JP4477921B2 - 移動ロボット - Google Patents
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Description
たとえば、この種の従来の技術としては、特許文献1〜特許文献3のようなものがある。
そこで、本発明は、人との可変な距離および可変な方向をリアルタイムに特定して、特定した方向に向かって特定した距離まで移動して、目的の人のところまで可能な移動ロボットを提供することを目的とする。
この移動ロボットは、周辺領域へ向けて距離を特定する検索信号を電波として送信する電波発信手段と、方向検査信号を所定の指向性の光信号として、複数の発光部から対応する周辺の探索領域毎に向けて所定の順序で照射する発光手段と、電波または光信号の少なくとも一方を受けた検知用タグからの受信報告信号を電波として受信する電波受信手段と、前記電波受信手段により受信された電波の電界強度に基づいて前記検知用タグまでの距離を算出し、前記電波受信手段により電波として受信された受信報告信号に基づいて、前記検知用タグの受光時に前記発光手段により照射されていた光信号の方向を前記検知用タグの存在する方向と判断し、算出した距離および判断した方向により位置を特定する位置特定手段と、前記電波発信手段、前記電波受信手段および前記発光手段の動作を制御する制御手段と、自らを移動させる移動手段と、前記位置特定手段により特定された方向に向かって、特定された距離まで移動を制御するように前記移動手段を制御する移動制御手段と、を備えて構成される。
図1は、本発明の実施形態に係る検知対象検知システムAのシステム構成図である。
この検知対象検知システムAは、検知装置であるロボットRの周辺領域に、検知対象D、たとえば、検知用タグTを装着した人が検知されるかを確認すると共に、検知対象Dが検知された場合には、検知対象Dが、ロボットRを基準として、どの方向に、そして、どの位離れた位置に存在するのかを特定する、すなわち、検知対象Dの位置を特定するものである。
ここで、本実施の形態では、検知用タグTを装着した人が、検知対象Dとして規定されている。
管理用コンピュータ3は、基地局1、ロボット専用ネットワーク2を介してロボットRの移動・発話などの各種制御を行うと共に、ロボットRに対して必要な情報を提供するものである。ここで、必要な情報とは、検知された検知対象Dの氏名や、ロボットRの周辺の地図などがこれに相当し、これらの情報は、前記管理用コンピュータ3に設けられた記憶手段(図示せず)に記憶されている。
ロボット専用ネットワーク2は、基地局1と、管理用コンピュータ3と、ネットワーク4とを接続するものであり、LANなどにより実現されるものである。
端末5は、ネットワーク4を介して管理用コンピュータ3に接続し、前記管理用コンピュータ3の記憶手段(図示せず)に、検知用タグTに関する情報および前記検知用タグTを装着した人物(検知対象D)に関する情報などを登録する、もしくは登録されたこれらの情報を修正するものである。
そして、検知用タグTとは、たとえば、ICタグがこれに相当する。
本発明に係る検知対象検知システムAの検知装置であるロボットRは、自律移動型の2足歩行ロボットである。
そして、ロボットRから発せられた電波と光信号の両方を受信した旨の信号(受信報告信号)が検知対象D(検知用タグT)から返信された場合に、受信報告信号の電界強度から、ロボットRから検知対象Dまでの距離を求めると共に、検知対象Dにより受光された光信号の発光方向を検知対象Dの存在する方向とみなすことで、検知対象Dの検知、および検知対象Dの位置の特定を行うものである。
図2に示すように、ロボットRは、頭部R1、腕部R2、脚部R3に加えて、カメラC,C、スピーカS、マイクMC、画像処理部10、音声処理部20、画像送信部30、制御部40、自律移動制御部50、無線通信部60、および対象検知部70を有する。
さらに、ロボットRの位置を検出するため、ジャイロセンサSR1や、GPS受信器SR2を有している。
カメラC,Cは、映像をデジタルデータとして取り込むことができるものであり、たとえば、カラーCCD(Charge-Coupled Device)カメラが使用される。カメラC,Cは、左右に平行に並んで配置され、撮影した画像は画像処理部10と、画像送信部30に出力される。このカメラC,Cと、スピーカSおよびマイクMCは、いずれも頭部R1の内部に配設される。
画像処理部10は、カメラC,Cが撮影した画像を処理して、撮影された画像からロボットRの周囲の状況を把握するため、周囲の障害物や人物の認識を行う部分である。この画像処理部10は、ステレオ処理部11a、移動体抽出部11b、および顔認識部11cを含んで構成される。
ステレオ処理部11aは、左右のカメラC,Cが撮影した2枚の画像の一方を基準としてパターンマッチングを行い、左右の画像中の対応する各画素の視差を計算して視差画像を生成し、生成した視差画像および元の画像を移動体抽出部11bに出力する。なお、この視差は、ロボットRから撮影された物体までの距離を表すものである。
移動体の抽出をするために、移動体抽出部11bは、過去の数フレーム(コマ)の画像を記憶しており、最も新しいフレーム(画像)と、過去のフレーム(画像)を比較して、パターンマッチングを行い、各画素の移動量を計算し、移動量画像を生成する。そして、視差画像と、移動量画像とから、カメラC,Cから所定の距離範囲内で、移動量の多い画素がある場合に、人物があると推定し、その所定距離範囲のみの視差画像として、移動体を抽出し、顔認識部11cへ移動体の画像を出力する。
認識された顔の位置は、ロボットRが移動するときの情報として、また、その人とのコミュニケーションを取るため、制御部40に出力されると共に、無線通信部60に出力されて、基地局1を介して、管理用コンピュータ3に送信される。
音声処理部20は、音声合成部21aと、音声認識部21bとを有する。
音声合成部21aは、制御部40が決定し、出力してきた発話行動の指令に基づき、文字情報から音声データを生成し、スピーカSに音声を出力する部分である。音声データの生成には、予め記憶している文字情報と音声データとの対応関係を利用する。
音声認識部21bは、マイクMCから音声データが入力され、予め記憶している音声データと文字情報との対応関係に基づき、音声データから文字情報を生成し、制御部40に出力するものである。
[画像送信部]
画像送信部30は、無線通信部60を介してカメラC,Cから入力された画像データを管理用コンピュータ3へ出力する部分である。
図3は、ロボットRを制御する制御部40のブロック図である。
この制御部40は、ロボットRの全体を制御するものであり、人識別手段40aと、対話制御手段40bと、動作判断手段40cと、移動先経路決定手段40dと、地図情報取得手段40eと、運搬制御手段40fと、移動制御手段40gと、個人情報取得手段40hと、特定情報取得手段40iと、移動方向特定手段40jとを含んで構成される。
人識別手段40aは、検知用タグTから送られたタグ識別番号を基に検知用タグTを所持する人が誰なのかを識別するものである。人識別手段40aは、検知用タグTに割り当てられた固有の識別番号(タグ識別番号)に対応させた個人情報を、管理用コンピュータ3(図1参照)の図示しない記憶部から取得することによって、人を識別する。これにより、ロボットRは、個人情報に基づいて人と対話することが可能になる。個人情報としては、たとえば、所有するタグ識別番号、氏名、年齢、性別、趣味、予定がある。
また、人識別手段40aは、検知対象の人の顔情報を取得して、登録してある顔情報と比較して、人を識別するのが好ましい。顔情報は、予め対象者に断って、登録させる必要があるため、全ての人のものを取得することができないことが考えられる。そのため、顔情報を取得することができない場合には、個人情報によって人を識別することができる。また、顔情報と個人情報とが得られた場合には、二つの情報を用いることで検知用タグTを所持する人を高い確度で識別することができる。
対話制御手段40bは、発話するテキストを生成して音声処理部20に送り、音声合成部21aによって合成音声を出力させたり、音声認識部21bで認識されて得たテキストを音声処理部20から受け取り、意味を解釈して、返答用のテキストを生成させたり、種々の動作を決定するものである。
動作判断手段40cは、種々の動作をするように判断して各部に指令を出すものである。その動作指令としては、たとえば、検知用タグTを検知して、その存在する方向および距離を特定した場合に、特定した方向に向けて特定した距離まで移動するように、自律移動制御部50に指令を出すものである。
移動先経路決定手段40dは、対象検知部70が検知した方向および距離の位置を、地図情報取得手段40eが取得する地図情報上に重畳し、対象検知部70が検知する方向および距離の位置を設定し、ロボットRの現在位置から設定した位置までの移動経路を決定するものである。
地図情報取得手段40eは、特定した方向および距離により決定される地図情報を取得するものである。
この地図情報は、管理用コンピュータ3(図1参照)の図示しない記憶部に記憶させておけばよい。
運搬制御手段40fは、動作判断手段40cに決定された運搬動作を制御するものである。この運搬動作は、たとえば、人との対話により所定の荷物を別の場所に運搬するような場合に基準となることを明記する。
移動制御手段40gは、脚部R3を制御して、ロボットR自らを移動させるものである。なお、移動制御手段40gは、自律移動制御部50に指令を出し、自律移動制御部50により、脚部R3のみの制御ではなく、頭部51a、腕部51bを制御させ、重心移動を制御する。
(個人情報取得手段)
個人情報取得手段40hは、前記個人情報を取得するものである。
個人情報取得手段40hは、地図情報取得手段は40eが、検知用タグTからタグ識別番号を取得したときに、管理用コンピュータ3にタグ識別番号を送信し、そのタグ識別番号をキーとして、管理用コンピュータ3の図示しない記憶部内を検索させ、対応するタグ識別番号を含む個人情報を抽出させて、抽出された個人情報を受信することで、タグ識別番号に対応する個人情報を取得する。
特定情報取得手段40iは、特定情報を取得するものである。ここでは、特定情報とは、特定の動作を指定するための情報である。ここで、特定情報は、個人情報に伴って対話に必要になる情報であり、個人情報が予定の場合には予定の行動に必要な情報である。たとえば、来週の日曜日にゴルフの予定がある場合、開催場所として栃木県にある某ゴルフ場を指定しているときには、特定情報として某ゴルフ場近郊の気象情報(天気予報)が挙げられる。
移動方向特定手段40jは、任意の時刻に対象検知部70により検知された検知用タグTの方向および距離と、その任意の時刻と異なる時刻に対象検知部70により検知された方向および距離との関係から移動方向および移動距離を算出して、移動方向を特定するものである。
たとえば、ロボットRの正面方向を+x軸方向、右方向を+y軸方向としたx−y空間上において、移動方向特定手段40jは、対象検知部70により検知された検知用タグTの方向および距離から決定される位置にプロットすることにより、x−y空間上にプロットされた2点から移動方向および移動距離を算出することができる。
そのため、移動方向特定手段40jは、移動方向特定手段40jにより、対象検知部70からリアルタイムに入力されてくる方向および距離とから前後の移動方向および移動距離を算出することによって、算出された移動方向に向かってロボットRを移動させることができる。
図2に戻って、自律移動制御部50は、頭部制御部51a、腕部制御部51b、脚部制御部51cを有する。
頭部制御部51aは、制御部40の指示に従い頭部R1を駆動し、腕部制御部51bは、制御部40の指示に従い腕部R2を駆動し、脚部制御部51cは、制御部40の指示に従い脚部R3を駆動する。
また、ジャイロセンサSR1、およびGPS受信器SR2が検出したデータは、制御部40に出力され、ロボットRの行動を決定するのに利用されると共に、制御部40から無線通信部60を介して管理用コンピュータ3に送信される。
無線通信部60は、管理用コンピュータ3とデータの送受信を行う通信装置である。無線通信部60は、公衆回線通信装置61aおよび無線通信装置61bを有する。
公衆回線通信装置61aは、携帯電話回線やPHS(Personal Handyphone System)回線などの公衆回線を利用した無線通信手段である。一方、無線通信装置61bは、IEEE802.11b規格に準拠するワイヤレスLANなどの、近距離無線通信による無線通信手段である。
無線通信部60は、管理用コンピュータ3からの接続要求に従い、公衆回線通信装置61aまたは無線通信装置61bを選択して管理用コンピュータ3とデータ通信を行う。
対象検知部70は、ロボットRの周囲に検知用タグTを備える検知対象Dが存在するか否かを検知すると共に、検知対象Dの存在が検知された場合、前記検知対象Dの位置を特定するものである。
検知範囲内に複数個のタグが存在する場合、同時に電波を送信すると、衝突してしまい、正常なデータの読み取りができない。
そこで、電波を送信するときに、送信スロット(時間枠)をランダムに選ぶことで、検知範囲内に複数個のタグが存在する場合でも、送信電波が衝突する確率を軽減している。
電波を送信するときに、送信スロット(時間枠)をランダムに選ぶことで、検知範囲内に複数個のタグが存在する場合でも、送信電波が衝突する確率を軽減している。
(制御手段80)
制御手段80は、後記する電波送受信手段90から無線送信される検索信号と、後記する発光手段100から赤外光として出力される方向検査信号を生成すると共に、検索信号を受信した検知用タグTから送信された受信報告信号を基に、検知対象Dの位置を特定するものである。
ここで、検索信号とは、ロボットRの周囲に検知対象Dが存在するか否かを検知するための信号であり、方向検査信号とは、検知対象DがロボットRを基準としてどの方向に位置するのかを検知するための信号である。
また、受信報告信号とは、検知用タグTが、少なくとも検索信号を受信したことを示す信号である。
このデータ処理部81の信号生成部81aは、所定時間毎に、もしくはロボットRの制御部40から電波の発信を命令する信号(発信命令信号)が入力されるたびに、記憶手段110を参照して、対象検知部70が設けられたロボットRに固有の識別番号(以下、ロボットIDという)を取得する。
そして、信号生成部81aは、前記ロボットIDと、受信報告要求信号とを含んで構成される検索信号を生成する。
ここで、受信報告要求信号とは、検索信号を受信した検知対象D(検知用タグT)に対して、前記検索信号を受信した旨を示す信号(受信報告信号)を生成するように要求する信号である。
方向検査信号は、発光手段100に設けられた発光部(LED1〜LED8)の総てについて、個別に生成されるものであり、前記ロボットIDと、発光部を特定する識別子(発光部ID)を含んで構成される。
なお、この方向検査信号は、後記する復号化部84から入力される受信報告信号に発光要求信号が含まれている場合にも生成される。
たとえば、ロボットIDが「02」であり、発光部(LED1〜LED8)の発光部IDが「L1〜L8」である場合、発光部LED1について生成される方向検索信号は、ロボットID=「02」と、発光部ID=「L1」とを含み、発光部LED2について生成される方向検査信号は、ロボットID=「02」と、発光部ID=「L2」とを含むことになる。
なお、このデータ処理部81の位置特定部81bは、検索信号を受信した検知用タグTから送信された受信報告信号をもとに、検知対象Dの位置を特定するものであるが、その際に、この位置特定部81bで行われる処理は、制御手段80に含まれる復号化部84と電界強度検出部85における処理と共に、後に詳細に説明する。
暗号化部82は、データ処理部81から入力された検索信号を暗号化した後、その検索信号(暗号化検索信号)を後記する電波送受信手段90に出力するものである。
これにより、暗号化検索信号は、変調されたのち、電波送受信手段90から無線送信されることになる。
よって、図3に示すように、発光手段100には合計8つの発光部が設けられているので、暗号化部82には、合計8つの方向検査信号がデータ処理部81から入力される。
その結果、合計8つの暗号化方向検査信号がこの暗号化部82において生成され、時分割部83に出力されることになる。
時分割部83は、発光手段100の各発光部(LED1〜LED8)の発光順序と、発光タイミングを設定するものである。
具体的には、暗号化部82から暗号化方向検査信号が入力されると、時分割部83は、各発光部(LED1〜LED8)の発光順序および発光タイミングを決定し、決定した発光順序および発光タイミングで、暗号化方向検査信号を発光手段100に出力する。
したがって、時分割部83は、暗号化方向検査信号が入力されると、暗号化方向検査信号に含まれる発光部IDを確認し、発光部IDにより特定される発光部に隣接する変調部に向けて、決められた順序およびタイミングで、暗号化方向検査信号を出力する。
たとえば、発光部(LED1〜LED8)の発光部IDが「L1〜L8」で規定される場合、時分割部83は、発光部IDが「L1」である暗号化方向検査信号を、発光部LED1に隣接する変調部に出力し、発光部IDが「L2」である暗号化方向検査信号を、発光部LED2に隣接する変調部に出力することになる。
発光手段100は、ロボットRを基準として前記ロボットRの周囲において予め設定された探索域に向けて光を照射するものである。
発光部は、赤外線信号、すなわち、赤外光を予め決められた探索域に向けて照射するものである。
言い換えると、ロボットRを中心として、ほぼ扇形の探索域(第1領域〜第8領域)がロボットRを取り囲むように複数設定されており、ロボットRは、これら扇形の探索域で囲まれた領域のほぼ中心に位置している。
具体的には、第1領域から第3領域に関しては、発光ダイオードから照射される赤外光の幅方向における範囲は、θaに設定されており、第3領域から第8領域に関しては、θbに設定されている。
なぜならば、検知対象Dが人であり、かつ、ロボットRのカメラC,Cで人の顔の撮像を行う場合を想定すると、ロボットRのカメラC,Cを、検知対象Dである人の顔の正面にきちんと位置させる必要があり、そのためには、ロボットRの正面側における検知対象Dの位置特定をより正確に行って、ロボットRの移動制御やカメラC,Cの画角の調整に反映させる必要があるからである。
そこで、本実施の形態では、隣接する探索域に対して赤外光が連続して照射されることで干渉が生じないように、制御手段80の時分割部83において、暗号化方向検査信号を出力する順序とタイミングを調整しているのである。
図4を参照して、電波送受信手段90は、ロボットRの周辺領域に向けて電波を発信すると共に、前記電波を受信した検知対象から送信された受信報告信号を受信するものである。
変調部91は、データ処理部81から入力された検索信号(実際には、暗号化検索信号)を所定の変調方式で変調して変調信号とした後、これを、送受信アンテナ93を介して無線送信するものである。
また、復調部92は、検知対象Dの検知用タグTから無線送信された変調信号を、送受信アンテナ93を介して受信し、受信した変調信号の復調により、受信報告信号(実際には、暗号化受信報告信号)を取得するものである。
そして、この復調部92は、取得した受信報告信号を、制御手段80の復号化部84と電界強度検出部85に出力するものである。
復号化部84は、暗号化された受信報告信号である暗号化受信報告信号を復号化して、受信報告信号を取得し、取得した受信報告信号を、データ処理部81に出力するものである。
なお、受信報告信号に発光要求信号が含まれていた場合、この発光要求信号もまたデータ処理部81に出力されることになる。
電界強度検出部85は、検知対象Dの検知用タグTから送信された変調信号を電波送受信手段90が受信した際に、前記変調信号の強度を求めるものである。
具体的には、電界強度検出部85は、電波送受信手段90の復調部92から入力された、暗号化受信報告信号の電力を検波し、この検波された電力の平均値を電界強度として求め、この求めた電界強度をデータ処理部81に出力する。
データ処理部81の位置特定部81bは、検知対象Dの位置を特定するものである。
具体的には、検知対象Dの検知用タグTから送信された変調信号を電波送受信手段90において受信した際の、前記変調信号の電界強度から、ロボットRから検知対象Dまでの距離を求める。さらに、位置特定部81bは、受信報告信号に含まれる発光部IDを参照して、検知対象Dから受信した光が、どの発光部から発光されたのかを特定し、特定された発光部の発光方向を、すなわち、前記発光部に対応する探索域の方向を検知対象Dの存在する方向とみなし、検知対象Dの位置を特定するものである。
この各エリアと電界強度とは、電界強度の大きさを基準として予め関連づけられており、この関連づけを示すテーブル(距離テーブル)が、記憶手段110に記憶されている。
たとえば、電界強度検出部85から入力された電界強度αが、エリア3を規定する閾値βとγ(βは下限、γは上限)との間の値である場合、位置特定部81bは、エリア3を示す情報(エリア情報)を取得する。
そして、記憶手段110には、各発光部がどの探索域(第1領域から第8領域)に向けて設置されているのかを示すテーブル(方向テーブル)が記憶されている。
なお、図8において、本来ならば各探索域の端部は隣接する探索域の端部と重なっている(図5(a)参照)のであるが、この図8では、説明の便宜上、探索域が重なっている部分は省略してある。また、図9についても同様である。
ここで、エリア情報が「エリア3」を示し、方向情報が「第2領域」を示す場合、データ処理部81は、ロボットRの周囲において「エリア3」と「第2領域」とが重なる範囲(図中において、符号P1で示す範囲)を検知対象が存在する位置と見なし、この範囲を示す情報(位置情報)を生成する。
これにより、ロボットRの制御部40は、自律移動制御部50を制御して、ロボットRを検知対象Dの正面に移動させることや、検知対象Dが人である場合、カメラCの仰角や向きを修正して、前記検知対象Dの顔の撮像を行うことが可能となる。
したがって、この動作命令などにしたがって、ロボットRの制御部40は、ロボットRの各部を制御することになる。
図10は、図1に示した管理用コンピュータの機能を説明するブロック図である。
管理用コンピュータ3は、通信手段3a、制御手段3b、特定情報取得手段3c、地図情報データベース(DB)3d、データベース(DB)管理手段3e、特定情報データベース(DB)3f、および個人情報データベース(DB)3gを有する。
通信手段3aは、基地局1(図1参照)を介してロボットRとの間の通信を行うものである。
(制御手段)
制御手段3bは、管理用コンピュータ3の全体の処理を統括して制御するものである。
特定情報取得手段3cは、ロボットRの制御部40の特定情報取得手段40i(図3参照)と同様に、特定情報を抽出するものである。この特定情報取得手段3cは、タグ識別番号がロボットRから転送されてきたときに、DB管理手段3eによりタグ識別番号に基づいて個人情報DB3gから抽出した個人情報にしたがって特定情報を取得するものである。
地図情報データベース(DB)3dは、地図情報を管理するものである。
(データベース管理手段)
データベース(DB)管理手段3eは、地図情報DB3d、特定情報DB3f、個人情報DB3gを管理し、各DBへのデータの書込み、読み出しを行うものである。
特定情報データベース(DB)3fは、特定情報を管理するものである。この特定情報は、制御手段3bの制御により、たとえば、他のネットワーク上のコンピュータから特定情報を定期的にダウンロードしておくのが好ましい。このように定期的にダウンロードしておくのが好ましい特定情報としては、たとえば、定期的に主な地域の催し情報や全国各地の天気予報がある。
個人情報データベース(DB)3gは、個人情報を記憶するものである。この個人情報は、前記したように、タグ識別番号に対応させて登録してある。そのため、ここでは、個人情報DB3gを検索する検索キーとして、タグ識別番号を用いるものとして説明するが、これに限らず、識別番号とは別に通し番号を付与して、これを用いてもよく、また、氏名や住所等の個人情報の一部を検知用タグTに記憶させておき、これらの個人情報の一部を用いてもよい。
検知用タグは、ロボットRから送信された電波と、照射された光とを受信し、これらを受信したことを示す受信報告信号を、ロボットRに送信するものである。
本実施の形態では、検知用タグTが取り付けられた人が検知対象Dであるので、ロボットRから送信された電波と照射された光は、この検知用タグTにおいて受信される。よって、この検知用タグTについて以下に説明する。
電波送受信手段140は、ロボットRから無線送信された変調信号を受信すると共に、後記する受信報告信号生成手段160において生成された受信報告信号を、変調した後、ロボットRに向けて無線送信するものである。
この電波送受信手段140は、送受信アンテナ141と、復調部142と、変調部143とを含んで構成される。
受光手段150は、ロボットRから照射された赤外光を受光するものである。
この受光手段150は、受光部151と、光復調部152とから構成される。
受光部151は、ロボットRから照射された赤外光(赤外線信号)を直接受光するものである。光復調部152は、受光部151において受光した赤外線信号を復調して、方向検査信号(実際には、暗号化方向検査信号)を取得するものである。
受信報告信号生成手段160は、ロボットRから発信された検索信号を電波送受信手段140で受信した場合、この検索信号に含まれる受信報告要求信号にしたがって、ロボットRから発信された検索信号を受信したことを示す信号(受信報告信号)を生成するものである。
この復号化部161は、電波送受信手段140から入力された暗号化検索信号と、受光手段150から入力された暗号化方向検査信号とを復号化して、検索信号と方向検査信号とを取得する。そして、復号化部161は、取得した検索信号と方向検査信号とを後段のデータ処理部162に出力する。
ここで、本実施の形態の場合、検索信号には、検索信号を発信したロボットRを特定する識別子であるロボットIDと、前記電波を受信した検知対象Dに対し、所定の処理を命ずる受信報告要求信号とが含まれている。
また、方向検査信号には、方向検査信号を発信したロボットを特定する識別子であるロボットIDと、方向検査信号を発信した発光部を特定する発光部IDとが含まれている。
そして、受光手段150を起動状態にした後、所定時間経過するまでの間に方向検査信号が入力された場合、データ処理部162は、方向検査信号に含まれるロボットIDと、検査信号に含まれるロボットIDとを比較する。
続いて、データ処理部162は、タグ識別番号と、検索信号に含まれていたロボットIDと、そして、方向検査信号に含まれていた発光部IDとを含んで構成される受信報告信号を生成し、生成した受信報告信号を暗号化部163に出力する。
ここで、発光要求信号とは、検知装置であるロボットRに対して、赤外光を発光するように命令する信号である。
これにより、暗号化受信報告信号は、電波送受信手段140の変調部143において変調された後、送受信アンテナ141を介して、無線送信されることになる。
はじめに、図12を参照して、ロボットRの対象検知部70で行われる処理について説明する。
ここで、この方向検査信号は、ステップS1において取得されたロボットIDと、前記方向検査信号が発信される発光部を特定する発光部IDとを含んで構成される。
制御手段80の時分割部83は、暗号化された方向検査信号(暗号化方向検査信号)が入力されると、発光手段100の各発光部(LED1〜LED6)の発光順序および発光タイミングを決定し(ステップS5)、決定した発光順序および発光タイミングで、発光部(LED1〜LED6)毎に用意された暗号化方向検査信号を、対応する発光部(LED1〜LED6)の変調部に出力する(ステップS6)。
これにより、ロボットRの周囲に設けられた各探索域に対し、時分割部83で決定された順序かつタイミングで、赤外光が照射されることになる。
そして、復調部92は、取得した暗号化受信報告信号を制御手段80の復号化部84と電界強度検出部85に出力する。
そして、位置特定部81bは、エリア情報と方向情報とから検知対象Dの位置を特定し、特定した位置を示す位置情報を生成する(ステップS11)。
次に、図11に示すブロック図、そして、図13に示すフローチャートを参照して、検知対象Dである検知用タグT側で行われる処理について説明する。
その後、受信報告信号生成手段160の復号化部161は、受光手段150から入力された暗号化方向検査信号を復号化して、方向検査信号を取得する。そして、取得した方向検査信号をデータ処理部162に出力する。
最後に、図1、図4、図11に示すブロック図、そして、図14に示すフローチャートを参照して、検知対象検知システムAが会社来訪者の検知に応用された場合を例に挙げて、検知対象検知システムAの動作について説明する。
その後、端末5において入力された情報が、端末5にネットワーク4を介して接続された管理用コンピュータ3の記憶手段(図示せず)に登録される(ステップS51)。
来訪者は、端末5における入力が完了した後、検知用タグTを身につけ、訪問先に向かって移動を開始する。
一方、生成された方向検査信号は、発光手段100において変調され、赤外線信号として予め決められた探索域に照射される。(ステップS54)。
たとえば、1)検知用タグTを装着した検知対象D(人)の正面に移動し、検知対象Dの顔をカメラCで撮像する。2)検知対象D(人)に、「おはようございます」と声をかける。3)検知対象D(人)用に予め用意されていたメッセージを伝える、などの動作を行う。
以下、図16に示すフローチャートに従い、適宜図1ないし図4および図15を参照して、対話動作パターン1の処理を説明する。
図15は、対話動作パターン1の概念を説明する図であり、(a)は運搬依頼時の対話例を説明する図、(b)は運搬先人物探索時の対話例を説明する図、(c)は運搬時の対話例を説明する図である。図16は、対話動作パターン1のロボットRの動作を説明するフローチャートである。
そして、制御部40の対話制御手段40bは、音声認識部21bから入力されたテキストデータを意味解釈する。
以下、図17に示すフローチャートに従い、適宜図1ないし図4を参照して、対話動作パターン2の処理を説明する。
図17は、対話動作パターン2のロボットRの動作を説明するフローチャートである。図18は、対話動作パターン2のロボットRの動作を説明するフローチャートである。図19は、対話動作パターン2のロボットRの動作を説明するフローチャートである。
特に、対象検知部70では、人D4の検知用タグTを検出するか否かによって、人D4の席につくまでの間に、人D4とすれ違ったか否かを確認する(ステップS206でNo、ステップS207でNo)。
そして、対話動作パターン1のステップS110ないしS117の動作と同様に、ステップS210ないしS217の動作を行う。したがって、ステップS210ないしS217の処理は、ステップS110ないしステップS117において、人D1を人D3と、人D2を人D4と読み返ることにより、同様の処理となるため、ここでは説明を省略する。
以下、図21に示すフローチャートに従い、適宜図1ないし図4および図20を参照して、対話動作パターン3の処理を説明する。
図20は、対話動作パターン3の概念を説明する図であり、(a)は個人情報に基づく動作の判断例を説明する図、(b)は個人情報に基づく動作による対話例を説明する図である。図21は、対話動作パターン3のロボットRの動作を説明するフローチャートである。
また、本発明に係る移動ロボットでは、検知対象との位置関係を知ることができるので、自動車などの種々の人以外の移動体への応用も可能であり、たとえば、交通管制システムへの応用も可能である。また、対話動作パターンは、前記したパターンに限られるものではなく、動作に応じて、判断するようにすればよい。
C カメラ
D 検知対象
R ロボット
T 検知用タグ
1 基地局
2 ロボット専用ネットワーク
3 管理用コンピュータ
3a 通信手段
3b 制御手段
3c 特定情報取得手段
3d 地図情報データベース(DB)
3e データベース(DB)管理手段
3f 特定情報データベース(DB)
3g 個人情報データベース(DB)
4 ネットワーク
5 端末
10 画像処理部
20 音声処理部
30 画像送信部
40 制御部
40a 人識別手段
40b 対話制御手段
40c 動作判断手段
40d 移動先経路決定手段
40e 地図情報取得手段
40f 移動方向特定手段
40g 移動制御手段
40h 個人情報取得手段
40i 特定情報取得手段
40j 移動方向特定手段
50 自律移動制御部
60 無線通信部
70 対象検知部
80 制御手段
90 電波送受信手段
100 発光手段
110 記憶手段
140 電波送受信手段
150 受光手段
160 受信報告信号生成手段
170 記憶手段
Claims (4)
- 周辺領域へ向けて電波を送信するとともに所定の指向性の光信号を照射し、電波または光信号の少なくとも一方を受けた検知用タグからの受信報告信号を電波として受信することによって、前記検知用タグまでの距離および方向を特定して、特定した方向に向かって特定した距離まで移動する移動ロボットであって、
周辺領域へ向けて距離を特定する検索信号を電波として送信する電波発信手段と、
方向検査信号を所定の指向性の光信号として、複数の発光部から対応する周辺の探索領域毎に向けて所定の順序で照射する発光手段と、
電波または光信号の少なくとも一方を受けた検知用タグからの受信報告信号を電波として受信する電波受信手段と、
前記電波受信手段により受信された電波の電界強度に基づいて前記検知用タグまでの距離を算出し、前記電波受信手段により電波として受信された受信報告信号に基づいて、前記検知用タグの受光時に前記発光手段により照射されていた光信号の方向を前記検知用タグの存在する方向と判断し、算出した距離および判断した方向により位置を特定する位置特定手段と、
前記電波発信手段、前記電波受信手段および前記発光手段の動作を制御する制御手段と、
自らを移動させる移動手段と、
前記位置特定手段により特定された方向に向かって、特定された距離まで移動するように前記移動手段を制御する移動制御手段と、
を備えることを特徴とする移動ロボット。 - 前記移動制御手段により移動した方向および距離で特定される位置に存在する前記検知用タグを所持する人との対話を制御する対話制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の移動ロボット。
- 前記制御手段が、前記電波発信手段による電波の発信および前記電波受信手段による前記検知用タグから送信される電波の受信後に、前記発光手段による光信号の照射を実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動ロボット。
- 前記電波受信手段により前記検知用タグに記憶されているIDを受信し、このIDに基づいて個人情報を取得する個人情報取得手段と、
前記個人情報取得手段により取得した個人情報に基づいて前記検知用タグを所持する人との対話または動作を決定する動作判断手段と、
を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の移動ロボット。
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