象の機能を検査する工程を含む(1)ないし(4)項のいずれかに記載の圧力関連ユニット検査方法。
【0038】
この方法によれば、圧力関連ユニットにおける検査対象の機能を、少なくともそれの静的な特性を考慮することにより検査することが可能となる。
(6) 前記検査工程が、前記センサ信号により表される圧力の時間的変化勾配に基づき、前記検査対象の機能を検査する工程を含む(1)ないし(5)項のいずれかに記載の圧力関連ユニット検査方法。
【0039】
この方法によれば、圧力関連ユニットにおける検査対象の機能を、少なくともそれの動的な特性を考慮することにより検査することが可能となる。
(7) 前記少なくとも1つの圧力関連要素が、少なくとも1つの電磁弁を含み、
前記検査工程が、前記取り込まれたセンサ信号に基づき、その少なくとも1つの電磁弁のうち検査対象として予め選択された少なくとも1つの被検査電磁弁の機能を検査する電磁弁検査工程を含む(1)ないし(6)項のいずれかに記載の圧力関連ユニット検査方法。
【0040】
この方法によれば、圧力関連ユニットにおける電磁弁が、その圧力関連ユニットに組み込まれている状態で、かつ、同じ圧力関連ユニットに組み込まれている圧力センサを利用することにより検査される。
【0041】
したがって、この方法によれば、圧力関連ユニットにおける電磁弁を簡単かつ迅速に検査することが容易となる。
【0042】
特に、圧力関連ユニットに電磁弁が多数組み込まれている場合や、組み込まれている電磁弁が、検査に複雑な工程が必要で検査時間が長くなり易い形式の電磁弁である場合(例えば、後述のリニア増圧弁やリニア減圧弁である場合)には、本項に係る方法を実施することにより、検査時間の効果的な短縮を容易に図り得る。
【0043】
本項における「電磁弁」としては、例えば、励磁電流に比例して開度が変化するリニア弁を選んだり、単純な開閉弁を選んだり、スプール弁を選んだりすることが可能である。この解釈は、他の項においても採用することが可能である。
(8) さらに、前記被検査電磁弁の励磁電流を離散的に変更する電流変更工程を含み、
前記取り込み工程が、その電流変更工程によって前記被検査電磁弁の励磁電流が変更されるごとに前記センサ信号を取り込む工程を含み、
前記電磁弁検査工程が、前記被検査電磁弁に関する複数の励磁電流と複数のセンサ信号との関係に基づき、その被検査電磁弁の機能を検査する工程を含む(7)項に記載の圧力関連ユニット検査方法。
【0044】
この方法によれば、同じ電磁弁につき、複数の励磁電流と複数のセンサ信号すなわち圧力に関する静的または動的な性質との関係を取得し得、さらに、その取得された関係に基づき、電磁弁を検査することが可能となる。
(9) 前記少なくとも1つの電磁弁が、前記圧力関連ユニットに組み込まれている複数の電磁弁を含み、
当該圧力関連ユニット検査方法が、さらに、それら複数の電磁弁のうち前記被検査電磁弁を除くもののうち予め選択された少なくとも1つの選択電磁弁を作動させることにより、その被検査電磁弁を検査するために必要な圧力環境を実現する圧力環境実現工程を含み、
前記取り込み工程が、その実現された圧力環境のもとに前記センサ信号を取り込む工程を含む(7)または(8)項に記載の圧力関連ユニット検査方法。
【0045】
この方法によれば、検査されるべき圧力関連ユニットにおけるある電磁弁の検査に必要な圧力環境を、同じ圧力関連ユニットにおける別の電磁弁を用いて実現される。
【0046】
したがって、この方法によれば、検査に必要な圧力環境を実現するために、圧力関連ユニットの外部に配置された機器を使用することが不可欠ではなくなる。
【0047】
よって、この方法によれば、例えば、検査に必要な圧力環境を迅速に実現することや、正確に実現することが容易となる。
(10) さらに、前記被検査電磁弁の作動状態を、それを検査するために予め定められた検査状態に変化させる状態変化工程を含み、
前記取り込み工程が、その検査状態において前記センサ信号を取り込む工程を含む(7)ないし(9)項のいずれかに記載の圧力関連ユニット検査方法。
(11) 前記電磁弁検査工程が、
前記被検査電磁弁の開度を検査する開度検査と、
その被検査電磁弁における流体のリークを検査するリーク検査と、
その被検査電磁弁を開かせるためにそれを励磁したことに応答してその被検査電磁弁の開度が増加する特性である開弁応答性を検査する開弁応答性検査と、
前記被検査電磁弁が、それの入口と出口との間における圧力差によって自ら開く自開を行うときのその圧力差である自開弁圧を検査する自開弁圧検査と、
前記被検査電磁弁が、それの入口と出口との間における圧力差によって自ら閉じる自閉を行うときのその圧力差である自閉弁圧を検査する自閉弁圧検査と、
前記被検査電磁弁が、それの入口と出口との間における圧力差によって自ら閉じる自閉を行っている状態で、その圧力差を減少させることによってその自閉が解除されるときのその圧力差である自閉解除圧を検査する自閉解除圧検査と、
前記被検査電磁弁が、それの励磁電流を増加させることによって開くときのその励磁電流である開弁電流を検査する開弁電流検査と
の少なくとも1つを行うものである(7)ないし(10)項のいずれかに記載の圧力関連ユニット検査方法。
【0048】
この方法においては、開度検査は、例えば、電磁弁の励磁電流と、圧力センサにより検出された圧力またはそれの時間的変化勾配との関係を考慮することにより行うことが可能である。
【0049】
また、リーク検査は、例えば、電磁弁の励磁電流と、圧力センサにより検出された圧力の時間的変化勾配との関係を考慮することにより行うことが可能である。
(12) ハウジングと、そのハウジングに組み込まれた少なくとも1つの圧力関連要素と、その圧力関連要素を流れる流体の圧力を検出するために前記ハウジングに組み込まれた少なくとも1つの圧力センサとを備えた圧力関連ユニットの機能を検査するためにその圧力関連ユニットが一時的に取り付けられて使用される圧力関連ユニット検査システムであって、
その取り付けられた圧力関連ユニット内に圧力を生起するためにその圧力関連ユニットに接続される圧力源と、
その圧力が生起されている状態で、前記少なくとも1つの圧力センサのうち予め選択された少なくとも1つの選択圧力センサの出力信号をセンサ信号として取り込むとともに、その取り込まれたセンサ信号に基づき、前記少なくとも1つの圧力関連要素のうち予め選択された少なくとも1つの検査対象の機能を検査するコントローラと
を含む圧力関連ユニット検査システム。
【0050】
このシステムによれば、検査されるべき圧力関連ユニットに組み込まれている圧力センサを用いてその圧力関連ユニットにおける検査対象の検査を行い得る。
【0051】
したがって、このシステムによれば、圧力関連ユニットを検査するためにそのシステムに搭載することが必要な機器の種類や数を削減することが容易となる。
(13) 前記コントローラが、前記センサ信号が取り込まれるのに先立ち、前記選択圧力センサの機能を検査するセンサ検査部を含む(12)項に記載の圧力関連ユニット検査システム。
【0052】
このシステムによれば、圧力関連ユニットにおける検査対象の検査に先行し、その検査において利用されるべき圧力センサが検査される。
【0053】
したがって、このシステムによれば、異常である圧力センサを用いることによって圧力関連ユニットが検査されてしまう事態を回避し得、その結果、圧力関連ユニットの検査結果に対する信頼性を向上させることが容易となる。
(14) 前記圧力源が、加圧源と負圧源との少なくとも一方を含む(12)または(13)項に記載の圧力関連ユニット検査システム。
(15) 前記少なくとも1つの圧力関連要素が、少なくとも1つの電磁弁を含み、
前記コントローラが、前記取り込まれたセンサ信号に基づき、その少なくとも1つの電磁弁のうち検査対象として予め選択された少なくとも1つの被検査電磁弁の機能を検査する電磁弁検査部を含む(12)ないし(14)項のいずれかに記載の圧力関連ユニット検査システム。
【0054】
このシステムによれば、圧力関連ユニットにおける電磁弁を、その圧力関連ユニットに組み込まれている状態で、かつ、同じ圧力関連ユニットに組み込まれている圧力センサを利用することにより検査することが可能となる。
【0055】
したがって、このシステムによれば、圧力関連ユニットにおける電磁弁を簡単かつ迅速に検査することが可能となる。
【0056】
本項における「電磁弁検査部」は、前記(2)ないし(11)項のいずれかに記載の特徴的技術を実施する態様で実施することが可能である。
(16) 前記コントローラが、前記被検査電磁弁を作動させる第1作動部を含む(15)項に記載の圧力関連ユニット検査システム。
(17) 前記第1作動部が、前記被検査電磁弁の励磁電流を離散的に変更する電流変更部を含み、
前記電磁弁検査部が、その電流変更部によって前記被検査電磁弁の励磁電流が変更されるごとに前記センサ信号を取り込むことにより、その被検査電磁弁に関する複数の励磁電流と複数のセンサ信号との関係に基づき、その被検査電磁弁の機能を検査する手段を含む(16)項に記載の圧力関連ユニット検査システム。
【0057】
このシステムによれば、同じ電磁弁につき、複数の励磁電流と複数のセンサ信号すなわち圧力に関する静的または動的な性質との関係を取得し得、さらに、その取得された関係に基づき、電磁弁を検査することが可能となる。
(18) 前記少なくとも1つの電磁弁が、前記圧力関連ユニットに組み込まれている複数の電磁弁を含み、
前記コントローラが、さらに、それら複数の電磁弁のうち前記被検査電磁弁を除くもののうち予め選択された少なくとも1つの選択電磁弁を作動させる第2作動部を含む(15)ないし(17)項のいずれかに記載の圧力関連ユニット検査システム。
【0058】
このシステムによれば、検査されるべき圧力関連ユニットにおけるある電磁弁の検査に必要な圧力環境を、同じ圧力関連ユニットにおける別の電磁弁を用いて実現することが可能となる。
【0059】
したがって、このシステムによれば、検査に必要な圧力環境を実現するために、圧力関連ユニットの外部に配置された機器を使用することが不可欠ではなくなる。
【0060】
よって、このシステムによれば、検査に必要な圧力環境を迅速に実現するためにそのシステムに搭載することが必要な機器の種類や数を削減することが容易となる。
(19) ハウジングと、そのハウジングに組み込まれた少なくとも1つの電磁弁と、その電磁弁を流れる流体の圧力を検出するために前記ハウジングに組み込まれた少なくとも1つの圧力センサとを備えた電磁弁ユニットであって、
その少なくとも1つの圧力センサのうち予め選択された少なくとも1つの選択圧力センサが、当該電磁弁ユニットがそれに予定された対象物において使用される場合のみならず、当該電磁弁ユニットが電磁弁ユニット検査システムに一時的に取り付けられることにより、前記少なくとも1つの電磁弁のうち検査対象として予め選択された少なくとも1つの被検査電磁弁の機能がその被検査電磁弁が当該電磁弁ユニットに組み込まれている状態で検査される場合にも、その被検査電磁弁の作動状態の影響を受けた圧力を検出するために使用される電磁弁ユニット。
【0061】
この電磁弁ユニットによれば、電磁弁ユニットにおける電磁弁を、その電磁弁ユニットに組み込まれている状態で、かつ、同じ電磁弁ユニットに組み込まれている圧力センサを利用することにより検査することが可能となる。
【0062】
したがって、この電磁弁ユニットによれば、電磁弁ユニットにおける電磁弁を簡単かつ迅速に検査することが可能となる。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のさらに具体的な一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0064】
本発明の一側面の一実施形態に従う電磁弁ユニット検査方法は、車両に搭載されるブレーキシステムに組み込まれた複数の電磁弁を検査するものであり、この方法は、本発明の別の側面の一実施形態に従う電磁弁ユニット検査システムを用いて実施される。その電磁弁ユニット検査方法は、前記(1)項に係る圧力関連ユニット検査方法の一例であり、また、その電磁弁ユニット検査システムは、前記(12)項に係る圧力関連ユニット検査システムの一例である。
【0065】
図1には、そのブレーキシステムが液圧回路図で示されている。このブレーキシステムは、左右前輪FL,FRと左右後輪RL,RRとを備えた4輪車両に搭載される。このブレーキシステムは、基本的には電気制御式であり、ポンプ10とアキュムレータ12とを主体とする電気的圧力源14を主圧力源として備えている。この電気的圧力源14は、さらに、ポンプ10を駆動するモータ16と、ポンプ10の圧力(アキュムレータ12の圧力と等しい)を検出するポンプ圧センサ18とを備えている。
【0066】
このブレーキシステムは、さらに、液圧ブースタ付きマスタシリンダ(図2においては「M/C」で表す。)22を主体とするマニュアル圧力源24を補助圧力源として備えている。このマニュアル圧力源24は、電気的圧力源14が故障した場合にそれに代わってブレーキシステムの圧力源として機能するように設計されている。
【0067】
液圧ブースタ付きマスタシリンダ22は、よく知られているように、運転者により操作されるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル28の作動により機械的にブレーキ液圧を発生させるとともに、電気的圧力源14の液圧がそのブレーキペダル28の操作量(例えば、操作ストローク、操作力、またはブレーキペダル28により直接に加圧されるマスタシリンダ部の液圧)に応じて調整されて導入されることにより、ブレーキペダル28の操作量の割に高いブレーキ液圧を発生させるように設計されている。電気的圧力源14の液圧により助勢されつつブレーキペダル28の操作量に応じた高さのブレーキ液圧を機械的に発生させるように設計されているのである。
【0068】
この液圧ブースタ付きマスタシリンダ22は、さらに、リザーバ30と、電気的圧力源14の液圧が上限設定値を超えないようにするためにリリーフ弁32とを備えている。
【0069】
このブレーキシステムは、さらに、ブレーキペダル28の操作量を検出する操作量センサ34と、ストロークシミュレータ36とを備えている。ストロークシミュレータ36は、液圧ブースタ付きマスタシリンダ22から排出されるブレーキ液をそれの液圧の高さに応じた量で圧力下に吸収する吸収器38と、液圧ブースタ付きマスタシリンダ22をその吸収器38に連通させる状態とその吸収器38から遮断する状態とに切り換わる電磁弁としての常閉の電磁開閉弁40とを備えている。この電磁開閉弁40は、電気的圧力源14が正常である場合に、励磁されることにより、液圧ブースタ付きマスタシリンダ22を吸収器38に連通させる。
【0070】
電気的圧力源14が正常である場合には、液圧ブースタ付きマスタシリンダ22がアクチュエータ50から遮断される位置に後述の電磁開閉弁118,120が切り換えられる。この状態では、液圧ブースタ付きマスタシリンダ22がこのブレーキシステムの圧力源として機能せず、よって、本来であれば、その液圧ブースタ付きマスタシリンダ22からブレーキ液が排出されない。そのような状態であるにもかかわらず、運転者によるブレーキ操作力に応じてブレーキペダル28の操作ストロークが変化する状態をシミュレートするためにストロークシミュレータ36が設けられているのである。
【0071】
このブレーキシステムは、さらに、電磁弁ユニットとしてのアクチュエータ50を備えている。このアクチュエータ50は、図2に示すように、複数の液通路と複数の電磁弁と複数の圧力センサとがそれらに共通のハウジング54に組み込まれることによって構成されている。それら液通路、電磁弁および圧力センサについては後に詳述する。
【0072】
アクチュエータ50においては、それら液通路および電磁弁の配置が、図1に示すように、4つの車輪にそれぞれ設けられた4つのブレーキを作動させる4つのホイールシリンダ(図2においては「W/C」で表す。)60の液圧を互いに独立に制御するために設定されている。
【0073】
図1に示すように、このブレーキシステムは、電気的圧力源14の作動時には、その電気的圧力源14の液圧が、4つの車輪にそれぞれ設けられた4つのホイールシリンダ60に伝達される。これに対し、マニュアル圧力源24は、互いに独立した2つのブレーキ系統を備えている。そして、電気的圧力源14に代わってマニュアル圧力源24が選択された場合には、2つのブレーキ系統からの液圧がそれぞれ、左右前輪FL,FRの2つのホイールシリンダ60と、左右後輪RL,RRの2つのホイールシリンダ60とに伝達される。
【0074】
そのため、アクチュエータ50のハウジング54には、電気的圧力源14から液圧をアクチュエータ50に導入するための1つの高圧ポート70と、マニュアル圧力源24から液圧をアクチュエータ50に導入するための2つの高圧ポート72,73とが形成されている。
【0075】
さらに、アクチュエータ50のハウジング54には、4つの車輪にそれぞれ設けられた4つのホイールシリンダ60にアクチュエータ50を接続するための4つのブレーキ液圧ポート74も形成されている。
【0076】
さらにまた、アクチュエータ50のハウジング54には、リザーバ30にアクチュエータ50を接続するための1つのドレンポート(すなわち大気開放ポート)76も形成されている。
【0077】
アクチュエータ50のハウジング54に形成されている複数の液通路は、電気的圧力源14のための高圧ポート70から延びる1つの主液通路80と、その主液通路80から分岐して4つのブレーキ液圧ポート74に向かって延びる4つの分岐液通路82とを含んでいる。各分岐液通路82の途中には電磁弁としてのリニア増圧弁86が接続されている。各分岐液通路82のうち各リニア増圧弁86と各ブレーキ液圧ポート74との間の部分は、ドレンポート76に接続されている。この接続は、4つの分岐液通路82からそれぞれ延びる4つの分岐液通路90と、それらに共通の1つの主液通路94とを用いて行われる。各分岐液通路90の途中には、電磁弁としてのリニア減圧弁100が接続されている。
【0078】
以上要するに、アクチュエータ50においては、リニア増圧弁86とリニア減圧弁100との組み合わせが各車輪のホイールシリンダ60ごとに設けられているのである。
【0079】
マニュアル圧力源24のための2つの高圧ポート72,73の一方である高圧ポート72は、液通路104により、左右前輪の一方の一例である右前輪のホイールシリンダ60に接続され、他方の高圧ポート73は、液通路106により、左右後輪の一方の一例である右後輪のホイールシリンダ60に接続されている。各液通路104,106は、同じホイールシリンダ60が接続されている分岐液通路82のうち、それに対応する分岐液通路90との接続位置とホイールシリンダ60との間の部分に接続されている。これにより、マニュアル圧力源24の選択時であっても、リニア減圧弁100によりホイールシリンダ60の減圧が可能となっている。
【0080】
左右前輪のための2つの分岐液通路82,82は、それに対応する各分岐液通路90との接続位置より下流側の位置において液通路110により互いに接続されている。この液通路110の途中に電磁弁としての常開の電磁開閉弁112が接続されている。この電磁開閉弁112は、電気的圧力源14の作動時には、励磁されることにより、左右前輪の2つのホイールシリンダ60を互いに遮断し、それにより、その電気的圧力源14によってそれらホイールシリンダ60の液圧が互いに独立に制御される状態を実現する。これに対し、電気的圧力源14の故障時、すなわち、マニュアル圧力源24の選択時には、消磁されることにより、それらホイールシリンダ60を互いに連通させる。この連通により、左右前輪の2つのホイールシリンダ60の液圧がマニュアル圧力源24により等圧状態で機械的に制御される状態が実現される。
【0081】
すなわち、電磁開閉弁112は、必要に応じ、同じブレーキ系統に属する2つのホイールシリンダ60を互いに連通させる連通弁なのである。
【0082】
それと同様な構成が左右後輪にも関連して採用されている。すなわち、左右後輪のための2つの分岐液通路82,82は、それに対応する各分岐液通路90との接続位置より下流側の位置において液通路114により互いに接続され、さらに、この液通路114の途中に電磁弁としての常開の電磁開閉弁116(連通弁)が接続されているのである。
【0083】
マニュアル圧力源24のための2つの高圧ポート72,73のうち左右前輪に関連する高圧ポート72から延びる液通路104の途中には、電磁弁としての常開の電磁開閉弁118が接続されている。この電磁開閉弁118は、電気的圧力源14の作動時には、励磁されることにより、左右前輪の2つのホイールシリンダ60をマニュアル圧力源24から遮断する。これに対し、電気的圧力源14の故障時、すなわち、マニュアル圧力源24の選択時には、消磁されることにより、左右前輪の2つのホイールシリンダ60をマニュアル圧力源24に連通させる。
【0084】
すなわち、電磁開閉弁118は、必要に応じ、アクチュエータ50を液圧ブースタ付きマスタシリンダ22からカットするマスタシリンダ・カット弁なのである。
【0085】
それと同様な構成が左右後輪にも関連して採用されている。すなわち、左右後輪に関連する高圧ポート73から延びる液通路106の途中に、電磁弁としての常開の電磁開閉弁120(マスタシリンダ・カット弁)が接続されているのである。
【0086】
このアクチュエータ50に組み込まれている複数の圧力センサは、4つの車輪のホイールシリンダ60の液圧をそれぞれ検出する4つの圧力センサ122,124,126,128を含んでいる。さらに、3つの高圧ポート70,72,72における液圧をそれぞれ検出する3つの圧力センサ130,132,134を含んでいる。
【0087】
図3には、リニア増圧弁86が示されている。このリニア増圧弁86は、ポペット式の流量制御弁である。このリニア増圧弁86は、先端に弁子150が形成されたプランジャ152と、その弁子150が選択的に着座させられる弁座154が形成される中空の弁座部材156とを含むように構成されている。それら弁子150と弁座154とは、互いに共同することにより、2つの液室160,162を選択的に連通・遮断する。
【0088】
弁座部材156には、液通路164が形成されている。この弁座部材156には、さらに、図4に示すように、その液通路164の流路面積を局部的に絞る絞りとしてのオリフィス166が形成されている。
【0089】
このリニア増圧弁86は、前述のように、常閉式であるため、プランジャ152は、図3に示すように、弾性部材としてのスプリング170により常時、弁子150が弁座154に着座する向きに付勢されている。この付勢力に打つ勝つ磁気力がコイルとしてのソレノイド172によって発生させられる。したがって、このリニア増圧弁86においては、ソレノイド172が励磁されると、弁子150が弁座154から離間させられるとともに、その離間量すなわち弁子150のリフトがソレノイド172の励磁電流に対してリニアに変化させられることになる。
【0090】
プランジャ152は、2つの液室160,162の液圧を互いに逆向きに受ける。したがって、リニア増圧弁86が励磁されていない状態においては、それら2つの液室160,162間における液圧差に応じてプランジャ152が移動させられる。弁子150が弁座154に着座する閉位置と、弁子150が弁座154から離間する開位置とに移動させられるのである。ここに、その液圧差によってリニア増圧弁86が開状態から閉状態に変化する現象を自閉、逆に閉状態から開状態に変化する現象を自開と称することができる。そして、このリニア増圧弁86においては、電気的圧力源14の液圧がプランジャ152に、それの弁子150を弁座154から離間させる方向すなわち自開方向に作用するようになっている。
【0091】
以上、リニア増圧弁86の構成を説明したが、リニア減圧弁100も同じ構成を有している。
【0092】
本実施形態においては、以上のように構成されたアクチュエータ50が、車両への搭載に先立ち、電磁弁ユニット検査システムを用いて検査される。
【0093】
図5には、その電磁弁ユニット検査システムが概略的に示されている。この電磁弁ユニット検査システムは、アクチュエータ50における各電磁弁を同じアクチュエータ50における各圧力センサを用いて検査する電磁弁検査と、それに先立ってアクチュエータ50における各圧力センサを検査するセンサ検査とを行うために使用される。
【0094】
上記電磁弁ユニット検査システムは、加圧源としてのエア源180を備えている。エア源180は、アクチュエータ50の3つの高圧ポート70,72,73に接続され、それにより、高圧空気をアクチュエータ50に導入する。本実施形態においては、検査時には、電気的圧力源14およびマニュアル圧力源24がエア源180で再現されるとともに、正規の使用状態でアクチュエータ50に流れるブレーキ液がエアで再現されるようになっているのである。
【0095】
この電磁弁ユニット検査システムは、さらに、そのエア源180の下流側においてバルブ182を備えている。このバルブ182は、例えば、エア源180とアクチュエータ50とを互いに連通させる状態と互いに遮断する状態とを選択的に実現したり、センサ検査時に、アクチュエータ50における各圧力センサに作用する空気圧を加圧したり減圧したりするために使用される。
【0096】
この電磁弁ユニット検査システムは、さらに、そのバルブ182の下流側において圧力センサ184を備えている。この圧力センサ184は、例えば、センサ検査時に、アクチュエータ50における各圧力センサに実際に作用する空気圧を検出するために使用される。
【0097】
センサ検査時および電磁弁検査時には、アクチュエータ50のドレンポート76は、サイレンサ188を経て大気に開放される。これに対し、アクチュエータ50の4つのブレーキ液圧ポート74は、いずれも閉栓される。
【0098】
以上、この電磁弁ユニット検査システムの機械的構成を説明したが、電気的構成を説明すると、この電磁弁ユニット検査システムは、バルブ182に接続されたドライバ192と、そのドライバ192にバルブ駆動指令を供給するコントローラ194とを備えている。コントローラ194はコンピュータを主体として構成されている。そのコンピュータのプロセシング・ユニットが記録媒体としてのメモリに記憶されている検査プログラムを実行することにより、アクチュエータ50に対する検査が行われる。
【0099】
圧力センサ184は、増幅器198(図5においては「AMP」で表す。)を介してコントローラ194に接続されており、これにより、圧力センサ184の出力信号が増幅されてコントローラ194に供給される。この増幅器198は、さらに、アクチュエータ50における各圧力センサの出力信号を増幅してコントローラ194に供給する機能をも有する。
【0100】
この電磁弁ユニット検査システムは、さらに、アクチュエータ50における各電磁弁を駆動するためのドライバ200を備えている。このドライバ200は、コントローラ194から供給されるアクチュエータ駆動指令に基づき、アクチュエータ50における各電磁弁を駆動する。
【0101】
コントローラ194は、電磁弁検査時には、各電磁弁の駆動状態(正確には、コントローラ194がドライバ200に出力したアクチュエータ50駆動指令の内容)と、各圧力センサにより検出された圧力とのうちの少なくとも圧力に基づき、各電磁弁を検査する。コントローラ194には出力装置としてモニタ204が接続されており、コントローラ194はそのモニタ204を介し、各電磁弁の検査結果を作業者に表示する。
【0102】
電磁弁検査は、アクチュエータ50に組み込まれた圧力センサを用いて行われるが、前述のように、その電磁弁検査に先立ってセンサ検査が行われ、それにより、異常な圧力センサを有するアクチュエータ50は不良品として電磁弁検査の対象から除外される。したがって、すべての圧力センサが正常であるアクチュエータ50に対してのみ電磁弁検査が圧力センサを用いて行われることとなる。
【0103】
すなわち、本実施形態においては、図6に工程図で示すように、まず、ステップ1において、検査されるべきアクチュエータ50が電磁弁ユニット検査システムに取り付けられる。次に、ステップ2において、上記センサ検査が行われる。続いて、ステップ3において、そのセンサ検査においてすべての圧力センサが正常であると判定されたか否かが判定される。正常であると判定された場合には、ステップ4において、上記電磁弁検査が行われる。
【0104】
この電磁弁検査においては、アクチュエータ50の外部にある加圧源であるエア源180を利用することにより、アクチュエータ50内に圧力が生起される。これが前記(1)項における「圧力生起工程」の一例であり、アクチュエータ50が「圧力関連ユニット」の一例である。また、アクチュエータ50は、電磁弁ユニットの一例でもある。
【0105】
さらに、この電磁弁検査においては、その圧力が生起されている状態で、アクチュエータ50における複数の圧力センサのうち予め選択された少なくとも1つの選択圧力センサの出力信号がセンサ信号としてコントローラ194に取り込まれる。これが前記(1)項における「取り込み工程」の一例である。
【0106】
この電磁弁検査においては、さらに、その取り込まれたセンサ信号に基づき、アクチュエータ50における複数の電磁弁の要素のうち検査対象として予め選択された少なくとも1つの被検査電磁弁の機能が検査される。これが前記(1)項における「検査工程」の一例であり、また、電磁弁が「圧力関連要素」の一例である。
【0107】
以上説明した電磁弁検査が終了すると、その後、ステップ5において、その電磁弁検査においてすべての電磁弁が正常であると判定されたか否かが判定される。正常であると判定された場合には、ステップ6において、今回のアクチュエータ50が正常であることがモニタ204上に表示される。続いて、ステップ7において、今回のアクチュエータ50が電磁弁ユニット検査システムから取り外される。以上で、一回の検査が終了する。その取り外されたアクチュエータ50は、ブレーキシステムの一部を構成するように車両に搭載される。
【0108】
これに対して、ステップ2のセンサ検査においてアクチュエータ50におけるすべての圧力センサが正常であるとは判定されなかった場合には、ステップ3の判定がNOとなり、ステップ4の電磁弁検査がスキップされるとともに、ステップ8において、今回のアクチュエータ50においては圧力センサが異常であることがモニタ204上に表示される。その後、ステップ7において、そのアクチュエータ50が電磁弁ユニット検査システムから取り外される。
【0109】
また、ステップ4の電磁弁検査においてアクチュエータ50におけるすべての電磁弁が正常であるとは判定されなかった場合には、ステップ5の判定がNOとなり、ステップ9において、今回のアクチュエータ50においては電磁弁が異常であることがモニタ204上に表示される。その後、ステップ7において、そのアクチュエータ50が電磁弁ユニット検査システムから取り外される。
【0110】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、アクチュエータ50が前記(19)項に係る「電磁弁ユニット」の一例であり、エア源180が前記(14)項における「圧力源」の一例なのである。さらに、電磁弁ユニット検査システムのうちセンサ検査を行う部分が前記(13)項における「センサ検査部」の一例であり、電磁弁検査を行う部分が前記(15)項における「電磁弁検査部」の一例なのである。
【0111】
電磁弁検査時、アクチュエータ50におけるいくつかの電磁弁を駆動することが必要となる場合がある。駆動される電磁弁は、検査されるべき被検査電磁弁と一致する場合と一致しない場合とがある。駆動される電磁弁を、被検査電磁弁と一致するように選択することが必要になるのは、例えば、電磁弁の実際の状態がその電磁弁に出力された信号を正確に反映しているか否かを判定することを目的として検査が行われる場合である。これに対して、駆動される電磁弁を、被検査電磁弁と一致しないように選択することが必要になるのは、例えば、被検査電磁弁の入口側または出口側における圧力に関する環境を、検査に適したものとして実現することを目的として検査が行われる場合である。
【0112】
すなわち、本実施形態においては、電磁弁ユニット検査システムのうち、被検査電磁弁をその検査のために作動させる部分が前記(16)項における「第1作動部」の一例を構成し、電磁弁の検査に必要な圧力環境を実現するために、被検査電磁弁ではない電磁弁を作動させる部分が前記(18)項おける「第2作動部」の一例を構成しているのである。
【0113】
電磁弁を検査する目的には種々のものが考えられる。以下、電磁弁を検査する種々の目的と、各目的を実現するための電磁弁検査方法とを例示する。
(1)開度検査
この開度検査は、常閉の電磁弁の励磁電流を変化させることによってその電磁弁の開度が変化する特性である電流−開度特性が許容範囲内であるか否かを検査することを意味する。
【0114】
この開度検査は、常閉のリニア増圧弁86およびリニア減圧弁100を対象として行われる。
【0115】
この開度検査においては、例えば、図7に示すように、アクチュエータ50のうち、加圧源と大気との間において常閉の電磁弁SOLと絞りとしてのオリフィスORSとがそれらの順に互いに直列に接続され、かつ、それら電磁弁SOLとオリフィスORSとの間には第1圧力センサ、そのオリフィスORSの下流側には第2圧力センサが配置された検査用液圧回路と等価な回路部分に着目される。ただし、大気の圧力は既知であるから、第2圧力センサを省略することが可能である。
【0116】
その等価回路部分の一例は、図1に示すように、高圧ポート70と、右前輪用のリニア増圧弁86と、右前輪用のリニア減圧弁100と、右前輪用の圧力センサ122と、ドレンポート76とを含む部分である。
【0117】
この等価回路部分においては、高圧ポート70が加圧源に相当し、リニア増圧弁86が、検査対象である電磁弁SOLに相当し、検査中は励磁されて開状態に維持されるリニア減圧弁100がオリフィス166を有することから、そのリニア減圧弁100がオリフィスORSに相当し、圧力センサ122が第1圧力センサに相当し、ドレンポート76において大気に開放されている。
【0118】
この等価回路部分においては、リニア減圧弁100は、検査中は励磁されて開状態に維持されることにより、リニア増圧弁86の出口圧を降圧可能とする。さらに、この等価回路部分においては、大気の圧力が既知であることに着目し、第2圧力センサに相当する要素が省略されている。さらにまた、この等価回路部分においては、電磁開閉弁118,120が励磁されて閉じられることにより、リニア増圧弁86およびリニア減圧弁100が高圧ポート72,73から遮断される。
【0119】
図7に示す検査用液圧回路においては、第1圧力センサにより検出される圧力P1と第2圧力センサにより検出される圧力P2との差と、その検査用液圧回路を流れるエアの流量との間の関係、すなわち、
Q=(1/4)απd2×((2(P1−P2)/ρ)の平方根)
なる式で表される関係が利用される。
ただし、
Q:流体であるエアの流量
α:係数
d:オリフィス ORSの流路径
ρ:流体であるエアの比重量
さらに、この検査用液圧回路においては、流量Qと電磁弁SOLの開度との間に存在する一定の関係も利用される。
【0120】
この検査用液圧回路においては、電磁弁SOLの励磁電流Iを離散的に変更するごとに、そのときの圧力P1が測定される。ここに、圧力P1は、圧力P2が大気圧であることから、結局、オリフィスORSの入口と出口との間における液圧差を意味し、さらに、この圧力P1は、流量Qすなわち電磁弁SOLの開度を反映した物理量を意味する。
【0121】
すなわち、本実施形態においては、電磁弁SOLの励磁電流Iを離散的に変更する工程が、前記(8)項における「電流変更工程」の一例を構成するとともに、前記(10)項における「状態変化工程」の一例を構成し、電磁弁ユニット検査システムのうちその工程を実施する部分が、前記(16)項における「第1作動部」の一例を構成するとともに、前記(17)項における「電流変更部」の一例を構成しているのである。
【0122】
図8には、励磁電流Iの測定値と圧力P1の検出値との対応関係がグラフで示されている。このグラフから明らかなように、励磁電流Iの増加過程と減少過程とで、同じ励磁電流Iに対応する圧力P1が一致せず、よって、それら励磁電流Iと圧力P1との関係はヒステリシスを有するものとなっている。
【0123】
本実施形態においては、コントローラ194においてコンピュータが検査プログラムを実行することにより、励磁電流Iの増加過程におけるグラフの勾配と、減少過程におけるグラフの勾配とがいずれも、許容範囲内にあるという条件が成立するか否かが判定されるとともに、それら2つのグラフのずれ量すなわちヒステリシスの大きさが許容範囲内であるという条件も一緒に成立するか否かが判定される。
【0124】
本実施形態においては、さらに、コントローラ194においてコンピュータが検査プログラムを実行することにより、それら勾配に関する条件とヒステリシスに関する条件とが共に成立した場合には、今回の検査対象である電磁弁SOLの開度が正常であると判定され、これに対し、それら2つの条件が共には成立しなかった場合には、今回の検査対象である電磁弁SOLの開度が異常であると判定される。
【0125】
いずれの場合にも、電磁弁SOLの機能に関する判定結果すなわち検査結果がモニタ204を介して作業者に表示される。
【0126】
図7に示す検査用液圧回路においては、励磁電流Iと圧力P1との関係から電磁弁の開度に関する検査が行われるが、励磁電流Iと圧力P1の勾配(時間的変化勾配)との関係から電磁弁の開度に関する検査を行うことも可能である。
【0127】
図9には、後者の方式に従って電磁弁の開度を検査するための検査用液圧回路の一例が示されている。この例においては、アクチュエータ50のうち、加圧源と大気との間において常閉の第1電磁弁SOL1と常閉の第2電磁弁SOL2とがそれらの順に互いに直列に接続され、かつ、それら電磁弁SOL1とSOL2との間には第1圧力センサが配置された検査用液圧回路と等価な回路部分に着目される。
【0128】
その等価回路部分の一例は、図1に示すように、高圧ポート70と、右前輪用のリニア増圧弁86と、右前輪用のリニア減圧弁100と、右前輪用の圧力センサ122と、ドレンポート76とを含む部分である。
【0129】
この等価回路部分においては、高圧ポート70が加圧源に相当し、リニア増圧弁86が、検査対象である第1電磁弁SOL1に相当し、リニア減圧弁100が、その第1電磁弁SOL1を検査するための圧力環境を実現するための第2電磁弁SOL2に相当し、圧力センサ122が第1圧力センサに相当し、ドレンポート76において大気に開放されている。
【0130】
この等価回路部分においては、電磁開閉弁118,120が励磁されて閉じられることにより、リニア増圧弁86およびリニア減圧弁100が高圧ポート72,73から遮断される。
【0131】
すなわち、本実施形態においては、第1電磁弁SOL1を検査するための圧力環境を実現するために第2電磁弁SOL2を作動させる工程が、前記(9)項における「圧力環境実現工程」の一例を構成しているのである。
【0132】
図9に示す検査用液圧回路においては、図10にタイムチャートで示すように、第2電磁弁SOLが閉状態に維持されることにより、第1電磁弁SOL1の開度の増加に応じてそれら電磁弁SOL1とSOL2との間における部分の圧力P1が昇圧可能とされる。
【0133】
この検査用液圧回路においては、第1電磁弁SOL1が瞬間的に励磁されて閉状態から開状態に切り換えられる。この切換えに応答して圧力P1が上昇し、やがて飽和する。その上昇過程を表すグラフを代表する勾配がΔPとして測定される。
【0134】
第1電磁弁SOL1の励磁電流Iは、一連の工程、すなわち、第1電磁弁SOL1の励磁、圧力P1の上昇、圧力P1の飽和、および第1電磁弁SOL1の消磁と、その後に第2電磁弁SOL2を一時的に開いて圧力P1を大気圧まで下降させる初期化とを含むものが終わるごとに、離散的に変更される。その結果、図8に示す例に準じに、励磁電流Iと勾配ΔPとの対応関係が取得される。
【0135】
ここに、勾配ΔPは、今回の検査用液圧回路の流量Qと一定の関係を有する物理量である。したがって、励磁電流Iと勾配ΔPとの対応関係は、励磁電流Iと流量Qとの対応関係に相当し、さらに、励磁電流Iと第1電磁弁SOL1の開度との対応関係にも相当することになる。
【0136】
図9に示す検査用液圧回路においては、そのようにして取得された対応関係に基づき、第1電磁弁SOL1の開度が正常であるか否かが判定される。
【0137】
その検査用液圧回路においては、第1電磁弁SOL1の作動によって変化させられる圧力P1であってその第1電磁弁SOL1を検査するために第1圧力センサにより検出されるものを示すエアが存在する通路の容積(図9においては「下流容積」で表す。)が、その第1圧力センサに相当するセンサがアクチュエータ50の外部に位置させられた前述の従来の電磁弁ユニット検査システムを使用する場合におけるより小さくなる。
【0138】
したがって、本実施形態によれば、第1圧力センサにより検出される圧力P1が、第1電磁弁SOL1の作動状態の変化に敏感に応答することとなり、圧力P1の検出に長い時間を費やさずに済む。
【0139】
さらに、本実施形態によれば、前述の従来の電磁弁ユニット検査システムにおけるとは異なり、第1電磁弁SOL1と第1圧力センサとの間に、アクチュエータ50にあっては存在しない、圧力損失(または圧力検出に対する外乱)を生じさせる要素が存在せずに済む。そのような要素には、例えば、アクチュエータ50と電磁弁ユニット検査システムとの接続部や、その電磁弁ユニット検査システムにおけるフィルタや、第1電磁弁SOL1と電磁弁ユニット検査システムにおける圧力センサとの間における、アクチュエータ50または電磁弁ユニット検査システムにおける別の電磁弁がある。
【0140】
したがって、本実施形態によれば、第1電磁弁SOL1の作動を反映した圧P1力の検出を精度よく行うことが可能となり、これにより、第1電磁弁SOL1の検査も精度よく行うことが可能となる。
(2)リーク検査
このリーク検査は、電磁弁の閉状態においてその電磁弁からエアが洩れるか否かを検査することを意味する。
【0141】
このリーク検査は、常閉のリニア増圧弁86およびリニア減圧弁100を対象として行われる。
【0142】
このリーク検査は、例えば、上記開度検査と同様に、図9に示す検査用液圧回路を用いて行うことが可能である。このリーク検査においては、第2電磁弁SOL2と同様に、第1電磁弁SOL1も閉状態に維持される。第1電磁弁SOL1にリークが発生しないのであれば、第1電磁弁SOL1の入口がエア源180によって加圧されるにもかかわらず、圧力P1は上昇しないはずである。
【0143】
このような知見に基づき、このリーク検査においては、上記開度検査と同様にして、圧力P1の勾配ΔPが測定され、その測定値が許容範囲内にあるか否かによって第1電磁弁SOL1のシール機能が正常であるか否かが検査される。
(3)開弁応答性検査
この開弁応答性検査は、消磁状態にある常閉の電磁弁を素早く開かせるためにその電磁弁を瞬間的に励磁したことに応答してその電磁弁の開度が増加する特性である開弁応答性が許容範囲内であるか否かを検査することを意味する。
【0144】
この開弁応答性検査は、常閉のリニア増圧弁86およびリニア減圧弁100、ならびに常開の電磁開閉弁112,116,118,120を対象として行われる。
【0145】
この開弁応答性検査も、例えば、上記開度検査およびリーク検査と同様に、図9に示す検査用液圧回路を用いて行うことが可能である。この開弁応答性検査においては、上記開度検査およびリーク検査と同様に、図11にタイムチャートで示すように、第2電磁弁SOLが閉状態に維持されることにより、第1電磁弁SOL1の開度に応じてそれら電磁弁SOL1とSOL2との間における部分の圧力P1が昇圧可能とされる。
【0146】
さらに、この開弁応答性検査においては、上記開度検査およびリーク検査と同様に、第1電磁弁SOL1が瞬間的に励磁されて閉状態から開状態に切り換えられる。この切換えに応答して圧力P1が上昇し、やがて飽和する。
【0147】
この開弁応答性検査においては、第1電磁弁SOL1の励磁開始時期から、その第1電磁弁SOL1が開き始めたために圧力P1が上昇し始めた時期までの時間が圧力応答時間t0として測定される。
【0148】
さらに、この開弁応答性検査においては、第1電磁弁SOL1の励磁開始時期から、その第1電磁弁SOL1がやや大きく開いたために圧力P1が設定圧Pxまで上昇した時期までの時間が昇圧応答時間txとして測定される。
【0149】
この開弁応答性検査においては、その後、圧力応答時間t0が許容範囲内であるという条件と、昇圧応答時間txが許容範囲内であるという条件とが共に成立した場合には、第1電磁弁SOL1の開弁応答性が正常であると判定され、そうではない場合には、第1電磁弁SOL1の開弁応答性が異常であると判定される。
(4)閉弁応答性検査
この閉弁応答性検査は、励磁されて開状態にある常閉の電磁弁を素早く閉じさせるためにその電磁弁を瞬間的に消磁したことに応答してその電磁弁の開度が減少する特性である閉弁応答性が許容範囲内であるか否かを検査することを意味する。
【0150】
この閉弁応答性検査は、常閉のリニア増圧弁86およびリニア減圧弁100を対象として行われる。
【0151】
この閉弁応答性検査も、例えば、上記開弁応答性検査と同様に、図9に示す検査用液圧回路を用いて行うことが可能である。この閉弁応答性検査においては、図12にタイムチャートで示すように、第2電磁弁SOL2が開状態に維持されることにより、開状態にある第1電磁弁SOL1の開度の減少に応じてそれら電磁弁SOL1とSOL2との間における部分の圧力P1が降圧可能とされる。
【0152】
さらに、この閉弁応答性検査においては、第2電磁弁SOL2が開状態に維持されつつ、第1電磁弁SOL1が消磁されて閉状態に切り換えられる。この切換えに応答して圧力P1が下降し、やがて大気圧と等しくなる。
【0153】
その後、第1電磁弁SOL1が瞬間的に消磁され、それにより、開状態から閉状態に素早く切り換えられる。この切換えによって第1電磁弁SOL1の開度が減少し、この開度減少に応答して圧力P1が下降し、やがて大気圧に至る。
【0154】
この閉弁応答性検査においては、上記開弁応答性検査に準じ、第1電磁弁SOL1の消磁開始時期から、その第1電磁弁SOL1が閉じ始めたために圧力P1が下降し始めた時期までの時間が圧力応答時間t0として測定される。
【0155】
さらに、この閉弁応答性検査においては、上記開弁応答性検査に準じ、第1電磁弁SOL1の消磁開始時期から、その第1電磁弁SOL1がやや大きく閉じたために圧力P1が設定圧Pxまで下降した時期までの時間が降圧応答時間txとして測定される。
【0156】
この閉弁応答性検査においては、その後、上記開弁応答性検査と同様に、圧力応答時間t0が許容範囲内であるという条件と、降圧応答時間txが許容範囲内であるという条件とが共に成立した場合には、第1電磁弁SOL1の閉弁応答性が正常であると判定され、そうでない場合には、第1電磁弁SOL1の閉弁応答性が異常であると判定される。
(5)自開弁圧検査
この自開弁圧検査は、消磁状態にある常閉の電磁弁の入口と出口との間における液圧差を増加させることによってその電磁弁が自開するときのその液圧差が許容範囲内であるか否かを検査することを意味する。
【0157】
この自開弁圧検査は、常閉のリニア増圧弁86およびリニア減圧弁100を対象として行われる。
【0158】
図13には、その自開弁圧検査のための検査用液圧回路の一例が示されている。この検査用液圧回路においては、加圧源と大気との間において常閉の第1電磁弁SOL1と常閉の第2電磁弁SOL2とがそれらの順に互いに直列に接続され、かつ、第1電磁弁SOL1の上流側には第1圧力センサが配置され、第1電磁弁SOL1と第2電磁弁SOL2との間には第2圧力センサが配置されている。
【0159】
この検査用液圧回路については、それと等価な回路部分がアクチュエータ50に存在する。それは、図1に示すように、高圧ポート70と、右前輪用の圧力センサ130と、右前輪用のリニア増圧弁86と、右前輪用の圧力センサ122と、右前輪用のリニア減圧弁100と、ドレンポート76とを含む部分である。
【0160】
この等価回路部分においては、高圧ポート70が加圧源に相当し、圧力センサ130が第1圧力センサに相当し、リニア増圧弁86が、検査対象である第1電磁弁SOL1に相当し、圧力センサ122が第2圧力センサに相当し、リニア減圧弁100が、第1電磁弁SOL1を検査するための圧力環境を実現するための第2電磁弁SOL2に相当し、ドレンポート76において大気に開放されている。
【0161】
この等価回路部分においては、電磁開閉弁118,120が励磁されて閉じられることにより、リニア増圧弁86およびリニア減圧弁100が高圧ポート72,73から遮断される。
【0162】
さらに、この等価回路部分においては、電磁開閉弁112が励磁されて閉じられることにより、右前輪用の圧力センサ122が左前輪用の圧力センサ124から遮断される。
【0163】
図13に示す検査用液圧回路においては、図14にタイムチャートで示すように、その検査中、第1圧力センサにより検出される圧力P1は、エア源180の圧力と等しい基準圧力Prefに維持される。この状態で、まず、第1電磁弁SOL1が励磁されて開かれることにより、第2圧力センサにより検出される圧力P2が大気圧から基準圧力Prefまで増圧される。その後、第1電磁弁SOL1が消磁されて閉じられる。
【0164】
続いて、第2電磁弁SOL2が断続的に励磁され、その結果、圧力P2が下降し、ある時期に第1電磁弁SOL1が自開する。第1電磁弁SOL1が自開すると、圧力P2が上昇し始める。その上昇開始時期における圧力P1(=Pref)と圧力P2(=P01)との差が、第1電磁弁SOL1の自開弁圧Poである。
【0165】
この自開弁圧検査においては、その後、その測定された自開弁圧Poが許容範囲内であれば、第1電磁弁SOL1の自開弁圧Poが正常であると判定され、そうでない場合には、第1電磁弁SOL1の自開弁圧Poが異常であると判定される。
【0166】
以上、図13に示す検査用液圧回路を用いることにより、第1電磁弁SOL1の自開弁圧Poを取得する技術を説明したが、次に、第2電磁弁SOL2の自開弁圧Poを取得する技術を説明する。
【0167】
この場合、図13に示す検査用液圧回路においては、図15にタイムチャートで示すように、第1電磁弁SOL1が、第2電磁弁SOL2の検査に必要な圧力環境を実現すべく、断続的に励磁される。それにより、第2電磁弁SOL2の入口圧と等しい圧力P2が上昇する。やがて第2電磁弁SOL2が自開し、圧力P2が下降する。その下降開始時期における圧力P2が第2電磁弁SOL2の自開弁圧Poとして取得される。
【0168】
図16には、この自開弁圧検査のための検査用液圧回路のさらに別の例が示されている。ただし、この例は、それと等価な回路部分がアクチュエータ50に存在しない構成とされている。
【0169】
図16に示す検査用液圧回路においては、加圧源と大気との間において常閉の第1電磁弁SOL1と常閉の第2電磁弁SOL2とオリフィスORSとがそれらの順に互いに直列に接続され、かつ、それら電磁弁SOL1とSOL2との間には第1圧力センサが配置され、第2電磁弁SOL2とオリフィスORSとの間には第2圧力センサが配置されている。
【0170】
この自開弁圧検査においては、図17にタイムチャートで示すように、第2電磁弁SOL2の閉状態において第1電磁弁SOL1が断続的に励磁されることにより、第1圧力センサにより検出される圧力P1が上昇する。第2電磁弁SOL2の閉状態においては、第2圧力センサにより検出される圧力P2は上昇せず、大気圧に維持される。
【0171】
圧力P1がさらに上昇すると、第2電磁弁SOL2が自開し、圧力P2が上昇し始める。その上昇開始時期における圧力P1が自開弁圧Poとして測定される。
(6)自閉解除圧検査
この自閉解除圧検査は、励磁されて閉状態にある常開の電磁弁を消磁するに先立ってその電磁弁の入口と出口との間における液圧差を増加させることによってその電磁弁を自閉させ、その後、その液圧差を減少させることによってその電磁弁の自閉が解除されたときのその液圧の高さが許容範囲内であるか否かを検査することを意味する。
【0172】
この自閉解除圧検査は、常開の電磁開閉弁112を対象として行われる。
【0173】
この自閉解除圧検査においては、例えば、図18に示すように、アクチュエータ50のうち、加圧源に、常開の第1電磁弁SOL1と常閉の第3電磁弁SOL3との直列回路が接続されるとともに、その直列回路に並列に、加圧源と大気との間において常開の第2電磁弁SOL2が接続され、かつ、加圧源と第2電磁弁SOL2との間には第1圧力センサが配置され、第1電磁弁SOL1と第3電磁弁SOL3との間には第2圧力センサが配置された検査用液圧回路と等価な回路部分に着目される。
【0174】
その等価回路部分の一例は、図1に示すように、高圧ポート72と、電磁開閉弁118と、右前輪用の圧力センサ122と、電磁開閉弁112と、左前輪用の圧力センサ124と、左前輪用のリニア減圧弁100と、右前輪用のリニア減圧弁100と、ドレンポート76とを含む部分である。
【0175】
この等価回路部分においては、高圧ポート72が加圧源に相当し、電磁開閉弁112が、検査対象である第1電磁弁SOL1に相当し、圧力センサ122が第1圧力センサに相当し、圧力センサ124が第2圧力センサに相当し、左前輪用のリニア減圧弁100が、第1電磁弁SOL1を検査するための圧力環境を実現するための第3電磁弁SOL3であって第1電磁弁SOL1の出口圧を昇圧可能にするものに相当し、右前輪用のリニア減圧弁100が、第1電磁弁SOL1を検査するための圧力環境を実現するための第2電磁弁SOL1であって第1電磁弁SOL1の入口圧を減圧するものに相当し、ドレンポート76において大気に開放されている。
【0176】
この等価回路部分においては、常開の電磁開閉弁118が、単なる液通路として機能するようにされる。
【0177】
この自閉解除圧検査においては、図19にタイムチャートで示すように、第1電磁弁SOL1が励磁されて開かれ、これに伴い、圧力P1が上昇する。第1電磁弁SOL1がそれの自閉により閉状態に維持されるのに必要な高さ以上に圧力P1が上昇する時期に、第1電磁弁SOL1が消磁される。この消磁により第1電磁弁SOL1は直ちには開かない。このとき、第2電磁弁SOL2は、閉状態にあるため、圧力P2が大気圧に維持される。
【0178】
その後、第2電磁弁SOL2が断続的に励磁されて開閉を繰り返される。これにより、圧力P1が下降し始め、やがて第1電磁弁SOL1の自閉が解除される。その解除に伴い、圧力P2が上昇し始められる。その上昇開始時期における圧力P1が自閉解除圧Pxxとして測定される。
【0179】
この自閉解除圧検査においては、その後、その測定された自閉解除圧Pxxが許容範囲内であれば、第1電磁弁SOL1の自閉解除圧が正常であると判定され、そうでない場合には、第1電磁弁SOL1の自閉解除圧が異常であると判定される。
(7)自開・自閉弁圧検査
この自開・自閉弁圧検査は、消磁状態にある常閉の電磁弁の入口と出口との間における液圧差を増加させることによってその電磁弁が自開したときのその液圧差である自開弁圧と、その状態で、その液圧差を減少させることによってその電磁弁が自閉したときのその液圧差である自閉弁圧とが共に許容範囲内にあるか否かを検査することを意味する。
【0180】
この自開・自閉弁圧検査は、常閉のリニア増圧弁86およびリニア減圧弁100を対象として行われる。
【0181】
図20には、この自開・自閉弁圧検査のための検査用液圧回路の一例が示されている。ただし、この例は、それと等価な回路部分がアクチュエータ50に存在しない構成とされている。
【0182】
図20に示す検査用液圧回路においては、加圧源と大気との間に、常開の第1電磁弁SOL1と常閉の第2電磁弁SOL2とがそれらの順に互いに直列に接続されるとともに、その第2電磁弁SOL2をバイパスするバイパス液通路の途中に常閉の第3電磁弁SOL3と絞りとしてのオリフィスORSとがそれらの順に並んで接続されている。さらに、この検査用液圧回路においては、第1電磁弁SOL1と第2電磁弁SOL2との間に第1圧力センサが接続され、第3電磁弁SOL3とオリフィスORSとの間に第2圧力センサが接続されている。
【0183】
この検査用液圧回路においては、図21にタイムチャートで示すように、第1電磁弁SOL1が断続的に励磁され、これに伴い、第1圧力センサにより検出される圧力P1が上昇する。この上昇により、第3電磁弁SOL3が自開すると、第2圧力センサにより検出される圧力P2が上昇を開始する。このときの圧力P1と圧力P2との差が、第3電磁弁SOL3の自開弁圧Poである。
【0184】
その後、第1電磁弁SOL1が閉状態に維持されつつ、第2電磁弁SOL2が断続的に励磁される。これに伴い、圧力P1が下降する。この下降により、第3電磁弁SOL3が自閉すると、圧力P2が大気圧に低下する。このときの圧力P1と圧力P2との差が、第3電磁弁SOL3の自閉弁圧Psである。
【0185】
この自開・自閉弁圧検査においては、その後、そのようにして測定された自開弁圧Poが許容範囲内であるという条件と、自閉弁圧Psが許容範囲内であるという条件とが共に成立した場合には、第3電磁弁SOL3の自開・自閉弁圧が正常であると判定され、そうでない場合には、第3電磁弁SOL3の自開・自閉弁圧が異常であると判定される。
(8)開弁電流検査
この開弁電流検査は、消磁状態にある常閉の電磁弁の入口と出口との間における液圧差を増加させた状態でその電磁弁の励磁電流を増加させることによってその電磁弁が開かれるときの、その液圧差とその励磁電流の大きさとの関係が許容範囲内であるか否かを検査することを意味する。
【0186】
この開弁電流検査は、常閉のリニア増圧弁86およびリニア減圧弁100を対象として行われる。
【0187】
この開弁電流検査においては、例えば、前記リーク検査と同様に、図22に示すように、アクチュエータ50のうち、加圧源と大気との間において常閉の第1電磁弁SOL1と常閉の第2電磁弁SOL2とがそれらの順に互いに直列に接続され、かつ、それら電磁弁SOL1とSOL2との間には第1圧力センサが配置された検査用液圧回路と等価な回路部分に着目される。
【0188】
その等価回路部分の一例は、図1に示すように、高圧ポート70と、右前輪用のリニア増圧弁86と、右前輪用のリニア減圧弁100と、右前輪用の圧力センサ122と、ドレンポート76とを含む部分である。
【0189】
この等価回路部分においては、高圧ポート70が加圧源に相当し、リニア増圧弁86が、第2電磁弁SOL2を検査するための圧力環境を実現するための第1電磁弁SOL1に相当し、リニア減圧弁100が、検査対象である第2電磁弁SOL2に相当し、圧力センサ122が第1圧力センサに相当し、ドレンポート76において大気に開放されている。
【0190】
この等価回路部分においては、電磁開閉弁118,120が励磁されて閉じられることにより、リニア増圧弁86およびリニア減圧弁100が高圧ポート72,73から遮断される。
【0191】
図22に示す検査用液圧回路においては、図23にタイムチャートで示すように、第1電磁弁SOL1が断続的に励磁され、これに伴い、第1圧力センサにより検出される圧力P1が上昇する。その圧力P1が基準圧力Prefに達した後には、第1電磁弁SOL1が閉状態に維持される。その結果、圧力P1が一定に維持される。
【0192】
この状態で、第2電磁弁SOL2の励磁電流Iが連続的に増加させられ、やがて、第2電磁弁SOL2が開き、その結果、圧力P1が下降する。このときの励磁電流Iが開弁電流Ioとして測定される。
【0193】
そのような開弁電流Ioの測定は、基準圧力Prefを離散的に変更するごとに行われる。その結果、図24にグラフで示すように、それら開弁電流Ioと基準圧力Prefとの関係が測定されることとなる。
【0194】
この開弁電流検査においては、その後、そのようにして測定された関係が許容範囲内であれば、第2電磁弁SOL2の開弁電流Ioが正常であると判定され、そうでない場合には、第2電磁弁SOL2の開弁電流Ioが異常であると判定される。
【0195】
以上、第2電磁弁SOL2を対象として開弁電流Ioを検査する一例を説明したが、第1電磁弁SOL1を対象として開弁電流Ioを検査することも可能である。
【0196】
例えば、図25にタイムチャートで示すように、第1電磁弁SOL1が断続的に励磁され、これに伴い、第1圧力センサにより検出される圧力P1が上昇する。その圧力P1がエア源180の圧力であるエア源圧Pairと等圧になった後には、第1電磁弁SOL1が閉状態に維持される。その結果、圧力P1がエア源圧Pairに維持される。
【0197】
この状態で、第2電磁弁SOL2が断続的に励磁され、その結果、圧力P1が下降する。この下降は、圧力P1が基準圧力Prefに達するまで行われる。
【0198】
圧力P1が基準圧力Prefに達した後、第1電磁弁SOL1の励磁電流が連続的に増加させられ、やがて第1電磁弁SOL1が開くと、圧力P1が基準圧力Prefからエア源圧Pairに向かって上昇する。このときの第1電磁弁SOL1の励磁電流Iが開弁電流Ioとして測定される。
【0199】
そのような開弁電流Ioの測定は、基準圧力Prefを離散的に変更するごとに行われる。その結果、それら開弁電流Ioと基準圧力Prefとの関係が測定されることとなる。
【0200】
この開弁電流検査においては、その後、そのようにして測定された関係が許容範囲内であれば、第1電磁弁SOL1の開弁電流Ioが正常であると判定され、そうでない場合には、第1電磁弁SOL1の開弁電流Ioが異常であると判定される。
【0201】
以上、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、前記[課題を解決するための手段および発明の効果]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に従う電磁弁ユニット検査方法が実施されるアクチュエータ50を含むブレーキシステムを示す系統図である。
【図2】図1におけるアクチュエータ50の実際の構造を概念的に示す平面図である。
【図3】図1におけるリニア増圧弁86を示す正面断面図である。
【図4】図3におけるオリフィス166およびそれの近傍を拡大して示す正面断面図である。
【図5】前記電磁弁ユニット検査方法を実施するために使用される電磁弁ユニット検査システムを示す系統図である。
【図6】前記電磁弁ユニット検査方法を示す工程図である。
【図7】前記電磁弁ユニット検査方法により電磁弁SOLの開度を検査するための検査用液圧回路を示す液圧回路図である。
【図8】図7における電磁弁SOLの励磁電流Iと第1圧力センサにより検出される圧力P1との関係の一例を示すグラフである。
【図9】前記電磁弁ユニット検査方法により第1電磁弁SOL1の開度を検査するための別の検査用液圧回路を示す液圧回路図である。
【図10】前記電磁弁ユニット検査方法により第1電磁弁SOL1の開度を検査するためのタイムチャートであって、図9における第1電磁弁SOL1および第2電磁弁SOL2の各作動状態の時間的推移と、第1圧力センサにより検出される圧力P1の時間的推移とを互いに時期的に関連付けて示すタイムチャートである。
【図11】前記電磁弁ユニット検査方法により第1電磁弁SOL1の開弁応答性を検査するためのタイムチャートであって、図9における第1電磁弁SOL1および第2電磁弁SOL2の各作動状態の時間的推移と、第1圧力センサにより検出される圧力P1の時間的推移とを互いに時期的に関連付けて示すタイムチャートである。
【図12】前記電磁弁ユニット検査方法により第1電磁弁SOL1の閉弁応答性を検査するためのタイムチャートであって、図9における第1電磁弁SOL1および第2電磁弁SOL2の各作動状態の時間的推移と、第1圧力センサにより検出される圧力P1の時間的推移とを互いに時期的に関連付けて示すタイムチャートである。
【図13】前記電磁弁ユニット検査方法により第1電磁弁SOL1または第2電磁弁SOL2の自開弁圧を検査するための検査用液圧回路の一例を示す液圧回路図である。
【図14】前記電磁弁ユニット検査方法により第1電磁弁SOL1の自開弁圧を検査するためのタイムチャートであって、図13における第1電磁弁SOL1および第2電磁弁SOL2との各作動状態の時間的推移と、第1圧力センサにより検出される圧力P1の時間的推移と、第2圧力センサにより検出される圧力P2の時間的推移とを互いに時期的に関連付けて示すタイムチャートである。
【図15】前記電磁弁ユニット検査方法により第2電磁弁SOL2の自開弁圧を検査するためのタイムチャートであって、図13における第1電磁弁SOL1の作動状態の時間的推移と、第2圧力センサにより検出される圧力P2の時間的推移とを互いに時期的に関連付けて示すタイムチャートである。
【図16】前記電磁弁ユニット検査方法により第2電磁弁SOL2の自開弁圧を検査するための検査用液圧回路を示す液圧回路図である。
【図17】前記電磁弁ユニット検査方法により第2電磁弁SOL2の自開弁圧を検査するためのタイムチャートであって、図16における第1電磁弁SOL1の作動状態の時間的推移と、第1圧力センサにより検出される圧力P1の時間的推移と、第2圧力センサにより検出される圧力P2の時間的推移とを互いに時期的に関連付けて示すタイムチャートである。
【図18】前記電磁弁ユニット検査方法により第1電磁弁SOL1の自閉解除圧を検査するための検査用液圧回路を示す液圧回路図である。
【図19】前記電磁弁ユニット検査方法により第1電磁弁SOL1の自閉解除圧を検査するためのタイムチャートであって、図18における第1電磁弁SOL1および第2電磁弁SOL2の各作動状態の時間的推移と、第1圧力センサにより検出される圧力P1の時間的推移と、第2圧力センサにより検出される圧力P2の時間的推移とを互いに時期的に関連付けて示すタイムチャートである。
【図20】前記電磁弁ユニット検査方法により第3電磁弁SOL3の自開・自閉弁圧を検査するための検査用液圧回路を示す液圧回路図である。
【図21】前記電磁弁ユニット検査方法により第3電磁弁SOL3の自開・自閉弁圧を検査するためのタイムチャートであって、図20における第1電磁弁SOL1および第2電磁弁SOL2の各作動状態の時間的推移と、第1圧力センサにより検出される圧力P1の時間的推移と、第2圧力センサにより検出される圧力P2の時間的推移と、それら圧力P1と圧力P2との差の時間的推移とを互いに時期的に関連付けて示すタイムチャートである。
【図22】前記電磁弁ユニット検査方法により第2電磁弁SOL2の開弁電流Ioを検査するための検査用液圧回路を示す液圧回路図である。
【図23】前記電磁弁ユニット検査方法により第2電磁弁SOL2の開弁電流Ioを検査するためのタイムチャートであって、図22における第1電磁弁SOL1の作動状態の時間的推移と、第1圧力センサにより検出される圧力P1の時間的推移と、第2電磁弁SOL2の励磁電流Iの時間的推移とを互いに時期的に関連付けて示すタイムチャートである。
【図24】図23における基準圧力Prefと開弁電流Ioとの関係の一例を示すグラフである。
【図25】前記電磁弁ユニット検査方法により第1電磁弁SOL1の開弁電流Ioを検査するためのタイムチャートであって、図22における第1電磁弁SOL1の作動状態の時間的推移(励磁電流Iの時間的推移を含む)と、第1圧力センサにより検出される圧力P1の時間的推移と、第2電磁弁SOL2の作動状態の時間的推移とを互いに時期的に関連付けて示すタイムチャートである。
【図26】圧力関連ユニットとしてのアクチュエータにおいて圧力関連要素としての電磁弁を検査する圧力関連ユニット検査システムの一従来例を示す系統図である。
【符号の説明】
50 アクチュエータ
54 ハウジング
70,72,73 高圧ポート
74 ブレーキ液圧ポート
76 ドレンポート
86 リニア増圧弁
100 リニア減圧弁
112,116,118,120 電磁開閉弁
122,124,126,128,130,132,134 圧力センサ
166 オリフィス
180 エア源
194 コントローラ
204 モニタ

Claims (11)

  1. ハウジングと、そのハウジングに組み込まれた少なくとも1つの圧力関連要素と、その圧力関連要素を流れる流体の圧力を検出するために前記ハウジングに組み込まれた少なくとも1つの圧力センサとを備えた圧力関連ユニットの機能を検査する方法であって、
    その圧力関連ユニット内に圧力を生起する圧力生起工程と、
    その圧力が生起されている状態で、前記少なくとも1つの圧力センサのうち予め選択された少なくとも1つの選択圧力センサの出力信号をセンサ信号として取り込む取り込み工程と、
    その取り込まれたセンサ信号に基づき、前記少なくとも1つの圧力関連要素のうち予め選択された少なくとも1つの検査対象の機能を検査する検査工程と、を含み、
    前記少なくとも1つの圧力関連要素が、少なくとも1つの電磁弁を含み、
    前記検査工程が、前記取り込まれたセンサ信号に基づき、その少なくとも1つの電磁弁のうち検査対象として予め選択された少なくとも1つの被検査電磁弁の機能を検査する電磁弁検査工程を含み、
    前記少なくとも1つの電磁弁が、前記圧力関連ユニットに組み込まれている複数の電磁弁を含み、
    当該圧力関連ユニット検査方法が、さらに、それら複数の電磁弁のうち前記被検査電磁弁を除くもののうち予め選択された少なくとも1つの選択電磁弁を作動させることにより、その被検査電磁弁を検査するために必要な圧力環境を実現する圧力環境実現工程を含み、
    前記取り込み工程が、その実現された圧力環境のもとに前記センサ信号を取り込む工程を含む圧力関連ユニット検査方法。
  2. さらに、前記取り込み工程において前記センサ信号が取り込まれるのに先立ち、前記選択圧力センサの機能を検査するセンサ検査工程を含む請求項1に記載の圧力関連ユニット検査方法。
  3. 前記検査工程が、前記センサ信号により表される圧力の時間的変化勾配に基づき、前記検査対象の機能を検査する工程を含む請求項1または2に記載の圧力関連ユニット検査方法。
  4. さらに、前記被検査電磁弁の励磁電流を離散的に変更する電流変更工程を含み、
    前記取り込み工程が、その電流変更工程によって前記被検査電磁弁の励磁電流が変更されるごとに前記センサ信号を取り込む工程を含み、
    前記電磁弁検査工程が、前記被検査電磁弁に関する複数の励磁電流と複数のセンサ信号との関係に基づき、その被検査電磁弁の機能を検査する工程を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の圧力関連ユニット検査方法。
  5. ハウジングと、そのハウジングに組み込まれた少なくとも1つの圧力関連要素と、その圧力関連要素を流れる流体の圧力を検出するために前記ハウジングに組み込まれた少なくとも1つの圧力センサとを備えた圧力関連ユニットの機能を検査するためにその圧力関連ユニットが一時的に取り付けられて使用される圧力関連ユニット検査システムであって、
    その取り付けられた圧力関連ユニット内に圧力を生起するためにその圧力関連ユニットに接続される圧力源と、
    その圧力が生起されている状態で、前記少なくとも1つの圧力センサのうち予め選択された少なくとも1つの選択圧力センサの出力信号をセンサ信号として取り込むとともに、その取り込まれたセンサ信号に基づき、前記少なくとも1つの圧力関連要素のうち予め選択された少なくとも1つの検査対象の機能を検査するコントローラと
    を含む圧力関連ユニット検査システム。
  6. 前記コントローラが、前記センサ信号が取り込まれるのに先立ち、前記選択圧力センサの機能を検査するセンサ検査部を含む請求項に記載の圧力関連ユニット検査システム。
  7. 前記少なくとも1つの圧力関連要素が、少なくとも1つの電磁弁を含み、
    前記コントローラが、前記取り込まれたセンサ信号に基づき、その少なくとも1つの電磁弁のうち検査対象として予め選択された少なくとも1つの被検査電磁弁の機能を検査する電磁弁検査部を含む請求項に記載の圧力関連ユニット検査システム。
  8. 前記コントローラが、前記被検査電磁弁を作動させる第1作動部を含む請求項に記載の圧力関連ユニット検査システム。
  9. 前記第1作動部が、前記被検査電磁弁の励磁電流を離散的に変更する電流変更部を含み、
    前記電磁弁検査部が、その電流変更部によって前記被検査電磁弁の励磁電流が変更されるごとに前記センサ信号を取り込むことにより、その被検査電磁弁に関する複数の励磁電流と複数のセンサ信号との関係に基づき、その被検査電磁弁の機能を検査する手段を含む請求項に記載の圧力関連ユニット検査システム。
  10. 前記少なくとも1つの電磁弁が、前記圧力関連ユニットに組み込まれている複数の電磁弁を含み、
    前記コントローラが、さらに、それら複数の電磁弁のうち前記被検査電磁弁を除くもののうち予め選択された少なくとも1つの選択電磁弁を作動させる第2作動部を含む請求項ないしのいずれかに記載の圧力関連ユニット検査システム。
  11. ハウジングと、そのハウジングに組み込まれた少なくとも1つの電磁弁と、その電磁弁を流れる流体の圧力を検出するために前記ハウジングに組み込まれた少なくとも1つの圧力センサとを備えた電磁弁ユニットであって、
    その少なくとも1つの圧力センサのうち予め選択された少なくとも1つの選択圧力センサが、当該電磁弁ユニットがそれに予定された対象物において使用される場合のみならず、当該電磁弁ユニットが電磁弁ユニット検査システムに一時的に取り付けられることにより、前記少なくとも1つの電磁弁のうち検査対象として予め選択された少なくとも1つの被検査電磁弁の機能がその被検査電磁弁が当該電磁弁ユニットに組み込まれている状態で検査される場合にも、その被検査電磁弁の作動状態の影響を受けた圧力を検出するために使用される電磁弁ユニット。
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