JP4475528B2 - 同期電動機の制御装置及びその調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、交流同期電動機の制御装置及びその調整方法に係り、特に、同期電動機の回転速度や回転子位置を検出するセンサを用いず、その電気定数を測定/調整する機能を備える制御装置及びその調整方法に関する。
交流電動機の電気定数を、電動機の回転数センサ、ならびに回転子位置センサを用いることなく、インバータ等の制御装置を用いて自動で測定する技術は、特許文献1に示されている。この技術は、d−q座標上において、直流電圧、あるいは交流電圧を印加し、交流電動機の電気定数を測定する。また、特許文献2では、同期電動機に対して、任意の位相に直流分を流して、回転子位置を固定し、その上で交流を重畳して、電気定数を測定する技術が示されている。さらに、特許文献3には、パルス状の電圧を微小期間だけ電動機に印加し、電流の過渡応答から電気定数を測定する技術が開示されている。
特開昭60−183953号公報 特開2000−50700号公報 特開2001−69783号公報
特許文献1では、誘導電動機が対象であり、特に突極性を有する同期電動機への適用はできない。
また、特許文献2では、磁石磁束方向に直流を流すことで、回転子を固定しようとしているが、それとは直交するトルク軸方向への交流印加時には、直流電流による効果は得られず、回転子が振動し、測定値に誤差が生じてしまう。また、位置を固定するための直流は、定格前後の大電流であり、これを供給し続けることは、インバータの半導体デバイスにストレスがかかり、装置の寿命を著しく低下させる。
さらに、特許文献3では、パルス状の微小電圧を印加しているため、実運転時とは条件が異なり、測定値に誤差が含まれる場合がある。近年の同期電動機は、回転子構造が表面磁石形や、埋め込み磁石形、あるいは、リラクタンストルクを考慮した特殊形状のもの等、多様であり、また固定子構造においても、分布巻や集中巻、あるいはスロット数、極数等、様々な構造の電動機がある。このため、パルス状の電圧印加時の電磁現象は、通常駆動時の正弦波電圧印加時の現象とは異なる可能性が高く、測定値の精度に問題が残る。
また、近年では、エアコンや冷蔵庫といった家電製品に同期電動機が使用されるようになり、これらの機器でも電気定数の自動測定/調整が必要となっている。この場合には、回転速度センサや位置センサはもちろん用いておらず、さらに、電動機の相電流センサも用いない場合が多い。
本発明の目的は、電動機の固定子や回転子構造に依存することなく、短時間に高精度で電気定数の測定又は自動調整が可能な同期電動機の制御装置又はその調整方法を提供することである。
本発明の他の目的は、回転子を機械的に固定することなく、短時間に高精度で電気定数の測定又は自動調整が可能な同期電動機の制御装置又はその調整方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、インバータに負担を強いることなく、電気定数の自動調整が可能な同期電動機の制御装置又はその調整方法を提供することにある。
本発明はその一面において、同期電動機に対して、インバータから、当該同期電動機の最大駆動周波数の25%以上の周波数の三相不平衡交流を供給しながら、同期電動機の電気定数の測定又は制御系の調整を行うことを特徴とする。
その望ましい実施態様においては、前記三相不平衡交流の周波数を当該同期電動機の最大駆動周波数以上とする。
本発明は他の一面において、同期電動機に対して、インバータから、当該同期電動機の最大駆動周波数の25%以上の周波数の三相不平衡交流を供給しながら、同期電動機の電気定数の測定又は制御系の調整を行うに当たり、前記三相不平衡交流の周波数を設定する手段を備えたことを特徴とする。
その望ましい実施態様においては、前記三相不平衡交流の周波数を外部から設定入力する操作手段を備え、あるいは、インバータの出力周波数を変えながら適性周波数に収斂させる制御手段を備える。
本発明はさらに他の一面において、前記三相不平衡交流の供給に先立ち、インバータから同期電動機に直流を供給し、回転子位置を磁極軸に一致させることを特徴とする。
本発明の望ましい実施態様によれば、交流同期電動機の回転子位置を検出する位置センサを用いることなく、簡便な制御構成で、電動機の電気定数の自動調整が可能な電動機制御装置又はその調整方法を実現できる。
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施形態の中で明らかにする。
次に、図1〜図18を参照して、本発明による同期電動機の制御装置の実施形態を説明する。尚、以下の実施形態では、電動機として永久磁石型同期電動機(以下、PMモータと略称する)を用いて説明するが、他の同期電動機、例えば、巻線型同期電動機、リラクタンスモータなどに関しても、同様に実現可能である。
実施形態1:
図1は、本発明の実施形態1による同期電動機の制御装置のブロック図である。本実施形態1の制御装置は、まず電動機の回転数指令ωr*を発生する回転数指令発生器1と、インバータ制御器2を備えている。このインバータ制御器2は、インバータ3が出力すべき交流電圧を演算し、パルス幅変調(PWM)信号に変換してインバータ3へ出力する。次に、主回路として、前記インバータ3に電力を供給する直流電源4と、制御対象である永久磁石型同期電動機5(以下、PMモータと略称)を備えている。直流電源4は、交流電源41、整流回路を構成するダイオードブリッジ42、及び平滑コンデンサ43からなり、平滑コンデンサ43の両端に直流電圧V0を発生する。この直流電源4からインバータ3への直流路には、直流電流IDCを検出する電流検出器6を備えている。
制御器2内において、電流再現器7は、検出電流IDCを入力して、PMモータ5に流れる三相交流電流Iu、Iv、Iwを演算により再現する。再現された三相交流電流Iuc、Ivc、Iwcは、座標変換器8により、制御器内部で仮定しているPMモータの位相角θdcによって、d、q各軸上の成分Idc、Iqcに座標変換される。電圧指令演算器9は、速度指令ωr*と、電流検出値Idc、Iqcとに基づいて、PMモータ5を通常駆動するための電圧指令Vdc*、Vqc*を演算する。dq逆変換器10は、電圧指令Vdc*、Vqc*を、三相交流電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に変換する。PWMパルス発生器11は、三相交流電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に基づいて、インバータ3をスイッチング制御するためのパルス幅変調(PWM)信号を発生する。電圧指令切り替え器12は、通常駆動モードと、PMモータの電気定数自動測定/調整モードとの間で、電圧指令の切り替えを行う。同様に、位相指令切り替え器13は、位相指令を切り替える。測定用周波数設定器14は、電気定数自動測定/調整モードでの測定用交流の周波数ω1tを設定する。モータ定数自動調整器15は、周波数ω1tを入力し、電気定数測定に必要な印加電圧指令Vdc*、Vqc*を発生し、同時に、検出電流Idc、Iqcから、PMモータ5の電気定数Ld,Lqを計算して出力する。零位相指令発生器16は、電気定数自動測定/調整時に、制御器内部の位相を零に固定する役目を持つ。最後に、モード切替器17は、外部からの指令により、制御器2の動作モードを、通常駆動と電気定数自動測定モードとの間に切り替える。
次に、図1を用いて、本実施形態1の動作原理を説明する。
本実施形態では、制御器2の動作モードとして、PMモータ5の通常駆動モードと、電気定数自動測定モードの2つのモードがあり、これらは、モード切替器17からの信号によって切り替えられる。通常駆動時は、電圧指令切り替え器12と、位相指令切り替え器13が、図示する状態の「0」側に切り替えられ、また、自動測定モードでは、「1」側に切り替えられる。
まず初めに、通常駆動モードについて説明する。回転数指令発生器1から、デジタルやアナログ等の通信手段により、電動機の回転数指令ωr*が電圧指令演算器9に与えられる。電圧指令演算器9では、回転数指令ωr*、ならびに検出電流Idc、Iqcに基づき、PMモータ駆動に必要な電圧指令Vdc*、Vqc*、ならびに、PMモータ5への印加電圧の交流位相θdcの演算を行う。
電流再現器7では、電流検出器6で検出した電源電流IDCとPWM信号に基づき、特開平8−19263号公報等に記載された手法によって、PMモータの三相交流電流を演算により再現する。次に、座標変換器8において、再現された交流電流Iuc、Ivc、Iwcを、交流位相θdcに基づき、角周波数ω1*で回転する回転座標軸(dq軸)上の電流成分Idc、Iqcに変換する。一方、Vdc*、Vqc*は、dq座標逆変換器10によって、再び交流量に変換され、さらに、PWMパルス発生器11において、パルス幅変調波信号に変換されて、インバータ3へ送られる。これらの基本動作に関しては、特開2002−272194号公報に記載されている手法と同様のものである。
次に、本発明の特徴である自動測定モードの動作について説明する。
自動測定モードでは、測定用周波数設定器14に設定された角周波数ω1tで変化する交流周波数を、Vdc*、ならびにVqc*に印加し、PMモータ5に交流を流す。この電流と電圧の関係から、PMモータ5のd軸インダクタンスLd、ならびにq軸インダクタンスLqを演算する。これらの動作を、図2の処理フロー、ならびに図3のPMモータの相電流波形を用いて説明する。
図2は、この実施形態1による同期電動機制御装置の自動測定処理フロー図である。まず初めに、ステップ201において、測定用周波数ω1tを零とし、ステップ202において、直流電圧VdをPMモータのVdc*入力端子に徐々に印加する。
図3は、この実施形態1による同期電動機制御装置における電動機電流波形図である。まず、図3の期間(1)に示すように、直流電流Iu〜Iwを徐々に増加するように、ランプ状に電圧Vdc*を増やしていく。こうすることで、PMモータ5の回転子位置が、制御上のdc軸(磁石磁束軸)に一致する。
次に、ステップ203において、測定用周波数ω1tを、PMモータ5の通常駆動に使用される最高回転速度に一致する電気角周波数ω1maxに設定する。そして、ステップ204において、d軸電圧指令Vdc*を単純正弦波とすることによって、PMモータ5に三相不平衡交流電圧を印加する。ステップ205では、このときに検出される電流値に基づいて、d軸のインダクタンスLdを演算する。
次に、ステップ206で、d軸電圧指令Vdc*を零にし、q軸電圧指令Vqc*を正弦波として、PMモータに三相不平衡交流電圧を印加する。ステップ207では、同様に、検出電流値に基づいて、q軸のインダクタンスLqを演算する。
以上のステップ204〜207が、図3における三相不平衡交流を印加しての電動機定数自動測定モード期間(2)であり、PMモータ5の電流波形は、図に示すような三相不平衡の交流電流となる。
その後、通常駆動モードの期間(3)に入り、インバータ3からPMモータ5へ三相平衡交流を供給し、PMモータ5を駆動する。
本実施形態で重要となるのは、測定用周波数ω1tの設定である。d軸上に交流電圧を印加しても、PMモータ5にトルクは発生しないが、q軸上の電流に対しては、基本的にトルクが発生する。しかしながら、測定用周波数ω1tをPMモータ5の最大速度周波数ω1maxと同じ周波数(ω1t=ω1max)とすることで、q軸インダクタンスLq測定時の回転子の変動を抑制している。この原理を、図4を用いて説明する。
図4は、本発明の実施形態1による交流電動機制御装置におけるトルク電流から回転子位相までの伝達関数を示すブロック図である。同図(a)は、トルク電流Iqから、PMモータの位相変化までを伝達関数で表わしたものである。Iqと位相角θdcの関係は、モータの極数P、磁石磁束Φ、機械系の慣性J、等の関数で表わされる。尚、図における記号は、Tm:発生トルク、ωr:PMモータの回転数、ω1:電気角周波数を意味する。ここで、Iqが変動する交流成分ΔIqであるとすると、伝達関数は図4(b)のようになる。ΔIqによって、位相角が変動するものとし、この大きさをΔθとする。すると、同図(c)に示すように、Δθは、ω1tの2乗に反比例することになる。
すなわち、回転子をできるだけ変化させずに、固定された状態でインダクタンスを測定するには、測定時の交流周波数をできる限り高くした方が良いことが分かる。しかしながら、通常駆動時とかけ離れた周波数では、逆に、PMモータの周波数特性の影響が現れてしまい、測定誤差が拡大する可能性があり、むやみに高くすることも好ましくない。市販のエアコン用のあるモータの場合、そのモータの最高回転周波数の25%の測定用周波数でも、満足できる精度でモータ定数を測定することができた。
ところで実施形態1では、測定用周波数ω1tをPMモータの最高駆動周波数ω1maxにしている。このように、測定用周波数ω1tを、PMモータの最高駆動周波数ω1max以上とした場合には、特殊用途のモータで無い限り、十分な精度でモータ定数の測定/調整が可能である。PMモータの磁気回路特性から考えれば、最大速度周波数より数割程度高めであっても、大きな問題はない。
また、PMモータの用途が、例えば冷蔵庫やエアコンのように、ある程度限られると、その容量と回転数から、機械系の慣性Jをある程度想定できる。その場合、位相角θの変動幅を、例えば±5度以内などと規定し、図4(d)に示すように、式(1)から、測定用周波数ω1tを設定することが可能である。
Figure 0004475528
また、このとき、必要な磁石磁束Φも、PMモータの容量、定格電圧、回転数が既知であれば、常識的な値として、設定も可能である。
さらに、本実施形態1では、直流をランプ状に増加させて回転子の位置合わせを行ったが、低温時の油圧ポンプ等、粘性の強い負荷であれば、ステップ状の直流を印加しても問題はない。さらに、直流を通電しなくても、仮に、d軸位置が既知であれば、直流電流の通電は不要である。例えば、特開2002−078392号公報に示すような、初期位置推定手法を用いれば、直流通電は不要である。
以上、本発明の第1の実施形態によれば、PMモータの回転子を固定することなく、精度よく電気定数のインダクタンスを測定/調整することが可能である。特に、測定中に直流電流を流し続ける必要はなく、直流連続通電によるインバータ構成デバイスへの負担を低減でき、インバータの故障を防止できる。
尚、本実施形態(ならびに、この後の実施形態)においては、電流検出方法として、インバータの直流電流を検出する手法を用いているが、PMモータの相電流検出器を備えて、直接相電流を検出すれば、電流再現器7は不要となる。
実施形態2:
次に、図5〜図7を用いて、本発明による実施形態2について説明する。
前述実施形態1では、自動測定モードでの測定用周波数を、PMモータの最大駆動周波数(最大電気角周波数)に一致させるものであった。このとき、PMモータの回転子がどの程度変動し、測定結果にどの程度の誤差をもたらすかは、機械系の慣性Jに依存する。そこで、本実施形態2においては、これを考慮した制御装置を提供する。
図5は、本発明の実施形態2による同期電動機制御装置の制御ブロックの部分図である。本実施形態における測定用周波数設定器14Bと、モータ定数自動調整器15Bの関係のみを示しており、これを、図1の14、15の代わりに用いるのが実施形態2である。その動作を、図6の処理フロー、ならびに図7の波形を用いて説明する。
図6は、本発明の実施形態2による同期電動機制御装置の自動測定処理フローである。
図7は、本発明の実施形態2による同期電動機制御装置における測定交流の周波数、電動機の電流波形、及びインダクタンス測定結果の時間変化を示すグラフである。
まず、図6において、ステップ201〜205は、図2同一符号のステップと同じであり、インダクタンスLdを測定する。
ステップ601において、測定用周波数ω1tを、PMモータ5の駆動周波数範囲の任意の周波数に設定し、d軸電圧指令Vdc*をゼロとするとともに、q軸電圧指令Vqc*を単純正弦波とすることによって、PMモータ5に三相不平衡交流電圧を印加する。ステップ602では、このときに検出される電流値に基づいて、q軸のインダクタンスLqを演算する。この測定結果を、図7における1回目のLqの値Lq0として、ステップ603で記憶させる。次に、ステップ604において、測定用周波数ω1tを若干増加させ、ステップ605では、再び検出される電流値に基づいて、q軸のインダクタンスLqを演算する。ステップ606では、今回得られたインダクタンスLqを、前回記憶させておいたインダクタンスLq0と比較し、その差ΔLqが大きければ、例えば5%を越えていれば、ステップ603に戻ってこの動作を繰り返す。この繰り返しで、測定用周波数を増加させて、Lqの値を収束させていく。この間、PMモータ5の相電流は、図7(b)に示すように、段階的に高い周波数となる。前回得られた値と今回得られた値との差が、所定の、例えば5%の範囲内に収まると、周波数の依存性はない、つまり、回転子変動が影響していないとみなすことができる。したがって、ステップ607に進んで、今回得られた値をq軸のインダクタンスLqとして決定して、図7(c)に示すように、測定を終了する。
測定に使用する周波数は、できるだけ実運転条件に近い周波数であることが好ましい。しかしながら、回転子が振動すると、Lqの測定値には、Ldの影響が含まれ、誤差が大きくなる。これは、本実施形態の採用によって、大幅に改善されることになる。
実施形態3:
次に、図8〜図9を用いて、本発明による実施形態3について説明する。
実施形態1、2で示したように、電気定数を測定するために、交流を電動機に流す必要がある。しかしながら、定格電流に近い交流を一気に流し込むと、それがトリガーとなって、回転子が振動を始める恐れがある。
図8は、この問題を解決する本発明の実施形態3による同期電動機制御装置の制御ブロック部分図である。図1におけるモータ定数自動調整器15の代わりに、図8のモータ定数自動調整器15Cを用いることで、振動の生じ難い装置を実現できる。
図8において、モータ定数自動調整器15Cは、Ld測定器18と、Lq測定器19から構成されている。両者の内部構成は同じであり、Ld測定器18のみ具体構成を示している。まず、定数測定時に印加電圧の振幅を決定する測定電圧振幅指令器20と、その指令の変化率に制限を与えるレイト制限器21を備えている。次に、測定用周波数ω1tを受けて正弦波状の関数を出力する交流関数発生器22と、この交流関数発生器22の出力と、前記レイト制限器21の出力の積を演算する掛算器23を備えている。さらに、検出電流Idc(又はIqc)に基づいて、インダクタンスLd(又はLq)を演算するLd(又はLq)演算器24を備えている。
図9は、本発明の実施形態3による同期電動機制御装置における電気定数測定モードでの電動機電流波形図である。
次に、図8の動作について、図9の電動機電流波形を参照しながら説明する。測定電圧は、d軸→q軸の順に印加され、これらの動作は、測定電圧振幅指令器20にプログラムされている。測定電圧振幅指令器20から、ステップ状の電圧が出力されるが、レイト制限器21によって、その変化率が制限される。変化率が制限された振幅指令と、交流関数発生器22から出力する正弦波関数を、乗算器23にて乗算し、Vdc*(又はVqc*)とし、これに応じた測定用の不平衡三相交流をPMモータに印加する。印加電圧は、振幅値が徐々に増加する交流であるため、図9に示すように、その電流値も徐々に増加する。この結果、外乱としての影響が少なくなり、振動が生じなくなる。また、測定終了時においても、電圧振幅を徐々に低減させ、モータの振動を防いでいる。
以上、本実施形態3によれば、インダクタンス等の定数測定のための交流の振幅を、徐々に増減することが可能となり、回転子の振動をさらに効果的に防止できる。尚、d軸のインダクタンスを測定する際には、レイト制限の効果が少ないため、q軸インダクタンス測定時のみにレイト制限を用いることもできる。
実施形態4:
次に、図10を用いて、本発明による実施形態4について説明する。
実施形態1〜3で示したように、電気定数を測定するために、交流電圧の印加と、それに伴う交流電流の検出値から、電動機定数を測定する必要がある。その場合、印加電圧と検出電流の関係を、位相情報まで含めて分析する必要がある。通常、フーリエ級数展開を導入するのが一般的である。しかしながら、数値演算処理により、フーリエ級数展開を正確に実現するのは、ソフト処理の負荷が増大し、問題である。特に、電動機定格に応じて、測定用周波数ω1tを変更する場合には、刻み周期や積分期間などを適切に設定する必要が生じる。そこで、本実施形態では、簡易的な手法により、交流電圧波形の作成と、検出電流の成分分析を同時に行い、インダクタンス、ならびに抵抗成分を同時に求める手法を提供する。
図10は、本発明の実施形態4による同期電動機制御装置のLd測定器の機能ブロック図である。このLd測定器18Dと同様の構成のLq測定器をも用意し、これまでの実施形態1〜3に用いることで、精度の高い定数自動調整装置を実現できる。
図10に示すLd測定器18Dは、図8と同じ測定電圧振幅指令器20、レイト制限器21及び乗算器23と、PMモータ5の抵抗R及びインダクタンスLを演算するRL演算器25とからなる。このRL演算器25は、測定用周波数ω1tを積分して、位相角θ1tを出力する積分器26と、測定用周波数θ1tに基づいて、正弦及び余弦波をそれぞれ出力する正弦波及び余弦波発生器27,28を備えている。また、これら正弦/余弦波形と電流検出値Idcを乗算する乗算器29,30と、これらの積を入力して、脈動成分をカットする1次遅れフィルタ31,32を備えている。さらに、測定電圧振幅指令Vt、1次遅れフィルタ31,32の出力、並びに測定用周波数ω1tに基づいて、電動機の電気定数Ld(又はLq)を演算する定数演算器33を備えて構成されている。
次に、Ld測定器18Dの動作について説明する。
測定電圧振幅指令Vtは、実施形態3の動作と同様に作成される。このVtと、余弦波発生器28の出力の積により、Vdc*は、(2)式で表わされ、PMモータ5に交流電圧が印加される。
Figure 0004475528
一方、検出電流Idcは、Vdc*に対して遅れ位相となるので、(3)式となる。
Figure 0004475528
(3)式は、(4)式のように置き換えることができる。
Figure 0004475528
このIdcに対して、例えば正弦波関数を乗じると、(5)式となり、直流成分と2倍の脈動成分に分離される。
Figure 0004475528
この波形に、図10における1次遅れフィルタ31を介して、直流分のみを出力すると、Idsin(正弦波成分)が得られることになる。
同様に、余弦波を(4)式に乗じ、フィルタ32を介することで、Idcos(余弦波成分)が抽出できる。このとき、1次遅れフィルタ31,32の時定数TLFを、ある程度以上に設定しておけば、周波数ω1tを可変としても大きな問題はない。よって、フーリエ級数展開や、FFTのような処理を用いなくても、簡便に実現可能である。
したがって、二つの1次遅れフィルタ31,32の出力は、それぞれIdcの正弦波成分Idsin、余弦波成分Idcosとなる。Vdc*としては、余弦波を与えているので、これらの関係から、(6)式により、定数演算器33にてLdやRを求める。
Figure 0004475528
尚、本実施例では、d軸の電気定数を例に説明したが、q軸でも全く同様にLq、Rを演算することができる。
このように本発明の第4の実施形態によれば、交流電圧によって流れる電流を、簡便な構成で成分分離し、電動機の電気定数を求めることができる。
実施形態5:
次に、図11を用いて、本発明による実施形態5について説明する。
前述の実施形態4は、電気定数を測定するために、交流電圧を印加し、それに伴う交流電流の検出値を交流電圧の同相成分と90度位相の異なる成分に分離し、電気定数を演算するものであった。
電動機の電気定数としては、特にインダクタンスは磁気飽和の影響を受けやすく、測定電流値によって、値が変化してしまうことが知られている。このため、本来は、電圧を印加するのではなく、電流値を所定値、例えば、モータ定格電流だけ流し、電気定数を測定するようにした方がよい。
本実施形態によれば、電流値をパラメータとした、電気定数の自動測定が可能になる。
図11は、本発明の実施形態5による同期電動機制御装置におけるLd測定器18Eの機能ブロック図である。前述の実施形態におけるLd測定器18Dの代わりに、本実施形態を用いることで、電流値をパラメータとした定数自動調整装置を実現できる。
図11において、測定電流振幅指令器34により、電流指令の大きさを設定する。この実施形態では、レイト制限器は付加していないが、これまでの実施例のように付加することも可能である。本実施形態においては、信号の加算、あるいは減算を行う加減算器35,36と、積分補償器37,38と、定数演算器39、加算器40及び乗算器44,45が新たな部品として使用されている。これらに加えて、これまでの実施形態で説明したような零位相指令発生器16、積分器26、正弦波発生器27、余弦波発生器28、乗算器29,30、並びに1次遅れフィルタ31,32を備えている。
次に、Ld測定器18Eの動作について説明する。
電流検出値Idcに対し、乗算器29,30によって、余弦波関数、正弦波関数と掛け算され、それらの乗算値がそれぞれ1次遅れフィルタ31,32に入力され、直流成分のみが出力される。ここまでの動作は、前述の簡易型フーリエ級数展開と全く同様である。この後、IdsinとIdcosのそれぞれの成分に対して、指令値との差分値が、加減算器35,36で演算される。Idsinに対しては、測定電流振幅指令器34から出力されるItと差分が計算され、この差が零になるように、積分補償器37により出力電圧Vdsinが演算される。同様に、Idcosに対して、零位相指令発生器16によって、零に制御されるようにVdcosが演算される。Vdsin、Vdcosは、乗算器44,45において、それぞれ正弦波/余弦波の関数と掛け算される。これらは、加算器40で両者が加算された後に、電動機に印加するための電圧指令Vdc*となる。本実施形態においては、電流値の正弦波/余弦波成分のそれぞれが、指令値に一致するようにフィードバック制御されることに特徴がある。定数演算器39では、Vdsin、Vdcos、ω1t、ならびにItの値を用いて、(7)式に従って電動機定数を演算する。
Figure 0004475528
尚、本実施例では、d軸の電気定数を例に説明したが、q軸でも全く同様に、Lq、Rを演算することができる。
このように、本発明の第5の実施形態によれば、電流の大きさをパラメータとして、簡便な構成で電動機の電気定数を求めることができる。これによって、電流値に対する磁気飽和特性の測定が可能となり、制御精度がさらに向上する。
実施形態6:
次に、図12を用いて、本発明による実施形態6について説明する。
前述の実施形態5は、電流振幅をパラメータとして定数を自動測定するものであった。このように、フィードバック制御を導入することで、電流値をパラメータとして測定を行うことは可能ではあるが、フィードバックゲインの設定方法に問題が生じる。すなわち、電流値を所定値に速やかに一致させるには、制御対象のパラメータに応じて、制御ゲイン(図11では積分補償器34のゲインKiL)を適切な値に設定しなければならない。しかしながら、電気定数が全くの未知である場合は、最良に設定することは不可能であり、応答をある程度犠牲にする必要がある。最悪の場合、発散振動が収まらず、測定不能に陥る可能性もある。冷蔵庫用モータなど、用途が限られれば、ある程度のゲイン設定は可能であるが、より、範囲の広い分野で、定数の自動測定を行うには問題がある。
そこで、本実施形態では、汎用性をさらに拡大し、かつ、電流値をパラメータとして測定できる制御装置を提供する。
図12は、本発明の実施形態6による同期電動機制御装置のLd測定器の機能ブロック図である。Ld測定器18Fは、基本構成を図10の実施形態としているが、電圧振幅指令の与え方が、大きく異なっている。図12のLd測定器18Fは、新たな部品として、測定電圧振幅増加率設定器46、積分器47、測定電流振幅設定器48、電流振幅演算器49、並びに信号の比較器50を追加している。RL演算器25は、前述の実施形態4(図10)と全く同様であるが、Idsin及びIqsinを電流振幅演算器49へ出力している点のみが異なっている。
次に、Ld測定器18Fの動作について説明する。
測定電圧振幅増加率設定器46では、PMモータへ印加する交流電圧の振幅を徐々に増加するための増加率dVを設定する。例えば、1秒間で定格電圧の10%などのように、dVの設定を行う。切り替え器13では、比較器50の出力に応じて、スイッチを「1」か「0」に切り替える、「1」の場合にはdVがそのまま出力され、「0」の場合は零が出力される。積分器47では、切り替え器13の出力に応じて積分を実施する。一方で、電流振幅演算器49では、Idcos、Idsinの値に基づいて、(8)式で電流振幅I0を演算する。
Figure 0004475528
この値と、測定電流振幅設定器48の出力Itとを、比較器50にて比較し、It>I0であれば切り替え器13を「1」側に、It<I0であれば、「0」側に切り替える。この結果、定数測定の交流電圧は、振幅値が零から徐々に増加を続け、I0=Itとなった時点で、増加を停止する。すなわち、電流フィードバック制御を導入することなく、フィードフォワード的に電流値を所定値に設定することが可能になる。この結果、自動測定の対象となる電動機の電気定数範囲が拡大し、どのような用途のPMモータであっても、無調整で定数の測定が可能となる。本手法も、広い意味でのフィードバック制御ではあるが、線形性を失くすことによって、逆に未知モータに対する汎用性を拡大しているところに大きな特長がある。
尚、本実施形態では、d軸の電気定数を例に説明したが、q軸でも全く同様にLq、Rを演算することができる。
このように本発明の第6の実施形態によれば、電流の大きさをパラメータとして、汎用性の極めて高い電気定数の自動測定を実現できる。
実施形態7:
次に、図13〜図16を用いて、本発明の実施形態7について説明する。
実施形態1で述べたように、本制御装置における電流検出器としては、図1に示すようなインバータの直流電流を検出するものを用いている。電流検出器6は、実際には、シャント抵抗器など、安価で、小型実装が可能なものが用いられている。
本実施形態7は、この直流電流からモータ電流を検出する手段に関するものである。
図13は、本発明の実施形態7による同期電動機制御装置における通常駆動モードと、定数測定モードの印加電圧指令の比較図であり、両モードでの電圧波形の違いを示している。ここで、同図(a)の通常駆動時は、平衡三相交流電圧が印加されていることが分かり、一方、同図(b)の自動調整(オートチューニング)を含む定数測定モードでは、このバランスが極端に崩れた三相不平衡電圧を印加している。特に、図13(b)の零クロス付近の区間Pでは、同時にすべての電圧指令が零になってしまうことが分かる。これに伴う電流検出上の課題を、図14を参照して説明する。
図14は、本発明の実施形態7による同期電動機制御装置における課題を示す電流と電圧の波形図である。図において、印加電圧VuとIuは、ほとんど90度の位相差を持っている。すなわち、測定用周波数ω1tが高周波であることで、殆んど誘導性負荷になっている。この結果、電流Iuのピーク付近の区間Pでは、相電圧Vuはゼロに近い。すべての相電圧が零の条件では、電流検出器6には電流が流れず、電流ピーク近傍の区間Pにおいて直流電流IDCは流れておらず、観測不可能となってしまう。このように、電流ピーク近傍を省いた電流検出となり、その精度が低下してしまう。
図15は、本発明の実施形態7による同期電動機制御装置の部分機能ブロック図であり、モータ定数自動調整器15Gを示す。図15が、これまでの実施形態(例えば、図8など)と大きく異なる点は、Ld測定器18及びLq測定器19から出力されるVdc*、Vqc*に対して、その大きさの下限リミッタ51,52を設けている点である。この結果、零クロス近傍の電圧指令の低下が阻止され、電流検出を行うことが可能になる。
図16は、本発明の実施形態7による同期電動機制御装置での電流、電圧波形図である。図示するように、零クロス近傍の区間Pにおいて各相電圧の下限値が制限され、PWM制御に伴う直流路の電流は存在することとなる。一方、電圧指令に補正が加わることになるが、電圧の零クロス近傍の誤差は、大局的にはほとんど影響がなく、精度の高い電流検出を可能とすることができ、本方式は実用上、極めて有効な手法になる。
また、実際にインバータ回路をIGBTを用いて構成する場合には、電圧指令絶対値の下限値として出力パルス幅を目安にすればよい。スイッチング動作に伴うリンギング現象を考慮し、最小でも10μsの通電幅が確保されるようにすれば、電流検出は可能となる。
実施形態8:
図17は、本発明の実施形態8による同期電動機の制御装置の全体外観構成図である。
図において、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略称)53には、図1の回転数指令発生器1とモード切替器17が含まれている。以下、同様に、図1の符号2、3、5、6、41、42、43と同一符号は、それぞれ、同一部品を示す。マイコン53から通信線54を通して、パワーモジュール55に指令が伝えられる。このパワーモジュール55は、図1の制御器2、インバータ3、電流検出器6、及びダイオードブリッジ42を一体化し、小形化したものである。その他、パワーモジュール55には、交流電源41、平滑コンデンサ43、及びPMモータ5を配線することで、PMモータ5の電気定数を自動測定/調整が可能な同期電動機の制御装置を実現できる。
本実施形態では、制御器2やインバータ3をモジュール化することで、装置全体の小形化を実現でき、どのようなモータ5であっても、簡単に駆動できる制御装置としての機動性を高め、その汎用性を拡大することができる。
実施形態9:
次に、図18を用いて、本発明による実施形態9について説明する。
図18は、本発明をエアコンに適用した実施形態9の制御装置の外観構成図である。図」において、符号2、3、6、42、及び43は、それぞれ、実施形態1(図1)、および実施形態8(図17)と同一部分を表わしている。本実施形態は、モータを内蔵した圧縮機56を、制御器2、インバータ3、電流検出器6、及びダイオードブリッジ42を組み込んだパワーモジュール55で制御するエアコンの室外機57を構成したものである。エアコン等の圧縮機56は、密閉状態の圧縮機56の内部にPMモータ5が組み込まれており、PMモータ5の回転数や、磁石磁束の位置などの検出は困難である。
しかしながら、本発明による制御装置をパワーモジュール55として組み込むことで、モータの回転数や位置を検出せずに、また、モータ5を圧縮機56に内蔵した状態で、モータ5の電気定数の自動測定/調整が可能である。
尚、実施形態として、エアコンを例に説明したが、その他の電気機器、例えば、パッケージエアコンや、冷蔵庫等の場合にも、同様の効果が得られる。
本発明の実施形態1による同期電動機の制御装置の制御ブロック図。 本発明の実施形態1による同期電動機制御装置の自動測定処理フロー図。 本発明の実施形態1による同期電動機制御装置における電動機電流波形図。 本発明の実施形態1による交流電動機制御装置におけるトルク電流から回転子位相までの伝達関数を示すブロック図。 本発明の実施形態2による同期電動機制御装置の制御ブロックの部分図。 本発明の実施形態2による同期電動機制御装置の自動測定処理フロー図。 本発明の実施形態2による同期電動機制御装置における測定交流の周波数、電動機の電流波形、及びインダクタンス測定結果の時間変化を示すグラフ。 本発明の実施形態3による同期電動機制御装置の制御ブロックの部分図。 本発明の実施形態3による同期電動機制御装置における電動機電流波形図。 本発明の実施形態4による同期電動機制御装置のLd測定器の機能ブロック図。 本発明の実施形態5による同期電動機制御装置のLd測定器の機能ブロック図。 本発明の実施形態6による同期電動機制御装置のLd測定器の機能ブロック図。 本発明の実施形態7による同期電動機制御装置における通常駆動時と、定数測定時の印加電圧指令の比較を示す図。 本発明の実施形態7による同期電動機制御装置における課題を示す電流と電圧の波形図。 本発明の実施形態7による同期電動機制御装置の部分機能ブロック図。 本発明の実施形態7による同期電動機制御装置での電流、電圧波形図。 本発明の実施形態8による同期電動機制御装置を適用した外観構成図。 本発明をエアコンに適用した実施形態9の制御装置の外観構成図。
符号の説明
1…回転数指令発生器、2…制御器、3…インバータ、4…直流電源、5…PMモータ、6…電流検出器、7…電流再現器、8…座標変換器、9…電圧指令演算器、10…dq逆変換器、11…PWMパルス発生器、12…電圧指令切り替え器、13…位相指令切り替え器、14…測定用周波数設定器、15…モータ定数自動調整器、16…零位相指令発生器、17…モード切替器、41…交流電源、42…ダイオードブリッジ、43…平滑コンデンサ。

Claims (17)

  1. 直流電源と、この直流電源から給電され交流を出力するインバータと、このインバータをパルス幅変調制御するPWM制御部と、前記インバータの出力交流を給電される同期電動機と、この同期電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記同期電動機に対する速度指令に基づいて前記PWM制御部に作用して前記同期電動機を可変速駆動する駆動制御装置とを備えた同期電動機の制御装置において、前記駆動制御装置は、前記インバータに、前記同期電動機の最大駆動周波数の25%以上の周波数で、かつ三相不平衡の交流を出力させるとともに、この三相不平衡交流の出力時の前記電流検出手段の出力に基いて前記同期電動機の定数を演算する定数測定制御手段を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  2. 請求項1において、前記三相不平衡の交流の周波数を、前記同期電動機の最大駆動周波数以上に設定したことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  3. 請求項1において、前記インバータに、前記三相不平衡の交流を出力するに先立ち、直流を出力させる手段を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  4. 請求項3において、前記直流電流を漸増させる手段を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  5. 請求項1において、前記三相不平衡の交流電流を漸増させる手段を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  6. 請求項1において、前記三相不平衡の交流電圧の上限値を規制する下限リミッタを備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  7. 請求項1において、前記電流検出手段を、前記インバータの直流側の電流を検出するように構成し、その電流検出通電幅を10μs以上確保するように構成したことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  8. 請求項1において、前記三相不平衡の交流電流の正弦波及び余弦波成分の大きさを指令する手段と、前記電流検出手段の出力電流の正弦波及び余弦波成分を導出する手段と、これらの正弦波及び余弦波成分が、前記指令の各成分と一致するように制御する手段を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  9. 請求項1において、前記定数測定制御手段を含む前記駆動制御装置を構成するマイクロプロセッサーを備え、前記インバータの主回路、前記電流検出手段、並びに前記マイクロプロセッサーとを一体に形成したモジュールを備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  10. 請求項1において、前記駆動制御装置により駆動される前記同期電動機が、空調機、あるいは、冷凍又は冷蔵用の圧縮機に組み込まれたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  11. 直流電源と、この直流電源から給電され交流を出力するインバータと、このインバータをパルス幅変調制御するPWM制御部と、前記インバータの出力交流を給電される同期電動機と、この同期電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記同期電動機に対する速度指令に基づいて前記PWM制御部に作用して前記同期電動機を可変速駆動する駆動制御装置とを備えた同期電動機の制御装置において、前記同期電動機の電気定数測定用の周波数を設定する周波数設定手段と、前記インバータに、前記周波数設定手段で設定された周波数の三相不平衡の交流を出力させる手段と、この三相不平衡交流の出力時の前記電流検出手段の出力に基いて前記同期電動機の電気定数を演算する手段を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  12. 請求項1において、前記周波数設定手段は、前記三相不平衡交流の出力時に、その周波数を連続的又は段階的に変化させる手段を備え、前記電気定数を演算する手段は、これらの各周波数の下で、前記電流検出手段の出力に基いて前記同期電動機の電気定数を演算する手段を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  13. 請求項1において、前記周波数設定手段は、前記三相不平衡交流の出力時に、その周波数を連続的又は段階的に変化させる手段と、これらの各周波数の下での前記電流検出手段の出力に基いて前記同期電動機の電気定数を演算する手段と、これらの演算値が所定内に収斂したときの電気定数を前記駆動制御装置に設定する手段を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  14. 直流電源と、この直流電源から給電され交流を出力するインバータと、このインバータをパルス幅変調制御するPWM制御部と、前記インバータの出力交流を給電される同期電動機と、この同期電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記同期電動機に対する速度指令に基づいて前記PWM制御部に作用して前記同期電動機を可変速駆動する駆動制御装置とを備えた同期電動機制御装置の調整方法において、前記インバータから前記同期電動機に、三相不平衡の交流を供給させるステップと、この三相不平衡交流の供給時の前記電流検出手段の出力に基いて前記同期電動機の定数を演算するステップを備えたことを特徴とする同期電動機制御装置の調整方法。
  15. 請求項1において、前記三相不平衡交流の周波数を、前記同期電動機の最大駆動周波数の25%以上の周波数に設定するステップを備えたことを特徴とする同期電動機制御装置の調整方法。
  16. 請求項1において、前記三相不平衡の交流を供給させるステップに先立ち、前記インバータから前記同期電動機に直流を供給させるステップを備えたことを特徴とする同期電動機制御装置の調整方法。
  17. 請求項1において、前記三相不平衡の交流を供給させるステップは、この三相不平衡交流の周波数を連続的又は段階的に変化させるステップと、前記各周波数の三相不平衡交流供給時に、前記電流検出手段の出力に基いて前記同期電動機の電気定数を演算するステップと、この演算結果の変化が所定内に収まったときの定数を前記駆動制御装置に設定するステップを備えたことを特徴とする同期電動機制御装置の調整方法。
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