JP4470303B2 - 定尺切断シート状材料の移載方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、定尺切断シート状材料の移載方法及びその装置に係わり、更に詳しくは定尺切断された送りコンベヤ上のシート状材料の位置精度を保持した状態で板状トレイ上に移載することを可能とした定尺切断シート状材料の移載方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤ構成材料として使用される定尺切断されたシート状材料(例えば、キャップトレッド,サイドトレッド,インナーライナー,カーカス等)を、送りコンベヤ上から板状トレイ上に移載する技術として、押出しトレーンの自動取り上げ装置が知られている。
【0003】
この自動取り上げ装置は、コンベヤ上のアームから定尺切断されたシート状材料を板状トレイ上に自重落下させるタイプであり、このため位置決めされたシート状材料を板状トレイ上に乗せる位置精度としては非常に悪いものであった。
【0004】
即ち、定尺切断されたシート状材料は、定尺切断された時点では送りコンベヤ上での位置精度を保っているが、板状トレイ上に乗り移らせる時、シート状材料が何ら拘束されずにフリー状態になるため、板状トレイ上に乗った時点では位置精度が崩れてしまうことが有る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、板状トレイ上に乗せた定尺切断されたシート状材料を、成形工程で自動的にアプライする為には、板状トレイ上の材料位置精度が必要となるが、上記のような従来の装置では必要精度が確保できず、自動化の妨げとなっていた。
【0006】
この発明の目的は、定尺切断されて送られて来るシート状材料を、コンベヤ上の位置精度を保持した状態で板状トレイに移載可能にすることで、成形工程での自動化を促進でき、製品精度を高めて生産性の向上を図ることが出来る定尺切断シート状材料の移載方法及びその装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の定尺切断シート状材料の移載方法は、送りコンベヤにより搬送されて来る定尺切断されたシート状材料を回転駆動可能な転写ロールに巻付け、この転写ロールに巻付けられているシート状材料の先端に板状トレイを押圧し、前記転写ロールまたは板状トレイの少なくとも一方を移動させながら転写ロールに巻付けられているシート状材料を板状トレイ上に移載して、前記送りコンベヤにより搬送されて来るシート状材料を、表裏面を反転させた状態で板状トレイ上に移載するようにしたことを要旨とするものである。
【0008】
このようにすることで、定尺切断されたシート状材料は、コンベヤ上の位置精度を保持した状態で板状トレイに移載することが可能となり、成形工程での自動化を促進できるものである。
【0009】
また、この発明の定尺切断シート状材料の移載装置は、定尺切断されたシート状材料を搬送する送りコンベヤと、この送りコンベヤの先端側に設置され、かつ搬送されて来る前記シート状材料を外周面に巻付ける回転駆動かつ移動可能な転写ロールと、この転写ロールに巻付けられているシート状材料を移載する昇降かつ水平移動可能な板状トレイとから成り、前記送りコンベヤにより搬送されて来るシート状材料を、表裏面を反転させた状態で板状トレイ上に移載する構成にしたことを要旨とするものである。
【0010】
このように構成することで、板状トレイには、シート状材料を反転させた状態で乗せることが可能であり、成形工程での自動化を促進でき、製品精度を高めて生産性の向上を図ることが出来るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
【0012】
図1(a)〜(c)は、この発明の第1実施形態における定尺切断シート状材料の移載方法を実施するための工程図を示し、1は定尺切断されたシート状材料Wを搬送する送りコンベヤ、2は送りコンベヤ1の先端側1aに設置され、かつ搬送されて来る前記シート状材料Wを外周面に巻付ける回転駆動かつ移動可能な転写ロール、3は前記転写ロール2の下方に位置し、転写ロール2に巻付けられているシート状材料Wが移載される昇降かつ水平移動可能な板状トレイを示している。
【0013】
前記転写ロール2は、図示しない回転駆動モータにより正転または逆転可能であり、また図示しないシリンダー等の昇降装置や横行装置により昇降かつ水平方向に移動させることも可能である。
【0014】
更に、転写ロール2には、シート状材料Wをロール表面に吸着または解除可能な吸着手段または電磁マグネット等を装備させることも可能であり、これにより未加硫ゴムシート材料やスチールコード等を埋設したシート状材料を吸着保持,解除させることが可能である。
【0015】
また、前記シート状材料Wを移載するストレージ用の板状トレイ3は、シリンダー等の昇降手段4により昇降可能で、かつ図示しないシリンダー等の横行装置により水平方向に移動させることも可能である。
【0016】
次に、定尺切断されたシート状材料Wの移載方法の第1実施形態を、図1(a)〜(c)を参照しながら説明する。
【0017】
先ず、(a)に示すように、送りコンベヤ1上において定尺切断されて位置決めされたシート状材料Wは、送りコンベヤ1により搬送されて、送りコンベヤ1の先端側1aに設置された固定位置の転写ロール2上に送り込まれる。
【0018】
すると、転写ロール2は所定の回転数で回転しながら送りコンベヤ1上の位置決めされたシート状材料Wを順次巻取り、これと同時にストレージ用の板状トレイ3が昇降手段4を介して上昇し、転写ロール2に巻付けられたシート状材料Wの先端表面側に板状トレイ3の先端を圧着させる。
【0019】
そして、(b)に示すように、板状トレイ3を転写ロール2の回転方向と同一方向に、かつ同一速度で水平方向に移動させ、転写ロール2に巻付けられているシート状材料Wを板状トレイ3上に位置決めした状態で移載するものである。
【0020】
また、(c)に示すように、シート状材料Wが積載されて完了した先の板状トレイ3が次工程側へ移動したら、次の板状トレイ3aが待機し、(a)と同様な操作によりシート状材料Wの移載作業を開始する。
【0021】
このように、定尺切断されたシート状材料Wは、送りコンベヤ1上の位置精度を保持した状態で板状トレイ3に移載することが可能となり、成形工程での自動化を促進でき、また製品精度を高めて生産性の向上を図ることが出来る。 次に、図2(a)〜(c)は、シート状材料Wの移載方法の第2実施形態を示す工程図であって、この実施形態は、(a)に示すように送りコンベヤ1上において定尺切断されて位置決めされたシート状材料Wは、送りコンベヤ1により搬送されて、送りコンベヤ1の先端側1aに設置された固定位置の転写ロール2上に送り込まれる。
【0022】
すると、転写ロール2は所定の回転数で回転しながら送りコンベヤ1上の位置決めされたシート状材料Wを順次巻取り、巻取りが完了すると、ストレージ用の板状トレイ3の先端上まで移動する。
【0023】
その後、(b)に示すように板状トレイ3を昇降手段4を介して上昇させ、再び転写ロール2のみが移動して、転写ロール2に巻付けられているシート状材料Wを板状トレイ3上に移載させる。シート状材料Wの移載作業が完了すると、(c)に示すように、板状トレイ3は待機位置まで下降し、転写ロール2は水平方向に横移動して戻り、送りコンベヤ1の先端側1aの近傍でシート状材料Wの送り込まれるのを待機する。
【0024】
この方法も、上記第1実施形態と同様に、定尺切断されたシート状材料Wは、送りコンベヤ1上の位置精度を保持した状態で板状トレイ3に移載可能にすることが可能となるものである。
【0025】
次に、図3(a)〜(c)は、シート状材料Wの移載方法の参考形態を示す工程図であって、この参考形態は、(a)に示すように送りコンベヤ1上において定尺切断されて位置決めされたシート状材料Wを、転写ロール2の中心下方から巻取る方法である。
【0026】
即ち、上記第1、第2実施形態では、送りコンベヤ1により搬送されて来たシート状材料Wを表裏面を同じにして転写ロール2に巻取り、そして板状トレイ3には、表裏面を反対にして移載していたのに対して、この参考形態では、シート状材料Wの表裏面の位置を変更することなく板状トレイ3上に移載するようにしたものである。
【0027】
即ち、上述したようにシート状材料Wを転写ロール2の中心下方から巻取り、そして転写ロール2を、(b)に示すようにストレージ用の板状トレイ3の先端上まで移動させ、板状トレイ3を上昇させて転写ロール2に巻付けられているシート状材料Wの表面側先端に圧着させる。
【0028】
そして、転写ロール2を所定の回転数で回転しながらストレージ用の板状トレイ3の長手方向に移動させ、板状トレイ3上にシート状材料Wを移載させるものである。シート状材料Wの移載完了後には、(c)に示すように板状トレイ3を下降させると共に、転写ロール2を送りコンベヤ1の先端側巻付け位置まで移動して待機させる。
【0029】
このような方法によりシート状材料Wを移載させることで、板状トレイ3には、シート状材料Wをそのままで乗せることも、また本発明のように反転させた状態で乗せることも可能であり、成形工程での自動化を促進でき、製品精度を高めて生産性の向上を図ることが出来るのである。
【0030】
【発明の効果】
この発明は、上記のように送りコンベヤにより搬送されて来る定尺切断されたシート状材料を回転駆動可能な転写ロールに巻付け、この転写ロールに巻付けられているシート状材料の先端に板状トレイを押圧し、前記転写ロールまたは板状トレイの少なくとも一方を移動させながら転写ロールに巻付けられているシート状材料を板状トレイ上に移載して、前記送りコンベヤにより搬送されて来るシート状材料を、表裏面を反転させた状態で板状トレイ上に移載するようにしたので、定尺切断されたシート状材料は、コンベヤ上の位置精度を保持した状態で板状トレイに移載することが可能となり、成形工程での自動化を促進できる効果がある。
【0031】
また、定尺切断されたシート状材料を搬送する送りコンベヤと、この送りコンベヤの先端側に設置され、かつ搬送されて来る前記シート状材料を外周面に巻付ける回転駆動かつ移動可能な転写ロールと、この転写ロールに巻付けられているシート状材料を移載する昇降かつ水平移動可能な板状トレイとから成り、前記送りコンベヤにより搬送されて来るシート状材料を、表裏面を反転させた状態で板状トレイ上に移載する構成にしたので、板状トレイには、シート状材料を反転させた状態で乗せることが可能であり、成形工程での自動化を促進でき、製品精度を高めて生産性の向上を図ることが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、この発明の第1実施形態における定尺切断シート状材料の移載方法を実施するための工程図である。
【図2】(a)〜(c)は、この発明の第2実施形態における定尺切断シート状材料の移載方法を実施するための工程図である。
【図3】(a)〜(c)は、この発明の参考形態における定尺切断シート状材料の移載方法を実施するための工程図である。
【符号の説明】
1 送りコンベヤ
1a 送りコンベヤ1の先端側
2 転写ロール
3 板状トレイ
4 昇降手段
W シート状材料
Claims (3)
- 送りコンベヤにより搬送されて来る定尺切断されたシート状材料を回転駆動可能な転写ロールに巻付け、この転写ロールに巻付けられているシート状材料の先端に板状トレイを押圧し、前記転写ロールまたは板状トレイの少なくとも一方を移動させながら転写ロールに巻付けられているシート状材料を板状トレイ上に移載して、前記送りコンベヤにより搬送されて来るシート状材料を、表裏面を反転させた状態で板状トレイ上に移載するようにした定尺切断シート状材料の移載方法。
- 前記定尺切断されたシート状材料を、転写ロールの表面に吸着させて保持すると共に、板状トレイ上に移載する際に、転写ロールの表面からシート状材料の吸着保持状態を解除して移載する請求項1に記載の定尺切断シート状材料の移載方法。
- 定尺切断されたシート状材料を搬送する送りコンベヤと、この送りコンベヤの先端側に設置され、かつ搬送されて来る前記シート状材料を外周面に巻付ける回転駆動かつ移動可能な転写ロールと、この転写ロールに巻付けられているシート状材料を移載する昇降かつ水平移動可能な板状トレイとから成り、前記送りコンベヤにより搬送されて来るシート状材料を、表裏面を反転させた状態で板状トレイ上に移載する構成にした定尺切断シート状材料の移載装置。
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