JP4462699B2 - 光走査モジュール、光走査装置、光走査方法、画像形成装置および画像読み取り装置 - Google Patents

光走査モジュール、光走査装置、光走査方法、画像形成装置および画像読み取り装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光走査モジュール、光走査装置、光走査方法、画像形成装置および画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
1.発光源からの光ビームを偏向手段により偏向し繰り返し走査する機能を有する1つのまとまりとして構成された光走査手段に関する技術として、▲1▼特開平4−96014号公報、▲2▼特開平4−328715号公報、▲3▼特開平6−3613号公報、▲4▼特開平9−146129号公報、▲5▼特許第2668725号、▲6▼特許第2722630号等に開示された技術がある。しかし、これらの公報には、1つのまとまりのある光走査手段を規格サイズ紙と関連させてモジュール化した思想や、他部材に取り付けるための取り付け手段に関する開示がない。
2.発光源からの光ビームを偏向手段により偏向し繰り返し走査する機能を有する1つのまとまりとして構成された光走査手段を一方向に複数個並べて配置した光走査装置に関する技術として、▲1▼特開平6−255169号公報、▲2▼特開平10−68899号公報、▲3▼特開平11−95152号公報等に開示された技術がある。しかし、これらの公報には複数個の光走査手段の他部材への固定手段について開示がない。また、2つの光ビームで1走査線を分割して同時走査する際に走査線の継ぎ目部を目立たなくする点についての課題の提起はあるが、明確かつ具体的な解決手法としは把握し難い。
3.2つの光ビームで1走査線を分割して同時走査する際に2つの光ビーム間の継ぎ目部を目立たなくする技術として、特開平11−174355号公報には、第1の光ビームによる被走査面における画像データの書き込み位置検出信号であるセンサの検出出力の出力時点と、第2の光ビームによる被走査面における画像データの書き込み位置検出信号であるセンサの検出出力の出力時点との回転多面鏡の面数分の時間差データから平均値を求め、その平均値から第2の光ビームによる画像書き出し位置を算出する旨の開示がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、需要に応じて簡単に高精度な光走査装置を構成することが可能な光走査モジュールを提供すること、高画質の書き込み、読み取りが可能な光走査方法、光走査装置並びに画像形成装置、画像読み取り装置等を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を達成するため以下の構成とした。
(1).発光源と発光源からの光ビームを偏向し繰り返し走査する偏向手段とを有する光走査モジュールにおいて、
前記発光源および偏向手段への電気配線を行う電極を備え前記偏向手段の可動部を保持する電極基板と、該電極基板と積み重ねて配備する封止基板とを有し、前記電極基板と封止基板との間に前記発光源および前記偏向手段の可動部をフレーム基板により内包して密閉し、
少なくとも前記発光源および該発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段とを実装した光源部基板を前記電極基板と封止基板との間に積み重ねて配備した(請求項1)。
(2).発光源と発光源からの光ビームを偏向し繰り返し走査する偏向手段とを有する光走査モジュールにおいて、
前記発光源および偏向手段と電気的に接続された電極や偏向手段の軸受を配備する電極基板の上に、前記発光源および該発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段を実装した光源部基板と、前記偏向手段の可動部を包囲するフレーム基板を積み重ね、封止基板で封止することにより、前記発光源および前記偏向手段の可動部を内包して密閉した(請求項2)。
(3).(1)または(2)に記載の光走査モジュールにおいて、
前記発光源と、前記偏向手段と、発光源用駆動回路又は偏向手段用駆動回路とに接続された端子を前記電極基板に一体的に固定した構成とし、前記電極基板には他部材に取り付ける際に該他部材に当接する当接部が形成されると共に、前記端子を前記電極基板の他部材への取り付け手段とした(請求項3)。
(4).(1)ないし(3)の何れか1つに記載の光走査モジュールにおいて、
前記フレーム基板に、前記発光源からの光ビームを前記偏向手段へと導く第1の反射手段を一体的に形成してなることとした(請求項4)。
(5).(1)ないし(4)の何れか1つに記載の光走査モジュールにおいて、
前記偏向手段により偏向走査された光ビームを前記封止基板に設けられた射出窓へと射出する第2の反射手段を具備した(請求項5)。
(6).(5)に記載の光走査モジュールにおいて、
前記フレーム基板に、前記第2の反射手段を一体的に形成した(請求項6)。
(7).(5)に記載の光走査モジュールにおいて、
前記第2の反射手段を前記発光源と前記偏向手段との間に配置される結像手段と一体的に設けた(請求項7)。
(8).(5)に記載の光走査モジュールにおいて、
前記偏向手段により偏向走査された光ビームを被走査面に結像する走査レンズの機能の一部を前記封止基板に設けられた射出窓にもたせた(請求項8)。
(9).(8)に記載の光走査モジュールにおいて、
前記走査レンズの一部を前記発光源と前記偏向手段との間に配置される結像手段と一体的に設けた(請求項9)。
(10).(1)ないし(9)の何れか1つに記載の光走査モジュールにおいて、
前記電極基板の外形より外側に突出した放熱板を具備するとともに、前記発光源は放熱板と接合されていることとした(請求項10)。
(11).(1)ないし(10)の何れか1つに記載の光走査モジュールにおいて、前記電極基板には前記発光源、前記発光源用駆動回路の少なくとも一部が実装されていることとした(請求項11)。
(12).(1)ないし(11)の何れか1つに記載の光走査モジュールにおいて、結像手段を前記電極基板と一体的に設けて、規格サイズの用紙幅の1/k(kは正の整数)に応じた幅の走査を可能とした(請求項12)。
(13).発光源からの光ビームを偏向手段により偏向し繰り返し走査する機能を有する1つのまとまりのある固体として構成された光走査モジュールを他部材に固定して構成した光走査装置であって、
前記請求項3ないし12の何れか1つに記載の光走査モジュールをk個、前記他部材として構成された、前記発光源や前記偏向手段との配線経路が形成される同一回路基板上に配列し固定した(請求項13)。
(14).発光源からの光ビームを偏向手段により偏向し繰り返し走査する機能を有する1つのまとまりのある固体として構成された光走査モジュールを他部材に固定して構成した光走査装置であって、
前記請求項3に記載の光走査モジュールをk個、前記他部材として構成された、前記発光源や前記偏向手段との配線経路が形成される同一回路基板上に配列して固定し、
前記光走査モジュールが複数設けられる場合、各光走査モジュールは前記同一回路基板上に前記当接部を当接させて、各々の相対的な傾きを調節することにより走査方向を合わせて位置決め、固定されていることとした(請求項14)。
(15).(14)に記載の光走査装置において、
前記各光走査モジュールは、前記同一回路基板上に前記当接部を当接させて、走査方向と直交する副走査方向での各々の相対的な位置を調節して位置決め、固定されていることとした(請求項15)。
(16).(12)ないし(15)の何れか1つに記載の光走査装置において、
前記各光走査モジュールから出射される光による走査始端および走査終端を検出する1又は2以上の光検出手段を具備した(請求項16)。
(17).(16)に記載の光走査装置において、
前記各光走査モジュールによる光の走査終端での光の光検出信号と該走査終端側に隣接する光走査モジュールによる光の走査始端での検出信号との発生タイミングの変化を計測する計測手段を具備した(請求項17)。
(18).(13)ないし(17)の何れか1つに記載の光走査装置において、
前記光走査モジュールから出射した光を少なくとも走査方向と直交する副走査方向において被走査面に結像させる作用を有する結像素子を前記光走査モジュールの配列方向に連続して一体的に設けた(請求項18)。
(19).(18)に記載の光走査装置において、
前記光走査モジュールからの各々の光による走査幅を規制する走査幅規制手段を前記偏向手段から前記結像素子に至る光路中に配備した(請求項19)。
(20).(19)に記載の光走査装置において、
前記走査幅規制手段は反射部材からなり反射された光ビームを前記光検出手段で検出することとした(請求項20)。
(21).(13)ないし(20)の何れか1つに記載の光走査装置において、
前記光走査モジュールに対応して画像データを一時保存する複数のバッファ手段と、
1ライン分の画像データを分割し各光走査モジュール毎に割り当てて各々のバッファ手段に分配する切り換え手段と、
割り当てる画像データ数をカウントするカウント手段を具備することとした(請求項21)。
(22).(21)に記載の光走査装置において、
前記光走査モジュールについて、各々走査開始側に隣接した光走査モジュールの同期検知信号をトリガーとしてライン毎に検出可能区間を設けるとともに、該検出可能区間で検出された検知信号のみを用いて前記バッファ手段よりの画像データの読み出し制御を行なうこととした(請求項22)。
(23).(21)又は(22)に記載の光走査装置において、
前記光走査モジュールはその同期検知信号が各々走査開始側に隣接した光走査モジュールの同期検知信号より少なくとも遅れて検出するよう前記偏向手段への回転速度基準信号の位相を調節する位相調整手段を具備することとした(請求項23)。
(24).(21)又は(22)に記載の光走査装置において、
前記光走査モジュールはその同期検知信号が各々走査開始側に隣接した光走査モジュールの同期検知信号より少なくとも遅れて検出するよう前記光検出手段への入射ビームの主走査位置を調節する検出位置調整手段を具備することとした(請求項24)。
(25).(23)又は(24)に記載の光走査装置において、
前記複数の光走査モジュール、および同期検知信号を検出する前記光検出手段は前記一回路基板上に一体的に保持されてなることとした(請求項25)。
(26).(1)ないし(12)の何れか1つに記載の光走査モジュールをk個用いた光走査方法であって、
主走査方向上、k番目の光走査モジュールによる記録終端位置と走査終端検出までの変化と、k+1番目の光走査モジュールによる走査始端検出と記録開始位置までの変化を合わせてk番目の光走査モジュールの記録幅の補正をして光走査を行なうこととした(請求項26)。
(27).均一に帯電された感光体に光書き込み手段から光を照射して潜像を形成し、この潜像を可視像化しさらに記録媒体に転写して記録画像を得る画像形成装置において、
前記光書き込み手段が(13)ないし(25)の何れかに記載の光走査装置であることとした(請求項27)。
(28).読み取り原稿を載置する載置手段と、前記載置手段上の原稿を走査する光走査手段と、前記光走査手段による前記載置手段上の原稿の反射光を読み取る読み取り手段とを具備した画像読み取り装置において、
前記光走査手段が、(13)ないし(25)、または(27)の何れか1つに記載の光走査装置とした(請求項28)。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[1]第1の実施の形態
本実施の形態は主として請求項1ないし12に記載の発明に対応する。
[1−a]実施の形態例1:本例は請求項1、3、5、6、7、8、9、10、11、12に対応する。
例1.
本例の光走査モジュール101を分解した状態で図1に示し、組み立て状態の光走査モジュール101の断面を図2に示す。これらの図において符号401はセラミックを矩形板状に成形した基板であり、端子など電極を有する電極基板であり諸部材を保持する電極基板である。
【0006】
電極基板401上には発光源としてのLD(レーザダイオード。以下同じ)チップ402、および光量モニタ用のフォトダイオード403が接合されたLDマウント404、ベアチップ408に形成された発光源用の駆動回路、ベアチップ405−1に形成された偏向手段用駆動回路の他、抵抗、コンデンサ等が電極基板401と一体的に実装されている。
【0007】
電極基板401上には、リードフレームからなる配線パターン414が一体的に施され、ベアチップ408に形成された発光源用の駆動回路、ベアチップ405−1に形成された偏向手段用駆動回路の他、抵抗、コンデンサ等と電気的に接続されている。内部結線はワイヤーボンディングまたはハンダにより行われている。
【0008】
リードフレームからなる配線パターン414の端部はセラミック基板401の外側に延びていて、電極基板401の縁部より少し外側にムカデの脚状にはみ出ていて、L字状の折曲部が電極基板401の平坦な底面401−3と同じレベルの平坦面部を形成し、当該電極基板401を他部材へ取り付ける取り付け手段2を構成している。この取り付け手段2は端子でもある。
【0009】
電極基板401の底面は、平坦面からなる回路基板104の上面への当接部401−3を構成し、平坦面同士の接触により、密着性を良好にして取り付け時の安定を得るようにしてある。
【0010】
このように、電極基板401に設けた当接部401−3と、取り付け手段2を具備することで、光走査モジュール101は、容易に他部材に取り付けることが可能となる。しかも、取り付け手段2は、電極基板401と一体的なリードフレームの一部であり、ベアチップ408に形成された発光源用の駆動回路、ベアチップ405−1に形成された偏向手段用駆動回路等に接続された端子であるので、格別な取り付け手段を設けることなく、取り付ける手段を構成することができ、部品の兼用により、構成を簡易とすることができる。
【0011】
取り付け手段2は、図示のように、電極基板401の対向する縁に設けられており、空間的な広がりを有しており、他部材への取り付けの安定を図ることができる。
【0012】
リードフレームの一部には電極基板401の外形よりも外部に突出する放熱板414−1が設けられこの放熱板414−1は発熱が大きいLDチップ402と接合され、また、ポリゴンモータの駆動回路405−1とも接合されている。
【0013】
これにより、発熱の大きい少なくともLDチップ402が冷却される。よって、LDチップ402が熱を発生するにも拘わらずセラミック基板401上の収納スペースをより小さくすることができるし、また、放熱板414−1をリードフレームの一部として形成することもできるので、小型で生産性の良好な光走査モジュールを提供できる。
【0014】
LDチップ402からの光ビームを偏向し繰り返し走査する偏向手段としてのポリゴンミラー405はアルミニウム板を塑性変形させ中央部を凹状となし円周にマグネッ406を接合して、電極基板401上に形成されたすり鉢状の円筒部401−1に設置されている。マグネット406には円周上に交互にS極、N極が着磁され、円筒部に配備したシート状の積層コイル415とにより起動力を発生するようになっている。
【0015】
ポリゴンミラー405は図2にも示すように底浅の蓋状をしたキャップ410の下方に突出した突起410−1、およびポリゴンミラー405の中央凹部の底に設けたマグネット412、413の反発により回転軸の姿勢が保持される一方、すり鉢状部には数μmの深さのスパイラル(図1参照)が形成されていて、回転により空気圧を発生して非接触に保持する動圧空気軸受を形成することで回転される。
【0016】
カップリングレンズ407は短冊状の形状をしていて、LDチップ402から略主走査焦点距離分、離れた位置に配置されることでLDチップ402からの発散性の光ビームを主走査方向に対応するx方向には略平行光束に集束させ、かつ、副走査方向yに対応する方向にはポリゴンミラー405面で集束するように曲率が設計されている。
【0017】
このカップリングレンズ407は、電極基板401上、に設けられた窓401−2との主走査方向に対応するx方向に沿って設けられた窓401−2との隙間に接着材411を充填して固定されている。
【0018】
カップリングレンズ407より出射する光ビームは当該カップリングレンズ407の曲率中心から偏心して入射されているので、け上げる方向に折曲されて出射されポリゴンミラー405で反射させられて再びカップリングレンズ407に入射される。
【0019】
このカップリングレンズ407に入射される光ビームは、主走査方向に対応する方向xにはポリゴンミラー405より大きい光束径となし、ポリゴンミラー405で走査される際にポリゴンミラー405の1面の主走査方向に対応する方向xでは径が規定され、主走査方向と直交する副走査方向に対応する方向yではカップリングレンズ407に入射し斜面407−2で反射される際に該斜面407−2の幅で径が規定される。
【0020】
こうして光束径が規定された光ビームはカップリングレンズ407の下面である出射面407−3より、キャップ410と電極基板401で囲まれたパッケージの外部に射出され、回路基板104に形成した穴104−1から被走査面に向かうが、本例ではカップリングレンズ407の出射面407−3にfθ特性を有する走査レンズの一部をなす非球面を形成した第1レンズ407−1を貼り付けて構成しており第2レンズ109(トロイダルレンズ)とで被走査面に光ビームを結像する。
【0021】
図2中、符号410−3は仕切板を示し、キャップ410に一体的に形成されていて、LDチップ402からの発散性ビームの不要な部分がカップリングレンズ407に入らないようカットしている。
【0022】
電極基板401は各素子の酸化を防ぐため箱状に成形した樹脂製のキャップ410と接着されることで密封され、パッケージ化されて光走査モジュール101を完成する。
【0023】
本例では、上記したように、電極基板401に、発光源としてのLDチップ402、発光源用駆動回路が設けられたベアチップ408が実装されている。仮に、LDチップ402をセラミック基板401上に置き、ベアチップ408を電極基板401外の他部材に取り付けた場合には、LDチップ402とベアチップ408とを接続するために配線が必要となり、配線距離も長くなるので配線部の抵抗が増し微少電流を制御するLDの駆動上、好ましくない。
【0024】
また、外部の制御部からLDチップ402に対して、画像信号ラインとパワー電力ラインとを引き込む配線が必要であると共に、さらに、ベアチップ408からLDチップ402に対して画像信号ラインとパワー電力ラインとを接続しなければならない。
【0025】
この点、本例のように、電極基板401上にLDチップ402とベアチップ408を配置した構成では、リードフレームを介してベアチップ408とLDチップ402との間には画像信号ラインとパワー電力ラインとの接続がなされているので、外部の制御部からLDチップ402に対して、画像信号ラインとパワー電力ラインとを引き込む配線だけすれば足りる。
【0026】
つまり、光走査モジュールの外部との電気接続に関し、発光源と発光源用駆動回路との間の配線はリードフレームにより既設であるため、発光素子用駆動回路と外部との接続だけで済むので、端子数を低減して光走査モジュールの小型化を図り、需要に応じて簡単に高精度な光走査装置を構成することも可能であり、生産性の向上を図ることができる。
【0027】
本例の光走査モジュール101は、偏向手段であるポリゴンミラー405と、結像手段であるカップリングレンズ407、第1レンズ407−1等を具備しており、これらの性能により定まる一定幅の走査が可能である。この走査幅を任意の規格サイズの用紙幅の1/k(kは正の整数)に応じて少し余裕をみた大きさに設定すれば、規格サイズの1辺は、kの整数倍など、ある規則性を以って長さの設定がなされているので、同じ光走査モジュールを量産して準備しておくことにより、これらを適宜の数だけ組み合わせることで、各種の規格サイズの走査に適合する走査装置を容易に得ることができる。
【0028】
例えば、ある光走査モジュールの走査幅をA4サイズの1辺である210mmの1/3に余裕を加えた80mmとすれば、この光走査モジュールを3個並べて構成することにより、240mmの走査が可能な光走査装置を構成することができ、A4サイズの走査が可能である。因みにこの例の1個の光走査モジュールでは、A7サイズ(74mm)の走査が可能であり、2個の光走査モジュールではA5サイズ(148mm)の走査が可能である。
【0029】
図1に示すように光走査モジュール101には主走査方向xに沿ってキャップ410に2ヶ所の穴410−2が設けられている。図3に示すように、回路基板104上に光走査モジュール101を位置決めする組付工程で組み立てロボットのハンド100に設けたピン1a、1bをこれらの穴410−1、410−2に差し込んで回路基板104上に押し付けると同時に移動して位置決めできる構成としている。
例2.
前記例1には、発光源としてのLDチップ402とこの発光源からの光ビームを偏向し繰り返し走査する偏向手段としてのポリゴンミラー405とを有する光走査モジュールが示され、これらLDチップ402およびポリゴンミラー405への電気配線を行う電極を備えポリゴンミラー405の可動部を保持する保持体としての電極基板401、該電極基板401と積み重ねて配備する封止基板としてのキャップ410とを有し、これら電極基板401とキャップ410との間にLDチップ402およびポリゴンミラー405の可動部を内包して密閉している。
【0030】
さらに、ポリゴンミラー405により偏向走査された光ビームを積層面と非平行な方向へと射出する第2の反射手段としての斜面407−2を具備している。
【0031】
ここで、ポリゴンミラー405の可動部を内包するフレーム基板を設け、電極基板401とキャップ410との間に積み重ねて配備するとともに、斜面407−2を前記フレーム基板に一体的に形成することもできるが、本例では、前記フレーム基板に代えてキャップ410でポリゴンミラー405の可動部を内包し、斜面407−2をLDチップ402とポリゴンミラー405との間に配置されるカップリングレンズ407(結像手段)と一体的に設けた。
【0032】
このように第2の反射面と結像手段とを一体的に構成することにより、結像系の構成が簡単になるとともに、個々に位置決めして取り付ける場合と比べて、予め一体化して構成することから光学的配置精度も高精度となる。
【0033】
また、ポリゴンミラー405により偏向走査された光ビームを被走査面に結像する走査レンズとしての第1レンズ407−1の一部をキャップ410に設けることもできるが、本例では電極基板401に設け、さらに、第1レンズ407−1の一部をカップリングレンズ407(結像手段)と一体的に設けた。
【0034】
このように走査レンズの一部を結像手段とを一体的に構成することにより、結像系の構成が簡単になるとともに、個々に位置決めして取り付ける場合と比べて、予め一体化して構成することから光学的配置精度も高精度となる。
例3.
本例の光走査モジュールを図4により説明する。図4において光走査モジュールの全体を符号601で示すが、前記図1、図2におけるものと機能的に同じ部材には同じ符号を付し説明する。
【0035】
図4において、電極基板401上にリードフレームによる配線パターン414を施し、LDチップ402、光導波路702が実装されている。LDチップ402は放熱板414−1上に配備されている。放熱板414−1はセラミック基板401の外形より外側に突出し、LDチップ402と接合されている。
【0036】
これにより、発熱の大きいLDチップ402が冷却される。よって、LDチップ402が熱を発生するにも拘わらず電極基板401上の収納スペースをより小さくすることができるし、また、放熱板414−1をリードフレームの一部として形成することもできるので、小型で生産性の良好な光走査モジュールを提供できる。
【0037】
LDチップ402よりより出射した光ビームは数μmの薄膜で形成された光導波路702内に閉じ込められ、光導波路702上に屈折率を連続的に変化させた結像手段としてのモードインデックスレンズ部703を形成することで主走査方向に対応する方向に略平行光束として伝搬する。
【0038】
この伝搬光は同じく光導波路702上に形成されたトランスデューサを構成するくし型電極704により励起された表面弾性波が発生され、その周波数に応じて矢視a方向に光路が折り曲げられ走査される。
【0039】
走査された伝搬光は射出用グレーティング705により副走査方向と対応する方向(伝搬方向)に所定の集束性をもって所定の角度で斜め上方に射出する。本例においては、光ビーム712は、パッケージ化するキャップ707上に設けたガラス窓708から射出される。図中符号710は発光源用駆動回路が形成されたベアチップ、符号711は偏向手段としてのトランスデューサの駆動回路が形成されるベアチップをそれぞれ示す。
【0040】
本例においても、発光源としてのLDチップ402、偏向手段としてのくし型電極704および発光源用駆動回路であるベアチップ710、偏向手段用駆動回路であるベアチップ711等は電極基板401に固定されている。リードフレームからなる配線パターン414の端部は電極基板401の外側に延びていて、電極基板401の縁部より少し外側にムカデの脚状にはみ出ていて、L字状の折曲部が電極基板401の平坦な底面401−3(図2と同じ)と同じレベルの平坦面部を形成し、光走査モジュールとして一体化された当該電極基板401を他部材へ取り付ける取り付け手段2としての端子を構成している。
【0041】
電極基板401は各素子の酸化を防ぐため箱状に成形した樹脂製のキャップ707と接着されることで密封され、パッケージ化されて光走査モジュール101を完成する。
【0042】
本例でも、電極基板401に設けた当接部401−3と、取り付け手段2を具備することで、光走査モジュール101は、容易に他部材に取り付けることが可能となる。しかも、取り付け手段2は、電極基板401と一体的なリードフレームの一部であり、ベアチップ408に形成された発光源用の駆動回路、ベアチップ711に形成された偏向手段用駆動回路等に接続された端子であるので、格別な取り付け手段を設けることなく、取り付ける手段を構成することができ、部品の兼用により、構成を簡易とすることができる。
【0043】
取り付け手段2は、図示のように、電極基板401の対向する縁に設けられており、空間的な広がりを有しており、他部材への取り付けの安定を図ることができる。
【0044】
放熱板414−1は電極基板401の外形より外側に突出し、LDチップ402と接合されている。これにより、発熱の大きいLDチップ402が冷却される。よって、LDチップ402が熱を発生するにも拘わらず電極基板401上の収納スペースをより小さくすることができるし、また、放熱板414−1をリードフレームの一部として形成することもできるので、小型で生産性の良好な光走査モジュールを提供できる。
【0045】
また、本例のように、電極基板401上にLDチップ402と発光源用駆動回路が形成されたベアチップ710を配置した構成では、光走査モジュールの外部との電気接続に関し、発光源と発光源用駆動回路との間の配線はリードフレームにより既設であるため、発光素子用駆動回路と外部との接続だけで済むので、前記1−aの例と同様、端子数を低減して光走査モジュールの小型化を図り、需要に応じて簡単に高精度な光走査装置を構成することも可能であり、生産性の向上を図ることができる。
【0046】
また、同じ光走査モジュールを量産して準備しておくことにより、これらを適宜の数だけ組み合わせることで、各種の規格サイズの走査に適合する走査装置を容易に得ることができる。
[1−b]実施の形態例2:本例は請求項、3、1、11、12に対応する。
本例の光走査モジュール701を図5に分解して示す。図5において、セラミック成形による矩形板状の電極基板11には偏向手段としてのポリゴンミラー15の回転軸12および端子13が一体的に形成されている。
【0047】
電極基板11上には、該電極基板11と一体化されて電極基板を構成する矩形板状のシリコン基板14が重ねられる。このシリコン基板14には金属被膜を蒸着することで図示しない電極と配線パターンが形成され、縁部に設けた図示しないリード端子とワイヤーボンディング等により接続がなされている。
【0048】
電極基板11上にシリコン基盤14が重ねられたとき、シリコン基板14に形成された穴14aより、回転軸12が突き出す。ポリゴンミラー15の駆動源であるポリゴンモータを駆動するコイル部16もシリコン基板14上に配線パターンの一部として渦巻き状のパターンを形成してなるが、本例ではこの渦巻き状のパターンを窒化膜等の絶縁層を介して回転方向に位相を変え3層に形成しており位相の異なる電流を加えることでポリゴンミラー15を駆動する。
【0049】
発光源としてのLDチップはシリコン基板14上にエピタキシャル技術を用い直接AlGaAs層を堆積させ、半導体レーザを構成するクラッド層、活性層を形成できるが、本例では別体で製造した複数の発光源を有する半導体レーザアレイチップを実装面に平行に発光源が配列するようにサブマウントを介してLDチップ402Aを実装している。一方、LDチップ402Aの背面光を検出するモニタ用のフォトダイオード17はシリコン基板上に直接GaAs層を堆積させて形成している。よって、シリコン基板14は本例では、光源部基板である。
【0050】
カップリングレンズ18はポリイミド膜やSiO2膜等を堆積して直接形成することも可能であるが、本例では光束径0.5mmを確保するため生産効率が悪いことから別体で製造し、シリコン基板14上に実装している。カップリングレンズ18は石英等の誘電体で形成され実装面に垂直な方向には屈折率分布をもたせ、平行な方向には非球面に形状をダイシングした高さ0.5mmの短冊状の形状をなし各方向で焦点距離の異なるアナモフィックレンズを構成している。
【0051】
LDチップ402Aには2個の発光源が100μm間隔で形成され、カップリングレンズ18の屈折率分布の中心位置を実装面と角度θ傾けて設けることで前記した2個の各発光源の射出方向を各々異なる方向とすることができ被走査面上では各ビームスポットが実装面と垂直な方向(副走査方向)に所定の間隔で配列して2ラインを同時に走査するようにしている。なお、半導体レーザの発光源数は2以外でもよく、1でも同様である。
【0052】
カップリングレンズ18から出射した光ビームは主走査方向と対応する方向(積層面に平行な側)では平行光束に、副走査方向と対応する方向にはポリゴンミラー15の反射面近傍で一旦集束するようにレイアウトがなされている。
【0053】
図5において、発光源用駆動回路19はLDチップ402Aへの電流供給を制御する回路であり、また、偏向手段用駆動回路20はポリゴンミラー15を駆動するコイル部16への電流供給を制御する回路であり、これらは、シリコン基板14上に直接形成されている。
【0054】
ポリゴンミラー15はアルミニウム板をプレス加工により成形したもので、各側面を鏡面加工し中央部穴にスリーブ21が挿入固定されている。ポリゴンミラー15の下面には前記コイル部16に対向して板状のマグネット22が接合され、穴14aよりシリコン基板14上に出ている前記したセラミック一体成形による回転軸12にスリーブ21が係合されていて、数μm程度のクリアランスで回転可能に支持されている。スリーブ21の内側にヘリングボーン溝を設けることで動圧空気軸受を形成することも可能である。
【0055】
シリコン基板14上に重ねて固定されるフレーム基板23は枠状をなし、内側部にLDチップ402Aからの光ビームをポリゴンミラー15に導く鏡面からなる第1の反射手段24と、ポリゴンミラー15により偏向走査された光ビームを半導体レーザの積層面と非平行な方向へと射出する鏡面からなる第2の反射手段25が形成され、ポリゴンミラー15の回転スペースを確保する。本例ではフレーム基板23についても単結晶Si基板を用い、異方性エッチングにより第1反射手段24、第2反射手段25の各鏡面を形成した。
【0056】
第1の反射手段24をフレーム基板23と一体的に形成してなることにより、厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで射出方向の精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0057】
ポリゴンミラー15により偏向走査された光ビームを半導体レーザの積層面と非平行な方向へと射出する第2の反射手段25を具備したことにより、当該光走査モジュール601の端子13を実装面にハンダ付け固定する際に実装面上での設置角度および位置を調節することで被走査面上での走査線の傾きおよび走査位置を容易に合わせることができるので、ネジ締め等の作業も不要となり、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0058】
フレーム基板23上に被せて一体化される封止板26は透明部材からなり光ビームを被走査面上に結像する走査レンズの一部を構成するレンズの機能、例えば面倒れの補正機能をその射出窓27にもたせている。
【0059】
本例ではこの出射窓27を、ガラス基板の表面を濃度変化をもたせたフォトリソグラフィにより非球面形状の開口部として形成しているが、回折格子や分布屈折率レンズであっても、また、レンズ部のみを貼り合せてもよい。当然、レンズ機能をもたせなくてもよい。レンズ機能を持たせた場合には、厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで走査レンズと発光源および偏向手段との配置精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0060】
これら電極基板11、シリコン基板14、フレーム基板23、封止板2を順次積層して接合一体化することで光走査モジュール701を構成し、LDチップ402A、ポリゴンミラー15およびこれらの付帯部材を密閉して格納している。格納部は酸化を防ぐため窒素等の気体を封入したり、外気より気圧を下げ空気抵抗の影響を減らすこともできる。
【0061】
以上の構成において、端子13は軸状の導体28に接続されていて、この導体28はシリコン基板14の側部に形成した凹部280に絶縁材を介して嵌合しており、先端部がシリコン基板14の縁部上面に位置するリード端子と接続されている。シリコン基板14上面の回路は発光源用駆動回路19や、偏向手段用駆動回路20と接続されている。よって、端子13は導体28を介してやシリコン基板14のリード端子と電気的に接続され、さらに発光源用駆動回路19や、偏向手段用駆動回路20と接続されていることになる。
【0062】
電極基板11と封止板26との間には、回転軸12やポリゴンミラー15などの可動部、発光源用駆動回路19や、偏向手段用駆動回路20等が内包して密閉されているが、本例では、可動部を密閉して安全性を高めると共に、電極基板11に設けた端子13、導体28、セラミック基板14に設けたリード端子により、上記密閉部分と外部との内外の電気的接続を容易に行なうことができる。
【0063】
端子13は電極基板11の側部に露出しており、他部材への取り付け手段を兼用している。取り付け部材としての端子を用いて、光走査モジュール701を容易に他部材に取り付けることが可能となる。端子13は図15に示すように、電極基板11の対向する縁に設けられており、空間的な広がりを有しており、他部材への取り付けの安定を図ることができる。
【0064】
図5には図示していないが、前記図1における放熱板414−1に準じた放熱板を電極基板11の外形より外側に突出させ、LDチップ402Aと接合させた構成をとれば、発熱の大きいLDチップ402Aを冷却することで、電極基板11の収納スペースをより小さくし、また、放熱板をリードフレームの一部として形成することもできるので、小型で生産性の良好な光走査モジュールを提供できる。
【0065】
本例のように、シリコン基板14上にLDチップ402Aと発光源用駆動回路19を配置した構成では、光走査モジュールの外部との電気接続に関し、発光源と発光源用駆動回路との間の配線はリードフレームにより既設であるため、発光素子用駆動回路と外部との接続だけで済むので、前記1−aの例と同様、端子数を低減して光走査モジュールの小型化を図り、需要に応じて簡単に高精度な光走査装置を構成することも可能であり、生産性の向上を図ることができる。
【0066】
同じサイズの光走査モジュールを量産して準備しておくことにより、これらを適宜の数だけ組み合わせることで、各種の規格サイズの走査に適合する走査装置を容易に得ることができる。
【0067】
発光源としてのLDチップ402Aおよび発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段としてのフォトダイオード17を実装した光源部基板であるシリコン基板14を保持体としての電極基板11と封止板26との間に積み重ねて配置した構成とした。
【0068】
シリコン基板14を電極基板12上に積み上げることで、導体28を介して電極基板11とシリコン基板14との電気配線がなされるようにすることができるし、また、電極基板11上にシリコン基板14を重ねて一体化する構成であるので、発光源と一体のLDチップ402Aを搭載したシリコン基板14と、ポリゴンミラー15を搭載した電極基板11との相互の配置精度を確保することも容易であり、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
[1−c]実施の形態例3:本例は請求項2、4ないし1に対応する。
例1.本例の光走査モジュール801を図6に分解して示す。また、光走査モジュール801の組み立て状態の断面を図7に示す。これら図6、図7において、セラミック成形による矩形板状の電極基板31には偏向手段であるポリゴンミラー37の軸受32、端子13、導体28等が一体的に形成されている。
【0069】
保持体としての電極基板31には金属被膜をトリミングすることでポリゴンモータを駆動するコイル部16を前記図5の例と同様に3層にパターン形成している。 電極基板31上に積み重ねられる光源部基板としてのシリコン基板33には図示しない配線パターンが形成され、発光源としてのLDチップ34や、半導体レーザ(LD)の背面光を検出するモニタ用のフォトダイオード35等を実装してワイヤーボンディング等により接続がなされている。
カップリングレンズ36は図5の例と同様、誘電体で形成し実装面に垂直な方向には屈折率分布をもたせ、平行な方向には非球面に形状をダイシングした短冊状の形状をなし各方向で焦点距離の異なるアナモフィックレンズを構成している。
カップリングレンズ36を射出した光束径はポリゴンミラー37の1面分の面積よりも大きくなるようレイアウトされており、ポリゴンミラー37に入射した光束の内、反射された分のみが走査される。
【0070】
図6において、発光源用駆動回路38はLDチップ34への電流供給を制御する回路であり、また、偏向手段用駆動回路39はポリゴンミラー37を駆動するコイル部16への電流供給を制御する回路であり、これらは、シリコン基板14上に直接形成されている。なお、これら制御回路は各々ベアチップとして前記電極基板31上に実装してもよい。
【0071】
ポリゴンミラー37はアルミニウム板のプレス加工により成形され各側面を斜めに鏡面加工し中央部穴にシャフト40を挿入され固定されている。ポリゴンミラー37の下面にはコイル部16に対向して板状のマグネット41が接合され、裏側に突出したシャフト40が軸受32に軸支されている。
【0072】
シリコン基板33上に重ねられるフレーム212は2枚の板を接合して構成されており、下層に位置する第1フレーム212aはLDチップ34の半導体レーザの背面光をフォトダイオード35に入射させる鏡面からなる第1の反射手段217を形成するとともに、ポリゴンミラー37の可動部を包囲して、回転スペースを確保する偏向部基板を構成する。
【0073】
上層に位置する第2フレーム212bは図5の例と同様、単結晶Si基板を用い異方性エッチングによりポリゴンミラーにより偏向走査され蹴上げられた光ビームを反射しLDチップ34の半導体レーザ積層面と非平行な方向(図7における斜め左上方向)へ射出する鏡面からなる第2の反射手段214を形成する。封止基板216は透明部材よりなり光ビームを被走査面上に結像する走査レンズの一部を構成するレンズの機能をその射出窓215に持たせている。この出射窓215はポリゴンミラーにより偏向走査された光ビームを被走査面に結像する走査レンズを兼ねている。
【0074】
第2の反射手段214から出射された光ビームはこの出射窓215から外部に出射され被走査面に向かう。上記した電極基板31、シリコン基板33、フレーム212、封止板214を順次積層して接合することで光走査モジュール801を構成する。
【0075】
本例では、光源部基板としてのシリコン基板33を電極基板31上に積み上げることで、発光源と偏向手段を上下方向に重ねて配置できるので装置サイズを小型化することができる。
【0076】
電極基板31の上に、光源部基板としてのシリコン基板33、偏向部基板としての第1フレーム212aを積み重ね、封止基板216で封止することにより、発光源であるLDチップ34およびポリゴンミラー37を内包して密閉して、安全性を高めると共に、内外の電気的接続を容易に行なうことができる。
【0077】
LDチップ34からの光ビームをポリゴンミラー37へと導く第1の反射手段217を一体的に形成してなる第1フレーム212aを電極基板31と封止基板216との間に積み重ねて配備したことにより、LDチップ34とポリゴンミラー37を上下方向に重ねて配備したときの光ビームの伝達を厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで行なえるので製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0078】
ポリゴンミラー37は回転するので可動部を構成するが、この可動部を格納する第1フレーム212aを電極基板31と封止基板216との間に積み重ねて配備するとともに第1の反射手段217を第1フレーム212aと一体的に形成してなることにより、厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで射出方向の精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0079】
ポリゴンミラー37により偏向走査された光ビームを半導体レーザの積層面と非平行な方向へと射出する第2の反射手段214を具備したことにより、当該光走査モジュール801の端子13を実装面にハンダ付け固定する際に実装面上での設置角度および位置を調節することで被走査面上での走査線の傾きおよび走査位置を容易に合わせることができるので、ネジ締め等の作業も不要となり、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0080】
封止基板216と一体若しくは一体的に設けられた出射窓215はポリゴンミラー37により偏向走査された光ビームを被走査面に結像する走査レンズを兼ねているので、部品の共通化が図れ、かつ、厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで走査レンズと発光源であるLDチップ34および偏向手段であるポリゴンミラー37との配置精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0081】
図6には図示していないが、前記図1における放熱板414−1に準じた放熱板を電極基板11の外形より外側に突出させ、LDチップ34と接合させた構成をとれば、発熱の大きいLDチップ34を冷却することで、シリコン基板33の収納スペースをより小さくし、また、放熱板をリードフレームの一部として形成することもできるので、小型で生産性の良好な光走査モジュールを提供できる。
【0082】
本例のように、シリコン基板33上にLDチップ34と発光源用駆動回路38を配置した構成では、光走査モジュールの外部との電気接続に関し、発光源と発光源用駆動回路との間の配線はリードフレームにより既設であるため、発光素子用駆動回路と外部との接続だけで済むので、前記1−aの例と同様、端子数を低減して光走査モジュールの小型化を図り、需要に応じて簡単に高精度な光走査装置を構成することも可能であり、生産性の向上を図ることができる。
【0083】
本例におけるものと同じサイズの光走査モジュールを量産して準備しておくことにより、これらを適宜の数だけ組み合わせることで、各種の規格サイズの走査に適合する走査装置を容易に得ることができる。
【0084】
本例では、発光源としてのLDチップ34および発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段としてのフォトダイオード35を実装した光源部基板であるシリコン基板33を保持体としての電極基板31と封止板216との間に積み重ねて配置した構成とした。
【0085】
シリコン基板33を電極基板31上に積み上げることで、導体28を介して電極基板31とシリコン基板33との電気配線がなされるようにすることができるし、また、電極基板31上にシリコン基板33を重ねて一体化する構成であるので、発光源と一体のLDチップ34を搭載したシリコン基板33と、ポリゴンミラー37の軸受37を搭載した電極基板31との相互の配置精度を確保することも容易であり、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
例2.
本例は例1の変形例である。本例の光走査モジュール801'を図8に分解して示す。また、光走査モジュール801'の組み立て状態の断面を図9に示す。これら図8、図9において、前記図5ないし図7における部材と機能的に同じ部材には同じ符号で示す。
【0086】
セラミック成形による矩形板状の電極基板51には導体28、端子13が設けられている。この電極基板51上に重ねて一体化される第1のシリコン基板52には図9に示すように電極基板51上に堆積させた多結晶Si層から偏向手段としての偏向ディスク53をエッチングにより切り出しステータ部と分離した後に軸受のクリアランス部だけに酸化膜を形成し、さらに多結晶Siを堆積して軸部54を形成するという工程をへて軸受部を一体的に形成している。
【0087】
ステータ部54には金属被膜を蒸着することで固定子となる複数の電極55が放射状に形成され、偏向ディスク53の円周にもそれと対向して電極56が形成されており、固定子への電流の印加を順次切り換えることにより静電力によって駆動する。
【0088】
偏向ディスク53には前記エッチングにより周方向に向けて凹凸を形成して回折格子57となし、前記金属被膜で同時にコートされる。入射した光ビームは偏向ディスク53の回転につれて変化する格子の角度に応じてその約1.5倍の反射角で走査される。回折格子57表面は円周方向に複数領域に分割され、本例では1回転で6面分の走査を行う。
【0089】
第1のシリコン基板52に重ねて固定される第2のシリコン基板58には同様に金属被膜を蒸着しすることで図示しない配線パターンが形成され、前記した導体28、ワイヤーボンディング等により接続がなされる。第2のシリコン基板58に設けられるLDチップ34としては、前記例と同様、別体で製造した複数の発光源を有する半導体レーザアレイチップを用いるが、実装面に垂直に発光源が配列するようサブマウント59を介してに実装してなる。
【0090】
半導体レーザの背面光を検出するモニタ用のフォトダイオード35は第2のシリコン基板58上に直接形成している。カップリングレンズ60は実装面に平行な方向と垂直な方向とで曲率が異なる円筒状のアナモフィックレンズとなしシリコン基板上に形成したV溝67に円周部の一部を当接して設置する。なお、V溝はカップリングレンズの中心軸と半導体レーザの放射中心とが一致するように形成されている。
【0091】
LDチップ34における半導体レーザは2個の発光源が14μmの間隔で形成され、被走査面上では各ビームスポットが実装面と垂直な方向(副走査方向)に所定の間隔で配列して2ラインを同時に走査する。
【0092】
カップリングレンズ60を出射された光ビームは前記例と同様、副走査方向に対応する方向では偏向面の近傍で集束するようにレイアウトされており、ディスクの振れ等による光軸のずれは被走査面で補正される。
【0093】
第2のシリコン基板58上に重ねて固定されるフレーム61はカップリングレン60ズから出射した光ビームを第2のシリコン基板58上に形成したアパーチャ62を通して偏向ディスク53へと導く反射部63および半導体レーザの背面光をフォトダイオード35へと導く反射部64が形成される。本例では前記例と同様、単結晶Si基板を用い異方性エッチングによりこれらの反射部を形成した。アパーチャ62では光ビームの光束径を整形し、外乱光を遮断する。
【0094】
偏向ディスク53で偏向走査された光ビームは第2のシリコン基板58に設けた開口65を通過して出射される。
【0095】
フレーム61の上に重ねて固定される封止板66は透明部材よりなり光ビームを被走査面上に結像する走査レンズの一部を構成するレンズの機能、例えば波長変化に伴う回折格子での反射角度補正機能をその射出窓215に持たせている。
【0096】
図中、発光源用駆動回路38はLDチップ34への電流供給を制御する回路であり第2のシリコン基板58上に、また、偏向手段用駆動回路39'は固定子電極55への電流供給を制御する回路であり第1のシリコン基板52上に直接形成されている。
【0097】
上記した電極基板51、第1のシリコン基板52、第2のシリコン基板58、フレーム61、封止基板66を順次積層して接合することで光走査モジュール801'を構成する。
本例では、前記1−cの例1に準じて、以下の利点がある。
【0098】
光源部基板としての第2のシリコン基板58を第1のシリコン基板52を介して電極基板51上に積み上げることで、発光源と偏向手段を上下方向に重ねて配置できるので装置サイズを小型化することができる。
【0099】
電極基板51の上に、第1のシリコン基板52、第2のシリコン基板58等を積み重ね、封止基板66で封止することにより、発光源であるLDチップ34および偏向ディスク53、反射部63、64等の偏向手段を内包して密閉して、安全性を高めると共に、内外の電気的接続を容易に行なうことができる。
【0100】
LDチップ34からの光ビームをフォトダイオード35や偏向ディスク53へと導く反射部63、64を一体的に形成してなるフレーム61を電極基板51と封止基板66との間に積み重ねて配備したことにより、LDチップ34と偏向手段(偏向ディスク53、反射部63,64等を上下方向に重ねて配備したときの光ビームの伝達を厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで行なえるので製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0101】
偏向ディスク53は回転するので可動部を構成するが、この可動部を格納する第1のシリコン基板52を電極基板51と封止基板66との間に積み重ねて配備するとともに反射部63、64をフレーム61と一体的に形成してなることにより、厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで射出方向の精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0102】
偏向ディスク53により偏向走査された光ビームを半導体レーザの積層面と非平行な方向へと射出するようにする反射部63を具備したことにより、当該光走査モジュール801'の端子13を実装面にハンダ付け固定する際に実装面上での設置角度および位置を調節することで被走査面上での走査線の傾きおよび走査位置を容易に合わせることができるので、ネジ締め等の作業も不要となり、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0103】
封止基板66と一体若しくは一体的に設けられた出射窓215は偏向ディスク53により偏向走査された光ビームを被走査面に結像する走査レンズを兼ねているので、部品の共通化が図れ、かつ、厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで走査レンズと発光源であるLDチップ34および偏向手段である偏向ディスク53との配置精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0104】
本例では、LDチップ34を比較的熱伝導性のよい第2のシリコン基板58上に形成しているため、前記図1における放熱板414−1に準じた放熱板を設けていないが、この第2のシリコン基板58と接合して放熱板を設けても、或いはこの第2のシリコン基板58を電極基板の外形より大きく構成してもよい。
【0105】
本例のように、第2のシリコン基板58上にLDチップ34と発光源用駆動回路38を配置した構成では、光走査モジュールの外部との電気接続に関し、発光源と発光源用駆動回路との間の配線はリードフレームにより既設であるため、発光素子用駆動回路と外部との接続だけで済むので、前記1−aの例と同様、端子数を低減して光走査モジュールの小型化を図り、需要に応じて簡単に高精度な光走査装置を構成することも可能であり、生産性の向上を図ることができる。
【0106】
本例におけるものと同じサイズの光走査モジュールを量産して準備しておくことにより、これらを適宜の数だけ組み合わせることで、各種の規格サイズの走査に適合する走査装置を容易に得ることができる。
【0107】
本例では、発光源としてのLDチップ34および発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段としてのフォトダイオード35を実装した光源部基板である第2のシリコン基板58を保持体としての電極基板51と封止板66との間に積み重ねて配置した構成とした。
【0108】
第1のシリコン基板52を介して第2のシリコン基板58を電極基板51上に積み上げることで、導体28を介して電極基板51と、第1のシリコン基板52および第2のシリコン基板33との電気配線がなされるようにすることができるし、また、電極基板51上に第1のシリコン基板52、第2のシリコン基板58を重ねて一体化する構成であるので、発光源と一体のLDチップ34を搭載した第2のシリコン基板58と、偏向ディスク53を搭載した第1のシリコン基板52との相互の配置精度を確保することも容易であり、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
例3.
本例は例1の変形例である。本例の光走査モジュール801"を図10に分解して示す。また、光走査モジュール801"の組み立て状態の断面を図11に示す。これら図10、図11において、前記図5ないし図7における部材と機能的に同じ部材には同じ符号で示す。
【0109】
セラミック成形による電極基板71には一対のマグネット72が設けられ、また縁部には導体28、端子13が設けられている。この電極基板71上に重ねて一体化される第1のシリコン基板75には図11に示すように2本のねじり梁74により軸支されたミラー73を異方性エッチングにより形成して設けている。ミラー73の周縁には金属被膜を蒸着することでコイル部が形成されており、同コイルに電流を流すことでその外側に配備された前記マグネット72との電磁力によりねじり梁74を回転軸として揺動させることができる。
【0110】
ミラー73の中央部は同金属被膜により反射面となしている。なお、ミラー73は偏向速度を共振周波数と一致するようにねじり梁74の太さを設定すればより低負荷で揺動させることができ、偏向手段を構成する。
第1のシリコン基板75の上に重ねて固定される第2のシリコン基板76には金属被膜を蒸着することで図示しない配線パターンが形成され、前記したリー導体28、ワイヤーボンディング等により接続がなされる。第2のシリコン基板58に設けられるLDチップ34としては、前記例と同様、別体で製造した複数の発光源を有する半導体レーザアレイチップを用いるが、実装面に垂直に発光源が配列するようサブマウント59を介してに実装してなる。
【0111】
半導体レーザの背面光を検出するモニタ用のフォトダイオード35は第2のシリコン基板76上に直接形成している。カップリングレンズ67は円筒状となし第2のシリコン基板76上に形成したV溝67に円周部の一部を当接させて設置されている。
【0112】
第2のシリコン基板76上に重ねて固定されるフレーム77は単結晶Si基板を用い異方性エッチングによりカップリングレンズ67から出射した光ビームを第2のシリコン基板76上に形成したアパーチャ62を通してミラー73へと導く反射部63'および半導体レーザの背面光をフォトダイオード35へと導く反射部64'が形成されている。
【0113】
ミラー73で偏向走査された光ビームは図11に示すように第2のシリコン基板76の裏側に数100μmの間隔gをもって対向して設けた反射部416との間で、本例ではR=4回往復して反射させて、開口65を通過して出射される。
【0114】
本例では、ミラー73の振幅角度は約3°であり4回の反射により反射点を副走査方向に徐々に移動しながら走査角度を3°×2R=24°まで拡大させることができる。
【0115】
ここで、反射部64'とミラー73との間隔をg、ミラー73への光ビームの副走査方向入射角度をβ、入射する副走査方向での光束径をω(本例ではアパーチャ62の径)とすると、少なくとも g・tanβ>ω なる関係とすることで回転軸に対称に走査角が得られるようにしている。
【0116】
フレーム77に重ねて固定される封止基板66'は透明部材よりなり光ビームを被走査面上に結像する走査レンズの一部を構成するレンズの機能、例えばミラー部への斜入射に伴う走査線の曲がり補正機能をその射出窓215'に持たせている。
【0117】
図10中、発光源用駆動回路38はLDチップ34への電流供給を制御する回路であり第2のシリコン基板76上に、また、偏向手段用駆動回路39"はミラー73の周縁に金属被膜を蒸着することで形成した前記コイル部への電流供給を制御する回路であり第1のシリコン基板52上に直接形成されている。
【0118】
上記した電極基板71、第1のシリコン基板75、第2のシリコン基板76、フレーム77、封止基板66'を順次積層して接合することで光走査モジュール801"を構成する。
【0119】
本例では、前記1−cの例1に準じて、以下の利点がある。
【0120】
光源部基板としての第2のシリコン基板76を第1のシリコン基板75を介して電極基板71上に積み上げることで、発光源と偏向手段を上下方向に重ねて配置できるので装置サイズを小型化することができる。
【0121】
電極基板71の上に、第1のシリコン基板75、第2のシリコン基板76等を積み重ね、封止基板66'で封止することにより、発光源であるLDチップ34およびミラー73、反射部63'、64'等の偏向手段を内包して密閉して、安全性を高めると共に、内外の電気的接続を容易に行なうことができる。
【0122】
LDチップ34からの光ビームをフォトダイオード35やミラー73へと導く反射部63'、64'を一体的に形成してなるフレーム77を電極基板71と封止基板66'との間に積み重ねて配備したことにより、LDチップ34と偏向手段(ミラー73、反射部63'、64'等を上下方向に重ねて配備したときの光ビームの伝達を厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで行なえるので製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0123】
ミラー73は揺動するので可動部を構成するが、この可動部を格納する第1のシリコン基板75を電極基板71と封止基板66'との間に積み重ねて配備するとともに反射部63'、64'をフレーム77と一体的に形成してなることにより、厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで射出方向の精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0124】
ミラー73により偏向走査された光ビームを半導体レーザの積層面と非平行な方向へと射出するようにする反射部63'を具備したことにより、当該光走査モジュール801"の端子13を実装面にハンダ付け固定する際に実装面上での設置角度および位置を調節することで被走査面上での走査線の傾きおよび走査位置を容易に合わせることができるので、ネジ締め等の作業も不要となり、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0125】
封止基板66'と一体若しくは一体的に設けられた出射窓215'はミラー73により偏向走査された光ビームを被走査面に結像する走査レンズを兼ねているので、部品の共通化が図れ、かつ、厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで走査レンズと発光源であるLDチップ34および偏向手段であるミラー73との配置精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
【0126】
図8には図示していないが、前記図1における放熱板414−1に準じた放熱板を電極基板71の外形より外側に突出させ、LDチップ34と接合させた構成をとれば、発熱の大きいLDチップ34を冷却することで、第2のシリコン基板76の収納スペースをより小さくし、また、放熱板をリードフレームの一部として形成することもできるので、小型で生産性の良好な光走査モジュールを提供できる。
【0127】
本例のように、第2のシリコン基板76上にLDチップ34と発光源用駆動回路38を配置した構成では、光走査モジュールの外部との電気接続に関し、発光源と発光源用駆動回路との間の配線はリードフレームにより既設であるため、発光素子用駆動回路と外部との接続だけで済むので、前記1−aの例と同様、端子数を低減して光走査モジュールの小型化を図り、需要に応じて簡単に高精度な光走査装置を構成することも可能であり、生産性の向上を図ることができる。
【0128】
本例におけるものと同じサイズの光走査モジュールを量産して準備しておくことにより、これらを適宜の数だけ組み合わせることで、各種の規格サイズの走査に適合する走査装置を容易に得ることができる。
【0129】
本例では、発光源としてのLDチップ34および発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段としてのフォトダイオード35を実装した光源部基板である第2のシリコン基板76を保持体としての電極基板71と封止板66'との間に積み重ねて配置した構成とした。
【0130】
第1のシリコン基板75を介して第2のシリコン基板76を電極基板71上に積み上げることで、導体28を介して電極基板71と、第1のシリコン基板75および第2のシリコン基板76との電気配線がなされるようにすることができるし、また、電極基板71上に第1のシリコン基板75、第2のシリコン基板76を重ねて一体化する構成であるので、発光源と一体のLDチップ34を搭載した第2のシリコン基板76と、ミラー73を搭載した第1のシリコン基板75との相互の配置精度を確保することも容易であり、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
[2]第2の実施の形態
本実施の形態は前記した光走査モジュールを他部材、例えば、回路基板上に装着して光走査装置を構成する例であり、主として請求項3ないし16、18ないし20に記載の発明に対応する。
例1.図12は、前記図1、図2で説明した光走査モジュール101をk=3個組み合わせて光走査装置1を構成した例を示している。図2は図1における光走査モジュール101部の断面を示している。図1、図2における光走査モジュール101およびこの光走査モジュール101と全く同じ光走査モジュール102、103を主走査方向Xに沿って配列し、回路基板104上に走査方向を合わせて実装した例を示す。なお、図12では各光走査モジュール101、102、103は図1に示したキャップ410を透視して描いている。
【0131】
各光走査モジュール101、102、103は発光源であるLDチップ402、カップリングレンズ407、偏向手段であるポリゴンミラー405等がハイブリッドICと同様、セラミックまたはエポキシ系樹脂製の電極基板401やキャップ410等によるパッケージ内に収容され、パッケージ内に形成されるLDチップ402の駆動回路やポリゴンミラー405を回転するモータの駆動回路と回路基板104に形成された回路との接続はパッケージの内外を貫くよう一体的に形成された多数の取り付け手段2により行われている。
【0132】
各光走査モジュール101、102、103は回路基板104上に形成された回路に取り付け手段2をハンダ付けすることにより固定されるが、その際に被走査面105において各光走査モジュール101、102、103の走査線106、107、108の傾き、及び副走査方向Yでの位置を監視しながら、パッケージの裏面、つまり、光走査モジュール101を例にとれば、当接部401−3(図参照)を回路基板104の上面に沿わせて前記図3で説明した方法により、図示したα方向、γ方向への位置決めを行い、各走査線を同一直線上に合わせる。なお、本例では回路基板104上に光走査モジュールを配置したが、同一平面を有する基体であれば効果は同様である。
【0133】
光走査モジュール101、102、103を同一の回路基板104上に走査方向を合わせて配列するとともに、回路基板104面上において各々の相対的な設置傾きを調節する過程で、複数の光走査モジュール間の走査線傾きを簡単かつ確実に補正でき、最良の調整状態で固定できるので、継ぎ目での画像品質の低下を抑え高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供できる。
【0134】
このように、光走査モジュールを3個、LDチップ402やポリゴンミラー405を駆動制御する回路を具備した同一の回路基板104に、取り付け手段2と回路基板104との接続配線により固定することにより、光走査装置1が構成される。取り付け手段2は端子と兼用されるので構成も簡易であり、配線と固定が同時に行なわれる。同じ光走査モジュールを量産して準備しておくことにより、これらを適宜の数だけ組み合わせることで、各種の規格サイズの走査に適合する光走査装置を容易に得ることができる。
【0135】
本例では、1つの光走査モジュールの記録幅が約80mmでありA4幅の走査用として光走査モジュールを3つ配備している。このように本例では1ラインを主走査方向に複数に分割して走査を行うが、必ずしも同一直線上に合わせる必要はなく、飛び越しラインの走査によりタイミング制御にて重ね合せてもよい。
【0136】
各光走査モジュール101、102、103から出射された光ビームは副走査方向Yに集束作用のあるトロイダルレンズ面を走査方向に連続して成形した結像素子である第2レンズ109a、109b、109cを介して被走査面105にスポット状に結像される。
【0137】
このように、光走査モジュールから射出した光ビームを少なくとも副走査方向Yにおいて被走査面105に結像させる作用を有する第2レンズ109a、109b、109cを光走査モジュールの配列方向に連続して一体的に設けたことにより、各第2レンズ109a、109b、109cの焦線同士の配置精度が維持できるので、各走査モジュールによる走査ライン間の継ぎ目での画像品質の低下を抑え高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供できる。
【0138】
各光走査モジュール101、102、103により、各走査領域は若干の重なり部をもって走査され、走査領域外の光ビームはミラー110、111、112、113により反射され各々光走査モジュールの走査方向の両端に配置され、回路基板104の裏側に設けられた光検出手段としてのセンサー114、115、116、117に入射されて走査始端と走査終端とで各々の光ビームが検出されるようにしている。
【0139】
このように、センサー114、115、116、117を配備したことにより、後述するように、センサー間の走査時間の変化を光走査モジュールにフィードバックして記録幅を制御して、主走査方向においても走査ラインの継ぎ目での画像品質の低下を抑え高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供できる。
【0140】
上記センサーは各光走査モジュール101、102、103毎に2個づつ具備してもよいが、本例では隣接する光走査モジュールでは走査始端と走査終端のセンサーを共用する構成としている。例えば、光走査モジュール101の走査終端と光走査モジュール102の走査始端とはセンサー115で共用され、同様に、光走査モジュール102の走査終端と光走査モジュール103の走査始端とがセンサー116で共用されている。
【0141】
上記したミラー110、111、112、113を第2レンズ109の直前に配備することで走査範囲を規制し隣接するレンズ面への光ビームの入射を阻止する役割を兼ねている。
【0142】
光走査モジュールの各々の走査幅を規制する走査幅規制手段としてのミラー110、111、112、113を偏向手段であるポリゴンミラー405から第2レンズ109a、109b、109cまでの光路中、かつ、第2レンズ109a、109b、109cより上流側に具備したことにより、隣接する光走査モジュールにおける記録終端位置と隣接する記録開始位置を近づけても隣接する第2レンズ109a、109b、109cへの光ビームの進入を阻止でき、連続して一体的に形成したこれら第2レンズ109a、109b、109cにより、ラインの継ぎ目での画像品質の低下を抑え高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供できる。
【0143】
ここで、走査幅規制手段としてのミラー110、111、112、113は図13に示すように、回路基板104に支持されたハウジング80に一端側稜線部を当接して上から板ばね81で押圧支持されていて、ハウジング80にねじ込まれたねじ82を回転することにより傾き角度を調節することができる構成になっている。この調節手段を検出位置調整手段999という。
【0144】
走査幅規制手段はミラー110、111、112、113からなり、反射された光ビームをセンサー114、115、116、117により検出できるので、この結果に基き記録終端位置と走査終端検出位置、及び記録開始位置と走査始端検出位置の距離を近づけることができる。これより、記録幅と検出した走査幅との差を縮め、記録幅の変化を正確に予測して、隣接するラインの継ぎ目での画像品質の低下を抑えた高品位な画像形成が可能な光走査装置を提供できる。
例2.図14は、前記図4で説明した光走査モジュール601をk=3個組み合わせて光走査装置1'を構成した例を示している。本例の光走査モジュールは図14で説明したように、光導波路内にレーザによる光ビームを通し、偏向器として表面弾性波を励起するトランスデューサを用いたものである。
【0145】
光走査モジュール601と同じ光走査モジュール602,603を前記図12におけると同様、回路基板604上に主走査方向Xに配列して位置調整の後、固定する。
【0146】
一方、結像光学系は前記図12の例ではレンズ構成による第2レンズ109a、109b、109cを用いたが、本例ではfθ特性を有するトロイダルミラーを連続して設けた結像ミラー605a、605b、605cによる結像素子を用いる。
【0147】
同様に各光走査モジュール601、602、603の両端には光検出手段としてのセンサー610、611、612,613を回路基板604の上面に配備し結像ミラー605a、605b、605cの直前にミラー606、607、608、609を配備し走査始端と走査終端とで光ビームを折り返して検出する。
【0148】
図14に示した本例において、センサー610、611、612,613は図12におけるセンサー114、115、116、117に対応し、ミラー606、607、608、609はミラー110、111、112、113に対応し、第2レンズ109a、109b、109cは結像ミラー605a、605b、605cに対応し、図12において説明した内容と同じ機能を果たす。
例3.
図15は、前記図5で説明した光走査モジュール701をk=3個組み合わせて光走査装置1"を構成した例を示している。光走査モジュール701と同じ光走査モジュール701a、701b、701cを前記図12におけると同様、回路基板502上に主走査方向Xに配列して、位置調整の後、端子13を用いて、ハンダ付けにより回路基板502に固定する。
【0149】
一方、結像光学系は前記図12の例における第2レンズ109a、109b、109cと同じものを用いる。機能も図12におけるものと同じである。同様に各光走査モジュール701a、701b、701cの両端には光検出手段としてのセンサー503、504、505、506を回路基板503の上面に配備し第2レンズ109a、109b、109cの直前にミラー507、508、509、510を配備し走査始端と走査終端とで光ビームを折り返して検出する。
【0150】
図15に示した本例において、センサー503,504、505、506は図12におけるセンサー114、115、116、117に対応し、ミラー507、508、509、510はミラー110、111、112、113に対応し、図12において説明した内容と同じ機能を果たす。
【0151】
なお、前記図6、図7に示した光走査モジュール801、前記図8、図9に示した光走査モジュール801'、前記図10、図11に示した光走査モジュール801"についても、それぞれ同じものを3個、図15における光走査モジュール701a、710b、710cに置き換えて配置することにより光走査装置を構成することができる。
【0152】
このように本発明による光走査モジュールを回路基板に配置することで、結像光学系や偏向器の方式によらず光走査装置を構成することができる。
[3]第3の実施の形態
本実施の形態は主として請求項17、21ないし25、26に記載の発明に対応する。通常、偏向器を用いて光ビームを走査して画像を記録する方式においては記録幅の大きさに比例して偏向器から被走査面までの距離が拡大するため、装置が大型化し走査レンズの口径や偏向器が大型化するという欠点がある。それに対し、前記したように複数の光走査モジュールを共通の回路基板上に配列し、全記録幅を分割して走査することにより小型化が可能である。しかも継ぎ合わせる光走査モジュールの数を変えるだけで被走査面までの距離を拡大せずに記録幅を拡大することもできる。
【0153】
反面、各光走査モジュールでは1ラインを分割した部分画像データを記録する場合、各々の偏向手段は非同期で回転しているため画像データの記録開始のタイミングをとる同期検知信号の発生順が特定しておらず、各々個別なタイミングで記録が行われる。
【0154】
光走査モジュール毎に1ページ分の画像データをあらかじめ作成しておけばよいが、継ぎ目位置が常に特定であり規則性がよいため、継ぎ目が目立ち易いという問題がある。
【0155】
以下に示す例では複数の光走査モジュールを直線上に配列し、全記録幅を分割して走査するようにし、1ライン毎に各光走査モジュールに対応した部分画像データをその配列順に沿って読み出し、ラインの継ぎ目において隣接部の画像データを関連付けいわゆる継ぎ目をぼかすようにドット位置やパルス幅の制御を行なえるようにすることで、副走査方向の位置ずれが目立たないようにした光走査装置を提供するものである。
【0156】
以下、図12に示した光走査装置1について説明するが、前記図14で説明した光走査装置1'、図15で説明した光走査装置1"等、前記した各光走査モジュールを用いた光走査装置についても同様に実施できる。
【0157】
図16は各光走査モジュールの走査始端、走査終端に配備したセンサーにおける光検出のタイミングを示している。上から順にセンサー114、115、116、117による検出信号を示す。
【0158】
符号S11は光走査モジュール101による走査始端の検出信号、符号S12は走査終端の検出信号を示す。符号S21は光走査モジュール102による走査始端の検出信号、符号S22は走査終端の検出信号を示す。符号S31は光走査モジュール103の走査始端の検出信号、符号S32は走査終端の検出信号を示す。
【0159】
検出信号S11から検出信号S12までの時間T1が光走査モジュール101におけるポリゴンミラー405の走査時間を示す。検出信号S21から検出信号S21までの時間T2が光走査モジュール102におけるポリゴンミラー405の走査時間を示す。検出信号S31から検出信号S32までの時間T3が光走査モジュール103におけるポリゴンミラー405の走査時間を示す。
【0160】
上記したように隣接する光走査モジュール、具体的には光走査モジュール101と光走査モジュール102では走査始端と走査終端のセンサー115を共用し、同様に、光走査モジュール102と光走査モジュール103では走査始端と走査終端のセンサー116を共用し、それぞれ検出位置を同じくしている。このため、センサー115、116では異なる光走査モジュールの検出信号が時系列に検出される。
【0161】
各走査モジュールにおける走査始端の検出信号S11、S21、S31はいわゆる同期検知信号として用いられ、この信号より所定の時間を経過後に、光ビームに画像信号がのせられて被走査面105での記録が開始される。従って走査開始まもない記録開始位置は外因による変動を生じ難く誤差を生じないが、記録終端位置はレーザダイオードの波長や結像レンズの倍率が熱の影響などで変化し、誤差を生じる。その結果、隣接する光走査モジュールによる走査ラインの継ぎ目が離間したり重なったりしてしまう。
【0162】
そこで本例では、先行して走査を行なう光走査モジュールについて、画素クロック周波数を最適化することで先行光モジュールの記録終端位置と隣接する後行光走査モジュールの記録開始位置とが一致するようにしている。
【0163】
つまり、記録幅L=走査速度V×記録画素数N/画素クロック数fで表されるため、画素クロック周波数fを調節することで記録幅Lを調節することができる。よって、各光走査モジュールについて、各々最適な画素クロック周波数を選択することで記録終端位置を補正し、走査ラインの継ぎ目を合致させることができる。ここで、V=走査始端から走査終端までの距離D/走査時間Tとし、走査始端から走査終端までの距離Dと記録画素数Nは変動せず一定とする。
【0164】
また、経時においても半導体レーザの波長や結像レンズの倍率は環境変化に伴い変化し記録終端位置が変動することがわかっている。そのため、例えば、図21において、光走査モジュール101(#1)と光走査モジュール102(#2)とについて考えると、光走査モジュール101の記録終端m1'から走査終端s11までのその時点,時点における仮想距離L(1)2は、光走査モジュール101の走査始端s11から走査終端s11'までの距離と走査時間T1から求められる走査速度V1で予測できる。
【0165】
同様に、光走査モジュール102の走査始端s21'から記録始端m2までのその時点,時点における仮想距離L(2)1は、光走査モジュール102の走査始端s21から走査終端s21'までの距離と走査時間T2から求められる走査速度V1で予測できる。
【0166】
そこで、これらの予測値を当初最適化した時点でのそれぞれ対応する距離と比較することにより、上記仮想距離L(1)2と上記仮想距離L(2)1の和が一定になるように光走査モジュール101の画素クロック周波数fを設定しなおすことで、記録幅を補正すれば、記録終端m1'と記録始端m2とは常に過不足なくつながることになる。
【0167】
一般例で説明すれば、任意のn番目の光走査モジュールについて、記録終端から走査終端検出までの仮想距離L(n)2と、走査始端検出から記録紙端までの仮想距離L(n+1)1を、それぞれの走査モジュールの走査始端から走査終端までの走査時間T(n)、T(n+1)より求められる走査速度V(n)、V(n+1)から予測し、当初最適化した時点での各距離と比較することにより、L(n)2+L(n+1)1が常に等しくなるように再度n番目の光走査モジュールの画素クロックf(n)を設定し直すことで、記録幅を補正し記録終端位置と隣接する走査開始位置とがずれないように制御でき、隣接する光モジュールにおける走査ラインの継ぎ目を常に合致させることができる。
【0168】
本例ではこれを簡素化し、各光走査モジュールにおける記録幅変動の比率は同等であるという仮定のもとに同じセンサーで検出されるn番目の光走査モジュールの走査終端から隣接するn+1番目の光走査モジュールの走査始端までの時間差のみを用い、n番目の光走査モジュールの記録幅制御を行なっている。
【0169】
言い換えればn番目の光走査モジュールの記録終端位置と走査終端検出までの変化とn+1番目の光走査モジュールの走査始端検出と記録開始位置までの変化を合わせてn番目の光走査モジュールの記録幅を補正している。
【0170】
図17は上記制御のための制御手段をブロック図で示したものであり、同図において、走査終端の検出信号S(n)2と走査始端の検出信号S(n+1)1とをカウンタ90に入力し、演算部91で時間差t(n)'を求めると共に、当初設定値t(n)と比較して変化量を演算する。これをもとに画素クロック周波数の設定値fを補正値f'に置き換えて書込制御部92に入力し、検出信号S(n)1で与えられる同期検知信号をトリガーとして記録を行なう。なお、図示しないがこれらの制御回路も前記回路基板104(図12参照)上に実装される。
【0171】
ここで、カウンタ90、演算部91は各光走査モジュールによる光の走査終端での光の光検出信号と該走査終端側に隣接する光走査モジュールによる光の走査始端での検出信号との発生タイミングの変化を計測する計測手段である。
【0172】
かかる計測手段を設けたことにより、各光走査モジュールでその走査終端での光ビームの光検出信号と走査終端側に隣接する光走査手段の走査始端の検出信号との時間間隔の変化を計測することにより画像記録幅を補正することで、距離が近く計測時間が最短ですむので、カウンタの分解能が向上でき継ぎ目での画像品質の低下を抑え高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供できる。
【0173】
図18は各光走査モジュールの書込制御部における各種信号のタイミングを示した図である。なお、図18、図19において、符号#1は光走査モジュール101、符号#2は光走査モジュール102、符号#3は光走査モジュール103にかかることを示す。
【0174】
センサー114では1番目の光走査モジュール101の同期検知信号S11を発生する。書込制御部ではこれをもとに書込可能域信号を立ち上げてアクティブにして画像記録が可能な状態とし図17に示すラインバッファ93より画像データを読み出す。読み出された画像データに応じてLDが変調され画像が記録される。また、上記同期検知信号S11をトリガーとし書込可能域信号の終了まで検出可能域信号をアクティブにする。このアクティブにされた検出可能域信号の範囲が検出可能区間である。
【0175】
このように、光走査モジュールについて、各々走査開始側に隣接した光走査モジュールの同期検知信号をトリガーとしてライン毎に検出可能区間を設けるとともに、該検出可能区間で検出された検知信号のみを用いてラインバッファ93などバッファ手段よりの画像データの読み出し制御を行なうことができる。
【0176】
このように、光走査モジュールは各々走査開始側に隣接した光走査モジュールの同期検知信号をトリガーとしてライン毎に検出可能区間を設けるとともに、該検出可能区間で検出された検知信号のみを用いて前記バッファ手段よりの画像データの読み出し制御を行なったことにより、各光走査モジュールの配列順に沿って画像記録が行われるので、副走査方向の位置ずれが目立たない高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供することができる。
【0177】
本例ではこの信号がアクティブな状態の時のみ2番目の光走査モジュール102の同期検知信号S21が有効となるようにしている。同様に3番目の光走査モジュール103の同期検知信号は同期検知信号S21をトリガーとした検出可能域信号がアクティブな状態の時のみ有効とし、1ラインを分割した各々の部分が順次記録される。
【0178】
これにより光走査モジュール101の記録開始から記録終端までの区間内に光走査モジュール102の記録開始が、光走査モジュール102の記録開始から記録終端までの区間内に光走査モジュール103の記録開始が行われることになり、副走査方向の位置ずれは確実に1ラインピッチ以下とすることができる。
【0179】
この際、各光走査モジュールの同期検知信号が上記検出可能域信号がアクティブな範囲内で検出される必要があるが、前記図13で説明した検出位置調整手段999により、前記ミラー111、112の主走査角度を調節することで実現できる。
【0180】
このように、光走査モジュールはその同期検知信号が各々走査開始側に隣接した光走査モジュールの同期検知信号より少なくとも遅れて検出するよう光検出手段(センサー114、115、116、117)への入射ビームの主走査位置を調節する検出位置調整手段999を具備したことにより、各光走査モジュールにおける同期検知信号の発生が確実にその配列順に沿ってなされ、副走査方向の位置ずれが目立たない高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供することができる。なお、検出位置調整手段999に代えて、偏向手段の回転位相を調節しても同様に実現できる。
【0181】
図20はポリゴンミラー405等偏向手段の回転速度制御ブロック図であるが、制御方式としては一般的なPLL制御を用いている。ポリゴンミラー405からフィードバックされる回転速度を表すFG信号とこの光走査装置1の制御系手段から与えられる回転速度基準信号との位相差が常に一定となるようにPLL制御部171で制御された駆動信号がポリゴンミラー405を回転駆動するモーター172に入力されるようになっている。
【0182】
よって、この回転速度基準信号の位相を位相調整手段としての位相調節部170で調節することにより、光走査モジュールはその同期検知信号が各々走査開始側に隣接した光走査モジュールの同期検知信号より少なくとも遅れて検出するよう偏向手段への回転速度基準信号の位相を調節することができ、これにより、各光走査モジュールにおける同期検知信号の発生が確実にその配列順に沿ってなされるので、副走査方向の位置ずれが目立たない高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供することができる。
【0183】
本例では上記したように走査始端検出と隣接する光走査モジュールの走査終端検出を同一のセンサーを用いており、これらの信号を分離する必要がある。前記検出可能域信号はこのマスク信号としても用いることができる。
【0184】
図19は各光走査モジュールへの画像データの流れを説明する図である。
各光走査モジュール各々が受け持つ画像データ分のみのラインバッファ150、151、152を具備する。ページメモリより読み出された1ライン毎のデータは画像処理部160にて分割位置での隣接する画像情報よりドット位置や各ドットのパルス幅(変調デューティ)を最適化した後、走査開始側より次の分割位置までの画素数がカウンタ161で計測されつつ、切り換え手段162を経て先ず、第1のラインバッファ150へ転送され、分割位置に達したところで転送先を第2のラインバッファ151に切り換えると同時にカウンタ161をクリアするというように所定データ分のみが順次各光走査モジュールの書込制御部に分配され記録される。
【0185】
そして、第3のラインバッファ152への転送が終了した時点で次のラインのデータに移行し同様に読み出すという動作を繰り返す。このように、光走査モジュールに対応して画像データを一時保存する複数のバッファ手段と、1ライン分の画像データを分割し各光走査モジュール毎に割り当てて各々のバッファ手段に分配する切り換え手段と、割り当てる画像データ数をカウントするカウント手段を具備したことにより、分割位置によらず各光走査モジュールに対応した部分画像データをその配列順に沿って書き出すことができ1ライン毎に処理されるので、副走査方向の位置ずれを確実に1ライン内に抑えることができる上、ライン毎に継ぎ目部のパルス幅やドット数を増減することで継ぎ目を目立ちにくくすることができ高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供することができる。
【0186】
以上のように、本例では、複数の光走査モジュール101、102、103及び同期検知信号を検出する光検出手段であるセンサー114、115、116、117を同一の基体(回路基板104)上に一体的に保持しているので、光走査装置1を交換する場合においても光走査モジュール101、102、103相互間の関係を再度調節する必要がなく、経時的にもこの関係を維持できるので、副走査方向の位置ずれが目立たない高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供することができる。
[4]第4の実施の形態
本実施の形態は主として請求項2に記載の発明に対応する。
例1.本例は、前記図12、図14、図15等で説明した光走査装置1(1'、1")を使用した単色の画像形成装置に関する。図22は、デジタル式の画像形成装置の主要部断面示す。図22において、ドラム状をした回転体からなる感光体150の周面部は図12、図14、図15等における被走査面105を構成している。
【0187】
この感光体150のまわりには、矢印で示す時計回りの向きの回転方向順に、帯電ローラからなる帯電装置151、光書込み手段としての光走査装置1(1'、1")、現像ローラ152を具備した現像手段153、記録媒体154としての転写紙を保持して搬送する転写搬送ベルト155、感光体150の周面に摺接するブレード156を具備したクリーニング手段157などが配置されている。
【0188】
感光体150上であって帯電装置151と現像ローラ152との間の位置には光走査装置1(1'、1")から光ビームLbが感光体150に向けて照射され軸方向の主走査方向に走査されるようになっている。この光ビームLbの照射位置を露光部158と称する。
【0189】
転写搬送ベルト155は無端状のベルトであって、2つの支持ローラ159、160に支持されている。これら支持ローラ159、160により支持された転写搬送ベルト155の中間の位置には感光体150の下面が接している。この接している部位が転写部161であり、この転写部161における転写搬送ベルト155の裏側には転写バイアスを印加する転写手段としての転写ローラ162が設けられている。
【0190】
転写搬送ベルト155は矢印で示すように反時計回りの向きに回転駆動されるようになっている。該転写搬送ベルト155の上側ベルト部の上流端のさらに上流側の位置には一対のレジストローラ161が設けられている。このレジストローラ161に向けて、図示しない搬送ガイドに案内されて図示しない給紙トレイに収納された記録媒体154が給紙コロ164から送り出されるようになっている。転写搬送ベルト155の上側ベルト部の下流端のさらに下流の位置には、定着装置165が配置されている。
【0191】
転写搬送ベルト155の上側ベルト部の上流端部において該転写搬送ベルト155を支持している支持ローラ160の上方には、該転写搬送ベルト155に当接するようにして吸着手段としてのブラシローラ166が矢印で示す時計回りの向きに回転駆動されるようにして設けられている。
【0192】
ブラシローラ166が回転すると、ブラシは転写搬送ベルト155に摺接する。このブラシローラ166には図示しないバイアス印加手段により、記録媒体154を転写搬送ベルト155に吸着する極性のバイアス電流を印加するための電位が与えられるようになっている。
【0193】
この画像形成装置において、画像形成は次のようにして行われる。
感光体150が回転を始め、この回転中に感光体155が暗中において帯電装置151により均一に帯電され、光ビームLbが露光部158に照射、走査されて作成すべき画像に対応した潜像が形成される。この潜像は感光体150の回転により現像装置153に至り、ここでトナーにより可視像化されてトナー像が形成される。
【0194】
一方、給紙コロ164により給紙トレイ上の記録媒体154の送給が開始され、破線で示す搬送経路を経て一対のレジストローラ161の位置で一旦停止し、感光体150上のトナー像と転写部161で合致するように送り出しのタイミングを待つ。かかる好適なタイミングが到来するとレジストローラ161に停止していた記録媒体154はレジストローラ161から送り出される。
【0195】
レジストローラ161から送り出された記録媒体154は転写搬送ベルト155とブラシローラ166との間にくわえられ、バイアスによる静電気力およびブラシの弾性力により押されて転写搬送ベルト155に吸着され、転写搬送ベルト155の移動と共に転写部161に向けて搬送される。
【0196】
感光体150上のトナー像と記録媒体154とは、転写部161で合致し、転写ローラ162により転写搬送ベルト155に印加されたバイアスと感光体150との電位差から形成される電界により、トナー像は記録媒体154上に転写される。
【0197】
こうして感光体150まわりの画像形成部でトナー像を担持した記録媒体154は転写搬送ベルト155と共に搬送され、やがて該転写搬送ベルト155の上側部の下流端部で転写搬送ベルト155から分離されて定着装置165に向けて送り出される。記録媒体154上のトナー像は定着装置165を通過する間に当該記録媒体154に定着されて図示省略の排紙部に排紙される。
【0198】
一方、転写部161で転写されずに感光体150上に残った残留トナーは感光体150の回転と共にクリーニング装置157に至り、該クリーニング装置157を通過する間に清掃されて次の画像形成に備えられる。
【0199】
本例のように、光書込み手段として、光走査装置1(1'、1")を用いることにより、既に述べた光走査モジュールや、光走査装置の利点を備えた小型で高画質の画像形成装置を提供することができる。
例2.
本例は、前記図12、図14、図15等で説明した光走査装置1(1'、1")を使用したタンデム方式のフルカラー画像形成装置に関する。
図23により説明する。このカラー画像形成装置は、記録媒体154を搬送する搬送ベルト250に沿って該搬送ベルトの移動方向(搬送方向)上、上流側から順に、複数個の電子プロセス部251K、251M、251Y、251Cが配列され、所謂タンデムタイプといわれるものである。これらの電子プロセス部は画像形成部として機能する。電子プロセス部251Kは黒、電子プロセス部251Mはマゼンタ、電子プロセス部251Cはシアン、電子プロセス部251Yはイエローの各画像を形成するもので、各電子プロセス部は形成する画像の色が異なるだけで、内部構成は各電子プロセス部とも共通である。よって、以下の説明では、電子プロセス部251Kについて具体的に説明するが、他の電子プロセス部については、電子プロセス部251Kにかかる構成要素のKに代えて、M、Y、Cなどの符号を付したもので図に表示するにとどめる。
【0200】
搬送ベルト250は、その一方が駆動回転させられる駆動ローラと、他方が従動回転させられる従動ローラである搬送ローラ252、253によって回動可能に支持されたエンドレスベルトからなり、これら搬送ローラの回転と共に、矢印の向きに回転させられるようになっている。搬送ベルト250の下方には記録媒体154が収納された給紙トレイ254が備えられている。
【0201】
給紙トレイ254に収納された記録媒体154のうち、最上位置にある記録媒体は、画像形成時に送り出されて静電吸着により搬送ベルト250に吸着される。こうして搬送ベルト250に吸着された記録媒体154は最初の電子プロセス部251Kに搬送され、ここで黒の画像が転写される。
【0202】
電子プロセス部251Kは、像担持体としてのドラム状をしていて、周面部が図12、図14、図15等における被走査面105を構成する感光体255Kと、この感光体ドラム255Kの周囲に配置された帯電器256K、光書込み手段としての前記光走査装置1(1'、1")からなる光書込み装置1K(1K',1K)、現像器257K、感光体クリーナ258Kなどから構成されている。
【0203】
画像形成に際し、感光体255Kの周面は、暗中にて帯電器256Kにより一様に帯電された後、光走査装置1Kからの黒画像に対応した光ビームLbにより露光され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器257Kにおいて黒トナーにより可視像化され、感光体255K上に黒のトナー像が形成される。
【0204】
このトナー像は感光体255Kと搬送ベルト253上の記録媒体154とが接する位置、所謂転写位置で転写器259Kの働きにより記録媒体154上に転写され、該記録媒体154上に単色(黒)の画像が形成される。転写を終えた感光体255Kは該感光体255Kの周面に残留した不要なトナーが感光体クリーナ258Kにより除去され、次の画像形成に備えられる。
【0205】
このようにして、電子プロセス部251Kで単色(黒)を転写された記録媒体154は、搬送ベルト250によって次の電子プロセス部251Mに搬送される。電子プロセス部251Mでは、前記電子プロセス部251Kにおけると同様のプロセスにより感光体255M上に形成されたマゼンタのトナー像が前記記録媒体154上の黒のトナー像に重ね転写される。
【0206】
記録媒体154はさらに次の電子プロセス部251Yに搬送され、同様にして感光体155Y上に形成されたイエローのトナー像が記録媒体154上に既に形成されている黒及びマゼンタのトナー像に重ね転写される。同様にしてさらに、次の電子プロセス部251Cでは、シアンのトナー像が重ね転写されて、フルカラーのカラー画像が得れる。
【0207】
こうしてフルカラーの重ね画像が形成された記録媒体154は、電子プロセス部251Cを通過した後、搬送ベルト250から剥離されて定着器260にて定着された後、排紙される。
【0208】
本例のように、光書込み手段として、光走査装置1(1'、1")を用いることにより、既に述べた光走査モジュールや、光走査装置の利点を備えた小型で高画質のフルカラー用の画像形成装置を提供することができる。
例3.
本例は、前記図12、図14、図15等で説明した光走査装置1(1'、1")を使用した中間転写方式によるフルカラー画像形成装置に関する。
図24において、符号350は潜像担持体の一例としてのドラム状の感光体を示し、周面部が図12、図14、図15等における被走査面105を構成している。この感光体350は画像形成に際して矢印の向きに回転される。この感光体350のまわりには、よく知られるカラー画像形成装置で採用されているものと同じように、帯電手段351、光書込み手段としての前記光走査装置1(1'、1")、現像装置356、中間転写ベルト357、クリーニング手段358等が配置されている。
【0209】
中間転写ベルト357は感光体350に対向近接して同一速度で同一方向に移動するようにプーリ358、359に支持されていて、中間転写部360で感光体350と近接した位置で対向していて、感光体350上のトナー像が転写される時には転写バイアス印加用の転写ローラ361が移動することにより、中間転写ベルト357は感光体350に接触した状態となる。この接触状態において、転写ローラ361には転写バイアスが印加されて感光体350上のトナー像が中間転写ベルト357上に転写されるようになっている。
【0210】
フルカラー画像の形成に際しては、一般的なカラー電子写真プロセスに従う。つまり、帯電手段351により感光体350が帯電され、感光体350上に例えばイエロー用の潜像が形成されると、この潜像は現像装置356を構成している現像装置であるイエローのトナーによる現像器で可視像化され、次いで中間転写体357に転写される。転写後の感光体350上に残留するイエロートナーは、クリーニング手段358のイエロー用のクリーニング装置358Yでクリーニングされる。
【0211】
次いで、感光体350にはマゼンタ用の潜像が同様に形成されてこの潜像が現像装置356を構成している現像装置としてのマゼンタのトナーによる現像器で可視像化され、このマゼンタのトナー像が既に中間転写ベルト357上に形成されているイエローのトナー像に重ね転写される。
【0212】
このように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を順次感光体350上に形成するごとに中間転写ベルト357上に転写していくことで、該中間転写ベルト357上にフルカラーによる重ねトナー像をつくる。このフルカラートナー像は、記録媒体に一括転写される。
【0213】
中間転写ベルト357は感光体350に対向近接して同一速度で同一方向に移動するようにプーリ358、359に支持され中間転写部360で感光体350と近接した位置で対向している。中間転写ベルト357は、感光体350上のトナー像が転写される時には転写バイアス印加用の転写ローラ361が移動することにより感光体350に接触した状態となる。この接触状態において、転写ローラ361には転写バイアスが印加されて感光体350上のトナー像が中間転写ベルト357上に転写されるようになっている。
【0214】
中間転写ベルト357上に転写されたトナー像は、中間転写ベルト357を支持しているプーリ358と該中間転写ベルト357を介して対向圧接して回転する2次転写ローラ362が設けられた2次転写部363において、破線に沿ってレジストローラ364を介して送られてくる図示しない記録媒体に転写される。該記録媒体に転写されたトナー像は定着装置365を通過する間に定着されて、図示省略の排紙トレイ上に排出される。
【0215】
現像装置356は所謂リボルバータイプのものが用いられている。その主要部はドラム状をした現像ドラムからなり、回転軸を中心に放射状に4つの室に仕切られて4つの現像器3Y、3M、3C、3Kを構成している。
【0216】
現像器3Y内にはキャリアとイエローのトナー、現像器3M内にはキャリアとマゼンタのトナー、現像器3C内にはキャリアとシアンのトナー、現像器3BKにはキャリアとブラックのトナーがそれぞれ収容されている。
【0217】
これらの各現像器はそれぞれの外周面部に軸方向にわたってスリットが形成されていて、カラー画像形成のプロセスに従い、該スリットが順次感光体350に対向するように回動位置決めされて暫時停止し、この停止している間に、各現像器3Y、3M、3C、3Kにおいて、前記スリットに対向して設けられた現像路ローラ9が回転して感光体350上の潜像に対応した色のトナーで可視像化する。
【0218】
一方、現像工程後に感光体350上に残留しているトナーは、感光体350の回動と共にクリーニング手段366の部位に至ると、その色に対応して設けられたクリーニング装置によって感光体350上から除去される。たとえば、イエローの現像器3Yによって現像が行われたときには、前記したようにイエローのクリーニング装置366Yによって感光体350上の残留トナーがクリーニングされる。
【0219】
クリーニング装置366Yはブレード367Yを備えていて、このブレード367Yはイエローの残留トナーが到来するタイミングでそれまで感光体350から離間状態だったのが接触状態になり、残留トナーのクリーニングを行う。
【0220】
同様に、マゼンタの現像器3Mに対応してクリーニング装置366M、シアンの現像器3Cに対応してクリーニング装置366C、ブラックの現像器3BKに対応してクリーニング装置366BKがそれぞれ設けられていて、これらのクリーニング装置366M、366C、366BKがそれぞれ備えるブレード367M、367C、367BKは、それぞれのクリーニングに必要な所定の時間だけ感光体350に接触して感光体上の残留トナーをクリーニングする。
【0221】
本例のように、光書込み手段として、光走査装置1(1'、1")を用いることにより、既に述べた光走査モジュールや、光走査装置の利点を備えた小型で高画質のフルカラー用の画像形成装置を提供することができる。
【0222】
光走査装置1(1'、1")は、上記した各種の画像形成装置のほか、各種プリンタ、複写機、ファクシミリ等にも用いることができる。
[4]第5の実施の形態
本実施の形態は主として請求項28に記載の発明に対応する。本例は、前記図12、図14、図15等で説明した光走査装置1(1'、1")を使用した画像読み取り装置に関する。図25において、符号450は支持ローラ451,452間に支持されて回動される搬送ベルトを示す。搬送ベルト450の上流位置には読み取り原稿454を載置する載置手段としてのトレイ455があり、送りローラ456により、1枚ずつ分離されて搬送ベルト450上に送り出されるようになっている。
【0223】
支持ローラ451には原稿送りローラ453が圧接して支持ローラ451に従動して回転されるようになっている。原稿送りローラ453の直前上流側位置には光走査手段としての前記光走査装置1(1'、1")が設けられていて、搬送ベルト450上に搬送されて送られる読み取り原稿454に光ビームLbを照射する。この光走査装置1(1'、1")からの光ビームLbが読み取り原稿454を照射するとき、その反射光の受光位置に撮像素子457が配置されている。
【0224】
搬送ベルト450は読み取り原稿を載置する載置手段であると共に搬送手段であり、読み取り原稿454は、この搬送ベルト450により送られる間に、光走査装置1(1'、1")からの光ビームLbの照射を受けて、撮像素子457により読み取られる。読み取り後の読み取り原稿454は、トレイ458上に送り出される。
【0225】
本例のように、光走査装置1(1'、1")を用いることにより、既に述べた光走査モジュールや、光走査装置の利点を備えた小型で高画質の画像読み取り装置を提供することができる。
【0226】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、可動部を密閉して安全性を高めると共に、内外の電気的接続を容易に行なうとともに、光源部基板を電極基板と封止基板との間に積み上げることで発光源と偏向手段との配置精度を確保することが容易にでき、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
請求項2記載の発明では、光源部基板を電極基板上に積み上げることで、発光源と偏向手段を上下方向に重ねて配置して装置サイズを小型化することができるし、発光源および偏向手段の可動部を内包して密閉して、安全性を高め、かつ、内外の電気的接続を容易に行なうことができる。
請求項3記載の発明では、取り付け手段と端子が兼用されるので、格別な取り付け手段を設けることなく、端子を利用して他部材への取り付け手段を構成したので、部品の兼用により光走査モジュールの構成を簡易とすることができ、発光素子用駆動回路と外部との接続だけで済むので、端子数を低減して光走査モジュールの小型化を図ると共に、複数の光走査モジュールを組み合わせて、需要に応じて簡単に高精度な光走査装置を構成することも可能であり、生産性の向上を図ることができる。
請求項4記載の発明では、発光源と偏向手段を上下方向に重ねて配備したときの光ビームの伝達を厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで行なえるので製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
請求項5記載の発明では、偏向手段から出射された光ビームを特定の方向に出射することができ、当該光走査モジュール装置を実装面にハンダ付け固定する際に実装面上での設置角度および位置を調節することで被走査面上での走査線の傾きおよび走査位置を容易に合わせることができるので、ネジ締め等の作業も不要となり、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
請求項6記載の発明では、偏向手段の可動部を格納するフレームを電極基板と封止基板との間に積み重ねて配備するとともに第2の反射手段をフレームと一体的に形成したので、厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで射出方向の精度が確保でき、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
請求項7記載の発明では、第2の反射面と結像手段とを一体的に構成することにより、結像系の構成が簡単になるとともに、個々に位置決めして取り付ける場合と比べて、予め一体化して構成することから光学的配置精度も高精度となる。
請求項8記載の発明では、偏向手段により偏向走査された光ビームを被走査面に結像する走査レンズの一部を封止基板に形成してなることにより、厄介な位置決めを行なうことなく層状に積み上げるだけで走査レンズと発光源および偏向手段との配置精度が確保できるので、製造工程が簡素化され生産効率が向上する。
請求項9記載の発明では、走査レンズの一部を結像手段とを一体的に構成することにより、結像系の構成が簡単になるとともに、個々に位置決めして取り付ける場合と比べて、予め一体化して構成することから光学的配置精度も高精度となる。
請求項10記載の発明では、発熱の大きい発光源の熱を放熱板で放熱できるので、保持体上の収納スペースをより小さくすることができるし、また、放熱板をリードフレームの一部として形成することもできるので、小型で生産性の良好な光走査モジュールを提供できる。
請求項11記載の発明では、光走査モジュールの外部との電気接続に関し、発光源と発光源用駆動回路との間の配線は既設であるため、発光素子用駆動回路と外部との接続だけで済むので、端子数を低減して光走査モジュールの小型化、生産性の向上を図ることができる。
請求項12記載の発明では、同じ光走査モジュールを量産して準備しておくことにより、これらを適宜の数だけ組み合わせることで、各種の規格サイズの走査に適合する光走査装置を容易に得ることができる。
請求項13記載の発明では、同じ光走査モジュールを同一の回路基板上に組み合わせて配置することで各種の規格サイズの走査に適合する光走査装置を容易に得ることができる。
請求項14記載の発明では、各光走査モジュールを同一の回路基板上に走査方向を合わせて配列するとともに、回路基板上において各々の相対的な傾きを調節する過程で、複数の光走査モジュール間の走査線傾きを簡単かつ確実に補正でき、最良の調整状態で固定できるので、継ぎ目での画像品質の低下を抑え高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供できる。
請求項15記載の発明では、各光走査モジュールを同一の回路基板上に走査方向を合わせて配列するとともに、回路基板上において副走査方向での各々の相対的な位置を調節する過程で、複数の光走査モジュール間の走査位置を簡単かつ確実に補正でき、最良の調整状態で固定できるので、継ぎ目での画像品質の低下を抑え高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供できる。
請求項16記載の発明では、光検出手段により、両光検出手段間の走査時間の変化を光走査モジュールにフィードバックして記録幅を制御できるので、主走査方向においても継ぎ目での画像品質の低下を抑え高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供できる。
請求項17記載の発明では、光走査モジュールでその走査終端での光ビームの光検出信号と走査終端側に隣接する光走査手段の走査始端の検出信号との時間間隔の変化を計測することにより画像記録幅を補正することで、距離が近く計測時間が最短ですむので、カウンタの分解能が向上でき継ぎ目での画像品質の低下を抑え高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供できる。
請求項18記載の発明では、結像素子を光走査モジュールの配列方向に連続して一体的に形成したことにより、各結像素子の焦線同士の配置精度が維持できるので、継ぎ目での画像品質の低下を抑え高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供できる。
請求項19記載の発明では、隣接する光走査モジュールにおける記録終端位置と隣接する記録開始位置を近づけても隣接する結像素子への光ビームの進入を阻止でき、連続して一体的に形成した結像素子により、ラインの継ぎ目での画像品質の低下を抑え高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供できる。
請求項20記載の発明では、走査幅規制手段は反射機能を有するので、反射された光ビームを光検出手段により検出でき、この結果に基き記録終端位置と走査終端検出位置、及び記録開始位置と走査始端検出位置の距離を近づけることができ、記録幅と検出した走査幅との差を縮め、記録幅の変化を正確に予測して、隣接するラインの継ぎ目での画像品質の低下を抑えた高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供できる。
請求項21記載の発明では、分割位置によらず各光走査モジュールに対応した部分画像データをその配列順に沿って書き出すことができ1ライン毎に処理されるので、副走査方向の位置ずれを確実に1ライン内に抑えることができる上、ライン毎に継ぎ目部のパルス幅やドット数を増減することで継ぎ目を目立ちにくくすることができ高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供することができる。
請求項22記載の発明では、各光走査モジュールの配列順に沿って画像記録が行われるので、副走査方向の位置ずれが目立たない高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供することができる。
請求項23記載の発明では、各光走査モジュールにおける同期検知信号の発生が確実にその配列順に沿ってなされるので、副走査方向の位置ずれが目立たない高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供することができる。
請求項24記載の発明では、各光走査モジュールにおける同期検知信号の発生が確実にその配列順に沿ってなされ、副走査方向の位置ずれが目立たない高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供することができる。
請求項25記載の発明では、複数の光走査モジュール、および同期検知信号を検出する光検出手段は同一の基体上に一体的に保持されてなることにより、光走査装置を交換する場合においても前記光走査モジュール間の関係を再度調節する必要がなく、経時的にもこの関係を維持できるので、副走査方向の位置ずれが目立たない高品位な画像形成が行なえる光走査装置を提供することができる。
請求項26記載の発明では、記録幅を補正し記録終端位置と隣接する走査開始位置とがずれないように制御でき、隣接する光モジュールにおける走査ラインの継ぎ目を常に合致させることができる。
請求項27記載の発明では、光走査モジュールや、光走査装置の利点を備えた小型で高画質の画像形成装置を提供することができる。
請求項28記載の発明では、光走査モジュールや、光走査装置の利点を備えた小型で高画質の画像読み取り装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光走査モジュールの分解斜視図である。
【図2】光走査装置及び光走査モジュールの断面図である。
【図3】光走査モジュールを回路基板に取り付ける様子を取り付け治具と共に示した斜視図である。
【図4】光走査モジュールの分解斜視図である。
【図5】光走査モジュールの分解斜視図である。
【図6】光走査モジュールの分解斜視図である。
【図7】光走査モジュールの断面図である。
【図8】光走査モジュールの分解斜視図である。
【図9】光走査モジュールの断面図である。
【図10】光走査モジュールの分解斜視図である。
【図11】光走査モジュールの断面図である。
【図12】光走査装置の斜視図である。
【図13】検出位置調節手段の分解者し図である。
【図14】光走査装置の斜視図である。
【図15】光走査装置の斜視図である。
【図16】光走査モジュールの走査始端、走査終端に配備したセンサーにおける光検出のタイミングを示したタイミングチャートである。
【図17】光走査モジュールの記録幅制御のための制御手段のブロック図である。
【図18】各光走査モジュールの書込制御部における各種信号のタイミングを示した図である。
【図19】各光モジュールに対する画像書込みの信号処理を説明したブロック図である。
【図20】偏向手段の回転速度制御を説明したブロック図である。
【図21】隣接する走査モジュールにおける走査始端と終端、記録始端と終端の関係を模式的に示した図である。
【図22】画像形成装置の構成図である。
【図23】画像形成装置の構成図である。
【図24】画像形成装置の構成図である。
【図25】画像読み取り装置の構成図である。
【符号の説明】
1、1'、1" 光走査装置
2 取り付け手段
13 端子
101、102、103、601,602,603,701、701a、701b、701c、801 光走査モジュール
104 回路基板

Claims (28)

  1. 発光源と発光源からの光ビームを偏向し繰り返し走査する偏向手段とを有する光走査モジュールにおいて、
    前記発光源および偏向手段への電気配線を行う電極を備え前記偏向手段の可動部を保持する電極基板と、該電極基板と積み重ねて配備する封止基板とを有し、前記電極基板と封止基板との間に前記発光源および前記偏向手段の可動部をフレーム基板により内包して密閉し、
    少なくとも前記発光源および該発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段とを実装した光源部基板を前記電極基板と封止基板との間に積み重ねて配備したことを特徴とする光走査モジュール。
  2. 発光源と発光源からの光ビームを偏向し繰り返し走査する偏向手段とを有する光走査モジュールにおいて、
    前記発光源および偏向手段と電気的に接続された電極や偏向手段の軸受を配備する電極基板の上に、前記発光源および該発光源からの光ビームの光量を検出するモニタ手段を実装した光源部基板と、前記偏向手段の可動部を包囲するフレーム基板を積み重ね、封止基板で封止することにより、前記発光源および前記偏向手段の可動部を内包して密閉したことを特徴とする光走査モジュール。
  3. 請求項1または2に記載の光走査モジュールにおいて、
    前記発光源と、前記偏向手段と、発光源用駆動回路又は偏向手段用駆動回路とに接続された端子を前記電極基板に一体的に固定した構成とし、前記電極基板には他部材に取り付ける際に該他部材に当接する当接部が形成されると共に、前記端子を前記電極基板の他部材への取り付け手段としていることを特徴とする光走査モジュール。
  4. 請求項1ないし3の何れか1つに記載の光走査モジュールにおいて、
    前記フレーム基板に、前記発光源からの光ビームを前記偏向手段へと導く第1の反射手段を一体的に形成してなることを特徴とする光走査モジュール。
  5. 請求項1ないし4の何れか1つに記載の光走査モジュールにおいて、
    前記偏向手段により偏向走査された光ビームを前記封止基板に設けられた射出窓へと射出する第2の反射手段を具備したことを特徴とする光走査モジュール。
  6. 請求項5に記載の光走査モジュールにおいて、
    前記フレーム基板に、前記第2の反射手段を一体的に形成してなることを特徴とする光走査モジュール。
  7. 請求項5に記載の光走査モジュールにおいて、
    前記第2の反射手段を前記発光源と前記偏向手段との間に配置される結像手段と一体的に設けたことを特徴とする光走査モジュール。
  8. 請求項5に記載の光走査モジュールにおいて、
    前記偏向手段により偏向走査された光ビームを被走査面に結像する走査レンズの機能の一部を前記封止基板に設けられた射出窓にもたせたことを特徴とする光走査モジュール。
  9. 請求項8に記載の光走査モジュールにおいて、
    前記走査レンズの一部を前記発光源と前記偏向手段との間に配置される結像手段と一体的に設けたことを特徴とする光走査モジュール。
  10. 請求項1ないし9の何れか1つに記載の光走査モジュールにおいて、
    前記電極基板の外形より外側に突出した放熱板を具備するとともに、前記発光源は放熱板と接合されていることを特徴とする光走査モジュール。
  11. 請求項1ないし10の何れか1つに記載の光走査モジュールにおいて、
    前記電極基板には前記発光源、前記発光源用駆動回路の少なくとも一部が実装されていることを特徴とする光走査モジュール。
  12. 請求項1ないし11の何れか1つに記載の光走査モジュールにおいて、
    結像手段を前記電極基板と一体的に設けて、規格サイズの用紙幅の1/k(kは正の整数)に応じた幅の走査を可能としたことを特徴とする光走査モジュール。
  13. 発光源からの光ビームを偏向手段により偏向し繰り返し走査する機能を有する1つのまとまりのある固体として構成された光走査モジュールを他部材に固定して構成した光走査装置であって、
    前記請求項3ないし12の何れか1つに記載の光走査モジュールをk個、前記他部材として構成された、前記発光源や前記偏向手段との配線経路が形成される同一回路基板上に配列し固定したことを特徴とする光走査装置。
  14. 発光源からの光ビームを偏向手段により偏向し繰り返し走査する機能を有する1つのまとまりのある固体として構成された光走査モジュールを他部材に固定して構成した光走査装置であって、
    前記請求項3に記載の光走査モジュールをk個、前記他部材として構成された、前記発光源や前記偏向手段との配線経路が形成される同一回路基板上に配列して固定し、
    前記光走査モジュールが複数設けられる場合、各光走査モジュールは前記同一回路基板上に前記当接部を当接させて、各々の相対的な傾きを調節することにより走査方向を合わせて位置決め、固定されていることを特徴とする光走査装置。
  15. 請求項14に記載の光走査装置において、
    前記各光走査モジュールは、前記同一回路基板上に前記当接部を当接させて、走査方向と直交する副走査方向での各々の相対的な位置を調節して位置決め、固定されていることを特徴とする光走査装置。
  16. 請求項12ないし15の何れか1つに記載の光走査装置において、
    前記各光走査モジュールから出射される光による走査始端および走査終端を検出する1又は2以上の光検出手段を具備したことを特徴とする光走査装置。
  17. 請求項16に記載の光走査装置において、
    前記各光走査モジュールによる光の走査終端での光の光検出信号と該走査終端側に隣接する光走査モジュールによる光の走査始端での検出信号との発生タイミングの変化を計測する計測手段を具備したことを特徴とする光走査装置。
  18. 請求項13ないし17の何れか1つに記載の光走査装置において、
    前記光走査モジュールから出射した光を少なくとも走査方向と直交する副走査方向において被走査面に結像させる作用を有する結像素子を前記光走査モジュールの配列方向に連続して一体的に設けたことを特徴とする光走査装置。
  19. 請求項18に記載の光走査装置において、
    前記光走査モジュールからの各々の光による走査幅を規制する走査幅規制手段を前記偏向手段から前記結像素子に至る光路中に配備したことを特徴とする光走査装置。
  20. 請求項19に記載の光走査装置において、
    前記走査幅規制手段は反射部材からなり反射された光ビームを前記光検出手段で検出することを特徴とする光走査装置。
  21. 請求項13ないし20の何れか1つに記載の光走査装置において、
    前記光走査モジュールに対応して画像データを一時保存する複数のバッファ手段と、
    1ライン分の画像データを分割し各光走査モジュール毎に割り当てて各々のバッファ手段に分配する切り換え手段と、
    割り当てる画像データ数をカウントするカウント手段を具備したことを特徴とする光走査装置。
  22. 請求項21に記載の光走査装置において、
    前記光走査モジュールについて、各々走査開始側に隣接した光走査モジュールの同期検知信号をトリガーとしてライン毎に検出可能区間を設けるとともに、該検出可能区間で検出された検知信号のみを用いて前記バッファ手段よりの画像データの読み出し制御を行なうことを特徴とする光走査装置。
  23. 請求項21又は22に記載の光走査装置において、
    前記光走査モジュールはその同期検知信号が各々走査開始側に隣接した光走査モジュールの同期検知信号より少なくとも遅れて検出するよう前記偏向手段への回転速度基準信号の位相を調節する位相調整手段を具備したことを特徴とする光走査装置。
  24. 請求項21又は22に記載の光走査装置において、
    前記光走査モジュールはその同期検知信号が各々走査開始側に隣接した光走査モジュールの同期検知信号より少なくとも遅れて検出するよう前記光検出手段への入射ビームの主走査位置を調節する検出位置調整手段を具備したことを特徴とする光走査装置。
  25. 請求項23又は24に記載の光走査装置において、
    前記複数の光走査モジュール、および同期検知信号を検出する前記光検出手段は前記一回路基板上に一体的に保持されてなることを特徴とする光走査装置。
  26. 請求項1ないし12の何れか1つに記載の光走査モジュールをk個用いた光走査方法であって、
    主走査方向上、k番目の光走査モジュールによる記録終端位置と走査終端検出までの変化と、k+1番目の光走査モジュールによる走査始端検出と記録開始位置までの変化を合わせてk番目の光走査モジュールの記録幅の補正をして光走査を行なうことを特徴とする光走査方法。
  27. 均一に帯電された感光体に光書き込み手段から光を照射して潜像を形成し、この潜像を可視像化しさらに記録媒体に転写して記録画像を得る画像形成装置において、
    前記光書き込み手段が請求項13ないし25の何れかに記載の光走査装置であることを特徴とする画像形成装置。
  28. 読み取り原稿を載置する載置手段と、前記載置手段上の原稿を走査する光走査手段と、前記光走査手段による前記載置手段上の原稿の反射光を読み取る読み取り手段とを具備した画像読み取り装置において、
    前記光走査手段が、請求項13ないし25、または27の何れか1つに記載の光走査装置であることを特徴とする画像読み取り装置。
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