JP4463751B2 - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
ヒータ部で作動流体を膨張させるために、バーナが用いられる。このバーナが燃料を燃焼させることにより生じた燃焼ガスの熱を利用して外部に熱エネルギを供給する。こうしてスターリングエンジンを利用して電力と熱エネルギを外部に供給することができる。外部に供給する熱エネルギは、燃焼ガスの熱を利用した熱交換器によって低温の液体を昇温させ、高い熱エネルギを有する高温の液体として外部に供給することが多い。
特許文献1には、発電機が連結されたスターリングエンジンを利用したコージェネレーションシステムが開示されている。
熱効率を一層向上させたコージェネレーションシステムが望まれている。
本発明では、ヒータ部を加熱するバーナの燃焼ガスの熱エネルギを効率よく回収して外部へ熱エネルギを供給するための熱源に利用することによって、コージェネレーションシステムの効率を向上させることに成功した。
ここでいう液体は典型的には水でよいが、水に限られずに液体であればよい。なお、本明細書では、特に温水や冷水と明言しない場合には、温水であっても冷水であっても「水」あるいは「液体」と称することにする。
第1燃焼ガスの熱によって液体を昇温させる第1顕熱熱交換器と第1潜熱熱交換器は物理的に分離した装置であってもよいし、一体化された装置であってもよい。同様に、第2燃焼ガスの熱によって液体を昇温させる第2顕熱熱交換器と第2潜熱熱交換器も物理的に分離した装置であってもよいし、一体化された装置であってもよい。
また、第1潜熱熱交換器と第2潜熱熱交換器とクーラ冷却部は、いかなる順序で第1液体流路に接続されていてもよい。同様に第1顕熱熱交換器と第2顕熱熱交換器も、いかなる順序で第2液体流路に接続されていてもよい。
また、本明細書でいう「熱消費装置」とは、例えば床暖房装置やエアコンや給湯装置や浴槽水の追い焚き用の熱交換装置等、熱エネルギを利用する加熱装置を総称する概念として用いている。あるいは「熱消費装置」は、給湯栓や温水シャワー等のように、水と熱を同時に消費する装置(即ち、高い熱エネルギを有した水を消費する装置)の場合もある。
スターリングエンジンのヒータ部を加熱する第1バーナが燃料ガスを燃焼することにより生ずる第1燃焼ガスの熱エネルギは、第1顕熱熱交換器と第1潜熱熱交換器によって、それら熱交換器を通過する液体中へ回収される。第1燃焼ガスは、第1顕熱熱交換器と第1潜熱熱交換器でその熱エネルギを回収されるため、最終的には大気温度に近い温度まで低下する。即ち、第1燃焼ガスが有する熱エネルギの大半を回収することができる。また、第2バーナが燃料ガスを燃焼することにより生ずる第2燃焼ガスの熱エネルギは、第2顕熱熱交換器と第2潜熱熱交換器によって、それら熱交換器を通過する液体中へ回収される。
なお、第1液体流路の液体流出口から流出した液体は、第1熱消費装置へ供給されて熱エネルギを与える。熱エネルギを第1熱消費装置に与えることによって低温となった液体を第1熱消費装置から再び第1液体流路の液体流入口へ還流させる。第1液体流路の液体流出口から流出した液体が有する熱エネルギが全て第1熱消費装置で消費されなかった場合には残りの熱エネルギは再びコージェネレーションシステムへ還流して昇温される。第1液体流路を流れる液体の熱エネルギは無駄に消散することがない。コージェネレーションシステムの効率をより向上することができる。
以上のようにして、本発明のコージェネレーションシステムでは、第1バーナと第2バーナとクーラ冷却部が発生する熱エネルギの大半を回収することができる。コージェネレーションシステムの効率を向上させることができる。
第2熱消費装置としては、例えば浴室暖房装置や水を加熱して給湯する熱交換装置等がある。第1熱消費装置としては、例えば床暖房装置などがある。
また、第1液体流路には、第2熱消費装置よりも低い温度の液体で作動可能な複数の第1熱消費装置が接続されていてもよい。同様に、第2流路には、第1熱消費装置よりも高い温度の液体を必要とする複数の第2熱消費装置が接続されていてもよい。
一方、潜熱熱交換器やクーラ冷却部を通過した液体の温度は、顕熱熱交換器を通過して昇温された液体の温度よりも低い。
そこで、外部に熱を供給する場合、比較的に高い温度の液体を必要とする第2熱消費装置には、第2液体流路の途中に配置された第1および第2顕熱熱交換器を通過させて高温となった液体を供給する。
第2熱消費装置よりも低い温度の液体で十分に動作する第1熱消費装置には、第1液体流路の途中に配置された第1および第2潜熱熱交換器を通過させて、第2熱消費装置に供給する液体の温度よりは低いが常温よりは高温となった液体を供給する。このときさらに、スターリングエンジンのクーラ部を冷却する際に吸収した熱量も、第1液体流路を通過する液体を昇温するために利用する。
本発明では、第1液体流路には第1および第2潜熱熱交換器とクーラ冷却部を接続する。第2液体流路には第1および第2顕熱熱交換器を接続する。第1および第2顕熱熱交換器によって第2液体流路を通過する液体はより高温となる。第1および第2潜熱熱交換器とクーラ冷却部によって第1液体流路を通過する液体は、第2液体流路を通過した液体よりは低温だが常温よりは高い温度となる。顕熱熱交換器と潜熱熱交換器の特徴を生かして、より高温の液体と、それよりは低温だが常温よりは高温である液体の2種類の温度の液体を外部に供給することができる。第2熱消費装置よりも低い温度の液体で十分に作動する第1熱消費装置と、第1熱消費装置よりも高い温度の液体を必要とする第2熱消費装置の夫々に対して適切な温度の液体を供給することができる。
前者では、第1熱消費装置へ熱エネルギを与えて低温となった液体を、第1および第2潜熱熱交換器に先立ってクーラ冷却部に通過させる。クーラ部をより効率的に冷却することができる。その結果、スターリングエンジンの発電効率を向上させることができる。
後者では、第1熱消費装置へ熱エネルギを与えて低温となった液体を、クーラ冷却部に先立って第1および第2潜熱熱交換器に通過させる。2つの潜熱熱交換器に低温の液体を通過させることで、2つの潜熱熱交換器の熱交換効率を向上させることができる。
また、一方の潜熱熱交換器を通過した液体を次にクーラ冷却部を通過させてその後に他方の潜熱熱交換器を通過させるようにしてもよい。スターリングエンジンの発電効率と、潜熱熱交換器の熱効率の両者をトレードオフしたコージェネレーションシステムを実現できる。
第1液体流路に対して、第1および第2潜熱熱交換器とクーラ冷却部をどのような順番で配置するかは、発電機の効率と、潜熱熱交換器の効率を比較してコージェネレーションシステム全体の効率が最も高くなるように設定すればよい。
本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態であるコージェネレーションシステム100aの模式図である。なお、図1には、実用化の際には必要であるが本実施形態の構成を説明するのに不要な部品、例えばバルブやファンなどは図示を省略してある。また、簡単化のため、以下ではコージェネレーションシステム100aを略してコジェネ100aと称する。
コジェネ100aは、スターリングエンジン110と、スターリングエンジン110のヒータ部112を加熱する第1バーナ120と、スターリングエンジン110のクーラ部114を冷却する液体を通すクーラ冷却部130と、第1顕熱熱交換器140と、第1潜熱熱交換器150と、第2バーナ160と、第2顕熱熱交換器170と、第2潜熱熱交換器180を備える。
また、第1液体流入口202が第1熱消費装置300の液体排出口302に接続可能であり、第1液体流出口204が第1熱消費装置300の液体供給口304に接続可能であり、第1液体流入口202から流入する液体を、クーラ冷却部130と第1潜熱熱交換器150と第2潜熱熱交換器180を通過させてから第1液体流出口204へ導く第1液体流路200を備える。
さらに、一端256(第2液体流路入口256とも称する)から液体が供給されており、他端254(第2液体流出口254とも称する)が第2熱消費装置310の液体供給口314に接続可能であり、供給された液体を、第1顕熱熱交換器140と第2顕熱熱交換器170を通過させてから第2液体流出口254へ導く第2液体流路250を備える。
第1顕熱熱交換器140は、その内部を通る液体と第1燃焼ガスとの間で熱交換を行う。即ち、第1顕熱熱交換器140内を通過する液体は昇温される。その際、液体に伝熱される熱エネルギは第1燃焼ガスの顕熱の熱エネルギである。
第1潜熱熱交換器150は、その内部を通る液体と第1顕熱熱交換器140を通過した後の第1燃焼ガスとの間で熱交換を行う。即ち、第1潜熱熱交換器150内を通過する液体は昇温される。その際、液体に伝熱される熱エネルギは、第1燃焼ガス中の水蒸気が結露する際に放出する凝縮熱の熱エネルギである。一般に、潜熱熱交換器は、顕熱熱交換器よりも低い温度のガスから熱エネルギを回収できる。従って、第1潜熱熱交換器150は、第1顕熱熱交換器140で顕熱の熱エネルギ分だけ温度の低下した第1燃焼ガスからも熱エネルギを回収できる。
第2顕熱熱交換器170では、第2燃焼ガスの顕熱の熱エネルギによって、その内部を通る液体が昇温される。
第2潜熱熱交換器180では、第2顕熱熱交換器170を通過した後の第2燃焼ガスの潜熱の熱エネルギによって、その内部を通る液体が昇温される。
なお、第2バーナ160は、第1バーナ120が生成する第1燃焼ガスによって昇温した液体をさらに昇温して、より高温の液体を外部に供給する(即ち、より多くの熱エネルギを外部に供給する)ために設けられている。
また、第1顕熱熱交換器140と第1潜熱熱交換器150は物理的に独立していてもよいし一体化されていてもよい。同様に、第2顕熱熱交換器170と第2潜熱熱交換器180は物理的に独立していてもよいし一体化されていてもよい。
コジェネ100aの第1液体流入口202は、配管210によってクーラ冷却部130の流入口132と接続されている。クーラ冷却部130の流出口134は、配管212によって第1潜熱熱交換器150の流入口152と接続されている。第1潜熱熱交換器150の流出口154は、配管214によって第2潜熱熱交換器180の流入口182に接続されている。第2潜熱熱交換器180の流出口184には、配管216の一端が接続されている。配管216の他端はコジェネ100aの第1液体流出口204となっている。なお、クーラ冷却部130の流入口132から流入する液体は、クーラ冷却部130内で昇温されて流出口134から流出する。同様に第1潜熱熱交換器150の流入口152から流入する液体は、第1潜熱熱交換器150内で昇温されて流出口154から流出する。第2潜熱熱交換器180の流入口182と流出口184についても同様である。
配管210、212、214、216によって、コジェネ100aの液体流入口202から流入する液体を、クーラ冷却部130と第1潜熱熱交換器150と第2潜熱熱交換器180とを通過させてから第1液体流出口204へ導く第1液体流路200が形成される。なお、第1液体流路200内の液体を流動させるための第1ポンプ220が配管216の途中に配置されている。
第1顕熱熱交換器140の流入口142には配管260の一端が接続されている。配管260の他端256(第2液体流路入口256)からは矢印272に示すように、外部から常温の水が供給される。第1顕熱熱交換器140の流出口144は、配管262によって第2顕熱熱交換器170の流入口172に接続されている。第2顕熱熱交換器170の流出口174には配管264の一端が接続されている。配管264の他端がコジェネ100aの第2液体流出口254となっている。なお、第1顕熱熱交換器140の流入口142と流出口144、および第2顕熱熱交換器170の流入口172と流出口174は、第1液体流路200を説明した際の第1潜熱熱交換器150の流入口152と流出口154と同様である。
第2液体流出口254は、第2熱消費装置310の液体供給口314に接続可能となっている。即ちコジェネ100aは、第2液体流出口254から高温の液体を第2熱消費装置310へ供給することができる。コジェネ100aは、前述した第1液体流出口202から外部へ熱エネルギを供給するとともに、第2液体流出口254からも外部へ熱エネルギを供給することができる。なお、第2熱消費装置310は、例えばエアコンや給湯装置などである。
今、第1熱消費装置300から排出される液体の温度が25℃であるとする。25℃の液体が流入するクーラ冷却部130では、スターリングエンジン110のクーラ部114を冷却する際に得た熱エネルギによって、通過する液体を昇温する。クーラ冷却部130の出口では液体の温度は例えば30℃となる。次に30℃に昇温された液体が流入する第1潜熱熱交換器150では、第1バーナ120が生成する第1燃焼ガスの潜熱によって、通過する液体を昇温する。その結果、第1潜熱熱交換器150の出口では液体の温度は例えば40℃となる。同様に、40℃の液体は第2潜熱熱交換器180を通過する際に第2燃焼ガスの潜熱によって昇温されて例えば50℃となる。第1液体流入口202から流入した25℃の液体は、50℃に昇温されて第1液体流出口204に導かれ、第1熱消費装置300の液体供給口314を介して再び第1熱消費装置300へと供給される。こうしてコジェネ100aは、第1液体流路200を通過する液体を、クーラ冷却部130と第1潜熱熱交換器150と第2潜熱熱交換器180によって昇温し、第1熱消費装置300へ昇温された液体(即ち液体が有する熱エネルギ)を供給する。
また、第1液体流路200の途中に配置された第1潜熱熱交換器150と第2潜熱熱交換器180によって、第1バーナ120が発生する第1燃焼ガスの潜熱の熱エネルギと第2バーナ160が発生する第2燃焼ガスの潜熱の熱エネルギを液体へ転換し、昇温した液体を媒体として外部へ熱エネルギを供給することができる。このとき、スターリングエンジン110のクーラ部114から回収した熱エネルギも第1液体流路200を通過する液体に転換される。
このようにコジェネ100aは、第1バーナ120が発生する第1燃焼ガスの顕熱と潜熱の熱エネルギ、および第2バーナ160が発生する第2燃焼ガスの顕熱と潜熱の熱エネルギ、さらにはスターリングエンジン110のクーラ部114から得た熱エネルギまで回収し、回収した熱エネルギを外部へ供給することができる。そうすることによって、熱効率を向上させたコジェネ100aを実現することができる。
第1液体流路200を流れる液体は、クーラ冷却部130と第1潜熱熱交換器150と第2潜熱熱交換器180によって昇温される。一方、第2液体流路250を流れる液体は、第1顕熱熱交換器140と第2顕熱熱交換器170によって昇温される。顕熱熱交換器と潜熱熱交換器の特性の違いによって、第1液体流路200から外部へ供給可能な液体の温度は、第2液体流路250から外部へ供給可能な液体の温度よりも低い。顕熱熱交換器と潜熱熱交換器の特徴を生かして、低い温度の液体で十分に作動する第1熱消費装置300と、高い温度の液体を必要とする第2熱消費装置310の夫々に対して適切な温度の液体を供給することができる。コジェネ100aが供給する熱を効率的に利用することができる。
例えば、第1液体流路200を流れる液体が、第1潜熱熱交換器150と第2熱交換器180よりも先にクーラ冷却部130を通過するように配置する。そうすることによって、クーラ冷却部130に、より低温の液体を通過させることができる。スターリングエンジン110のクーラ部114をより効率的に冷却することができる。その結果、スターリングエンジン110に連結された発電機116の発電効率を向上させることができる。
また、例えば、第1液体流路200を流れる液体が、第1潜熱熱交換器150と第2熱交換器180を通過した後にクーラ冷却部130を通過するように配置する。そうすることによって、2つの潜熱熱交換器150、180に、より低温の液体を通過させることができる。その結果、2つの潜熱熱交換器150、180での熱交換効率を向上させることができる。
また、例えば、2つの潜熱熱交換器150、180のどちらか一方の潜熱熱交換器を通過した液体を次にクーラ冷却部130に通過させ、その後に他方の潜熱熱交換器を通過させるようにしてもよい。発電機116の発電効率と、潜熱熱交換器150、180の熱効率の両者をトレードオフしたコジェネ100aを実現できる。
第1液体流路200を流れる液体を、2つの潜熱熱交換器150、180とクーラ冷却部130をどのような順番で通過させるかは、発電機116の効率と、潜熱熱交換器の効率を比較してコジェネ100a全体の効率が最も高くなるように設定すればよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図2は、第2実施形態のコージェネレーションシステム100bの模式図である。以下では説明を簡単にするため、コージェネレーションシステム100bをコジェネ100bと称することにする。このコジェネ100bは、図1に示すコジェネ100aに加えて、第1液体流路200のうち、クーラ冷却部130と第1潜熱熱交換器150と第2潜熱熱交換器180よりも第1液体流出口204に近い部分の分岐点272と、第2液体流路250の第2液体流路入口256を連通する配管280を備える。この配管280を第3液体流路と称する。
さらに、図1に示すコジェネ100aに加えて、一端274(第2液体流入口274とも称する)が第2熱消費装置310bの液体排出口312と接続可能であり、他端が第1液体流路200のうち、クーラ冷却部130と第1潜熱熱交換器150と第2潜熱熱交換器180よりも第1液体流入口202に近い部分の第1液体流路200の合流点276に連通する配管278を備える。この配管278を第4液体流路278と称する。
なお、図1に示したコジェネ100aと同じ装置や部品には図2でも同じ符号を付してあり、以下では説明を省略する。
第1液体流路200の分岐点272から分岐した第3液体流路280は、第2液体流路250の端部のうち第2液体流路入口256に接続されている。従って、クーラ冷却部130と第1潜熱熱交換器150と第2潜熱熱交換器180を通過して昇温された液体の一部は第3液体流路280によって第2液体流路250の第2液体流路入口256に供給される。今、クーラ冷却部130と第1潜熱熱交換器150と第2潜熱熱交換器180を通過した液体の温度が例えば55℃であるとする。クーラ冷却部130と第1潜熱熱交換器150と第2潜熱熱交換器180を通過した液体の温度が図1で示した同じ場所の温度50℃より高くなっている理由は後述する。図1に示したコジェネ100aでは第2液体流路250の第2液体流路入口256に供給される液体の温度は常温の10℃であった。これに対してコジェネ100bでは、第3液体流路280によって、第2液体流路250には55℃の液体が供給されることになる。従って、第1顕熱熱交換器140では、流入する55℃の液体を例えば70℃に昇温できる。さらに、第2顕熱熱交換器170では、流入する70℃の液体を例えば85℃に昇温できる。その結果、85℃に昇温した液体を第2熱消費装置310へ供給することができる。第2熱消費装置310へ供給する液体の温度を、図1のコジェネ100aよりも高温の液体とすることができる。
また、図1と図2で説明した本発明の実施形態では、高温の液体を媒体にして熱エネルギを外部に供給する第2液体流路250と、第2液体流路250によって供給される液体よりは低温であるが常温よりは温度の高い液体を媒体にして熱エネルギを外部に供給する第1液体流路200を備える。即ちコージェネレーションシステム100a、100bは、異なる温度の液体を外部に供給することができる。必要とする液体の温度が異なる複数の熱消費装置に対して、夫々の熱消費装置に適した温度の液体を供給することができる。コージェネレーションシステムが供給する液体の温度を、熱消費装置が必要とする液体の温度に合わせるための温度調節装置等の付加的な装置を要しない。
また、図1と図2で説明した本発明の実施形態では、第1熱消費装置300と第2熱消費装置310、310bをコジェネ100a、100bの外部の装置とした。しかし、例えば第2熱消費装置310として給湯装置などを用いる場合、熱交換器など給湯装置の一部あるいは全部をコージェネレーションシステム100a、100bの構成の一部にくわえてもよい。
なお、図1および図2では、コジェネ100a、100bの第1液体流路200に接続される熱消費装置は、第1熱消費装置300ひとつだけが描かれているが、第1液体流路200には複数の第1熱消費装置が接続されていてもよい。同様に、図1では、コジェネ100aの第2液体流路250に接続される熱消費装置は、第2熱消費装置310ひとつだけが描かれており、図2では、コジェネ100aの第2液体流路250に接続される熱消費装置は、第2熱消費装置310bひとつだけが描かれているが、第2液体流路250には複数の第2熱消費装置が接続されていてもよい。
上記のシスターンへと導く配管を設けることによって、第1顕熱熱交換器140と第2顕熱熱交換器170を通過した液体を、シスターンを介して第1液体流路200へと導くことができる。そうすることによって、例えば第2熱消費装置310bが運転を停止している場合や、第2熱消費装置310bで消費する熱量が少ない場合には、第1顕熱熱交換器140と第2顕熱熱交換器170で昇温した液体を、シスターンを介して第1熱消費装置300へ供給することができる。なお、図2に示した第2実施形態の構成に上記のシスターン等を付加した構成を後述する実施例で例示する。
なお、図1と図2で例示した液体の温度の値はコジェネ100a、100bの動作を説明するために仮に例示した値であり、実際には、バーナ120、160や2つの顕熱熱交換器140、170や2つの潜熱熱交換器150、180の熱交換効率などによって変化することはいうまでもない。
本実施例のコージェネレーションシステム1000は、図2に示した第2実施形態を基本として、現実に必要な様々な部品が付加されたものである。また、図面の都合上、図2の第2実施形態に示したコージェネレーションシステムの部品と対応する図3の本実施例のコージェネレーションシステムの部品に異なる名称を付してある場合がある。そこでまず、本実施例のコージェネレーションシステム1000と、図2に示した第2実施形態のコージェネレーションシステム100bとの対応関係を説明する。なお、図1および図2では流体の流路を白抜きの線で示したが、図3では図を簡略化するために流体の流路を1本の線で描いてある。
なお、低温暖房機1032と、高温暖房機1074と、給湯器1100と、風呂給湯器1130は、コージェネレーションシステム1000に接続可能な外部の装置としてもよいが、ここでは全体構成を説明しやすくするために、これらの装置を含めてコージェネレーションシステム1000と称することにする。
発電装置1002内には、スターリングエンジン110と、第1燃焼装置1006が配置されている。スターリングエンジン110には、発電機116が連結されている。また、スターリングエンジン110はヒータ部112とクーラ部(図3では図示を省略してある。図1を参照されたい)を有している。スターリングエンジン110のクーラ部に隣接して、クーラ部を冷却するためのクーラ冷却部130が配置されている。
第2燃焼装置1044は、第2バーナ160と、第2顕熱熱交換器170と、第2潜熱熱交換器180と、吹出しファン1052を備えている。なお、第2燃焼装置1044の内壁によって形成される燃焼ガスの流路が、図2の第2実施形態で示した第2ガス燃焼ガス流路162に対応する。即ち、図3に示すように、第2燃焼装置1006では、第2燃焼装置1044の内壁によって形成されるガス流路(第2燃焼ガス流路162)の上流側(即ち、第2バーナ160に近い側)に、第2顕熱熱交換器170が配置され、また、その下流側(即ち、第2バーナ160から遠い側)に、第2潜熱熱交換器180が配置されている。
また、図3には、各熱交換器や低温暖房機1032や高温暖房機1074などを連結し、それらの間に液体を流すための流路が描かれている。なお本実施例のコージェネレーションシステム1000の流路を流れる液体は水である。流路には、高温の水が流れる流路もあれば低温の水や冷水が流れる流路もある。
図3の第1冷水路1038の端部のうち、合流点1500に接続している側の一端が、図2の第2実施形態で示した第1液体流入口202に対応する。合流点1500から始まって、合流点1500に接続されている第1冷水路1038と、第1冷水路1038の他端に接続されているクーラ冷却部130内の流路と、クーラ冷却部130の流路出口と接続されている第2冷水路1040と、第2冷水路1040の他端に接続されている第1潜熱熱交換器150の流路と、第1潜熱熱交換器150の流路出口と接続されている第3冷水路1042と、第3冷水路1042の他端と接続されている第2潜熱熱交換器180の流路と、第2潜熱熱交換器180の流路出口と接続されているシスターン復路1054と、シスターン復路1054の他端とシスターン1020を介して連通しているシスターン往路1024によって形成される流路が図2の第2実施形態で示した第1液体流路200に対応する。そして、図3のシスターン往路1024の端部のうち、分岐点1502に接続している側の一端が、図2の第2実施形態で示した第1液体流出口204に対応する。
図3の第1顕熱熱交換器140の入口1504が、図2の第2実施形態で示した第2液体流路入口256に対応する。第1顕熱熱交換器140の入口1504から始まって、第1顕熱熱交換器140の流路と、第1顕熱熱交換器140の流路出口に接続されている第2温水路1056と、第2温水路1056の他端に接続されている第2顕熱熱交換器170と、第2顕熱熱交換器170の流路出口と接続されている第3温水路1058によって形成される流路が図2の第2実施例に示した第2液体流路250に対応する。そして、図3の第3温水路1058の端部のうち、分岐点1506に接続している側の一端が、図2の第2実施形態で示した第2液体流出口254に対応する。
さらに、図3に示す合流点1508と合流点1500を繋ぐ戻り経路1078が図2の第2実施形態で示した第4液体流路278に対応する。
さらに、本実施例のコージェネレーションシステム1000では、図2の第2実施形態で示した第2液体流出口254に相当する分岐点1506から、高温暖房機1074と給湯器1100と風呂給湯器1130へ高温の温水が供給される。そして、高温暖房機1074や給湯器1100や風呂給湯器1130へ熱エネルギを与えて温度が低下した水が、図2の第2実施形態で示した第2液体流入口274に相当する合流点1508へと流入する。即ち、高温暖房機1074と給湯器1100と風呂給湯器1130の夫々が、図2の第2実施形態で示した第2熱消費装置310bに相当する。
発電装置1002のスターリングエンジン110は、ヒータ部112を第1燃焼装置1006で加熱し、クーラ部(図1参照)をクーラ冷却部130で冷却することによって、内部のディスプレーサ及びピストン(図1参照)が往復運動する。このピストンの往復運動を発電機116へ伝達することによって発電機116が発電する。発電機116が発電した電力は、図3のグリッドボックス1010へ送電される。
第1温水路1030にはサーミスタ1092が設けられており、第1温水路を流れる水の温度、すなわちシスターン1020から汲み出される温水の温度を検出する。第3温水路1058にはサーミスタ1060が設けられており、第3温水路1058を流れる水の温度を検出する。サーミスタ1060、1092は、検出される水温をコントローラ1200へ出力する。
第3燃焼装置1102は、第3バーナ1108と、第3顕熱熱交換器1110と、第3潜熱熱交換器1106と、吹出しファン1112を備えている。第3バーナ1108で得られた燃焼ガスは、吹出しファン1112によって吹出されて、第3顕熱熱交換器1110の内部を流れる水と、第3潜熱熱交換器1106の内部を流れる水を加熱した後に、外部に排出される。第3顕熱熱交換器1110は第3燃焼装置1102の内部を通る伝熱管であり、伝熱管の内部を通過する水と、伝熱管の外部を流れる燃焼ガスとの間で熱交換を行う。第3潜熱熱交換器1106は第3燃焼装置1102の内部を通る伝熱管であり、伝熱管の内部を通過する水と、伝熱管の外部を流れる燃焼ガスとの間で熱交換を行う。第3潜熱熱交換器1106の内部は低温の水が通過するため、外部を流れる燃焼ガスに含まれる水蒸気が第3潜熱熱交換器1106の表面に結露する。このときの水蒸気の凝縮熱によって、第3潜熱熱交換器1106の内部を流れる水が加熱される。
注湯路1146には流量センサ1150が設けられている。流量センサ1150は検出信号をコントローラ1200へ出力する。コントローラ1200は、流量センサ1150が検出した流量から、浴槽1132への湯張り量を推定する。
また、本実施例では、スターリングエンジン110のクーラ部を冷却するクーラ冷却部130から回収した熱によっても水を昇温する。スターリングエンジン110のヒータ部112を加熱するための第1バーナが発生する燃焼ガスの熱エネルギだけでなく、スターリングエンジン110のクーラ部を冷却するクーラ冷却部130から回収した熱エネルギも利用して液体(水)を昇温する。スターリングエンジンを駆動する際に生じた熱エネルギを効率よく回収して外部に熱エネルギを供給することができる。
さらに本実施例では、図2に示した第2熱消費装置310bとして、高温暖房機1074と給湯器1100と風呂給湯器1130を備える。複数の第2熱消費装置310bに対して高温の水を供給することができる。
また、実施形態で説明したように本実施例のコージェネレーションシステム1000は、高温の水を必要とする高温暖房機1074と給湯器1100と風呂給湯器1130に対しては、第2液体流路の途中に接続された第1顕熱熱交換器140と第2顕熱熱交換器170を通過して高温となった水を供給することができる。一方、床暖房機である低温暖房機1032は、高温暖房機1074などに必要な温度よりも低い温度で十分作動する。そのような低温暖房機1032に対しては、第1液体流路200の途中に接続されたクーラ冷却部130と第1潜熱熱交換器150と第2潜熱熱交換器180によって、高温暖房機1074などに適するほどには高温でないが、低温暖房機1032には適切な温度の温水を供給することができる。即ち本実施例のコージェネレーションシステム1000は、2種類の温度の温水を供給することができ、夫々の暖房装置に適した温度の水を同時に供給することができる。
また、第2液体流路250によって、第1顕熱熱交換器140と第2顕熱熱交換器170を通過して高温となった水の一部は、熱動弁経路1062とバイパス経路1072を介して第1液体流路200の一部を構成するシスターン復路1054へと導かれる。
即ち、本実施例では、第1液体流路200を通過した水と第2液体流路250を通過した液体がシスターン1020で混合する。そしてシスターン1020で混合した液体は、第1液体流路200と第2液体流路250へ分流する。
この構成によって、低温暖房機1032(第1熱消費装置に相当する)へ供給する水の温度と、高温暖房機1074や給湯器1100や風呂給湯器1130(これらは第2熱消費装置に相当する)へ供給する水の温度を、第1顕熱熱交換器140と第1潜熱熱交換器150と第2顕熱熱交換器170と第2潜熱熱交換器180で調整することができる。
本実施例では、スターリングエンジン110のヒータ部112を加熱すること第1目的とする第1バーナ120によって得られる第1燃焼ガスの熱エネルギを利用する第1顕熱熱交換器140および第1潜熱熱交換器150と、第1バーナ120とは独立して燃焼ガスの熱エネルギ量(燃焼ガスの温度あるいは量)を調整可能な第2バーナ160によって得られる第2燃焼ガスの熱エネルギを利用する第2顕熱熱交換器170および第2潜熱熱交換器180を備えることによって、第1バーナ120と第2バーナ160によって得られる燃焼ガスの顕熱と潜熱の熱エネルギを効率よく利用するコージェネレーション装置を実現することができる。さらに第1バーナ120と第2バーナ160によって得られる燃焼ガスの熱エネルギを効率よく利用して、必要とする水温の異なる第1熱消費装置と第2熱消費装置の夫々に対して適切な温度の水を供給することができる。
例えば実施例1では、第1潜熱熱交換器150と第2潜熱熱交換器180に先立ってクーラ冷却部130を液体が流れるように第1液体流路が構成されている。これに対して第1潜熱熱交換器150と第2潜熱熱交換器180を通過した後にクーラ冷却部130を液体が流れるように第1液体流路を構成してもよい。そうすることによって、低温暖房機1032や高温暖房機1074での暖房や、給湯加熱によって低温となった水を、加熱することなく第1潜熱熱交換器150、第2潜熱熱交換器180へ供給している。これによって、第1燃焼装置1006、第2燃焼装置1044の燃焼ガスに含まれる水蒸気を確実に凝縮させて、燃焼ガスから確実に潜熱を回収することができる。システム全体での熱の利用効率が向上する。
また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
110:スターリングエンジン
112:ヒータ部
114:クーラ部
116:発電機
118:ディスプレーサ
120:第1バーナ
122:第1燃焼ガス流路
130:クーラ冷却部
140:第1顕熱熱交換器
150:第1潜熱熱交換器
160:第2バーナ
170:第2顕熱熱交換器
180:第2潜熱熱交換器
200:第1液体流路
202:第1液体流入口
204:第1液体流出口
250:第2液体流路
254:第2液体流出口
274:第2液体流入口
278:第4液体流路
280:第3液体流路
300:第1熱消費装置
310、310b:第2熱消費装置
1006:第1燃焼装置
1010:グリッドボックス
1020:シスターン
1024:シスターン往路
1026:ポンプ
1028:低温暖房往路
1030:第1温水路
1032:低温暖房機
1036:低温暖房復路
1038:第1冷水路
1040:第2冷水路
1042:第3冷水路
1044:第2燃焼装置
1054:シスターン復路
1056:第2温水路
1058:第3温水路
1064:高温暖房往路
1066:給湯加熱往路
1068:風呂給湯加熱往路
1072:バイパス経路
1074:高温暖房機
1076:高温暖房復路
1078:戻り経路
1080:熱交換器
1084:給湯加熱復路
1086:熱交換器
1090:風呂給湯加熱復路
1100:給湯器
1102:第3燃焼装置
1104:水道水経路
1106:第3潜熱熱交換器
1108:第3バーナ
1110:第3顕熱熱交換器
1114:第1給湯路
1116:第2給湯路
1118:第3給湯路
1120:給湯栓
1130:風呂給湯器
1132:浴槽
1134:浴槽往路
1136:ポンプ
1138:浴槽復路
1152:補給水路
1154:ヒータ
1200:コントローラ
1202:リモコン
Claims (6)
- 電力と熱を供給するコージェネレーションシステムであり、
発電機が連結されているとともに、ディスプレーサ及びピストンを往復運動させるためのヒータ部とクーラ部を有するスターリングエンジンと、
スターリングエンジンのヒータ部を加熱する第1バーナと、
第1バーナの燃焼によって生ずる第1燃焼ガスの流路の上流側に配置されており、第1燃焼ガスの熱によって液体を昇温する第1顕熱熱交換器と、
第1燃焼ガスの流路の下流側に配置されており、第1顕熱熱交換器を通過した第1燃焼ガス中の水蒸気の凝縮熱によって液体を昇温する第1潜熱熱交換器と、
第2バーナと、
第2バーナの燃焼によって生ずる第2燃焼ガスの流路の上流側に配置されており、第2燃焼ガスの熱によって液体を昇温する第2顕熱熱交換器と、
第2燃焼ガスの流路の下流側に配置されており、第2顕熱熱交換器を通過した第2燃焼ガス中の水蒸気の凝縮熱によって液体を昇温する第2潜熱熱交換器と、
スターリングエンジンのクーラ部を冷却する液体を通すクーラ冷却部と、
液体流入口が第1熱消費装置の液体排出口に接続可能であり、液体流出口が第1熱消費装置の液体供給口に接続可能であり、液体流入口から流入する液体を、第1潜熱熱交換器と第2潜熱熱交換器とクーラ冷却部を通過させてから液体流出口へ導く第1液体流路と、
一端から液体が供給されており、他端が第2熱消費装置の液体供給口に接続可能であり、供給された液体を、第1顕熱熱交換器と第2顕熱熱交換器を通過させてから第2熱消費装置の液体供給口に接続可能な他端へ導く第2液体流路と、
を備えることを特徴とするコージェネレーションシステム。 - 第1液体流路は、第2液体流路を流れる液体が供給される第2熱消費装置よりも低い温度の液体で作動可能な第1熱消費装置に接続されることを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
- 第1液体流路は、液体流入口から流入する液体が、第1潜熱熱交換器と第2潜熱熱交換器よりも先にクーラ冷却部を通過するように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコージェネレーションシステム。
- 第1液体流路は、液体流入口から流入する液体が、第1潜熱熱交換器と第2潜熱熱交換器を通過した後にクーラ冷却部を通過するように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコージェネレーションシステム。
- 一端が第1潜熱熱交換器と第2潜熱熱交換器とクーラ冷却部よりも液体流出口に近い部分で第1液体流路から分岐しており、他端が第2液体流路の端部のうち液体を供給する側の端部と連通する第3液体流路をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
- 一端が第2熱消費装置の液体排出口と接続可能であり、他端が第1潜熱熱交換器と第2潜熱熱交換器とクーラ冷却部よりも液体流入口に近い部分で第1液体流路に連通する第4液体流路をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
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