JP4466278B2 - 多気筒エンジンの吸気装置 - Google Patents

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Description

本発明は多気筒エンジンの吸気装置に関し、特に、気筒内に高圧波を生成するパルス発生装置を備えた多気筒エンジンの吸気装置に関する。
従来より、インテークマニホールドのサージタンクと、サージタンクから分岐して各気筒の吸気ポートに接続された分岐管が設けられた多気筒エンジンの吸気装置において、体積効率を高める技術が種々開発されている。
例えば、特許文献1には、吸気ポート毎に経路長の異なる複数の吸気通路を設け、これら吸気通路を切替弁によって択一的にサージタンクと連通する技術が開示されている。
他方、非特許文献1には、インパルスによる低回転領域のトルクアップを図る技術が開示されている。その構成では、インテークマニホールドの分岐管途中に、当該分岐管の経路方向にストロークする電磁弁を設け、吸気行程の途中までは、電磁弁を閉じて負圧を形成し、吸気行程の下死点近傍にて電磁弁を開放することによって、急激に気筒内に空気を供給する構成が開示されている。
また、非特許文献2には、インパルスを生成する装置として、フラップ弁を用いてパルスを発生させる装置が開示されている。
特開2003−41939号公報 Impulse charging boosts torque at low speed , Findlay Publications社 「European Automotive Design」2004年2月号掲載 Development of an Actuator for a Fast Moving Flap for impulse Charging , Findlay Publications社 「European Automotive Design」2003年1月号掲載
特許文献1の構成では、エンジンの低速側と高速側とで吸気通路を変更することにより、エンジンの低速側と高速側とでそれぞれ体積効率を高めることが可能になるという優れた効果を奏する。しかしながら、各気筒に複数の吸気通路を設けているので、構造上、通路構成が複雑になるとともに、高価になるという課題があった。
非特許文献1の構成では、低回転領域での体積効率を高めることができるものの、電磁弁を駆動して開閉制御する構成であるため、消費電力が大きくなる。また、電磁弁が吸気通路の経路方向に移動するものであるため、吸気の流れを阻害し、吸気抵抗が非常に大きくなることになる。そのため、体積効率が低下するばかりでなく、低回転領域で負圧を生成した後、瞬間的に開弁する動作を行わせると、甚大な脈動が生じ、大きな異音が発生するため、実用化は困難であった。
他方、非特許文献2の構成では、フラップ弁を開閉する構成であるため、吸気管を通過する空気の抵抗を受けやすい。また低中速回転領域といえども、吸気弁の開閉タイミングに同期させて開閉制御を実現することは極めて困難であり、実用化に至らなかった。
本発明は前記不具合に鑑みてなされたものであり、低中高速回転領域での同期をも確実にとることができ、低速回転領域でも静音で体積効率を高めることのできる多気筒エンジンの吸気装置を提供することを課題としている。
前記課題を解決するために、本発明は、複数の気筒に空気を供給する吸気管当該気筒の吸気ポート毎に設けられるとともに、各気筒の吸気管の上流端に、各吸気管と連通する集合部としてのサージタンクが設けられ、各気筒の吸気行程に対応して、吸気ポートの開弁期間内の吸気行程途中で開弁して気筒内に高圧波を生成するパルス発生装置を備えた多気筒エンジンの吸気装置において、パルス発生装置は、前記サージタンクの内周面に摺接しつつクランク軸と同期して回転するロータリバルブであり、このロータリバルブの径吸気管断面幅より大きく設定されるとともに、前記ロータリバルブの周面に、前記サージタンクの内部と前記各吸気管とを連通する開口が形成され、各吸気管の上流端が、前記ロータリバルブの開口に臨んで選択的に開閉されるように配置され、各気筒の単一の行程容積に対する吸気ポートの下流端からロータリバルブの前記開口までの単一の独立吸気通路容積の割合が70パーセントから130パーセントの範囲に設定されていることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置である。
この態様では、パルス発生装置として、クランク軸と同期して回転するロータリバルブを採用しているので、大きな吸気抵抗を受けることなく、クランク軸が高速域で回転する場合でも低速域で回転する場合でも周波数を確実に同調させて所望のタイミングで気筒内に高圧波を生成することが可能になる。また、ロータリバルブの径が吸気管断面幅よりも大きく設定されているので、吸気管に対して速い周速で開閉動作を行ない、強い圧力波を発生させることができる。さらに、サージタンクの内部に設けられたロータリバルブによって吸気通路の開閉動作を行なうことができるので、サージタンク内の容積を有効利用することが可能なる。
また、このロータリバルブが、各気筒の単一の行程容積に対する吸気ポートの下流端からロータリバルブの前記開口までの単一の独立吸気通路容積の割合を70パーセントから130パーセントの範囲となる位置に設定されている。この設定範囲は、本件発明者が鋭意研究の結果、シミュレーションによって見出した範囲であり、詳しくは後述するように、3500rpmでの体積効率を約90%以上に向上することができる範囲である。なお、各気筒の単一の行程容積に対する吸気ポートの下流端からロータリバルブの前記開口までの単一の吸気通路容積の割合をこの明細書では「吸気通路/行程容積率」と呼称する。この吸気通路/行程容積率が130パーセントを超えたとしても、体積効率は、必ずしも低下しない。しかし、その場合には、吸気通路が長くなるため、トルク向上に対するレスポンスが低下する傾向を持つ。そのため、定常的な走行時のトルクを高くすることができたとしても、加速時の過渡的な状態では、必ずしもトルクを向上させることができなくなる恐れがある。他方、吸気通路/行程容積率が70パーセントを下回った場合、今度は、気筒に必要な空気量を確保することができなくなるため、レスポンスは高くなるものの、体積効率は低下する。そこで、本態様では、吸気通路/行程容積率を70パーセントから130パーセントに設定している。この結果、定常時のトルクはもちろん、加速時の過渡的な状態でのトルクも効率よく高めることが可能になる。なお「70パーセントから130パーセント」という限定は、発明を実施するに当たって不可避的な測定誤差や個体差によるばらつきをも排除する趣旨ではない。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の多気筒エンジンの吸気装置において、エンジンのクランク軸の動力を駆動源として前記ロータリバルブに伝達する動力伝達手段を備えている。この態様では、エンジンのクランク軸とロータリバルブとを物理的に同期させて開弁動作を行わせることが可能になる。動力伝達手段としては、例えば、プーリとタイミングベルトが好適である。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の多気筒エンジンの吸気装置において、前記動力伝達手段は、クランク軸の回転速度に対して1/2の速度でロータリバルブを回転させるものである。この態様によると、ロータリバルブの開弁周期を吸気弁の開弁周期と機械的に同期させて圧力波を気筒内へ伝播させることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1から3の何れか1記載の多気筒エンジンの吸気装置において、各吸気管の吸気通路長は、略同一寸法に設定されている。この態様では、何れの気筒においても、同一条件で同じ体積効率を得ることができるので、気筒毎にトルクのばらつきが生じなくなる。
請求項5記載の発明は、請求項1から4の何れか1記載の多気筒エンジンの吸気装置において、前記サージタンクは、前記ロータリバルブを同心に内蔵している。この態様では、装置全体が大型化することなく、ロータリバルブの径をより大きく設定することが可能になる。
請求項6記載の発明は、複数の気筒の各吸気ポートに空気を供給する吸気管の上流端に、各吸気管と連通する集合部としてのサージタンクが設けられ、各気筒の吸気行程に対応して、吸気ポートの開弁期間内の吸気行程途中で開弁して気筒内に高圧波を生成するパルス発生装置を備えた多気筒エンジンの吸気装置において、パルス発生装置は、前記サージタンクの内周面に摺接しつつクランク軸と同期して回転するロータリバルブであって、このロータリバルブの径吸気管断面幅より大きく設定されるとともに、前記ロータリバルブの周面に、前記サージタンクの内部と前記各吸気管とを連通する開口が形成され、各吸気管の上流端が、前記ロータリバルブの開口に臨んで選択的に開閉されるように配置されていることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置である。
この態様でも、パルス発生装置としてロータリバルブを採用しているので、大きな周速によって、瞬間的に吸気管を開いて大きな圧力波を生成し、体積効率を高めて高いトルクを生成することが可能になる。また、サージタンクの内部に設けられたロータリバルブによって吸気通路の開閉動作を行なうことができるので、サージタンク内の容積を有効利用することが可能なる。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の多気筒エンジンの吸気装置において、吸気ポートからロータリバルブの開口までの経路長は、略同じ長さに設定されている。この態様においても、何れの気筒においても、同一条件で同じ体積効率を得ることができるので、気筒毎にトルクのばらつきが生じなくなる。
請求項8記載の発明は、請求項6または7記載の多気筒エンジンの吸気装置において、エンジンは、気筒列方向一端側から第1〜第4の4つの気筒を備えているとともに、吸気行程が第1、第3、第4、第2の順にクランク角で180°の位相差をもって行なわれる4気筒4サイクルエンジンであり、前記第1気筒と第2気筒の各吸気管の上流端の開口が周方向に90°ないし略90°位相をずらすように前記サージタンクに接続されているとともに、前記第4気筒と第3気筒の各吸気管の上流端の開口が周方向に90°ないし略90°位相をずらすように前記サージタンクに接続されており、第1気筒と第4気筒の吸気管の上流端の開口並びに第2気筒と第3気筒の吸気管の上流端の開口が、ロータリバルブの周方向において、同一位相に配置されており、前記ロータリバルブは、クランク軸の回転速度の1/2の速度で回転するものであるとともに、各吸気管の上流端開口を前記順序で開くように周方向に180°ないし略180°の位相差を有する一対の開口を有している。この態様では、ロータリバルブに2つの開口を設けることによって、4気筒エンジンの吸気管に対して圧力波を所望のタイミングで伝播させることができ、体積効率を高めて高いトルクを得ることが可能になる。
請求項9記載の発明は、請求項6から8の何れか1記載の多気筒エンジンの吸気装置において、各気筒の単一の行程容積に対する吸気ポートの下流端からロータリバルブの前記開口までの単一の独立吸気通路容積の割合が70パーセントから130パーセントの範囲に設定されている。この態様では、定常時のトルクはもちろん、加速時の過渡的な状態でのトルクも効率よく高めることが可能になる。
以上説明したように、本発明では、吸気管に対して、クランク軸と同期して瞬間的に弁を開くことのできるロータリバルブを採用し、且つ、吸気通路/行程容積率を70パーセントから130パーセントに設定している。この結果、ロータリバルブを用いることで、脈動の発生を抑制することができ、静音でパルスを発生させることができるとともに、定常時のトルクはもちろん、加速時の過渡的な状態でのトルクも効率よく高めることが可能になる。従って、低中高速回転領域での同期をも確実にとることができ、低速回転領域でも静音で体積効率を高めることができるという顕著な効果を奏する。また、サージタンクの内部に設けられたロータリバルブによって吸気通路の開閉動作を行なうことができるので、サージタンク内の容積を有効利用することが可能なる。
また、請求項2記載の発明では、エンジンのクランク軸とロータリバルブとを物理的に同期させて開弁動作を行なわせることが可能になるので、ロータリバルブと各気筒の位相とを精緻に同期させ、より精度の高いパルス発生機能を奏して体積効率を高めることが可能になる。
さらに、請求項3記載の発明では、ロータリバルブの開弁周期を吸気弁の開弁周期と機械的に同期させて圧力波を気筒内へ伝播させることができるので、吸気通路の等長化を実現することが容易になる。
また、請求項4記載の発明では、同一条件で同じ体積効率を得ることができるので、気筒毎にトルクのばらつきが生じなくなり、より安定したトルク生成特性を得ることが可能になる。
また、請求項5記載の発明では、装置全体が大型化することなく、ロータリバルブの径をより大きく設定することが可能になる。
また、請求項6記載の発明においても、ロータリバルブをサージタンクに内蔵することによって、定常時のトルクはもちろん、加速時の過渡的な状態でのトルクも効率よく高めることが可能になる。従って、低中高速回転領域での同期をも確実にとることができ、低速回転領域でも静音で体積効率を高めることができるという顕著な効果を奏する。また、サージタンク内の容積を有効利用することができる。
さらに、請求項7記載の発明によれば、何れの気筒においても、同一条件で同じ体積効率を得ることができるので、気筒毎にトルクのばらつきが生じなくなり、より安定したトルクを生成することが可能になる。
さらに、請求項8記載の構成では、ロータリバルブに2つの開口を設けることによって、4気筒エンジンの吸気管に対して圧力波を所望のタイミングで伝播させることができ、体積効率を高めて高いトルクを得ることが可能になるので、等長化によるトルク生成特性の向上と、吸気通路の短縮化によるレスポンスの向上とを両立することができる。
さらに、請求項9記載の構成では、各気筒の単一の行程容積に対する吸気ポートの下流端からロータリバルブの前記開口までの単一の独立吸気通路容積の割合を70パーセントから130パーセントの範囲となる位置に前記ロータリバルブを設定しているので、定常時のトルクはもちろん、加速時の過渡的な状態でのトルクも効率よく高めることが可能になる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る吸気装置40を採用した4サイクル火花点火式エンジンの右側面図、図2は、図1のA−A断面略図である。
各図を参照して、このエンジンは、シリンダブロック11およびこのシリンダブロック11の上部に一体化されたシリンダヘッド12とを有しているエンジン本体10を備えている。エンジン本体10には、第1〜第4気筒12A〜12Dが設けられるとともに、各気筒12A〜12Dの内部には、クランク軸3に連結されたピストン4が嵌挿されることにより、その上方に燃焼室15が形成されている。
シリンダヘッド12には、前記各気筒12A〜12Dの燃焼室15毎に点火プラグ16が固定されている。各点火プラグ16は、その先端が対応する燃焼室15の内部に頂部から臨むように設置されている。
また、シリンダヘッド12には、前記気筒12A〜12D毎に燃焼室15に向かって開口する吸気ポート17、排気ポート18がそれぞれ形成されているとともに、これらのポート17、18には、吸気弁19および排気弁20がそれぞれ装備されている。
吸気弁19および排気弁20は、エンジン本体10に支承された図略の吸気弁用および排気弁用のカムシャフトによって、所定位相差で同期して吸気ポート17、排気ポート18を開閉するように構成されている。前記カムシャフトは、図略のカムスプロケットロケットギヤに連結され、このカムスプロケットギヤは、カムプーリ30から図略のタイミングベルトを介して動力を受けている(図3参照)。カムプーリ30は、エンジン本体10の前面にクランク軸3と平行な軸線を中心に回転自在に取り付けられている。他方、クランク軸3にはエンジン本体10の前面側に取り付けられた出力プーリ32が固定されており、両プーリ30、32は、タイミングベルト34によって同期連動するように構成されている。
なお、各カムシャフトに対し、その回転の位相を調節することにより、開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構21、22が設けられている。この結果、吸気弁19は、クランク角に対する位相を変更することができるようになっている。
本発明に係る吸気装置40は、エンジン本体10の側部に固定されるインテークマニホールド41と、このインテークマニホールド41に内蔵されるロータリバルブ50とを有している。
インテークマニホールド41は、図略の支持部材を介してエンジン本体10に固定されており、エンジン本体10の前後方向(各気筒12A〜12Dが並んでいる方向)に水平に延びる集合部としてのサージタンク42と、このサージタンク42に接続され、それぞれが分離した吸気通路PH1〜PH4を形成する吸気管としての第1〜第4分岐管43A〜43Dとを一体に有している。サージタンク42の後端部には、スロットルボディ44が固定されており、このスロットルボディ44の内部には、図略のスロットルバルブが内蔵されている。
サージタンク42は、略円筒形部材であり、分岐管43A〜43Dと連通することによって、各分岐管43A〜43Dの差圧を吸収し、異音やセンサの誤作動を防止する機能を果たすものである。当実施形態において、このサージタンク42の気筒列方向の長さSLは、次に説明する各分岐管43A〜43Dの気筒列方向における下流端側の間隔DLよりも短くなるように設定されている(図1参照)。
各分岐管43A〜43Dは、気筒12A〜12D毎に設けられ、正面視略L字形に湾曲した状態で、それぞれ対応する気筒12A〜12Dをサージタンク42と連通させている。図示の実施形態において、各分岐管43A〜43Dは、その吸気通路PH1〜PH4の経路長(当実施形態においては、吸気ポート17からサージタンク42内のロータリバルブ50の周面51までの長さ)が同じ長さに設定されている。各吸気通路PH1〜PH4の長さは、500mm以内に設定されており、これによって、後述するロータリバルブ50によるトルクへのレスポンスの向上を図っている。さらに、「吸気通路/行程容積率」(各気筒の単一の行程容積に対する吸気ポート17の下流端からロータリバルブ50の開口52、53までの単一の吸気通路容積の割合)は、70パーセント以上130パーセント以下(吸気通路の経路長が500mm以下)の範囲に設定されている。この容積は、エンジンの高速回転領域(4500rpm以上)において、吸気が同調共鳴する固有振動数に対応するように決定される。この結果、高速で固有振動数が同調共鳴することになるので、その領域では、吸気弁19の開弁時間を確保することができ、エンジンの高回転領域で経路長設定による慣性過給効果を発揮させ、体積効率を高めることが可能なる。
加えて、当実施形態においては、各分岐管43A〜43Dに燃料噴射弁45が設けられている。この燃料噴射弁45は、ニードル弁およびソレノイドを内蔵し、エンジンのECU60から入力されたパルス信号のパルス幅に対応する時間だけ駆動されて開弁し、その開弁時間に応じた量の燃料を前記点火プラグ16の電極付近に向けて噴射するように構成されている。
ロータリバルブ50は、円筒形部材であり、その外周面51がサージタンク42の内周面に摺接した状態で、回転自在に配置されている。
図3は、当実施形態の要部を簡略化して示す斜視図である。
同図を参照して、ロータリバルブ50の前端部には、入力ギア54Aが同心に設けられている。入力ギア54Aは、前記カムプーリ30と同心に設けられた出力ギア54Bが噛合しており、この出力ギア54Bを介して、クランク軸3から1:0.5の比率で動力が伝達されるようになっている。換言すれば、ロータリバルブ50は、カムプーリ30と1:1の比率で同期している。このロータリバルブ50の周面には、サージタンク42の内部と分岐管43A〜43Dとを連通する一対の開口52、53が形成されている。各開口52、53は、周方向に180°位相がずれており、軸方向において、前方の開口52が後方の開口53に対して、回転方向上流側にずれている。なお図において、55はアイドラである。
図示の実施形態においては、ロータリバルブ50と入力ギア54Aとの間にロータリバルブ進角機構56が設けられている。このロータリバルブ進角機構56は、基本的には、本件出願人が先に提案している回転位相制御装置(特開平11−107718号公報参照)等を用いることにより、入力ギア54Aとロータリバルブ50との間に位相を形成することにより、当該ロータリバルブ50の開弁タイミングを変更するための機構である。
図示のエンジンは、直列4気筒エンジンであって、エンジン本体10の前方から順に各気筒を第1〜第4気筒12A〜12Dとするとき、吸気行程を迎える順番は、第1気筒12A、第3気筒12C、第4気筒12D、第2気筒12Aとなるように設定されている。この結果、第1気筒12Aが吸気行程を迎える時点を起点とすると、各気筒と行程の関係は、表1の通りとなる。
Figure 0004466278
そこで、当実施形態では、ロータリバルブ50の開口52に対して、第1分岐管43Aを回転方向上流側、第2分岐管43Bを回転方向下流側に位相をずらせて対向可能に配置するとともに、開口53に対して第4分岐管43Dを回転方向上流側、第3分岐管43Cを回転方向下流側に位相をずらせて対向可能に配置している。
より詳細に説明すると、第1気筒12Aに接続される第1分岐管43Aと第2気筒12Bに接続される第2分岐管43Bが、前方の開口52に対向可能な位置に、上流側から順に90°位相をずらした状態でサージタンク42に固定されているとともに、第4気筒12Dに接続される第4分岐管43Dと第3気筒12Cに接続される第3分岐管43Cが、後方の開口53に対向可能な位置に、上流側から順に90°位相をずらした状態でサージタンク42に固定されている。さらに、第1分岐管43Aと第4分岐管43D(従って、第2分岐管43Bと第3分岐管43C)がサージタンク42の周方向において同一位相に配置されている。従って、この構成では、エンジンの回転速度に拘わらず、所定のタイミングで分岐管43A〜43Dを開閉することが可能になっているとともに、各分岐管43A〜43Dの等長化並びにコンパクト化に寄与することになる。この結果、吸気通路PH1〜PH4を可及的に短縮化し、トルク向上に対するレスポンスの高い吸気構造を構成することが可能になる。また、上述したように、サージタンク42の気筒列方向の長さSLは、次に説明する各分岐管43A〜43Dの気筒列方向における下流端側の間隔DLよりも短くなるように設定されている(図1参照)ことと相俟って、各分岐管43A〜43Dの上流端は、下流端に比べて気筒列方向に集束している。このため、当実施形態においては、極めてトルク向上に対するレスポンスが高くなる構造になっている。
図4は図2の要部を拡大した断面図である。
同図を参照して、ロータリバルブ50の直径Dは、各分岐管43A〜43Dの断面幅よりも大きく設定されている。このロータリバルブ50をクランク軸3と同期させて回転させることにより、各開口52、53が対応する分岐管43A〜43Dを開く時間も短くなる。またロータリバルブ50が回転によって、周面に形成された開口52、53によって、当該周面に臨む分岐管43A〜43Dに空気を供給するものであるので、空気の脈動を抑制することができ、異音の発生も少なくなる。
さらに、ロータリバルブ50に形成された各開口52、53の開口角度θは、後述するシミュレーションに基づき、吸気行程の後半部分から圧縮行程後半まで開くことができる範囲に設定されている。これにより、吸気行程の前半部分では、吸気弁19が吸気ポート17を開いてもロータリバルブ50がサージタンク42を遮蔽した状態になるので、ロータリバルブ50が開くまでの間、吸気行程によって、対応する分岐管43A(〜43D)内に負圧が生じることになる。
さらにエンジン本体10には、2つのクランク角センサ61、62が設けられている。各クランク角センサ61、62は、所定の位相差をもってクランク軸3の周囲に配置されており、一方のクランク角センサ61から出力される検出信号に基づいてエンジンの回転速度が検出されるとともに、両クランク角センサ61、62から出力される検出信号に基づいてクランク軸3の回転方向および回転角度が検出されるようになっている。
次に、図2および図5を参照して、前記エンジンのECU60について説明する。
図5は、当実施形態のECU60の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、ECU60には、エンジンが高負荷にあるか否かの判定等を行う運転状態判定手段60Aと、ロータリバルブ50の開弁タイミングを制御する開弁タイミング制御手段60Bと、燃料噴射弁45の燃料噴射タイミングを制御する燃料噴射制御手段60Cとを機能的に有している。
ECU60には、前記クランク角センサ61、62と、アクセル開度センサ63とが接続されている。ECU60の運転状態判定手段60Aは、これら各センサ61〜63の検出信号に基づいて、エンジンの回転数およびエンジンの負荷状況を判定するように構成されている。
ECU60の開弁タイミング制御手段60Bは、前記クランク角度センサ61、62の検出信号に基づき、エンジン回転速度に応じて可変バルブタイミング機構21、22やロータリバルブ進角機構56を制御するように構成されている。
図6は、バルブリフト量とクランク角CAとの関係を示すグラフである。
図6を参照しながら詳細に説明すると、可変バルブタイミング機構21の制御に関し、エンジンの回転領域が高速側に行くに連れて、曲線V1からV5に示すように、開弁タイミングを遅延させるように設定されている。他方、ロータリバルブ50の開弁タイミングに関し、開弁タイミング制御手段60Bは、図6のLV1で示すように、エンジンの低回転領域(約2500rpm以下)では、比較的遅いタイミング(吸気行程を迎えている気筒のピストン4が約120°CAのタイミング)で開弁するように設定されているとともに、高速側へ行くに連れて、開弁タイミングを進角させ、エンジン高回転領域(約4000rpm以上)では、図6のLV2で示すように吸気弁19の開弁期間とのオーパラップが最大になるように設定されている。
さらに、ECU60の燃料噴射制御手段60Cは、開弁タイミング制御手段60Bによって決定されたロータリバルブ50の開弁タイミングに応じて、少なくとも高負荷側では、吸気行程で燃料を噴射するように設定されている。
具体的には、ロータリバルブ50が開弁する直前くらいで噴射を始めるように設定されている。これにより、ロータリバルブ50によって生じた高圧波に噴射された燃料が乗って気筒内に効率よく燃料を供給することが可能になる。また、高負荷側で吸気行程にある気筒に燃料を噴射することにより、噴射された燃料によって気筒内の温度が下がるため、自着火を防止し、ノッキングの発生を抑制することが可能になる。尤もこの「ロータリバルブ50が開弁する直前くらい」というタイミングは、遅くとも吸気行程であればよく、高速回転領域において、ロータリバルブ50を進角させる必要がある場合には、吸気行程に限らず、前行程の排気行程で燃料を噴射してもよい。
また、噴射される燃料の量は、車両の走行状態に応じて、周知の制御手段と同様に、適宜調整されるが、その量が増加するに連れて、噴射タイミングは、ロータリバルブ50の開弁タイミングよりも早く噴射されるように設定される。これにより、空燃比をリッチにして燃焼させる際に、より多くの燃料を噴射した場合でも、ロータリバルブ50によって生じた高圧波に燃料を乗せて、効率よく気筒内に燃料を供給することが可能になる。
次に、当実施形態におけるECU60の制御手順について説明する。
図7は図1の実施形態に係るECU60の制御手順を示すフローチャートである。
同図を参照して、エンジンが停止状態から始動した場合(ステップS1)、ECU60は、運転状態判定手段60A、開弁タイミング制御手段60B、および燃料噴射制御手段60CをPGVモードに設定する(ステップS2)。このPGVモードでは、エンジンの回転速度Neに応じて図6のV1からV5の特性で吸気弁19が開閉するとともに、同図のLV1からLV2までのタイミングでロータリバルブ50が開弁する。この結果、低速回転領域では、吸気弁19の開弁タイミングが速くなる一方、ロータリバルブ50の開弁タイミングは遅くなるので、ピストン4が下死点近傍に至った時点で初めてサージタンク42と気筒とが連通し、大きな圧力波を発生させることが可能になる一方、中高速側では、ロータリバルブ50による圧力波の発生を適切に抑制しながら、高い体積効率を得ることが可能になる。さらに、エンジンの回転速度Neが所定の高速回転領域(例えば4500rpm以上)に至った場合には、各手段60A〜60Cの制御モードを高速回転領域モードにシフトする(ステップS3、ステップS4)。この高速回転領域モードでは、図6のV5の特性で吸気弁19が開閉するとともに、同図のLV2までのタイミングでロータリバルブ50が開弁する。この結果、吸気が充分に得られる高速回転領域では、過度に吸気圧が上昇するのを抑制することが可能になる。
次に、図2、図8〜図10、図11を参照しながら、PGVモードでのロータリバルブ50の開閉タイミングについて説明する。図8〜図10は、PGVモードでの吸気行程から排気行程に至るまでの状態を示す断面略図である。また、図11は、第1気筒12Aのクランク角(CA)と筒内圧力P、吸気弁のリフト量との関係を示すグラフである。
まず、図2、図8を参照して、例えば第1気筒12Aが吸気行程(図11のCA1からCA2)に移行するに当たり、吸気弁19は、排気行程から吸気行程に移行する直前(図11のCA0)から開き始めるが、ロータリバルブ50の開口52は、この段階では閉じた状態にあるので、図11のL1、L4で示すように、ピストン4が下死点に向かって移動するに連れて、分岐管43A、第1気筒12A内には、負圧が形成される。
図9に示すように、ピストン4が下死点近傍まで近づくと(図示の実施形態では、図11のCA4:約120°CA)、ロータリバルブ50が大きな周速を伴って瞬間的に開く。このため、サージタンク42内の空気は、第1気筒12A内に生成された負圧によって、パルス(圧力波)が発生し、第1気筒12A内に急激に吸引されることになる。このロータリバルブ50の開弁直前から所定時間(図11のCA6〜CA7)、燃料噴射制御手段60Cは、燃料噴射弁45による燃料の噴射を行う。これにより、噴射された燃料は、第1気筒12A内に生成されたパルス(圧力波)によって、新気とともに第1気筒12A内に急激に吸引されることになる。従って、リッチでの燃焼を行う際においても、燃料の通路壁への付着がなくなり、効率よく所望量の燃料を気筒内に供給することができる。
また図10に示すように、ピストン4が下死点に到達したタイミング(図11のCA2)では、「吸気通路/行程容積率」が、70パーセント以上130パーセント以下(吸気通路の経路長が500mm以下)の範囲に設定されていることと相俟って、サージタンク42からの空気が急速に第1気筒12A内に充填される。その直後(図示の実施形態では、CA3:約225°CA)に吸気弁19を閉じることによって、極めて高い体積効率を広い回転速度の範囲(2000rpm以上)で得ることが可能になる。
その後は、ピストン4が圧縮行程、膨張行程を迎え、点火プラグが燃料噴射後に点火することによって、混合気が燃焼され、燃焼後は、排気行程によって排気される。また、ロータリバルブ50の開口52は、吸気弁19が吸気ポート17を閉じた後、所定のタイミング(図11のCA5:約270°CA)で分岐管43Aを閉じることになる。
次にロータリバルブ50の開閉タイミングと、吸気弁19の開閉タイミングの関係について説明する。
図12は、吸気弁19の開閉タイミングとロータリバルブ50が開口するタイミングを種々変えてシミュレーションした例を示すグラフである。
同図に示すように、発明者は、吸気弁19の開閉タイミングL21〜L23およびロータリバルブ50の開口タイミングL31〜L35を変化させてシミュレーションより体積効率を求め、最も体積効率の高い開閉タイミングL21〜L23、開口タイミングL31〜L35を選び出すようにした。
次に、各バルブタイミングL31〜L35について、吸気弁19の開弁期間(クランク角)が大きく、上記CA3よりも遅いクランク角で閉じる高速域の体積効率を重視したスポーツカーに好適な高速型エンジン(4気筒)と、吸気弁19の開弁期間(クランク角)が相対的に小さい(約25°〜30°CA小さい)低中速域の体積効率を重視した一般乗用車に好適な低中速型エンジン(4気筒)との体積効率を調べた。
図13は、高速型エンジンの体積効率とエンジン回転数との関係を示すグラフであり、図14は、低中速型エンジンの体積効率とエンジン回転数との関係を示すグラフである。なお吸気弁19の開閉タイミングは、エンジン回転数に応じて体積効率を高めるように調整している。
これらの図を参照して、何れの車両で計測した場合でも、回転速度Neが3200rpmから4500rpmの範囲では、体積効率が100パーセント以上となった。
図15は、図13、図14における各開口タイミングL31〜L35での最高値をグラフにして重ね合わせたものである。
同図において、F10は、それぞれ高速型エンジンの体積効率、F11は低中速型エンジンの体積効率の最高値を示している。また、F21、F22は、高速型エンジン、低中速型エンジンのそれぞれについて、ロータリバルブを用いていない場合の体積効率を示している。
図15から明らかなように、ロータリバルブを用いない場合、回転速度が2000rpmから3000rpmの範囲では、体積効率が大幅に低下するのに対し、ロータリバルブを上述した実施形態のように用いた場合、回転速度が2000rpmから3000rpmの範囲であっても、体積効率は100パーセント前後を確保していることがわかる。このように当実施形態の態様では、体積効率が落ち込みやすい低中速回転領域においても、良好な体積効率を得られることが確認された。
次に、行程容積と吸気通路容積との関係について説明する。
本件発明者は、上述した実施形態の吸気装置40を構成するに当たり、表2の仕様のシリンダで当該シリンダの行程容積と分岐管の容積との関係についてシミュレーションを行った。
Figure 0004466278
表2において、吸気通路長は、吸気ポート17と分岐管43A(43B、43C、43D)の経路長さの和であり、具体的には、吸気ポート17の燃焼室5に対する開口端(下流端)からロータリバルブ50の開口52(53)までの長さである(図2参照)。行程容積Vhは、シリンダ14のピストン上死点からピストン下死点までの容積であり、吸気通路容積Vは、シリンダヘッド12に形成された吸気ポート17の容積と分岐管43A(43B、43C、43D)の容積の和である。
図16は、本仕様で体積効率ηvと回転速度Neの関係を示したグラフである。
図16の測定結果は、吸気通路長が200mmの場合(R3の場合)をベースとして、ロータリバルブを115°CAで開いたときの吸気弁の開閉範囲が50°CA/30°CAから10°CA/70°CAのときの最高値を示したものである。同図に示すように、吸気通路/行程容積率が低い場合、吸気通路/行程容積率が70パーセントを下回ると、図のR1で示すように、全体的に体積効率ηvが低くなり、特に3500rpmの体積効率ηvが大きく落ち込んでしまう。これは、吸気通路容積Vが小さすぎるため、ロータリバルブによるパルス発生作用によっても充分な空気量を確保することができないこと、並びにパルス発生時に低回転領域(2500rpmの範囲)と高速回転領域(4500rpm〜5500rpm)がピーキーになり、3500rpmのところで谷ができてしまうことによるものと考えられる。他方、吸気通路長がベース長さよりも長い場合(吸気通路/行程容積率が96パーセント以上の場合)には、高速回転領域でのピークが緩和される結果、低速回転領域での体積効率ηvが高くなっても、3500rpmの谷が小さくなる傾向となることがわかった。尤も、吸気通路長が長くなると、吸気のレスポンスも悪くなる結果、加速時の過渡的なトルクが小さくなる恐れがある。これらの観点から、吸気通路/行程容積率が70パーセント以上130パーセント以下(吸気通路長さが500mm以下)である場合には、定常時、過渡時の双方において高トルクを得ることができ、しかも、レスポンスも向上することがわかった。
以上説明したように、当実施形態によれば、パルス発生装置として、クランク軸3と同期して回転するロータリバルブ50を採用しているので、大きな吸気抵抗を受けることなく、クランク軸3が高速回転領域で回転する場合でも低速域で回転する場合でも周波数を確実に同調させて所望のタイミングで気筒12A〜12D内に高圧波を生成することが可能になる。この結果、火花点火型のエンジンでありながら、ディーゼルエンジン並みの出力を確保することが可能になる。また、ロータリバルブ50の径が分岐管43A〜43Dの断面幅よりも大きく設定されているので、分岐管43A〜43Dに対して速い周速で開閉動作を行ない、強い圧力波を発生させることができる。
さらに、吸気通路/行程容積率が70パーセント以上130パーセント以下の範囲となる位置に設定されている結果、定常時のトルクはもちろん、加速時の過渡的な状態でのトルクも効率よく高めることが可能になり、低中高速回転領域での同期をも確実にとることができ、低速回転領域でも静音で体積効率を高めることができるという顕著な効果を奏する。しかも、この範囲に設定することにより、吸気通路を短く設定することができるので、燃料噴射弁45から噴射された燃料が気筒に到達する距離も短くなり、高い吸気流速に燃料を乗せることができる作用と相俟って、ポート壁面への燃料付着もなくなり、燃料供給効率も高くなる。
また当実施形態では、燃料噴射弁45は、ロータリバルブ50が開弁する付近で燃料を噴射するので、前記圧力波が発生する直前に燃料が噴射されるとともに、この燃料が吸気に乗って、気筒内にいわば押込まれる状態となる。この結果、燃料も効率よく気筒内に導入され、新気と混合されるので、混合状態が促進するとともに、燃料の気化潜熱によって新気が冷却されることになる。従って、高負荷状態において空燃比をエンリッチにした場合でも、通路壁面に燃料が付着するのを抑制し、気化潜熱によるノッキング防止機能を高めることができる。
また、空燃比をリッチ側にするに連れて、燃料が先に噴射されているので、燃料による気化霧化性能とノッキング抑制とを両立することが可能になる。
特に当実施形態では、エンジンのクランク軸3の動力を駆動源として前記ロータリバルブ50に伝達する動力伝達手段を備えているので、エンジンのクランク軸3とロータリバルブ50とを物理的に同期させて開弁動作を行わせることが可能になる。従って、ロータリバルブ50と各気筒12A〜12Dの位相とを精緻に同期させ、より精度の高いパルス発生機能を奏して体積効率を高めることが可能になる。
また、当実施形態において、前記動力伝達手段は、クランク軸3の回転速度に対して1/2の速度でロータリバルブ50を回転させるものであるので、ロータリバルブ50の開弁周期を吸気弁19の開弁周期と機械的に同期させて圧力波を気筒12A〜12D内へ伝播させることができる。
さらに、当実施形態では、ロータリバルブ50の開弁周期を吸気弁19の開弁周期と機械的に同期させて圧力波を気筒12A〜12D内へ伝播させることができるので、吸気通路の等長化を実現することが容易になる。
さらに当実施形態では、各分岐管43A〜43Dの吸気通路長は、略同一寸法に設定されているので、何れの気筒12A〜12Dにおいても、同一条件で同じ体積効率を得ることができるので、気筒12A〜12D毎にトルクのばらつきが生じなくなり、より安定したトルク生成特性を得ることが可能になる。
さらに当実施形態では、分岐管43A〜43Dの上流端に各分岐管43A〜43Dと連通する集合部としてのサージタンク42を設け、前記サージタンク42は、前記ロータリバルブ50を同心に内蔵しているので、サージタンク42の内部で吸気通路PH1〜PH4の開閉動作を行うことができ、サージタンク42内の容積を有効利用することが可能なる。従って、装置全体が大型化することなく、ロータリバルブ50の径をより大きく設定することが可能になる。
また上述した態様では、吸気通路/行程容積率が70パーセント以上130パーセント以下の範囲となる位置に設定されていたが、仮にこの範囲を外れていたとしても、サージタンク42内にロータリバルブ50を内蔵した構成を採用した場合には、大きな周速によって、瞬間的に分岐管43A〜43Dを開いて大きな圧力波を生成し、定常時のトルクはもちろん、加速時の過渡的な状態でのトルクも効率よく高めることが可能になる。従って、低中高速回転領域での同期をも確実にとることができ、低速回転領域でも静音で体積効率を高めることができる。
特に、当実施形態において、前記分岐管43A〜43Dは、4気筒12A〜12Dエンジンに接続されるものであり、各分岐管43A〜43Dの経路長は、略同じ長さに設定されているので、何れの気筒12A〜12Dにおいても、同一条件で同じ体積効率を得ることができ、気筒12A〜12D毎にトルクのばらつきが生じなくなる結果、より安定したトルクを生成することが可能になる。
また当実施形態においては、エンジンが、気筒列方向一端側から第1〜第4の4つの気筒12A〜12Dを備えているとともに、吸気行程が第1、第3、第4、第2の順にクランク角で180°の位相差をもって行なわれる4気筒4サイクルエンジンであり、前記ロータリバルブ50は、クランク軸3の速度の1/2の速度で回転するものであるとともに、軸方向に間隔を隔てて周方向に180°ないし略180°位相をずらした2つの開口52、53を有し、前記第1気筒12Aと第2気筒12Bの分岐管43A、43Bの上流端の開口が周方向に90°ないし略90°位相をずらすようにサージタンク42に接続されているとともに、前記第4気筒12Dと第3気筒12Cの分岐管43D、43Cの上流端の開口が周方向に90°ないし略90°位相をずらすようにサージタンク42に接続されており、第1気筒12Aと第4気筒12Dの分岐管43A、43Dの上流端の開口並びに第2気筒12Cと第3気筒12Dの分岐管43B、43Cの上流端の開口が、ロータリバルブ50の周方向において、同一位相に配置されている。
従って、ロータリバルブ50に2つの開口を設けることによって、4気筒12A〜12Dエンジンの分岐管43A〜43Dに対して圧力波を所望のタイミングで伝播させることができ、体積効率ηvを高めて高いトルクを得ることが可能になるので、等長化によるトルク生成特性の向上と、吸気通路の短縮化によるレスポンスの向上とを両立することができる。
また当実施形態においては、エンジンの低中速回転領域では、まず、吸気弁19が開き、ロータリバルブ50が閉じた状態で吸気行程を行うので、吸気行程途中までは、各気筒12A〜12D内に負圧が形成される。その後、パルス発生装置としてのロータリバルブ50が開弁することにより、新気が高圧波を伴って各気筒12A〜12D内に導入される。従って、中速回転領域においては、ロータリバルブ50による圧力波によって、充分な空気を吸気行程にある気筒に導入することが可能になる。さらに、高回転領域では、ロータリバルブ50の開弁タイミングが進角するとともに、吸気弁19の開弁タイミングが遅れることにより、両者の開弁タイミングがオーパラップする。そのため、吸気流速が高い高速回転領域において、吸気充填時間を確保し、充分な体積効率を得ることが可能になる。この結果、ロータリバルブ50で高圧波を各気筒12A〜12D内に導入する当たり、導入された高圧波(新気)を各気筒12A〜12D内に閉じこめるタイミングを広い回転領域で適性化しつつ、高速回転領域では、吸気弁19による吸気充填時間を確保して、広い運転領域で高い体積効率を得ることが可能になる。
また、当実施形態では、ロータリバルブ50の開口52、53から吸気弁19までの吸気通路の容積をエンジン高回転領域で同調共鳴する固有振動数に設定し、開弁タイミング制御手段60Bが、エンジン高回転領域では、吸気弁19とロータリバルブ50の開弁期間を最大になるように制御するものであることから、ロータリバルブ50によるインパルス作用を得ることのできない高回転領域においても、経路長設定による慣性過給効果を発揮させ、体積効率を高めることが可能なる。従って、幅広い回転領域で体積効率を高めることが可能になる。
しかも、この範囲に設定することにより、吸気通路を短く設定することができるので、燃料噴射弁45から噴射された燃料が気筒に到達する距離も短くなり、高い吸気流速に燃料を乗せることができる作用と相俟って、ポート壁面への燃料付着もなくなり、燃料供給効率も高くなる。
さらに当実施形態では、各気筒12A〜12Dの単一の行程容積に対する吸気ポート17の下流端からロータリバルブ50の前記開口までの単一の分岐管43A〜43D容積の割合が70パーセント以上130パーセント以下(吸気通路の経路長が500mm以下)の範囲に設定されているので、定常時のトルクはもちろん、加速時の過渡的な状態でのトルクも効率よく高めることが可能になる。
さらに当実施形態では、前記分岐管43A〜43Dの上流側に、各分岐管43A〜43Dと連通する集合部としてのサージタンク42を気筒列方向に沿って設け、このサージタンク42の気筒列方向の長さSLは、各分岐管43A〜43Dの気筒列方向における下流端側の間隔DLよりも短くなるように設定されているので、ロータリバルブ50のトルク向上に対するレスポンスが向上する。
さらに当実施形態において、開弁タイミング制御手段60Bは、いわゆる冷間停止状態にあるエンジンを始動する際には、エンジンの回転領域を低速側と判定してロータリバルブ50と可変バルブタイミング機構21とを制御するので、当該エンジン始動時に、吸気弁19とロータリバルブ50の開弁期間とのオーパラップ部分が可及的に短くなるので、大きな負圧が発生した時点で急激に高圧波を伴う新気が吸気行程にある気筒に導入される。この結果、各気筒12A〜12D内の断熱圧縮作用が高まり、各気筒12A〜12D内の温度が上昇するので、エンジンの始動性能が向上する。
また、当実施形態において、前記可変バルブタイミング機構21は、クランク角に対する位相を変更して当該吸気弁19を開弁するものであるので、フルリフトで開閉される吸気弁19を用いつつ、吸気圧を調整することが可能になり、ロータリバルブ50との組み合わせが容易になる。従って、低速回転領域から高速回転領域に至るまで適切な吸気圧を調整することが可能になる。特に、高速回転領域では、吸気弁19の開弁リフト量をフルリフトに設定することができるので、ロータリバルブ50の開弁タイミングを進角させて調整するに当たり、当該ロータリバルブ50による高圧波を適切な吸気圧に調整することが容易になる。
さらに当実施形態においては、エンジンのクランク軸3の動力を駆動源として前記ロータリバルブ50に伝達する動力伝達手段(入力プーリ32、54、タイミングベルト34等)を備えているので、エンジンのクランク軸3とロータリバルブ50とを物理的に同期させて開弁動作を行わせることが可能になる。
上述した実施形態は本発明の好ましい具体例に過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。
図17は、本発明の別の実施形態を示すエンジンの断面略図であり、図18は図17の実施形態に係るブロック図である。
同図に示すように、ロータリバルブ50を駆動する手段としては、電動モータ156を採用してもよい。その場合には、ECU60に設けられた開弁タイミング制御手段60Bは、当該電動モータ156の回転数を制御することによって、ロータリバルブ50の位相を調整することが可能になる。
図19は、本発明のさらに別の実施形態を示すエンジンの断面略図であり、図20は、図19の実施形態のフローチャートである。
同図を参照して、図19に係る実施形態では、ターボチャージャ58が設けられている。ターボチャージャ58は、排気管18aを介して排気ポート18に接続されるタービンセクション58aと、タービンセクション58aに駆動されるコンプレッサセクション58bとを有しており、タービンセクション58aに内蔵されたファンが排気ポート18から排出された排気ガスによって回動することにより、コンプレッサセクション58bに内蔵されたファンが外気を吸引して、インテークマニホールド41のサージタンク42内に新気を過給するように構成されている。このターボチャージャ58のタービンセクション58aには、中速回転領域(例えば2000rpmから3000rpmの間)をインターセプト点とするウェィストゲート58cが設けられており、前記中速回転領域よりもエンジン速度が高速になった場合には、このウェイストゲート58cが開いて排気をバイパスするようになっている。
次に図20を参照して、図19の実施形態では、エンジンを始動し(ステップS11)、各制御手段60A〜60CがPGVモードに移行(ステップS12)した後、エンジン回転速度がターボチャージャ58のインターセプト点以上になるか否かをモニタし(ステップS13)、インターセプト点を超えた後は、直ちに高速回転領域モードに移行し、エンジンが停止するまでインターセプト点をモニタするようになっている(ステップS14、ステップS15)。この実施形態の態様では、ターボチャージャ58のインターセプト点に至るまでの回転領域では、ロータリバルブ50によって、各気筒12A〜12D内に圧力波を導入することができるとともに、インターセプト点以降の中高速回転領域においては、吸気弁19とロータリバルブ50の開弁期間をオーパラップさせて、過剰な圧力差が発生するのを防止し、所望の吸気圧で新気を各気筒12A〜12D内に導入することが可能になる。従って、低速回転領域での吸気をロータリバルブ50で補うことができる一方、ターボチャージャ58による過給圧がインターセプト点に過給効果を有効に発揮させて充填効率を高めることが可能になる。
図21は、本発明のさらに別の実施形態に係るバルブリフト量とクランク角との関係を示すグラフであり、図22は、図21の実施形態のフローチャートである。
これら図を参照して、可変バルブタイミング機構を採用するに当たり、バルブリフト量(開弁期間)も調整可能とし、低速回転領域では、図21のV6で示すように、低リフト(短い開弁期間)で吸気弁を開閉してブースト圧を得るようにしている。すなわち、中高速回転領域では、図6の場合と同様に、図21のV1〜V5で示すように、高リフトで吸気弁を開閉するように構成されている場合、低速回転領域では、ロータリバルブを作動させると却って充填効率を高めるための時間が長くなる恐れがある。そこで、図22に示すように、低速回転領域において、低リフトで吸気弁を開閉してブースト圧を得る構成を採用している場合には、エンジンを始動(ステップS21)した後は、各制御手段を低速回転領域モードに設定するようにしている(ステップS22)。この低速回転領域モードにおいては、バルブリフト量が低リフトに設定されている回転領域において、ロータリバルブ60の開弁タイミングを図21で示すLV2に設定して吸気弁19の開弁タイミングと同期させ、専らバルブリフト量の調整によってブースト圧を得るようにし、中速回転領域以上にエンジンの回転領域がシフトした場合には、図7で説明した制御モードと同様に、エンジンの回転領域に応じて各制御手段60A〜60Cの制御モードをPGVモードまたは高速回転領域モードに切り換えるようにしている(ステップS23〜S27)。
この態様では、エンジン負荷に対する高い追随性が要求される低回転領域では、低リフトで吸気弁19を開閉することにより、高圧の新気を短時間で一気に各気筒12A〜12D内に供給することができるとともに、中速回転領域では、当該吸気弁19の位相変更によってロータリバルブ50による高圧波を抑制可能な高リフトで吸気弁19を開閉することが可能になる。さらに、吸気を充分に確保できる高速回転領域では、吸気弁19の開弁期間とロータリバルブ50の開弁期間とをオーパラップさせて、過剰な圧力が生じるのを抑制することが可能になる。
なお、具体的には図示していないが、燃料噴射弁45は、シリンダヘッド12に形成された吸気ポート17に取り付けられていてもよい。
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
本発明の実施の一形態に係る多気筒エンジンの吸気装置の右側面図である。 図1のA−A断面略図である。 当実施形態の要部を簡略化して示す斜視図である。 図2の要部を拡大した断面図である。 当実施形態のECUの構成を示すブロック図である。 バルブリフト量とクランク角との関係を示すグラフである。 図1の実施形態に係るECUの制御手順を示すフローチャートである。 PGVモードでの吸気行程から排気行程に至るまでの状態を示す断面略図である。 PGVモードでの吸気行程から排気行程に至るまでの状態を示す断面略図である。 PGVモードでの吸気行程から排気行程に至るまでの状態を示す断面略図である。 第1気筒のクランク角と筒内圧力、吸気弁のリフト量との関係を示すグラフである。 吸気弁の開閉タイミングとロータリバルブが開口するタイミングをシミュレーションした例を示すグラフである。 高速型エンジンの体積効率とエンジン回転数との関係を示すグラフである。 低中速型エンジンの体積効率とエンジン回転数との関係を示すグラフである。 図13、図14における各開口タイミングでの最高値をグラフにして重ね合わせたものである。 本仕様で体積効率と回転速度の関係を示したグラフである。 本発明の別の実施形態を示すエンジンの断面略図である。 図17の実施形態に係るブロック図である。 本発明のさらに別の実施形態を示すエンジンの断面略図である。 図19の実施形態のフローチャートである。 本発明のさらに別の実施形態に係るバルブリフト量とクランク角との関係を示すグラフである。 図21のフローチャートである。
3 クランク軸
4 ピストン
10 エンジン本体
11 シリンダブロック
12 シリンダヘッド
12A〜12D 気筒
14 シリンダ
17 吸気ポート
19 吸気弁
30 カムプーリ
32 出力プーリ
34 タイミングベルト
40 吸気装置
41 インテークマニホールド
42 サージタンク
43A〜43D 分岐管(吸気管の一例)
45 燃料噴射弁
50 ロータリバルブ(パルス発生装置の一例)
52 開口
53 開口
60 ECU
60A 運転状態判定手段
60B 開弁タイミング制御手段
60C燃料噴射制御手段
D 直径
DL 各分岐管の気筒列方向における下流端側の間隔
SL 集合部の気筒列方向の長さ
Ne 回転速度
PH1〜PH4 吸気通路
V 吸気通路容積
Vh 行程容積
ηv 体積効率
θ 開口角度

Claims (9)

  1. 複数の気筒に空気を供給する吸気管当該気筒の吸気ポート毎に設けられるとともに、各気筒の吸気管の上流端に、各吸気管と連通する集合部としてのサージタンクが設けられ、各気筒の吸気行程に対応して、吸気ポートの開弁期間内の吸気行程途中で開弁して気筒内に高圧波を生成するパルス発生装置を備えた多気筒エンジンの吸気装置において、
    パルス発生装置は、前記サージタンクの内周面に摺接しつつクランク軸と同期して回転するロータリバルブであり、このロータリバルブの径吸気管断面幅より大きく設定されるとともに、前記ロータリバルブの周面に、前記サージタンクの内部と前記各吸気管とを連通する開口が形成され、各吸気管の上流端が、前記ロータリバルブの開口に臨んで選択的に開閉されるように配置され、
    各気筒の単一の行程容積に対する吸気ポートの下流端からロータリバルブの前記開口までの単一の独立吸気通路容積の割合が70パーセントから130パーセントの範囲に設定されていることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  2. 請求項1記載の多気筒エンジンの吸気装置において、
    エンジンのクランク軸の動力を駆動源として前記ロータリバルブに伝達する動力伝達手段を備えていることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  3. 請求項2記載の多気筒エンジンの吸気装置において、
    前記動力伝達手段は、クランク軸の回転速度に対して1/2の速度でロータリバルブを回転させるものであることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  4. 請求項1から3の何れか1記載の多気筒エンジンの吸気装置において、
    各吸気管の吸気通路長は、略同一寸法に設定されていることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  5. 請求項1から4の何れか1記載の多気筒エンジンの吸気装置において、
    前記サージタンクは、前記ロータリバルブを同心に内蔵していることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  6. 複数の気筒の各吸気ポートに空気を供給する吸気管の上流端に、各吸気管と連通する集合部としてのサージタンクが設けられ、各気筒の吸気行程に対応して、吸気ポートの開弁期間内の吸気行程途中で開弁して気筒内に高圧波を生成するパルス発生装置を備えた多気筒エンジンの吸気装置において、
    パルス発生装置は、前記サージタンクの内周面に摺接しつつクランク軸と同期して回転するロータリバルブであって、このロータリバルブの径吸気管断面幅より大きく設定されるとともに、前記ロータリバルブの周面に、前記サージタンクの内部と前記各吸気管とを連通する開口が形成され、各吸気管の上流端が、前記ロータリバルブの開口に臨んで選択的に開閉されるように配置されていることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  7. 請求項6記載の多気筒エンジンの吸気装置において、
    吸気ポートからロータリバルブの開口までの経路長は、略同じ長さに設定されていることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  8. 請求項6または7記載の多気筒エンジンの吸気装置において、
    エンジンは、気筒列方向一端側から第1〜第4の4つの気筒を備えているとともに、吸気行程が第1、第3、第4、第2の順にクランク角で180°の位相差をもって行なわれる4気筒4サイクルエンジンであり、
    前記第1気筒と第2気筒の各吸気管の上流端の開口が周方向に90°ないし略90°位相をずらすように前記サージタンクに接続されているとともに、前記第4気筒と第3気筒の各吸気管の上流端の開口が周方向に90°ないし略90°位相をずらすように前記サージタンクに接続されており、第1気筒と第4気筒の吸気管の上流端の開口並びに第2気筒と第3気筒の吸気管の上流端の開口が、ロータリバルブの周方向において、同一位相に配置されており、
    前記ロータリバルブは、クランク軸の回転速度の1/2の速度で回転するものであるとともに、各吸気管の上流端開口を前記順序で開くように周方向に180°ないし略180°の位相差を有する一対の開口を有していることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  9. 請求項6から8の何れか1記載の多気筒エンジンの吸気装置において、
    各気筒の単一の行程容積に対する吸気ポートの下流端からロータリバルブの前記開口までの単一の独立吸気通路容積の割合が70パーセントから130パーセントの範囲に設定されていることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
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