JP4466462B2 - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス発生源から発生するガスにより、車両のボディサイド部と乗員との間に展開されるエアバッグを備えたサイドエアバッグ装置に関する。
一般に、車両のシートに着座した姿勢の乗員の側部をエアバッグにて保護する場合、該乗員の腰部及び肩部を胸部よりも強い拘束力で拘束することが望ましいとされている。このように、拘束力に強弱を持たせて乗員の保護を図るべく開発されたエアバッグとしては、例えば特許文献1に開示されたサイドエアバッグ装置が知られている。このサイドエアバッグ装置は、乗員の肩部に対応する上部区画室と、乗員の腰部に対応する下部区画室と、乗員の胸郭部に対応する中間区画室とが設けられたエアバッグを備え、該エアバッグの展開時には、上部区画室及び下部区画室を中間区画室よりも早く展開させる。その結果、このサイドエアバッグ装置は、乗員の身体の部位に応じて乗員を拘束することにより、該乗員の身体全体を有効かつ適正に保護することを可能にする。
特開2003−335210号公報
ところが、人の体格は、年齢、性別、人種等によって大きく異なる。このため、前記従来のサイドエアバッグ装置には、乗員の体格に合わせた保護性能を発揮させるべく改良を重ねる余地が残されている。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、乗員の体格に合わせて適正な保護を図ることが容易なサイドエアバッグ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ガス発生源から発生するガスにより車両のボディサイド部と乗員との間に展開されるエアバッグを備えたサイドエアバッグ装置において、
前記エアバッグは上部チャンバー、中央チャンバー及び下部チャンバーを備え、前記中央チャンバーは前記上部チャンバー及び前記下部チャンバーと区画され、
前記ガス発生源は、前記下部チャンバーに向かって前記ガスを吹出す下部吹出し口と、前記中央チャンバー内に前記ガスを吹出す中央吹出し口とを備え、
当該サイドエアバッグ装置はさらに、前記乗員の体格を検知する体格検知手段と、前記中央吹出し口からの前記ガスの吹出しを切換える切換え手段とを備え、
該切換え手段は、前記体格検知手段で検知される前記乗員の体格が基準体格よりも大きい場合に、前記中央吹出し口から前記ガスを吹出すように設定され、前記基準体格はSID−IIsで規定されるダミー体の体格であり、該ダミー体を前記車両のシートに着座させる場合、前記中央チャンバーは前記ダミー体の胸部の側方で展開することを要旨とする。
この構成によれば、ガス発生源から発生するガスは、下部吹出し口を通って下部チャンバー内に吹出され、下部チャンバーを膨張させるとともに上部チャンバーを膨張させる。さらに、切換え手段は、体格検知手段により乗員の体格を検知して、中央吹出し口からガスを吹出すべきか否かを判断する。
ここで、乗員の体格が基準体格よりも大きい場合、切換え手段は、中央吹出し口からのガスの吹出しを実行させて中央チャンバーを膨張させる。この場合、エアバッグは、下部チャンバー、中央チャンバー及び上部チャンバーにより、大柄な乗員の身体の側部を拘束する。逆に、乗員の体格が基準体格以下である場合、切換え手段は、中央吹出し口からのガスの吹出しを実行させないため、中央チャンバーは膨張せずに展開する。この場合、エアバッグは、下部チャンバー及び上部チャンバーにより、基準体格以下の乗員の身体の側部を拘束し、中央チャンバーによる拘束力をほとんど発揮しない。
なお、前記中央チャンバーが膨張するとは、中央チャンバー内にガスが充填されて膨らむことを意味し、該中央チャンバーの外縁をなす基布の全ての部位に大気圧よりも高い均等な圧力が加わった状態を指す。これに対し、前記中央チャンバーが展開するとは、中央チャンバー内にガスが充填されない状態で、該中央チャンバーの外縁をなす基布が折り畳み状態から引き伸ばされた状態になることを意味し、主に上部チャンバー及び下部チャンバーの膨張に追随する形で中央チャンバーの基布が引き伸ばされて起こる。
このように中央チャンバーが膨張しない場合、該中央チャンバーの側方に乗員の胸部が対応するように設定されていることが特に有利である。即ち、基準体格以下の乗員は、大柄な乗員よりも軽量であるため、車両の側突時に身体全体にかかる慣性力が小さい。従って、基準体格以下の乗員を保護する場合、エアバッグは、その乗員の体格に見合う適正な拘束力を発揮するべく調整されていることが望ましい。このようにエアバッグによる拘束力を調整する場合、乗員の胸部に対する拘束力を腰部及び肩部に対する拘束力よりも抑制することが最も有利である。
なお、前記SID−IIs(Side Impact Dummy-second〔II〕 generation small)で規定されるダミー体とは、米国自動車メーカーによって組織された乗員保護研究グループ「OSRP(Occupant Safety Research Partnership)」が開発しているダミー体を指し、概ね小柄な成人女性の体格に相当するサイズを有する。
員がSID−IIsで規定されるダミー体よりも大柄な体格を有する場合、下部チャンバー、中央チャンバー及び上部チャンバーのいずれもが膨張するため、乗員の腰部から肩部にかけての身体の各部位は、エアバッグ全体により高い拘束力で拘束される。この場合、下部チャンバーは大柄な乗員の腰部の側方で膨張し、中央チャンバーは該乗員の腹部の側方で膨張し、上部チャンバーは該乗員の肩部の側方で膨張する。その結果、下部チャンバー及び中央チャンバーが協働して、重い体重を有する乗員の重心付近(即ち、腰部及び腹部)を強く拘束するため、該乗員に対する高い保護性能が発揮される。
一方、乗員の体格がSID−IIsで規定されるダミー体の体格以下である場合、下部チャンバー及び上部チャンバーが膨張する一方で、中央チャンバーは膨張せずに展開する。この場合、下部チャンバー及び上部チャンバーはそれぞれ小柄な乗員の腰部及び肩部を拘束し、中央チャンバーは該乗員の胸部の側方に展開されただけの状態で配置されるため拘束力をほとんど発揮しない。このため、小柄な乗員は、腰部及び肩部において必要かつ十分な拘束力で拘束される一方、胸部に対する過剰な拘束力を及ぼされることがない。
請求項に記載のサイドエアバッグ装置は、請求項1に記載の発明において、前記上部チャンバー及び前記下部チャンバーは前記エアバッグ内で連通部を通して互いに連通され、該連通部は前記中央チャンバーの前方に配置されていることを要旨とする。
この構成によれば、中央チャンバーは、エアバッグの展開時に膨張する上部チャンバー、下部チャンバー及び連通部によって、周囲の三方(即ち、上方、下方及び前方)を取り囲まれている。このため、中央チャンバーが膨張しない場合でも、上部チャンバー、下部チャンバー及び連通部の膨張に追随する形で中央チャンバーの基布が引き伸ばされるため、該中央チャンバーは、所望とする形状に展開する。従って、エアバッグは、所望とする形状を常に保持するように展開することが可能である。
請求項に記載のサイドエアバッグ装置は、請求項1又は請求項に記載の発明において、前記上部チャンバーにはベントホールが設けられていることを要旨とする。
この構成によれば、上部チャンバーは、ベントホールを通してガスをエアバッグの外部に排出可能であるため、下部チャンバーよりも、内圧を低く維持することが可能である。このため、乗員は、重心付近を拘束する下部チャンバーによる拘束力を最も強く受けるようになり、結果的にエアバッグによる高い保護性能が得られやすくなる。
本発明によれば、乗員の体格に合わせて適正な保護を図ることが容易なサイドエアバッグ装置を提供することができる。
以下、本発明のサイドエアバッグ装置を具体化した一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の記載において、方向を説明する際には、車両の前進方向を前方と記載し、エアバッグの場合には、展開時のエアバッグを基準に、上、下、前、後、を規定する。
図1(a)には、車両の車室内に配置されたシート11が示されている。本実施形態の車両には、運転席側フロントシート及び助手席側フロントシートと、2人又は3人掛けのリヤシートとが設けられている。同図に示すように、各シート11は、座部11a及び背もたれ部11bを備えている。各背もたれ部11bの車外側には、ガス発生源としてのインフレータ12と、折り畳み状態のエアバッグ13とがケース(図示略)内に収容された状態で埋設されている。
各インフレータ12は、背もたれ部11bに沿って延びる長尺状に形成されている。各インフレータ12の上端部、中央部及び下端部には、それぞれインフレータ12から発生するガスを吹出すための上部吹出し口21、中央吹出し口22及び下部吹出し口23が設けられている。上部吹出し口21、中央吹出し口22及び下部吹出し口23はいずれも、インフレータ12から発生するガスを車両の前方に向かって吹出すために、インフレータ12の前端部に位置している。
各中央吹出し口22は、インフレータ12から発生するガスの吹出しを切換可能にするために、開閉可能に構成されている。各中央吹出し口22の開閉は、切換え手段(図示略)によって制御される。切換え手段は、例えば電子制御装置(ECU)として車両に搭載され、各シート11に着座する乗員Pの体格を検知するために設けられた体格検知手段(図示略)から得られる乗員Pの体格に関する情報に基づいて、各中央吹出し口22の開閉を制御する。
体格検知手段は、各シート11の背もたれ部11bや座部11a、或いはインストルメントパネル等に配設される公知の赤外線センサ、荷重分布センサ、CCDカメラ、重量センサ等により構成される。このような体格検知手段は、各シート11に着座する乗員Pの重量、各背もたれ部11bにかかる乗員Pの荷重分布、各シート11に着座したときの該シート11に対する乗員Pの身体各部の位置等の情報を検知する。また、体格検知手段としては、身長、体重、座高のような乗員Pの体格に関する情報が格納されたICチップを利用することも可能である。
切換え手段は、あるシート11に着座した乗員Pの体格と、予め設定された基準体格とを比較した後、その比較結果に基づいて、そのシート11の中央吹出し口22を開口又は閉鎖する。前記基準体格は、SID−IIsで規定されるダミー体の体格であることが望ましい。SID−IIsで規定されるダミー体とは、米国自動車メーカーによって組織された乗員保護研究グループ「OSRP」が開発しているダミー体を指し、概ね小柄な成人女性の体格に相当するサイズを有する。
SID−IIsで規定されるダミー体の体格を基準体格とする場合、切換え手段は、あるシート11に着座した乗員PがSID−IIsで規定されるダミー体の体格よりも大きい場合に、該シート11の中央吹出し口22を開口する。逆に、あるシート11に着座した乗員PがSID−IIsで規定されるダミー体の体格以下である場合、切換え手段は、該シート11の中央吹出し口22を閉鎖する。
各エアバッグ13は、同大同形状に形成された左右一対の基布30の周縁同士を接合することにより、袋状に形成されている。各エアバッグ13は、対応するシート11の背もたれ部11bに埋設されたケース内から車両の前方に向かって展開する。図1(a)、(b)及び図2(a)、(b)は、展開状態のエアバッグ13を示している。同図に示すように、展開状態の各エアバッグ13は、上部チャンバー31、中央チャンバー32及び下部チャンバー33を備えている。
展開状態の各エアバッグ13において、上部チャンバー31の後端部には上記インフレータ12の上部吹出し口21が配置され、中央チャンバー32の後端部にはインフレータ12の中央吹出し口22が配置され、下部チャンバー33の後端部にはインフレータ12の下部吹出し口23が配置される。各インフレータ12は、上部吹出し口21、中央吹出し口22及び下部吹出し口23を通して、上部チャンバー31、中央チャンバー32及び下部チャンバー33内に、それぞれ独立してガスを充填する。
展開状態の各エアバッグ13において、中央チャンバー32は、上部チャンバー31及び下部チャンバー33の間に挟まれるように、エアバッグ13の上下端部間のほぼ中央に配置される。各中央チャンバー32は、エアバッグ13を構成する左右の基布30間を帯状のテザー34で車幅方向に繋ぐことにより、上部チャンバー31及び下部チャンバー33の両方に対して実質的に区画されている。即ち、図1(b)に示すように、前記テザー34の長手方向の両側部は、該テザー34の全長に亘って、エアバッグ13の両基布30の内面にそれぞれ接合されている。図1(a)に示すように、前記テザー34の長手方向の両端は、上部吹出し口21と中央吹出し口22との間、及び、中央吹出し口22と下部吹出し口23との間の位置に、それぞれインフレータ12と接する(近接又は密接する)ように配置されている。
展開状態の各エアバッグ13において、中央チャンバー32の前方には、上部チャンバー31と下部チャンバー33との間を上下に繋ぐ連通部36が設けられる。連通部36の上端部には、上部チャンバー31の前端部の一部を車両の後側に向かって切欠くことにより、乗員Pの上腕部を必要以上に拘束しないようにするための切欠き部37が形成される。即ち、本実施形態において、切欠き部37は、SID−IIsで規定されるダミー体(図1(a)を参照)の上腕部に対応する位置に配置される。さらに、切欠き部37の中央部は、中央チャンバー32の上端よりも上方に配置される。また、上部チャンバー31の上部には、車両のボディサイド部(具体的にはウィンドウ)に向かってエアバッグ13内のガスを排出するベントホール38が開口している。
本実施形態のサイドエアバッグ装置において、SID−IIsで規定されるダミー体をシート11に適正に着座させた状態でエアバッグ13を展開させると、該ダミー体の肩部の側方に上部チャンバー31が配置され、胸部の側方に中央チャンバー32が配置され、腰部の側方に下部チャンバー33が配置される(図1(a)を参照)。即ち、中央チャンバー32の上端は前記ダミー体の肩より下方に位置し、中央チャンバーの下端は前記ダミー体の腰より上方に配置される。なお、前記肩より下方とは、腕の付け根よりも下方を意味し、前記腰より上方とは、骨盤より上方、具体的には腸骨の上端よりも上方を意味する。
本実施形態のサイドエアバッグ装置は、上述したように、インフレータ12、エアバッグ13、体格検知手段及び切換え手段を備えている。さらに、このサイドエアバッグ装置は、車両が所定値以上の衝撃を受けたときにその検知信号を発生する衝撃センサも備えている。
次に、前記サイドエアバッグ装置の作用について以下に記載する。
車両において、例えば助手席側のシート11に乗員Pが着座すると、体格検知手段がそのシート11に着座した乗員Pの体格を検知し、その情報を切換え手段に入力する。切換え手段は、入力された乗員Pの体格に関する情報に基づいて、該乗員Pの体格と基準体格とを比較する。助手席側のシート11に着座した乗員PがSID−IIsで規定されるダミー体の体格よりも大きい場合、切換え手段は、該シート11の中央吹出し口22を開口状態に維持する。逆に、前記乗員PがSID−IIsで規定されるダミー体の体格以下の場合(乗員Pがシート11に着座していない場合も含む)、切換え手段は、該シート11の中央吹出し口22を閉鎖状態に維持する。
さて、車両が所定値以上の衝撃を受けると、衝撃センサが検知信号を発生して各インフレータ12からガスを発生させる。各インフレータ12から発生したガスは、対応するシート11のエアバッグ13を展開させる。
図2(a)、(b)に示すように、中央吹出し口22が開口している場合、インフレータ12から発生するガスは、図2(a)の太矢印で示すように、上部吹出し口21、中央吹出し口22及び下部吹出し口23を通って吹出され、それぞれ上部チャンバー31、中央チャンバー32及び下部チャンバー33を膨張させる。図2(a)、(b)に示す展開状態のエアバッグ13において、上部チャンバー31は、上部にベントホール38を備えているため、下部チャンバー33よりも若干内圧が低く抑えられる。また、中央チャンバー32は、周囲の三方(即ち、上方、下方及び前方)をテザー34により取り囲まれているため、車幅方向への過剰な膨張が規制されており、上部チャンバー31及び下部チャンバー33よりも車幅方向に薄く膨張する。
この展開状態のエアバッグ13では、下部チャンバー33、中央チャンバー32及び上部チャンバー31のいずれもが膨張するため、乗員Pの腰部から肩部にかけての身体の各部位は、エアバッグ13全体により高い拘束力で拘束される。この場合、下部チャンバー33は大柄な乗員Pの腰部の側方で膨張し、中央チャンバー32は該乗員Pの腹部の側方で膨張し、上部チャンバー31は該乗員Pの肩部の側方で膨張する。その結果、下部チャンバー33及び中央チャンバー32が協働して、重い体重を有する乗員Pの重心付近(即ち、腰部及び腹部)を強く拘束するため、該乗員Pに対する高い保護性能が発揮される。しかも、乗員Pの腰部付近は、強度的に最も優れた骨格を有している。
一方、図1(a)、(b)に示すように、中央吹出し口22が閉鎖されている場合、インフレータ12から発生するガスは、図1(a)の太矢印で示すように、上部吹出し口21及び下部吹出し口23を通って吹出され、それぞれ上部チャンバー31及び下部チャンバー33を膨張させる。この場合、下部チャンバー33は小柄な乗員Pの腰部の側方で膨張し、上部チャンバー31は該乗員Pの肩部の側方で膨張する。さらに、中央チャンバー32では、ガスが充填されないままの状態で、上部チャンバー31及び下部チャンバー33の膨張に追随する形で、該中央チャンバー32の外縁をなす基布30が引き伸ばされた状態になり、小柄な乗員Pの胸部の側方で展開する。その結果、下部チャンバー33及び上部チャンバー31が協働して乗員Pの身体を拘束し、軽量な乗員Pに対する高い保護性能を十分に発揮する一方で、中央チャンバー32が該乗員Pの胸部の側方を覆うように展開して乗員Pの胸部に対して過剰に高い拘束力を及ぼすことなく適正な保護性能を発揮する。
なお、本実施形態において、上記中央チャンバー32が膨張するとは、該中央チャンバー32内にガスが充填されて膨らむことを意味し、該中央チャンバー32の外縁をなす基布30の全ての部位に大気圧よりも高い均等な圧力が加わった状態を指す。これに対し、前記中央チャンバー32が展開するとは、該中央チャンバー32内にガスが充填されない状態で、該中央チャンバー32の外縁をなす基布30が折り畳み状態から引き伸ばされた状態になることを意味し、主に上部チャンバー31及び下部チャンバー33の膨張に追随する形で中央チャンバー32の基布が引き伸ばされて起こる。但し、本実施形態において、エアバッグ13が展開するとは、中央チャンバー32内へのガスの充填の有無に関わらず、少なくとも上部チャンバー31及び下部チャンバー33内にガスが充填されて所定の形状に形成されることを意味することとする。
前記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態のサイドエアバッグ装置は、上部チャンバー31及び下部チャンバー33、並びにそれら上部及び下部チャンバー31,33と区画された中央チャンバー32よりなるエアバッグ13を備えている。さらに、このサイドエアバッグ装置は、乗員Pの体格に基づいて中央チャンバー32内へのガスの吹出しを切換える切換え手段を備えている。このため、このサイドエアバッグ装置では、乗員Pの体格に合わせてエアバッグ13の展開が適切に制御されているため、様々な体格の乗員Pに対して適正な保護を図ることが容易である。特に、大柄な乗員Pに対しては、下部チャンバー33及び中央チャンバー32により、該乗員Pの重心付近を強く拘束して高い保護性能を発揮し、小柄な乗員Pに対しては、中央チャンバー32による該乗員Pの胸部に対する拘束力を低減させることが可能であるため、乗員Pの体格及び骨格に即した保護を図ることができて有用である。
・ 本実施形態のサイドエアバッグ装置では、SID−IIsで規定されるダミー体の体格を基準体格として、中央吹出し口22からのガスの吹出しを切換えるように設定されている。このため、乗員Pの体格の大小に見合う適正な保護を確実に図ることが容易である。
・ エアバッグ13は、中央チャンバー32の前方に連通部36を備えている。即ち、中央チャンバー32は、エアバッグ13の展開時にいずれも膨張する上部チャンバー31、下部チャンバー33及び連通部36によって、周囲の三方(即ち、上方、下方及び前方)を取り囲まれている。このため、中央チャンバー32が膨張しない場合でも、上部チャンバー31、下部チャンバー33及び連通部36のそれぞれの膨張に追随する形で、中央チャンバー32の基布30が引き伸ばされるため、該中央チャンバー32は、所望とする形状に展開することが可能である。従って、エアバッグ13は、所望とする形状を常に保持するように展開することが可能である。
・ 上部チャンバー31の上部にベントホール38が設けられているため、上部チャンバー31は、下部チャンバー33よりも、内圧を低く維持することが可能である。このため、乗員Pは、重心付近を拘束する下部チャンバー33による拘束力を最も強く受けるようになり、結果的にエアバッグ13による高い保護性能が得られやすくなる。
・ 展開状態のエアバッグ13において、中央チャンバー32は、乗員Pの上腕部を必要以上に拘束しないようにするための切欠き部37(の中央)よりも下方に配置される。このため、該中央チャンバー32は、SID−IIsで規定されるダミー体と同等の体格を有する乗員P(図1(a)参照)及び該ダミー体よりも大柄な体格を有する乗員P(図2(a)参照)の肩部より下方に配置される。従って、中央チャンバー32は、乗員Pの体格に関わらず、常に乗員Pの肩部よりも下方の適切な位置(具体的には、胸部及び/又は腹部)に配置されるため、様々な体格を有する乗員Pに対して適正な保護性能を発揮することが可能である。
(変更例)
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 上部吹出し口21からガスを吹出さないように設定してもよい。この場合でも、下部吹出し口23から吹出すガスが連通部36を通って上部チャンバー31内に充填されるため、上記実施形態と同様に、上部チャンバー31により乗員Pの肩部の側方を拘束することが可能である。またこのとき、上部チャンバー31よりも下部チャンバー33の内圧を高めることが容易となる。
・ テザー34にて中央チャンバー32を区画する代わりに、図3(a)、(b)に示すように、エアバッグ13を構成する左右の基布30間をシーム41にて縫着することにより、中央チャンバー32を区画してもよい。また、前記シーム41の代わりに、左右の基布30間を溶着又は接着しても構わない。
・ テザー34にて中央チャンバー32を区画する代わりに、図4(a)、(b)に示すように、エアバッグ13の内部にインナバッグ42を設けることにより、中央チャンバー32を区画してもよい。但し、前記インナバッグ42は、上部チャンバー31及び下部チャンバー33との境界に沿って、エアバッグ13を構成する左右の基布30に対し、シーム43、溶着又は接着にて接合されている必要がある。なお、インナバッグ42の外面と、各基布30の内面とは、全体に接合されていても構わない。
・ 上記実施形態では、中央吹出し口22からガスを吹出す場合と、ガスを吹出さない場合とを、切換え手段が切換える構成であった。しかしながら、切換え手段は、中央吹出し口22からガスを吹出す場合と、ガスを吹出さない場合とを切換える構成に加えて、中央吹出し口22からガスを吹出す場合に、そのガスの吹出し量や吹出すタイミングを調節するように構成してもよい。
・ 上記実施形態では、各シート11に1つのインフレータ12が設けられていたが、各シート11に複数のインフレータ12が設けられていてもよい。この場合、例えば、第1のインフレータは下部吹出し口23及び上部吹出し口21を備え、第2のインフレータは中央吹出し口22を備えるように構成され、切換え手段は、乗員Pが基準体格よりも大きい場合に第2のインフレータからガスを発生させ、乗員Pが基準体格以下の場合に第2のインフレータからガスを発生させないようにする。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記切換え手段は、SID−IIsで規定されるダミー体の体格を基準体格として、前記乗員の体格が前記基準体格よりも大きい場合に、前記中央吹出し口から前記ガスを吹出すように設定されているサイドエアバッグ装置。
・ SID−IIsで規定されるダミー体を前記車両のシートに着座させる場合、前記上部チャンバーは前記ダミー体の肩部の側方で展開し、前記中央チャンバーは前記ダミー体の胸部の側方で展開し、前記下部チャンバーは前記ダミー体の腰部の側方で展開することを特徴とするサイドエアバッグ装置。
・ 展開状態の前記エアバッグにおいて、前記中央チャンバーの上端は前記ダミー体の肩より下方に位置し、前記中央チャンバーの下端は前記ダミー体の腰より上方に位置することを特徴とするサイドエアバッグ装置。
・ 前記ガス発生源はさらに、前記上部チャンバーに向かって前記ガスを吹出すための上部吹出し口を備えることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
・ 前記中央チャンバーの上方に、前記乗員の上腕部を必要以上に拘束しないようにするための切欠き部が設けられていることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
・ 前記中央チャンバーは、前記エアバッグを構成する左右の基布間を、テザーを介して接合することにより、前記上部チャンバー及び前記下部チャンバーと区画されていることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
・ 前記中央チャンバーは、前記エアバッグを構成する左右の基布間をシームにて接合することにより、前記上部チャンバー及び前記下部チャンバーと区画されていることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
(a)は小柄な乗員がシートに着座したときのエアバッグの展開状態を模式的に示す側面図、(b)は図1(a)の1b−1b線に沿ったエアバッグの端面図。 (a)は大柄な乗員がシートに着座したときのエアバッグの展開状態を模式的に示す側面図、(b)は図2(a)の2b−2b線に沿ったエアバッグの端面図。 変更例のエアバッグの展開状態を模式的に示す断面図であって、(a)は中央チャンバーが膨張していない状態、(b)は中央チャンバーが膨張した状態をそれぞれ示す。 変更例のエアバッグの展開状態を模式的に示す断面図であって、(a)は中央チャンバーが膨張していない状態、(b)は中央チャンバーが膨張した状態をそれぞれ示す。
符号の説明
11…シート、12…ガス発生源としてのインフレータ、13…エアバッグ、22…中央吹出し口、23…下部吹出し口、31…上部チャンバー、32…中央チャンバー、33…下部チャンバー、36…連通部、38…ベントホール、P…乗員。

Claims (3)

  1. ガス発生源から発生するガスにより車両のボディサイド部と乗員との間に展開されるエアバッグを備えたサイドエアバッグ装置において、
    前記エアバッグは上部チャンバー、中央チャンバー及び下部チャンバーを備え、前記中央チャンバーは前記上部チャンバー及び前記下部チャンバーと区画され、
    前記ガス発生源は、前記下部チャンバーに向かって前記ガスを吹出す下部吹出し口と、前記中央チャンバー内に前記ガスを吹出す中央吹出し口とを備え、
    当該サイドエアバッグ装置はさらに、前記乗員の体格を検知する体格検知手段と、前記中央吹出し口からの前記ガスの吹出しを切換える切換え手段とを備え、
    該切換え手段は、前記体格検知手段で検知される前記乗員の体格が基準体格よりも大きい場合に、前記中央吹出し口から前記ガスを吹出すように設定され
    前記基準体格はSID−IIsで規定されるダミー体の体格であり、
    該ダミー体を前記車両のシートに着座させる場合、前記中央チャンバーは前記ダミー体の胸部の側方で展開することを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  2. 前記上部チャンバー及び前記下部チャンバーは前記エアバッグ内で連通部を通して互いに連通され、該連通部は前記中央チャンバーの前方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  3. 前記上部チャンバーにはベントホールが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサイドエアバッグ装置
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